JP4529547B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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本発明は、単純な積層構造で白色近傍の発光を呈する有機電界発光素子に関するものである。
有機電界発光素子は自発光型の素子であり、高視野角かつ高輝度発光が可能であること、また、薄型であるといった特徴を持つことから、次世代平面ディスプレイや、その平面光源への応用が注目されている。この有機電界発光素子を用いてフルカラーディスプレイの表示を行うには、大きく分けて次の3つの方法が考えられる。
一つの方法は、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の各発光部を平面状に形成する方法であり、例えばメタルマスクを用いた抵抗加熱方式などによる蒸着により形成する。この製造プロセスは同一基板上にRGB3種の素子(サブピクセル)をそれぞれ作製し、これを組み合わせて一つの画素とする。このため、微細なピクセル形状の蒸着マスクを作製し、これを基板上に精度よく配置する必要があり、製造プロセスにおける生産性が低く、コスト高であるという問題がある。
もう一つの方法は、単色光、例えば青色の有機発光層と、この青色を赤色や緑色に変換すべく光の出射方向前面に設けられた色変換層とを用いてフルカラー表示を行う方法である。
もう一つの方法は、白色光を呈する有機電界発光素子からの光をカラーフィルターを用いてRGBに分ける方法である。白色発光層にカラーフィルターを組み合わせて任意の発光色を取り出す方法では、蒸着マスクを配列して各発光色を塗り分ける必要がないので簡便であり、また工程数を少なくすることができるので、製造プロセスにおける生産性が高く、コストを抑えることができる。
白色発光を得る方法として、(1)RGBの発光層を組み合わせる方法と、(2)青緑+赤、又は青+黄色〜橙色の2波長の補色関係にある発光を単一もしくは複数発光層から発光させる方法、(3)エキサイプレックス発光を利用した方法、等がある。上記(1)の方法では、青、緑、赤の発光層を積層にして、白色光を得る方法等が提案されている(例えば、特許文献1)。上記(2)の方法では、各色の発光層を2層積層する方法(例えば、特許文献2,3)と、一つの発光層で2色の発光を得る方法(例えば、特許文献4)等がある。上記(3)の方法では、ボロンヒドロキシフェニルピリジン錯体を用いた白色デバイス(例えば、非特許文献1)等が報告されている。
特開平7−142169号公報 特開平6−158038号公報 特開平7−65958号公報 特開平9−208946号公報 Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,No. 1
本発明は、生産性が高く、単純な積層構造で白色近傍の発光を呈する有機電界発光素子を提供することを目的とする。
このため、請求項1に記載の発明は、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子において、
前記有機層に下記一般式(1)で表される化合物が有機発光材料として含まれていることを特徴とする有機電界発光素子である。
Figure 0004529547
〔式中、R1〜R26は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シリル基、アルキルシリル基、シロキサニル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、エステル基、アリールオキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基およびカルボキシル基から任意に選ばれた置換基であり、n1は1以上3以下の任意の数である。〕
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の有機電界発光素子において、前記一般式(1)で表される化合物のうち、R1〜R26が水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数30以下の芳香族炭化水素基および炭素数30以下の芳香族複素環基から任意に選ばれた置換基であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の有機電界発光素子において、白色光を呈する有機電界発光素子であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子において、
前記有機層に下記一般式(2)で表される化合物が有機発光材料として含まれていることを特徴とする有機電界発光素子である。
Figure 0004529547
〔式中、R1〜R26は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シリル基、アルキルシリル基、シロキサニル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、エステル基、アリールオキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基およびカルボキシル基から任意に選ばれた置換基である。〕
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の有機電界発光素子において、前記一般式(2)で表される化合物のうち、R1〜R26が水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数30以下の芳香族炭化水素基および炭素数30以下の芳香族複素環基から任意に選ばれた置換基であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の有機電界発光素子において、白色光を呈する有機電界発光素子であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の有機電界発光素子において、前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(3)で表されるものを用いることを特徴とする。
Figure 0004529547
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の有機電界発光素子において、前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(4)で表されるものを用いることを特徴とする。
Figure 0004529547
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の有機電界発光素子において、前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(5)で表されるものを用いることを特徴とする。
