JP4509492B2 - Filled fluororesin sheet and method for producing the same - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の技術分野】
本発明は、充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、充填材の含有率が高いシートであっても、圧延加工することにより簡単に製造できるような充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
充填材入りフッ素樹脂シートは、フッ素樹脂に充填材を充填してシート状に加工したもので、フッ素樹脂の持つ耐薬品性、耐熱性、非粘着性、低摩擦性に加えて、充填材の持つ固有の機能・特性を付加し、あるいはフッ素樹脂の欠点である、耐摩耗性や耐クリープ性を改善することにより、種々の機能を持たせた吸着膜、コンデンサー用電極膜等（以下、これらをまとめて機能膜とも言う。）やシール材等に幅広く用いられている。
【０００３】
機能膜としては、フッ素樹脂に活性炭や触媒など機能性充填材を充填させたものがあり、吸着膜やコンデンサー用電極膜等に使用されている。
シール材としては、フッ素樹脂に金属、黒鉛、無機充填材等を充填させて熱伝導率、耐摩耗性、クリープ特性等を向上させたものがあり、シート状ガスケットや、グランドパッキンの編糸等に使用されている。
【０００４】
充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法としては、フッ素樹脂に充填材を分散させてシート状に圧延する方法があり、従来からさまざまな技術が開示されている。
米国特許第3556161号（特許文献１）には、四フッ化エチレン樹脂（以下、ＰＴＦＥとも言う。）と充填材を液体に分散させて濾過したケーキを平板上でロールにより圧延してシート化する方法が開示されている。しかしながら、この方法では平板の大きさ以上のシートを得ることが困難であるため、長尺のシートを得ることは困難である。
【０００５】
米国特許第3864124号（特許文献２）には、ＰＴＦＥと充填材を液体を加えずに混合し、加熱した圧延ロール間を繰り返し通して、圧延する技術が開示されており、米国特許第4042747号（特許文献３）には、ＰＴＦＥと充填材とグリース（粘度の高い液体）を混合し、繰り返し１対の圧延ロールを通過させ圧延した後、グリースを除去する技術が開示されている。
【０００６】
しかし、いずれの技術も繰り返し圧延ロール間を通す必要がある為、長尺のシートを得る為の作業効率は良くない。
米国特許第3315020号（特許文献４）には、ＰＴＦＥと充填材と加工助剤の混合物を押出し成形した後に１対の圧延ロールを通過させ圧延して長尺シートを得る技術が開示されている。しかしこの技術だけでは、６０重量％以上の充填材を含有した充填材入りフッ素樹脂シートを得ることはできなかった。充填材入りフッ素樹脂シートからなるシート状ガスケットの場合、充填材の含有量が多いほど応力緩和特性が優れる傾向にあるため、充填材の含有量を６０重量％以上にすることが望ましい。また、上記機能膜においても、その機能・効率が充填材の含有量に比例する傾向があるため、充填材の含有量を６０重量％以上にすることが望ましい。
【０００７】
これに対して、特開平01-098687号公報（特許文献５）、特開2000-323363号公報（特許文献６）、特開2001-085280号公報（特許文献７）には、ＰＴＦＥと充填材を水や有機溶媒で分散させた後に、水や有機溶媒を除去し、適量の加工助剤を加えて押し出し成形して圧延することにより６０重量％以上の充填材を充填する技術が開示されている。
【０００８】
しかしこれらの技術では、圧延に先立ち加工助剤を加える前に、一旦水や有機溶媒を除去する必要があり、製造効率面で更なる改良の余地がある。なお、これら公報では、有機溶剤としては、灯油、ナフサ、トリクロルエタン、アルコール類等の液体が開示されている。
充填材入りフッ素樹脂シートの製造においては、総じて、充填材の含有率が高くなるほど、圧延の際にシートが破断しやすくなり、圧延作業の効率が低下する傾向にある。
【０００９】
このため、充填材の含有率が高くてもシート製造時の圧延加工の作業性に優れているような、充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法の開発が望まれている。
【００１０】
【特許文献１】
米国特許第3556161号公報
【特許文献２】
米国特許第3864124号公報
【特許文献３】
米国特許第4042747号公報
【特許文献４】
米国特許第3315020号公報
【特許文献５】
特開平01-098687号公報
【特許文献６】
特開2000-323363号公報
【特許文献７】
特開2001-085280号公報
【００１１】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、充填材の含有率が高いシート（例：シート中に６０重量％以上）であっても、圧延加工することにより、部位によらず均一な性状を有し、応力緩和率、引張強さなどに優れた所望のシートを簡単に製造できるような充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物および該組成物を用いてなる上記特性の充填材入りフッ素樹脂シートを提供することを目的としている。
