JP4526675B2

JP4526675B2 - Dewatering method and dewatering equipment for slurry containing pitch particle

Info

Publication number: JP4526675B2
Application number: JP2000303410A
Authority: JP
Inventors: 新一郎松本
Original assignee: JFE Chemical Corp
Current assignee: JFE Chemical Corp
Priority date: 2000-10-03
Filing date: 2000-10-03
Publication date: 2010-08-18
Anticipated expiration: 2020-10-03
Also published as: JP2002105459A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水スラリー状態のピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法および脱水設備に関する。
【０００２】
【従来の技術】
製鋼用鉛電極や機械用・化学構造用カーボン、炭素耐火物などの炭素製品は、一般に石油コークスやピッチコークスなどの骨材コークスをバインダーピッチなどの結合材で固め、焼成、黒鉛化して製造される。
このような炭素製品の製造に用いられるピッチは、主としてコールタール蒸留で得られる残渣を、熱化学反応により成分調整して製造される。
【０００３】
また、このようにして得られたピッチは、溶融状態のままタンクに貯蔵するか、冷却固化後、倉庫に山積みしたりサイロに貯蔵するが、取扱いの容易さの面から、ピッチの大部分は冷却固化し、固体の状態でハンドリングされている。
溶融ピッチを冷却固化する方法としては、溶融ピッチ搬送コンベアに水を噴霧して固化させる方法、あるいは冷却水槽に溶融ピッチを流し込む方法など、溶融ピッチを直接水に接触させる方法が広く採用されている。
【０００４】
この場合、得られるピッチ含有スラリー中には粉状のピッチが混入する。
一方、上記した溶融ピッチの冷却固化で得られる例えば直径が10mm程度の棒状（円柱状）のピッチは、ハンドリングの過程で破壊され、例えば粒径が数μm 〜数mmと広い粒度分布を有するピッチ粉粒体（以下、破壊ピッチ粉粒体とも記す）が発生する。
【０００５】
また、固体ピッチを倉庫やサイロで取り扱う場合、破壊ピッチ粉粒体が取扱い場所、取扱い用の機器、車両などにおいて堆積、付着する。
このため、倉庫のような作業場所には空気浄化装置を設置して破壊ピッチ粉粒体を回収している。
このように、破壊ピッチ粉粒体は、ピッチ製造工程、ピッチ貯蔵工程、ピッチハンドリング工程における様々な箇所で発生しており、それらの回収方法としては、発塵による環境上の問題を解決するために、水洗による回収法が一般的に採用されている。
【０００６】
この結果、ピッチ粉粒体スラリーが発生するが、該スラリーは赤熱コークスの冷却水として使用するか、篩によって水と分離した後、石炭に混合して乾留することによって処理される。
これに対して、ピッチ粉粒体スラリーからピッチ粉粒体を回収できれば、ピッチ粉粒体を再溶融、成形することによって、バインダーピッチなどの製品とすることが可能となる。
【０００７】
しかし、一旦水スラリー状態となったピッチは、前記した篩分離による脱水では十分に水分が低下せず、このようなピッチはハンドリング時に粘土状となってハンドリングが困難である。
また、篩分離によって得られる水分の分離が不十分なピッチ粉粒体を再溶融する場合、ピッチ粉粒体が溶融槽で発泡して溢れ出たり、水分揮散に伴う水蒸気蒸留効果で軟化点が上昇するなど、所定の品質のピッチを得ることが困難で、製品とすることはできなかった。
【０００８】
一方、特公昭59− 10718号公報では、湿潤ピッチを熱風で乾燥する方法が提案されている。
しかしながら、上記した方法においては、熱風温度はピッチの軟化点付近の135 ℃前後が上限であり、乾燥のために多量の熱風が必要となる。
このため、上記プロセスでは、熱風の排気ラインにサイクロンを設置し、ピッチ粉塵を捕集するが、原理的にピッチ粉塵を100 ％回収することはできず、サイクロン出側の排ガス中にピッチ粉塵が同伴するため、環境上の問題が残されている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ピッチ粉塵による環境上の問題を生じることなくピッチ粉粒体含有スラリーを十分に脱水することが可能なピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法および脱水設備を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記した課題を解決するために鋭意検討した結果、下記知見(1) 、(2) を見出し、本発明に至った。
(1) ピッチ粉粒体含有スラリー中のピッチは撥水性を有するため、遠心場で脱水することが比較的容易であり、しかも遠心場で脱水後のピッチは発塵せず環境上の問題を生じることなくハンドリング可能であること。
【００１１】
(2) 遠心場で脱水したピッチ粉粒体を溶融、冷却・成形することによって、製造上および品質上の問題を生じることなくバインダーピッチなどとして用いられる製品ピッチを製造することが可能であること。
すなわち、第１の発明は、ピッチ粉粒体含有スラリーを、遠心力＝ 490〜 19600Ｎ、遠心分離時間≧ 0.2秒、より好ましくは遠心力＝ 490〜 19600Ｎ、遠心分離時間＝0.2 〜120 秒の条件下で遠心分離することを特徴とするピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法である。
【００１２】
なお、本発明における遠心力は、ピッチ粉粒体含有スラリー１kg当たりの遠心力を示す。
上記した第１の発明においては、前記ピッチ粉粒体含有スラリーのピッチ粉粒体含有量が30質量％以下であることが好ましい（第１の発明の第１の好適態様）。
【００１３】
また、上記した第１の発明、第１の発明の第１の好適態様においては、前記した遠心分離に供するピッチ粉粒体含有スラリー中のピッチ粉粒体の粒径が10mm以下であることが好ましい（第１の発明の第２の好適態様、第３の好適態様）。
第２の発明は、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１と、該ピッチ粉粒体含有スラリー槽１に付設したピッチ粉粒体含有スラリー攪拌機７と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１へのスラリー希釈用水供給配管５と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１から供給されるピッチ粉粒体含有スラリーを脱水する遠心分離機３と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１と遠心分離機３との間に設けられたスラリー輸送配管系統８と、該スラリー輸送配管系統８に設けられたピッチ粉粒体含有スラリー輸送用の容積式ポンプ２を有することを特徴とするピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備である。
【００１４】
