JP4542827B2 - 電磁界感応機能体 - Google Patents

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Description

本発明は、入射電磁波に対する電磁気的諸性質を制御できるようにした電磁界感応機能に関する。
近年、高層ビルが多くなったため、ビルによる電波の反射により、放送受信や通信に支障が出るようになってきた。このため、電波を反射しない電波吸収体の必要性が増してきた。このような電波吸収体には、フェライト、カーボングラファイト、強誘電体などが用いられる。また、高周波回路素子であるフィルタやサーキュレータなどを構成する材料としても、異方性を付与したフェライトなどが用いられる。
しかし、フェライト電波吸収体を例にとれば、誘電率や透磁率といった電磁気的諸性質が製造時に決まってしまい、後日これらの諸性質を変えることは不可能であった。しかも、従来の材料は、その諸性質が周波数に依存していているため、電波吸収体として、使用周波数が制限され、設計の自由度が少ないという問題があった。
このため、本発明者は、後記特許文献1で、ゴムフェライトの電波吸収体に貫通孔である調整孔を設けて、整合周波数を調整することを提案している。
特許第3182392号公報
前記特許文献1に開示された電波吸収体によれば、調整孔の大きさや形状を変えることにより、かなり整合周波数を変えたり、周波数帯域を広げることが可能になったが、材料が本来有していた誘電率や透磁率といった電磁気的諸性質を変えるものではないので、完成した電波吸収体の周波数特性を必要に応じて適時変えることは困難であるという問題があった。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであって、電波吸収材やマイクロ波又はミリ波デバイスの電磁気的諸性質と、その周波数特性を随時簡単に変更できる電磁界感応機能を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の光感受性素子の各端を連結して、該連結点を立方体の頂点とする3次元構造の単位セルを構成し、該単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、 前記光感受性素子を照射する発光体を備え、該発光体に供給する電圧を制御できるようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、一対の導体間を光感受性素子で連結して電界変化に感応するようにした電界感応回路から単位セルを構成し、該単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、前記光感受性素子を照射する発光体を備え、該発光体に供給する電圧を制御できるようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、電界変化に感応する電界感応回路と、磁界変化に感応する磁界感応回路とを有する単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、前記電界感応回路は、4つのダイオードの各端を接続した正方形のループをしており、前記磁界感応回路は、前後一対の十字形の導体と、前記一対の導体の先端同士を接続するダイオードと、前後一方の十字形の導体の中心に挿入されたコンデンサとからなり、前記電界感応回路内に組み込まれたダイオード又は前記磁界感応回路内に組み込まれたダイオードのバイアス電圧を制御できるようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、単位セルが立方体の3次元構造であるから、各辺は当該辺に平行な電界変化に感応する電界感応回路となり、各面を一周する四辺は各面を貫く入射磁界変化に感応する磁界感応回路となる。したがって、どのような偏波面を有する電磁波が単位セルに入射しても単位セルが感応するので、発光体に供給する電圧を制御することによって、光感受性素子の抵抗を変化させて、外部から入射する電磁によって単位セルの各部に誘起される電流又は電圧を変化させることができ、これによって、透磁率や誘電率等の電磁気的諸性質を簡単に変更できる。