JP4510348B2 - 内燃機関の排ガスを後処理するための装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、請求項１の上位概念として記載されている、内燃機関の排ガスを、該排ガスに投入された還元剤、特に尿素もしくは尿素−水溶液を使用して後処理する装置に関する。
【０００２】
近年次第に低く定められる有害物質限界値の結果として、内燃機関の排ガスを後処理するために数多くの装置と方法とが開発されてきた。例えばＮＯｘ転換のために還元剤として尿素及び／又はアンモニアが使用される触媒システムによっては効果的な排ガス後処理システムが提供されている。
【０００３】
排ガスにおけるＮＯｘ構成成分の減少を達成するためには、特にディーゼルエンジンのために還元触媒器が開発された。この還元触媒器は通常は尿素調量システムを有するいわゆるＳＣＲ触媒器（英名Selective Catalytic Reduction）と、貯蔵形触媒器とに分類される。
【０００４】
ＥＰ−Ａ−０３８１２３６号明細書からは、ディーゼルエンジンからの排ガスにおける窒素酸化物を除去するためにアンモニアが還元剤として調量添加されるシステムが公知である。このシステムにおいてはさらに、排ガスの圧力を低下させるためにターボチャージャが設けられている。使用される尿素水溶液は圧縮空気で調量添加される。
【０００５】
ＤＥ−Ａ−４４４１２６１号明細書によれば、内燃機関の排ガスを後処理するための装置であって、触媒器の出力を調量装置を介して改善しようとしている装置が公知である。調量装置は最少量調量−容積型ポンプとして構成され、該ポンプは円筒形の回転体の上に溝の形をしたねじを有している。この場合、吐出出力を変えるためには回転体が可変な回転数で駆動される。排ガスシステムへの還元剤の添加は有利には特性量域に関連して、つまり排ガスの量及び／又は組成に関連して行われる。
ＤＥ−１９７５０１３８号明細書には噴霧化するための圧縮空気供給装置を有し、このために設けられた圧縮空気通路に逆止弁が設けられている尿素調量システムが記載されている。
【０００６】
例えばＤＥ４２３００５６Ａ１号明細書からは、還元剤と該還元剤を負荷する圧縮空気とをベースとしたエアロゾルを混合室において形成することが公知である。この場合には還元剤と空気は別々の導管を介して混合室に供給される。調量過程の間は混合室にて圧力変動と渦流が発生し、これによって還元剤、例えば尿素水溶液が圧縮空気導管内へ逆流することがある。例えば自動車では使用される圧縮空気は圧縮空気車内回路網から取出されるので、圧縮空気導管への前述の還元剤の逆流は圧縮空気車内回路網全体の汚染をもたらすことがある。これは例えば腐食作用を有する尿素水溶液に基づき圧縮空気ブレーキシステムが損なわれる結果をもたらす。
【０００７】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の排ガスを後処理するための装置を改良して、空気供給導管もしくはこれに連通した圧縮空気車内回路網の汚染が確実に回避されるようにすることである。
【０００８】
本発明の課題は独立請求項の特徴を有する装置によって解決された。
【０００９】
空気又は還元剤−空気混合物が混合室から圧縮空気導管へ逆流することを回避する手段を設けるという本発明の処置によって、圧縮空気導管もしくは圧縮空気車内回路網の汚染は効果的に回避されるようになった。これにより、例えば、圧縮空気導管における空気を従来の方法に対して相対的に低い圧力で負荷することが可能になった。
【００１２】
この場合、逆流を阻止する手段は混合室内に配置された逆止弁として構成されている。このような、混合室内へ統合された逆止弁によって本発明の装置は、特に小さく構成できる弾性的な部体、例えば弾性的なホース又はエラストマ弁体を使用することで、特にコンパクトに構成することができるようになった。
本発明の装置もしくは本発明の混合室の有利な構成は従属請求項に記載されている。
【００１３】
