JP4559030B2 - ルイス−yおよびルイス−bハプテンの双方に結合する結合メンバー、および癌を治療するためのその使用 - Google Patents

ルイス−yおよびルイス−bハプテンの双方に結合する結合メンバー、および癌を治療するためのその使用 Download PDF

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Description

本発明は、腫瘍および白血病の治療における、ルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する結合メンバーの使用に関する。
ルイス抗原(ルイスy、b、xおよびa抗原)は、血液型抗原(blood group antigens)である。ルイスyハプテンは、タイプ2血液型オリゴ糖に認められる、ジフコシル化された四糖類(Fuc1-2Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAcである。
この抗原は、ルイスハプテン(Fuc1-2Galβ1-3(Fucα1-4)GINAcおよびルイスハプテンのフコシル化された誘導体の位置異性体(positional isomer)である。ルイスyハプテンは細胞表面抗原エピトープであり、そのエピトープは結腸直腸腫瘍で発現される(Abe et al., Cancer Research, 46,2639 (1986); Kim et al., Cancer Research, 46,5985 (1986))。
マウスモノクローナル抗体C14は、C14gp200抗原に対して作出された。
マウスモノクローナル抗体C14は、ルイスyハプテンを認識し〔Brown et al, Biosci. Rep. 3, 163 (1983); Brown et al., Int. J. Cancer, 33,727)、また78%結腸直腸癌と結合する〔Durrant et al., J. Natl. Cancer Inst., 81, 688 (1989)〕。
ルイスyハプテンに結合する他の抗体が知られている。例えば、EP-B-0285059は、ルイスyおよびB-7-2の双方と反応する抗体(BR-55)を開示している。B-7-2が、腫瘍細胞と関連していることも示されている(EP-B-0285059)。2つの癌関連エピトープを認識することの利点は、より腫瘍細胞を認識する(正常細胞と比べて)チャンスが増加することであることをEP-B-0285059は記載している。しかしながら、BR-55は、細胞の殺傷を可能とする目的においてエフェクター細胞に依存している。
加えて、US5869045は、ルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する抗体(BR-96)を開示している。US5869045は自身で細胞を殺傷する抗体が稀であることを教示しているが、しかしながらBR-96が未修飾形態で癌細胞を殺傷する能力を有していることが示されている(US5869045)。直接的な細胞障害性を生じる他のルイスy抗体は報告されていないので、BR-96の活性はそのルイスハプテンの認識と関連すると推定できる。
ルイスyおよびルイス抗原の双方に結合する抗体は知られている。これまでの研究は、C14モノクローナル抗体がルイスyおよびルイス〔拡張(extended)および非拡張(non-extended)型〕抗原の双方を認識して結合することを示している(Durrant at al., Hybridoma, 12,647-660 (1996))。ルイスyおよびルイス抗原の双方に特異的なC14モノクローナル抗体は、原発性結腸直腸腫瘍細胞に対して、標準の融合プロトコールを用いて作出された。C14抗体は特定範囲の(a range of)固形癌を認識するが、それはIgMなので多数の血清サンプルを再現可能にスクリーニングすることにおいて非常に有用というものではなかった。炭水化物抗原(carbohydrate antigens)の免疫学的特徴の1つは、それらが通例T細胞非依存性応答を惹起し、IgM抗体の産生を生じることである。
その後、マウスで抗イデオタイプ的なアプローチを使用してC14(IgM)モノクローナル抗体のIgGバリアントを産生した。ラットをC14モノクローナル抗体で免疫し、そしてラット抗C14モノクローナル抗体を精製した。
ラット抗C14抗血清およびC14gp200抗原によるマウスの免疫、そして次に免疫された脾臓細胞をマウスミエローマ細胞と融合することにより、ルイスyおよびルイス抗原を認識する5つのIgG(2つのIgG3および3つのIgG1)モノクローナル抗体が産生された(Durrant at al., Hybridoma, 12,647-660 (1996))。5つのIgGsの各々(「692」モノクローナル抗体を称される)は、C14と同じ特異性を示した(Durrant at al., Hybridoma, 12,647-660 (1996))。これらの抗体は拡張された及び非拡張のルイスyおよびルイスハプテンに結合するが、ルイスまたはH血液型ハプテンには結合しないことが薄層クロマトグラフィーおよびELISAにより示された。前記抗体は、胸部、肺、結腸直腸、胃(gastric)、および卵巣の腫瘍並びに骨髄性白血病に結合した。正常な組織の認識は、最少であり、上部胃腸管の基底膜の弱い染色、胃およびファロピオ管のムチン染色並びに肝臓微小管の弱い染色に限定されていた。
今回、本発明は、驚くべきことにルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する抗体が細胞死を誘導することを見出した。
第一側面により、本発明は、ルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する裸の結合メンバー(a naked binding member)の、癌を治療するための薬剤の調製における使用を提供する。
また、本発明は、癌治療するための薬学的組成物を提供し、該組成物はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する裸の結合メンバーを含む。
更に、本発明は、患者(哺乳類などの)の治療方法、例えば患者(好ましくはヒト)の癌治療の方法を提供し、該方法は該患者にルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する裸の結合メンバーの効果的な量を投与することを含む。
本明細書で使用される、「結合メンバー」は、相互に結合特異性を具備する分子ペア(a pair of molecules)のメンバーである。結合メンバーは、それ故に、特異的な結合メンバーである。結合ペアのメンバーは、天然に由来する又は全体的もしくは部分的に合成により産生されるものであってもよい。前記分子ペアの一方のメンバーはその表面に領域(an area)を有しており、その領域は隆起(a protrusion)または腔(a cavity)であってもよく、その領域は前記分子ペアの他方のメンバーの特定の空間的な及び極性に関する組織体(organisation)と特異的に結合し、それ故その組織体と相補的である。
従って、前記ペアの前記メンバーは、互いに特異的な結合特性を具備している。結合ペアのタイプの例は、抗原―抗体、ビオチン―アビジン、ホルモン―ホルモンレセプタ、レセプタ―リガンド、酵素―基質である。本発明は抗原抗体タイプの反応に関係するが、本発明の結合メンバーはルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合することが可能な任意の成分(moiety)であってもよい。
「抗体」は、免疫グロブリン(天然に又は部分若しくは全体が合成的に産生されたものであろうと)である。また、前記用語は、抗体結合ドメイン(an antibody binding domain)である若しくは該ドメインと相同である結合ドメイン(a binding domain)を有する任意のポリペプチド、蛋白質またはペプチドをもカバーする。これらは天然の供給源に由来するものであってもよい、又はそれらは部分的に若しくは全体的に合成によって産生されたものであってもよい。抗体の例は、免疫グロブリンアイソタイプ及びそれらのアイソタイプサブクラス;Fab、scFv、Fv、dAb、Fdなどの抗原結合ドメインを含む断片;並びにディアボディー(diabodies)である。
本明細書に使用される、「裸(naked)」の用語は、本発明の結合メンバーが抗腫瘍特性を有する任意の因子(agent)と結合しないことを又はと関連しないことを意味する。
「ハプテン」の用語は、エピトープおよび抗原を含む。ハプテンは、細胞(例えば、腫瘍細胞)などの大きな担体分子に付着されていてもよい。
本発明の第一側面の結合メンバーは、モノクローナル又はポリクローナル抗体などの抗体、或いはその断片であってもよい。前記抗体の定常領域は、ヒトのクラスIgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEを含む任意のクラスの領域であってもよいが、それらに限定されない。前記抗体は、任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)に属するものであってもよい。IgG1が好適である。前記抗体は、SC101(Durrant et al., Hybridoma, 12,647-660 1996に記載のような「692」に相当し且つそれと相互変換可能に使用される)、例えばSC101/23、SC101/29、SC101/33、SC101/42、SC101/43またはC14であってもよい。
ルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する抗体(具体的にはSC101/29)を発現する細胞株は、アクセッション番号01050118でECACCに寄託される。
前記発明者によるSC101特性の早期の研究は、前記抗体が懸濁状態において腫瘍細胞株を死に至らしめることを示した。前記発明者は、前記抗体が、アポトーシスまたはプログラム細胞死の特異的な発生を、結腸直腸腫瘍細胞および白血病細胞株並びに脱凝集した腫瘍組織に由来する細胞において誘導することを今回見出した。
いくつかグループ〔Terada and Nakanuma, Pathol. Int., 46, 764-770 (1996); Terada and Nakanuma, American J. Pathol., 146, 67-74 (1995); Iwata et al., J. Pathol., 179, 403-408 (1996); Yamada et al., Anticancer Research, 16, 735-740 (1996)を含む〕は、以前に抗ルイスy抗体を使用してアポトーシス細胞の特性を調査しており;ルイスyはアポトーシスのマーカーであり、死にゆく細胞で優先的に過剰発現されることを、これらの結果は示した。これらの発見は、なぜ多くの生きた腫瘍細胞も本ハプテンを発現しているのか又はなぜルイスyおよびルイスと結合するメンバー(例えば、抗体)がアポトーシスを誘導しなければならないのかを説明していない。
SC101抗体による正常組織の認識は驚くことに最小限(腫瘍細胞と比較して)であり、従って前記抗体は効果的な抗癌薬剤へと作出される。ルイスyおよびルイス抗原は、腫瘍細胞に加えて正常細胞にも発現しているので、この発見は当該技術分野の予測と反するものであった。
SC101抗体の正常組織への結合が最小限であることは、前記抗体の高用量を患者の治療に使用でき、一方で非癌性細胞(non-cancerous cells)に対する毒性のリスクを避けることができ有利である。
本明細書中に使用される、「SC101」及び「692」に関する言及には、SC101および/または692と十分な相同性(substantial homology)を呈する配列が含まれる。好ましくは、SC101/692の相補性決定領域(CDRs)と他の抗体のCDRsとの間の相同性の程度は、少なくとも60%、より好ましくは70%、更に好ましくは80%、なおより好ましくは90%又は最も好ましくは95%である。
2つのアミノ酸配列又は2つの核酸配列のパーセント同一性は、該配列を最適比較の目的(例えば、ギャップを第一配列に該配列の最適アライメントを達成するために導入できる)で整列させること並びに相当する位置でアミノ酸残基又はヌクレオチドを比較することによって決定される。前記「最適アライメント」は、2つの配列のアライメントであって、最大のパーセント同一性を生じるアライメントである。パーセント同一性は、比較される配列における同一のアミノ酸残基又はヌクレオチドの数により決定される(即ち、%同一性 = 同一ポジションの#/ポジションのトータル# X 100)。
2配列間のパーセント同一性の決定は、当業者に既知の数学的アルゴリズムを用いて達成することが可能である。
2配列を比較するための数学的アルゴリズムの例は、文献〔Karlin and Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2264-2268、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877でのように修正された〕に記載されたアルゴリズムである。文献〔Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410〕に記載のNBLASTおよびXBLASTプログラムが、かかるアルゴリズムとして導入されている。BLASTヌクレオチドサーチを、NBLASTプログラム(スコア=100、ワード長=12)で実施して本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を取得することが可能である。BLAST蛋白質サーチを、XBLASTプログラム(スコア=50、ワード長=3)で実施して本発明の蛋白分子に相同なアミノ酸配列を取得することが可能である。比較目的でギャップアライメントを取得するために、Gapped BLASTを文献(Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)に記載のように利用できる。
或いは、PSI-Blastを使用して分子間の遠縁の類縁関係(distant relationships)を検出する反復サーチ(iterated search)を実施できる(Id.)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI-Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)の初期設定パラメータを使用することができる。http ://www. ncbi. nlm. nih. gov.を参照。
配列比較に利用される数学的アルゴリズムの別の例は、Myers & Miller, CABIOS (1989)のアルゴリズムである。ALIGNプログラム(バージョン2.0)はGCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であり、かかるアルゴリズムとして導入されている。配列分析のための公知の他のアルゴリズムには、文献(Trellis & Robotti (1994) Comput. Appl. Biosci., 10 : 3-5)に記載のADVANCEおよびADAM;文献(Pearson & Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci 85: 2444-8)に記載のFASTAが含まれる。FASTA内のktupは、コントロールオプションであり、サーチの感度と速度とを設定する。
高度の配列同一性が存在する場合、アミノ酸配列中には比較的少数(few)の差が存在することになる。従って、例えば、その差は20未満、10未満、又は更に5未満の差であってもよい。
本発明の発明者は、SC101並びにその断片および誘導体を癌治療として使用して腫瘍細胞の成長を阻害するか又はアポトーシスを誘導することが可能なことを示した。これは腫瘍細胞株の成長阻害、腫瘍細胞株のアポトーシス、およびヌードマウスにおける腫瘍異種移植片(tumour xenografts)のインビボ阻害により例示されている(実施例を参照のこと)。従って、更に本発明は、SC101の裸の「断片」または「誘導体」の或いはルイスyおよびルイスエピトープの双方に結合する「SC101」ファミリーの他のポリペプチドの、癌を治療するための薬剤の調製における使用を提供する。断片の好適なグループは、モノクローナル抗体SC101のCDR領域の全て又は部分を含むグループである。
結合メンバーは、ECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された、抗体の1以上のCDRs、又はその断片を含んでいてもよい。
結合メンバーは、ECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された抗体、又はその断片もしくは誘導体であってもよい。
SC101の断片またはSC101ファミリーのポリペプチドの断片は、一般的に少なくとも5〜7の連続的なアミノ酸のアミノ酸残基の配列(a stretch)を意味する。
大抵は少なくとも約7〜9の連続的な(contiguous)アミノ酸、典型的には少なくとも約9〜13の連続的なアミノ酸、より好ましくは少なくとも約20〜30以上の連続的なアミノ酸、および最も好ましくは少なくとも約30〜40以上の連続した(consecutive)アミノ酸である。
SC101の「誘導体」又はSC101ファミリーのポリペプチドの「誘導体」、或いはSC101ファミリーポリペプチドの断片は、蛋白質のアミノ酸配列を変更させることにより(例えば、蛋白質をコードしている核酸の操作により、又は蛋白質それ自身を変化させることにより)修飾されたポリペプチドを意味する。天然のアミノ酸配列のかかる誘導体は、1以上のアミノ酸の挿入(insertion)、付加(addition)、削除(deletion)および/または置換(substitution)が関与するものであってもよいが、同時に抗腫瘍T細胞応答を誘導することが可能なペプチドを提供するものである。
好ましくは、かかる誘導体は、挿入、付加、削除および/または置換を、25以下のアミノ酸、より好ましくは15以下、なおより好ましくは10以下、更により好ましくは4以下、および最も好ましくは1もしくは2のみのアミノ酸に関して生じているものである。