【００１２】
また、本発明は、上記のように充填材の含有率が高いシートであっても、充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物から、部位によらず均一な性状を有し、応力緩和率、引張強さなどに優れた所望のシートを、作業性良く圧延加工にて簡単に製造できるような、充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法を提供することを目的としている。
【００１３】
【発明の概要】
本発明に係る第1の充填材入りフッ素樹脂シートは、PTFE、変性PTFEのうちから選択されるフッ素樹脂、膨潤性鉱物および充填材（膨潤性鉱物を除く）を含有している充填材入りフッ素樹脂シートであって、このシートでは、上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれていることを特徴とする。
本発明に係る上記充填材入りフッ素樹脂シートは、
（イ）PTFE、変性PTFEのうちから選択されるフッ素樹脂、
（ロ）膨潤性鉱物、
（ハ）充填材（膨潤性鉱物を除く。）および
（ニ）有機溶剤、アルコール、水のうちから選択される、液状の加工助剤
を含むフッ素樹脂組成物であって、
上記フッ素樹脂組成物が、
上記フッ素樹脂組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂を１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物を５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）を６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）を合計２０〜９０重量％の量で含むフッ素樹脂組成物を
ロッド状又はリボン状に押出成形した後、圧延ロール間を通過させてシート状に圧延し、加工助剤を揮発させてなることが好ましい。
【００１４】
本発明においては、上記膨潤性鉱物が水膨潤性鉱物また油膨潤性鉱物であることが好ましい。
本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シートの第1の製造方法は、フッ素樹脂、膨潤性鉱物、充填材（膨潤性鉱物を除く。）および液状の加工助剤を含むフッ素樹脂組成物を押出成形、好ましくはロッド状又はリボン状に押出成形した後、圧延ロール間を通過させてシート状に圧延することを特徴としている。
【００１５】
本発明に係る第２の製造方法では、上記第1の製造方法における上記フッ素樹脂組成物が、
上記フッ素樹脂組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれているものであることを特徴とする。
本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法では、上記膨潤性鉱物が水膨潤性鉱物または油膨潤性鉱物であることが好ましい。
本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シート形成用樹脂組成物は、PTFE、変性PTFEのうちから選択されるフッ素樹脂、膨潤性鉱物、充填材（膨潤性鉱物を除く。）を含み、および必要により、有機溶剤、アルコール、水のうちから選択される、液状の加工助剤を含み、上記組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれていることを特徴とする。
【００１６】
本発明によれば、充填材の含有率が高いシート（例：シート中に６０重量％以上）であっても、充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物を、作業性良く圧延加工して破断部位のない、引張強さなどに優れた所望の充填材入りフッ素樹脂シートを簡単に製造できるような充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物およびこのような特性の充填材入りフッ素樹脂シートが提供される。
【００１７】
また、本発明によれば、上記のように充填材の含有率が高いシートであっても、充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物から、作業性良く圧延加工にて、破断（ちぎれ）部位がなく、引張強さなどに優れたシートを簡単に製造できるような、充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法が提供される。
【００１８】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シートおよびその製造方法などについて、具体的に説明する。
［充填材入りフッ素樹脂シート］
本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シート（単にシート、フッ素樹脂シート等とも言う。）は、後述する膨潤性鉱物および充填材（膨潤性鉱物を除く。以下同様。）を含有しており、膨潤性鉱物として、好ましくは後述する水膨潤性鉱物および／または油膨潤性鉱物を含有している。
【００１９】
また、このシートには、膨潤性鉱物、充填材に加えて、フッ素樹脂などが含まれていることが好ましい。