Figure 0004529547
本発明の上記一般式(1)で表される化合物は、それ自体で白色近傍の発色を呈する、すなわちRGBの各領域にピークトップを有する単一の化合物である。そのため、この化合物を含む発光材料を発光させカラーフィルターを作用させることによって、それぞれRGBの画素に分けることができ、単純な積層構造を持つ有機電界発光素子の作製が可能となる。
また、好適な青色材料をホストとし、この発光材料をドーパントとして用い、B領域を補正することによってより完成された白色光を得ることが可能となる。
本発明によれば、生産性が高く、単純な積層構造で白色発光が得られる高信頼性の有機電界発光素子を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明において、「発光領域を有する有機層」としては例えば以下のものが挙げられる。
(1)ホール輸送層、発光層の2層型
(2)ホール輸送層、発光層、電子輸送層の3層型
(3)ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の5層型
また、「化合物が有機発光材料として含まれている」とは、一般式(1)の化合物が上記した各層の少なくとも一層に含まれ、発光に寄与していることを意味する。有機層中における本発明の化合物の使用は、一般式(1)の化合物単一の使用でも良く、あるいは一般式(1)の化合物をドーパントとして用い、これとホスト材料とを組み合わせて使用してもよい。
本発明の上記一般式(1)で表される化合物は、式中、R1〜R26が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シリル基、アルキルシリル基、シロキサニル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、エステル基、アリールオキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基およびカルボキシル基から任意に選ばれた置換基であり、n1は1以上3以下の任意の数である。また、好ましくは式中、R1〜R26が水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数30以下の芳香族炭化水素基および炭素数30以下の芳香族複素環基から任意に選ばれた置換基である。
また、本発明の上記一般式(1)で表される化合物は、式中、n1=1(上記一般式(2))であって、R1〜R26は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シリル基、アルキルシリル基、シロキサニル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、エステル基、アリールオキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基およびカルボキシル基から任意に選ばれた置換基である。また、好ましくは式中、R1〜R26が水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数30以下の芳香族炭化水素基および炭素数30以下の芳香族複素環基から任意に選ばれた置換基である。さらに、一般式(2)は、上記構造式(3)〜(5)で表される化合物の他に、下記構造式(6)〜(42)の化合物が挙げられる。
Figure 0004529547
Figure 0004529547
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Figure 0004529547
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Figure 0004529547
Figure 0004529547
Figure 0004529547
Figure 0004529547
Figure 0004529547
Figure 0004529547
有機電界発光素子における発光スペクトルは、有機発光材料の蛍光スペクトルに相関がある。一般式(1)や(2)で表される化合物、中でも構造式(3)〜(42)で示される化合物群の蛍光波長は、RGBのそれぞれの領域にピークトップを持つことを特徴とする。例えば、代表する化合物として構造式(3)における蛍光スペクトルを図1に示す。図1から、B領域については少し強度が低いものの、RGBのそれぞれの領域近傍にピークトップを有していることがわかる。
上記の有機発光材料の発光にカラーフィルターを作用させることにより、RGBに分光することができる。例えば、陽極と陰極との間に発光領域を有する有機層が設けられた有機電界発光素子において、有機層に一般式(1)や一般式(2)で表される化合物、中でも構造式(3)、(6)〜(16)で表される化合物が有機発光材料として少なくとも一種含まれている有機電界発光素子にカラーフィルターを作用させることによりRGBの各画素に分けることができる。
また、陽極と陰極との間に発光領域を有する有機層が設けられた有機電界発光素子において、有機層に一般式(1)や(2)で表される化合物、中でも構造式(3)、(6)〜(16)で表される化合物が有機発光材料として少なくとも一種含まれている有機電界発光素子にカラーフィルターを作用させてRGBを同レベルの強度とすることにより、白色光を得ることができる。
これらの有機発光材料は有機層において単一の使用であってもよいし、B(ブルー)領域のスペクトルを好適に補正する青色材料からなる青色発光層と積層構造としてもよい。さらに、ホスト材料とドーパントとの組み合わせであってもよく、この場合には、有機層に青色発光を有する発光材料をホストとして、一般式(1)で示される少なくとも一種の発光材料をドーパントとして組み合わせても白色光が得られる。発光領域を有する有機層は単層であっても積層構造であってもよい。
本発明の化合物は、一般的には発光領域を有する有機層中の発光層に含まれるが、該有機層中の他の層に含まれていてもよい。
本発明によれば、単一の化学種によりRGBの発光が得られるため、色ずれなく安定した発光素子を提供でき、製造プロセスにおいても技術面、コスト面で非常に有利である。また、極めて単純な積層構造で白色光を得ることができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面をもって説明する。
図2は、本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。この有機電界発光素子は、TFT基板1上に陽極2、発光領域を含む有機層3、陰極4がこの順に形成されている。この有機電界発光素子は、陰極側から光が取り出される上面発光型有機電界発光素子である。