更に本発明は製品(products)を提供し、該製品は裸の結合メンバー(該メンバーはルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する)、および活性薬剤(active agent)を、癌治療における同時(simultaneous)、別々(separate)、または連続(sequential)の使用に関する併用製剤(a combined preparation)として具備する。好ましくは、前記製品は、裸の結合メンバー(該メンバーはルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する)、および活性薬剤(active agent)を、癌治療における同時(simultaneous)、別々(separate)、または連続(sequential)の使用に関する併用製剤(a combined preparation)として含有する。活性薬剤は、化学療法薬剤〔ドキソルビシン(Doxorubicin)、タキソール(taxol)、5−フルオロウラシル(5-Fluorouracil;5 FU)、ロイコボリン(Leucovorin)、イリノテカン(Irinotecan)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、ラルチトレキセド(Raltitrexed)、タモキシフェン(Tamoxifen)およびシスプラチン(Cisplatin)を含んでいる〕を含んでいてもよく、これは本発明の結合メンバーと相乗的に作用し得る。他の活性薬剤は、適切な用量の非ステロイド抗炎症薬(例えば、アスピリン、パラセタモール、イブプロフェンまたはケトプロフェン)などの鎮痛薬またはモルヒネなどのオピテート(opitates)、或いは抗催吐薬(anti-emetics)を含んでいてもよい。
活性薬剤と相乗作用する結合メンバーの腫瘍殺傷を増強する能力は、免疫エフェクター機構によるものではなく、むしろ細胞表面結合型糖蛋白質に結合する結合メンバーの直接的な結果によるものであろう。
本発明の結合メンバーは、検出可能な標識を保有したものであってもよい。
モノクローナルおよび他の抗体並びに組換えDNA技術を使用して、他の抗体またはキメラ分子(オリジナル抗体の特異性を保持している)を産生することが可能である。かかる技術は、抗体の免疫グロブリン可変領域または相補性決定領域(CDRs)をコードしているDNAを、異なる免疫グロブリンの定常領域に又は定常領域+フレームワーク領域に導入することを利用する技術であってもよい。例えば、EP-A-184187、GB2188638AまたはEP-A-239400を参照。ハイブリドーマまたは抗体を産生している他の細胞に遺伝的変異を又は他の変化を生じさせてもよく、それは抗体の結合特異性が生じた後でも又は後でなくてもよい。
抗体は多くの様式で修飾できるので、「抗体」の用語は、所望の特異性を有する結合ドメインを具備する任意の結合メンバーまたは物質をカバーしていると解釈すべきである。従って、この用語は、天然のものであろうと又は全体的に若しくは部分的に合成によるものであろうと、免疫グロブリン結合ドメインを具備する任意のポリペプチドを含む、抗体の断片、誘導体、機能的な均等物および抗体のホモログを網羅する用語である。従って、別のポリペプチドと融合させた免疫グロブリン結合ドメイン(又は均等物)を具備しているキメラ分子が含まれる。キメラ抗体のクローニングおよび発現は、EP-A-0120694およびEP-A-0125023に記載されている。
本発明の更なる側面は、ECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された抗体を提供する。
完全な抗体(a whole antibody)の断片が、結合抗原(binding antigens)の機能を果たし得ることが示されている。結合断片の例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなるFab断片;(ii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iii)単一抗体のVLおよびVHドメインからなるFv断片;(iv)VHドメインからなるdAb断片(Ward, E. S. et al., Nature 341: 544-546 (1989));(v)分離したCDR領域;(vi)F(ab')2断片、2つの連結したFab断片を具備する二価の断片;(vii)単鎖Fv分子(scFv)(この分子中でVHドメインおよびVLドメインがペプチドリンカーにより連結される、該リンカーは2つのドメインを相互作用させ抗原結合部位を形成させることが可能である(Bird et al., Science 242: 423-426 (1988); Huston et al., PNAS USA 85: 5879-5883 (1988));(viii)二重特異性(bispecific)単鎖Fv2量体(PCT/US92/09965)並びに(ix)「ディアボディー」、遺伝子融合により構築される多価(multivalent)又は多重特異性(multispecific)の断片〔W094/13804 ; P. Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)〕である。
「抗体」の用語は、「ヒト化」された抗体を含む。
ヒト化抗体を作出するための方法は、当該技術において既知である。方法は、例えば、Winter, U. S. Patent No. 5,225,539に記載されている。ヒト化抗体は、モノクローナル抗体SC101の超可変領域とヒト抗体の定常領域とを有する修飾抗体であってもよい。
以上のように、結合メンバーは、ヒト定常領域を含んでいてもよい。
超可変領域以外の可変領域も、ヒト抗体の可変領域から由来するものであってもよい。また、前記超可変領域外側の抗体の可変領域も、モノクローナル抗体SC101に由来するものであってもよい。このようなケースでは、可変領域全体がマウスのモノクローナル抗体SC101に由来するものであり、このような抗体はキメラ化されたといわれる。キメラ化抗体を作出するための方法は、当該技術において既知である。かかる方法には、例えば、Boss(Celltech)およびCabilly(Genentech)による米国特許に記載されている方法が含まれる。それぞれ米国特許番号4,816,397および4,816,567を参照のこと。
本発明の第一側面の結合メンバーは、拡張または非拡張型で存在し得るルイスy(Fuc1-2Galβ1-4(Fucα1-3)GIcNAc)およびルイス(Fuc1-2Galβ1-3(Fucα1-4)GINAc)ハプテンと結合する。ルイスyおよびルイスの拡張型を以下に示す、即ち:
拡張型ルイスy
β1,4 β1,3 β1,4
Gal → GlcNAc → Gal → GlcNAc-R
↑α1,2 ↑α1,3
Fuc Fuc
拡張型ルイス
β1,3 β1,3 β1,4
Gal → GlcNAc → Gal → GlcNAc-R
↑α1,2 ↑α1,3
Fuc Fuc
「治療(Treatment)」は、ヒトまたは非ヒト動物にとって有益な任意の措置(regime)含む。治療は、現状(an existing condition)に関するものであってもよく、または予防的なもの(予防的治療)であってもよい。
「癌治療(Treatment of cancer)」は、癌性(cancerous)の成長により生じる状態の治療を含み、また新生物性の成長または腫瘍の治療を含む。腫瘍は、良性であっても又は悪性であってもよい。腫瘍には、結腸直腸(colorectal)、胸部(breast)、卵巣、胃(gastric)、肺腫瘍、肝臓、皮膚、ミエロイド(例えば、骨髄)の腫瘍が含まれていてもよい。
また治療は、癌性組織または細胞株(白血病細胞を含むが、これに限定されない)に関する治療であってもよい。
結合メンバーは、癌性の細胞または組織(腫瘍および非腫脹細胞を含む)に存在するルイスyおよびルイスハプテンとの結合に際して、細胞のアポトーシスを誘導し、細胞の成長を阻害する。
アポトーシスは、細胞が積極的に自殺するプロセスである。アポトーシスが正常な発生の多くの局面において必須であり、また組織の恒常性の維持に必要であることは現在よく認識されている。
自殺による細胞死(ときおりプログラム細胞死と称される)は、生物の統合性に対して脅威となる細胞を破壊するために必要である。
アポトーシスにより細胞が自殺する2つの異なる機構が存在する。1つは細胞内で生じたシグナルにより発生し、他方は細胞表面で受容体に結合する外部シグナル(例えば、分子)により発生する。
本発明の結合メンバーは、治療の必要な患者に任意の適切な経路を介して、通常は注射で血流中に投与してもよい。正確な用量は因子の数に依存し、その因子にはメンバー(例えば、完全な抗体、断片またはディアボディー)の正確な性質、および該メンバーに付与される検出可能なラベルの性質が含まれる。
本発明の結合メンバーは通常は薬学的組成物の形態で投与され、該組成物は少なくとも1つの成分を該結合メンバーに加えて具備していてもよい。
従って、更なる側面は、本発明による薬学的組成物を提供し、また本発明に基づいた使用のための薬学的組成物を提供する。
薬学的組成物は、活性成分に加えて、薬学的に許容される賦形剤、担体、緩衝安定化剤(buffer stabiliser)または当業者に周知の他の物質を含んでいてもよい。かかる物質は非毒性のものであるべきであり且つ前記活性成分の有効性に影響しないものであるべきである。前記担体または他の物質の正確な性質は投与経路に依存し、その経路は経口または注射による経路(例えば、静脈内)であってもよい。
製剤(formulation)は、液体(例えば、pH6.8〜7.6の非リン酸緩衝液を含有する生理的塩類溶液)であってもよく、又は凍結乾燥パウダーであってもよい。
前記組成物は、好ましくは「治療上効果的な量」で個体に投与され、これは該個体において有益性が示されるために十分な量である。投与される実際の量、並びに投与の速度(rate)およびタイムコースは、治療されている対象の性質および重症度に依存する。