上記膨潤性鉱物は、本発明の充填材入りフッ素樹脂シート中に、通常、５重量％以上の量で含まれていることが望ましい。
このような本発明のシートは、充填材、すなわち膨潤性鉱物以外の充填材の含有率が高いシート（例：シート中に６０重量％以上）であっても、原料としての充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物を作業性良く圧延加工することにより容易に製造でき、得られたシートは、破断部位のない、引張強さなどに優れた所望の充填材入りフッ素樹脂シートとなる。
【００２０】
なお、シート中における膨潤性鉱物量が上記量より少なく、充填材入りフッ素樹脂シート中における充填材量が反対に多くなったシート、例えば、該充填材量が４５〜９５重量％、特に６０〜９５重量％の量（但し、シート中の全成分の合計１００重量％）であるようなシートは、原料組成物である充填材入りフッ素樹脂シート形成用樹脂組成物（単に組成物、シート形成用樹脂組成物等とも言う。）から、ロール圧延にて破断箇所のないシートを成形困難になるなど容易には製造できず、また、得られたシートは、引張強さなどに劣る傾向がある。
【００２１】
また、このシート中には、通常、上記膨潤性鉱物、充填材（膨潤性鉱物を除く。以下同様。）の他に、フッ素樹脂などが必要により含まれている。
このようなフッ素樹脂をも含むシートでは、その用途や求められる機能などにも依るが、例えば耐熱性が要求されるガスケットに用いる場合においては、フッ素樹脂は、通常１０〜８０重量％、好ましくは２０〜６０重量％の量で、膨潤性鉱物と充填材の総量は、通常、２０〜９０重量％、好ましくは４０〜８０重量％の量で含まれていることが望ましい。
【００２２】
このフッ素樹脂含量が上記量より少ないと、引張強度、シール性に劣る傾向があり、上記量より多いと、応力緩和が大きくなる傾向がある。また、膨潤性鉱物と充填材の総量が上記量より少ないと、応力緩和が大きくなる傾向があり、上記量より多いと、引張強度、シール性に劣る傾向がある。
このような本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シートは、充填材の含有率が高くても破断箇所のないシートを、原料組成物から容易に製造可能であり、例えば、シート中に４５〜９５重量％程度の量で、特に６０〜９５重量％の量で充填材が含まれているものであっても、該充填材入りフッ素樹脂シート形成用の組成物をちぎれさせる（破断させる）ことなく作業性よくスムーズに圧延加工等を行って、応力緩和率、引張強度等に優れたシートを製造効率良く得ることができる。
【００２３】
［シート形成用樹脂組成物（組成物）］
本発明で用いられるシート形成用樹脂組成物には、膨潤性鉱物、充填材（膨潤性鉱物を除く。）の他に、通常、フッ素樹脂が含まれ、および必要により、液状の加工助剤が含まれている。
このように、本発明で用いられるシート形成用樹脂組成物には、フッ素樹脂、充填材（膨潤性鉱物を除く。）、液状の加工助剤などと共に、必須成分の膨潤性鉱物が含まれているので、該組成物からなる混練・押出物（プレフォーム）をロール圧延してもちぎれ（破断・傷）が生ぜず、このシート形成用樹脂組成物からロール圧延等の工程を経て、部位に依らず均一な性状を有し、引張強度の高い本発明のシートを効率よく製造可能となっている。
【００２４】
このようなシート形成用樹脂組成物中における各成分の含有量は、得られるシートが上記成分組成となる限り、特に限定されない。
例えば、該組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）１００重量部中に、膨潤性鉱物、フッ素樹脂、充填材（膨潤性鉱物を除く。）は、それぞれ上記シート中の配合量と同様の量で用いることが望ましい。
【００２５】
すなわち、このような膨潤性鉱物の添加量としては、成形・乾燥後のシートの重量（加熱し、更に必要により焼成し、加工助剤を揮散させた場合の残分）１００重量部中に、通常、５重量部以上となるような量であることが前述した理由から望ましい。
＜膨潤性鉱物＞
膨潤性鉱物としては、水中で膨潤し、粘性のある微結晶の分散液となる水膨潤性鉱物及び、有機溶媒・潤滑油中で膨潤し、粘性のある微結晶の分散液となる油膨潤性鉱物が挙げられる。
【００２６】
水膨潤性鉱物としては、例えば、合成マイカ（例：コープケミカル（株）製「ソマシフ（ＭＥ１００）」）や合成スメクタイト（例：コープケミカル（株）製「ルーセンタイト（ＳＷＮ、ＳＷＦ）」等が挙げられる。
油膨潤性鉱物としては、例えば、親油性の合成スメクタイト（例：コープケミカル（株）製「ルーセンタイト（ＳＡＮ、ＳＴＮ、ＳＥＮ、ＳＰＮ）」、親油性膨潤性合成マイカ（例：コープケミカル（株）製「ソマシフ（ＭＥＥ）」等が挙げられる。
【００２７】
このような膨潤性鉱物である合成マイカ、合成スメクタイトなどについてさらに詳説すると、合成マイカは、鱗片状であり、天然マイカと同様の結晶構造を有し、タルクを主原料とする高純度フッ素系マイカであり、水中で膨潤し、粘性のある微結晶の分散液となる。
合成スメクタイトは、人工的に得られたスメクタイト型粘土鉱物であり、天然物に比べて不純物が少ないので、親水性に優れ、水中で膨潤し、良好な粘性のある微結晶の分散液となる。
【００２８】
さらに、合成スメクタイトを親油処理することにより、有機溶媒や潤滑油中で膨潤し、良好な粘性のある微結晶の分散液となる、親油性の合成スメクタイトが得られる。
