JP4568022B2 - スクリーニング方法 - Google Patents

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本発明は、塩誘導性キナーゼ2に作用する化合物をスクリーニングする方法に関する。本発明のスクリーニング方法は、新規な糖尿病治療薬をスクリーニングすることができる。
各種のホルモンや神経伝達物質が細胞内のcAMP濃度を増加させることが知られている。細胞内cAMP濃度が上昇すると、cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)を活性化させる。PKAの触媒ドメインが、PKA活性を負に調節する調節ドメインから解離されることによってPKAが活性化されることが報告されている(Mayr et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol, 2, 599-609(2001))。活性化されたPKAはcAMP応答配列(以下、本明細書において「CRE」ともいう)に結合する転写因子であるcAMPresponsive element binding protein(以下、本明細書において「CREB」という」)をリン酸化し、リン酸化されたCREBがCREに結合し、遺伝子の転写活性を制御することが知られている。
脂肪細胞の分化および機能も、やはり細胞内cAMPによって調節されており(Reuschet al., Mol. Cell. Biol. 20, 1008-1020(2000))、CREBの活性化は脂肪細胞の分化誘導に必要不可欠であり、主にCREBが脂肪細胞分化を調節していることが報告されている。また、プレニレーションの阻害によりインスリン誘導性の脂肪細胞の分化機構が阻害された場合、CREBの活性化により脂肪細胞の分化が補完されることも報告されている。一方、CREBは血糖ホメオスタシスの機構を制御している。すなわち、cAMP−PKA−CREB−CREシグナルは脂肪細胞の分化や機能、血糖の調節において非常に重要な役割を果たしており、cAMP−PKA−CREB−CREシグナルをコントロールすることで肥満や糖尿病等を予防、改善できると考えられる。
上述のように、cAMP−PKA−CREB−CREシグナル経路は、リン酸化によって転写因子の活性を制御しており、cAMP応答因子であるCREBでは、リン酸化を受けて、その転写促進能が向上している。細胞内cAMP濃度の上昇によって活性化されたPKAによってCREBの133位のセリン残基がリン酸化され、コアクチベーターCBP(CREB binding protein)と結合したCREB二量体はCRE配列に結合して、下流の遺伝子発現が促進される。また、CREBのbZIPとの相互作用により、CREBの転写活性を促進するコアクチベーターである、Transducersof Regulated CREB activity(以下、本明細書において、「TORC」ともいう)についての研究がなされている。TORCには、TORC1、TORC2及びTORC3の3種類が存在することが知られており、TORCの四量体は、CRE配列に結合したCREB二量体のDNA結合ドメイン(bZIP)に結合し、CREBによる転写活性を促進している。TORCによるCREBの転写活性の促進は、PKAによる133位のリン酸化による活性化とは異なる活性化の経路であることが報告されている(Conkright, M. D., et. al., Mol. Cell. 12(2), p413-423, 2003)。
一方、高塩食ストレス処理したラットの副腎皮質において、塩誘導性キナーゼ(以下、本明細書において、「SIK」ともいう)が同定されている。SIKはストレス刺激下における脂肪代謝の調節に重要な役割を有するセリン・スレオニンキナーゼであるAMP活性化プロテインキナーゼファミリーに属する酵素であり、そのアイソフォームの1種であるSIK2は、主に脂肪組織に発現しており、CREBからの転写活性を抑制している。また、SIK2は脂肪の分化成熟を制御することが明らかになっている。TORC2は、SIK2によってリン酸化され、その171位のセリンがSIK2によってリン酸化されることが明らかになっている。
SIK2は、主に脂肪組織に発現しており、CREBからの転写活性を抑制するので、この作用を阻害することができれば、糖尿病の予防・治療等に有効であると考えられる。
Mayr B et al., Nat Rev Mol Cell Biol. 2001Aug;2(8):599-609 Reusch JE et al., Mol Cell Biol. 2000 Feb;20(3):1008-20 Conkright MD et al., Mol Cell. 2003Aug;12(2):413-23
従って、本発明は、塩誘導性キナーゼ2に作用する化合物をスクリーニングし、新規糖尿病治療薬のリード化合物をスクリーニングする系を確立することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドによってリン酸化される、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを基質として用いたスクリーニング系によって上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとの分子間相互作用を促進もしくは阻害する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、及び(b)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの分子間相互作用を、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化を測定することによって測定し、被検化合物の非存在下における、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化と比較する工程 を有することを特徴とするスクリーニング方法を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを、被検化合物の存在下、リン酸化反応に必要な条件下で接触させ、インキュベートする工程、(b)配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を検出する工程、及び(c)被検化合物の非存在下における、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルと比較して、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルの変化を低下もしくは上昇させる化合物を選択する工程を有することを特徴とするスクリーニング方法を提供する。
また、本発明は、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)DNA結合因子と、該DNA結合因子に対応する応答配列に連結されたレポーター遺伝子を含むベクターと、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、(b)レポーター遺伝子の発現を検出する工程、及び(c)被検化合物の非存在下におけるレポーター遺伝子の発現のレベルと比較して、レポーター遺伝子の発現のレベルを低下もしくは上昇させる化合物を選択する工程を有することを特徴とするスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法によれば、糖尿病治療薬として有用な化合物を精度良く、効率的にスクリーニングすることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のスクリーニング方法は、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとの分子間相互作用を促進もしくは阻害する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、及び(b)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの分子間相互作用を、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化を測定することによって測定し、被検化合物の非存在下における、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化と比較する工程 を有することを特徴とする。
