JP4517581B2 - Manufacturing method of optical film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用途に利用される光学フィルムの製造方法に関するものであり、特に液晶画像表示装置(LCD)等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルム、あるいはまた、有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルムなどの各種機能フィルム等にも利用することができる光学フィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶画像表示装置(LCD)は、低電圧かつ低消費電力でIC回路への直結が可能であり、しかも薄型化が可能であるから、ワードプロセッサーやパーソナルコンピュータ等の表示装置として広く使用されている。ところで、このLCDの基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、LCDにおいては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っており、偏光板の性能によってLCDの性能が大きく左右される。偏光板は偏光子と、偏光子の両面に積層された保護フィルムとよりなる。そして、このような偏光板の保護フィルムとして、セルロースエステルフィルムが広く用いられている。
【0003】
このような偏光板の保護フィルムとして使用されるセルロースエステルフィルムの重要な特性として、フィルム表面の平面性がある。
【0004】
光学フィルムとしての例えばセルローストリアセテートフィルムは、一般に、溶液流延製膜法により製造されている。このセルローストリアセテートフィルムの製造方法は、まず、セルローストリアセテートを、例えばメチレンクロライド等のセルローストリアセテートに対する良溶媒と、例えばメタノール、エタノール、ブタノールあるいはシクロヘキサン等のセルローストリアセテートに対する貧溶媒とを加えた混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や紫外線吸収剤を添加して、セルローストリアセテート溶液(以下、ドープとも呼ぶ)を調製し、ドープを、鏡面処理された表面を有する無限移行する無端の金属支持体(例えばベルトあるいはドラム、以下、支持体とも呼ぶ)に流延ダイから均一に流延し、支持体上で溶媒を蒸発させ、ドープ膜(以下、ウェブとも呼ぶ)が固化した後、これを剥離ロールで剥離し、これを移送ロールで移送し、さらに乾燥装置あるいはテンターを通して乾燥させ、セルローストリアセテートフィルムを得るものである。
【0005】
上記の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法においては、流延後に乾燥風を吹き付けることにより、支持体上のウェブを乾燥させるとともに、剥離後のフィルムを乾燥装置あるいはテンターを通すことにより乾燥させている。
【0006】
ところで、近年、液晶画像表示装置(LCD)は種々のところに使用されるに伴って、LCDに使用される液晶画像表示素子すなわち偏光板についても高生産性化(生産量増大)が求められている。しかも、液晶画像表示装置(LCD)については薄型化が進んでおり、LCDに使用される偏光板についても薄膜化が要望されている。
【0007】
現在、このようなLCDの偏光板用の保護フィルムとしては、主に上記のセルローストリアセテート(TAC)フィルムが用いられているが、偏光板の高生産性化に伴い、このようなLCD用のセルローストリアセテートフィルムを溶液流延製膜法により製造するにあたり、流延スピードを向上させるために、種々の技術が用いられて来た。例えば、支持体上でのドープ膜の固化を早める方法としては、ドープ中に貧溶媒を含有させることによって流延後固化させるもの、複数の流延ダイから分割して流延する重層流延法、あるいは支持体の表面温度を10℃以下にして固化するものなどがある。
【0008】
そして、これらの方法では、いずれの場合にも、支持体上に形成されたウェブに対し、ドープの流延後、乾燥風を吹き付けて、ウェブの乾燥を行なっており、上記の方法によれば、ウェブを支持体から比較的溶媒含有率が高い状態で剥離でき、剥離後、溶媒を多く含んだ状態のウェブを両面から乾燥できるので、さらに乾燥効率がよく、製膜に要する時間を大幅に短縮できる。
【0009】
しかし、これらの方法では、ドープ流延後の乾燥風の吹き付けにより、支持体上に形成された表面強度が不充分なウェブ表面を乾燥風で荒らすことになり、ウェブにスジ状の膜厚ムラが発生して、乾燥後のフィルムの平面性が劣化し、セルローストリアセテートフィルムの品質が低下するという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−123732号公報
本出願人は、先に、乾燥履歴(熱履歴)をコントロールすることによって、平面性や機械的性質の良好なセルローストリアセテートフィルムを製造し得る方法の発明を提案した。
【0011】
この先提案による方法は、乾燥ウェブに対する溶媒含有率が300重量%以上を有するドープを用いてセルローストリアセテートフィルムを溶液流延製膜法により作製するにあたり、ウェブを、流延部の支持体上で、あるいは剥離後の乾燥部の乾燥領域で、該溶媒含有率を1分あたり300重量%以下の速度で減少させることを特徴とするものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載のセルロースエステルフィルムの製造方法の発明によれば、薄膜で、流延スピードが高い場合には、充分な効果を発揮することができないという問題があった。
【0013】
このように、従来の既存のセルロースエステルフィルムの製造方法では、フィルムの平面性と、ドープの流延スピードとを同時に満足することはできないという問題があった。
【0014】
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ドープの流延直後の支持体上のウェブに乾燥風が衝突することによって、乾燥フィルムの平面性を阻害するスジ状の膜厚ムラが発生するものであるが、支持体の上方にウェブを覆う防風板を設置することにより、スジ状の膜厚ムラの発生を抑えることができて、光学フィルムの平面性を改善することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、溶液流延製膜法により光学フィルムを製造する方法において、ドープの流延スピードが速い場合であっても、乾燥フィルムの平面性を阻害するスジ状の膜厚ムラの発生を抑えることができて、平面性の良好な偏光板の保護フィルムに適した品質の良い光学フィルムを製造することができ、光学フィルムの生産性を大幅に向上し得る、光学フィルムの製造方法を提供しようとすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1による光学フィルムの製造方法の発明は、溶液流延製膜法により光学フィルムの原料樹脂溶液(ドープ)を流延ダイよりエンドレスベルト上に流延する光学フィルムの製造方法であって、流延ダイから防風板の下流側端部までの距離が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルトの上方にあるように、エンドレスベルト上のウェブを覆いかつ流延方向に伸びる防風板を設置するとともに、ウェブから防風板までの距離が300mm以内であり、また防風板の両側縁部にエンドレスベルト側に伸びる防風用サイド板を設け、該防風用サイド板の先端部とエンドレスベルト表面との間の間隙を1〜10mmとし、さらにエンドレスベルトの上方近くに、防風板に続いて熱風乾燥手段を設けることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の光学フィルムの製造装置の一例を示す部分側面図であり、図2は、図1AーA線に沿う部分拡大断面図を示す。
【0019】
図1と図2を参照すると、溶液流延製膜法により膜厚20〜100μmの光学フィルムの製造方法に用いる装置は、前後一対のドラム(1)(2)に巻き掛けられた回転金属製エンドレスベルト(支持体)(3)と、エンドレスベルト(3)の流延面(キャスト面=ベルトの上部移行部)に光学フィルムの原料溶液であるドープ(樹脂溶液)を流延するダイ(4)と、流延によってエンドレスベルト(3)上に形成されたドープ膜(ウェブ)(W)をエンドレスベルト(3)から剥離させる剥離ロール(5)と、剥離ロール(5)によって剥離した光学フィルム(F)を移送ロール(6)により移送して乾燥し、乾燥後の光学フィルム(F)を巻き取る巻取手段(図示略)とを具備している。
【0020】
本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法により光学フィルムの原料樹脂溶液(ドープ)を流延ダイ(4)よりエンドレスベルト(3)上に流延し、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)を覆いかつ流延方向に伸びる防風板(10)を設置するものである。
【0021】
なお、後述する実施例に示すように、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、流延後のウェブ(ドープ膜)(W)を覆いかつ流延方向に伸びる防風板(10)を設置することにより、乾燥フィルム(F)の平面性を阻害するスジ状の膜厚ムラの発生が見られず、光学フィルム(F)の平面性が良好であるという結果が得られている。
【0022】
また防風板(10)は、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)からの距離(b)が、300mm以内に設置するものである。
【0023】
