JP4533988B2 - 天敵昆虫を飼育するための給餌方法および給餌装置 - Google Patents

天敵昆虫を飼育するための給餌方法および給餌装置 Download PDF

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Description

本発明は、植物を加害する小型の害虫に対する天敵昆虫を飼育するための給餌方法および給餌装置に関し、具体的には、寄生蜂(例えば、コナガコマユバチ)を飼育するための給餌方法および給餌装置に関するものである。
作物を加害する害虫を防除するために、従来から殺虫剤(特に、化学合成殺虫剤)の散布が行われている。しかし、殺虫剤を過度に散布すると、害虫に殺虫剤抵抗性の系統が出現する危険性がある。殺虫剤に対して高度の抵抗性を発達させている園芸害虫に対して、殺虫剤による防除は困難である。
また、化学合成殺虫剤は、人体、環境および/または非標的生物に対して悪影響を及ぼす。例えば、ゴルフ場における芝生の害虫防除のために種々の化学合成殺虫剤(化学農薬)が大量に使用され、その結果、ゴルフ場従業員の労働衛生上の問題、ゴルフ場から雨水等により流出した化学農薬による周辺環境汚染の問題、飲料水などの水源地の農薬汚染の問題、および/または人体に影響を及ぼすなど各種の公害の発生源としての問題を生じる。
近年、農業分野の害虫防除において、従来の化学農薬の有する多くの弊害に対する危機意識が農作物の生産者および消費者の間に広がっており、化学農薬に変わる新しい技術による害虫防除方法が見直されている。
従来から、昆虫が走光性を有すること、昆虫が紫外線領域から青色領域の光に誘引されやすいこと、および黄色より波長が長い領域の光が昆虫に対して忌避効果を有することは知られていた。このような知見に基づいて、果樹園等の防虫(忌避)を目的として、このような昆虫の性質を利用する黄色蛍光ランプ(例えば、特許文献1を参照のこと)、蛍光灯以外に、HIDランプ(例えば、特許文献2を参照のこと)、または黄色LED(例えば、特許文献3を参照のこと)が開発されている。
しかし、一方では、青または黄の色調で着色された害虫誘因捕集用の種々の捕虫用粘着テープが、開発または市販されている(例えば、特許文献4または5を参照のこと)。
このように、特定の色調が特定の昆虫(害虫)に対して誘引効果または忌避効果を奏することは知られていたが、どの昆虫に対してどの色調がどのような効果をもたらすのかはあまり知られていなかった。さらに、上記の先行技術はいずれも、特定の色調によって直接害虫を駆除することを目的としているが、さほど効率よく害虫を駆除することができなかった。
近年、害虫を防除するための資材として種々の微生物および/または天敵昆虫を利用した生物的防除法(すなわち、微生物および/または天敵昆虫を用いた生物農薬を農薬として用いる害虫防除方法)が用いられている。生物的防除において、害虫防除に利用する資材は生物自体(例えば、微生物)またはその産生物である。害虫防除に利用する資材は、一般に特定の昆虫にのみ致死効果をもたらし、他の生物には全く影響を与えないものが用いられている。このような生物農薬は、従来の化学合成殺虫剤とは異なって化合物を用いないので、殺虫剤抵抗性の系統を生じさせない。
生物的防除に利用される資材の一例としては、寄生性および捕食性を有する天敵昆虫が挙げられる。数種類の天敵昆虫が、すでに実用化されている。天敵昆虫を利用した生物的防除技術は、海外から導入した天敵昆虫の利用とわが国土着の天敵昆虫の利用に大別されるが、現在行われているのは海外から導入した天敵昆虫の利用によるものである。
近年、海外から導入された数種類の生物農薬が農薬として登録され、その使用が開始されている。これらの生物農薬は、害虫に対する病原体または天敵昆虫などを散布して害虫の増殖を抑制するものである。しかし、外来の生物農薬は、用いる土地での生態系に影響を与える可能性が非常に高い。そこで、生態系への影響が少ない土着の天敵昆虫を利用する害虫防除(すなわち、新生物農薬)の開発が望まれている。
また、天敵昆虫を利用した害虫の防除は、ただ単に圃場に天敵昆虫を放し飼いすれば効果が得られるというものではなく、圃場の害虫の発生密度、および/または放飼のタイミングなどによって効果が左右される。
寄生蜂は、その幼虫期に植食性昆虫に寄生し、最後に寄主を殺し成虫になるという生活史を持っている。このような寄生蜂(多くは体長が3ミリ以下)は、広大な環境の中で自分の寄主となる植食者を探索する際に様々な情報を利用している。
