JP4533067B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、医用画像等の画像処理装置及び画像処理方法、該画像処理方法を実行するためのプログラムに関する。
コンピュータ技術の進歩と記憶容量の増大により、医用画像のモニター診断が普及してきている。これは、モダリティ(放射線検出器)で撮影された放射線画像(X線やα線など)をデジタルファイルに保存しておき、階調変換や拡大・縮小、エッジ強調などの画像処理などを行うことで、医用画像としてモニター上に表示されて医療的な診断に供される。
上記階調変換には、線形的な処理と非線形な処理がある。線形的な処理は、モダリティにより撮影された画像ファイル中の信号値を、モニターに表示する出力値に変換する際に、表示する信号の範囲を変化させたり、コントラストを強調させたりする処理(以降、ルックアップテーブルの操作と呼ぶ)であり、非線形な処理は、フィルムに出力した画像と特性を似させるためにガンマ値を変更したり、シグモイド変換を行うなどの処理である。
ここで、前記ルックアップテーブルの操作について、図16及び図17を用いて説明する。
図16は、画像ファイル中の値(入力値)をモニターに表示する値(出力値)に変換する際の関係を示すグラフである。図17は、ウィンドウ値が変化した場合の画像表示状態の第1の例を示す概念図である。
通常、モダリティのダイナミックレンジは、モニターのダイナミックレンジよりも大きいため、医用画像のモニターには、デジタル画像中の一部のレンジをモニターのダイナミックレンジ内に縮退させて表示することが多い。ここでは、画像ファイルのダイナミックレンジを12ビット、モニターに出力されるダイナミックレンジを8ビットの場合を例にとって説明する。
図16に示すように、出力値に用いる入力値中の範囲がウィンドウ幅(WW)であり、ウィンドウ幅の中間値がウィンドウレベル(WL)である。通常、画像を最初に表示する際の初期値は、ウィンドウ幅(WW)をモダリティのダイナミックレンジ(12ビットの場合は2^12=4096)とし、従って、ウィンドウレベル(WL)をその半分(2^11=2048)とすることが多い(図17の1401)。なお、図16中の直線Pを、以降、WW/WL直線と呼ぶことにする。
図17に示すように、ウィンドウレベル(WL)を下げると、画像全体が明るくなり(図17の1402)、ウィンドウレベル(WL)を上げると画像全体が暗くなる(1403)。一方、ウィンドウ幅(WW)を増やすとコントラストを減少させることで画像全体がソフトになり(1404)、ウィンドウ幅(WW)を減らすと画像全体がシャープになる(1405)。
特許文献1では、ポインティングデバイスの移動操作により、ウィンドウ幅(WW)やウィンドウレベルだけでなく、非線形処理を行うパラメータを含めた各種の画像処理パラメータを設定する画像処理装置において、ユーザの指定により、パラメータの種類及びパラメータ値の増減方向を変更可能にしている。
特開2002−333974号公報
しかしながら、放射線画像には、入力信号値の“0”が白を意味する画像(DICOM規格では、光度解釈:Photometric Interpretationの値がMonochrome1として規定されているため、以下、「モノクローム1の画像」と呼ぶ)と、 入力信号値の“0”が黒を表現する画像(DICOM規格では、光度解釈:Photometric Interpretationの値がMonochrome2として規定されているため、以下、「モノクローム2の画像」と呼ぶ)が存在する。その場合、DICOM規格に対応した多くの画像ビューワでは、初期状態で、「モノクローム2の画像」をそのまま表示して、「モノクローム1の画像」を白黒反転して表示することで、光度解釈が異なる画像であっても入力信号値の“0”が黒として表示されるようにしている。また、同様に「モノクローム1の画像」をそのまま表示し、「モノクローム2の画像」を白黒反転して表示すると、光度解釈に関わらず、入力信号値の“0”が白で表示される。さらに、医用画像の光度解釈が「モノクローム1の画像」であるか「モノクローム2の画像」であるかは、モダリティに依存している。
そして、複数のモダリティがネットワークを介して接続され、1つのPACS(Picture Archiving and Communication System)に医用画像が蓄積されるようになってきており、単一の医療的な診断の場において「モノクローム2の画像」と「モノクローム1の画像」が混在する場合も多くなってきている。
図18は、白黒反転した画像のウィンドウ値(WW、WL)が変化した場合の画像表示状態の第2の例を示す概念図である。
画像の白黒反転した表示の場合は、図18中の1501に示すように、図17中の1401を上下反転させたものとなる。従って、ウィンドウレベル(WL)を下げると、画像全体が暗くなり(1502)、ウィンドウレベル(WL)を上げると画像全体が明るくなる(1503)。なお、ウィンドウ幅(WW)を変化させた場合には、「モノクローム2の画像」と同様、ウィンドウ幅(WW)を増やすとコントラストを減少させることで画像全体がソフトになり(1505)、ウィンドウ幅(WW)を減らすと画像全体がシャープになる(1504)。
すなわち、図17「モノクローム2の画像」の通常表示及び「モノクローム1の画像」の通常表示では、図17に示すようにウィンドウ幅(WW)を固定してウィンドウレベル(WL)を下げると、画像全体が明るくなり、ウィンドウレベル(WL)を上げると画像全体が暗くなる。一方、「モノクローム1の画像」の白黒反転表示及び「モノクローム2の画像」の白黒反転表示では、図18に示すようにウィンドウ幅(WW)を固定してウィンドウレベル(WL)を下げると、逆に画像全体が暗くなり、ウィンドウレベル(WL)を上げると画像全体が明るくなる。
しかし、前述したように、光度解釈の違う画像を同じように表示するためには、どちらかの画像を反転表示する必要がある。つまり、画像の光度解釈に関わらず入力信号値の“0”が黒とするには、「モノクローム2の画像」を通常表示して、「モノクローム1の画像」を白黒反転表示する。また画像の光度解釈に関わらず入力信号値の“0”が白とするには、「モノクローム2の画像」を白黒反転表示して、「モノクローム1の画像」の通常表示する。そのため、モニター上に表示される見かけが同じ画像であっても、通常表示している画像と白黒反転表示している画像では、ウィンドウレベル(WL)を同じように変更した場合に、画像処理によって得られる画像の明るさ(明暗)が逆になるという問題点があった。