有利には混合室内に配置された逆止弁は、弁体に被せ嵌められた弾性的なホースを有している。このホースは弁の圧力負荷の方向に応じてシール性を有するかもしくは通過性を有している。ホースが例えばシリコン材料から成ることができる逆止弁は構成が小さく、容易に交換可能である。
【００１４】
本発明による装置の有利な別の実施例によれば、逆止弁はエラストマ弁体を有し、このエラストマ弁体はシールリップで気密に弁ケーシング又は圧縮空気導管内壁へ接触する。このような逆止弁も構成がきわめて小型で、安く入手でき、実地において堅牢でかつ信頼性が高いことが証明された。
【００１５】
本発明による混合室の有利な実施例によれば、逆止弁は弁体に被せ嵌められた弾性的なホースを有している。この場合、ホースは圧縮空気で圧縮空気供給方向に圧力負荷された場合には、圧縮空気が圧縮空気導管から混合室へ通過することを保証し、混合室における還元剤−空気混合物によって反対方向に圧力負荷された場合には、前記混合物が圧縮導管へ達することが阻止される。
【００１６】
以下、本発明による装置もしくは本発明による混合室の有利な実施例を添付図面に基づき詳細に説明する。
【００１７】
図１には符号１で尿素タンクが示されており、該尿素タンクからは尿素−水溶液が逆止弁２とフィルタシーブとして構成されたフィルタとを有する導管１ａを介して搬送ポンプ４により吸出され、別の逆止弁６を介して混合室８の調量弁７に送られる。この調量弁７は、図２にて符号９で示された混合空間における尿素−水溶液の必要量を調量する。場合によって発生する尿素−水溶液のオーバフロー量は圧力調整器５と別の逆止弁１１とを介して戻し導管１２により尿素タンク１に供給可能である。場合によっては必要である導管１ａの排気は排気弁１０を有する排気回路を介して実施可能である。
【００１８】
符号２０によっては圧縮空気タンクが示されており、この圧縮空気タンク２０から、圧縮空気は圧力制限器２１と２ポート２位置方向制御弁２２と逆止弁２３とを介して混合室内へもたらされることができる。例えば球弁又は平形着座弁として構成されていることのできる逆止弁２３を設けることで、還元剤−空気混合物が混合室から圧縮空気導管２４へ逆流することは阻止される。これによって圧縮空気導管２４と連通する圧縮空気車内回路網の汚染は、従来のシステムに較べて著しく減じられる。
このような、例えば球弁又は平形着座弁として構成できる逆止弁は、価格的に入手しやすくかつ使用が容易で、実地において堅牢でかつ信頼性が高いことが証明されている。
【００１９】
混合室８においては圧縮空気で尿素−水溶液を負荷することでエアロゾルが形成され、該エアロゾルはエアロゾル導管２５を介して触媒器３０内へもたらされる。この場合、制御装置４０は、上位の機関制御装置によりＣＡＮ−データ導線４１を介して受取られた信号と、圧力−、温度−もしくは充填レベルセンサ５０から５５の信号を受取る。この場合、前記センサ５０から５５までの作用形式自体は公知であり、これについて詳しく述べることを省略する。制御装置４０は前記情報から、触媒器３０を貫流する排ガスに添加される尿素の調量量を計算する。
【００２０】
制御装置４０は記述した磁石弁の助けを借りて圧縮空気導管３４における圧力を調整し、さらに尿素−水溶液圧を監視する。制御装置４０は偏差と誤差を認識しかつこれを記憶しかつこれを診断装置、例えばＰＣ（図示せず）によって表示する。
【００２１】
次に図２を用いて、本発明による装置にて使用可能である本発明による混合室の有利な実施例について記述する。この混合室８において重要であることは、逆止弁がシリコンホース１４からもしくは似たような弾性材料から成るホースから成り、該ホースが弁体１５の上に被せ嵌められかつ混合室８の内壁１６に接触させられていることである。圧縮空気導管２４から圧縮空気が、周方向に分配されて多数も受けられていることのできるノズル孔１７へ流入すると、シリコンホース１４は混合室内壁１６から押し離されかつ空気は拡散器１８に流入し、リングギヤップ１９を介して混合空間９に達する。混合空間９にて空気は尿素導管１ａから流出する尿素水溶液と混合される。非定常の運転に際して又は渦流に基づき混合空間１３から拡散器１８への混合物の逆流が発生すると、シリコンホース１４が混合室の内壁１６に気密に押し付けられ、混合物がそれ以上圧縮空気導管２４へ流入することを阻止する。