本発明のスクリーニング方法においては、まず、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする(工程(a))。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、ヒト由来の塩誘導性キナーゼ2(以下、本明細書において「SIK2」ともいう)のN末端のメチオニンからC末端のアスパラギンまでの926個のアミノ酸からなるペプチド配列である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、cAMP−PKAシグナルで誘導され、PKAによりリン酸化されて活性化され、cAMP responsive element binding protein(以下、本明細書において「CREB」という」)の遺伝子発現活性を制御しているタンパク質である。
なお、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ヒトまたは他の温血動物由来のSIK2遺伝子の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅することによって得られる。本発明者らは、すでにSIK2が3つのドメイン部分を有していることを見出しており、それらは、キナーゼ活性を有するキナーゼドメイン(ドメイン1)、タンパクの安定化の役割を果たしている安定化ドメイン(ドメイン2)およびキナーゼ活性を制御している制御ドメイン(ドメイン3)であり、ドメイン2がリン酸化制御を受け、リン酸化により転写抑制活性を失うことを明らかにしている。
本明細書において、「実質的に同一」とは、ポリペプチドの活性が同一であること、すなわち、遺伝子転写活性の制御機能を有することを意味する。一部のアミノ酸が欠失、置換または付加された場合、その欠失、置換または付加がなされたポリペプチドは、欠失、置換または付加がなされていないものと活性が同一であれば、実質的に同一である。一般的に、相同性の程度が、全体の90%、好ましくは95%であるアミノ酸配列を有するポリペプチドであれば、実質的に同一であると解釈される。一般には、アミノ酸配列中の一部(好ましくは1〜20個、更に好ましくは1〜10個、最も好ましくは数個)のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸からなるポリペプチドは実質的に同一である。
配列番号:2で表わされるアミノ酸配列よりなるポリペプチドとは、配列番号:1で表わされるポリペプチドである、ヒト由来の塩誘導性キナーゼ2(SIK2、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチド)の20番目のチロシンから271番目のメチオニンまでの252アミノ酸からなる、キナーゼ活性を有するドメイン部分(ドメイン1部分)である、ペプチド配列である。このポリペプチドと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列よりなるポリペプチドとの相同性の程度が、全体の約90%、好ましくは95%以上であるアミノ酸配列を有するポリペプチドであれば、実質的に同一であると解釈される。従って、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列中の一部(好ましくは1〜20個、更に好ましくは1〜10個程度、最も好ましくは数個)のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列からなるポリペプチドも実質的に同一である。
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列よりなるポリペプチドとは、配列番号:1で表わされるポリペプチドである、ヒト由来の塩誘導性キナーゼ2(SIK2、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチド)の20番目のチロシンから271番目のメチオニンまでの252アミノ酸からなる、キナーゼ活性を有するドメイン部分(ドメイン1部分)、及び293番目のイソロイシンから345番目のプロリンまでの53アミノ酸からなる安定化ドメイン部分(ドメイン2部分)を含むペプチド配列である。このポリペプチドと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは配列番号:3で表わされるアミノ酸配列よりなるポリペプチドとの相同性の程度が、全体の約90%、好ましくは95%以上であるアミノ酸配列を有するポリペプチドであれば、実質的に同一であると解釈される。
配列番号:1、配列番号:2及び配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、直接ポリペプチドとしてスクリーニング系に添加することもできるし、又は配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系中で該タンパク質が発現されるように系を構築することも可能である。該タンパク質をコードする遺伝子は、通常の遺伝子組み換え技術によって構築することができる。遺伝子配列情報をもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイズ法によりcDNAライブラリーをスクリーニングして得ることができる。これらを適当なベクターのプロモーターの下流に連結して該タンパク質を発現するベクターを作成することにより、適当な宿主中で該タンパク質を発現させることができる。
用いられるベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC18またはpUC118等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5またはpC194)、酵母由来のプラスミド(例えばpSH19またはpSH15)、λファージ等のバクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイルスまたはバキュロウイルス等のウイルス等の動物ウイルスの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neo等が用いられる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、araBADプロモーター等が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、penPプロモーター、XYLプロモーター、HWPプロモーター、CWPプロモーター等が好ましく、宿主が枯草菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等が好ましく、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が好ましい。動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーター等が好ましく用いられる。また、昆虫細胞を宿主として用いる場合はポリヘドリンプロモーター、OplE2プロモーター等が用いられる。
発現ベクターには、以上の他に、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40orgdiと略称する場合がある)等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明のDNAにコードされたタンパク質を他のタンパク質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼおよびプロテインA)との融合タンパク質として発現させることも可能である。このような融合タンパク質は、部位特異的プロテアーゼを使用して切断し、それぞれのタンパク質に分離することができる。