上記した第２の発明においては、上記遠心分離機３が、ピッチ粉粒体含有スラリー１kg当たり、遠心力＝ 490〜 19600Ｎの能力を有することが好ましい。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、I.ピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法（第１の発明）、II. ピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備（第２の発明）およびIII.ピッチの製造方法の順に、さらに詳細に説明する。
〔I.ピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法（第１の発明）：〕
前記したように、第１の発明は、ピッチ粉粒体含有スラリーを、遠心力＝ 490〜 19600Ｎ、遠心分離時間≧ 0.2秒、より好ましくは遠心力＝ 490〜 19600Ｎ、遠心分離時間＝0.2 〜120 秒の条件下、遠心分離するピッチ粉粒体含有スラリーの脱水方法である。
【００１６】
本発明では、ピッチ粉粒体含有スラリーの水分除去方法として、遠心分離を用いる。
遠心分離の条件としては、遠心力＝ 490〜 19600Ｎ（：50〜2000Ｇ）、遠心分離時間≧ 0.2秒、より好ましくは遠心分離時間＝0.2 〜120 秒と規定する。
ピッチ粉粒体含有スラリーの遠心分離においては、遠心力の設定が遠心分離機の連続運転にとって極めて重要となる。
【００１７】
すなわち、遠心力が 490Ｎ未満の場合、ピッチ粉粒体の水分含有量が増加するばかりでなく、ピッチが団子状となって遠心分離機を閉塞し連続運転が不可能となり、逆に、遠心力が 19600Ｎを超える場合、水分分離の力は大となるが、遠心分離機内における遠心分離機壁面とピッチ粉粒体との摩擦によって、ピッチ粉粒体がさらに粉化し、ピッチ粉粒体の表面積の増大によって水分分離が阻害され、遠心力が小さい場合と同様に、ピッチが団子状となって遠心分離機を閉塞し連続運転が不可能となる。
【００１８】
すなわち、ピッチ粉粒体含有スラリーが脱水可能な遠心分離条件は、遠心分離機が閉塞しない条件となる。
なお、遠心力の増加は所要エネルギーの増加を招くため、遠心力は 490〜9800Ｎ（：50〜1000Ｇ）であることがより好ましい。
また、前記したように、本発明においては、遠心分離時間≧ 0.2秒、より好ましくは遠心分離時間＝0.2 〜120 秒と規定する。
【００１９】
これは、遠心分離時間が 0.2秒未満の場合、ピッチ粉粒体の脱水が不十分となり、また、遠心分離時間が120 秒を超える場合、ピッチ粉粒体の脱水効果が実用上飽和し、生産性および経済性の面から好ましくないためである。
なお、本発明における遠心分離時間とは、連続式遠心分離機を用いる場合は、ピッチ粉粒体含有スラリーの遠心分離機内における滞留時間を示す。
【００２０】
さらに、本発明においては、前記ピッチ粉粒体含有スラリーのピッチ粉粒体含有量が30質量％以下であることが好ましい。
これは、ピッチ粉粒体含有量は、脱水効率にはほとんど影響を及ぼさないが、ピッチ粉粒体含有量が30質量％を超える場合、設備を停止した場合に、ピッチ粉粒体が配管中で沈降し、再運転時にピッチ粉粒体含有スラリーの輸送が不可能となるためである。
【００２１】
また、本発明においては、粒径が10mmを超えるピッチ粉粒体を含有するスラリーを脱水する場合は、ピッチ粉粒体含有スラリーの遠心分離に先立って、ピッチ粉粒体含有スラリーを所定の目開きの金網などを通し、粒径が10mm以下のピッチ粉粒体を含有するスラリーを遠心分離することが好ましい。
これは、粒径が10mmを超えるピッチ粉粒体は遠心分離機を閉塞する可能性があるためである。
【００２２】
なお、上記した粒径が10mm以下のピッチ粉粒体とは、JIS Z 8801-1987 において呼び寸法：10mm（ふるいの目開き：10.0）の角孔板ふるいを通過するピッチ粉粒体を示す。
本発明において用いる遠心分離機の型式は制限を受けるものではなく、濾材を用いた遠心濾過機または水平型連続式デカンターなどの遠心沈降機を例示することができる。
【００２３】
遠心濾過機の場合、濾材の平均目開きは30μm 〜１mmであることが好ましい。
濾材の平均目開きが30μm 未満の場合は、濾材の目詰まりが生じ易く、しかも水分の通過速度が低下し、処理量の低下を招く。
逆に、濾材の平均目開きが１mmを超える場合は、ピッチ粉粒体と水との分離効率が低下する。
【００２４】
遠心沈降機の場合は、遠心分離条件を前記した条件とすることによって、容易にピッチ粉粒体含有スラリーを脱水することができる。
また、本発明においてピッチ粉粒体含有スラリーを輸送するポンプとしては、ベーン式や偏心ネジ式などの容積式ポンプ、すなわち、ケーシングとそれに内接する可動部材などとの間に生じる密閉空間の移動または密閉空間容積の変化によって液体を吸込み側から吐出側に押し出す形式のポンプを用いることが好ましい。
【００２５】
これは、上記した容積式ポンプを用いることによって、ピッチ粉粒体の粉砕が防止でき、遠心分離機内のピッチ粉粒体の表面積の増大による残留水分の増加、これに伴う遠心分離機の閉塞を防止できるためである。
〔II. ピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備（第２の発明）：〕
図１に、本発明のピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備の一例を示す。
【００２６】
なお、図１において、１はピッチ粉粒体含有スラリー槽、２は容積式ポンプであるポンプ、３は遠心分離機、４は金網、５はスラリー希釈用水供給配管、６は液面計（液面指示計）、７はピッチ粉粒体含有スラリー攪拌機、８はスラリー輸送配管系統、９はスラリー希釈用水、10は原スラリーであるピッチ粉粒体含有スラリー、10a 、10b はピッチ粉粒体含有スラリー、11は脱水ピッチ粉粒体、12は分離水、Ｖは弁を示す。
【００２７】
すなわち、本発明のピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備は、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１と、該ピッチ粉粒体含有スラリー槽１に付設したピッチ粉粒体含有スラリー攪拌機７と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１へのスラリー希釈用水供給配管５と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１から供給されるピッチ粉粒体含有スラリーを脱水するための遠心分離機３と、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１と遠心分離機３との間に設けられたスラリー輸送配管系統８と、該スラリー輸送配管系統８に設けられピッチ粉粒体含有スラリー槽１から遠心分離機３にピッチ粉粒体含有スラリーを輸送するための容積式ポンプ２を有するピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備である。
【００２８】
なお、上記した本発明のピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備においては、遠心分離機３としては、遠心濾過機または遠心沈降機を用いることが好ましく、また、ポンプ２としては容積式ポンプを用いる。