治療の処方(例えば、投薬量などの決定)は、一般的な実施者(practitioners)および他の医者の責任で行われ、また典型的には治療される障害、個々の患者の状態、配送部位、投与方法および実施者に既知の他の要素を考慮して行われる。本発明の組成物は、存在している癌の治療に対し及び初期治療もしくは手術後の再発癌の予防において、特に関連性のあるものである。上記の技術およびプロトコールの例は、文献(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Oslo, A. (ed), 1980)中に見つけることができる。
最適な用量(dose)は、医者によって多くのパラメータ(例えば、年齢、性別、重量、治療される状態の重症度、投与される活性成分および投与経路を含む)に基づいて決定される。一般的に、レセプタの飽和を可能とするポリペプチドおよび抗体の血清濃度が望ましい。約0.1nMを超える濃度で通例は十分である。例えば、抗体の100mg/m2の用量は、約20nMの血清濃度を約8日間提供する。
大まかな指針として、抗体の用量として、週に10〜300mg/m2の量が与えられてもよい。抗体断片の同等の用量はより頻繁な投与間隔で使用されるべきであり、これはルイスy/bハプテンを飽和させる濃度を超えた血清レベルを維持するためである。
いくつかの適切な投与経路には、静脈内、皮下、および筋肉内投与が含まれる。静脈内投与が好適である。
注射(静脈内)が前記組成物の治療的投与の主要な経路であろうが、カテーテルまたは他の外科的なチュウブを介したデリバリも用いられることが予見(envisaged)される。液体製剤は、粉末製剤を再構成(reconstitution)してから利用されるものであってもよい。
静脈内、注射または痛みを伴う部位への注射に対して、前記活性成分は、非経口的に投与可能な病原体フリーの水溶液の形態であり、また適切なpH、等張性および安定性を有している。当業者は、適切な溶液を、例えば等張ビヒクル〔例えば、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、乳酸化リンゲル注射(Lactated Ringer's Injection)〕を用いて容易に調製することができる。保存剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤および/または他の添加物を必要性に応じて含んでいてもよい。
経口投与にための薬学的組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤または液剤の形態であってもよい。錠剤は、ゼラチンなどの固形担体またはアジュバンドを含んでいてもよい。液体の薬学的組成物は、一般に水、鉱油(petroleum)、動物性もしくは植物性の油、または合成油などの液体担体を含む。生理的塩類溶液、デキストロースまたは他のサッカライド溶液、或いはグリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)が含まれていてもよい。
また前記組成物は、ミクロスフェア、リポソーム、他の微粒子デリバリシステム、または血液を含む特定の組織に配置された徐放性製剤(sustained release formulations)を介して投与し得る。徐放性担体の適切な例には、例えば坐剤またはマイクロカプセルなどの共有物体(shared articles)の形態の半透性ポリマーマトリックスが含まれる。移植可能な又はマイクロカプセルによる徐放性マトリックスには、ポリ乳酸(米国特許番号3,773,919;EP-A-0058481)L−グルタミン酸およびガンマエチル−L−グルタミン酸のコポリマー〔Sidman et al, Biopolymers 22 (1) : 547-556,1985〕、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはエチレンビニルアセテート(ethylene vinyl acetate)(Langer et al, J. Biomed. Mater. Res. 15: 167-277,1981, and Langer, Chem. Tech. 12: 98-105, 1982)が含まれる。ポリペプチドを含有するリポソームは周知の方法により調製される、即ち:DE 3,218, 121 A ; Epstein et al, PNAS USA, 82: 3688-3692,1985; Hwang et al, PNAS USA, 77: 4030-4034, 1980; EP-A-0052522; E-A-0036676; EP-A-0088046; EP A-0143949; EP-A-0142541; JP-A-83-11808; 米国特許番号4,485,045および4,544,545である。通常は、前記リポソームは小型(約200〜800オングストローム)の単層型のものであり、脂質含有が約30mol. %コレステロールより大きいものであり、選択される比率はポリペプチド漏出に関して調整される。
前記ポリペプチドは、腫瘍部位に局所的に投与してもよく又は腫瘍もしくは他の細胞に向けて配送される様式で配送してもよい。
前記組成物の用量は、結合メンバーの特性〔例えば、その結合活性およびインビボでの血漿半減期、製剤中のポリペプチド濃度、投与経路、投薬(dosage)の部位および速度、治療する患者の臨床的耐性、患者を苦しめている病理学的状態など〕に依存するものであり、医者の技量の範囲内で設定される。例えば、患者毎、投与毎に300μg抗体の用量が好適であるが、投薬量(dosages)は約10μg〜6mg/用量(dose)の範囲にわたっていてもよい。異なる投薬量が、一連の連続的な接種(inoculations)の間に利用される;実施者は初期接種を投与し、次に比較的少ない用量の抗体でブーストする。
また、本発明は、癌に対抗する防御的な免疫応答を増強するための免疫スケジュールを至適化する。
本発明の結合メンバーは、全体的に又は部分的に化学合成により作出し得る。結合メンバーは確立した方法により容易に調製することができ、その方法は標準の液体または、好ましくは固相ペプチド合成法であり、その方法の一般的な記載は広く入手可能である(例えば次ぎの文献中の記載を参照のこと、J. M. Stewart and J. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd edition, Pierce Chemical Company, Rockford, Illinois (1984)、 M. Bodanzsky and A. Bodanzsky, The Practice of Peptide Synthesis, Springer Verlag, New York (1984); および Applied Biosystems 430A Users Manual, ABI Inc., Foster City, California)、或いはそれらは溶液中に調製されてもよく;液相法により又は固相法、液相法および液化学(solution chemistry)の任意の組み合わせにより;例えば最初に各ペプチド部分を完成させ、次に(もし必要なら適切に)、残存する任意の保護基を除去した後に、各々カルボン酸もしくはスルホン酸又はそれらの反応性誘導体の反応により残基X(residue X)を導入することにより調製されてもよい。
本発明による結合メンバーを産生する別の便利な方法は、それをコードしている核酸を発現させることであり、発現系において核酸を用いることにより実施される。
従って、本発明は、更に裸の結合メンバー(ルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する)をコードしている分離された核酸の、癌を治療するための薬剤の調製における使用を提供する。
また、本発明は癌治療するための薬学的組成物を提供し、該組成物はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合する裸の結合メンバーを含む。
核酸はDNAおよびRNAを含む。好適な側面において、本発明は核酸を提供し、該核酸は上記定義したような本発明の結合メンバーをコードする。当業者は、置換、削除および/または付加をかかる核酸に対して設定することができ、この核酸は依然として本発明の結合メンバーを提供する核酸である。
本発明による結合メンバーをコードしている核酸配列は、本明細書中に含まれる情報および文献並びに当該技術において既知の技術〔例えば、Sambrook, Fritsch and Maniatis,"Molecular Cloning", A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, and Ausubel et al, Short Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, 1992を参照〕を用い、利用可能な核酸配列およびクローンを使用して、当業者が容易に調製できる。
これらの技術には、(i)かかる核酸(例えば、ゲノムの供給源から)のサンプルを増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用、(ii)化学合成、または(iii)cDNA配列の調製、が含まれる。抗体断片をコードするDNAは、当業者に既知の任意の適切な方法で産生および使用できる。この方法は、コードDNAを取得することにより、発現される部分の両側の適切な制限酵素認識部位を同定することと、および該部分を前記DNAから切り出すことと、を含んでいる。前記部分は、次に標準的な市販の発現系において適切なプロモータと作用可能に連結(operably linked)されてもよい。
