JP4512077B2 - 刃先交換型切削チップ - Google Patents

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本発明は、切削工具に着脱自在に取り付けて被削材の切削加工に用いられる刃先交換型切削チップ(スローアウェイチップ)に関する。
従来より、切削工具に着脱自在に刃先交換型切削チップを取り付け、各種の被削材を切削加工することが行なわれてきた(特許文献1〜9)。このような刃先交換型切削チップは、基材とその上に形成された被覆層とによって構成され、基材の上面から下面に達する貫通孔にピンやビス等を挿入することにより切削工具に取り付けられる。
ところで、この刃先交換型切削チップを切削工具に取り付ける際に、該チップをバイトや敷板(敷金、シート、シム等と呼ばれることもある)に強く当てたり、ピンやビスを強く締めすぎたり、正規の取り付け位置からずれた位置に該チップを保持した状態でクランプを開始すると、チップが破損する場合があった。また、刃先交換型切削チップの外観が黒色等の視認性の悪い単一色で構成される場合、視認性が十分ではないことから照度が十分ではない切削現場等において切削工具に取り付けるのに時間がかかったり、作業台から誤って落下させたり、正規の取り付け位置からずれた位置に取り付けてしまったりするという問題があった。
特表2001−521991号公報 特開平08−277181号公報 特開2002−144108号公報 特開2004−122263号公報 特開2004−122264号公報 特開2004−216488号公報 特開2004−195595号公報 特開2001−347403号公報 特表平09−510507号公報
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、切削工具に取り付ける際にチップが破損する可能性が低減され、また照度が十分ではない切削現場等においても十分な視認性を兼ね備えた刃先交換型切削チップを提供することにある。
本発明の刃先交換型切削チップは、基材と、該基材上に形成された被覆層とを有するものであって、該基材は、上面から下面に達する貫通孔を有しており、該被覆層は、複数の層により構成されるものであって、該上面または該下面において該貫通孔の周囲を4mm以下の幅をもって取り囲む孔周辺領域と、それ以外の領域である外周領域とにおいて最外層の組成が異なっており、該孔周辺領域の最外層は、引張残留応力を有しており、該外周領域の最外層は、残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有していることを特徴とする。
また、孔周辺領域の最外層は、元素周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、Si、およびBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層であることが好ましく、TiまたはZrの少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層であることがより好ましい。
また、外周領域の最外層は、Al23を含む層であることが好ましい。さらに、上記孔周辺領域の最外層は、外周領域の最外層と異なった色彩を有することが好ましい。
本発明の刃先交換型切削チップは、上記の通りの構成を有することにより、切削工具に取り付ける際に該チップが破損する可能性が低くなり、かつ照度が十分ではない切削現場等においても十分な視認性を兼ね備えるものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
<刃先交換型切削チップ>
本発明の刃先交換型切削チップは、基材と該基材上に形成された被覆層とを有するものである。図1に示したように、このような刃先交換型切削チップ1は、基材の上面2から下面3に達する貫通孔4を有するものであるが、この上面2(および下面3)は、被削材を切削する際に切り屑と接触する側に位置し、すくい面と呼ばれる。また、この上面2と下面3とに交差する側面7は、切削加工時被削材自体と接触する側に位置することになり、これを逃げ面と呼ぶ。そして、すくい面と逃げ面とが交差する稜8に相当する部分が刃先稜線部と呼ばれ、切削に中心的に関与する部位となる。
なお、上記稜8に対しては、面取り加工を行なったり、アール(R)を有するように処理することができる。また、上面2(および下面3)には、チップブレーカと呼ばれる凹凸形状が形成されていても差し支えなく、また切削チップとしての形状はネガティブタイプのものであっても、ポジティブタイプのものであっても良い。
このような本発明の刃先交換型切削チップは、たとえばドリル加工用、エンドミル加工用、フライス加工用、旋削加工用、メタルソー加工用、歯切工具加工用、リーマ加工用、タップ加工用、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用等の用途に適用することが可能である。
なお、本発明で用いる上面、下面、貫通孔、側面、稜、すくい面、逃げ面および刃先稜線部という表現は、刃先交換型切削チップの表面部の各構成部分に対してのみ用いられるものではなく、基材に関する面や部分ならびに被覆層に対する相当部分に対しても用いられるものである。
<基材>
本発明の基材は、上面から下面に達する貫通孔を有するものである。本発明の刃先交換型切削チップは、この貫通孔にピンやビス等を挿入することにより切削工具(たとえば、バイト、カッター、ホルダなど)に取り付けられる。その取り付け方法としては、たとえばクランプオン式、レバーロック式、ピンロック式、ねじ止め式等が知られている。
このような貫通孔は、通常円形の断面(上面または下面に平行な断面)形状を有し上面の中央部に設けられるものであるが、これのみに限られるものではない。断面形状が円形の場合、その直径は刃先交換型切削チップ自体の大きさにもよるが概ね2mm〜8mm(たとえばチップ上面の内接円の直径の概ね35〜60%の長さに相当)である。また、貫通孔の高さ(深さ)は刃先交換型切削チップの厚みと等しくなる。なお、上記直径は上面から下面にかけて一定であっても良いし、異なっていても良い。
このような基材を構成する素材としては、刃先交換型切削チップの基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coおよび/またはNiを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb、Zr、Hf、Cr、V等の炭化物、窒化物、炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、または窒化硅素焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やε相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被覆層>