TFT基板1は、ガラス、プラスチック及び他の適宜の材料からなる支持体上に駆動用の薄膜トランジスタ(thin film transistor、以下TFTとする)を設けたものであって、画素ごとにパターニングされた陽極2がTFTの表面を平坦化する平坦化絶縁膜を介して形成されている。該陽極2は仕事関数の大きい銀、クロム、タングステン、銅などの金属やそれらを含む合金、これらの金属や合金の酸化物、またはそれらとITO(Indium Tin Oxide)などの積層構造でもよく、例えば、ITO層/銀合金層/ITO層の積層型構造が挙げられる。
そして、該陽極2上に上記一般式(1)で表される有機発光材料を含む有機層3が形成される。この有機層3について、有機電界発光を得る層構成としては、従来公知の種々の構成を用いることができる。例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれかを構成する材料が発光性を有する場合、正孔輸送層と電子輸送層の薄膜を積層した構造を使用できる。
更に本発明の目的を満たす範囲で電荷輸送性能を上げるために、正孔輸送層と電子輸送層のいずれか若しくは両方が、複数種の材料の薄膜を積層した構造、または、複数種の材料を混合した組成からなる薄膜を使用してもよい。また、発光性能を上げるために、少なくとも1種以上の蛍光性の材料を用いて、この薄膜を正孔輸送層と電子輸送層の間に挟持した構造、更に少なくとも1種以上の蛍光性の材料を正孔輸送層若しくは電子輸送層、またはこれらの両方に含ませた構造を使用してもよい。以上の場合には、発光効率を改善するため、さらに正孔または電子の輸送を制御するための薄膜をその層構成に含ませることも可能である。
陰極4の電極材料としては、Li、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或いはこれらを積層した構造を使用できる。なお、陰極側から光を取り出す上面発光型有機電界発光素子においては、陰極の厚さを調節することにより、用途に合った光透過率を得ることができる。
この有機電界発光素子を用いて構成される表示装置は、TFT基板1の反対側から光を取り出すいわゆる上面発光構造となる。
図3は、後述するように、陰極4上にカラーフィルター5を設け、有機層3で発光した白色光をRGBの各画素に分けるような構成とした有機電界発光素子の概略断面図である。この場合、有機層3で発光した白色光は、RGBのうち特定の波長のみを通過させ、他はカットするようなカラーフィルター5に通すことで、RGBの各画素に分けることができる。
なお、上述した実施の形態においては、有機電界発光素子の上面の電極側から発光を取り出すいわゆる上面発光型について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下面の電極側から発光を取り出すいわゆる下面発光型の有機電界発光素子についても適用しうる。下面発光型の有機電界発光素子は、例えばガラス基板上に、ITOなどの光透過性の陽極が形成され、その陽極の上に発光領域を含む有機層が形成され、有機層上には光反射性の陰極が形成されているものである。
次に本発明の有機電界発光素子の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例
2,6-Dibromopyreneと1-Pyrene boronic Acidを用いてPd(PPh(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)、NaCOの存在下、トルエン−水中で鈴木カップリング法により上記構造式(3)で表される化合物を合成した。反応式は以下の通りである。
Figure 0004529547
得られた生成物は、マススペクトルにて分子イオンピーク(m/z 602)を確認した。この化合物を薄膜にしたときの蛍光スペクトルを図1に示す。構造式(4)および(5)で示される化合物についても上記と同様の方法で合成し、以下の実施例で用いた。
〔実施例1〕
本実施例は、青色材料からなる青色発光層と前記構造式(4)で示す化合物を積層構造として用いた有機電界発光素子を作製した例である。
まず、真空蒸着装置中に、例えば基板側から順にITO層(膜厚20nm)、Ag合金層(膜厚100nm)、ITO層(膜厚10nm)を積層した積層膜からなる陽極が一表面に形成された30mm×30mmのTFT基板をセッティングした。その陽極上に、正孔注入層として下記構造式で表されるm−MTDATA(4,4´,4"-Tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)を真空蒸着法により10−4Pa以下の真空下で10nmの厚さになるように成膜した。さらにその上層には、正孔輸送層材料として、下記構造式で表されるα−NPD(N,N´-bis-(1-naphthyl)-N,N´-diphenyl-1,1´-biphenyl-4,4´-diamine)を正孔注入層に接して膜厚100nmで蒸着した。蒸着レートは0.1nm/秒とした。
Figure 0004529547
続いて、発光層として下記構造式で表されるDPVBi(4,4´-Bis(2,2-diphenyl-ethen-l-yl)-diphenyl、青色発光)を正孔輸送層に接して蒸着し、膜厚は10nmとした。
Figure 0004529547
さらに構造式(4)の化合物をDPVBiに接して蒸着し、膜厚は25nmとした。
次いで電子輸送層材料として下記構造式のAlq3(トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を蒸着レート0.2nm/秒で蒸着し、膜厚は30nmとした。
Figure 0004529547
陰極材料としてはMgとAgを採用し、これらを共蒸着により、蒸着レート1nm/秒で光が透過できる程度の厚さ、例えば70nmの厚さに形成し、その上層に例えばSiNからなるパッシベーション膜を成膜した。さらに、その上層に例えば熱硬化樹脂を塗布してガラス基板をかぶせ、加熱により該樹脂を硬化させて封止を行い、図2に示すような有機電界発光素子を作製した。
このように作製した実施例1の有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光色は白色であり、分光測定を行った結果、460nm、560nm、600nm付近に発光ピークを有する図4に示すようなスペクトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイオードアレイを検出器とした分光器を用いた。
また、電圧−輝度測定を行ったところ、図5に示すような結果が得られ、8Vで1000cd/m2の輝度が得られた。電流発光効率は6cd/Aであった。
この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかった。また、初期輝度500cd/m2で電流値を一定に通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減するまで1000時間であった。
〔実施例2〕