従って、光度解釈が異なる複数のモダリティを所有する診断者が医用画像のウィンドウレベル(WL)を変更する場合には、診断しようとする画像の光度解釈を意識する必要があり、画像の光度解釈によって操作を使い分けなければならなかった。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、ユーザが画像の光度解釈を意識せずに、ウィンドウ
レベルの値を操作することが可能な画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理装置において、画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、予め設定された光度解釈に応じて、前記操作部操作と、前記ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定手段と、前判定手段によって前記予め設定された光度解釈とは異なる光度解釈の画像が入力されたと判定されるときに、前設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させ反転手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法は、画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理方法において、画像を入力する画像入力工程と、前記画像入力工程によって入力された前記画像の光度解釈を判定する判定工程と、予め設定された光度解釈に応じて、前記操作部の操作と、前記ウィンドウレベルの変化の方向との対応を設定する設定工程と、前記判定工程によって前記予め設定された光度解釈とは異なる光度解釈の画像が入力されたと判定されるときに、前記設定工程によって設定された前記ウィンドウレベルの変化の方向を反転させる反転工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが画像の光度解釈を意識せずに、ウィンドウレベルの値を操作することが可能である。
本発明の画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
この医用画像処理装置は、バス113を介して以下に説明する各機能デバイスが接続されている。
図中の101は、モダリティで撮影された医用画像を含むファイルを読み込み、医用画像部分を入力画像として保持する画像保持部であり、102は画像保持部101に保持された入力画像及びその画像処理結果を表示する画像表示部である。
103は、入力画像が黒を0で表現する画像であるか、白を0で表現する画像であるかの光度解釈を判定する光度解釈判定部であり、104は、光度解釈判定部103で判定された光度解釈の判定結果を保持する光度解釈判定結果保持部である。
105は、ユーザが上記画像表示部102に表示する表示画像の白黒反転を指示入力する指示入力部であり、106は、指示入力部105から入力された白黒反転指示の状態を保持する白黒反転状態保持部である。
107は、光度解釈判定結果保持部104に保持された判定結果及び白黒反転状態保持部106に保持された白黒反転状態から、入力画像を画像表示部102に表示する出力値を実際に反転させるか否かを決定する白黒反転判定部であり、108は、白黒反転判定部107において白黒反転すると決定された場合に、画像表示部102に表示する入力画像の出力値を反転させる白黒反転部である。
109は、マウスなどのポインティングデバイスあるいはキーボードの矢印キーといった2次元操作部であり、110は、ウィンドウ幅(WW)もしくはウィンドウレベル(WL)の一方を変更する操作に2次元操作部109の左右方向の操作を、他方を変更する操作に上下方向の操作をあらかじめ割り当て保持する操作方向割り当て部である。
111は、白黒反転判定部107で判定された白黒反転判定結果に応じて、ウィンドウレベルを変更する方向を反転するレベル方向反転部であり、112は、2次元操作部109から操作されたウィンドウ幅(WW)及びウィンドウレベルから入力画像に対してウィンドウ値を変更する画像処理を行う画像処理部である。
次に、「モノクローム1の画像」に対するUI操作を「モノクローム2の画像」のUI操作に一致させる基本動作について、図2を参照して具体的に説明する。
図2は、第1の実施の形態の動作を示すフロー図である。
まず、ステップS200においてUIの初期化処理を行う。この初期化処理では、UI操作における操作方向の初期値を操作方向割り当て部110に格納し、また白黒反転状態の初期値を白黒反転状態保持部106に格納する。ステップS200で設定される初期値は、2次元操作入力部109の左操作(または下操作)でウィンドウレベル(WL)を下げ、2次元操作入力部109の右操作(または上操作)でウィンドウレベル(WL)を上げるように設定される。このUI初期化処理は、プログラムでハードコーディングされていても構わないし、別途用意するユーザ設定ファイルから読み込んでも構わないし、UIでユーザが指定入力できるものでも構わない。
次のステップS201においては、画像保持部101に医用画像を含むファイルを読み込み、医用画像部分を入力画像として保持する画像読み込み保持処理を行う。医用画像の読み込み方法は、ネットワークに接続されたモダリティにおいて撮影された医用画像をDICOM転送などの規格に基づいて受信しても構わないし、ローカルマシンや参照可能な他のマシンの共有フォルダなどに保存されたDICOM規格などの医用画像を直接読み込んでも構わない。
続くステップS202においては、光度解釈判定部103において、画像保持部101に読み込み保持した入力画像が黒を“0”で表現する画像であるか、白を“0”で表現する画像であるかの光度解釈の判定を行い、その判定結果を光度解釈判定結果保持部104に保持する。光度解釈の判定方法は、画像保持部101に保持された画像がDICOM規格のファイルである場合には、DICOM規格に基づいた「Photometric Interpretation」のタグの値を参照して判定しても構わないし、入力画像を処理せずに画像表示部102に表示して、ユーザが選択しても構わない。