配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドを発現して、本発明のスクリーニング方法において使用する場合に、上記ポリペプチドを発現させるための宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞等が用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,60巻,160(1968)),JM103(NucleicAcids Research,9巻,309(1981)),JA221(Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)),HB101(Journalof Molecular Biology,41巻,459(1969))、C600(Genetics, 39巻,440(1954)、DH5αおよびJM109等が用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillussubtilis)MI114(Gene,24巻,255(1983)),207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕およびバチルス・ブレビス等が用いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセスセレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccaromycespombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)M71およびハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)等が用いられる。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusianiの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞等が用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyxmori N 細胞;BmN細胞)等が用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(InVivo),13, 213-217,(1977))等が用いられる。昆虫としては、例えば、カイコの幼虫等が用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。哺乳動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞等が用いられる。
上述した細胞で発現した配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、上述した細胞をホモジナイズした後、酸等で抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーを組み合わせことによる公知のタンパク質の精製方法によって精製することができる。
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドはTORC2タンパク質であり、上述した、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、すなわちSIK2によってリン酸化され得るポリペプチドであり、693個のアミノ酸からなるポリペプチドである。配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、SIK2によって、171位のセリンがリン酸化される。
なお、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ヒトまたは他の温血動物由来のTORC2遺伝子の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅することによって得られる。また、「実質的に同一」とは、上述したものと同様である。また、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、従来より公知のペプチドの合成方法に従って製造することができる。
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドは、直接ポリペプチドとしてスクリーニング系に添加することもできるし、又は配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系中で該タンパク質が発現されるように系を構築することも可能である。該タンパク質をコードする遺伝子は、通常の遺伝子組み換え技術によって構築することができる。遺伝子配列情報をもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイズ法によりcDNAライブラリーをスクリーニングして得ることができる。これらを適当なベクターのプロモーターの下流に連結して該タンパク質を発現するベクターを作成することにより、適当な宿主中で該タンパク質を発現させることができる。用いられるベクターや宿主については、上述した、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドにおいて説明したものと同様である。
配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド(SIK2)と、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとのインキュベートは、SIK2とTORC2とが分子間相互作用するのに十分な条件で行う。このような条件としては、例えば、20〜40℃程度の温度、6〜8程度のpHで、0.5〜120分程度インキュベートすることが好ましい。また、上記pH下でインキュベートを行うには、緩衝液中で行うことが好ましく、このような緩衝液としては、例えば、50mM Tris−HCl(pH7.4)、10mM MnCl又は10mM MgClを含有する50mM Tris−HCl(pH7.4)等が挙げられる。
次いで、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの分子間相互作用を、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化を測定する(工程(b))。
蛍光エネルギー移動とは、ある蛍光分子から他の分子へ励起エネルギーが移動する現象をいい、これを利用してポリペプチド間の相互作用を検出することができる。この方法においては、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのそれぞれの特定の部位に異なる2種類の色素を導入する。そして、一方の色素(ドナー)を励起したときに、他方の色素が近くに存在すると、励起エネルギーは他方の色素(アクセプター)に移動し、結果として、ドナーを励起したにもかかわらず、ドナーの蛍光は消光し、アクセプターの蛍光が大きくなる。ところが、2種類の色素が遠くに離れていると、このようなエネルギー移動が起こらず、単にドナーの蛍光が観察される。このエネルギー移動の効率は、2種類の色素間の位置関係で決定される。従って、エネルギー移動効率を測定することによって、両者の距離が決定され、両者の分子間相互作用を検出できる。用いられる色素としては、例えば、ドナーとして、cyan fluorescent protein(CFP)が挙げられ、アクセプターとして、yellow fluorescent protein(YFP)が挙げられる。
上述のように、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化を測定し、被検化合物が存在する場合に、非存在下における、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化と比較し、その変化が小さい場合には、被検化合物が、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとの分子間相互作用を阻害すると言える。
なお、本発明のスクリーニング方法において用いられる被検化合物としては、例えば、ペプチド(タンパク質を含む)、合成低分子化合物、動植物や細菌の細胞抽出物、細胞培養上清などが用いられるが、これらに制限されない。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るスクリーニング方法について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係るスクリーニング方法は、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、リン酸化反応に必要な条件下で接触させ、インキュベートする工程、(b)配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を検出する工程、及び(c)被検化合物の非存在下における、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルと比較して、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルの変化を低下もしくは上昇させる化合物を選択する工程を有することを特徴とする。