そして、この実施形態では、エンドレスベルト(3)の上部移行部の上方近くに、防風板(10)に続いて熱風乾燥手段(13)が設けられるとともに、同エンドレスベルト(3)の下部移行部の下方近くに、熱風乾燥手段(13)が設けられている。
【0024】
エンドレスベルト(3)上に形成されたウェブ(W)に対しては、ドープの流延後、熱風乾燥手段(13)から乾燥風を吹き付けて、乾燥を行なっている。
【0025】
従来は、流延直後の表面強度が不充分なウェブ(W)に乾燥風が衝突することによって、ウェブ(W)にスジ状の膜厚ムラが発生して、乾燥後の光学フィルム(F)の平面性を劣化させていたが、本発明の方法によれば、上記の防風板(10)を設置することにより、ウェブ(W)に生じるスジ状の膜厚ムラを大幅に低減することができ、乾燥後の光学フィルム(F)にスジ状の膜厚ムラを発生させることなく、その平面性を改善することができるものである。そして、この場合、防風板(10)が、ドープの流延後、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、設置されていると、その効果を発揮するが、これより下流側に防風板(10)が設置されると、流延直後の表面強度の不充分な変形しやすいウェブ(W)に乾燥風が衝突してしまうため、膜厚ムラ発生防止の効果がない。
【0026】
また、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)面からの防風板(10)の設置距離(b)が300mmを越えると、ウェブ(W)と防風板(10)の間に風が侵入するため、膜厚ムラ発生防止の効果がない。
【0027】
さらに、図2を参照すると、本発明による光学フィルムの製造方法では、防風板(10)の左右両側縁部に、エンドレスベルト(3)側に伸びる防風用サイド板(11)(12)を設け、該防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)を1〜10mmとするものである。このような防風用サイド板(11)(12)の設置により、防風板(10)の左右両側縁部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙から風が侵入するのを阻止することができて、流延直後のウェブ(W)に生じるスジ状の膜厚ムラを、さらに低減し得るものである。
【0028】
ここで、防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)が1mm未満であれば、エンドレスベルト(3)の稼動中に防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面とが接触するおそれがあるので、好ましくない。また、防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)が10mmを越えると、この間隙から風が侵入して、流延直後の表面強度が不充分なウェブ(W)に風が衝突することによって、ウェブ(W)にスジ状の膜厚ムラが発生し、乾燥後の光学フィルム(F)の平面性を劣化させるため、好ましくない。
【0029】
つぎに、本発明の光学フィルムの製造方法において対象となるセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。セルローストリアセテートの場合は、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルローストリアセテートが好ましく、結合酢酸量が58〜62.5%のセルローストリアセテートはベース強度が強く、より好ましい。セルローストリアセテートは綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。
【0030】
このセルロースエステルを溶解する溶剤(溶媒)としては、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましい。
【0031】
ここで、本発明の方法において用いる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースエステルの結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60%では貧溶剤となってしまう。
【0032】
セルロースエステルの溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの低級アルコール類、シクロヘキサン、ジオキサン類、メチレンクロライドのような低級脂肪族塩化炭化水素類などを用いることができる。
【0033】
ドープを調製する時のセルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法があげられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、「ゲル」や「ママコ」と呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
【0034】
溶剤比率としては、例えばメチレンクロライド70〜95重量%、その他の溶剤は5〜30重量%が好ましい。またセルロースエステルの濃度は10〜50重量%が好ましい。溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に設定するのが好適である。また、圧力は設定温度において、溶剤が沸騰しないように定められる。
【0035】
溶解後、ドープは冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。
【0036】
光学フィルム中に、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、加工安定剤、及びマット剤などを含有させることにより、光学フィルムに起因する液晶画像表示装置の性能を向上させることができる。
【0037】
これらの可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
【0038】
本発明で用いる可塑剤としては、特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート(TPP)、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好ましい。上記の可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。これらの可塑剤を含有することにより、寸法安定性、耐水性に優れた光学フィルムが得られるため、特に好ましい。
【0039】
本発明において、吸水率ならびに水分率を特定の範囲内にするために、好ましい可塑剤の添加量は、セルロースエステルに対して1〜15重量%である。液晶画像表示部材用としては、寸法安定性の観点から5〜15重量%がさらに好ましく、特に好ましくは、7〜12重量%である。また、セルロースエステルに対して凝固点が20℃以下の可塑剤の含有量は1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは、3〜7重量%である。
【0040】
本発明による光学フィルムの製造方法において、好ましく用いられる紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたもので、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶画像表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。
【0041】
一般に用いられるものとしては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられるが、これらに限定されない。
【0042】
また本発明による光学フィルムの製造方法において、光学フィルムに滑り性の向上、巻取り後のブロッキング防止等の目的でマット剤として加える微粒子は、主ドープに添加してもよいが、添加液に加えるのが生産性の上からは好ましい。
【0043】
本発明に用いられる微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。その中でも、微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。これらの例としては、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されているものがあり、使用することができる。さらに、二酸化ケイ素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化ケイ素微粒子であることが好ましい。これらを満足する二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジル200V、アエロジルR972Vがあり、フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
【0044】
本発明において、上記微粒子はセルロースエステルに対して、0.04〜0.4重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%である。
【0045】
流延工程におけるエンドレスベルト(3)の表面温度は、一般的な温度範囲、すなわち5℃〜溶剤の沸点未満の温度範囲で、流延することができるが、例えば10〜30℃のエンドレスベルト(3)上に流延する方が、乾燥効率上およびドープの発泡を防止する上で、好ましい。
【0046】
また、ウェブを剥離する際のエンドレスベルト(3)の温度を5〜20℃、さらに好ましくは5〜15℃にすることで、フィルムとエンドレスベルト(3)との密着力を低減できるので、好ましい。
【0047】
