JP4562486B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は、ベルト層に重なり合う補強層を設けた空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤ11の内部には所定圧の内圧が充填されているため、図8に示すように、該空気入りタイヤ11を構成するカーカス層12、ベルト層13は前記内圧を受けて半径方向外側に膨出しようとする。ここで、接地領域に位置するカーカス層12、ベルト層13のうち、陸部14(リブ、ブロック等)に重なり合っている部位は、該陸部14が突っ張りとなって前述の膨出変形が規制されるが、陸部14間の主溝15に重なり合っている部位は、突っ張りとなる陸部14が存在せず、しかも、ベルト層13内の補強コードはタイヤ赤道に対し10〜40度の角度で傾斜し幅方向曲げ剛性が低いため、半径方向外側に向かって弧状に突出するよう膨出変形してしまう。
そして、このように主溝15に重なり合っている部位近傍のカーカス層12、ベルト層13が弧状に変形すると、この変形が周囲の陸部14に伝達されて主溝15近傍の陸部14における圧縮量が陸部14の中央部における圧縮量より大となり、この結果、陸部14における接地圧が、主溝15近傍の幅方向両側部では高く、一方、幅方向中央部では低くなって不均一となり、操縦安定性が低下するとともに、陸部14の幅方向両側部が中央部に比較して早期摩耗することにより偏摩耗が生じて耐摩耗性が低下するという問題があった。
また、タイヤ内圧が漏出しても安全に走行することができる空気入りタイヤ21として、図9に示すようなサイドウォール部22の内面側に断面略三日月状の補強ゴム層23を配設したランフラットタイヤが提案されているが、このような空気入りタイヤ21でランフラット走行(タイヤ内圧が0となった状態での走行)を行うと、サイドウォール部22が潰れて幅方向外側に膨出変形する一方、トレッド部24は全体が半径方向内側に向かって弧状に変形(トレッド中央部が路面から浮き上がるよう変形)する。そして、このようにトレッド部24の全体が弧状に変形すると、該トレッド部24内のベルト層25も同様に弧状に変形し、この結果、トレッド端部における発熱が増加するとともに、サイドウォール部22における変形が助長されるという問題があった。
このような問題を解決するため、例えば以下の特許文献1に記載されているように、タイヤ赤道に対する傾斜角が70〜90度の範囲内である多数本のスチールコードが埋設され、幅が幅方向最外側に位置する2本の主溝における外側壁面間の間隔より広幅である補強層を1層だけベルト層に重ね合わせて配置し、これにより、該補強層内の各スチールコードを曲げに抵抗する剛性の高い梁として機能させるとともに、該スチールコードを前記弧状変形により発生する圧縮あるいは引張に対する抵抗として機能させて弧状変形を抑制することも考えられる。
特開平10−44712号公報
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤにあっては、前述したベルト層の部分的あるいは全体的な弧状変形をある程度抑制することができるものの、近年、車両の乗り心地性向上、対費用効果向上等の要求から、空気入りタイヤにさらなる操縦安定性、耐久性が求められるようになってきたが、前述したような従来の空気入りタイヤでは、充分にその要求に応えることができないという課題があった。
この発明は、ベルト層の部分的あるいは全体的な弧状変形を強力に抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
このような目的は、ビード間をトロイダル状に延び枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカス層の半径方向外側に配置され、少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記カーカス層、ベルト層の半径方向外側に配置され、外周に複数本の主溝が形成されたトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道に対する傾斜角が60〜90度の範囲内である多数本のスチールコードが埋設され、幅が幅方向最外側に位置する2本の主溝における外側壁面間の間隔より広幅である補強層をベルト層に重ね合わせて2層設けるとともに、これら2層の補強層間に全ベルトプライおよび半径方向外側のカーカスプライを介装することにより、達成することができる。