図１に示すピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備においては、先ず、ピッチ製造工程、ピッチ貯蔵工程、ピッチハンドリング工程などにおいて水洗浄によって回収したピッチ粉粒体含有スラリーなどのピッチ粉粒体含有スラリー（原スラリー）10を、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１に送給する。
【００２９】
ピッチ粉粒体含有スラリー槽１においては、ピッチ粉粒体含有スラリー10(10a) を、例えば目開き10mm角の金網４を通過せしめ、粒径の大きなピッチ粒子を除去する。
金網４を通過したピッチ粉粒体含有スラリーは、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１において攪拌され、ピッチ粉粒体含有量が均一化されたピッチ粉粒体含有スラリー10b が、ポンプ（容積式ポンプ）２によって遠心分離機３に供給される。
【００３０】
なお、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１内のピッチ粉粒体含有スラリーのピッチ粉粒体含有量が30質量％を超える場合は、前記したように設備停止時にピッチ粉粒体がスラリー輸送配管系統８中で沈降し、再運転時にピッチ粉粒体スラリーの輸送が不可能となるため、スラリー希釈用水供給配管５によってピッチ粉粒体含有スラリー槽１へスラリー希釈用水９を供給する。
【００３１】
なお、スラリー希釈用水供給配管は、必要に応じてピッチ粉粒体含有スラリー槽１の上流側のスラリー輸送配管系統にも設けてもよい。
遠心分離機３においては、ピッチ粉粒体含有スラリーを、遠心力＝ 490〜 19600Ｎ、遠心分離時間≧ 0.2秒の条件下で遠心分離し、ピッチ粉粒体の水分を除去し、脱水ピッチ粉粒体11を得る。
【００３２】
〔III.ピッチの製造方法：〕
前記した本発明（第１の発明、第２の発明）によって得られる脱水後のピッチ粉粒体は水分含有量が十分少ないため、溶融時の溶融槽における発泡の問題および溶融、固化後に得られるピッチの軟化点の上昇の問題を生じることがない。
このため、前記した本発明によって得られる脱水後のピッチ粉粒体を溶融、冷却・成形することによってバインダーピッチなどの製品を得ることができる。
【００３３】
すなわち、ピッチの製造方法は、前記した本発明によって得られる脱水ピッチ粉粒体を含有する固形ピッチを、溶融後、冷却・成形するピッチの製造方法である。
脱水後のピッチ粉粒体を溶融する溶融槽としては、ピッチ製造時の成分調整用の反応槽に限定されることはなく、ピッチを軟化点以上に加熱して溶融することが可能な装置であればその方式、型式に制限を受けるものではなく、また、溶融ピッチ貯蔵用のタンクなどを用いることもできる。
【００３４】
また、脱水後のピッチ粉粒体は単独で溶融してもよく、また他の供給源からの固形ピッチと共に溶融してもよい。
溶融後のピッチの冷却・成形法としては特に制限を受けるものではなく、例えば下記方式(1) 〜(4) を用いることができ、上記冷却・成形とは、溶融ピッチの単なる水との接触による冷却固化・粒状化をも含む。
【００３５】
(1) 水樋式：
▲１▼一定温度まで冷却した溶融ピッチを、傾斜を有する長い溝の水流中に飛沫的に、または薄層状に流れさせ、冷却固化したピッチを格子で水中からすくい取る。
▲２▼分配管の多数の小孔から溶融ピッチを細流として製品ピッチ（円柱状）の直径に応じた所定幅に仕切られた多数の樋に流出させる。
【００３６】
(2) コンベア方式：
散水装置を有するコンベアもしくは水中コンベアの上に溶融ピッチを薄層状に流下させ、水冷によってピッチを冷却、固化（成形）する。
(3) 回転ドラム式：
鋼製円筒の湾曲表面に所定間隔で所定高さの仕切りを取付けた回転ドラムを用い、水を吹き付けて湿らせた表面に溶融ピッチを流出させ回転途中で固化したピッチを固定されたスクレーパでかき落とす。
【００３７】
(4) 垂直冷却槽式：
冷却水槽へ多数のノズルから溶融ピッチを細流として落下させ、冷却固化したピッチをスクリューおよびバスケットコンベアで取出す。
以上、本発明について述べたが、本発明によれば、下記の実施例に示されるように、ピッチ粉粒体含有スラリーを極めて短時間の処理で十分に脱水することが可能となった。
【００３８】
また、本発明によれば、脱水後のピッチ粉粒体が適度の水分を有しているため、得られた脱水ピッチ粉粒体のハンドリング時にピッチ粉塵による環境問題を生じることがない。
また、本発明によれば、スラリー輸送配管系統におけるピッチ粉粒体の沈降および遠心分離機の閉塞を防止し、脱水設備の連続運転を行うことが可能となった。
【００３９】
さらに、本発明によって得られる脱水後のピッチ粉粒体を溶融、冷却・成形することによって、製造上、品質上の問題を生じることなく、バインダーピッチなどの製品を得ることができる。
【００４０】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例１〕
前記した図１に示すピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備を用いて、コールタール蒸留残渣を原料としたピッチ製造工程、ピッチ貯蔵工程、ピッチハンドリング工程において水洗浄によって回収したピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
【００４１】
なお、上記脱水設備においては、遠心分離機３、ポンプ２および金網４として、下記仕様のものを用いた。
遠心分離機３：デカンター型遠心沈降機（水平型連続式）
ポンプ２：容積式ポンプ（ベーン式ポンプ）
金網４：目開き10mm角の金網
すなわち、ピッチ粉粒体含有量が５質量％のピッチ粉粒体含有スラリー（原スラリー）10(10a) を、目開き10mm角の金網４を通過せしめ、粒径の大きなピッチ粒子を除去した後、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１に供給し、攪拌によってピッチ粉粒体含有量を均一化したピッチ粉粒体含有スラリー10b を、ポンプ（容積式ポンプ）２によって遠心分離機３に供給した。
【００４２】
遠心分離機３においては、遠心力： 490Ｎ（50Ｇ）、遠心分離時間（脱水時間）： 0.2秒の条件下で遠心分離し、ピッチ粉粒体の水分を除去した。
この結果、得られたピッチ粉粒体（脱水ピッチ粉粒体11）の水分含有量は５質量％、ピッチ粉粒体の回収率は99.5％であった。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４３】
〔実施例２〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心力を4900Ｎ（ 500Ｇ）とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４４】
〔実施例３〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心力を 19600Ｎ（2000Ｇ）とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４５】
〔実施例４〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心力： 19600Ｎ（2000Ｇ）、遠心分離時間（脱水時間）： 1.0秒とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４６】
〔実施例５〕