特に、前記電界感応回路と前記磁界感応回路の共振周波数付近では、各光感受性素子の抵抗を変化させることにより、各回路のインピーダンスが大きく変わって、共振状態等が大きく変化するので、透磁率や誘電率等の電磁気的諸性質が大きく変更できる。これにより、周波数特性を随時簡単に変更できる電磁界感応機能が得られる。また、光感受性素子に制御用導線を接続する必要がないので、極めて簡単な構成の電磁界感応機能体が得られる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1にかかる発明と同様に、発光体に供給する電圧を制御することによって、光感受性素子の抵抗を変化させることができるので、電磁気的諸性質とその周波数特性を随時簡単に変更でき、しかも、光感受性素子に制御用導線を接続する必要がないので、極めて簡単な構成の電磁界感応機能体が得られる。特に、単位セルを一対の導体間を光感受性素子で連結して電界変化に感応するようにした電界感応回路から構成しているので、単位セルが奥行きの少ない2次元構造となって、薄い電磁界感応機能体を得ることができ、既存の材料の表面に貼って使用することが容易である。
請求項3に係る発明によれば、電界感応回路は正面視正方形をしており、磁界感応回路も正面視で十字形をしているので、どのような偏波面を有する電磁波が単位セルに入射しても単位セルが感応する。したがって、ダイオードのバイアス電圧を制御すると、電界感応回路又は前記磁界感応回路中のダイオードの抵抗が変化するので、請求項1にかかる発明と同様に、電磁気的諸性質とその周波数特性を随時簡単に変更できる。
図1−図4は、本発明の基本概念を説明するものである。図1は、立方体の各頂点に受動又は能動型の3端子の回路素子3が配置された単位セル1を表している。このような回路素子としてはトランジスタ等、制御信号により導通状態を制御できるものであればよい。図2は、受動または能動型の2端子の回路素子4から成る立方体構造の単位セル1の例である。2端子の回路素子4としては、ダイオード、光感受性素子、熱感受性素子、磁気感受性素子、感圧素子等、2端子素子で何らかの制御信号により導通状態が簡単に変化するものであればよい。図3は、3端子の回路素子3と2端子の回路素子4と組み合わせた単位セル1の例である。
回路素子3、4にトランジスタ又はダイオードを用いた場合、回路素子3、4の動作の制御はバイアス電圧を変えることにより行う。回路素子3、4は、バイアス電圧を変えることにより、導通状態が変わるので、無抵抗状態、高抵抗状態、非導通状態、定電流状態又は定電圧状態等に、導通状態を多様に変化させることができる。
単位セル1は、立方体をしているから、各辺は当該辺に平行な電界変化に感応する電界感応回路となり、各面を一周する四辺は各面を貫く入射磁界変化に感応する磁界感応回路となる。各辺又は各頂点に設置した回路素子3、4の導通状態を変えることにより、電界感応回路又は磁界感応回路のインピーダンスが変わり、その共振状態を制御したり、回路素子3、4の抵抗による損失を制御したりすることができる。
このような単位セル1を上下左右前後に適切な配置で集合させ、例えば、図4に示したように、結晶格子の如く規則正しく集合させて電磁界感応機能を構成する。もちろん、ガラスの分子のように無秩序な配置で集合させて電磁界感応機能を構成してもよいが、この場合は、バイアス電圧印下用配線が複雑になる。
ここで、回路素子3、4の動作を制御することにより、回路素子の抵抗による損失を変化させて、外部から入射する電磁界によって電界感応回路又は磁界感応回路に誘起される電流又は電圧を変化させることができ、これによって、本発明の電磁界感応機能の透磁率や誘電率等の電磁気的諸性質を随時簡単に変更できる。特に、各回路の共振周波数付近では、各回路素子を導通、適当な抵抗、高抵抗、非導通と変化させると、各回路のインピーダンスも大きく変わって、共振状態等が大きく変化するので、透磁率や誘電率等の電磁気的諸性質も大きく変化する。これにより、周波数特性も簡単に変更できる電磁界感応機能が得られる。
一般に、電磁波の反射率、吸収率、透過率、減衰率等の電磁気的諸性質は、主に媒質の誘電率と透磁率と導電率によって決まるため、本発明の電磁界感応機能によれば、各回路の抵抗とともに誘電率又は透磁率を変えることにより、所望の周波数特性を有する電波吸収材が簡単に得られる。特に、回路素子3、4の動作をコンピュータによりプログラム制御すると、本発明の機能性をいっそう高めることが可能になる。