前述のようにベルト層が内圧によって主溝の位置で部分的に、あるいは、ランフラット走行によって全体的に弧状に変形すると、このような弧状変形によって曲げの中立軸(通常、半径方向最内側のベルトプライ近傍に位置している)より凸側においては引張力が、凹側においては圧縮力が発生する。このため、この発明においては、曲げの中立軸から離れた位置に補強層を配置するとともに、該補強層内に主溝にほぼ直交するヤング率の高いスチールコードを埋設し、これらスチールコードを前記引張力、圧縮力に対する抵抗として機能させたのである。
そして、この発明では、前述のような補強層を2層設けるとともに、これら2層の補強層間に全ベルトプライおよび半径方向外側のカーカスプライを介装し、曲げの中立軸の両側に補強層1層ずつ配置したので、これら補強層が引張力、圧縮力の双方に対し抵抗として強力に機能する。
しかも、前記補強層内に埋設されている各スチールコードは主溝を横切ることで、弧状変形に抵抗する剛性の高い梁としても機能するが、このような補強層を2層設けたので、梁としての機能が倍加する。このようなことからベルト層の部分的あるいは全体的な弧状変形が強力に抑制され、これにより、空気入りタイヤの操縦安定性、耐久性が簡単かつ確実に向上する。
また、通常は半径方向最内側のベルトプライ近傍に位置している曲げの中立軸の両側に補強層を確実に1層ずつ配置することができるため、これら補強層が引張力、圧縮力の双方に対して抵抗として機能するとともに、全ベルトプライの半径方向外側に位置している補強層は曲げの中立軸から遠く離れるため、前述したベルト層の部分的あるいは全体的な弧状変形をさらに強力に抑制することができる。
また、半径方向内側に位置している補強層を曲げの中立軸から遠く離すことができるため、前述したベルト層の部分的あるいは全体的な弧状変形をさらに強力に抑制することができる
以下、空気入りタイヤの一例を図面に基づいて説明する。
図1、2において、31は高性能乗用車等に装着される空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ31はリング状のビード32がそれぞれ埋設された一対のビード部33と、これらビード部33から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部34と、これらサイドウォール部34の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部35とを備えている。
そして、この空気入りタイヤ31は前記ビード32間をトロイダル状に延びてサイドウォール部34、トレッド部35を補強するカーカス層38を有し、このカーカス層38の両端部は前記ビード32の回りを軸方向内側から軸方向外側に向かって折り返されている。前記カーカス層38は少なくとも1枚、ここでは1枚のカーカスプライ39から構成され、このカーカスプライ39はタイヤ赤道Sに対して70〜90度のコード角で交差する、即ちラジアル方向(子午線方向)に延びるナイロン、芳香族ポリアミド、スチール等から構成された多数本の補強コード40をゴムコーティングすることで構成され、この結果、このカーカスプライ39内には前記補強コード40が埋設されていることになる。
43はカーカス層38の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層43は複数枚(ここでは2枚)のベルトプライ44、45を積層することで構成され、これらベルトプライ44、45は、例えば多数本のスチール、芳香族ポリアミドからなる非伸張性補強コード46、47をゴムコーティングすることで構成され、この結果、このベルトプライ44、45内には前記補強コード46、47がそれぞれ埋設されていることになる。そして、これら補強コード46、47はタイヤ赤道Sに対して10〜40度の角度で傾斜するとともに、少なくとも2枚のベルトプライ44、45においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜して互いに交差している。
51は前記カーカス層38、ベルト層43の半径方向外側に配置されたゴムからなるトレッドであり、このトレッド51の外周には広幅で実質上周方向に延びる複数本、ここでは4本の主溝52が形成されている。ここで、これら主溝52は、この一例のように直線状に延びていてもよいが、ジグザグ状に折れ曲がっていてもよく、また、周方向に対して多少の角度、例えば30度程度で傾斜し略ハの字状を呈していてもよい。このようにトレッド51の外周に主溝52が形成されると、トレッド端と主溝52との間および隣接する主溝52間には陸部54、ここではリブが画成される。ここで、前述したトレッド51の外周には略タイヤ幅方向に延び主溝52に交差する横溝が形成される場合があるが、この場合には前述の陸部54はブロックとなる。