そしてステップS203では、光度解釈判定結果保持部104に保持された判定結果が「Monochrome1」、つまり「モノクローム1の画像」である場合にはステップS204に移り、「Monochrome1」、つまり「モノクローム1の画像」でない場合にはステップS206に移る。
ステップS204では、レベル方向反転部111において、予め操作方向割り当て部110に保持されているウィンドウレベル(WL)の、UIで増減する方向を反転するレベル方向反転処理を行い、ステップS205に移る。ステップS205では、白黒反転部108において、画像保持部101に保持された表示画像を白黒反転するとともに、白黒反転状態保持部106に保持された白黒反転状態を反転させ、ステップS206に移る。
ステップS206においては、画像保持部101に保持された画像を画像表示部102に表示して、ステップS206の入力待ち状態に移る。次のステップS207においては、ユーザからの入力が白黒反転であった場合には、ステップS205に戻り、そうでない場合には、ステップS208に移る。
ステップS208においては、ユーザからの入力がウィンドウレベル(WL)の操作であった場合には、ステップS209に移り、それ以外の場合には、ステップS210に移る。ステップS209では、画像処理部112において、2次元操作入力部109から入力されたウィンドウレベル(WL)の操作に従って、操作方向割り当て部110の内容を参照してウィンドウレベル(WL)値の変更を行い、ステップS206に移る。
ステップS210では、ズーム、パン、ウィンドウ幅(WW)の変更操作など、その他の入力・操作を行い、ステップS206へ戻る。
このように本実施の形態においては、「モノクローム1の画像」に対して、画像の読み込み直後にウィンドウレベル(WL)の操作方向を反転し、さらに白黒反転を行うことによって、図3(a),(b)及び図4(a),(b)に示すように、「モノクローム1の画像」と「モノクローム2の画像」とで、ウィンドウレベル(WL)の操作方向を反転させる。これにより、ユーザが目にする画像の見かけが同じ画像、即ち「モノクローム2の画像」の通常表示(図3(a))と「モノクローム1の画像」の白黒反転表示(図4(b))、又は「モノクローム2の画像」の白黒反転表示(図3(b))と「モノクローム1の画像」の通常表示(図4(a))において、ウィンドウレベル(WL)を同じ方向の操作で変更した場合に、画像処理によって得られる画像の明るさ(明暗)も同じように変化させることができる。
なお、図3(a),(b)は、第1の実施の形態に係る「モノクローム2の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転時に関する。また、図4(a),(b)は、第1の実施の形態に係る「モノクローム1の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転時に関する。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、ユーザが目にする画像の見かけが同じ画像に対してだけ、ウィンドウレベル(WL)を同じ方向の操作で変更した場合に、画像処理によって得られる画像の明るさも同じように変化するようにしたが、本実施の形態では、「モノクローム2の画像」及び「モノクローム1の画像」、またこれら画像の通常表示/白黒反転表示に関わらず、ウィンドウレベル(WL)を同じ方向の操作で変更した場合に、画像処理によって得られる画像の明るさ(明暗)も同じように変化するようにする。
図5は、第2の実施の形態の動作を示すフロー図であり、図2と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、ステップS206の処理後のステップS401において、ユーザ側の入力が白黒反転であった場合にステップS204に移り、そうでない場合には、ステップS208に移る。この点が図2で説明した第1の実施の形態と異なる点であり、その他の処理は第1の実施の形態と同様の処理を行う。
図6(a),(b)は、第2の実施の形態に係る「モノクローム2の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転表示時に関する。また、図7(a),(b)は、第2の実施の形態に係る「モノクローム1の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転表示時に関する。
本実施の形態によれば、図6(a),(b)及び図7(a),(b)に示すように、「モノクローム2の画像」及び「モノクローム1の画像」のいずれであっても、またそれぞれ通常表示、白黒反転表示に関わらず、すべての画像に対して上方向(又は左方向)の操作で画像全体が明るくなり、また、下方向(又は右方向)の操作で画像全体が暗くなる、というように、画像の明るさの変化を2次元操作入力部109の操作方向と一致させたUIを実現することができる。
従って、特に様々なモダリティで撮影され、光度解釈が異なる画像が混在する状況下で医用画像を表示する画像ビューワにおいて、入力画像が黒を0で表現する画像であるか、白を0で表現する画像であるかをユーザが意識せずに、ウィンドウ値を変更することができるようになる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、ウィンドウレベル(WL)を変化させる際の2次元操作入力部109の操作方向が左右方向である場合には第1の実施の形態を採り、ウィンドウレベル(WL)を変化させる際の2次元操作入力部109の操作方向が上下方向である場合には第2の実施の形態を採るよう制御する。