本発明の被覆層は、基材上に形成されるものであり、靭性や耐摩耗性等の特性を向上させ、刃先交換型切削チップの耐久性(寿命)を向上させる作用等を目的として形成されるものである。なお、このような被覆層は、基材上に形成されるものであるが、その基材に設けられている貫通孔の壁面に対しては形成されていても良いし、形成されていなくても良い。すなわち、本発明の被覆層は、基材の全面を覆うようにして形成されることが好ましいが、貫通孔の壁面やその他の部分において基材上に被覆層が形成されていない部分が含まれていても本発明の範囲を逸脱するものではない。
そして、本発明の被覆層は、複数の層により構成されるものであり、積層された各層のうち最上層(すなわち表面を構成する層)を最外層と表現するものとする。このような被覆層11は、たとえば図2、図3に示されるように、上面2または下面3において貫通孔4の周囲を4mm以下の幅をもって取り囲む孔周辺領域5と、それ以外の領域である外周領域6とにおいて最外層の組成および残留応力が異なることを特徴としている。すなわち、本発明の被覆層11は、孔周辺領域5と外周領域6とにおいて積層状態が異なったものとなる。
なお、図2、図3においては、孔周辺領域5の最外層(この最外層を構成する層を便宜上第1最外層21と記すこともある)は、外周領域6において最外層となる層(この層を便宜上第2最外層22と記すこともある)の上に積層された状態で形成されているが、本発明の最外層の積層状態はこのような態様のみに限定されるものではない。しかし、本発明の刃先交換型切削チップは後述のような製造方法により製造されることが好ましいことを考慮すると、本発明の第1最外層21と第2最外層22とをこのような積層状態で形成することは最も好適な態様であるといえる。
また、本発明の被覆層11は、基材10と最外層(第2最外層)との間に下層23を形成することが好ましいが、最外層が直接基材上に形成されていても本発明の範囲を逸脱するものではない。
本発明の被覆層は、このような構成を有することにより、チップを切削工具(たとえばバイトやカッターなどのチップを保持する工具を含む)に取り付ける際に該チップが破損する可能性が低くなり、かつ照度が十分ではない切削現場等においても十分な視認性(刃先交換型切削チップ自体の識別性や貫通孔の識別性)を有するという優れた効果が示される。特に、孔周辺領域の最外層の残留応力を引張残留応力とし、外周領域の最外層を残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有している状態としてこれら両領域の残留応力を相違させたことにより、切削工具への取り付け時に発生するクラックが伝播することを有効に防止することができる。このため、大規模なクラックの発生が防止され、以ってチップ自体が破損することを未然に防止することができるものと考えられる。また、外周領域において残留応力が存在しないか好ましくは圧縮残留応力が存在すると切削時の刃先強度が向上するという効果も発揮される。
これに対して、上記両領域の残留応力を相違させるには上記とは逆の構成、すなわち孔周辺領域において残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有している状態とし、外周領域において引張残留応力を有する状態とすることも考えられるが、このような態様では切削加工時において十分な靭性を得ることができないため好ましくない。切削に関与するのは孔周辺領域ではなく外周領域であり、外周領域の靭性を高める必要があるからである。このように外周領域の最外層が残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有すると上記のような優れた効果が示されるとともに、刃先交換型切削チップの刃先強度の向上を達成することができる。
ここで残留応力とは、被覆層に存する内部応力(固有ひずみ)の一種であって、「−」(マイナス)の数値(単位:本発明では「GPa」を使う)で表わされる応力を圧縮残留応力といい、「+」(プラス)の数値(単位:本発明では「GPa」を使う)で表わされる応力を引張残留応力という。圧縮残留応力の場合、それが大きいという概念は、上記数値の絶対値が大きくなることを示し、またそれが小さいという概念は、上記数値の絶対値が小さくなることを示す。なお、単に残留応力という場合は、圧縮残留応力と引張残留応力との両者を含むものとし、よって残留応力を有していないとは圧縮残留応力も引張残留応力も存在しない状態(あるいは残留応力が測定限界以下の状態)をいうものとする。
上記残留応力は、いかなる方法を用いて測定しても良いが、たとえばX線応力測定装置を用いたsin2ψ法により測定することができる。そしてこのような残留応力は測定領域に含まれる任意の点1点、好ましくは3点、より好ましくは5点、さらに好ましくは10点(測定点が複数の場合は該領域の応力を代表できるように互いに0.1mm以上の距離を離して選択することが好ましい)の応力を該sin2ψ法により測定し、その平均値を求めることにより測定することができる。
このようなX線を用いたsin2ψ法は、多結晶材料の残留応力の測定方法として広く用いられているものであり、たとえば「X線応力測定法」(日本材料学会、1981年株式会社養賢堂発行)の54〜67頁に詳細に説明されている方法を用いれば良い。
また、上記残留応力は、ラマン分光法を用いた方法を利用することにより測定することも可能である。このようなラマン分光法は、狭い範囲、たとえばスポット径1μmといった局所的な測定ができるというメリットを有している。このようなラマン分光法を用いた残留応力の測定は、一般的なものであるがたとえば「薄膜の力学的特性評価技術」(サイぺック(現在リアライズ理工センターに社名変更)、1992年発行)の264〜271頁に記載の方法を採用することができる。
さらに、上記残留応力は、放射光を用いて測定することもできる。この場合、被覆層の厚み方向で残留応力の分布を求めることができるというメリットがある。
なお、このような被覆層は、0.01μm以上50μm以下の厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が30μm、さらに好ましくは20μm、その下限が0.1μm、さらに好ましくは1μmである。0.01μm未満では刃先交換型切削チップの耐久性を向上させる作用等を十分に示さない場合があり、50μmを超えても該作用に大差なく経済的に不利となる場合がある。
なお、このような被覆層は、後述のように化学的蒸着法(気相合成法)により形成されることが好ましいが、これのみに限られるものではない。
<孔周辺領域の最外層>
本発明の被覆層において孔周辺領域の最外層は、引張残留応力を有していることを要する。この引張残留応力は、1.0GPa以下の応力であることが好ましく、より好ましくは0.5GPa以下、さらに好ましくは0.3GPa以下の応力である。1.0GPaを超える引張残留応力を有すると、十分な靭性を得ることができない場合があり、また0.01GPa未満ではチップの破損の可能性を低下させる効果が低減する場合がある。