前記した実施例１において、遠心分離機３として、スリット幅40μm のバスケット型遠心分離機（遠心濾過機）を用いた以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４７】
〔実施例６〕
前記した実施例５において、遠心分離機における遠心力を4900Ｎ（ 500Ｇ）とした以外は実施例５と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４８】
〔実施例７〕
前記した実施例５において、遠心分離機における遠心力：9800Ｎ（1000Ｇ）、遠心分離時間（脱水時間）： 1.0秒とした以外は実施例５と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００４９】
〔実施例８〕
前記した実施例５において、ピッチ粉粒体含有量が15質量％のピッチ粉粒体含有スラリーを用い、遠心分離機における遠心力を9800Ｎ（1000Ｇ）とした以外は実施例５と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
【００５０】
〔実施例９〕
前記した図１に示すピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備を用いて、コールタール蒸留残渣を原料としたピッチ製造工程、ピッチ貯蔵工程、ピッチハンドリング工程において水洗浄によって回収したピッチ粉粒体含有量が40質量％のスラリーの脱水試験を行った。
【００５１】
なお、上記脱水設備においては、遠心分離機３、ポンプ２および金網４として、実施例１と同一仕様のものを用いた。
本実施例においては、設備停止時にピッチ粉粒体がスラリー輸送配管系統８中で沈降し、運転再開時のピッチ粉粒体含有スラリーの輸送を阻害することを防止するために、スラリー希釈用水供給配管５からピッチ粉粒体含有スラリー槽１へスラリー希釈用水９を供給して試験を行った。
【００５２】
すなわち、ピッチ粉粒体含有量が40質量％のピッチ粉粒体含有スラリー（原スラリー）10およびスラリー希釈用水９の混合物を、目開き10mm角の金網４を通過せしめ、粒径の大きなピッチ粒子を除去した後、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１に供給した。
次に、ピッチ粉粒体含有スラリー槽１において攪拌によってピッチ粉粒体含有量を均一化したピッチ粉粒体含有量が30質量％のピッチ粉粒体含有スラリー10b を、ポンプ（容積式ポンプ）２によって遠心分離機３に供給した。
【００５３】
遠心分離機３においては、遠心力：9800Ｎ（1000Ｇ）、遠心分離時間（脱水時間）： 0.2秒の条件下でピッチ粉粒体含有スラリーを遠心分離し、ピッチ粉粒体の水分を除去した。
この結果、得られたピッチ粉粒体（脱水ピッチ粉粒体11）の水分含有量は 2.5質量％、ピッチ粉粒体の回収率は99.0％であった。
【００５４】
なお、本実施例においては、脱水設備の運転を一時停止した後、運転停止前と同一条件で運転を再開した結果、スラリー輸送配管系統８などのピッチ粉粒体による閉塞を生じることなく順調に運転を再開することができた。
表１に、本実施例における試験条件および試験結果を併せて示す。
〔比較例１〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心力を 294Ｎ（30Ｇ）とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
【００５５】
表１に、本比較例における試験条件および試験結果を併せて示す。
〔比較例２〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心分離時間（脱水時間）を 0.1秒とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
【００５６】
表１に、本比較例における試験条件および試験結果を併せて示す。
〔比較例３〕
前記した実施例１において、遠心分離機における遠心力： 24500Ｎ（2500Ｇ）、遠心分離時間（脱水時間）： 1.0秒とした以外は実施例１と同様の方法、条件でピッチ粉粒体含有スラリーの脱水試験を行った。
【００５７】
表１に、本比較例における試験条件および試験結果を併せて示す。
〔参考例〕
前記した実施例１で得られた脱水ピッチ粉粒体の溶融−冷却・成形試験を行った。
すなわち、実施例１で得られた脱水ピッチ粉粒体を、槽内温度：250 ℃に保持した溶融槽で溶融後、得られた溶融ピッチをノズルから冷却水槽へ細流として流下し、円柱状ピッチを得た。
【００５８】
上記した溶融槽における溶融時、発泡現象は見られず、脱水ピッチ粉粒体を問題なく溶融することができた。
また、得られた円柱状ピッチの軟化点を測定した結果、軟化点は106 ℃であり、溶融前の脱水ピッチ粉粒体の軟化点：105 ℃とほぼ同一の軟化点を有することが分かった。
【００５９】
以上、実施例について述べたが、表１に示されるように、本発明によれば、ピッチ粉粒体含有スラリーを極めて短時間の処理で十分に脱水することが可能となった。
また、本発明によれば、脱水後のピッチ粉粒体が適度の水分を有しているため、得られた脱水ピッチ粉粒体のハンドリング時にピッチ粉塵による環境問題を生じることがなく、さらに、本発明によって得られる脱水後のピッチ粉粒体は水分含有量が十分少ないため、脱水後のピッチ粉粒体を溶融、冷却・成形することによって、製造上および品質上の問題を生じることなくバインダーピッチなどの製品として再利用することが可能となった。
【００６０】
さらに、本発明によれば、スラリー輸送配管系統におけるピッチ粉粒体の沈降および遠心分離機の閉塞を防止し、脱水設備の連続運転を行うことが可能となった。
【００６１】
【表１】

【００６２】
【発明の効果】
本発明によれば、下記(1) 〜(4) の優れた効果を得ることができる。
(1) ピッチ粉粒体含有スラリーを極めて短時間の処理で十分に脱水することが可能となった。
(2) 脱水後のピッチ粉粒体が適度の水分を有しているため、得られる脱水ピッチ粉粒体のハンドリング時にピッチ粉塵による環境問題を生じることがない。
【００６３】
(3) 脱水後のピッチ粉粒体は水分含有量が十分少ないため、脱水後のピッチ粉粒体を溶融、冷却・成形することによって、製造上および品質上の問題を生じることなくバインダーピッチなどの製品として再利用することが可能となった。
(4) スラリー輸送配管系統におけるピッチ粉粒体の沈降および遠心分離機の閉塞を防止し、脱水設備の連続運転を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のピッチ粉粒体含有スラリーの脱水設備の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
１ピッチ粉粒体含有スラリー槽
２ポンプ（容積式ポンプ）
３遠心分離機
４金網
５スラリー希釈用水供給配管
６液面計（液面指示計）
７ピッチ粉粒体含有スラリー攪拌機
８スラリー輸送配管系統
９スラリー希釈用水
10 ピッチ粉粒体含有スラリー（原スラリー）
10a 、10b ピッチ粉粒体含有スラリー
11 脱水ピッチ粉粒体
12 分離水
Ｖ弁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention, dehydration process and dehydration setting of pitch powder particle-containing slurry of water slurry Bei relates.