本発明の第2の実施形態に係るスクリーニング方法においては、まず、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、リン酸化反応に必要な条件下で接触させ、インキュベートする(工程(a))。この工程(a)は、リン酸化反応に必要な条件下でインキュベートを行う。
配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドのリン酸化部位を含むポリペプチドであり、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドの8位に存在するセリンが、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドの171位に存在するセリンに相当する。
また、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、従来より公知のペプチドの合成方法に従って製造することができる。また、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドを適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。
リン酸化反応に必要な条件下とは、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドが、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドによってリン酸化されるのに必要なpHを与える反応媒体中で、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドがリン酸化されるために必要な成分の存在下で、適切な反応温度でインキュベートすることを意味する。反応に必要な成分としては、例えば、リン酸化反応に必要なリン酸基を供給するATP等のリン酸基供給源、リン酸化反応物を保護する目的で添加するフォスファターゼ阻害剤等が挙げられる。リン酸基を供給する基質としては、一般にアデノシン3リン酸(以下ATPという)等が用いられ、フォスファターゼ阻害剤としてはβ−グリセロリン酸等が用いられる。
本発明において用いられるリン酸化 反応のための緩衝液としては、10mM MnCl、100μM ATP、50mM β−グリセロリン酸を含有する50mM Tris−HCl(pH7.4)等が挙げられる。
次いで、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を検出する(工程(b))。
リン酸化状態を検出する方法に特に制限はないが、例えば、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を識別し得る抗体を用いて、抗体との免疫学的な反応によって検出することができる。本発明において、リン酸化 のレベルとは、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド(以下、基質ペプチドともいう)に占めるリン酸化ペプチドの割合を意味する用語として用いられる。従って、たとえば基質 ペプチド のリン酸化レベルの上昇とは、リン酸化ペプチドの割合が増大する状態を意味する。
本発明において用いられる、リン酸化状態を識別しうる抗体とは、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドの171位に存在するセリンがリン酸化されたポリペプチド、又はペプチドを認識する抗体である。用いられる抗体としては、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であってもよい。
リン酸化状態を識別しうる抗体としてのポリクローナル抗体は、リン酸化された、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたは、リン酸化部位をリン酸化したペプチドをキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)等に結合させたKLH−ペプチド複合体で免疫することによって得た抗血清から、非リン酸化ペプチドカラム(非特異反応抗体吸収用カラム)やリン酸化ペプチドカラム(特異抗体精製用カラム)を用いて精製することができる。又は、上述した免疫原で免疫した動物の抗体産生細胞から樹立したハイブリドーマから、特異抗体を産生するものをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをクローニングすることができる。スクリーニング は、培養上清の非リン酸化ペプチド やリン酸化ペプチド に対する反応性をELISA法により調べ、リン酸化 ペプチドに対して反応性の高いクローンを選択することにより行う。クローニングされたハイブリドーマを培養すれば、必要なモノクローナル抗体を培養上清や腹水から精製することができる。
基質ペプチドと抗体との反応は、例えば、公知のイムノアッセイの原理を利用して検出することができる。一般的には、基質ペプチド又は抗体のいずれかを固相化した状態で用いることにより、未反応成分との分離を容易に行うことができるので好ましい。基質 ペプチド や抗体を固相化する方法は公知の方法が用いられる。例えば、基質ペプチド又は抗体を、化学結合や物理吸着によって固相に直接固定することができる。また、基質ペプチドをビオチン化しておけば、ストレプトアビジンを感作した固相に捕捉し間接的に固相化することができる。一般的に、基質ペプチドを固定化する場合には、タンパク質の担体への吸着が飽和する条件で行うことが好ましい。この場合、ビオチン化した基質ペプチドの固相化は、試料との接触前、接触後、又は接触と同時等、任意のタイミングで行うことができる。更に、互いに親和性を有する組み合わせであれば、アビジン−ビオチン系以外でも本発明に適用することができる。たとえば、基質ペプチドを適当な抗原性物質との接合体としておき、この抗原性物質に対する抗体を感作した固相を利用して基質 ペプチド の捕捉が可能である。本発明において、基質ペプチドや抗体を固定化するための固相としては、反応容器の内壁、粒子状担体、あるいはビーズ状担体など、一般的に固相として利用されているものを利用することができる。その素材についても、一般にタンパク質の物理吸着や化学結合に利用されている、公知のものを利用することができる。具体的には、ポリスチレン製のマイクロタイタープレート等が用いられる。本発明において、リン酸化 のレベルの変化をイムノアッセイの原理に基づいて評価するとき、基質ペプチドと抗体とは、そのいずれかを標識しておくことにより、簡便な操作を実現できる。用いられる標識としては、検出可能な感度を有すれば特に制限はなく、例えば、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、アセチルコリンエステラーゼ等の酵素標識、デルフィニウム等の蛍光標識、放射標識等を用いることができる。また、該抗体と特異的に結合する物質、例えば、二次抗体、プロテインA、プロテインG,プロテインA/G(AとGの融合タンパク質)等を標識する、いわゆる間接標識系を使用することも可能である。基質ペプチドのリン酸化レベルの評価は、抗体の特異性と上記標識に応じて当業者に公知の方法で行うことができる(例えば、超高感度酵素免疫測定法石川榮治著 学会出版センター (1993) 参照)。すなわち、リン酸化 された基質ペプチドとの反応性を持つ抗体を標識した基質ペプチドと組み合わせて利用する場合には、抗体と反応した標識基質ペプチドに由来するシグナルの大きさがリン酸化 活性に比例する。逆に、リン酸化されない基質ペプチドとの反応性を持つ抗体を用いれば、シグナルの大きさはリン酸化活性と逆比例することになる。リン酸化レベルは、リン酸化レベルが判明している基質ペプチドを標準試料として予め作成した検量線に基づいて定量化することができる。あるいは、リン酸化酵素活性フリーの試料を対照として、定性的な比較を行うこともできる。