製造時の光学フィルムが良好な平面性を示すためには、エンドレスベルト(3)から剥離する際の残留溶媒量は、10〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは、20〜80重量%であり、特に好ましくは20〜40重量%である。
【0048】
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
【0049】
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
【0050】
エンドレスベルト(3)とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常20〜25kg/mで剥離が行なわれるが、従来よりも薄膜化されている本発明の製造方法による光学フィルムは、剥離の際にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜17kg/mで剥離することが好ましく、さらに好ましくは、最低張力〜14kg/mで剥離することである。
【0051】
フィルムの乾燥工程においてはエンドレスベルト(3)より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下であることが、寸法安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式または、クリップテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
【0052】
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点で熱風で行なうのが好ましい。乾燥温度は40℃〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80℃〜140℃の範囲で行なうことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0053】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造に係わる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
【0054】
本発明によるセルロースエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、LCDに使用される液晶画像表示素子すなわち偏光板用の保護フィルムに用いられることから、通常、100μm以下であることが好ましく、中でも、厚み50μm以下のセルロースエステルフィルムが好ましい。その理由は、厚み50μm以下のセルロースエステルフィルムは、例えば偏光板用保護フィルムとして用いられる際に、より品質に対して厳しい性能が求められるためである。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
実施例1
(ドープの調製)
セルローストリアセテートのドープを、以下のように調製した。
【0057】
セルローストリアセテート(TAC) 100質量部
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール 2質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
これらを密閉容器に投入し、加熱し、攪拌しながら完全に溶解させた。
【0058】
(光学フィルムの作製)
図1と図2に示す製造装置により、上記セルローストリアセテート組成物のドープを用いて、液晶画像表示装置(LCD)の偏光板用保護フィルムに用いるセルローストリアセテートフィルムを溶液流延製膜法により作成した。
【0059】
同図を参照すると、上記のように調整した光学フィルムの原料溶液であるドープを流延ダイ(4)から、表面温度が15℃に調整されたステンレス鋼製エンドレスベルト(3)上に流延し、エンドレスベルト(3)上にドープ膜(ウェブ)(W)を形成した。ドープの流延後、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)に対し、熱風乾燥手段(13)から40℃の乾燥風の吹付けを行なって、溶剤の一部をエンドレスベルト(3)上で除去し、乾燥させた。エンドレスベルト(3)の稼動によるドープの流延スピードを80m/minとした。
【0060】
この実施例では、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、かつエンドレスベルト(3)上のウェブ(W)からの距離(b)が50mmとなる位置に、流延後のウェブ(ドープ膜)(W)を覆いかつ流延方向に伸びる防風板(10)を設置した。
【0061】
そして、エンドレスベルト(3)上でウェブ(W)を残留溶媒量が95重量%になるまで乾燥させた後、剥離ローラ(5)によりセルローストリアセテートのウェブ(W)を剥離した。
【0062】
ついで、剥離後のセルローストリアセテートフィルム(F)を、乾燥ゾーンに導くとともに、テンターを用いて、フィルム(F)を幅手方向に引っ張り、巻取りロール(図示略)に巻き取った。こうして得られた光学フィルム(F)の最終的な残留溶媒量は、0.01重量%であった。また光学フィルム(F)の乾燥膜厚は40μmであった。
【0063】
実施例2
上記実施例1の場合と同様にしてセルローストリアセテートフィルムを製造するが、防風板(10)の左右両側縁部に、エンドレスベルト(3)側に伸びる防風用サイド板(11)(12)を設けるとともに、該防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)を5mmとした以外は、実施例1の場合と同様にしてセルローストリアセテートフィルムを得た。
【0064】
(フィルムの平面性の評価)
上記実施例1及び2の各セルローストリアセテートフィルム(F)について、その膜厚を5mm間隔で幅手方向に測定し、各フィルム(F)に、スジ状の膜厚ムラが生じているか、どうかを目視により評価した。
【0065】
なお、フィルム(F)の膜厚の測定は、東京精密株式会社製の膜厚測定器DH−150を使用して行なった。
【0066】
得られた結果を、表1にまとめて示した。なお、表1中のフィルム(F)の膜厚ムラは、フィルムの最大膜厚−フィルムの最小膜厚の数値を示している。
【0067】
【表1】
【0068】
比較例1
比較のために、上記実施例1の場合と同様にして、光学フィルムを製造するが、ドープ流延後のエンドレスベルト(3)の上方に防風板を全く設置しなかった。
【0069】
比較例2
また比較のために、上記実施例1の場合とほゞ同様にして、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、防風板(10)を設置し、光学フィルムを製造するが、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)からの距離(b)が、本発明の範囲外である310mmとなる位置に防風板(10)を設置した。なお、防風板(10)の左右両側縁部には防風用サイド板(11)(12)を設けなかった。
【0070】
つぎに、比較例1と2の各セルローストリアセテートフィルムについて、上記実施例1および2の場合と同様にして、スジ状の膜厚ムラが生じているか、どうかを目視により評価し、得られた結果を表1にあわせて示した。
【0071】
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1と2のセルローストリアセテートフィルム(F)によれば、膜厚ムラが非常に小さいものであり、乾燥フィルム(F)の平面性を阻害するスジ状の膜厚ムラの発生が見られず、光学フィルム(F)の平面性が良好であり、偏光板の保護フィルムに適した光学フィルムとしての品質が改善されていることが判る。
【0072】
これに対し、比較例1では、ドープ流延後のエンドレスベルト(3)の上方に防風板を全く設置していないため、乾燥風の吹き付けにより、表面強度が不充分なウェブ表面を風で荒らすことになり、ウェブにスジ状の膜厚ムラが発生して、乾燥後のフィルムにスジ状の膜厚ムラが目立つものであった。このため、セルローストリアセテートフィルムの平面性が劣化して、光学フィルムとしての品質が劣るものであった。
【0073】
また、比較例2では、ドープ流延後のエンドレスベルト(3)の上方に防風板を設置しているが、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)からの距離(b)が、本発明の範囲外である310mmとなる位置に防風板(10)を設置しているため、防風板(10)の左右両側縁部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙から風が侵入して、表面強度が不充分なウェブの表面が風で荒らされるため、乾燥後のフィルムにスジ状の膜厚ムラが観察され、やはり光学フィルムとしての品質が劣るものであった。
【0074】
【発明の効果】
本発明の請求項1による光学フィルムの製造方法の発明は、上述のように、溶液流延製膜法により光学フィルムの原料樹脂溶液(ドープ)を流延ダイ(4)よりエンドレスベルト(3)上に流延する光学フィルムの製造方法であって、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)を覆いかつ流延方向に伸びる防風板(10)を設置するとともに、ウェブ(W)から防風板(10)までの距離(b)が300mm以内であり、また防風板(10)の両側縁部にエンドレスベルト(3)側に伸びる防風用サイド板(11)(12)を設け、該防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)を1〜10mmとし、さらにエンドレスベルト(3)の上方近くに、防風板(10)に続いて熱風乾燥手段(13)を設けるものである。
【0075】