また、孔周辺領域の幅(貫通孔の周囲を取り囲むようにして孔周辺領域を構成する幅、すなわち貫通孔の周囲から外周領域との境界部までの距離)は4mm以下であり、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。4mmを超えるとチップの破損の可能性を低下させる効果が低減するとともに視認性(刃先交換型切削チップ自体の識別性や貫通孔の識別性)が低下する。一方、靭性を向上させるという観点からはこの幅は小さい方が好ましいが、0.1mm未満では視認性が不十分となる場合がある。
なお、孔周辺領域の幅は、該領域の全域に亘って必ずしも同一である必要はない。4mm以下の幅となる限り、部分的にその幅が0.1mm未満となったり、あるいは0mmとなる場合も含まれる。該領域の全域に亘ってその幅が同一でなくても、本発明の効果は示されるからである。なお、製造上の問題等から限られた範囲内においてたとえ4mmを超える幅の部分が含まれていても、本発明の効果を示す限り本発明の範囲を逸脱するものではない。
このような孔周辺領域の最外層は、後述の外周領域の最外層とは異なった組成を有する限り、その組成は特に限定されることはなく、従来公知の刃先交換型切削チップの被覆層として知られるいずれの組成であっても採用することができる。たとえばこのような孔周辺領域の最外層は、元素周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf等)、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W等)、Al、Si、およびBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層であることが好ましい。
上記化合物の具体例を挙げると、たとえばTiC、TiN、TiCN、TiCNO、TiB2、TiBN、TiBNO、TiCBN、Ti23、TiZrCN、ZrC、ZrO2、HfC、HfN、TiAlN、AlCrN、CrN、VN、TiSiN、TiSiCN、AlTiCrN、TiAlCN、Al23、ZrCN、ZrCNO、AlN、AlCN、ZrN、TiAlCなどを挙げることができる。これらの中でも特にTiまたはZrの少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層をこの最外層とすることが好ましい。TiまたはZrの少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物は金色等の色彩を有しており、黒色の色彩を有する場合が多い後述の外周領域の最外層との間で明瞭な色彩コントラストを発現することができ、良好な視認性を提供することができるためである。このように、孔周辺領域の最外層は外周領域の最外層と異なった色彩を有していることが特に好ましい。
なお、本発明において化合物を化学式で表わす場合、原子比を特に限定しない場合は従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるものではない。たとえば単に「TiCN」と記す場合、「Ti」と「C」と「N」の原子比は50:25:25の場合のみに限られず、また「TiN」と記す場合も「Ti」と「N」の原子比は50:50の場合のみに限られない。これらの原子比は従来公知のあらゆる原子比が含まれるものとする。
なお、孔周辺領域の最外層は、上記のような化合物により形成されるばかりではなく、元素周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、Si、およびBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のみによって構成することもできる。
なお、孔周辺領域の最外層は、0.01μm以上5μm以下の厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が3μm、さらに好ましくは1μm、その下限が0.05μm、さらに好ましくは0.1μmである。0.01μm未満では良好な視認性を示さない場合があり、5μmを超えても該作用に大差なく経済的に不利となる場合がある。
<外周領域の最外層>
本発明の被覆層において外周領域の最外層は、残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有していることを要する。特に、圧縮残留応力を有していることが好ましく、その絶対値が0.1GPa以上の応力であることが好ましい。より好ましくはその絶対値が0.2GPa以上、さらに好ましくは0.5GPa以上の応力である。この圧縮残留応力の絶対値が大きくなる程刃先交換型切削チップの靭性は向上するため、靭性向上の観点からは該絶対値は大きければ大きい程好ましいが、その絶対値が8GPaを超えるとこの最外層自体が剥離する場合があるため8GPaを超えないようにすることが好ましい。
ここで、外周領域とは、上面または下面における上記孔周辺領域以外の領域をいい、通常被削材の切削に関与するのはこの外周領域である。
このような外周領域の最外層は、上記の孔周辺領域の最外層と異なった組成を有する限り、その組成は特に限定されることはなく、従来公知の刃先交換型切削チップの被覆層として知られるいずれの組成であっても採用することができる。たとえば上記の孔周辺領域の最外層を構成する化合物として挙げられている化合物と同様の化合物により形成することができる。
しかし、このような外周領域の最外層は、Al23を含む層であることが特に好ましい。Al23は被削材に対する耐反応性に優れているため、この外周領域に被削材が溶着することもなく、以って被削材の加工面を鏡面のような良好な状態に仕上げることができるためである。また、Al23は黒色に近い外観を有するため、孔周辺領域の最外層との間で良好な色彩コントラストを容易に提供することができるというメリットも有している。
ここで、Al23を含む層とは、その層の一部として少なくともAl23を含んでいること(50質量%以上含まれていればAl23を含むものとみなす)を意味し、ZrO2、Y23(Al23にZrやYが添加されたとみることもできる)等を含むことができるとともに、塩素、炭素、ホウ素、窒素等を含んでいても良い。一方、Al23を含む層は、不可避不純物を除く組成の全てがAl23である場合も含まれる。なお、Al23は、その結晶構造は特に限定されず、たとえばα−Al23、κ−Al23、γ−Al23またはアモルファス状態のAl23が含まれるとともに、これらが混在した状態も含まれる。しかし、Al23としては、特にα−Al23が好ましい。耐摩耗性に特に優れているためである。