本発明の第2の実施形態に係るスクリーニング方法においては、次いで、被検化合物の非存在下における、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルと比較して、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルの変化を低下もしくは上昇させる化合物を選択する(工程(C))。
すなわち、被検化合物の存在下において、存在下の場合がリン酸化のレベルが低下していれば、その被検化合物が、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるポリペプチドもしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化活性を阻害すると判断できる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係るスクリーニング方法において用いられる被検化合物としては、例えば、ペプチド(タンパク質を含む)、合成低分子化合物、動植物や細菌の細胞抽出物、細胞培養上清などが用いられるが、これらに制限されない。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るスクリーニング方法について説明する。
本発明の第3の実施の形態に係るスクリーニング方法は、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)DNA結合因子と、該DNA結合因子に対応する応答配列に連結されたレポーター遺伝子を含むベクターと、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、(b)レポーター遺伝子の発現を検出する工程、及び(c)被検化合物の非存在下におけるレポーター遺伝子の発現のレベルと比較して、レポーター遺伝子の発現のレベルを低下もしくは上昇させる化合物を選択する工程を有することを特徴とする。
本発明の第3の実施形態に係るスクリーニング方法においては、まず、DNA結合因子と、該DNA結合因子に対応する応答配列に連結されたレポーター遺伝子を含むベクターと、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする(工程(a))。
本発明のスクリーニング方法において用いられるDNA結合因子としては、例えばcAMPレスポンスエレメント結合タンパク質(CREB)等が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法においては、CREBのリガンド結合領域と他の転写因子との融合タンパク質を用いることもできる。転写因子は、DNA結合領域のみでよい。本発明において、CREBという場合には、この融合タンパク質も含むものとする。用いられる転写因子としては、例えば酵母由来のGAL4タンパク質、GCN4タンパク質、ADR1タンパク質等が挙げられる。
転写因子のDNA結合領域は、応答配列に相当するDNAの結合能を有しているが、単独では転写活性化能を有しないものが好ましい。また、転写因子の転写活性化領域は、転写活性化能を有しているが、単独で応答配列に対するDNA結合能を有しないものが好ましい。
転写因子のDNA結合領域は、例えばGAL4の場合、N末端側(およそ第1番目から147番目までのアミノ酸を含む領域)に存在することが知られている。また、GCN4の場合、C末端側(およそ第228番目から265番目までのアミノ酸を含む領域)に存在することが知られている。また、ADR1の場合、N末端側(およそ第76番目から172番目までのアミノ酸を含む領域)に存在することが知られている。
CREB又はCREBと他の転写因子との融合タンパク質は、直接タンパク質としてスクリーニング系に添加することもできるし、又はCREBをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系中でCREBが発現されるように系を構築することも可能である。CREBをコードする遺伝子は、通常の遺伝子組み換え技術によって構築することができる。CREBの遺伝子配列は公知であり、この遺伝子配列情報をもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイズ法によりcDNAライブラリーをスクリーニングして得ることができる。これらを適当なベクターのプロモーターの下流に連結してCREBを発現するベクターを作成することにより、適当な宿主中でCREBを発現させることができる。
用いられるベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC18またはpUC118等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5またはpC194)、酵母由来のプラスミド(例えばpSH19またはpSH15)、λファージ等のバクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイルスまたはバキュロウイルス等のウイルス等の動物ウイルスの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neo等が用いられる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、araBADプロモーター等が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、penPプロモーター、XYLプロモーター、HWPプロモーター、CWPプロモーター等が好ましく、宿主が枯草菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等が好ましく、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が好ましい。動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーター等が好ましく用いられる。また、昆虫細胞を宿主として用いる場合はポリヘドリンプロモーター、OplE2プロモーター等が用いられる。
発現ベクターには、以上の他に、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40orgdiと略称する場合がある)等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明のDNAにコードされたタンパク質を他のタンパク質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼおよびプロテインA)との融合タンパク質として発現させることも可能である。このような融合タンパク質は、部位特異的プロテアーゼを使用して切断し、それぞれのタンパク質に分離することができる。
CREBを発現して、本発明のスクリーニング方法において使用する場合に、発現させるための宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞等が用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,60巻,160(1968)),JM103(NucleicAcids Research,9巻,309(1981)),JA221(Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)),HB101(Journalof Molecular Biology,41巻,459(1969))、C600(Genetics, 39巻,440(1954)、DH5αおよびJM109等が用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillussubtilis)MI114(Gene,24巻,255(1983)),207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕およびバチルス・ブレビス等が用いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセスセレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccaromycespombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)M71およびハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)等が用いられる。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusianiの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞等が用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyxmori N 細胞;BmN細胞)等が用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(InVivo),13, 213-217,(1977))等が用いられる。昆虫としては、例えば、カイコの幼虫等が用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。哺乳動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞等が用いられる。