エンドレスベルト(3)上に形成されたウェブ(W)に対しては、ドープの流延後、熱風乾燥手段(13)から乾燥風を吹き付けて、乾燥を行なっており、従来は、流延直後の表面強度が不充分なウェブ(W)に乾燥風が衝突することによって、ウェブ(W)にスジ状の膜厚ムラが発生して、乾燥後の光学フィルム(F)の平面性を劣化させていたが、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、上記の防風板(10)を設置することにより、ドープの流延スピードが速い場合であっても、乾燥フィルムの平面性を阻害するスジ状の膜厚ムラの発生を抑えることができて、平面性の良好な偏光板の保護フィルムに適した品質の良い光学フィルムを製造することができ、光学フィルムの生産性を大幅に向上し得るものである。そして、この場合、防風板(10)が、ドープの流延後、流延ダイ(4)から防風板(10)の下流側端部までの距離(a)が800〜1000mmまでの間のエンドレスベルト(3)の上方にあるように、設置されていると、その効果を発揮するが、これより下流側に防風板(10)が設置されると、流延直後の表面強度の不充分な変形しやすいウェブ(W)に乾燥風が衝突してしまうため、膜厚ムラ発生防止の効果がない。
【0076】
また、エンドレスベルト(3)上のウェブ(W)面からの防風板(10)の設置距離(b)が300mmを越えると、ウェブ(W)と防風板(10)の間に風が侵入するため、膜厚ムラ発生防止の効果がない。
【0077】
さらに、本発明による光学フィルムの製造方法では、防風板(10)の左右両側縁部に、エンドレスベルト(3)側に伸びる防風用サイド板(11)(12)を設け、該防風用サイド板(11)(12)の先端部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙(c)を1〜10mmとするものである。このような防風用サイド板(11)(12)の設置により、防風板(10)の左右両側縁部とエンドレスベルト(3)表面との間の間隙から風が侵入するのを阻止することができて、流延直後のウェブ(W)に生じるスジ状の膜厚ムラを、さらに低減し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置の一例を示す概略部分側面図である。
【図2】 図1のAーA線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
3:ステンレス鋼製エンドレスベルト
4:流延ダイ
5:剥離ロール
10:防風板
11:防風用サイド板
12:防風用サイド板
13:熱風乾燥手段
F:光学フィルム
W:ウェブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an optical film used for optical applications, and particularly to a protective film for a polarizing plate, a retardation film, a viewing angle widening film and a plasma display used for a liquid crystal image display (LCD). The present invention relates to a method for producing an optical film that can be used for an antireflection film to be used or various functional films such as various functional films used in an organic EL display or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a liquid crystal image display device (LCD) can be directly connected to an IC circuit with low voltage and low power consumption, and can be thinned, so that it is widely used as a display device for a word processor, a personal computer or the like. Yes. By the way, the basic structure of this LCD is one in which polarizing plates are provided on both sides of a liquid crystal cell. Since the polarizing plate allows only light with a polarization plane in a certain direction to pass, it plays an important role in visualizing changes in the orientation of the liquid crystal due to the electric field in the LCD, and the performance of the polarizing plate greatly depends on the performance of the polarizing plate. The A polarizing plate consists of a polarizer and a protective film laminated on both sides of the polarizer. A cellulose ester film is widely used as a protective film for such a polarizing plate.
[0003]
An important characteristic of a cellulose ester film used as a protective film for such a polarizing plate is the flatness of the film surface.
[0004]
For example, a cellulose triacetate film as an optical film is generally produced by a solution casting film forming method. This cellulose triacetate film is produced by first dissolving cellulose triacetate in a mixed solvent obtained by adding a good solvent for cellulose triacetate such as methylene chloride and a poor solvent for cellulose triacetate such as methanol, ethanol, butanol or cyclohexane. A cellulose triacetate solution (hereinafter also referred to as a dope) is prepared by adding a plasticizer or an ultraviolet absorber to the endless metal support (for example, a belt) having a mirror-finished surface. Alternatively, the film is uniformly cast from a casting die onto a drum (hereinafter also referred to as a support), the solvent is evaporated on the support, and the dope film (hereinafter also referred to as a web) is solidified, and then peeled off with a peeling roll. This is transferred by a transfer roll and further dried. Or dried through a tenter, thereby obtaining a cellulose triacetate film.
[0005]
In the method for producing an optical film by the above solution casting method, the web on the support is dried by blowing dry air after casting, and the film after peeling is passed through a drying device or a tenter. It is dried.
[0006]
In recent years, as liquid crystal image display devices (LCD) are used in various places, higher productivity (increase in production volume) is also demanded for liquid crystal image display elements, that is, polarizing plates used in LCDs. Yes. In addition, liquid crystal image display devices (LCDs) are becoming thinner, and there is a demand for thinner polarizing plates used in LCDs.