寄生蜂は、寄主植食者が加害した植物が放出する誘導性化学物質(揮発性の匂い物質)を利用して寄主探索を行うことが知られている。アブラナ科植物−コナガ(Pultella xylostella)−コナガコマユバチ(Cotesia plutellae)系、およびアブラナ科植物−モンシロチョウ(Pieris rapae)−アオムシコマユバチ(C.glomerata)系のような植物−植食者−寄生蜂の関係において、寄生蜂は、寄主植食者によって加害された植物が誘導的に生産しかつ放出する揮発性の情報化学物質(匂い情報)を寄主探索に利用する。
現在、ビニールハウスにおける減農薬または無農薬での栽培は、殺虫剤散布の代わりに天敵昆虫、特に寄生蜂を用いる防除(すなわち、生物学的防除)が期待されている。ただし、害虫防除の目的でタイミングよく天敵昆虫を導入するために、所望する時期に所望する天敵昆虫を入手すること、すなわち、天敵昆虫を都合よく飼育することが重要である。
しかしながら、従来、寄生蜂を長く生存させて飼育することは困難であった。ビニールハウス内には、寄生蜂の餌がないので、ビニールハウス内に導入および放し飼いされた寄生蜂は、導入後約1日で死亡してしまう。また、単にビニールハウス内に単に餌を設置する従来の方法を採用しても、寄生蜂は餌を容易に発見することができず、その結果、ビニールハウス内への寄生蜂導入3日後の寄生率は、初日の20%程度まで低下するという問題を生じる。このようなビニールハウス内で寄生蜂を飼育するためには、餌を効率よく給餌する必要があり、そのために、寄生蜂を餌に効率よく誘引することが必要とされる。
香り成分を用いて天敵昆虫を効率よく誘引する「植物の間接的誘導防衛」について、本発明者らはすでに出願している(例えば、特許文献6および7を参照のこと)。このように、誘導性化学物質を同定して当該誘導性化学物質を用いて寄生蜂を餌に効率よく誘引する方法は、天敵昆虫(例えば、寄生蜂)の給餌/飼育に対して非常に好ましい。しかし、害虫(植食性昆虫)に加害された植物が天敵昆虫を誘引するために発する揮発性の匂い物質以外に、寄生蜂を誘引することのできる手段が存在することは、これまでに知られておらず、特に、天敵昆虫(例えば、寄生蜂)に効率よく給餌して飼育するという観点から害虫防除効率を向上させようとする技術はこれまでに存在しなかった。
特開平11−307054号公報(平成11年11月5日公開) 特開2002−260431公報(平成14年9月13日公開) 特開2003−284482公報(平成15年10月7日公開) 実全昭58−96788号公報(昭和58年7月1日公開) 特開平8−51909号公報(平成8年2月27日公開) 特開2003−339260公報(平成15年12月2日公開) 特開2004−149420公報(平成16年5月27日公開)
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物寄生性小型害虫を捕食する天敵昆虫を効率よく飼育しかつその寄生率を向上するための給餌方法および給餌装置を提供することである。換言すれば、本発明の目的は、寄生蜂(例えば、コナガコマユバチ)のような天敵昆虫を効率よく飼育しかつその寄生率を向上するための給餌方法および給餌装置を供給することである。
本発明に係る給餌装置は、天敵昆虫を飼育するために、飼料供給部、給餌部、当該飼料供給部と当該給餌部とを連通する飼料導入部、および、L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色を有する材料からなる誘引部を備えることを特徴としている。
本発明に係る給餌装置において、上記給餌部が繊維、紙、またはスポンジからなることが好ましい。
本発明に係る給餌装置において、上記飼料供給部がガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。
本発明に係る給餌装置において、上記誘引部を構成する材料が紙、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンフタレートからなる群より選択されることが好ましい。
本発明に係る給餌装置において、上記給餌部および飼料導入部が一体形成されていることが好ましい。
本発明に係る給餌装置において、上記天敵昆虫が寄生蜂であることが好ましい。
本発明に係る給餌装置は、天敵昆虫を飼育するために、飼料供給部、当該飼料供給部から飼料が供給されるように連通された給餌部、および、L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色を有する材料を設けた誘引部を備えることを特徴としている。
本発明に係る天敵昆虫の飼育方法は、上記の給餌装置を使用することを特徴としている。
本発明に係る天敵昆虫の飼育方法において、上記天敵昆虫が寄生蜂であることが好ましい。