別の組換え技術のアプローチは、前記DNAの関連性のある部分を適切なPCRプライマーで増幅することである。前記配列に対する修飾を、例えば、部位特異的突然変異誘発を用いて、修飾されたペプチドの発現を生じさせるために又は使用した宿主細胞のコドン嗜好性を考慮して前記核酸を発現させるために導入することが可能である。
また、本発明は、少なくとも1つの上記の核酸を含むプラスミッド、ベクター、転写または発現カセットの形態の構築物を提供する。
また、本発明は、上記の1以上の構築物を含む組換え型の宿主細胞を提供する。発現は、適切な条件下で前記核酸を含有している組換え型の宿主細胞を培養することによって良好に達成し得る。発現による産生に引き続き、特異的な結合メンバーを任意の適切な技術を用いて分離および/または精製でき、次に必要に応じて使用される。
本発明による結合メンバーをコードしている核酸分子およびベクターを、例えば、それらの天然の環境から実質的に純粋な又は均質(homogeneous)な形態で提供、分離、および/または精製し得る、或いは、核酸の場合には、所望の機能を有するポリペプチドをコードしている配列以外の核酸または遺伝子に由来するものがフリー若しくは実質的にフリーであるように提供、分離、および/または精製し得る。
本発明による核酸は、DNAまたはRNAを含んでもいてもよく、全体的に又は部分的に合成によるものであってもよい。
様々な異なる宿主細胞においてポリペプチドをクローニングする及び発現させるシステムは周知である。適切な宿主細胞には、細菌、哺乳類細胞、酵母、並びにバキュロウイルスシステムが含まれる。当該技術において異種ポリペプチドの発現の目的で利用可能な哺乳類細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、新生児ハムスター腎臓細胞、NSOマウスメラノーマ細胞および他の多くの細胞が含まれる。一般的に好適な細菌宿主は大腸菌である。
大腸菌などの原核細胞における抗体および抗体断片の発現は、当該技術において確立された技術である。レビューとして、例えば、Pluckthun, BiolTechnology 9: 545-551 (1991)を参照のこと。また、培養した真核細胞における発現も当業者が実施可能であり、結合メンバー産生のためのオプションは最近のレビュー、例えばReff, Curr. Opinion Biotech. 4: 573-576 (1993); Trill et al., Curr. Opinion Biotech. 6: 553-560 (1995)を参照のこと。
適切なベクターを選抜するか又は構築することが可能であり、そのベクターは、適切な制御配列を含有しており、必要に応じてプロモータ配列、終結断片(terminator fragments)、ポリアデニレーション配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子および他の配列を含んでいる。ベクターは、必要に応じてプラスミド、ウイルス(例えば、ファージ)またはファージミドであってもよい。更なる詳細に関しては、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning : A Laboratory Manual : 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)を参照のこと。核酸を操作するための多くの既知の技術およびプロトコール(例えば、核酸構築物の調製、突然変異誘発、シークエンシング、DNAの細胞への導入および遺伝子発現、並びに蛋白質の分析)は、文献(Current Protocols inMolecular Biology, Ausubel et al. eds., John Wiley and Sons, 1992)に詳細に記載されている。
前記核酸は、宿主細胞中に任意の適切な手段によって導入されてもよい。
前記導入には、任意の利用可能な技術を採用し得る。真核細胞に関する適切な技術には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン、エレクトロポレーション、リポソームが媒介するトランスフェクションおよびレトロウイルス又は他のウイルス(例えば、ワクシニアもしくは、昆虫細胞に関してバキュロウイルス)を用いた形質導入が含まれる。
細菌の細胞に関して適切な技術には、塩化カルシウムトランスフォーメーション、エレクトロポレーションおよびバクテリオファージを用いたトランスフェクションが含まれる。
抗生物質に耐性または感受性遺伝子(sensitivity genes)などのマーカー遺伝子は、当該技術において周知であり、目的の核酸を含有しているクローンの同定に使用し得る。
導入続いて、前記核酸からの発現が発生させる又は許可される(例えば、宿主細胞を前記遺伝子を発現させる条件下で培養することにより)。
本発明の核酸を、宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)に統合してもよい。統合は、標準技術によるゲノムとの組換えを促進する配列を含ませることにより促進され得る。前記核酸は、前記細胞内の染色体外のベクター上に座位するか、さもなければ前記細胞に対して確認可能な(identifiably)異種(heterologous)もしくは外来性(foreign)のものである。
更に本発明はスクリーニング方法を提供し、該方法は候補薬剤のライブラリを、裸の結合メンバーの(本発明の第一側面により定義されたような)ルイスyおよびルイスハプテンに対する結合を阻害する能力に関してスクリーニングする工程を含む。
前記スクリーニング方法は、以下の工程の任意を具備し得る、即ち:
1. ルイスyおよびルイスハプテンと結合する能力を有する裸の結合メンバーを提供することと;
2. 候補薬物を提供することと;
3. 前記裸の結合メンバーを1つの前記候補薬物と接触させることにより及び前記候補薬物が裸の結合メンバーのルイスyおよびルイスハプテンに対する結合を阻害する程度を決定することにより前記候補薬物をスクリーニングすることと、を具備する。
前記スクリーニング方法は、前記裸の結合メンバーのルイスyおよびルイスハプテンに対する結合を、阻害する能力を有する薬剤を選択することと;およびオプションとして前記薬剤を修飾して医薬(medicament)として投与するために至適化することと;を付加的に具備し得る。
更に本発明は、癌治療するための医薬の製造における、本発明のスクリーニング方法によって同定された薬剤の使用を提供する。
本発明の各側面の好適な特徴は、他の側面の各々に必要な変更を加えたものである。
本発明は、以下に記載される限定されることのない実施例において更に説明される。本願に添付される図面の説明は、後述する図面の簡単な説明に記載する。
本発明は、以下の限定されることのない実施例を参照して更に説明される。
[実施例1]
SC101モノクローナル抗体を用いた結合試験
<方 法>
薄層クロマトグラフィーによって分離された炭水化物への結合
ルイス、ルイスy、ルイス、トリフコシルルイスy(trifucosyl Lewisy)、Hタイプ1鎖、Hタイプ2鎖、およびルイスを含有している精製された糖脂質標準を、TLCプレート上にスポットし、クロロホルム:メタノール:0.2%塩化カルシウム:50:40:10の溶媒系で展開した。そのプレートを、次に5%BSAでブロックし、そして次にオルシノール(パネルA)或いはMabs SC101/23 (パネルB)、Mab SC101/29 (パネルC)、Mab SC101/33 (パネルD)、Mab SC101/42 (パネルE)およびMab C14 (パネルF)の何れかとインキュベートした。そのプレートを洗浄後、それらをウサギ抗マウスIgGおよびIgMとインキュベートし、次に125I標識プロテインAとインキュベーションした。バンドをオートラジオグラフィーで視覚化した。
炭水化物への結合(ELISAによるアッセイ)
マイクロタイタープレートを、精製したルイスまたはルイスy糖脂質の何れかで(5ug/ml)でコートした。前記プレートを5%ウシ血清アルブミン(リン酸緩衝塩類溶液中に希釈)でブロッキング後、精製されたモノクローナル抗体SC101/23、SC101/29、SC101/33、SC101/42を異なる濃度(0.15〜20μg/ml)で添加し、次にペルオキシダーゼを結合させたヤギ抗マウスIgGおよびIgMを添加した。結合させた酵素を490nmで記録した光学密度により検出した。
新規に脱凝集させた腫瘍細胞への結合
結腸直腸腫瘍を採取し、そしてコラゲナーゼ(0.05%、タイプIV)で非常に活性の高い細胞懸濁液へと脱凝集させ、そして間接的な免疫蛍光法(SC101結合がFITCを結合させたウサギ抗マウス抗血清で検出される)を用いてSC101との結合をアッセイした。染色された細胞を蛍光に関してFACS IVセルソーターで分析した。フルオレッセイン蛍光を、488nmで励起し、515nmを中心とした10nmバンドパスフィルターを介して測定し、蛍光色素標識したラテックスビーズを用いて標準状態に調整した。蛍光強度を平均直線蛍光(MLF;mean linear fluorescence)として表わされ、これは各チャネルの量(contents)にそのチャネル数を乗じ、分布領域(the distribution)における細胞の総数で割ることにより計算された。