[0007]
Currently, the above cellulose triacetate (TAC) film is mainly used as the protective film for the polarizing plate of the LCD. However, as the productivity of the polarizing plate increases, the cellulose for the LCD is used. In manufacturing a triacetate film by a solution casting method, various techniques have been used to improve casting speed. For example, as a method of accelerating the solidification of the dope film on the support, the dope film is solidified after casting by containing a poor solvent in the dope, or the multi-layer casting method in which the casting is divided from a plurality of casting dies. Alternatively, there are those that solidify with a surface temperature of the support of 10 ° C. or lower.
[0008]
And in these methods, in any case, after the dope is cast on the web formed on the support, the drying air is blown to dry the web. According to the above method, The web can be peeled from the support with a relatively high solvent content, and after peeling, the web containing a large amount of solvent can be dried from both sides, so that the drying efficiency is further improved and the time required for film formation is greatly increased. Can be shortened.
[0009]
However, in these methods, by blowing the dry air after casting the dope, the surface of the web formed on the support with insufficient surface strength is roughened with the dry air. Occurs, the flatness of the film after drying is deteriorated, and the quality of the cellulose triacetate film is lowered.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-11-123732
The present applicant has previously proposed an invention of a method capable of producing a cellulose triacetate film having good flatness and mechanical properties by controlling the drying history (heat history).
[0011]
In the method according to the previous proposal, in producing a cellulose triacetate film by a solution casting film forming method using a dope having a solvent content of 300% by weight or more with respect to a dry web, the web is formed on a support of a casting part. Alternatively, the solvent content is decreased at a rate of 300% by weight or less per minute in the drying region of the drying part after peeling.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, according to the invention of the method for producing a cellulose ester film described in Patent Document 1, when the casting speed is high with a thin film, there is a problem that a sufficient effect cannot be exhibited.
[0013]
Thus, the conventional method for producing a cellulose ester film has a problem that the flatness of the film and the casting speed of the dope cannot be satisfied at the same time.
[0014]
As a result of intensive studies in view of the above points, the inventor of the present invention has a stripe-like film thickness that impairs the flatness of the dry film when the dry air collides with the web on the support immediately after the dope is cast. Although unevenness occurs, by installing a windproof plate that covers the web above the support, the occurrence of streaky film thickness unevenness can be suppressed and the flatness of the optical film can be improved. The present inventors have found what can be done and have completed the present invention.
[0015]
The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art, and in the method of producing an optical film by a solution casting film forming method, even if the dope casting speed is high, the planarity of the dry film is improved. It is possible to suppress the occurrence of streak-like film thickness unevenness, and to produce a high-quality optical film suitable for a protective film for a polarizing plate with good flatness, greatly increasing the productivity of the optical film. An object of the present invention is to provide a method for producing an optical film that can be improved.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an optical film manufacturing method according to claim 1 of the present invention is a solution casting film forming method in which a raw resin solution (dope) of an optical film is placed on an endless belt from a casting die. A method for producing an optical film for casting, from a casting dieTo the downstream end of the windshieldAbove the endless belt with a distance of between 800 and 1000 mmAs there isThe windbreak plate that covers the web on the endless belt and extends in the casting direction is installed, the distance from the web to the windbreak plate is within 300 mm, and the windproof side extends to the endless belt side on both sides of the windbreak plate A plate is provided, the gap between the tip of the windproof side plate and the endless belt surface is set to 1 to 10 mm, and further, a hot air drying means is provided near the upper end of the endless belt, following the windproof plate. .
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0018]
FIG. 1 is a partial side view showing an example of an apparatus for producing an optical film of the present invention, and FIG. 2 shows a partially enlarged sectional view taken along line 1A-A in FIG.
[0019]
Referring to FIG. 1 and FIG. 2, an apparatus used in a method for producing an optical film having a film thickness of 20 to 100 μm by a solution casting film forming method is made of a rotating metal wound around a pair of front and rear drums (1) and (2). An endless belt (support) (3) and a die (4) for casting a dope (resin solution) that is a raw material solution of an optical film on the casting surface (cast surface = upper transition portion of the belt) of the endless belt (3) ), A peeling roll (5) for peeling the dope film (web) (W) formed on the endless belt (3) by casting from the endless belt (3), and an optical film peeled by the peeling roll (5) (F) is transferred by a transfer roll (6) and dried, and winding means (not shown) for winding the dried optical film (F) is provided.
[0020]
The method for producing an optical film according to the present invention involves casting a raw resin solution (dope) of an optical film on an endless belt (3) from a casting die (4) by a solution casting film forming method. From)To the downstream end of the windbreak plate (10)Distance (a) is800 ~1000mmUntilAbove the endless belt (3)As there isA windbreak plate (10) is provided which covers the web (W) on the endless belt (3) and extends in the casting direction.
[0021]
In addition, as shown in the Example mentioned later, from casting die (4)To the downstream end of the windbreak plate (10)Distance (a) is 800~ 1000above the endless belt (3) up to mmAs there isBy installing a windproof plate (10) that covers the web (dope film) (W) after casting and extends in the casting direction, the unevenness of the stripe-like film thickness that hinders the flatness of the dry film (F) Generation | occurrence | production is not seen but the result that the planarity of an optical film (F) is favorable is obtained.
[0022]
Further, the windbreak plate (10) is installed with a distance (b) from the web (W) on the endless belt (3) within 300 mm.
[0023]
In this embodiment, the hot air drying means (13) is provided next to the windbreak plate (10) near the upper transition portion of the endless belt (3), and the lower transition portion of the endless belt (3). The hot air drying means (13) is provided near the lower side of the.
[0024]
The web (W) formed on the endless belt (3) is dried by blowing dry air from the hot air drying means (13) after casting the dope.
[0025]
Conventionally, when the drying air collides with the web (W) having insufficient surface strength immediately after casting, streaky film thickness unevenness occurs on the web (W), and the optical film (F) after drying However, according to the method of the present invention, by installing the windproof plate (10), it is possible to significantly reduce the stripe-like film thickness unevenness generated in the web (W). The planarity of the optical film (F) after drying can be improved without causing streaky film thickness unevenness. In this case, the windbreak plate (10) is cast from the casting die (4) after casting the dope.To the downstream end of the windbreak plate (10)Above the endless belt (3) with a distance (a) between 800 and 1000 mmAs there isIf installed, the windproof plate (10) is installed on the downstream side of this, and when the windproof plate (10) is installed on the downstream side, the dry wind is applied to the easily deformable web (W) immediately after casting. Will not be effective in preventing film thickness unevenness.