上述した細胞で発現したCREBは、上述した細胞をホモジナイズした後、酸等で抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーを組み合わせことによる公知のタンパク質の精製方法によって精製することができる。
DNA結合因子に対応する応答配列としては、PPRE又は転写因子のDNA結合領域が結合し得るDNA配列が用いられる。
DNA結合因子に対応する応答配列は、例えば転写因子としてGAL4を用いる場合、応答配列としては、GAL(ガラクトース遺伝子)と称されるGAL4特異的なDNA配列を用いることができる。
応答配列の下流に連結されるレポーター遺伝子は、特に限定されないが、安定でかつ活性の定量が容易なものが好ましい。このようなレポーター遺伝子としては、例えば、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ペルオキシダーゼ等をコードするDNAが挙げられるが、これらに限定されない。レポーター遺伝子は、遺伝子本来のプロモータを有するものであってもよいし、プロモータ部分が他の遺伝子由来のものと置換されたものを用いてもよい。。レポータ遺伝子は、応答配列の下流に機能的に連結されていればよい。
配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドとは、上述した通りである。配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、直接ポリペプチドとしてスクリーニング系に添加することもできるし、又は配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系中で該タンパク質が発現されるように系を構築することも可能である。該タンパク質をコードする遺伝子は、通常の遺伝子組み換え技術によって構築することができる。遺伝子配列情報をもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイズ法によりcDNAライブラリーをスクリーニングして得ることができる。これらを適当なベクターのプロモーターの下流に連結して該タンパク質を発現するベクターを作成することにより、適当な宿主中で該タンパク質を発現させることができる。用いられるベクターや宿主については、上述したCREBと同様である。
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドとは、上述した通りである。配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドは、直接ポリペプチドとしてスクリーニング系に添加することもできるし、又は配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系中で該タンパク質が発現されるように系を構築することも可能である。該タンパク質をコードする遺伝子は、通常の遺伝子組み換え技術によって構築することができる。遺伝子配列情報をもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイズ法によりcDNAライブラリーをスクリーニングして得ることができる。これらを適当なベクターのプロモーターの下流に連結して該タンパク質を発現するベクターを作成することにより、適当な宿主中で該タンパク質を発現させることができる。用いられるベクターや宿主については、上述したCREBと同様である。
配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする条件としては、特に制限はないが、上述した実施形態と同様な条件でよい。
なお、本発明のスクリーニング方法において用いられる被検化合物としては、例えば、ペプチド(タンパク質を含む)、合成低分子化合物、動植物や細菌の細胞抽出物、細胞培養上清などが用いられるが、これらに制限されない。
次いで、レポーター遺伝子の発現を検出する(工程(b))。レポーター遺伝子の発現について以下に説明する。
本発明の第3の実施の形態に係るスクリーニング方法は、in vivo及びin vitroで行いうる。これに限定するわけではないが、本発明のスクリーニング方法は、DNA結合因子をコードする遺伝子を含むベクター、該DNA結合因子に対応する応答配列に連結されたレポーター遺伝子を含むベクター、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクター、及び配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを保持する細胞を、被検化合物と接触させ、レポーター遺伝子の発現を指標として、上記被検化合物の作用を測定することによって行なうことが好ましい。用いられる細胞としては哺乳動物細胞が好ましく、哺乳動物細胞としては、例えば、HEK293、CV1、HeLa、3T3−L1、CHO、NIH3T3、BHK−21、COS−7等が挙げられる。
なお、遺伝子の導入は、慣用のリポソーム法やエレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
遺伝子導入された哺乳動物細胞は、例えば、約5〜20%の仔ウシ血清を含む最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変最小必須培地(DMEM)、RPMI1640培地、199培地に、PKA、チアゾリジンジオン誘導体又はプロスタグランジン類を加えて培養することができる。培地のpHは6〜8程度であることが好ましく、培養は、通常約30〜40℃の温度で約3〜72時間行なう。
培養終了後、細胞を回収して適当な溶解バッファー中で破砕し、遠心によって上清を得て細胞抽出液とし、これを用いてレポーター遺伝子の発現をアッセイする。
次いで、被検化合物の存在下におけるレポーター遺伝子の発現のレベルと比較して、レポーター遺伝子の発現のレベルを低下もしくは上昇させる化合物を選択する(工程(c))。
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドが、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチド(SIK2)によってリン酸化されると、TORC2のCREB転写活性の促進が阻害される。これによりレポーター遺伝子の発現が阻害されるので、被検化合物の存在下及び非存在下におけるレポーター遺伝子の発現のレベルと比較し、レポーター遺伝子の発現のレベルを低下もしくは上昇させる化合物を選択し、SIK2のタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングすることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチド(SALNRTSSDSALHT)の8番目のセリンに相当する部位をリン酸化し、N末端側にシステインを導入したペプチドを合成した。次いで、このペプチドをキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に結合させてKLH−ペプチド複合体を調製した。得られたKLH−ペプチド複合体を免疫原として抗体を作製した。免疫は、体重が1.9kgの雌ウサギ(系統:日本白色種)に、抗原0.4mgを3回投与した。アジュバントとしてTiter MaxGold 0.5ml/回を使用した。
3回目の抗原を投与して60日経過後に採血し、抗血清を得た。