また、単位セル1の結晶学的な空間配置を変更することにより、電磁波に対する諸性質、例えば、反射率、吸収率、透過率、異方性、偏波性、減衰性等も簡単に制御できる。特に、単位セル1の配置を結晶体に類似させたため、結晶の光学的性質から電磁波に対する諸性質を類推でき、この結果、設計時点で電磁波に対し、損失の大きな媒質、カイラル状媒質又は異方性媒質を呈する材料の実現が比較的容易に想定でき、従来の材料開発に要求されていた原子、分子構造レベルにおける複雑な物性的な検討をする必要が少なくなるという大きな効果がある。
もちろん、単位セル1は、立方体に限るものではなく、直方体、球形等の適宜形状の3次元構造ばかりでなく、平面的な2次元構造も可能である。勿論、2次元構造の単位セルと3次元構造の単位セルを組み合わせて使用することも可能である。
図5に、電波吸収体として用いる本発明の電磁界感応機能性の単位セル1に関する第1の実施例を示す。
この単位セル1は、ゴムフェライト材10の表面に上下一対の導体12を固定し、この一対の導体12間を一対のダイオード14で連結し、垂直方向の電界変化に感応する電界感応回路16を有している。これらのダイオード14には図示しないバイアス回路からバイアス電圧が供給されており、このバイアス電圧を制御することにより、ダイオード14の導通状態を制御している。なお、図5では、上下一対の単位セル1の間では、ダイオード14の極性は互いに逆方向にしているが、必ずしも、このように順逆の極性配置にする必要はない。
この単位セル1は、さらに、電界感応回路16の導体12とダイオード14で囲まれる空間におけるゴムフェライト材10中に、水平方向の磁界変化に感応する一対の磁界感応回路18を埋め込んでいる。この磁界感応回路18は、上下一対のダイオード20と、一対のダイオード20の一端間を導体22で連結するとともに、一対のダイオード20の他端間をマイクロチップコンデンサ24で連結し、水平方向の磁束が貫くループ状の回路である。この一対のダイオード22の極性は、上下逆方向になっている。このダイオード20にも図示しないバイアス回路からバイアス電圧が供給されている。
これらの単位セル1においては、ゴムフェライト材10の背面にはスペーサ11を介して導体板11Aが貼り付けられている。ただし、この導体板11Aは、電波吸収体として用いるときは必須なものであるが、フィルタや減衰器として用いるときは不要である。また、電波吸収材は、ゴムフェライトでなくてもよく、適宜電波吸収材を使用できる。
これらの単位セル1を上下左右に適切な配置で集合させ、例えば、結晶格子のように規則正しく又はガラスの分子のように無秩序な配置で集合させて電磁界感応機能を構成する。
これらの単位セル1から構成された電磁界感応機能の透磁率、すなわちゴムフェライト材10の誘電率を制御する方法について説明する。透磁率制御の場合は、電界感応回路16の各ダイオード14は零バイアスで使用し、磁界感応回路18の各ダイオード20には可変バイアス電圧を与える。この単位セル1に電界が上下方向、磁界が水平方向に変化する交番電磁界が入射したとする。この交番電磁界によって、磁界感応回路18には、磁界を打ち消すように電流が誘起される。つまり、入射磁界と逆位相の磁界が発生し、入射磁界を打ち消すように作用する。このとき、ダイオード20に与えるバイアス電圧を変化させると、ダイオード20の抵抗が変化して、電界感応回路18に誘起される電流が変化し、電磁界感応機能内の交番磁界の強さも変化する。このことは、バイアス電圧を変化させると、この電磁界感応機能の透磁率、すなわちゴムフェライト材10の透磁率を制御できることを意味する。
特に磁界感応回路18の共振周波数付近では、バイアス電圧によってダイオード20を導通、適当な抵抗、高抵抗、非導通と変化させると、磁界感応回路18の共振状態等が大きく変化するので、透磁率を大きく変化させることができる。こうして、透磁率の周波数特性を大きく変えることができる。透磁率が変化すれば、当然、電磁波に対する反射率や吸収率や透過率等の電磁気的諸性質も変化する。
次に、これらの単位セル1から構成された電磁界感応機能の誘電率、すなわちゴムフェライト材10の誘電率を制御する方法について説明する。