[0026]
When the installation distance (b) of the windbreak plate (10) from the web (W) surface on the endless belt (3) exceeds 300 mm, the wind enters between the web (W) and the windbreak plate (10). Therefore, there is no effect of preventing the occurrence of film thickness unevenness.
[0027]
Further, referring to FIG. 2, in the method for producing an optical film according to the present invention, windproof side plates (11) and (12) extending toward the endless belt (3) are provided on both left and right edges of the windbreak plate (10). The gap (c) between the tip of the windproof side plates (11) and (12) and the surface of the endless belt (3) is 1 to 10 mm. By installing such windproof side plates (11) and (12), it is possible to prevent wind from entering from the gap between the left and right side edges of the windproof plate (10) and the surface of the endless belt (3). It is possible to further reduce the stripe-shaped film thickness unevenness generated in the web (W) immediately after casting.
[0028]
Here, if the gap (c) between the front end portions of the windproof side plates (11) and (12) and the surface of the endless belt (3) is less than 1 mm, the windproof side during the operation of the endless belt (3). Since there exists a possibility that the front-end | tip part of board (11) (12) and an endless belt (3) surface may contact, it is not preferable. Further, when the gap (c) between the front end portions of the windproof side plates (11) and (12) and the surface of the endless belt (3) exceeds 10 mm, the wind enters from the gap and the surface immediately after casting. Since the wind collides with the web (W) with insufficient strength, streaky film thickness unevenness occurs on the web (W), and the flatness of the optical film (F) after drying is deteriorated. .
[0029]
Next, cellulose triacetate, cellulose diacetate, cellulose acetate butyrate, cellulose acetate propionate, and the like can be given as examples of the cellulose ester in the method for producing an optical film of the present invention. In the case of cellulose triacetate, cellulose triacetate having a polymerization degree of 250 to 400 and a bound acetic acid amount of 54 to 62.5% is particularly preferable, and a cellulose triacetate having a bound acetic acid amount of 58 to 62.5% has a strong base strength and is more preferable. . As the cellulose triacetate, either cellulose triacetate synthesized from cotton linter or cellulose triacetate synthesized from wood pulp can be used alone or in combination.
[0030]
The solvent (solvent) for dissolving the cellulose ester may be used alone or in combination, but it is preferable to use a mixture of a good solvent and a poor solvent in terms of production efficiency.
[0031]
Here, the good solvent and the poor solvent used in the method of the present invention define a good solvent that dissolves the cellulose ester used alone, and a poor solvent that swells or does not dissolve alone. Therefore, depending on the amount of acetic acid bonded to the cellulose ester, the good solvent and the poor solvent change. For example, when acetone is used as the solvent, the amount of the acetic acid bonded to the cellulose ester is 55% and the amount of the acetic acid is 60%. turn into.
[0032]
Examples of the cellulose ester solvent include lower alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, and n-butyl alcohol, lower aliphatic chlorinated hydrocarbons such as cyclohexane, dioxane, and methylene chloride. Can be used.
[0033]
As a method for dissolving the cellulose ester at the time of preparing the dope, a general method can be used. As a preferable method, the cellulose ester is mixed with a poor solvent, wetted or swollen, and further mixed with a good solvent. There are methods. At this time, under pressure, the method of heating at a temperature above the boiling point of the solvent at a room temperature and in a range where the solvent does not boil, and dissolving with stirring, generates the generation of massive undissolved substances called "gel" and "Mamako". In order to prevent, it is more preferable.
[0034]
As the solvent ratio, for example, methylene chloride is preferably 70 to 95% by weight, and other solvents are preferably 5 to 30% by weight. The cellulose ester concentration is preferably 10 to 50% by weight. The heating temperature with the addition of the solvent is preferably a temperature not lower than the boiling point of the solvent used and in a range where the solvent does not boil, for example, preferably 60 ° C. or higher and 80 to 110 ° C. The pressure is determined so that the solvent does not boil at the set temperature.
[0035]
After dissolution, the dope is taken out from the container while being cooled, or extracted from the container with a pump or the like and cooled with a heat exchanger or the like, and used for film formation.
[0036]
By including an ultraviolet absorber, a plasticizer, an antioxidant, a processing stabilizer, a matting agent, and the like in the optical film, the performance of the liquid crystal image display device resulting from the optical film can be improved.
[0037]
These additives such as plasticizers and ultraviolet absorbers may be mixed with a solvent in advance and dissolved or dispersed, and then added to the solvent before dissolving the cellulose ester, or may be added to the dope after dissolving the cellulose ester. .
[0038]
Although it does not specifically limit as a plasticizer used by this invention, In a phosphate ester type | system | group, a triphenyl phosphate (TPP), a biphenyl diphenyl phosphate (BDP), a tricresyl phosphate, a cresyl diphenyl phosphate, an octyl diphenyl phosphate, a trioctyl Phosphate, tributyl phosphate, etc., phthalate esters, diethyl phthalate, dimethoxyethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, dibutyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, etc., glycolate esters, triacetin, tributyrin, butyl phthalyl butyl Glycolate, ethyl phthalyl ethyl glycolate (EPEG), methyl phthalyl ethyl glycolate, butyl phthalyl butyl glycolate, etc. Preferably alone or in combination. The above plasticizers may be used in combination of two or more as required. By containing these plasticizers, an optical film excellent in dimensional stability and water resistance can be obtained, which is particularly preferable.
[0039]
In this invention, in order to make a water absorption rate and a water content into a specific range, the addition amount of a preferable plasticizer is 1 to 15 weight% with respect to a cellulose ester. For a liquid crystal image display member, 5 to 15% by weight is more preferable from the viewpoint of dimensional stability, and particularly preferably 7 to 12% by weight. The content of the plasticizer having a freezing point of 20 ° C. or less with respect to the cellulose ester is preferably 1 to 10% by weight, and more preferably 3 to 7% by weight.
[0040]
In the method for producing an optical film according to the present invention, the ultraviolet absorber preferably used is highly transparent and has an excellent effect of preventing the deterioration of the polarizing plate and the liquid crystal element. From the point of view, it is preferable to use one having excellent absorption ability for ultraviolet rays having a wavelength of 370 nm or less and having as little absorption of visible light as possible with a wavelength of 400 nm or more from the viewpoint of good liquid crystal image display properties.
[0041]
Examples of commonly used compounds include, but are not limited to, oxybenzophenone compounds, benzotriazole compounds, salicylic acid ester compounds, benzophenone compounds, cyanoacrylate compounds, nickel complex compounds, and the like.