なお、このような外周領域の最外層は、0.1μm以上20μm以下の厚みを有することが好ましく、より好ましくはその上限が15μm、さらに好ましくは10μm、その下限が0.5μm、さらに好ましくは1μmである。0.1μm未満では良好な耐摩耗性を示さない場合があり、20μmを超えても該作用に大差なく経済的に不利となる場合がある。
<下層>
本発明の被覆層は、基材と最外層との間に下層を形成することが好ましい。これにより、基材と最外層との密着性をさらに向上させることができる。このような下層は、1以上の層により形成することができ、その組成は特に限定されない。たとえば、上記の孔周辺領域の最外層を構成する化合物と同様の化合物により形成することができる。そのような化合物としてはたとえば、TiN、TiCN、TiBN、TiBNO、TiC、ZrCN、TiZrCN等を挙げることができる。これらの化合物は、とりわけ外周領域の最外層としてAl23を含む層が形成されている場合に、この層と基材との密着性を好適に向上させることができるため好ましい。
なお、このような下層は、残留応力として圧縮残留応力を有していても良いし、引張残留応力を有していても良く、また残留応力を有していなくても良い。特に、外周領域に形成される下層は、靭性向上の観点から圧縮残留応力を有していることが好ましい。
<その他の構成>
本発明の被覆層の上記構成、特に孔周辺領域と外周領域の構成は、基材の上面または下面のいずれか一方の面において構成されていれば良いが、上面および下面の双方において構成されていても良い。
たとえば、本発明の刃先交換型切削チップの形状がポジティブ型チップ(すくい面と逃げ面とが鋭角をなして交差するもの)である場合は、上面のみがすくい面となるため上面のみにおいて上記構成が形成されていれば良いのに対して、ネガティブ型チップ(すくい面と逃げ面とが90°以上の角度をなして交差するもの)である場合は、上面と下面の双方がすくい面となり得るため、上面と下面の双方において上記構成とすることができる。なお、いずれの場合にせよ、貫通孔が形成されている面である限り、いずれか一方の面を上面とし、その他方の面を下面とすることは呼称上の便宜的なものであって、特に限定されるものではない。
なお、本発明の側面(逃げ面)における被覆層の構成は特に限定されず、いかなる構成であっても差し支えない。しかしながら、下記の製造方法により製造されることが好ましいことを考慮すると、たとえば図2に示したように側面7における被覆層の構成は、上記外周領域における被覆層の構成と同一のものとすることが好ましい。
<製造方法>
本発明の刃先交換型切削チップは、次のようにして製造することができる。すなわち、まず基材上に被覆層を化学的蒸着(CVD)法により形成する。この場合、図4に示したように、基材10の全面に対して下層23を形成し、その全面に対して第2最外層22を形成し、さらにその全面に対して第1最外層21を形成する。化学的蒸着法の条件としては特に限定なく従来公知の条件を採用することができる。ただし下層23は、少なくともその1層をMT−CVD(medium temperature CVD)法により形成することが好ましく、特にその方法により形成した耐摩耗性に優れるTiCN(炭窒化チタン)層を備えることが最適である。従来のCVD法は、約1020〜1030℃で成膜を行なうのに対して、MT−CVD法は約850〜950℃という比較的低温で行なうことができるため、成膜の際加熱による基材のダメージを低減することができるからである。したがって、MT−CVD法により形成した層は、基材に近接させて備えることがより好ましい。また、成膜の際に使用するガスは、ニトリル系のガス、特にアセトニトリル(CH3CN)を用いると量産性に優れて好ましい。
なお、上記のようなMT−CVD法により形成される層と、HT−CVD(high temperature CVD、上記でいう従来のCVD)法により形成される層とを積層させた複層構造のものとすることにより、これらの被覆層の層間の密着力が向上する場合があり、好ましい場合がある。また、このようにして被覆層を化学的蒸着法により形成すると、被覆層の各層は引張残留応力を有したものとなる。このため、孔周辺領域の最外層は、化学的蒸着法を用いて形成することにより特に他の処理方法を施すことなく引張残留応力を付与することができる。
なお、被覆層は、物理的蒸着法(イオンプレーティング法、スパッタリング法等)により形成することもできる。
次いで、上記のように全面に被覆層を形成した基材10に対して、図4に示したように貫通孔4の開口部を、たとえば治具20を用いてチャック(保持)する。この場合、治具20は、その一部(凸部25)が貫通孔4に挿入されるとともに凸部以外の部分(被覆層が形成された基材10に対面する部分)が孔周辺領域5を覆うようにしてチャックする(なお、図4は、凸部25が貫通孔4に挿入される前の状態を示している)。
換言すれば、この治具20の凸部25以外の部分により覆われた被覆層の部位が孔周辺領域5となり、以ってこの孔周辺領域5の幅は治具20の上記部分の大きさにより調整されるものとなる(なお、このように孔周辺領域5を覆うことができるものであれば、このような治具20に代えて他の手段を用いることも可能である)。
続けて、このように貫通孔4の開口部に治具20の凸部25を挿入した状態で、基材を回転させながら治具20により覆われていない部分の第1最外層21を除去する。これにより、治具20により覆われた孔周辺領域5には第1最外層21が残存するのに対して、それ以外の領域である外周領域では第2最外層が表面に露出した状態となり、以って孔周辺領域と外周領域とにおいて最外層の組成(すなわち積層状態)が異なった本発明の刃先交換型切削チップが得られる。すなわち、このようにして得られた刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の最外層が第1最外層で形成され、外周領域の最外層が第2最外層により形成されたものとなる。
なお、上記第1最外層21を除去する工程は、同時に第2最外層に対して残留応力を有さない状態とするかまたは圧縮残留応力を付与する工程ともなるため、以下のようにブラスト法を採用することが好ましい。このようにして、上記孔周辺領域の最外層(第1最外層)は引張残留応力を有し、外周領域の最外層(第2最外層)は残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有したものとなる。
ここで、ブラスト法とは、以下の(1)〜(3)等の方法により、被処理物表面の被膜、錆、汚れ等の除去を行なう一般的な表面処理方法であり、多くの産業分野で利用されているものである。
(1)各種研磨材の粒子を、圧縮空気で被処理物の表面に吹き付ける。
(2)各種研磨材の粒子を、回転翼により被処理物の表面に連続して投射する。
(3)各種研磨材の粒子を含有する液体(水)を、高圧で被処理物の表面に吹き付ける。
上記各種研磨材の粒子の種類としては、たとえばスチールグリッド、スチールショット、カットワイヤー、アルミナ、ガラスビーズ、珪砂等が一般的であり、これらの粒子の種類によりサンドブラスト、ショットブラスト、アルミナブラスト、ガラスビーズブラストなどと呼び分けられることもある。