図8は、第3の実施の形態の動作を示すフロー図であり、図2と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、ステップS206の処理後の白黒反転入力判定処理(ステップS601)において、ユーザからの入力が白黒反転であると判定された場合にはステップS602に移り、そうでない場合には、ステップS208に移る。ステップS602では、GUIのウィンドウレベル(WL)の操作方向が左右方向(水平方向)であった場合に、ステップS205に移り、そうでない、すなわち上下方向(垂直方向)であった場合に、ステップS204へ進んで、ウィンドウレベル(WL)のレベル方向反転処理を行う。
図9(a),(b)は、第3の実施の形態に係る「モノクローム2の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転時に関する。また、図10(a),(b)は、第3の実施の形態に係る「モノクローム1の画像」のウィンドウ値の変化を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転表示時に関する。
このように、本実施の形態においては、図9(a),(b)及び図10(a),(b)に示すように、「モノクローム2の画像」の通常表示及び「モノクローム1の画像」の白黒反転表示において、ウィンドウレベル(WL)を変更する方向が左方向であれば、その方向で画像全体が明るくなる。また、「モノクローム2の画像」の白黒反転表示及び「モノクローム1の画像」の通常表示は、その左方向で画像全体が暗くなる。
一方、「モノクローム2の画像」の通常表示において、ウィンドウレベル(WL)を変更する方向が上方向で画像全体が明るくなれば、「モノクローム2の画像」及び「モノクローム1の画像」のいずれでも、またそれぞれの白黒表示であっても、すべての画像に対して、その上方向で画像全体が明るくなる。
[第4の実施の形態]
図16に示したようなウィンドウ幅(WW)及びウィンドウレベル(WL)を、独立した小ウィンドウや画像表示部の一部に表示するGUI(以下、WW/WLモニターと呼ぶ)を持つ画像処理装置は公知である。しかしながら、従来のWW/WLモニターは、左下を原点(入力値、出力値とも0)とし、X軸に入力値、Y軸に出力値で固定のものが通常であった。
この従来のWW/WLモニターに上記第1、第2及び第3の実施の形態の画像を表示すると、ウィンドウレベル(WL)のUI操作が水平方向(左右方向)であった際に、「モノクローム2の画像」については、図3・図4、図6・図7、及び図9・図10に示したように、2次元操作入力部109から入力されたGUI操作の方向と、WW/WLモニター上に表示されるWW/WL直線の移動方向が一致するが、「モノクローム1の画像」については、2次元操作入力部109から入力されたGUI操作の方向と、WW/WLモニター上に表示されるWW/WL直線の移動方向が逆方向になってしまう。
そこで、図11に示すように、WW/WLモニターの左下及び右下に入力値の左下値と右下値を表示し、「モノクローム1の画像」の場合には、左右を入れ替える。なお、図11は、WW/WLモニターとその操作の状態を示す図である。
この動作を実現する処理について図12を参照して説明する。
なお、図12は、第4の実施の形態の動作を示すフロー図であり、図8と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、ステップS203での光度解釈が「Monochrome1」、つまり「モノクローム1の画像」である場合には、ステップS801へ進む。ステップS801では、WW/WLモニターに表示する右下値と左下値を入れ替え、表示するWW/WL直線も左右反転するWW/WLモニター左右反転処理を行い、ステップS204に移る。
光度解釈が「Monochrome1」、つまり「モノクローム1の画像」でない場合にはステップS802へ進む。ステップS802では、WW/WLモニターを表示・更新処理を行い、ステップS206に移る。
このように本実施の形態によれば、光度解釈が「Monochrome1」、つまり「モノクローム1の画像」の場合に、WW/WLモニターの表示を水平方向(左右方向)に反転することで、図13(a),(b)及び図14(a),(b)に示すように、2次元操作入力部109でウィンドウレベル(WL)を水平方向に操作する場合に、2次元操作入力部109の操作とWW/WLモニターに表示されるWW/WL直線の移動方向が一致し、より使いやすいUIとなる。
なお、図13(a),(b)は、第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された「モノクローム2の画像」に対する水平方向の操作を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転時に関する。また、図14(a),(b)は、第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された「モノクローム1の画像」に対する水平方向の操作を示す概念図であり、同図(a)は通常表示時に関し、同図(b)は白黒反転時に関する。
また、2次元操作入力部109でウィンドウレベル(WL)を垂直方向に操作する場合にも図15(a),(b)に示すように、2次元操作入力部109の操作とWW/WLモニターに表示されるWW/WL直線の移動方向が一致する。なお、図15(a),(b)は、第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された画像に対する垂直方向の操作を示す概念図であり、同図(a)は「モノクローム2の画像」を示し、同図(b)は「モノクローム1の画像」示す。また、図15(a),(b)中に示す破線は、白黒反転時のWW/WL直線を示している。