前記FACS IVは、悪性細胞サイズ範囲の細胞を選択的に分析するためにセットされる。
また、各腫瘍を通常マウスIg(normal mouse Ig)を用いて染色し、そして本コントロールのMLFを単クローン抗体で得られた値から差し引いた。
しかしながら、通常マウスIgの平均結合は50±25であった、それゆえに腫瘍は、MLFが50±2s.d.(即ち、100)を超えた場合にのみ陽性染色として記載された。これは控えめな(conservative)推測であり、というのも陽性染色された細胞のバックグランドは、通常マウス免疫グロブリンで染色した細胞の95%が観察された数値を超える蛍光を有する細胞の数として計算されたからである。
固形癌の脱凝集は、赤血球、リンパ球、ストローマ細胞、マクロファージおよび内皮細胞を含んでいる細胞の混合集団を生じる。上皮細胞のパーセンテージは、単クローン抗体Cam5.2でのサイトケラチンの染色により測定されたように、ほんの22±13%(範囲10〜60)であった。しかしながら、悪性細胞サイズ範囲の細胞を選択的に分析するための前方光散乱ゲーティングの結果、分析された細胞の79±4%(範囲69〜86)は上皮性のものであった。更に腫瘍間のバリエーションが、顕著に減少していた。
全有核集団中のリンパ球のパーセンテージは、単クローン抗体F10-89-4(Peter Beverley、Genera研究所により供与された)での染色により測定された際に74±16(40〜90範囲)であった。これは、悪性細胞サイズに対するFACS IVゲーティング後に5.5±5%(範囲1〜20)へと顕著に減少した。悪性サイズ範囲と分析された細胞集団におけるストローマ細胞のパーセンテージは、3.5±3%(範囲1〜13)であった。
前方光散乱ゲートにおいて非上皮細胞の割合は低かったが、腫瘍間で顕著に変化していなかった。このことは特定の腫瘍の平均直線蛍光に影響し得る、またそれらが染色されなければ染色の不均一性に寄与し得る。その結果、染色された細胞の>25%(即ち、21±34%非上皮細胞)の腫瘍のみが、陽性と記載された。
白血病細胞株との結合
特性が解明されている骨髄性白血病細胞株の5x104細胞を、SC101抗体の多種類の希釈物と共にインキュベーションし、そして1時間氷上に放置した。
頻繁に洗浄を行った後、細胞をFITC標識抗マウス抱合体と更に30分間氷上で混合した。2回目の洗浄後、細胞を専売の(proprietary)cellfix中で固定し、フローサイトメトリーで結合した蛍光を測定した。
正常組織との結合
SC101抗体の正常組織への結合を、死後サンプル(post-mortem samples)の間接的な免疫ペルオキシダーゼ染色により決定した。低温保存した腫瘍および正常組織の組織切片(5μm)を、0.3% H202(0.1% NaN3中)で15分間処理して内在性のペルオキシダーゼを阻害した。次にこれを室温でPBS中に調製した10%ヒト血清および1%BSAとインキュベーション(30分間)し、そして次にマウスSC101単クローン抗体を飽和レベル(最低の非特異的バックグランド染色を呈する)で添加した(更に30分間)。結合した抗体をペルオキシダーゼと結合させたウサギ抗-マウスIgで検出し、頻繁に洗浄を行った後にスライドを0.05%ジアミノベンジジンおよび0.01%H202(0.05M Tris-HCI、pH7.6中)で染色し、ヘマトキシリンでカウンター染色した。
<結果>
単クローン抗体C14は、マウスにおいて原発性結腸直腸腫瘍細胞に対して産生された。この抗体は良好な腫瘍選択性を示した(それは様々な腫瘍により過剰発現され且つ正常細胞上には低いレベルでのみ存在する細胞表面抗原と結合するので)。しかしながら、C14はIgM抗体であり、腫瘍治療への利用価値が限られている。ラットにおいてC14に対して産生された抗血清を使用してマウスを免疫し、5つの新規なIgGモノクローナル抗体を選別した。これらの単クローン抗体は、SC101/23、SC101/29、SC101/33、SC101/42、SC101/43と称される。これらの抗体は、拡張および非拡張型のルイスyおよびルイス抗原を認識するが、ルイスまたはH血液型抗原を認識しない抗体であることが薄層クロマトグラフィー(図1)およびELISA(図2)により示された。
図3は、SC101(SC101により認識される抗原)が、抗原CD55、CEAおよびサイトケラチン(抗体NCRC30、NCRC36、SC104およびCam5.2.により認識される)と類似する分布を示すことを表わしている。図4は、SC101により認識される抗原が、抗原CD55およびCEA(抗体HLA/DR、W6/32およびcam52により認識される)と類似する分布を示すことを表わしている。図5は、SC101により認識される抗原が、抗原CD55、CEA、MUC1(HLA/ABCおよびcam52により認識される)と類似する分布を示しことを表わしている。
上皮細胞は、サイトケラチンを発現する細胞であることが知られている。腫瘍の大多数がサイトケラチン陽性なので、SC101が上皮性腫瘍起源の細胞を認識することを、これらの結果は示している。
脱凝集させた腫瘍細胞のSC101抗体による染色は、ルイスyおよびルイス抗原が結腸直腸(図3)、胃(図4)、卵巣(図5)、乳房、肺および骨髄球性白血病(図6)を含む広範な腫瘍で過剰発現していることを示している。
Figure 0004559030
表1:SC101モノクローナル抗体の正常組織への結合
正常な組織の認識は、最低レベルであり、上部胃腸管の基底膜の弱い染色、胃およびファロピオ管のムチン染色並びに肝臓微小管の弱い染色に限定されていた。
SC101/29を発現している細胞株は、ECACC(アクセッション番号01050118)に寄託された。
[実施例2]
腫瘍細胞のSC101抗体への暴露
方法および結果
実験1
5x104のC170(結腸直腸の腫瘍)細胞を、多種類の抗体希釈物とインキュベーションし、そして1時間氷上に静置した。よく洗浄した後、細胞をFITC標識した抗マウス抱合体と更に30分間混合した。
2回目の洗浄後、細胞を専売の(proprietary)cellfix中で固定し、フローサイトメトリーで結合した蛍光を測定した。プロファイルは、処理細胞に対して実施された前方(FSCH)および側方(SSH)散乱測定の分析を示し、これは抗体処理後の細胞サイズおよび粒状度(granularity)における変化を明らかにしている。このファミリーの抗体のルーチンの特性分析において、SC101に暴露した腫瘍細胞(脱凝集させたもの)および培養細胞株が急速に収縮し、彼等の粒状度が増加した(図7を参照)。
実験2
1x105 C170、HT29またはHL60腫瘍細胞(懸濁液中)を、SC101抗体の多種類の希釈物および適切なコントロールと1時間室温でインキュベーションした。次に細胞を洗浄し、専売の(proprietary)結合緩衝液中に懸濁し、FITC標識アネキシンVおよびプロピジウムイオダイドで染色した。
次に細胞を二重色フローサイトメトリーで分析して、用いた様々な条件下で陽性染色を呈する細胞の数を決定した。アネキシン単独で染色されている細胞は早期段階のアポトーシスに存在し、一方アネキシンおよびプロピジウムイオダイドの双方で染色されている細胞は後期段階のアポトーシスもしくはネグローシスに存在している。
この結果は、アネキシンV結合がC170細胞をSC101抗体で処理した後に増加したこと、またプロピジウムイオダイド染色が増加したことを示している。この二重染色は、陽性細胞が後期段階アポトーシスに進行したことを示唆している。これらのアネキシン-Vによる試験は、細胞をSC101に1h暴露後にホスファチジルセリンが細胞膜外側表面に暴露されたことを示しており、この現象はアポトーシスの開始を示している(図8を参照)。
実験3
3 x 104 結腸直腸C170細胞を、平底の96ウェルプレートの個々のウェルに分配(aliquoted)し、放置して接着させた(一晩)。次の日、細胞をSC101抗体の様々な希釈物で又は適切なコントロールで処理し、そして更に5日間静置した。次に培養物を洗浄し、そしてクリスタル・バイオレットで染色して各ウェルに残存する生細胞の数を決定した。結果を490nmでの光学濃度により記録し、プロットして適切な陰性コントロールと比較した。
顕著に高濃度(上記記載された実験において使用された濃度と比較して)の抗体が、単層培養として成長している接着細胞株の増殖を阻害するために必要であった(図9a)。マトリックス付着および細胞−細胞シグナリングの欠如が、SC101処置に対する細胞の感受性を増大させ、これにより抗体が増大したアポトーシスおよび最終的な細胞死を誘導することが可能となることを、これらの結果は示唆している。多くの試験は、固形腫瘍における細胞マトリックスの重要性を明らかとしている(なぜならそれがインテグリンなどの接着分子を介して生存シグナルを刺激するので)。もしこのマトリックス支持が除去されたなら、これらの生存シグナルは存在せず、潜在的なアポトーシス刺激に対する細胞の感受性が増加する。
実験4
更なる実験において、3x104白血病由来のHL-60細胞を平底の96ウェルプレートの個々のウェルに分配した。次に細胞を、SC101抗体の多種類の希釈物または適切なコントロールで処理し、そして5日間静置した。次に培養物を洗浄し、そしてクリスタル・バイオレットで染色して各ウェルの生細胞の数を決定した。結果を490nmでの光学濃度により記録し、プロットして適切な陰性コントロールと比較した。結果は、高濃度のSC101がHL-60細胞増殖をコントロール培養に比べて有意に減少させたことを示している。