そして、このような空気入りタイヤ31に所定圧の内圧を充填した後、路面上を負荷転動させると、接地領域におけるカーカス層38、ベルト層43のうち、主溝52に重なり合っている部位近傍は、前述のように突っ張りとして機能する陸部54が存在せず、しかも、ベルト層43の曲げ剛性が比較的低い値であるため、半径方向外側に向かって部分的に弧状に突出するよう変形し、トレッド部35の内部には曲げの中立軸(通常、半径方向最内側のベルトプライ44近傍に位置している)より半径方向外側の凸側に引張力が、一方、半径方向内側の凹側に圧縮力が発生しようとする。
このため、この一例においては、前記曲げの中立軸から離れた位置に2層の補強層57、58を配置したのである。ここで、前記補強層57、58は、タイヤ赤道Sに対する傾斜角Kが60〜90度の範囲内である、即ち、主溝52にほぼ直交する方向に延びるヤング率の高い多数本のスチールコード59、60をゴムコーティングすることでそれぞれ構成されており、この結果、これら補強層57、58の内部には前記スチールコード59、60がそれぞれ埋設されていることになる。このように補強層57、58内のスチールコード59、60の傾斜角Kが前述の角度範囲であると、後述の試験結果に示されているように、これら補強層57、58(スチールコード59、60)は、前記引張力、圧縮力に対する抵抗として強力に機能し、弧状変形を強力に抑制することができる。そして、このような抑制機能は前記傾斜角Kが90度に近くなるほど大となる。
ここで、前記2層の補強層57、58を密着配置せず、これら補強層57、58間に少なくとも1枚のカーカスプライまたはベルトプライ、ここでは全ベルトプライ44、45、即ちベルト層43を介装するようにしている。この結果、通常は半径方向最内側のベルトプライ44近傍に位置している曲げの中立軸の両側に補強層57、58を確実に1層ずつ配置することができるため、これら補強層57、58が圧縮力、引張力の双方に対して抵抗として機能するとともに、ベルト層43の半径方向外側に位置している補強層58を曲げの中立軸から遠く離すことができるため、前述したベルト層43の部分的な弧状変形をさらに強力に抑制することができる。
また、前記補強層57、58の幅Wを、幅方向最外側に位置する2本の主溝52における外側壁面52a間の間隔Mより広幅とし、これにより、全ての主溝52における弧状変形を効果的に抑制するようにしている。但し、前記補強層57、58の幅Wをトレッド幅より広くすると、補強層57、58の幅方向外側端に亀裂が発生し易くなるため、前記補強層57、58の幅Wはトレッド幅より幅狭とすることが好ましい。
さらに、前記補強層57、58内に埋設されている各スチールコード59、60は、主溝52をほぼ真横に横切っているため、前述した弧状変形に抵抗する剛性の高い梁としても機能するが、このようなスチールコード59、60が埋設されている補強層57、58を2層設けたので、梁としての機能が倍加する。このようなことからベルト層43の部分的な弧状変形が強力に抑制され、これにより、空気入りタイヤ31の操縦安定性、耐摩耗性を簡単かつ確実に向上させることができる。
ここで、2層の補強層間に1枚のベルトプライ45、あるいは、1枚のカーカスプライ39を介装するようにしてもよいが、この場合には、曲げの中立軸(ベルトプライ44近傍)の片側、前者では半径方向外側、後者では半径方向内側に2層の補強層が共に配置されることになるため、曲げの中立軸から離隔した側の補強層が、該中立軸から遠く離れて配置されることとなって、引張力または圧縮力に対し抵抗として強力に機能することができる。また、2層の補強層間に1枚のベルトプライ44(曲げの中立軸)が介装されている場合には、前述と同様に曲げの中立軸の両側に補強層が1層ずつ配置されることとなり、これら補強層は引張力、圧縮力の双方に対し抵抗として強力に機能することができる。
また、前記2層の補強層57、58に埋設されているスチールコード59、60のタイヤ赤道Sに対する傾斜角Kは同一であることが好ましいが、製造時におけるばらつきがあるため、実質上同一であればよい。このように傾斜角Kを実質上同一とすれば、補強層57、58に同一構造のプライを用いることができるため、製造が容易となるとともに、曲げに対する抵抗を効率的に発生させることができる。つまり、2層の補強層内におけるスチールコードの方向がずれていると、交差層となり、曲げ変形が生じたときにねじれるような動きをするが、同方向にすればねじれるような動きはなく、純粋に曲げに対して対抗することができるのである。さらに、記補強層57、58に埋設されているスチールコード59間および60間の間隔は5mm以上であることが好ましい。その理由は、隣接するスチールコード59間、60間の間隔を5mm以上とすれば、軽量化を図りながらベルト層43の弧状変形を強力に抑制することができるからである。