たとえば、サンドブラストとは、珪砂(粉)等の研磨材粒子を圧縮空気等により被処理物の表面に吹き付ける方法を示し、ショットブラストとは、スチールショット(通常は球状)を用いる方法を示す。これに対して、ウェットブラストとは、研磨材の粒子を含有する液体(水)を、高圧で被処理物の表面に吹き付ける方法を示す。
このようなブラスト法の具体的条件は、用いる研磨材粒子(砥粒)の種類や適用方法により異なり、たとえばブラスト処理用金属系研磨材はJIS Z0311:1996に規定されており、ブラスト処理用非金属系研磨材はJIS Z0312:1996に規定されている。また、ショットブラストについては、JIS B6614:1998にその詳細が規定されている。本発明のブラスト法による処理方法としては、これらの条件をいずれも採用することができる。
なお、第1最外層を除去する方法としては、ブラシ法、ショットピーニング法、バレル法、バフ布による研磨法等を採用することもでき、第2最外層に圧縮残留応力を付与する(あるいは残留応力を有さない状態とする)方法としては、上記ブラスト法以外にも、ブラシ法、ショットピーニング法、バレル法、レーザー照射法、イオン注入法、バフ布による研磨法等を採用することもできる。
このようにして、孔周辺領域と外周領域とにおいて最外層の組成が異なるとともに、孔周辺領域の最外層は引張残留応力を有し、外周領域の最外層は残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有する本発明の刃先交換型切削チップを極めて生産性高く製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
まず、2質量%のTaC、9質量%のCo、およびその残部がWCからなる組成の超硬合金粉末をプレスし、続けて真空雰囲気中で1400℃、1時間の条件で焼結を行ない、その後刃先稜線部に対してSiCブラシホーニング処理により刃先処理(上面/下面と側面との交差部各々に対して半径が約0.05mmのアール(R)を付与したもの)をすることにより、切削チップCNMA120408(JIS B 4120−1998)の形状と同形状の超硬合金製の刃先交換型切削チップの基材を得た。この基材は、1つの上面と1つ下面と4つの側面とを有し、上面の中央部において上面から下面に達する貫通孔(直径5.16mm)を有していた。
次いで、この基材の全面に対して、下層から順に下記の被覆層を公知の熱CVD法により形成した。すなわち、基材の表面側から順に、0.2μmのTiN層、7.1μmのTiCN層(MT−CVD法(成膜温度900℃)により形成)、3.4μmのα−Al23層、および0.2μmのTiN層をそれぞれ形成した。この被覆層において、0.2μmのTiN(基材表面側のもの)と7.1μmのTiCNとが下層であり、3.4μmのα−Al23が第2最外層であり、最表面の0.2μmのTiNが第1最外層である。
そして、このように被覆層を形成した基材に対して、図4に示したように治具20を用いてチャックした。すなわち、治具20の凸部25を基材10の貫通孔4に挿入するとともにその治具20の他の部分(凸部25以外の部分)が孔周辺領域5を覆うようにしてチャックした。引き続き、このように治具20によりチャックされた基材10を回転させながらウェットブラスト法(研磨材粒子:Al23粒子(平均粒径50μm)、Al23粒子を含んだ水性懸濁液の吐出圧力:0.2MPa)による処理を実施することにより、治具20で覆われた部分以外の第1最外層を除去し、その部分に第2最外層を露出させることにより本発明の刃先交換型切削チップを製造した。
このようにして得られた刃先交換型切削チップは、基材と、該基材上に形成された被覆層とを有するものであって、該基材は、上面から下面に達する貫通孔を有しており、該被覆層は、複数の層により構成されるものであって、上面および下面において貫通孔の周囲を1.2〜2mmの幅をもって取り囲む孔周辺領域と、それ以外の領域である外周領域とにおいて最外層の組成が異なっており、孔周辺領域の最外層は上記第1最外層(すなわちTiN(金色))により形成され引張残留応力(0.3GPa)を有しており、外周領域の最外層は、上記第2最外層(すなわちα−Al23(外観色は黒色))により形成され圧縮残留応力(−0.2GPa)を有していた。
なお、上記の残留応力は前述のsin2ψ法により測定し(5点の平均値として測定)、外周領域の最外層の圧縮残留応力の測定箇所は図5(上面2のコーナー部)のスポットS(直径:0.5mm)とした(孔周辺領域の最外層の残留応力は特に断らない限り上面において測定した。以下の実施例において同じ)。また、孔周辺領域の幅が1.2〜2mmというように範囲をもって表わされているのは治具20により精密に孔周辺領域を覆ったがブラスト粒子の一部が回り込んで治具20で覆われた部分の第1最外層の一部が除去されてしまったためである(以下の実施例において同じ)。
<実施例2>
実施例1において、第1最外層である0.2μmのTiNを、0.2μmのZrNに変更することを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。
このようにして得られた刃先交換型切削チップは、実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の幅は1.2〜2mmであり、孔周辺領域の最外層はZrN(黄色味を帯びた銀色)により形成され引張残留応力(0.2GPa)を有しており、外周領域の最外層はα−Al23により形成され圧縮残留応力(−0.2GPa)を有していた。
<実施例3>
実施例1において、第1最外層である0.2μmのTiNを、0.2μmのTi23およびその上にさらに形成した0.2μmのTiN(すなわち第1最外層を0.2μmのTi23と0.2μmのTiNの2層としたもの。最外層という表現はその定義からすれば原則として1層を示すものであるが、この第1最外層(孔周辺領域の最外層)についてはこのように複数の層により形成される場合を含むものとする)に変更することを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。
このようにして得られた刃先交換型切削チップは、実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の幅は1.2〜2mmであり、孔周辺領域の最外層はTi23とTiNの2層(外観色は黄色)により形成され引張残留応力(0.3GPa)を有しており、外周領域の最外層はα−Al23により形成され圧縮残留応力(−0.2GPa)を有していた。
<実施例4>
実施例1において、第1最外層である0.2μmのTiNを、0.2μmのTiCNに変更することを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。