誘電率制御の場合は、磁界感応回路18のダイオード20は零バイアスで使用し、電界感応回路16のダイオード14には可変バイアス電圧を与える。この単位セル1に垂直方向に変化する交番電界が入射したとする。この交番電界によって導体12間に誘起される電位差によって、ダイオード14には電流が流れる。このとき、ダイオード16に与えるバイアス電圧を変化させて、ダイオード16の抵抗を変化させると、一対の導体12間の電位差が変化し、電磁界感応機能内の交番電界の強さも変化する。同時に隣接する単位セル1の導体12A、12B間のキャパシタンス値も変化する。このことは、バイアス電圧を変化させると、この電磁界感応機能の誘電率、すなわちゴムフェライト材10の誘電率が変化することを意味する。
特に電界感応回路16の共振周波数付近では、バイアス電圧によってダイオード14を導通、適当な抵抗、高抵抗、非導通と変化させると、電界感応回路16の共振状態等が大きく変化するので、誘電率も大きく変化する。誘電率が変化すれば、当然、電磁波に対する反射率や吸収率や透過率等の電磁気的諸性質も変化する。
電界感応回路16のダイオード14と磁界感応回路18のダイオード20を同時に変化させると、この電磁界感応機能体の誘電率と透磁率を同時に変化させ、いっそう効果的に電磁波に対する反射率や吸収率や透過率等の電磁気的諸性質を変化させることができる。
以上の説明から分かるように、図5に示した単位セル1は、垂直偏波(電界の振動方向が垂直で、磁界の振動方向が水平である。)の電磁波に対する電磁気的諸性質を変える効果がある。水平偏波の電磁波に対しては、図5に示した単位セル1を90°回転して使用すればよい。
図6に、本実施例の電磁界感応機能において、各ダイオード14、20バイアス電圧を変化させたときの電磁波の反射率の周波数特性に関する実験結果を示す。この実験は、単位セル1を固定した厚さ6.3mmのゴムフェライトの背面に厚さ12mmのスペーサ11を介して導体板11Aを貼り付けたものに電波を照射して反射率を求めた。図6において、黒丸(・)はダイオード20のバイアス電圧が0.0Vのときであり、白丸(。)はダイオード20のバイアス電圧が1.0Vのときであり、また、図中の周波数特性曲線に付された0.0V〜1.0Vの数値は、ダイオード14のバイアス電圧を示す。これから、各ダイオード14、20にバイアス電圧をかけると、概して反射率を小さくできるが、特定の周波数での反射率が特に小さくなり、しかも、各ダイオード14、20のバイアス電圧を変えることによって、特に反射率を小さくできる周波数を変えることができることが分かる。
なお、本実施例では、単位セル1内に磁界感応回路18を複数設けたが、単位セル1内には電界感応回路16と磁界感応回路18をそれぞれ1つ設けるだけでもよい。また、電界感応回路16においては、一対の導体12間を1つのダイオード14で連結するだけでもよいし、3つ以上のダイオード14で連結してもよい。
図7に、本発明の電磁界感応機能の単位セル1に関する第2の実施例を示す。この単位セル1は、導体板11Aから所定距離離して上下一対の導体12間を一対のCdS等の光感受性素子30で連結した電界感応回路32を有しており、この光感受性素子30の背後に近接させて、光感受性素子30を照射するLED(発光ダイオード)34等の発光体を配置している。発光体としては、LED34の代わりに、電球又は光ファイバー等の適宜発光体を使用することもでき、或いは1つの発光体で単位セル1の全光感受性素子30を制御してもよい。この単位セル1も、前記第1の実施例のように、上下左右に適切な配置で集合させて電磁界感応機能を構成する。
本実施例によれば、LED34に供給する電圧を制御すると、光感受性素子30の抵抗値を制御することができる。このことは、前記第1の実施例の電界感応回路16のダイオード14のバイアス電圧を制御することと同じであり、隣接する単位セル1の導体12A、12B間のキャパシタンス値も変化するから、本実施例でも前記第1の実施例と同様に誘電率制御ができるという効果を奏する。また、単位セル1が奥行きの少ない2次元構造であるから、薄い電磁界感応機能を得ることができ、既存の材料の表面に貼って使用することが容易である。
図8に、本実施例の実験結果を示す。実験方法は、本実施例の単位セル1を導体板11Aから12mmのスペースをとって固定したものに、電波を照射して反射率を求めた。前記第1の実施例ではダイオード14、20のバイアス電圧を変えたが、本実施例ではLED34にかける電圧0.0V〜2.5Vまで変えている。この実験から、LED34にかける電圧を上げるほど、反射率を小さくすることができ、しかも特定周波数での反射率を特に下げることが分かる。