[0002]
[Prior art]
Carbon products such as lead electrodes for steelmaking, carbon for machinery and chemical structures, and carbon refractories are generally manufactured by solidifying aggregate coke such as petroleum coke and pitch coke with a binder such as binder pitch, firing and graphitizing. The
The pitch used for the production of such a carbon product is produced mainly by adjusting the components of a residue obtained by coal tar distillation by a thermochemical reaction.
[0003]
In addition, the pitch obtained in this way is stored in a tank in a molten state, or after cooling and solidification, it is piled up in a warehouse or stored in a silo. From the viewpoint of ease of handling, most of the pitch is It is solidified by cooling and is handled in a solid state.
As a method of cooling and solidifying the molten pitch, a method of bringing the molten pitch into direct contact with water, such as a method of spraying and solidifying water on a molten pitch conveying conveyor or a method of pouring the molten pitch into a cooling water tank, is widely adopted. .
[0004]
In this case, powdery pitch is mixed in the obtained pitch-containing slurry.
On the other hand, for example, a rod-like (cylindrical) pitch having a diameter of about 10 mm obtained by cooling and solidifying the above-described molten pitch is destroyed in the handling process, and for example, a pitch having a wide particle size distribution of several μm to several mm. Powder particles (hereinafter also referred to as fracture pitch powder particles) are generated.
[0005]
In addition, when handling a solid pitch in a warehouse or silo, the broken pitch particles accumulate and adhere to the handling place, handling equipment, vehicle, and the like.
For this reason, an air purification device is installed in a work place such as a warehouse to collect the broken pitch powder particles.
As described above, the broken pitch powder particles are generated at various points in the pitch manufacturing process, the pitch storage process, and the pitch handling process, and as a recovery method thereof, in order to solve environmental problems due to dust generation In addition, a recovery method by washing with water is generally employed.
[0006]
As a result, a pitch granule slurry is generated. The slurry is used as cooling water for red hot coke or separated from water by a sieve, and then mixed with coal and subjected to dry distillation.
On the other hand, if the pitch particles can be recovered from the pitch particle slurry, the pitch particles can be remelted and molded to obtain a product such as a binder pitch.
[0007]
However, once the pitch is once in the water slurry state, the water content is not sufficiently reduced by dehydration by the above-described sieve separation, and such a pitch becomes clayy during handling and is difficult to handle.
In addition, when re-melting pitch powder particles with insufficient water separation obtained by sieving, the pitch powder foams and overflows in the melting tank, or the softening point is due to the steam distillation effect accompanying water vaporization. It was difficult to obtain a pitch with a predetermined quality such as a rise, and it was not possible to obtain a product.
[0008]
On the other hand, Japanese Patent Publication No. 59-10718 proposes a method of drying a wet pitch with hot air.
However, in the above method, the hot air temperature has an upper limit of around 135 ° C. near the softening point of the pitch, and a large amount of hot air is required for drying.
Therefore, in the above process, a cyclone is installed in the hot air exhaust line to collect pitch dust, but in principle, 100% pitch dust cannot be recovered, and pitch dust is not collected in the exhaust gas from the cyclone outlet. Environmental problems remain because they are accompanied.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention aims to provide a dewatering method and dewatering equipment of the pitch powder particle-containing slurry can be sufficiently dehydrated pitch powder or granular material-containing slurry without causing environmental problems due to pitch dust To do.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found the following findings (1) and (2), and have reached the present invention.
(1) Since the pitch in the slurry containing pitch particles is water repellent, it is relatively easy to dewater in a centrifugal field, and the pitch after dewatering in the centrifugal field does not generate dust, causing environmental problems. It can be handled without any occurrence.
[0011]
(2) It is possible to produce a product pitch to be used as a binder pitch without causing problems in production and quality by melting, cooling and molding the pitch powder dehydrated in a centrifugal field. .
That is, according to the first aspect of the present invention, the pitch powder / particles-containing slurry is subjected to the conditions of centrifugal force = 490 to 19600 N, centrifugation time ≧ 0.2 seconds, more preferably centrifugal force = 490 to 19600 N, and centrifugal time = 0.2 to 120 seconds. It is a dehydration method of the slurry containing pitch powder particles, characterized by centrifuging under.
[0012]
In addition, the centrifugal force in this invention shows the centrifugal force per 1 kg of pitch granular material containing slurry.
In the first invention described above, the pitch powder content of the pitch powder containing slurry is preferably 30% by mass or less (first preferred embodiment of the first invention).
[0013]
In the first preferred embodiment of the first invention and the first invention described above, the pitch particle size in the pitch particle-containing slurry to be subjected to the centrifugation is 10 mm or less. Preferred (second preferred embodiment of the first invention, third preferred embodiment).
The second invention is a pitch powder-containing slurry tank 1, a pitch powder-containing slurry agitator 7 attached to the pitch powder-containing slurry tank 1, and a slurry dilution into the pitch powder-containing slurry tank 1. Between the water supply pipe 5, the centrifuge 3 for dewatering the pitch powder-containing slurry supplied from the pitch powder-containing slurry tank 1, and the pitch powder-containing slurry tank 1 and the centrifuge 3. A slurry dewatering equipment for pitch powder and granule-containing slurry, comprising: a slurry transport pipe system 8 provided; and a positive displacement pump 2 for transporting the pitch powder and granule-containing slurry provided in the slurry transport pipe system 8. is there.
[0014]
In the above-described second invention, it is preferable that the centrifugal separator 3 has a capacity of centrifugal force = 490 to 19600 N per 1 kg of the pitch particle-containing slurry .
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention, I. The method of dehydrating pitch powder or granular material-containing slurry (the first invention), II. Dehydration facilities pitch powder or granular material-containing slurry (the second invention) and III. Pitch production how the This will be described in more detail in order.
[I. Dehydration Method of Slurry Containing Pitch Granules (First Invention):]
As described above, according to the first invention, the pitch granular material-containing slurry is obtained by centrifuging force = 490 to 19600 N, centrifuging time ≧ 0.2 seconds, more preferably centrifuging force = 490 to 19600 N, centrifuging time = 0.2 to 120. This is a method for dewatering a slurry containing pitch powder particles that is centrifuged under the condition of seconds.
[0016]
In the present invention, centrifugal separation is used as a method for removing water from the slurry containing the pitch granular material.
The conditions for centrifugation are defined as centrifugal force = 490 to 19600 N (: 50 to 2000 G), centrifugation time ≧ 0.2 seconds, more preferably, centrifugation time = 0.2 to 120 seconds.
In the centrifugal separation of the pitch granular material-containing slurry, the setting of centrifugal force is extremely important for continuous operation of the centrifugal separator.