ここで、前述の試験結果は以下の試験により得たものである。この試験に当たっては、図3に示すような、ゴムシート62の最上面にタイヤ赤道S(ゴムシート62の一側辺に平行な直線をタイヤ赤道Sと仮定)に対するスチールコード63の交差角Kが 0度から90度まで10度ずつ異なっている補強層64を1層だけ貼付けた試験片1と、図4に示すような、ゴムシート62の最上面に前記試験片1と同様の補強層64を2層密着状態で貼付けた試験片2と、図5に示すような、ゴムシート62の最上面および最下面に前記試験片1と同様の補強層64をそれぞれ1層、合計2層貼付けた試験片3とをそれぞれ10枚準備した。
これら試験片1、2、3は、各辺の長さが 200mmで厚さが 5mmの正方形であり、また、補強層64が2層存在しているときには、これら2層の補強層64内におけるスチールコード63の交差角Kを同一としている。次に、タイヤ赤道Sに平行に延びるとともに 200mmだけ離れた水平な一対の支持部材65によって各ゴムシート62の両側端をそれぞれ下方から支持した後、該ゴムシート62の幅方向中央上にタイヤ赤道Sに平行に延びる 9.8Nの文鎮状(四角柱状)をした重錘66を載置することで、荷重を付与した。ここで、前述の各補強層64は、線径が0.23mmである素線を3本撚ってスチールコード63を構成するとともに、このようなスチールコード63を2mm間隔で平行に配列したものをゴムコーティングすることで構成した。
そして、前述のような荷重を各試験片に付与したときの重錘66の直下での最大撓み量を測定し、前記交差角Kが90度である試験片1の最大撓み量の逆数を曲げ強さ 100として図6に示した。ここで、交差角Kが90度である試験片1の最大撓み量は18mmであった。また、前記スチールコード63間の間隔が4mmである以外は試験片3と同様である試験片4を10枚準備するとともに、前述と同様の試験を行い、その結果も指数表示で図6に示した。
この試験結果から前記交差角Kが60〜90度の範囲内であると、曲げ強さが高い値を維持していることが理解できる。また、試験片3のように曲げの中立軸の両側に補強層64をそれぞれ1層、合計2層を前記中立軸から離して配置した場合には、補強層64を曲げの中立軸から離して1層だけ配置した試験片1に比較し、曲げ強さが5倍以上高く、また、2層の補強層64を曲げの中立軸から離して密着配置した試験片2に比較して 2.5倍程度高くなっていることが理解できる。また、試験片3と4を比較すると、スチールコード63の打ち込み密度をある程度低くしても、充分な曲げ強さを得ることができる理解できる。
再び、図1、2において、72はベルト層43、補強層58の幅方向両端部でその半径方向外側に配置され、少なくとも1枚の補助プライ73からなる一対の補助層であり、これら補助プライ73内には実質上周方向に延びる有機繊維、例えばナイロン、ポリエステルから構成された補強コード74が埋設されている。
図7はこの発明の実施形態を示す図である。この実施形態は、サイドウォール部34の内面側にそれぞれ断面略三日月状を呈する比較的硬質の補強ゴム層75を配設することで、タイヤ内圧が漏出しても安全に走行することができる空気入りタイヤ(ランフラットタイヤ)76に適用したもので、この空気入りタイヤ76においては、補助層72を省略する一方、カーカス層38を2枚のカーカスプライ39から構成している。そして、このような空気入りタイヤ76でランフラット走行(タイヤ内圧が0となった状態での走行)を行うと、サイドウォール部34が潰れて幅方向外側に膨出変形する一方、トレッド部35(ベルト層43)は全体が半径方向内側に向かって弧状に変形しようとする。
しかしながら、この実施形態では、半径方向外側に配置されている補強層58を前記一例と同様にベルト層43の半径方向外側(ベルト層43とトレッド51との間)に配置する一方、半径方向内側に配置されている補強層57を前記2枚のカーカスプライ39間に配置し、これにより、補強層57、58間に全ベルトプライ44、45および半径方向外側のカーカスプライ39を介装するようにしている。このようにすれば、曲げの中立軸から補強層57までの半径方向距離が前記一例の場合より長くなって、トレッド部35全体における弧状変形をより強力に抑制することができるとともに、補強層57の幅方向両端において露出しているスチールコード59の切断端がカーカスプライ39によって包囲されるため、補強層57の幅方向外側端での亀裂発生を効果的に抑制することもできる。なお、他の構成、作用は前記一例と同様である