このようにして得られた刃先交換型切削チップは、実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の幅は1.2〜2mmであり、孔周辺領域の最外層はTiCN(ピンク色)により形成され引張残留応力(0.2GPa)を有しており、外周領域の最外層はα−Al23により形成され圧縮残留応力(−0.2GPa)を有していた。
<実施例5>
実施例1において、第1最外層である0.2μmのTiNを、0.2μmのTiZrCNに変更することを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。
このようにして得られた刃先交換型切削チップは、実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の幅は1.2〜2mmであり、孔周辺領域の最外層はTiZrCN(灰色)により形成され引張残留応力(0.3GPa)を有しており、外周領域の最外層はα−Al23により形成され圧縮残留応力(−0.2GPa)を有していた。
<実施例6>
実施例1において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.9GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0〜0.9mmであった(ただし、その幅が0mmとなるのは一部分のみであった)。
<実施例7>
実施例2において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例2と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.9GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0〜0.9mmであった(ただし、その幅が0mmとなるのは一部分のみであった)。
<実施例8>
実施例3において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例3と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.9GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0〜0.9mmであった(ただし、その幅が0mmとなるのは一部分のみであった)。
<実施例9>
実施例4において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例4と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.9GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0〜0.9mmであった(ただし、その幅が0mmとなるのは一部分のみであった)。
<実施例10>
実施例5において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例5と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層は残留応力を有していなかった。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0〜0.9mmであった(ただし、その幅が0mmとなるのは一部分のみであった)。
<比較例1>
実施例1において、ウェットブラスト法による処理を行なわないことを除き、他は全て実施例1と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その全面が実施例1の第1最外層で覆われており、実施例1と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第1最外層である)いずれも0.3GPaの引張残留応力を有していた。
<比較例2>
実施例1において、治具20によるチャックを行なうことなく基材の上面、下面および側面に対してウェットブラスト法による処理を行なうことにより基材の上面、下面および側面において第1最外層を除去することを除き、他は全て実施例1と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その上面、下面および側面が実施例1の第2最外層で覆われており、実施例1と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第2最外層である)いずれも−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。
<比較例3>
実施例1の被覆層において第1最外層としての0.2μmのTiNを形成せず、かつウェットブラスト法による処理を行なわないことを除き、他は全て実施例1と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その全面が実施例1の第2最外層で覆われており、実施例1と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第2最外層である)いずれも0.3GPaの引張残留応力を有していた。
<比較例4>
実施例1で用いた治具20とは異なった治具を用いてチャックを行なうことにより孔周辺領域の幅を1.5〜4.5mmとしたことを除き、他は全て実施例1と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例1と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。
<脱着試験>
実施例1〜10および比較例1〜4の刃先交換型切削チップを各々100個ずつ準備した。そして、それぞれの刃先交換型切削チップ100個について、工作機械のコレットに取り付けられたホルダPCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)に対して取り付けおよび取り外しを行なった(作業場所の照度は200luxであった)。各刃先交換型切削チップは4コーナーが切れ刃となるためこのような取り付けおよび取り外しは合計400回行ない、その所要時間、チップが作業台から落下した回数、およびチップ破損が発生した個数を測定した。その結果を以下の表1に示す。
<切削試験>
実施例1〜10および比較例1〜4の刃先交換型切削チップを各々準備した。そして、それぞれの刃先交換型切削チップ1個を、工作機械のコレットに取り付けられたホルダPCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)に取り付け、以下の条件による切削試験を行なった。
(切削条件)
被削材:機械部品(FCD450断続有り)
切削速度:145m/分
送り:0.4mm/rev.