本発明に係る給餌装置をビニールハウス内に設置することによって、導入3日後であっても寄生蜂の高い生存率および高い寄生率を得ることができる。その結果、ビニールハウスにおける減農薬または無農薬での栽培体系を確立することができる。
本発明に係る給餌装置または給餌方法を用いることによって、土着寄生蜂、導入寄生蜂の寄生効率を飛躍的に向上することができる。その結果、環境負荷低減型の持続的農業開発を行なうことができる。
本発明者らは、寄生蜂の飼育方法を探索した結果、従来方法の問題点を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、寄生蜂(例えば、コナガコマユバチ)を飼育するための給餌方法および給餌装置に関する。
本発明者らは、寄生蜂を飼育するために蜜を給餌することが好ましいことを見出した。具体的には、蜜を摂らない寄生蜂は1日で死亡するが、蜜を給餌することによって寄生蜂の生存率が高まるとともに寄生率も向上した。
しかし、上述したように、ビニールハウス内には、寄生蜂の餌がないので、ビニールハウス内に導入および放し飼いされた寄生蜂は、導入後約1日で死亡してしまう。また、単にビニールハウス内に単に餌を設置する従来の方法を採用しても、寄生蜂は餌を容易に発見することができず、その結果、ビニールハウス内への寄生蜂導入3日後の寄生率は、初日の20%程度まで低下するという問題を生じる。このようなビニールハウス内で寄生蜂を飼育するためには、餌を効率よく給餌する必要があり、そのために、寄生蜂を餌に効率よく誘引することが必要とされる。
本発明者らは、特定の色調を有する材料からなる部材を備える装置を用いれば、寄生蜂を効率よく蜜源に誘引して給餌することができることを見出し、このような装置を用いれば、より多くの寄生蜂が給餌用の容器に集まり、その結果、寄生蜂の生存率がより向上することを見出した。
本発明の第1の実施形態について図1に基づいて説明すると以下の通りである。
図1に示すように、本実施形態に係る給餌装置100は、飼料供給部1、給餌部2、飼料供給部1と給餌部2とを連通する飼料導入部3、および誘引部4を備える。飼料供給部1には、飼育する目的の天敵昆虫に給餌するための飼料5が蓄えられている。図1に示すように、本実施形態に係る給餌装置100は、飼料5を蓄えた容器である飼料供給部1と、誘引部4を備えた蓋6とが一体に構成され、飼料供給部1の内部から誘引部4を貫通する飼料導入部3の先端に給餌部2が設けられている。
給餌部2は、繊維、紙、またはスポンジなどからなることが好ましく、繊維が最も好ましい。また、給餌部2は吸い上げ式の芯であることが好ましい。
飼料導入部3は、繊維、紙、またはスポンジなどからなることが好ましく、繊維が最も好ましい。飼料導入部3は、給餌部2と同一材質であってもよく、給餌部2および飼料導入部3が単一部材を形成してもよい。すなわち、給餌部2自体が飼料導入部3であってもよい。
誘引部4において、L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色を有する材料としては、有機顔料、無機顔料、加工顔料、染料などからなる群より選択される材料が挙げられるがこれらに限定されない。当該材料は、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンフタレートからなる群より選択され、好ましくは、L*a*b*表色系色度において、L*=40〜80、a*=−20〜+20、b*=40以上を示す色を有する。本明細書中において使用される場合、用語「紙」は、広辞苑等に定義されるように、主に植物性の繊維を材料とすることが意図される。
飼料5は、飼育する目的の天敵昆虫の種類によって適宜選択すればよく、蜂蜜、ショ糖、グルコース、フルクトースなどが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましくは、飼料5は蜂蜜(例えば、レンゲ蜂蜜)である。飼料5の濃度は、10〜50%が好ましく、20〜50%がより好ましい。
蓋6は、誘引部4と同一の材料からなっていてもよく、誘引部4および蓋6が単一部材を形成してもよい。すなわち、蓋6自体が誘引部4であってもよい。
本発明の第2の実施形態について図2に基づいて説明すると以下の通りである。
図2に示すように、本実施形態に係る給餌装置101は、飼料供給部1、給餌部2、飼料供給部1と給餌部2とを連通する飼料導入部3、および誘引部4を備える。飼料供給部1には、飼育する目的の天敵昆虫に給餌するための飼料5が蓄えられている。図2に示すように、本実施形態に係る給餌装置101は、飼料5を蓄えた容器である飼料供給部1と、誘引部4を貼り付けた蓋6とが一体に構成され、飼料供給部1の内部から誘引部4を貫通する飼料導入部3の先端に給餌部2が設けられている。