次に、試験例について説明する。この試験に当たっては、補強層が配置されていない従来タイヤと、交差角Kが90度のスチールコードが埋設されている1層の補強層をベルト層とトレッドとの間に配置した比較タイヤと、交差角Kが90度のスチールコードが埋設されている2層の補強層を配置した、詳しくは、半径方向外側の補強層をベルト層とトレッドとの間に、半径方向内側の補強層を2枚のカーカスプライ間に配置した実施タイヤとを準備した。
ここで、前述の各タイヤは、サイドウォール部の内面側にそれぞれ断面略三日月状を呈する比較的硬質の補強ゴム層が配設された乗用車用ランフラットタイヤで、サイズが225/50R16であった。また、これらタイヤの骨格構造は、図7に示すようにタイヤ赤道Sに対して90度で交差するナイロンコードが埋設された2枚のカーカスプライからなるカーカス層と、タイヤ赤道Sに対して25度で逆方向に交差するスチールコードが埋設された2枚のベルトプライからなるベルト層とを備えたものである。また、前記比較タイヤ、実施タイヤにおける補強層は、線径が0.23mmである素線を3本撚って成形したスチールコードを多数本10mm間隔で埋設するとともに、幅を 160mmとした。
次に、このような各タイヤを内圧0(大気圧)の状態で室内試験機に装着した後、5kNの垂直荷重を負荷しながら路面上をスリップ角0度(直進走行)でゆっくりと2回転させ、回転後の静止状態において前記荷重直下の断面をX線で撮影し、タイヤ赤道におけるトレッド外表面の路面からの浮き上がり量U(図9参照)を計測した。その結果は、従来タイヤにおける浮き上がり量Uを指数 100とすると、比較タイヤでは80であったが、実施タイヤでは40まで効果的に抑制することができた。ここで、指数 100は22mmであった。また、サイドウォール部の潰れも従来タイヤより実施タイヤで少なかった。
また、前述した各タイヤを後輪駆動の乗用車に装着した後、後輪右側のタイヤのバルブを外すことで内圧を0とする一方、残り3本のタイヤに220kPaの内圧を充填し、その後、1周3kmのオーバルコースを時速90kmの定速で、前記後輪右側のタイヤが故障して走行が困難となるまで反時計回りにランフラット走行をさせた。このときの従来タイヤの走行距離を指数 100とすると、比較タイヤでは 150であったが、実施タイヤでは 270まで走行距離が伸びていた。ここで、指数 100は60kmであった。
この発明は、空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
空気入りタイヤ一例を示す子午線断面図である。 トレッド部の一部破断平面図である。 試験片1の斜視図である。 試験片2の斜視図である。 試験片3の斜視図である。 試験結果を示すグラフである。 この発明の実施形態を示す子午線断面図である。 従来の空気入りタイヤの接地時における断面形状を示す部分子午線断面図である。 従来の空気入りタイヤのランフラット走行時における断面形状を示す子午線断面図である。
31…空気入りタイヤ 32…ビード
38…カーカス層 39…ビード部
43…ベルト層 44、45…ベルトプライ
51…トレッド 52…主溝
52a…外側壁面 57、58…補強層
59、60…スチールコード S…タイヤ赤道
K…傾斜角 M…間隔
W…幅

Claims (1)

  1. ビード間をトロイダル状に延び枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカス層の半径方向外側に配置され、少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記カーカス層、ベルト層の半径方向外側に配置され、外周に複数本の主溝が形成されたトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道に対する傾斜角が60〜90度の範囲内である多数本のスチールコードが埋設され、幅が幅方向最外側に位置する2本の主溝における外側壁面間の間隔より広幅である補強層をベルト層に重ね合わせて2層設けるとともに、これら2層の補強層間に全ベルトプライおよび半径方向外側のカーカスプライを介装したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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