[0017]
That is, when the centrifugal force is less than 490 N, not only does the water content of the pitch granule increase, but the pitch becomes a dumpling and the centrifuge is closed, making continuous operation impossible. Is greater than 19600N, the water separation force increases, but the friction between the centrifuge wall and the pitch granule in the centrifuge further pulverizes the pitch granule, and the surface area of the pitch granule increases. As the water separation is inhibited by the increase and the centrifugal force is small, the pitch becomes a dumpling, and the centrifuge is closed and continuous operation becomes impossible.
[0018]
That is, the centrifuge conditions under which the pitch granule-containing slurry can be dehydrated are those that do not block the centrifuge.
In addition, since the increase in a centrifugal force causes the increase in a required energy, it is more preferable that a centrifugal force is 490-9800N (: 50-1000G).
Further, as described above, in the present invention, the centrifugation time is defined as ≧ 0.2 seconds, and more preferably, the centrifugation time = 0.2 to 120 seconds.
[0019]
This is because when the centrifuge time is less than 0.2 seconds, the dewatering of the pitch particles becomes insufficient, and when the centrifuge time exceeds 120 seconds, the dewatering effect of the pitch particles is practically saturated and This is because it is not preferable from the standpoint of safety and economy.
In addition, the centrifugation time in this invention shows the residence time in the centrifuge of a pitch granular material containing slurry, when using a continuous centrifuge.
[0020]
Furthermore, in this invention, it is preferable that the pitch powder particle content of the said pitch powder particle containing slurry is 30 mass% or less.
This means that the pitch particle content has little effect on the dewatering efficiency, but if the pitch powder content exceeds 30% by mass or the equipment is stopped, This is because it becomes impossible to transport the slurry containing the pitch particles during re-operation.
[0021]
Further, in the present invention, when dehydrating a slurry containing pitch powder particles having a particle size exceeding 10 mm, prior to centrifugation of the pitch powder particle-containing slurry, It is preferable to centrifuge the slurry containing pitch particles having a particle size of 10 mm or less through an open wire mesh or the like.
This is because pitch particles having a particle size exceeding 10 mm may block the centrifuge.
[0022]
In addition, the above-mentioned pitch granule having a particle size of 10 mm or less refers to a pitch granule that passes through a square hole plate sieve having a nominal size of 10 mm (screen opening: 10.0) in JIS Z 8801-1987.
The type of the centrifuge used in the present invention is not limited, and examples thereof include a centrifugal filter using a filter medium or a centrifugal sedimentator such as a horizontal continuous decanter.
[0023]
In the case of a centrifugal filter, the average aperture of the filter medium is preferably 30 μm to 1 mm.
When the average opening of the filter medium is less than 30 μm, the filter medium is likely to be clogged, and the water passage rate is reduced, resulting in a decrease in the throughput.
On the other hand, when the average opening of the filter medium exceeds 1 mm, the separation efficiency between the pitch granular material and water decreases.
[0024]
In the case of a centrifugal sedimentator, the pitch granular material-containing slurry can be easily dehydrated by setting the centrifugal separation conditions as described above.
Further, in the present invention, the pump for transporting the slurry containing the pitch granular material is a positive displacement pump such as a vane type or an eccentric screw type, that is, movement of a sealed space generated between the casing and a movable member inscribed therein or the like. It is preferable to use a pump of a type that pushes liquid from the suction side to the discharge side by changing the sealed space volume.
[0025]
This is because by using the positive displacement pump described above, it is possible to prevent crushing of the pitch powder particles, increase the residual moisture due to the increase in the surface area of the pitch powder particles in the centrifuge, and block the centrifuge due to this. This is because it can be prevented.
[II. Dehydration equipment for slurry containing pitch powder particles (second invention):]
In FIG. 1, an example of the spin-drying | dehydration equipment of the pitch granular material containing slurry of this invention is shown.
[0026]
In FIG. 1, 1 is a slurry tank containing pitch powder particles, 2 is a pump that is a positive displacement pump, 3 is a centrifuge, 4 is a wire mesh, 5 is a water supply pipe for slurry dilution, and 6 is a liquid level gauge (liquid Surface indicator), 7 is a pitch particle-containing slurry agitator, 8 is a slurry transport piping system, 9 is water for slurry dilution, 10 is a pitch particle-containing slurry that is a raw slurry, and 10a and 10b contain pitch particles. Slurry, 11 is dehydrated pitch powder, 12 is separated water, and V is a valve.
[0027]
That is, the dewatering equipment for the pitch granule-containing slurry of the present invention includes the pitch granule-containing slurry tank 1, the pitch granule-containing slurry agitator 7 attached to the pitch granule-containing slurry tank 1, and the pitch powder. Slurry dilution water supply pipe 5 to the granule-containing slurry tank 1, the centrifuge 3 for dehydrating the pitch granule-containing slurry supplied from the pitch granule-containing slurry tank 1, and the pitch granule content A slurry transport piping system 8 provided between the slurry tank 1 and the centrifuge 3, and a pitch powder material contained in the slurry transport pipe system 8 from the pitch powder particle containing slurry tank 1 to the centrifuge 3. It is a dewatering facility for pitch particle-containing slurry having a positive displacement pump 2 for transporting the slurry.
[0028]
In the above-described dewatering equipment for the pitch granule-containing slurry of the present invention, the centrifugal separator 3 is preferably a centrifugal filter or a centrifugal sedimentator, and the pump 2 is a positive displacement pump. .
In the dewatering equipment for the pitch granule-containing slurry shown in FIG. 1, first, the pitch granule-containing slurry such as the pitch granule-containing slurry recovered by water washing in the pitch manufacturing process, the pitch storage process, the pitch handling process, etc. (Original slurry) 10 is fed to the pitch particle-containing slurry tank 1.
[0029]
In the pitch particle-containing slurry tank 1, the pitch particle-containing slurry 10 (10a) is passed through, for example, a wire mesh 4 having a mesh size of 10 mm to remove pitch particles having a large particle diameter.
The pitch granule-containing slurry that has passed through the wire mesh 4 is stirred in the pitch granule-containing slurry tank 1, and the pitch granule-containing slurry 10b in which the pitch granule content is made uniform is a pump (positive displacement pump). ) 2 to the centrifuge 3.
[0030]
In addition, when the pitch granular material content of the pitch granular material containing slurry in the pitch granular material containing slurry tank 1 exceeds 30 mass%, as described above, the pitch granular material is in the slurry transport piping system when the equipment is stopped. 8, the pitch powder granule slurry cannot be transported during re-operation, so that the slurry dilution water 9 is supplied to the pitch granule containing slurry tank 1 through the slurry dilution water supply pipe 5.