[0042]
In the method for producing an optical film according to the present invention, fine particles added as a matting agent for the purpose of improving slipperiness and preventing blocking after winding may be added to the main dope, but added to the additive solution. Is preferable from the viewpoint of productivity.
[0043]
As fine particles used in the present invention, examples of inorganic compounds include silicon dioxide, titanium dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, calcium carbonate, talc, clay, calcined kaolin, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, silicic acid. Mention may be made of aluminum, magnesium silicate and calcium phosphate. Zirconium oxide fine particles are commercially available, for example, under the trade names Aerosil R976 and R811 (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) and can be used. Among these, fine particles containing silicon are preferable in terms of low turbidity, and silicon dioxide is particularly preferable. Examples of these are those commercially available under the trade names Aerosil R972, R972V, R974, R812, 200, 200V, 300, R202, OX50, TT600 (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.). Can do. Furthermore, the silicon dioxide fine particles are preferably silicon dioxide fine particles having a primary average particle diameter of 20 nm or less and an apparent specific gravity of 70 g / liter or more. Examples of the silicon dioxide fine particles that satisfy these requirements include Aerosil 200V and Aerosil R972V, which are particularly preferable because they have a great effect of reducing the friction coefficient while keeping the turbidity of the film low.
[0044]
In the present invention, the fine particles are used by adding 0.04 to 0.4% by weight to the cellulose ester. Preferably, it is 0.05 to 0.3% by weight, more preferably 0.05 to 0.2% by weight.
[0045]
The surface temperature of the endless belt (3) in the casting step can be cast in a general temperature range, that is, a temperature range of 5 ° C. to less than the boiling point of the solvent. 3) Casting upward is preferable in terms of drying efficiency and prevention of foaming of the dope.
[0046]
Moreover, since the adhesive force of a film and an endless belt (3) can be reduced by making the temperature of the endless belt (3) at the time of peeling a web into 5-20 degreeC, More preferably, 5-15 degreeC, it is preferable. .
[0047]
In order for the optical film during production to exhibit good flatness, the amount of residual solvent when peeling from the endless belt (3) is preferably 10 to 100% by weight, more preferably 20 to 80% by weight. Particularly preferably, it is 20 to 40% by weight.
[0048]
Here, the residual solvent amount can be expressed by the following equation.
[0049]
Residual solvent amount (% by weight) = {(M−N) / N} × 100
Here, M is the weight of the web at any point in time, and N is the weight when a weight M is dried at 110 ° C. for 3 hours.
[0050]
The peeling tension is usually 20 to 25 kg / m when the endless belt (3) and the film are peeled, but the optical film according to the production method of the present invention, which is made thinner than the conventional one, is peeled off. It is preferable to peel at a minimum tension of 17 kg / m, more preferably at a minimum tension of 14 kg / m.
[0051]
In the film drying step, the film peeled from the endless belt (3) is further dried, and the residual solvent amount is 3% by weight or less, preferably 1% by weight or less, more preferably 0.5% by weight or less. It is preferable for obtaining a film having good dimensional stability. In the film drying process, generally, a roll suspension system, a pin tenter system, or a clip tenter system is used for drying while transporting the film.
[0052]
The means for drying the film is not particularly limited, and is generally performed with hot air, infrared rays, a heating roll, microwaves, or the like. It is preferable to carry out with hot air in terms of simplicity. The drying temperature is preferably in the range of 40 ° C. to 150 ° C. and divided into 3 to 5 stages, and it is preferable to increase the temperature step by step, more preferably in the range of 80 ° C. to 140 ° C. in order to improve dimensional stability. . These steps from casting to post-drying may be performed in an air atmosphere or an inert gas atmosphere such as nitrogen gas.
[0053]
The winder related to the production of the cellulose ester film of the present invention may be a commonly used winder such as a constant tension method, a constant torque method, a taper tension method, a program tension control method with a constant internal stress. It can be wound up by the method.
[0054]
Although the thickness of the cellulose ester film according to the present invention is not particularly limited, it is usually preferably 100 μm or less because it is used for a liquid crystal image display element used for an LCD, that is, a protective film for a polarizing plate. A cellulose ester film of 50 μm or less is preferred. The reason is that, when a cellulose ester film having a thickness of 50 μm or less is used, for example, as a protective film for a polarizing plate, more stringent performance is required for quality.The
[0055]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
[0056]
Example 1
(Preparation of dope)
A dope of cellulose triacetate was prepared as follows.
[0057]
Cellulose triacetate (TAC) 100 parts by mass
2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-t-butylphenyl)
2 parts by weight of benzotriazole
5 parts by weight of ethyl phthalyl ethyl glycolate
475 parts by mass of methylene chloride
50 parts by mass of ethanol
These were put into a sealed container, heated, and completely dissolved with stirring.
[0058]
(Production of optical film)
A cellulose triacetate film used for a protective film for a polarizing plate of a liquid crystal image display device (LCD) was prepared by a solution casting method using the above-described dope of the cellulose triacetate composition by the production apparatus shown in FIGS. .
[0059]
Referring to the figure, a dope, which is a raw material solution for an optical film adjusted as described above, is cast from a casting die (4) onto a stainless steel endless belt (3) whose surface temperature is adjusted to 15 ° C. A dope film (web) (W) was formed on the endless belt (3). After casting the dope, the web (W) on the endless belt (3) is sprayed with dry air at 40 ° C. from the hot air drying means (13) to remove a part of the solvent on the endless belt (3). And dried. The dope casting speed due to the operation of the endless belt (3) was 80 m / min.
[0060]
In this embodiment, from the casting die (4)To the downstream end of the windbreak plate (10)Above the endless belt (3) with a distance (a) of up to 800 mmAs inAnd a windbreak plate (10) covering the web (dope film) (W) after casting and extending in the casting direction at a position where the distance (b) from the web (W) on the endless belt (3) is 50 mm. ) Was installed.
[0061]
Then, after the web (W) was dried on the endless belt (3) until the residual solvent amount became 95% by weight, the cellulose triacetate web (W) was peeled off by the peeling roller (5).
[0062]
Next, the cellulose triacetate film (F) after peeling was guided to the drying zone, and the film (F) was pulled in the width direction using a tenter and wound on a winding roll (not shown). The final residual solvent amount of the optical film (F) thus obtained was 0.01% by weight. The dry film thickness of the optical film (F) was 40 μm.