本実施例は、前記構造式(3)で示す化合物をドーパント材料として用いた有機電界発光素子を作製した例である。なお、発光層におけるドープ濃度はこれに限定しない。
まず、実施例1と同じTFT基板を用い、陽極から正孔輸送層(α−NPD)形成までは実施例1と同じ条件で各層を形成した。
続いて、発光層として前記構造式(3)で示す化合物を0.02nm/秒、前記DPVBiを0.2nm/秒で共蒸着し、正孔輸送層に接して膜厚40nmで蒸着した。
次いで電子輸送層材料として前記構造式のAlq3(トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を膜厚15nmで蒸着し、電子輸送層とした。蒸着レートは0.2nm/秒とした。
陰極材料としてはMgとAgを採用し、これらを共蒸着により、蒸着レート1nm/秒で70nmの厚さに形成し、その上層にはSiNからなるパッシベーション膜、さらにその上層に熱硬化性樹脂を塗布した後にガラス基板をかぶせ加熱により該樹脂を硬化させて封止を行い、図2に示すような有機電界発光素子を作製した。
このように作製した実施例2の有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光色は白色であり、分光測定を行った結果、470nm、550nm、600nm付近に発光ピークを有するスペクトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイオードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで900cd/m2の輝度が得られた。電流発光効率は5cd/Aであった。
この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかった。また、初期輝度500cd/m2で電流値を一定に通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減するまで1300時間であった。
〔実施例3〕
本実施例は、構造式(5)で示す化合物を単膜にて発光層とした有機電界発光素子を作製した例である。
まず、実施例1と同じTFT基板を用い、正孔注入層(m−MTDATA)の膜厚を50nm、正孔輸送層(α−NPD)の膜厚を45nmとし、それ以外の条件は実施例1と同じ条件で陽極から正孔輸送層(α−NPD)までの各層を形成した。
次に、発光層として構造式(5)で示す化合物を膜厚30nmで正孔輸送層に接して蒸着した。次いで電子輸送層材料として前記構造式のAlq3(トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を蒸着した。Alq3からなるこの電子輸送層の膜厚は35nmとし、蒸着レートは0.2nm/秒とした。
陰極材料としてはMgとAgを採用し、これらを共蒸着により、蒸着レート1nm/秒で70nmの厚さに形成し、その上層にはSiNからなるパッシベーション膜、さらにその上層に熱硬化性樹脂を塗布した後にガラス基板をかぶせ加熱により該樹脂を硬化させて封止を行い、図2に示すような有機電界発光素子を作製した。
このように作製した有機電界発光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価した。発光色は黄白色であり、分光測定を行った結果、450nm、550nm、600nm付近に発光ピークを有するスペクトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイオードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電圧−輝度測定を行ったところ、8Vで900cd/mの輝度が得られた。電流発光効率は4cd/Aであった。
この有機電界発光素子を作製後、窒素雰囲気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかった。また、初期輝度500cd/mで電流値を一定に通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減するまで700時間であった。
この発明の有機電界発光素子で用いられる構造式(3)の化合物の蛍光スペクトルを示した図である。 この発明の有機電界発光素子の一例の概略断面図である。 この発明の有機電界発光素子の他の一例の概略断面図である。 実施例1で作製した有機電界発光素子の発光スペクトルを示した図である。 この発明の有機電界発光素子の一例の電圧−輝度測定の結果を示す図である。
符号の説明
1…基板、2…陽極、3…有機層、4…陰極


Claims (6)

  1. 発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられ、
    前記有機層に下記一般式(2)で表される化合物が有機発光材料として含まれている有機電界発光素子。
    Figure 0004529547
    〔式中、R1〜R26は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シリル基、アルキルシリル基、シロキサニル基、アラルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、エステル基、アリールオキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基およびカルボキシル基から任意に選ばれた置換基である。〕
  2. 前記一般式(2)で表される化合物のうち、R1〜R26が水素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数30以下の芳香族炭化水素基および炭素数30以下の芳香族複素環基から任意に選ばれた置換基である請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 白色光を呈する有機電界発光素子である請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(3)で表されるものを用いる請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004529547
  5. 前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(4)で表されるものを用いる請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004529547
  6. 前記一般式(2)で表される化合物として、下記構造式(5)で表されるものを用いる請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0004529547
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