また、これらの試験は培養物中のHL60細胞の増殖を阻害できることを示した(図9bを参照)。
実験5
更なる実験において、1x105HL-60骨髄性白血病細胞をSC101/29単クローン抗体、適切なコントロールと様々な希釈濃度でインキュベートし、洗浄し、そしてPEを結合させたAP02.7抗体で染色した。次に細胞をフローサイトメトリーで分析して、各ケースにおける陽性染色された細胞の数を決定した。図10に示された結果は、SC101抗体が特定の骨髄性白血病細胞株と結合したこと、また特定の条件によってフローサイトメトリーおよびApo2.7(アポトーシスの開始の際に暴露されるミトコンドリアの抗原を認識することが知られている抗体)により測定されるようなアポトーシスを誘導できたことを示している。
[実施例3]
SC101/29およびシスプラチンを用いた試験
方法および結果
実験1
3x104 結腸直腸C170細胞を、平底96ウェルプレートの個々のウェルに分配(aliquoted)し、そして静置して接着させた(一晩)。次の日、細胞を様々に希釈したSC101抗体で又は適切なコントロールで1時間室温処理した。次に培養物を1回洗浄し、そしてヤギ抗マウス抗体(100ug/mlで)中で30分間、室温でインキュベーションした。次に培養物を再洗浄し、そして培地(シスプラチンの存在または非存在の条件で)中で一晩静置した。次の日、培養物を洗浄し、溶解し、そしてCyto Death ELISA(Roche)により断片化DNAの存在を検査した。結果を405nmで測定した光学濃度により記録した。図11は、シスプラチン(3μg/ml)がアポトーシスを誘導するが、SC101単独(30μg/mlまでの濃度での)が有意なアポトーシスを誘導できないことを示している。しかしながら、SC101がシスプラチンに添加された場合、増加したアポトーシスが観察される。これらの結果は、増加したアポトーシスがSC101およびシスプラチンを共に投与した場合に観察されたこと、またアポトーシスにおける増加がSC101およびシスプラチンの別々の投与の相加効果よりも大きいことを明らかとしている。
図11に示されるプロットは、シスプラチン処理細胞におけるSC101抗体の相乗効果(増加したアポトーシスの兆候である顕著に断片化DNAレベルの増加を伴う)を実証している。
実験2
結腸直腸腫瘍細胞をシスプラチン(0〜0.05μg/ml)に暴露(4時間、37℃で)し、そして次にSC101/29(0〜50μg/ml)抗体を添加した。生細胞数をクリスタル・バイオレット染色して550nmで測定した光学濃度により決定した際に細胞を4日間静置した。図12は、シスプラチン(1μg/ml)およびSC101/29の双方がC170細胞成長の10%阻害を誘発したことを示している。薬物および抗体の併用は相乗的であり、細胞成長の50%減少を誘導する。
[実施例4]
SC101/29および5フルオロウラシルを用いた試験
方法および結果
3x103 C170をマイクロタイタープレートに播種し、そして一晩静置して接着させた。5FUを0.25および0.5μg/mlの終濃度まで添加した。またSC101/29抗体を1〜50μg/mlの濃度で添加した。細胞を静置(5日間、37℃)し、クリスタル・バイオレットで染色し、そして550nmで光学濃度を測定して細胞数を評価した。図13に示されるように、10%(C170細胞成長において)がSC101/29の20μg/ml用量で観察された。しかしながら、5フルオロウラシルの非毒性用量(0.25μg/ml)との併用において、細胞成長が70%減少した。
これらの試験(実施例3に記載された試験と組み合わせて)は、SC101が培養されたC170細胞のシスプラチンおよび5-フルオロウラシルの効果に対する感受性を増加させたこと、並びにSC101、シスプラチンおよび5-フルオロウラシルが細胞成長の減少(アポトーシスの誘導)に相乗的に作用したことを実証した。
[実施例5]
SC101/29並びにタモキシフェン、ドキソルビシン、イリノテカン、マイトマイシンC、オキサリプラチンおよびラルチトレキセドを用いた試験
方法および結果
実験1 C170結腸直腸細胞。
1x103 結腸直腸C170細胞を平底96ウェルプレートの個々のウェルに分配(aliquoted)し、そして一晩37℃で放置して接着させた。次の日、細胞をタモキシフェン(終濃度10、3、1、0.3、0.1および0μM)で処理した。タモキシフェンの各濃度に対し、次の濃度のSC101/29を滴定(titrated)した(即ち10、3、1、0.3および0μg/ml)。陰性コントロールとして、791T/36(濃度100、30、10、3および0μg/mlで)をタモキシフェンの各濃度に対して滴定した。複製ウェルを使用した。細胞を5日間37℃で静置し、次に各ウェルへのMTS試薬の添加および490nmでの光学濃度の測定を行った。図14a〜eは、C170成長における記載の濃度でのSC101/29単独(a)、791T/36単独(b)、タモキシフェン単独(c)、SC101/29とタモキシフェンの併用(d)、および791T/36とタモキシフェンの併用(e)の効果を示している。最大級の相乗効果を生じるSC101/29およびタモキシフェンの最小濃度を選択し、プロットした(図15)。また図15は、C170成長における5-FU、シスプラチン、ドキソルビシン、イリノテカン、マイトマイシンC、オキサリプラチンおよびラルチトレキセドとの組み合わせにおけるSC101/29の相乗/相加作用を測定している並行的に実施した実験(parallel experiments)を示している。
実験2 MDA-MB468乳癌細胞。
同法を用いて、乳癌株化細胞(Breast carcinoma cell line)MDA-MB-468の成長におけるSC101/29単独の並びにタモキシフェンおよびドキソルビシンとの併用の効果を調査した。SC101/29単独の及びタモキシフェンとの併用の効果を図16a-eに示す。SC101およびタモキシフェン若しくはドキソルビシン間の相乗作用が図17に示すグラフにより実証される。タモキシフェンおよびドキソルビシンとSC101/29の併用における濃度(最大級の相乗効果を生じる)も図17に示される。
[実施例6]
異種移植実験
方法および結果
マウスにC170異種移植片(3mm 3ピース)を外植(explanted)した。マウスの群を5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg)で静脈を介した輸液により1、3、5、7、21および22日に処理した。同じ日、マウスの腹腔内に0.2mgのSC101/29単クローン抗体をも注射した。コントロールマウスにSC101/29単独又はコントロールマウスIgG抗体(5FU/ロイコボリンと共に)の何れかを投与した。腫瘍サイズをキャリパーで測定し、そして腫瘍断面積(tumour cross sectional area)を12、16、19および23日に計算した。実験の終了時に、腫瘍を計量して抗腫瘍効果を評価した。動物を計量して治療の毒性を評価した。
SC101抗体は、腫瘍成長を0.2mgの用量で有意に阻害した。12.5mg/Kgの5FU/ロイコボリンも腫瘍成長を阻害した(図18および図20)。しかしながら、前記併用は更に効果的であった(図18および20)。しかしながら、前記治療は動物に毒性を示さなかった(彼等は正常な重量増加を呈したので)(図19)。これらの結果は、化学療法の抗腫瘍効果がSC101モノクローナル抗体による治療により増強されたことを示唆している。
図1:拡張されたルイス(レーン1)、拡張されたルイスy(レーン2)、Hタイプ1鎖(レーン3)、Hタイプ2鎖(レーン4)、ルイス(レーン5)、ルイス(レーン6)およびルイスy(レーン7)の免疫染色を示す薄層クロマトグラフィー。 プレートをオルシノール、パネルA或いはMabs SC101/23 パネルB、Mab SC101/29 パネルC、Mab SC101/33 パネルD、Mab SC101/42 パネルEおよびMab C14 パネルFの何れかで染色した。 図2:SCIOIのハプテンへの結合のELISA分析を示す図である。 SC101/23(白丸)、SC101/29(黒丸)、SC101/33(白三角)、SC101/42(白四角)およびSC101/43(黒四角)のa)ルイスyおよびb)ルイスハプテンへの結合(ELISAによる測定)。 図3:モノクローナル抗体の新たに脱凝集させた結腸直腸腫瘍細胞への結合を実証するグラフ(間接免疫蛍光法によるアッセイおよびフローサイトメトリーによる分析)。 各ポイントは、個々の腫瘍に対しての平均蛍光(mean fluorescence)を意味する。NCRC30、NCRC36およびSC104(Scancell Limitedにより提供される)を陽性コントロールとして使用して酵素脱凝集の完全性(integrity)を実証している。 図4:モノクローナル抗体の新たに脱凝集させた胃の腫瘍細胞への結合を実証するグラフ(間接免疫蛍光法によるアッセイおよびフローサイトメトリーによる分析)。 各ポイントは、個々の腫瘍に対しての平均蛍光(mean fluorescence)を意味する。HLA/ABC、HLA-DR-AFBおよびw6/32(Serotech)を陽性コントロールとして使用して酵素脱凝集の完全性(integrity)を実証している。 図5:モノクローナル抗体の新たに脱凝集させた卵巣腫瘍細胞への結合を実証するグラフ(間接免疫蛍光法によるアッセイおよびフローサイトメトリーによる分析)。 