図2に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態における誘引部4が蓋6に単に貼り付けられた構成になっている。本実施形態において、給餌部2、飼料導入部3、および飼料5は、第1の実施形態と同様であり得る。
本発明の第3の実施形態について図3に基づいて説明すると以下の通りである。
図3に示すように、本実施形態に係る給餌装置102は、飼料供給部1、給餌部2、飼料供給部1と給餌部2とを連通する飼料導入部3、および誘引部4を備える。飼料供給部1には、飼育する目的の天敵昆虫に給餌するための飼料5が蓄えられている。図3に示すように、本実施形態に係る給餌装置102は、飼料5を蓄えた容器である飼料供給部1の内部と、誘引部4上に設けられた給餌部2とを飼料導入部3が連絡している。
図3に示すように、本実施形態では、第1および第2の実施形態とは異なり、飼料供給部が、給餌部2または誘引部4とは離れた構成になっている。
給餌部2は、繊維、紙、またはスポンジなどからなることが好ましく、繊維が最も好ましい。
飼料導入部3は、繊維、紙、またはスポンジなどからなることが好ましく、繊維が最も好ましい。
誘引部4は、第1および第2の実施形態において使用した材料からなればよい。
飼料5は、飼育する目的の天敵昆虫の種類によって適宜選択すればよく、蜂蜜、ショ糖、グルコース、フルクトースなどが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましくは、飼料5は蜂蜜(例えば、レンゲ蜂蜜)である。飼料5の濃度は、10〜50%が好ましく、20〜50%がより好ましい。
図3において、1本の飼料導入部3が1つの飼料供給部1と1つの給餌部2とを連絡しているが、複数の飼料導入部3によって1つの飼料供給部1と複数の給餌部2とが連絡されてもよい。
また、図3において、給餌部2の材質が十分量の飼料を保持することができる材料からなる場合、給餌部2が飼料供給部1および飼料導入部3を兼ねることによって、飼料供給部1および飼料導入部3を省くことができる。この場合、給餌装置102は、給餌部2と誘引部4からなる。
本明細書中で使用される場合、「L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色」は、色調が黄緑色〜黄色〜橙色であることが意図される。
このように、本発明に係る給餌装置は、少なくとも、給餌部、および、特定の色調を有する材料からなる誘引部を備えればよいといえる。すなわち、上記の実施形態以外の構成を有する飼料供給部および飼料導入部を備える給餌装置も、本発明の技術的範囲に含まれる点に留意すべきである。
上記色調および/または餌は、飼育する目的の天敵昆虫の種類に依存するので、目的とする天敵昆虫の種類に応じて適宜選択すればよいことを、当業者は容易に理解する。
つまり、本発明の目的は、天敵昆虫を飼育するための給餌方法および給餌装置を提供することにあるのであって、本明細書中に具体的に記載した個々の部材の形状などに存するのではない。したがって、上記実施形態以外の形状を有する給餌装置も本発明の範囲に属することに留意しなければならない。
本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、これに限定されるべきではない。
(実施例1:寄生蜂の生存日数に対する給餌の影響)
図4は、コナガコマユバチ雌雄成虫の生存日数に対する給餌の影響を示す。餌のない状況下(図中、「なし」または「蒸留水」)では、未交尾のハチと交尾済(既交尾)のハチとの間には生存日数の差異はなく、オスとメスとの間にも生存日数の差異はなかった。しかし、20%ショ糖を給餌することによって、オスは2週間以上、メスは1週間以上生存し、さらに、50%レンゲ蜂蜜を給餌することによって、オスおよびメスともに2週間以上生存した。このように、コナガコマユバチの生存には餌が重要であり、餌が得られないと生存は1日が限界であることがわかった。
(実施例2:給餌装置の違いによる寄生蜂の寄生率の変化)
図5に示す形状の給餌装置(名称:ハチゲンキ)を用いて、温室のような比較的広い空間において寄生蜂に有効に給餌することができるか否かを検討した。
7m×7m×3mの温室内に、給餌装置(名称:ハチゲンキ)を30cm間隔で5×5=25ポット設置し、対角線上にコナガ2齢幼虫20頭づつ合計100頭、およびコナガコマユバチ(メス)10頭を放し飼いして、放飼後1日と3日で寄生率を比較した。
図6に示す給餌装置(名称:ハチゲンキ)の誘引部4として色調が白色または黄色のプラスチック板を用いる場合において、50%レンゲ蜂蜜を餌として用いた場合のコナガコマユバチのコナガに対する寄生率を測定した。