本発明は、上述した実施形態の装置に限定されず、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用しても良い。前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、完成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、不揮発性メモリを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPUなどが処理を行って実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の動作を示すフロー図である。 第1の実施の形態に係る、「モノクローム2の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 第1の実施の形態に係る、「モノクローム1の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 第2の実施の形態の動作を示すフロー図である。 第2の実施の形態に係る、「モノクローム2の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 第2の実施の形態に係る、「モノクローム1の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 第3の実施の形態の動作を示すフロー図である。 第3の実施の形態に係る、「モノクローム2の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 第3の実施の形態に係る、「モノクローム1の画像」におけるウィンドウ値の変化を示す概念図である。 WW/WLモニターとその操作の状態を示す図である。 第4の実施の形態の動作を示すフロー図である。 第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された「モノクローム2の画像」に対する水平方向の操作を示す概念図である。 第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された「モノクローム1の画像」に対する水平方向の操作を示す概念図である。 第4の実施の形態に係るWW/WLモニターに表示された画像に対する垂直方向の操作を示す概念図である。 画像ファイル中の値(入力値)をモニターに表示する値(出力値)に変換する際の関係を示すグラブである。 ウィンドウ値が変化した場合の画像表示状態の第1の例を示す概念図である。 ウィンドウ値(WW、WL)が変化した場合の画像表示状態の第2の例を示す概念図である。
符号の説明
101 画像保持部
102 画像表示部
103 光度解釈判定部
104 光度解釈判定結果保持部
105 指示入力部
106 白黒反転状態保持部
107 白黒反転判定部
108 白黒反転部
109 2次元操作入力部
110 操作方向割り当て部
111 レベル方向反転部
112 画像処理部

Claims (16)

  1. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理装置において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    予め設定された光度解釈に応じて、前記操作部操作と、前記ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定手段と、
    判定手段によって前記予め設定された光度解釈とは異なる光度解釈の画像が入力されたと判定されるときに、前設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させ反転手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作によりの変化させる画像処理装置において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    前記操作の操作と前記ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定手段と、
    判定手段によって判定される前記画像の光度解釈に応じて、前設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させ反転手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理装置において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    判定手段によって判定される前記画像の光度解釈に応じて、前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向を設定す設定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  4. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理装置において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    前記画像に対して白黒反転処理を指示する白黒反転指示手段と、
    前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定手段と、
    判定手段の判定結果および前記白黒反転指示手段による指示の有無に応じて、前設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転す反転手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  5. 反転手段は、予め設定された光度解釈の画像における前記操作部操作と入力画像のウィンドウレベルの変化方向と、前記判定手段で判定された光度解釈の画像の白黒反転画像における前記操作部操作と前記入力画像のウィンドウレベルの変化方向とが一致するように、前記設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを変化させる画像処理装置において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    前記画像に対して白黒反転処理を指示する白黒反転指示手段と、