各ポイントは、個々の腫瘍に関する平均蛍光(mean fluorescence)を意味する。 図6:SC101/29の一群の急性骨髄球性白血病(AML)細胞株(HL-60、KG1A、U937、TF1(ECACCから取得))への結合を実証するグラフ。 細胞を間接免疫蛍光法で染色し、そしてフローサイトメトリーで分析した。結果を各株化細胞に関して平均直線蛍光として表わす。 SC101/29またはコントロール791T/36抗体に暴露した、結腸直腸腫瘍株化細胞(C170)のサイズ(前方散乱、FSCH)および粒状度(側方散乱、SSCH)を示すスキャッターダイアグラム(Scatter diagram)。 細胞をサイズおよび粒状度に関してフローサイトメトリー分析(前方および側方散乱)により分析した。R1ゲートは、生存可能な健康な細胞を明確にしている。R2ゲートは、サイズおよび粒状度が減少した死細胞(dying cells)を明確にしている。 図8:C170腫瘍細胞における、SC101/29、またはコントロール791T/36抗体の効果を実証しているヒストグラム。 細胞をFITC標識アネキシンおよびプロピジウムイオダイドで染色し、そして次に二重色フローサイトメトリーにより分析する。A-C170結腸直腸腫瘍細胞、B-HT29結腸直腸腫瘍細胞、C-HL60骨髄性白血病細胞。 図9A:細胞成長のインビトロ阻害を実証しているグラフ。 腫瘍細胞株 a)C170結腸直腸腫瘍細胞 b)HL-60骨髄性白血病細胞をSC101/29またはコントロール791T/36単クローン抗体に暴露した。細胞数をクリスタル・バイオレット染色および550nmで記録した光学濃度により決定した。 図9B:細胞成長のインビトロ阻害を実証しているグラフ。 腫瘍細胞株 a)C170結腸直腸腫瘍細胞 b)HL-60骨髄性白血病細胞をSC101/29またはコントロール791T/36単クローン抗体に暴露した。細胞数をクリスタル・バイオレット染色および550nmで記録した光学濃度により決定した。 図10:細胞成長におけるSC101/29抗体の効果を実証しているグラフ。 HL-60細胞をSC101/29抗体(1hr室温で)インキュベーションし、そして次に該細胞をフィコエリトリン抱合型Apo2.7マウスモノクローナル抗体で染色した。 染色した細胞をフローサイトメトリーで計数した(enumerated)。HL60骨髄性白血病細胞は、Apo2.7染色により測定されるようなアポトーシスをSC101/29単クローン抗体に暴露されたときに生じる。 図11:細胞におけるSC101/29抗体およびシスプラチンの効果を実証しているグラフ。 結腸直腸腫瘍細胞を様々に希釈したSC101/29またはコントロール791T/36抗体で処理した。培養物を培地(シスプラチンの存在または非存在)中で一晩静置した。培養物を断片化DNAの存在についてCyto Death ELISA(Roche)により検査した。結果を405nmでの光学濃度測定値により記録した。 図12:細胞バイアビリティーにおけるシスプラチンおよびSC101/29抗体の効果を実証しているグラフ。 結腸直腸腫瘍細胞をシスプラチンに暴露し、そして次にSC101/29またはコントロール791T/36抗体を添加した。生細胞数をクリスタル・バイオレット染色して550nmで測定した光学濃度により決定した際、細胞を4日間静置した。 図13:細胞における5フルオロウラシルおよびSC101/29抗体の効果を実証しているグラフ。 C170細胞をSC101/29またはコントロール791T/36抗体および5FUに暴露した。細胞数をクリスタル・バイオレット染色および550nmで記録した光学濃度により決定した。 図14:C170結腸直腸細胞におけるタモキシフェンおよびSC101/29の効果を示しているグラフ。 C170細胞をSC101/29またはコントロール791T/36抗体またはタモキシフェン或いはそれらの組み合わせに暴露した。 図15:C170細胞における5-FU、シスプラチン、ドキソルビシン、イリノテカン、マイトマイシンC、オキサリプラチン、ラルチトレキセドおよびタモキシフェンの効果を、単独またはSC101/29抗体との併用、或いはSC101/29抗体単独の何れかにより実証しているグラフ。 図16:SC101/29またはコントロール抗体単独またはタモキシフェンとの組み合わせに暴露したMDA-MB-468細胞におけるタモキシフェンおよびSC101/29の効果を実証しているグラフ。 図17:MDA-MB-468胸部細胞におけるタモキシフェンおよびドキソルビシンの効果を、単独またはSC101/29抗体との併用、或いはSC101/29抗体単独への暴露の何れかにより実証しているグラフ。 図18:ヌードマウスで成長させたC170異種移植片(xenografts)の成長における、SC101、5FU/ロイコボリン並びにSC1010および5FU/ロイコボリンの併用の効果を実証しているグラフ。 動物をSC101 ip(0.2mg)(白丸)、コントロール抗体 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv)(白三角)或いはSC101 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv、白三角)の何れかで1、3、5、7、21、22日に治療した時、C170異種移植片の成長を12、16、19および23日に横断面領域(mm2)を測定することにより測定した。 図19:マウスの重量における、SC101、5FU/ロイコボリン或いはSC101および5FU/ロイコボリンの併用の効果を示しているグラフ。 SC101 ip(0.2mg)(白丸)、コントロール抗体 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv)(白三角)或いはSC101 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv、白三角)で1、3、5、7、21、22日に治療後、動物を12、16、19および23日に計量した。 図20:ヌードマウスで成長させたC170異種移植片(xenografts)の最終腫瘍重量における、SC101、5FU/ロイコボリン或いはSC101および5FUの併用の効果を実証しているヒストグラム。 動物を、SC101 ip(0.2mg)(白丸)、コントロール抗体 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv)(白三角)或いはSC101 ip(0.2mg)および5FU/ロイコボリン(12.5mg/Kg iv、白三角)で1、3、5、7、21、22日に治療した。

Claims (9)

  1. 裸の抗体(該抗体はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合し且つH血液型ハプテンには結合せず且つ細胞死を誘導する)の、或いはかかる抗体をコードしている核酸の、癌を治療するための薬剤の調製における使用であって、前記裸の抗体がECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された裸の抗体の全ての相補性決定領域(CDRs)を含む使用。
  2. 請求項1に記載の使用であって、前記癌が腫瘍または白血病である使用。
  3. 請求項2に記載の使用であって、前記腫瘍は一以上の結腸直腸、胸部、卵巣、胃(gastric)、肺、肝臓、皮膚、ミエロイド腫瘍である使用。
  4. 請求項2に記載の使用であって、前記ミエロイド腫瘍は骨髄腫瘍である使用。
  5. 裸の抗体(該抗体はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合し且つH血液型ハプテンには結合せず且つ細胞死を誘導する)を化学療法剤, 鎮痛薬および/または抗催吐薬と組み合わせて、癌治療における同時、別々、または連続の使用のための併用製剤として含む製品であって、前記裸の抗体がECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された裸の抗体の全ての相補性決定領域(CDRs)を含む製品。
  6. 請求項5に記載の製品であって、前記化学療法薬は一以上のドキソルビシン、タキソール、5-フルオロウラシル、イリノテカンおよびシスプラチンである製品。
  7. 裸の抗体(該抗体はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合し且つH血液型ハプテンには結合せず且つ細胞死を誘導する)を薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせて含む薬学的組成物であって、前記裸の抗体がECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された裸の抗体の全ての相補性決定領域(CDRs)を含む組成物。
  8. ECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された抗体(該抗体はルイスyおよびルイスハプテンの双方に結合し且つH血液型ハプテンには結合せず且つ細胞死を誘導する)の全ての相補性決定領域(CDRs)を含む抗体。
  9. 請求項8に記載の抗体であって、ECACCアクセッション番号01050118として寄託された細胞株により産生された抗体。
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