[0031]
In addition, you may provide the water supply piping for slurry dilution in the slurry transport piping system of the upstream of the pitch granular material containing slurry tank 1 as needed.
In the centrifuge 3, the pitch powder-containing slurry is centrifuged under the conditions of centrifugal force = 490 to 19600 N and centrifugation time ≧ 0.2 seconds to remove moisture from the pitch powder, and dehydrated pitch powder Get body 11.
[0032]
[. III pitch of manufacture how:]
The pitch powder granules after dehydration obtained by the above-described present invention (first invention, second invention) have a sufficiently low water content, and thus are obtained after the problem of foaming in the melting tank during melting and after melting and solidifying. There is no problem of an increase in the softening point of the pitch.
For this reason, products, such as a binder pitch, can be obtained by melting, cooling, and shaping the pitch particles after dehydration obtained by the present invention.
[0033]
That is, the manufacturing method of the pitch is a solid pitch containing dehydrated pitch powder or granular material obtained by the present invention described above, after melting, a method for producing a pitch for cooling and molding.
The melting tank for melting the pitch powder particles after dehydration is not limited to the reaction tank for adjusting the components during pitch production, and it is an apparatus that can heat and melt the pitch above the softening point. If there is, the method and type are not limited, and a tank for storing a molten pitch can also be used.
[0034]
In addition, the pitch powder after dehydration may be melted alone, or may be melted together with solid pitch from another supply source.
The method for cooling and forming the pitch after melting is not particularly limited, and for example, the following methods (1) to (4) can be used. The above cooling and forming is simply contact of the molten pitch with water. Including cooling solidification and granulation.
[0035]
(1) Minamata formula:
{Circle around (1)} The molten pitch cooled to a certain temperature is allowed to flow in a slanted long groove water stream in a droplet or thin layer, and the cooled and solidified pitch is scooped out of the water by a lattice.
(2) From a large number of small holes in the distribution pipe, the molten pitch is made to flow into a large number of troughs partitioned into a predetermined width corresponding to the diameter of the product pitch (cylindrical shape).
[0036]
(2) Conveyor method:
The molten pitch is allowed to flow in a thin layer on a conveyor having a watering device or an underwater conveyor, and the pitch is cooled and solidified (molded) by water cooling.
(3) Rotary drum type:
Using a rotating drum with a partition of a specified height attached to the curved surface of a steel cylinder at a specified interval, scrape the molten pitch to the surface wetted with water and scrape it with a scraper with a fixed pitch fixed during rotation. Drop it.
[0037]
(4) Vertical cooling tank type:
The molten pitch is dropped as a small stream from a number of nozzles into the cooling water tank, and the cooled and solidified pitch is taken out by a screw and basket conveyor.
As described above, the present invention has been described. According to the present invention, as shown in the following examples, it is possible to sufficiently dehydrate the pitch particle-containing slurry in a very short time.
[0038]
Further, according to the present invention, since the pitch powder after dehydration has appropriate moisture, there is no environmental problem due to pitch dust when handling the obtained dehydrated pitch powder.
In addition, according to the present invention, it is possible to prevent the sedimentation of pitch particles and clogging of the centrifugal separator in the slurry transport piping system, and to perform continuous operation of the dehydration equipment.
[0039]
Furthermore , by melting, cooling, and shaping the pitch particles after dehydration obtained by the present invention, a product such as a binder pitch can be obtained without causing problems in production and quality.
[0040]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on examples.
[Example 1]
The pitch particle-containing slurry recovered by water washing in the pitch manufacturing process, pitch storage process, and pitch handling process using the coal tar distillation residue as a raw material, using the above-described dewatering equipment for the pitch powder-containing slurry shown in FIG. The dehydration test was conducted.
[0041]
In the above dehydration equipment, the following specifications were used as the centrifuge 3, the pump 2 and the wire mesh 4.
Centrifuge 3: Decanter type centrifugal sedimentator (horizontal continuous type)
Pump 2: Positive displacement pump (vane pump)
Wire mesh 4: A wire mesh having an opening of 10 mm square, that is, a pitch particle containing slurry (original slurry) 10 (10a) having a pitch powder particle content of 5% by mass is passed through a wire mesh 4 having an opening of 10 mm square, After removing the pitch particles having a large diameter, the pitch particle-containing slurry 10b, which is supplied to the pitch particle-containing slurry tank 1 and homogenized by the stirring, is supplied to a pump (positive displacement pump) 2 To the centrifuge 3.
[0042]
In the centrifugal separator 3, the centrifugal force was 490 N (50 G), and the centrifugal time (dehydration time) was 0.2 seconds to remove the water from the pitch particles.
As a result, the obtained pitch powder (dehydrated pitch powder 11) had a water content of 5% by mass, and the recovery rate of the pitch powder was 99.5%.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0043]
[Example 2]
In Example 1 described above, the dewatering test of the slurry containing pitch granule was performed under the same method and conditions as in Example 1 except that the centrifugal force in the centrifuge was 4900 N (500 G).
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0044]
Example 3
In the above-mentioned Example 1, the dehydration test of the slurry containing the pitch granule was performed under the same method and conditions as in Example 1 except that the centrifugal force in the centrifuge was 19600 N (2000 G).
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0045]
Example 4
In the above-mentioned Example 1, the centrifugal force in the centrifuge: 19600 N (2000 G), the centrifugation time (dehydration time): 1.0 seconds, except that the pitch granule-containing slurry was the same as in Example 1 under the same conditions and conditions. A dehydration test was performed.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0046]
Example 5
In Example 1 described above, the pitch granule-containing slurry was dehydrated by the same method and conditions as Example 1 except that a basket type centrifuge (centrifugal filter) having a slit width of 40 μm was used as the centrifuge 3. A test was conducted.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0047]
Example 6
In Example 5 described above, the dehydration test of the slurry containing the pitch granule was performed under the same method and conditions as in Example 5 except that the centrifugal force in the centrifuge was 4900 N (500 G).
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0048]
Example 7
In the above-mentioned Example 5, the centrifugal force in the centrifuge: 9800 N (1000 G), the centrifugation time (dehydration time): 1.0 seconds, except that the pitch granular material-containing slurry was the same method and conditions as in Example 5 A dehydration test was performed.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0049]
Example 8
In the above-described Example 5, the same method as in Example 5 except that the pitch particle-containing slurry having a pitch particle content of 15% by mass and the centrifugal force in the centrifuge was 9800 N (1000 G), The dehydration test of the slurry containing pitch powder was performed under the conditions.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[0050]
Example 9
Using the above-described dewatering equipment for the pitch granule-containing slurry shown in FIG. 1, the pitch granule content recovered by water washing in the pitch manufacturing process, pitch storage process, and pitch handling process using coal tar distillation residue as a raw material A 40% by mass slurry was subjected to a dehydration test.