[0063]
Example 2
A cellulose triacetate film is produced in the same manner as in Example 1, except that windproof side plates (11) and (12) extending toward the endless belt (3) are provided at the left and right edges of the windproof plate (10). In addition, a cellulose triacetate film was prepared in the same manner as in Example 1 except that the gap (c) between the tip of the windproof side plates (11) and (12) and the surface of the endless belt (3) was 5 mm. Got.
[0064]
(Evaluation of film flatness)
About each cellulose triacetate film (F) of the said Example 1 and 2, the film thickness is measured in a width direction at a 5-mm space | interval, and whether each film (F) has a stripe-shaped film thickness nonuniformity has arisen. Visual evaluation was made.
[0065]
The film thickness of the film (F) was measured using a film thickness meter DH-150 manufactured by Tokyo Seimitsu Co., Ltd.
[0066]
The results obtained are summarized in Table 1. In addition, the film thickness nonuniformity of the film (F) in Table 1 has shown the numerical value of the maximum film thickness-the minimum film thickness of a film.
[0067]
[Table 1]
[0068]
Comparative Example 1
For comparison, an optical film was produced in the same manner as in Example 1, but no windbreak plate was installed above the endless belt (3) after casting the dope.
[0069]
Comparative Example 2
For comparison, from the casting die (4) in the same manner as in Example 1 above.To the downstream end of the windbreak plate (10)Above the endless belt (3) with a distance (a) of up to 800 mmAs there isThe windbreak plate (10) is installed to produce an optical film, but the windbreak plate is located at a position where the distance (b) from the web (W) on the endless belt (3) is 310 mm which is outside the scope of the present invention. (10) was installed. The windproof side plates (11) and (12) were not provided on the left and right side edges of the windbreak plate (10).
[0070]
Next, for each of the cellulose triacetate films of Comparative Examples 1 and 2, in the same manner as in Examples 1 and 2 above, whether or not streak-like film thickness unevenness has occurred is visually evaluated and obtained. Is shown together with Table 1.
[0071]
As is clear from the results of Table 1 above, according to the cellulose triacetate films (F) of Examples 1 and 2 of the present invention, the film thickness unevenness is very small, and the flatness of the dry film (F) is improved. Generation | occurrence | production of the striped film thickness nonuniformity to inhibit is not seen, but the planarity of an optical film (F) is favorable, and it turns out that the quality as an optical film suitable for the protective film of a polarizing plate is improved.
[0072]
On the other hand, in Comparative Example 1, since no windproof plate is installed above the endless belt (3) after the dope casting, the web surface with insufficient surface strength is roughened by wind by blowing dry air. As a result, streaky film thickness unevenness occurred on the web, and streaky film thickness unevenness was conspicuous on the dried film. For this reason, the planarity of the cellulose triacetate film was deteriorated, and the quality as an optical film was inferior.
[0073]
Moreover, in Comparative Example 2, the windbreak plate is installed above the endless belt (3) after the dope casting, but the distance (b) from the web (W) on the endless belt (3) is the present invention. Since the windbreak plate (10) is installed at a position of 310 mm, which is outside the range, wind has entered from the gap between the left and right edges of the windbreak plate (10) and the endless belt (3) surface. Since the surface of the web with insufficient surface strength was roughened by wind, streaky film thickness unevenness was observed in the dried film, and the quality as an optical film was also inferior.
[0074]
【The invention's effect】
The invention of the optical film manufacturing method according to claim 1 of the present invention is that, as described above, the raw resin solution (dope) of the optical film is transferred from the casting die (4) to the endless belt (3) by the solution casting film forming method. A method for producing an optical film which is cast on, from a casting die (4)To the downstream end of the windbreak plate (10)Above the endless belt (3) with a distance (a) between 800 and 1000 mmAs there isThe windproof plate (10) covering the web (W) on the endless belt (3) and extending in the casting direction is installed, and the distance (b) from the web (W) to the windproof plate (10) is within 300 mm. Further, windproof side plates (11) and (12) extending toward the endless belt (3) are provided at both side edges of the windproof plate (10), and the end portions of the windproof side plates (11) and (12) are endless. A gap (c) between the surface of the belt (3) is set to 1 to 10 mm, and a hot air drying means (13) is provided next to the windproof plate (10) near the upper end of the endless belt (3).
[0075]
The web (W) formed on the endless belt (3) is dried by blowing dry air from the hot air drying means (13) after casting the dope. When the dry air collides with the web (W) having insufficient surface strength, streaky film thickness unevenness occurs on the web (W), and the flatness of the optical film (F) after drying is deteriorated. However, according to the method for producing an optical film of the present invention, by installing the windproof plate (10), the flatness of the dry film is hindered even when the dope casting speed is high. It is possible to suppress the occurrence of streaky film thickness unevenness, and to produce a high-quality optical film suitable for a protective film for a polarizing plate with good flatness, greatly improving the productivity of the optical film. To get. In this case, the windbreak plate (10) is cast from the casting die (4) after casting the dope.To the downstream end of the windbreak plate (10)Above the endless belt (3) with a distance (a) between 800 and 1000 mmAs there isIf installed, the windproof plate (10) is installed on the downstream side of this, and when the windproof plate (10) is installed on the downstream side, the dry wind is applied to the easily deformable web (W) immediately after casting. Will not be effective in preventing film thickness unevenness.
[0076]
When the installation distance (b) of the windbreak plate (10) from the web (W) surface on the endless belt (3) exceeds 300 mm, the wind enters between the web (W) and the windbreak plate (10). Therefore, there is no effect of preventing the occurrence of film thickness unevenness.
[0077]
Further, in the method for producing an optical film according to the present invention, windproof side plates (11) and (12) extending toward the endless belt (3) are provided on the left and right side edges of the windproof plate (10), and the windproof side plate is provided. (11) The gap (c) between the tip of (12) and the surface of the endless belt (3) is 1 to 10 mm. By installing such windproof side plates (11) and (12), it is possible to prevent wind from entering from the gap between the left and right side edges of the windproof plate (10) and the surface of the endless belt (3). This produces an effect that the stripe-shaped film thickness unevenness generated in the web (W) immediately after casting can be further reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic partial side view showing an example of an apparatus for carrying out the method for producing an optical film of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view taken along line AA in FIG.
[Explanation of symbols]
3: Stainless steel endless belt
4: Casting die
5: Peeling roll
10: Windproof plate
11: Side plate for windproof
12: Windproof side plate
13: Hot air drying means
F: Optical film
W: Web
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