Figure 0004533988
実施例1で示したように、餌がなくてもコナガコマユバチは1日程生存することができる。その結果、給餌装置(名称:ハチゲンキ)の誘引部の色調に関わらず、放飼1日後における寄生率は高かった。しかし、放飼1日後における寄生率に関して、給餌装置(名称:ハチゲンキ)の誘引部の色調に依存して寄生率が変化した。具体的には、給餌装置(名称:ハチゲンキ)の誘引部の色調が白色である場合は、寄生率が激減したが、給餌装置(名称:ハチゲンキ)の誘引部の色調が黄色である場合は、依然として高い寄生率を保った。
以上のように、餌を摂らない寄生蜂は1日で死亡するが、餌を給餌することによって寄生蜂の生存率が高まるとともに寄生率も向上し、餌を効率よく給仕するためには、黄色の誘引部を有する給餌装置(名称:ハチゲンキ)を用いればよいことがわかった。

(実施例3:給餌装置を設置する場所による寄生蜂の寄生率の変化)
給餌装置(名称:ハチゲンキ)を設置するのに好ましい高さを検討した。具体的には、図5に示した給餌装置(名称:ハチゲンキ)を地面から50cmまたは2mの高さに設置した場合の寄生蜂の寄生率を調べた。
Figure 0004533988
表2に示したように、給餌装置(名称:ハチゲンキ)の設置場所は、地上から50cmの高さが好ましいことがわかった。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る給餌装置をビニールハウス内に設置することによって、ビニールハウスにおける減農薬または無農薬での栽培体系を確立することができる。また、本発明に係る給餌装置または給餌方法を用いることによって、土着寄生蜂、導入寄生蜂の寄生効率を飛躍的に向上することができる。その結果、環境負荷低減型の持続的農業開発を行なうことができる。
図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係る給餌装置の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係る給餌装置の構成を示す斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係る給餌装置の構成を示す図である。 図4は、コナガコマユバチ雌雄成虫の生存日数に対する給餌の影響を示すグラフである。 図5は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係る給餌装置(名称:ハチゲンキ)を恒温室内で用いた際の給餌状況を示す写真である。 図6は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係る給餌装置(名称:ハチゲンキ)を小型選択箱内で用いた際の給餌状況を示す写真である。
符号の説明
1 飼料供給部
2 給餌部
3 飼料導入部
4 誘引部
5 飼料
6 蓋
100 給餌装置
101 給餌装置
102 給餌装置

Claims (7)

  1. 飼料供給部、給餌部、当該飼料供給部と当該給餌部とを連通する飼料導入部、および、L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色を有する材料からなる誘引部を備えることを特徴とする寄生蜂を飼育するための給餌装置。
  2. 上記給餌部が繊維、紙、またはスポンジからなることを特徴とする請求項1に記載の給餌装置。
  3. 上記飼料供給部がガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1に記載の給餌装置。
  4. 上記誘引部を構成する材料が、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンフタレートからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の給餌装置。
  5. 上記給餌部および飼料導入部が一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の給餌装置。
  6. 飼料供給部、当該飼料供給部から飼料が供給されるように連通された給餌部、および、L*a*b*表色系色度において、L*=20〜100、a*=−30〜+30、b*=20以上を示す色を有する材料を設けた誘引部を備えることを特徴とする寄生蜂を飼育するための給餌装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の給餌装置を使用することを特徴とする寄生蜂の飼育方法。
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