切込み:2.0mm
乾式/湿式:湿式(水溶性油)
切削時間:10分
そして、刃先の状態を観察するとともに逃げ面平均摩耗量(VB)を測定した。その結果を以下の表1に示す。刃先の状態の観察においてチッピングが発生しないもの程靭性に優れていることを示し、被削材の溶着が少ないもの程被削材の加工面が美麗でありバリの発生も軽微であった。また、逃げ面平均摩耗量が小さいもの程耐摩耗性に優れていることを示している。
Figure 0004512077
上記表1より明らかなように、実施例1〜10の刃先交換型切削チップは、比較例2〜4の刃先交換型切削チップに比し、脱着の所要時間が短くまたチップが作業台から落下した回数も少なかったことから視認性(チップ自体の識別性および貫通孔の識別性)に優れていることが確認された。さらに、実施例1〜10の刃先交換型切削チップは、比較例1、3、4の刃先交換型切削チップに比し、チップ破損の発生個数が少なかったことから、チップが破損する可能性が有効に低減されていることが確認された。
また、上記表1より明らかなように、実施例1〜10の刃先交換型切削チップは、比較例1、3の刃先交換型切削チップに比し、チッピングの発生が少なくまた逃げ面平均摩耗量(VB)が小さかったことから、被覆層の耐摩耗性および靭性が向上していることが確認された。
<実施例11>
実施例1において、切削チップの形状をCNMA120408に代えてSEET13T3AGSN−N(住友電工ハードメタル(株)製)と同形状のものとすることおよび異なった治具20を用いることを除き、他は全て実施例1と同様にして本発明の刃先交換型切削チップ(1つの上面と1つの下面と4つの側面とを有し、上面の中央部に上面から下面に達する貫通孔を有する)を得た。この刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の幅(上面および下面で同じ。以下の実施例において同じ)が0〜1.3mmであり、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、残留応力の測定は実施例1と同様にして行なったが、外周領域の圧縮残留応力の測定箇所は図6(上面2のコーナー部)のスポットT(直径:0.5mm)とした。
<実施例12>
実施例2において、切削チップの形状をCNMA120408に代えてSEET13T3AGSN−N(住友電工ハードメタル(株)製)と同形状のものとすることおよび異なった治具20を用いることを除き、他は全て実施例2と同様にして本発明の刃先交換型切削チップ(1つの上面と1つの下面と4つの側面とを有し、上面の中央部に上面から下面に達する貫通孔を有する)を得た。この刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の幅が0〜1.3mmであり、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、残留応力の測定は実施例11と同様にして行なった。
<実施例13>
実施例3において、切削チップの形状をCNMA120408に代えてSEET13T3AGSN−N(住友電工ハードメタル(株)製)と同形状のものとすることおよび異なった治具20を用いることを除き、他は全て実施例3と同様にして本発明の刃先交換型切削チップ(1つの上面と1つの下面と4つの側面とを有し、上面の中央部に上面から下面に達する貫通孔を有する)を得た。この刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の幅が0〜1.3mmであり、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、残留応力の測定は実施例11と同様にして行なった。
<実施例14>
実施例4において、切削チップの形状をCNMA120408に代えてSEET13T3AGSN−N(住友電工ハードメタル(株)製)と同形状のものとすることおよび異なった治具20を用いることを除き、他は全て実施例4と同様にして本発明の刃先交換型切削チップ(1つの上面と1つの下面と4つの側面とを有し、上面の中央部に上面から下面に達する貫通孔を有する)を得た。この刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の幅が0〜1.3mmであり、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、残留応力の測定は実施例11と同様にして行なった。
<実施例15>
実施例5において、切削チップの形状をCNMA120408に代えてSEET13T3AGSN−N(住友電工ハードメタル(株)製)と同形状のものとすることおよび異なった治具20を用いることを除き、他は全て実施例5と同様にして本発明の刃先交換型切削チップ(1つの上面と1つの下面と4つの側面とを有し、上面の中央部に上面から下面に達する貫通孔を有する)を得た。この刃先交換型切削チップは、孔周辺領域の幅が0〜1.3mmであり、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、残留応力の測定は実施例11と同様にして行なった。
<実施例16>
実施例11において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例11と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−1.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0.2〜2.0mmであった。
<実施例17>
実施例12において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例12と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−1.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0.2〜2.0mmであった。
<実施例18>
実施例13において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例13と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−1.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0.2〜2.0mmであった。
<実施例19>
実施例14において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例14と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.2GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−1.2GPaの圧縮残留応力を有していた。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0.2〜2.0mmであった。
<実施例20>
実施例15において、異なった治具20を用いることおよびウェットブラスト法の条件を代えることにより以下のような残留応力を付与したことを除き、他は全て実施例15と同様にして本発明の刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層は残留応力を有していなかった。なお、この刃先交換型切削チップの孔周辺領域の幅は、0.2〜2.0mmであった。