なお、電界感応回路16においては、一対の導体12間を1つ又は3つ以上の光感受性素子30で連結してもよい。
図9に、本発明の第3の実施例を示す。図9に示した単位セル1は、CdS等の光感受性素子30、36の各端を接続して成る立方体構造をしている。ただし、図9において、奥行き方向に延びる4辺の光感受性素子36は、1.0MΩの固定抵抗として用いる。固定抵抗となる光感受性素子36以外の光感受性素子30に近接させて図示しないLEDが配置されている。この単位セル1も、上下左右前後に適切な配置で集合させて電磁界感応機能を構成する。
本実施例の場合も、LEDを点灯すると、光感受性素子30の抵抗値が変化する。したがって、前記第2の実施例と同じ効果を奏する。しかも、本実施例の場合、立方体の3次元構造の単位セル1であるから、どのような偏波面を有する電磁波が入射しても単位セル1が感応するので、電界Eに起因する電流、磁界Hに起因する電流、電磁波の進行方向Sの位相差に起因する電流のいずれに対しても、光感受性素子30で制御することができて、電磁気的諸性質を効果的に制御できる。さらに、近傍波源による電磁波も吸収でき、従来にない電波吸収体を実現できる。
図10に、本実施例の電磁界感応機能の反射率に関するシミュレーション結果を示す。各光感受性素子30の抵抗値を100Ω〜1600Ωの間で変化させたところ、各光感受性素子30の抵抗値が約400Ω程度のときが、最も広帯域にわたって電波の反射率が低くなることが分かる。
図11に、本発明の第4の実施例を示す。図11に示した単位セル1も、光感受性素子30の各端を接続して成る立方体構造をしている。そして、この光感受性素子30に近接させて図示しないLEDが配置されている。この単位セル1も、上下左右前後に適切な配置で集合させて電磁界感応機能を構成する。
本実施例の場合も、LEDを点灯すると、光感受性素子30の抵抗値が変化する。しかも、単位セル1が立方体をしているため、上下左右前後いずれの方向の電磁界変化にも感応する。したがって、前記第3の実施例と同じ効果を奏する。
図12に本実施例の電磁界感応機能の反射率に関するシミュレーション結果を示す。各光感受性素子30の抵抗値を100Ω〜1600Ωの間で変化させたところ、各光感受性素子30の抵抗値が約400Ω程度のときが、最も広帯域にわたって電波の反射率が低くなることが分かる。
図13及び図14に、本発明の第5の実施例を示す。本実施例の電磁界感応機能は、電波吸収体として用いるものである。
図13に示したように、単位セル1は、ダイオード42の各端を接続してなる正方形のループをした電界感応回路40を有する。この電界感応回路40の内部には、前後一対の十字形の導体44と、この一対の導体44の先端同士を接続するダイオード46と、前後一方の十字形の導体44の中心に挿入されたコンデンサ48とからなる磁界感応回路50を有している。これらのダイオード42、46には図示しないバイアス回路からバイアス電圧が供給されており、このバイアス電圧を制御することにより、ダイオード42、46の導通状態を制御している。なお、これらのダイオード42、46は、トランジスタ等の適宜スイッチ素子に変更することが可能である。
図14に示したように、電界感応回路40はゴムフェライト材10の表面に固定され、磁界感応回路50はゴムフェライト材10の内部に埋め込まれる。ゴムフェライト材10の背面にはスペーサ11を介して導体板11Aが貼り付けられている。ただし、この導体板11Aは、電波吸収体として用いるときは必須なものであるが、フィルタや減衰器として用いるときは不要である。そして、これらの単位セル1を上下左右に適切な配置で集合させ、例えば、結晶格子のように規則正しく集合させて電磁界感応機能を構成する。
本実施例によれば、電界感応回路40は正方形をしているので、水平方向x又は垂直方向yのいずれの電界変化にも感応するととともに、ダイオード42のバイアス電圧を制御することによってダイオード42の導通状態を変更することができるので、水平偏波と垂直偏波の電磁波のいずれに対しても前記第1の実施例の電界感応回路16と同様に働くことができる。また、磁界感応回路50も正面視で十字形をしているので、水平方向x又は垂直方向yのいずれの磁界変化にも感応するととともに、ダイオード46のバイアス電圧を制御することによってダイオード46の導通状態を変更することができるので、水平偏波と垂直偏波の電磁波のいずれに対しても前記第1の実施例の磁界感応回路18と同様に働くことができる。