    判定手段の判定結果および前記白黒反転指示手段による指示の有無に応じて、前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向を設定す設定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記変化方向設定手段は、予め設定された光度解釈の画像における前記操作部操作と前記入力画像のウィンドウレベルの変化方向と、前記判定手段で判定された光度解釈の画像の白黒反転画像における前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向とが一致するように、前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向を設定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 判定手段は入力画像のヘッダ情報に基づいて画像の光度解釈を判定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 入力値を横軸に出力値を縦軸にとり、ウィンドウ幅およびウィンドウレベルを表示する画面を表示する画面表示手段を有し、前記反転手段によって前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させたときに、前記画面表示手段は前記横軸を反転させてウィンドウ幅およびウィンドウレベルを表示することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 入力値を横軸に出力値を縦軸にとり、ウィンドウ幅およびウィンドウレベルを表示する画面を表示する画面表示手段を有し、前記画面表示手段は前記設定手段によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向に基づいて、前記横軸の方向を設定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  11. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理方法において、
    画像を入力する画像入力工程と、
    前記画像入力工程によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定工程と、
    予め設定された光度解釈に応じて、前記操作部操作と、前記ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定工程と、
    判定工程によって前記予め設定された光度解釈とは異なる光度解釈の画像が入力されたと判定されるときに、前設定工程によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させ反転工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  12. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作によりの変化させる画像処理方法において、
    画像を入力する画像入力工程と、
    前記画像入力工程によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定工程と、
    前記操作の操作と前記ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定工程と、
    判定工程によって判定される前記画像の光度解釈に応じて、前設定工程によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転させ反転工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  13. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理方法において、
    画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定手段と、
    判定手段によって判定される前記画像の光度解釈に応じて、前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向を設定す設定手段とを有することを特徴とする画像処理方法。
  14. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを、操作部の操作により変化させる画像処理方法において、
    画像を入力する画像入力工程と、
    前記画像入力工程によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定工程と、
    前記画像に対して白黒反転処理を指示する白黒反転指示工程と、
    前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向との対応を設定す設定工程と、
    判定工程の判定結果および前記白黒反転指示工程による指示の有無に応じて、前設定工程によって設定された前記ウィンドウレベルの変化方向を反転す反転工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  15. 画像のダイナミックレンジの内、出力されるダイナミックレンジの幅の中間値を示すウィンドウレベルを変化させる画像処理方法において、
    画像を入力する画像入力工程と、
    前記画像入力工程によって入力された前記画像の光度解釈を判定す判定工程と、
    前記画像に対して白黒反転処理を指示する白黒反転指示工程と、
    判定工程の判定結果および前記白黒反転指示工程による指示の有無に応じて、前記操作部操作と前ウィンドウレベルの変化方向を設定す設定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  16. コンピュータに請求項11乃至15の何れか1項に記載の画像処理方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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