配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を含む18アミノ酸(配列番号:4の162番目から179番目に相当する)をコードするDNA分子(配列番号:6及び配列番号:7で表わされる塩基配列を有するDNA分子)を化学合成し、定法に従いアニ―リングした後、制限酵素BamHI及びEcoRIにて前処理したグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)タグ融合発現ベクターpGEXベクター(Amersham-Biosciences社製)に導入して、GST融合TORC2(GST−TORC2)ペプチドを発現するベクターを作製した。
また、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の8番目のセリンがアラニンに変異した配列を含む18アミノ酸をコードするDNA分子(配列番号:8及び配列番号:9で表わされる塩基配列を有するDNA分子)を化学合成し、定法に従いアニ―リングした後、制限酵素BamHI及びEcoRIにて前処理したグロタチオンSトランスフェラーゼ(GST)タグ融合発現ベクターpGEXベクター(Amersham-Biosciences社製)に導入して、GST融合TORC2(S171A)(GST−TORC2(S171A))ペプチドを発現するベクターを作製した。
上述のようにして作製した発現ベクターを大腸菌BL21株に導入し、発現ベクターが導入された大腸菌を37℃の温度で培養し、イソプロピルβ−D−チオピオガラクトピラノシド(以下IPTG)を添加することにより大腸菌内で大量発現させた。大腸菌を集菌した後、培養液量の1/10容量のPBSで菌体を再懸濁し、超音波処理及び遠心分離により大腸菌抽出液を得た。次いで、大腸菌抽出液中のGST−TORC2またはGST−TORC2(S171A)蛋白質をMicroSpin GST-Purification Module(Amersham-Biosciences社製)を用いて精製した。
精製したGST−TORC2またはGST−TORC2(S171A)蛋白質10μg及びCOS−7細胞より精製した配列番号:3で表わされるアミノ酸配列よりなるSIK2蛋白質(D1-D2)を100μM ATP、50mMTris-HCl(pH7.4)及び10mM MnClの存在下で全量を20μmLとして30℃の温度で30分間反応させた後、反応は10μLのSDSサンプルバッファーを加え100℃で5分間加温することで停止させた。このサンプルをウエスタンブロッティング解析に供した。ウエスタンブロッティング条件は、上述の精製した抗体を1000倍に希釈し、室温1時間反応させた。2次抗体としてはHRP-抗ウサギIgGを1000倍希釈したものを用い、室温1時間反応させた。発色はコニカイムノステインHRPにより行った。
上記と同様に精製したGST−TORC2又はGST−TORC2(S171A)蛋白質10μg、及びCOS-7細胞より精製した配列番号:3で表わされるアミノ酸配列よりなるSIK2蛋白質(D1-D2)を0.5μCiの32P-γ-ATP、50mM Tris-HCl(pH7.4)及び 10mM MnCl2の存在下で全量を20μLとして30℃で30分間反応させた後、反応は10μLのSDSサンプルバッファーを加え100℃で5分間加温することで停止させた。このサンプルをSDS-PAGEを行った後、SDS-PAGEゲルを乾燥させて32Pの取り込みをX線フィルム(MS-Film:Kodac社製)で30分間感光させて検出した。SIK2キナーゼ活性陽性コントロールとして、同様にGST-Syntide2(Linら、Molecular Endocrinology (2000)15, 1264-1276)を用いた。
結果を図1に示す。図1に示すように、キャリヤープロテインのGSTは、クマシーブリリアントブルーによって染色されるが、抗体とは反応しないことがわかる。また、TROC2(野生型)はSIK2の存在下でリン酸化され、抗体と反応するが、171位のセリンをアラニンに変異した、TORC2(S171A)は抗体と反応しないことがわかる。
実施例2
全長ヒトTORC2遺伝子(配列番号:4で表わされるアミノ酸配列をコードする配列)はIMAGE clone5310152(Invitrogen社製)より入手した。翻訳開始ATGコドンの直前にBglII部位をサイトダイレクト法(PfuTarbo-Stratagene社製)で導入し、BglII/NotIで切断した後、pTargetのBamHI-NotIに導入してpTarget-TORC2を作製した。
一方、pTarget-TORC2(S171A)は上述のpTarget-TORC2に対して配列番号:10及び11で表わされる塩基配列を有する合成DNAによりサイトダイレクト法(PfuTarbo-Stratagene社製)でSer171をAla171に変異させて作製した。
上述のようにして得られたpTarget−TORC2、pTarget−TORC2(S171A)各30ngを、CRE制御下にルシフェラーゼ遺伝子を配置した発現ベクター(pTAL-CRE 200ng:Clontech社製)と共に「Lipofectamin2000試薬(1μL:Invitrogen社製)を用いてHEK293細胞へ導入した。この時、同時にSIK2遺伝子を発現するベクターpTarget-SIK2をHEK293細胞へ導入した。対照としてpTarget(Promega社製)を用いた。導入効率の補正のためウミシイタケ由来のルシフェラーゼをSV40プロモーター下に発現するベクター(pRL-SV40 30ng:Promega社製)を共導入した。導入して16時間後、フォルスコリン(20μM)を添加して6時間の刺激を行なった後、細胞を回収し、ルシフェラーゼ活性をDualLuciferase Assayキット(Promega社製)を用いて測定した。
CRE特異的活性の指標は、pTAL-CREもしくはCREが結合していないルシフェーラーゼベクター(pTAL)導入細胞のルシフェラーゼ活性をそれぞれウミシイタケ由来ルシフェラーゼの活性で補正し、補正後のpTAL-CREに由来する活性をpTALに由来する活性で割ることによって、CREに由来する特異的活性を求めた。結果を図2に示す。図2に示すように、SIK2によりTORC2(171位のセリン)がリン酸化された結果、TORC2のCREB転写活性の促進作用が阻害されたことがわかる。TORC2(野生株およびS171A変異体)を発現させると、フォルスコリンによるCREの活性化を行わなくてもCREBの転写活性が上昇した。フォルスコリン処理によりこの活性はさらに上昇することがわかった。また、SIK2遺伝子を共存させると、TORC2(野生型)の場合には、そのCREB転写活性は抑制された。一方、TORC2(S171A変異体)では、SIK2遺伝子を共存させた条件下においてもCREBの転写活性は抑制されなかった。
上記結果より、TORC2はCREBの転写活性を促進するが、SIK2によりその171位に存在するセリンがリン酸化されるとCREBの転写活性の促進作用が抑制されることが示された。
実施例3
cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)をコードする遺伝子を含むベクターpIRES-PKA(対照としてpIRES(Clontech社製))、更に前述の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列をコードするSIK2遺伝子を発現ずるベクターpTarget-SIK2(対照としてpTarget(Promega社製))を、CRE制御下にルシフェラーゼ遺伝子を配置したレポーター発現ベクター(pTAL-CRE200ng:Clontech社製)と共にLipofectamin2000試薬(2μL:Invitrogen社製)を用いてHEK293細胞へ導入した。導入効率の補正のためにウミシイタケ由来のルシフェラーゼをSV40プロモーター下に発現するベクター(pRL-SV4030ng:Promega社製)を共導入した。導入後4.5時間インキュベーションした後、10%仔ウシ血清を含むDEME培地へ培地交換を行い、培地中に0、10、100nMになるようにスタウロスポリン(Sigma社製)を加え、37℃で24時間培養をした。この培養を行った後、デュアルルシフェラーゼ定量試薬(Promega社製)を用いてルシフェラーゼ活性を測定し、PKAの非存在下及び存在下、SIK2の非存在下及び存在下におけるCRE活性へのスタウロスポリンの効果を求めた。CRE特異的活性の指標は、pTAL-CREもしくはCREが結合していないルシフェラーゼベクター(pTAL)導入細胞のルシフェラーゼ活性をそれぞれウミシイタケ由来ルシフェラーゼの活性で補正し、補正後のpTAL-CREに由来する活性をpTALに由来する活性で割ることによって、CREに由来する特異的活性を求めた。