[0051]
In the above dehydration equipment, the same specifications as in Example 1 were used as the centrifuge 3, the pump 2 and the wire mesh 4.
In this embodiment, in order to prevent the pitch particles from settling in the slurry transport piping system 8 when the equipment is stopped and hindering the transport of the pitch particle-containing slurry when the operation is resumed, water supply for slurry dilution is supplied. A test was performed by supplying slurry dilution water 9 from the pipe 5 to the pitch particle-containing slurry tank 1.
[0052]
That is, a mixture of a pitch particle-containing slurry (original slurry) 10 having a pitch particle content of 40% by mass and water 9 for diluting slurry is passed through a wire mesh 4 having an opening of 10 mm square, and pitch particles having a large particle size are obtained. Was removed, and then supplied to the slurry tank 1 containing the pitch powder particles.
Next, a pitch powder / particle-containing slurry 10b having a pitch powder / particle content equal to 30% by mass in the pitch powder / particle-containing slurry tank 1 by stirring is pumped (a positive displacement pump). 2 fed to the centrifuge 3.
[0053]
In the centrifuge 3, the slurry containing pitch particles was centrifuged under the conditions of centrifugal force: 9800 N (1000 G) and centrifugation time (dehydration time): 0.2 seconds to remove moisture from the pitch particles.
As a result, the obtained pitch powder (dehydrated pitch powder 11) had a water content of 2.5% by mass, and the pitch powder recovery rate was 99.0%.
[0054]
In this example, after the operation of the dehydration facility is temporarily stopped, the operation is resumed under the same conditions as before the operation stop. As a result, the slurry transportation pipe system 8 and the like are smoothly blocked without being clogged with pitch particles. I was able to resume driving.
Table 1 also shows the test conditions and test results in this example.
[Comparative Example 1]
In Example 1 described above, the pitch particle-containing slurry was subjected to a dehydration test using the same method and conditions as in Example 1 except that the centrifugal force in the centrifuge was 294 N (30 G).
[0055]
Table 1 also shows the test conditions and test results in this comparative example.
[Comparative Example 2]
In Example 1 described above, the dewatering test of the slurry containing pitch granule was performed under the same method and conditions as in Example 1 except that the centrifugation time (dehydration time) in the centrifuge was 0.1 second.
[0056]
Table 1 also shows the test conditions and test results in this comparative example.
[Comparative Example 3]
In the above-mentioned Example 1, the centrifugal force in the centrifuge: 24500 N (2500 G), the centrifuge time (dehydration time): 1.0 seconds, except that the pitch granular material-containing slurry was subjected to the same method and conditions as in Example 1. A dehydration test was performed.
[0057]
Table 1 also shows the test conditions and test results in this comparative example.
[ Reference example ]
A melt-cooling / molding test was performed on the dehydrated pitch particles obtained in Example 1 described above.
That is, after the dehydrated pitch granular material obtained in Example 1 was melted in a melting tank maintained at a bath temperature: 250 ° C., the obtained molten pitch was flowed down from the nozzle to the cooling water tank as a trickle, and the cylindrical pitch Got.
[0058]
During melting in the above-described melting tank, no foaming phenomenon was observed, and the dehydrated pitch powder particles could be melted without any problem.
Moreover, as a result of measuring the softening point of the obtained cylindrical pitch, it was found that the softening point was 106 ° C., and the softening point of the dehydrated pitch granular material before melting was almost the same as 105 ° C. .
[0059]
As mentioned above, although the Example was described, as Table 1 showed, according to this invention, it became possible to fully spin-dry | dehydrate the pitch granular material containing slurry by the process for a very short time.
Further, according to the present invention, since the pitch powder after dehydration has appropriate moisture, there is no environmental problem due to pitch dust when handling the obtained dehydrated pitch powder, Since the dehydrated pitch powder obtained by the present invention has a sufficiently low water content, it is possible to melt, cool, and mold the dehydrated pitch powder without causing problems in production and quality. It can be reused as a product such as pitch.
[0060]
Furthermore, according to the present invention, it is possible to prevent sedimentation of pitch particles and clogging of the centrifugal separator in the slurry transport piping system and to perform continuous operation of the dehydration equipment.
[0061]
[Table 1]

[0062]
【The invention's effect】
According to the present invention, the following excellent effects (1) to (4) can be obtained.
(1) It became possible to sufficiently dewater the pitch particle-containing slurry in an extremely short time.
(2) Since the pitch particles after dehydration have appropriate moisture, environmental problems due to pitch dust do not occur when handling the resulting dehydrated pitch particles.
[0063]
(3) Since the dehydrated pitch granule has a sufficiently low water content, the pitch pitch granule after dehydration can be melted, cooled, and molded to produce binder pitch and the like without causing problems in production and quality. It can be reused as a product.
(4) It was possible to prevent the sedimentation of pitch particles and clogging of the centrifuge in the slurry transport piping system, and to operate the dehydration equipment continuously.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is an explanatory diagram showing an example of a dewatering facility for pitch particle-containing slurry of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Pitch powder containing slurry tank 2 Pump (positive displacement pump)
3 Centrifugal separator 4 Wire mesh 5 Slurry dilution water supply pipe 6 Liquid level indicator (liquid level indicator)
7 Pitch granular material containing slurry agitator 8 Slurry transport piping system 9 Slurry dilution water
10 Pitch powder containing slurry (raw slurry)
10a, 10b Pitch powder containing slurry
11 Dehydrated pitch granules
12 Separate water V valve

Claims

A method for dewatering a pitch particle-containing slurry, comprising: centrifuging the pitch particle-containing slurry under conditions of centrifugal force = 490 to 19600 N and centrifugation time ≧ 0.2 seconds.

The pitch powder particle-containing slurry according to claim 1, wherein the pitch powder particle content of the pitch powder particle-containing slurry is 30% by mass or less.

A pitch particle-containing slurry tank (1), a pitch particle-containing slurry agitator (7) attached to the pitch particle-containing slurry tank (1), and a pitch particle-containing slurry tank (1). Water supply pipe for slurry dilution (5), a centrifugal separator (3) for dewatering the slurry containing pitch powder supplied from the pitch powder-containing slurry tank (1), and a pitch powder-containing slurry tank (1 ) And the centrifuge (3) and a slurry transport piping system (8), and a positive displacement pump (2) for transporting pitch particle-containing slurry provided in the slurry transport piping system (8). And a dehydration facility for the slurry containing pitch powder .