<比較例5>
実施例11において、ウェットブラスト法による処理を行なわないことを除き、他は全て実施例11と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その全面が実施例11の第1最外層で覆われており、実施例11と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第1最外層である)いずれも0.3GPaの引張残留応力を有していた。
<比較例6>
実施例11において、治具20によるチャックを行なうことなく基材の上面、下面および側面に対してウェットブラスト法による処理を行なうことにより基材の上面、下面および側面において第1最外層を除去することを除き、他は全て実施例11と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その上面、下面および側面が実施例11の第2最外層で覆われており、実施例11と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第2最外層である)いずれも−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。
<比較例7>
実施例11の被覆層において第1最外層としての0.2μmのTiNを形成せず、かつウェットブラスト法による処理を行なわないことを除き、他は全て実施例11と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップは、その全面が実施例11の第2最外層で覆われており、実施例11と同じ測定箇所で残留応力を測定したところ、孔周辺領域の最外層も外周領域の最外層も(いずれの最外層も第2最外層である)いずれも0.3GPaの引張残留応力を有していた。
<比較例8>
実施例11で用いた治具とは異なった治具を用いてチャックを行なうことにより孔周辺領域の幅を1.3〜4.6mmとしたことを除き、他は全て実施例11と同様にして刃先交換型切削チップを得た。この刃先交換型切削チップの最外層の残留応力を実施例11と同様にして測定したところ、孔周辺領域の最外層が0.3GPaの引張残留応力を有しており、外周領域の最外層が−0.2GPaの圧縮残留応力を有していた。
<脱着試験>
実施例11〜20および比較例5〜8の刃先交換型切削チップを各々100個ずつ準備した。そして、それぞれの刃先交換型切削チップ100個について、カッターWGC4100R(住友電工ハードメタル(株)製;刃先交換型切削チップを5個取り付けられる)に対して取り付けおよび取り外しを行なった(作業場所の照度は180luxであった)。該カッターの刃先交換型切削チップの取り付け個数は5個であるため、合計20セットについて取り付けおよび取り外しを行ない、その所要時間、チップが作業台から落下した回数、およびチップ破損が発生した個数を測定した。その結果を以下の表2に示す。
<切削試験>
実施例11〜20および比較例5〜8の刃先交換型切削チップを各々準備した。そして、それぞれの刃先交換型切削チップ1個を、上記の脱着試験で用いたカッターに取り付け、以下の条件による切削試験を行なった。
(切削条件)
被削材:機械部品(FCD450断続有り)
切削速度:145m/分
送り:0.4mm/刃
切込み:2.0mm
乾式/湿式:湿式(水溶性油)
切削長:5m
そして、刃先の状態を観察するとともに逃げ面平均摩耗量(VB)を測定した。その結果を以下の表2に示す。刃先の状態の観察においてチッピングが発生しないもの程靭性に優れていることを示し、被削材の溶着が少ないもの程被削材の加工面が美麗でありバリの発生も軽微であった。また、逃げ面平均摩耗量が小さいもの程耐摩耗性に優れていることを示している。
Figure 0004512077
上記表2より明らかなように、実施例11〜20の刃先交換型切削チップは、比較例6〜8の刃先交換型切削チップに比し、脱着の所要時間が短くまたチップが作業台から落下した回数も少なかったことから視認性(チップ自体の識別性および貫通孔の識別性)に優れていることが確認された。さらに、実施例11〜20の刃先交換型切削チップは、比較例5、7、8の刃先交換型切削チップに比し、チップ破損の発生個数が少なかったことから、チップが破損する可能性が有効に低減されていることが確認された。
また、上記表2より明らかなように、実施例11〜20の刃先交換型切削チップは、比較例5、7の刃先交換型切削チップに比し、チッピングの発生が少なくまた逃げ面平均摩耗量(VB)が小さかったことから、被覆層の耐摩耗性および靭性が向上していることが確認された。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の刃先交換型切削チップの概略斜視図である。 図1のII−II線断面図に相当する断面図であって、被覆層の積層状態を誇張的に示したものである。 孔周辺領域の被覆層の積層状態を拡大して示す部分断面図である。 治具による貫通孔のチャック方法を示す概念図である。 圧縮残留応力の測定箇所を拡大して示す部分平面図である。 圧縮残留応力の測定箇所を拡大して示す図5とは異なった部分平面図である。
符号の説明
1 刃先交換型切削チップ、2 上面、3 下面、4 貫通孔、5 孔周辺領域、6 外周領域、7 側面、8 稜、10 基材、11 被覆層、20 治具、21 第1最外層、22 第2最外層、23 下層、25 凸部。

Claims (5)

  1. 基材と、該基材上に形成された被覆層とを有する刃先交換型切削チップであって、
    前記基材は、上面から下面に達する貫通孔を有しており、
    前記被覆層は、複数の層により構成されるものであって、前記上面または前記下面において前記貫通孔の周囲を4mm以下の幅をもって取り囲む孔周辺領域と、それ以外の領域である外周領域とにおいて最外層の組成が異なっており、
    前記孔周辺領域の最外層は、引張残留応力を有しており、
    前記外周領域の最外層は、残留応力を有していないかまたは圧縮残留応力を有していることを特徴とする刃先交換型切削チップ。
  2. 前記孔周辺領域の最外層は、元素周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、Si、およびBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層であることを特徴とする請求項1記載の刃先交換型切削チップ。
  3. 前記孔周辺領域の最外層は、TiまたはZrの少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物によって形成される層であることを特徴とする請求項2記載の刃先交換型切削チップ。
  4. 前記外周領域の最外層は、Al23を含む層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の刃先交換型切削チップ。
  5. 前記孔周辺領域の最外層は、前記外周領域の最外層と異なった色彩を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の刃先交換型切削チップ。
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