したがって、本実施例の単位セル1を集合させた電磁界感応機能は、正面方向zから入射する電磁波がいかなる偏波面を有していても、電波吸収体として効果を奏する。
ところで、本発明の電磁界感応機能は、電波吸収体として用いられるだけではない。たとえば、電磁界感応機能に対して、搬送波となる連続電磁波を照射するとともに、単位セル1の各回路素子の動作を変調信号で制御することにより、連続電磁波の反射係数を変化させて、変調信号で変調された電磁波を再放射する通信装置としても使用できる。
また、本発明の電磁界感応機能は、カイラル媒質や各種異方性や、所望の周波数特性や反射特性、減衰特性などを実現することが出来るため、これらの特性に基づいて、マイクロ波やミリ波におけるフィルタやサーキュレータ、アイソレータや可変型アッテネータ、可変整合負荷など多くの電磁波デバイスや各種ディスプレイ、ロボット等への応用が考えられる。
さらに、各単位セル1の電磁気的諸性質をコンピュータでプログラム制御するとともに、電波吸収体にアンテナを設けると、特定周波数の到来電波のみを吸収できるので、その特定周波数の電波が検出可能なセンサとすることができる。
本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの概念を説明する図である。 前記単位セルの別の例を示す図である。 前記単位セルのさらに別の例を示す図である。 前記単位セルの集合させた電磁界感応機能を示す図である。 本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの第1の実施例を示す図である。 前記第1の実施例の効果を示す図である。 本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの第2の実施例を示す図である。 前記第2の実施例の効果を示す図である。 本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの第3の実施例を示す図である。 前記第3の実施例の効果を示す図である。 本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの第4の実施例を示す図である。 前記第4の実施例の効果を示す図である。 本発明の電磁界感応機能を構成する単位セルの第5の実施例を示す図である。 前記第5の実施例の単位セルを集合させた状態を示す図である。
1 単位セル
12、44 導体
14、20、42、46 ダイオード(回路素子)
16、32、40 電界感応回路
18、50 磁界感応回路
30、36 光感受性素子
34 LED(発光体)

Claims (3)

  1. 複数の光感受性素子の各端を連結して、該連結点を立方体の頂点とする3次元構造の単位セルを構成し、該単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、
    前記光感受性素子を照射する発光体を備え、該発光体に供給する電圧を制御できるようにしたことを特徴とする電磁界感応機能体。
  2. 上下一対の導体間を光感受性素子で連結して電界変化に感応するようにした電界感応回路から単位セルを構成し、該単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、
    前記光感受性素子を照射する発光体を備え、該発光体に供給する電圧を制御できるようにしたことを特徴とする電磁界感応機能体。
  3. 電界変化に感応する電界感応回路と、磁界変化に感応する磁界感応回路とを有する単位セルを複数個集合させた電磁界感応機能体であって、
    前記電界感応回路は、4つのダイオードの各端を接続した正方形のループをしており、
    前記磁界感応回路は、前後一対の十字形の導体と、前記一対の導体の先端同士を接続するダイオードと、前後一方の十字形の導体の中心に挿入されたコンデンサとからなり、
    前記電界感応回路内に組み込まれたダイオード又は前記磁界感応回路内に組み込まれたダイオードのバイアス電圧を制御できるようにしたことを特徴とする電磁界感応機能体。
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