結果を図3に示す。図3に示すように、PKA非存在下(Basal)の活性は非常に低いが、スタウロスポリン処理により上昇が見られた。PKA存在下ではCREが活性化され、高いレポーター活性が得られる。その活性値はスタウロスポリンでさほど影響を受けない。PKA存在下にSIK2を強制発現させると、PKA依存的なCRE活性化はほぼ完全に阻害される。しかし、スタウロスポリンを加えるとSIK2によるCRE阻害が観察されなくなり、CRE活性が上昇した。
実施例4
実施例1で得られた抗血清を、等量のTris−HCl(pH7.4:PBS)で希釈した後、プロテインA−セファロース樹脂カラム(Amersham社製)に添加し、樹脂量の6倍容分のTris−HCl(pH7.4:PBS)でカラムを洗浄した後、0.2Mグリシン塩酸(pH2.7)溶液を樹脂量の5倍容分を注入添加した。カラムより溶出された溶液を分取して直ちに1Mトリス溶液(pH9.0)をpHが7になるまで加えて中和した後、PBSに透析し抗体を得た。
実施例1で得られたGST−TORC2タンパク質又はGSTタンパク質3μg、及びCOS-7細胞より精製したGST−SIK2蛋白質(全長)、さらにSIK2のリン酸化反応阻害剤であるスタウロスポリン(Sigma社製)を0、5、50、500及び1000nMの濃度にジメチルスルフォキシド(以下DMSO)を用いて希釈したもの0.1μL加え、100μMATP、50mM Tris-HCl(pH7.4)、 10mM MgClの存在下で10μLの反応液とした。
この反応液を37℃の温度で3時間反応させてリン酸化反応を行った後、2.5μLの5倍濃縮SDSサンプルバッファーを加え100℃で5分間加温することで反応を停止させた。このサンプルをウエスタンブロッティング解析に供した。ウエスタンブロッティングの条件は、上述の精製した抗体を1000倍希釈したものを用いて室温1時間反応させた。2次抗体はアルカリホスファターゼ標識-抗ウサギIgG(Promega社製)を7500倍希釈したものを用い、室温で1時間反応させた。発色は、nitroblue tetrazolium(以下BICP)と5-bromo-4-chloro-3-indolyl-phosphate (以下NBT)で行った。
陽性コンとロールとして、パーオキシダーゼ(以下HRP)標識抗GST抗体(Pharmacia社製)用いジアミノベンジジン(以下DAB)で発色させた。
結果を図4に示す。図4に示すように、キナーゼ阻害剤であるスタウロスポリンを、SIK2によるGST−TORC2リン酸化反応液に加えるとスタウロスポリン濃度に依存して、抗リン酸化TORC2抗体で検出されるGST−TORC2のバンドが減少することがわかる(上段)。中段及び下段は、それぞれGST抗体で反応させたコントロール、及びクマシー染色したコントロールである。この結果から明らかなように、TORC2ポリペプチドをリン酸化する活性を持つSIK2阻害剤をスクリーニングすることが可能となった。
図1は、ポリペプチドと抗体との反応を調べた結果を示す図である。 図2は、CREに由来する特異的活性を求めた結果を示す図である。 図3は、CRE転写活性を測定した結果を示す図である。 図4は、ウェスタンブロット試験の結果を示す図である。

Claims (10)

  1. 配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で 表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとの分子間相互作用を促進もしくは阻害する化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番 号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、及 び
    (b)配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番 号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの分子間相互作用を、蛍光エネルギー移動による蛍光の変 化を測定することによって測定し、被検化合物の非存在下における、蛍光エネルギー移動による蛍光の変化と比較する工程
    を有することを特徴とするスクリーニング方法。
  2. 配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a) 配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを、被検化合物の存在下、リン酸化反応に必要な条件下で接触させ、インキュベートする工程、
    (b)配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸 配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を検出する工程、及び
    (c)被検化合物の非存在下における、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ プチドのリン酸化のレベルと比較して、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化のレベルの変化を低下もしくは上昇させる化合物を選択する工程
    を有することを特徴とするスクリーニング方法。
  3. 配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのリン酸化状態を、配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのリン酸化状態を識別し得る抗 体を用いて検出する、請求項2に記載のスクリーニング方法。
  4. 配列番号:4又は配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドが標識化されている、請求項2又は3に記載のスクリーニング方法。
  5. 配 列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのタンパク質リン酸化活性を阻害もしくは促進する化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)DNA結合因子と、該DNA結合因子に対応する応答配列に連結されたレポーター遺伝子を含むベクターと、配列番号:1、配列番号:2又は配列番 号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドと、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは 実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとを、被検化合物の存在下、インキュベートする工程、
    (b)レポーター遺伝子の発現を検出する 工程、及び
    (c)被検化合物の非存在下におけるレポーター遺伝子の発現のレベルと比較して、レポーター遺伝子の発現のレベルを低下もしくは上昇さ せる化合物を選択する工程
    を有することを特徴とするスクリーニング方法。
  6. 上記DNA結合因子が、cAMPレスポンス エレメント結合タンパク質、又はcAMPレスポンスエレメント結合タンパク質と他の転写因子のDNA結合領域との融合タンパク質である、請求項5に記載のスクリーニング方法。
  7. 上記DNA結合因子が、該DNA結合因子をコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系で発現させたものである、請求項5又は6に記載のスクリーニング方法。
  8. 配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドが、該ポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを用いて、スクリーニング系で発現させたものである、請求項5〜7のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  9. スクリーニングが細胞内で行われる、請求項5〜8のいずれか1項に記載のスクリーニング方法。
  10. 上記細胞が哺乳動物細胞である、請求項9に記載のスクリーニング方法。


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