【００２２】
本発明による装置もしくは本発明による混合室にて使用できる逆止弁の別の有利な実施例について図３を用いて記述する。この場合、図３ａは逆止弁を断面して示しておりかつ図３ｂは逆止弁を分解して斜視図で示している。図３に示された逆止弁のコア部分はシールリップ３５で気密に弁ケーシング４６に接触するエラストマ弁体３４である。図１と関連して記述したようにシールリップ１５を圧縮空気導管の内壁に直接接触させることも同様に可能である。空気導管２４から空気が流入する場合には弁は開放し、空気が逆流する場合には弁は閉鎖する。
【００２３】
多目的に使用するためには弁は有利には、弁体３４と弁ケーシング４６と弁カバー６０とから成る弁カートリッジ７０として構成される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の装置の有利な第１実施例をブロック回路状に示した図。
【図２】 本発明による混合室の有利な１実施例を断面して示した側面図。
【図３】 本発明にしたがって使用できる逆止弁の側面図と斜視図。
【符号の説明】
１ 尿素タンク、 ２ 逆止弁、 ３ フィルタ、 ４ 搬送ポンプ、 ５ 圧力調整器、 ６ 逆止弁、 ７ 調量弁、 ８ 混合室、 ９ 混合空間、 １０ 排気弁、 １１ 逆止弁、 １２ 戻し導管、 １４ シリコンホース、 １５ 弁体、 １６ 内壁、 ２０ 圧縮空気タンク、 ２１ 圧力制限器、 ２２ ２ポート２位置方向制御弁、 ２３ 逆止弁、 ２４ 圧縮空気導管、 ２５ エアロ導管、 ３０ 触媒器、 ４１ CAN-データ導線、 ５０，５１，５２，５３，５４，５５ センサ

Claims (6)

1. 内燃機関の排ガスに投入される還元剤を使用して内燃機関の排ガスを後処理するための装置であって、還元剤貯蔵器（１）に貯蔵された還元剤が還元剤導管（１ａ）を介しかつ圧縮空気貯蔵器に貯蔵された圧縮空気が圧縮空気導管（２４）を介し、還元剤−空気混合物を形成するために供給可能である混合室（８）を備えており、還元剤又は還元剤−空気混合物が混合室（８）から圧縮空気導管（２４）へ逆流することを阻止するために逆止弁が設けられている形式のものにおいて、逆止弁（１４，１５；７０）が混合室（８）内に配置されておりかつ弾性的な部体（３４，１４）を有し、この弾性的な部体が圧縮空気供給方向に圧力負荷された場合に圧縮空気を圧縮空気導管から混合室の混合空間へ流過させかつ反対方向に圧力負荷された場合に逆流を阻止することを特徴とする、内燃機関の排ガスを後処理するための装置。
2. 前記弾性的な部体が弾性的なホース（１４）である、請求項１記載の装置。
3. 前記弾性的な部体がエラストマ弁体（３４）であって、該エラストマ弁体（３４）がシールリップ（３５）を有し、このシールリップ（３５）が弁ケーシング（４６）又は圧縮空気導管（２４）の内壁に気密に接触する、請求項１記載の装置。
4. 内燃機関の排ガスを後処理するために還元剤−空気混合物を形成するための混合室であって、還元剤が還元剤導管（１ａ）を介してかつ圧縮空気が圧縮空気導管（２４）を介して供給可能な混合空間を有している形式のものにおいて、前記混合室から前記圧縮空気導管へ還元剤又は還元剤−空気混合物が逆流することを阻止するために前記混合室が逆止弁（１４，１５，７０）を有しかつ該逆止弁が弾性的な部体（１４，３４）を有し、該弾性的な部体が圧縮空気供給方向に圧力負荷された場合には圧縮空気が圧縮空気導管から混合室の混合空間に流れることを保証しかつ反対方向に圧力負荷された場合には逆流を阻止することを特徴とする、還元剤−空気混合物を形成するための混合室。
5. 前記弾性的な部体が弾性的なホース（１４）である、請求項４記載の装置。
6. 前記弾性的な部体がエラストマ弁体（３４）であって、該エラストマ弁体（３４）がシールリップ（３５）を有し、該シールリップ（３５）が弁ケーシング（４６）又は圧縮空気導管（２４）の内壁に気密に接触する、請求項４記載の混合室。

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