本発明では、このような合成マイカ、合成スメクタイトなどは、充填材入りフッ素樹脂シートやシート形成用の樹脂組成物に含まれる膨潤性鉱物として特に好適である。このような合成マイカ、合成スメクタイトなどに代表される合成膨潤性鉱物を含有したシート形成用フッ素樹脂組成物を用いると、作業性良く圧延加工して、破断部位のない、引張強さなどに優れた所望の充填材入りフッ素樹脂シートを簡単に製造できる。
【００２９】
上記スメクタイト型粘土鉱物としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。これらのスメクタイト型粘土鉱物は、その結晶構造が層状構造をとっている。そしてその層表面には珪素原子に結合した酸素原子が存在し、その結晶端面すなわち層構造の側面には水酸基が存在している。スメクタイト型粘土鉱物は、その結晶端面に水酸基が存在するために、元来結晶端面同士の親水的な結合性を有する。
＜フッ素樹脂＞
フッ素樹脂としては、ＰＴＦＥの他、変性ＰＴＦＥ 、フッ化ビニリデン樹脂（ＰＶＤＦ） 、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂（ＥＴＦＥ） 、三フッ化塩化エチレン樹脂（ＰＣＴＦＥ） 、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレンエチレン共重合樹脂（ＦＥＰ）および四フッ化エチレン−パーフロロアルキル共重合樹脂（ＰＦＡ）など、従来より公知のフッ素樹脂をいずれも好ましく用いることができるが、その中でも特に、乳化重合によって得られたＰＴＦＥを使用することが押出成形、圧延などを行う際の加工性の面で好ましい。
【００３０】
フッ素樹脂としては、粉末状のものをそのまま用いても良く、水にフッ樹脂微粒子を分散させたディスパージョンを用いても良い。ディスパージョンを用いた場合においては、フッ素樹脂ディスパージョンに適量の水、充填材（膨潤性鉱物を除く。）、膨潤性鉱物などを加えて攪拌するだけで充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物を得ることができ、該組成物を用いることにより、より効率的に諸物性に優れた本発明の充填材入フッ素樹脂シートを得ることができる。
＜充填材＞
充填材としては、目的に応じて、黒鉛、カーボンブラック、膨張黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ等の炭素系充填材；タルク、マイカ（膨潤性鉱物を除く）、クレー、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、等の無機充填材；またはＰＰＳ等の樹脂の粉体；
等が目的に応じて用いられる。また、炭素繊維、アラミド繊維、ロックウール等からなる繊維材長１０ｍｍ以下の繊維材を充填材として用いても良い。
＜液状の加工助剤＞
加工助剤としては、常温（１５〜２５℃）、常圧下で、液状である限り、その粘度などは特に限定されず、例えば、脂肪族飽和炭化水素や芳香族炭化水素などに代表される有機溶剤、アルコール類、水等が使用できる。
【００３１】
このような成分が含まれた本発明の充填材入りフッ素樹脂シート形成用の樹脂組成物を調製するには、上記各成分を任意の順序で一度に、あるいは少量ずつ複数回に分けて容器内に添加し、攪拌・混合等すればよい。この際に、必要により、後述するロール間での圧延、加熱焼成を経て、所望のシートが得られる限り、含まれるフッ素樹脂の溶融温度未満の温度での加熱等を行ってもよい。
【００３２】
［充填材入りフッ素樹脂シートの製造］
本発明に係る充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法では、上記混練されたフッ素樹脂組成物を、好ましくはロッド状又はリボン状に、押出成形した後、二軸ロールに代表される圧延ロール間を通過させてシート状に圧延し、次いで、フッ素樹脂の融点未満の温度で加工助剤を揮発させ、上記シートを製造している。
＜押出成形＞
以下、分説すると、上記押出成形の際には、常法に従い、ミキサー、押出成形機等が用いられる。
【００３３】
また、押出成形の際には、必要により、含まれる加工助剤などがあまり揮散しないような温度で加熱（例：３０〜８０℃）してもよい。
押出成形物（プレフォーム）の形状は、特に限定されないが、通常、その後のシート形成の効率、シート性状の均質性などを考慮すると、プレフォーム形状は、ロッド状またはリボン状が望ましい。
【００３４】
本発明で用いられるこの樹脂組成物は、上記したように膨潤性鉱物を含んでいるので、シート形成用樹脂組成物中の固形分（加熱焼成残分）１００重量部中における、充填材の含有率が高いもの（例：該組成物中の固形分１００重量部中に充填材量が、４５〜９５重量部、さらには６０〜９５重量部）であっても、該シート形成用組成物を、作業性良く圧延加工して、破断やちぎれがなく、品質が均一で、応力緩和率、引張強さなどに優れた所望の充填材入りフッ素樹脂シートを製造できる。
【００３５】
本発明で用いられる膨潤性鉱物との関係でさらに詳説すると、この膨潤性鉱物は、液体に混合することによって層状結晶構造の層間距離が増大し、変形しやすくなる性質を有する。本発明では、膨潤性鉱物のこの性質を利用し、フッ素樹脂、充填材および加工助剤からなる従来のシート形成用混合物（混合液）に、チキソ性（せん断力を加えることにより一時的に流動しやすくなり、静置すると元のゲル状に戻る性質、thixotropy）を付与している。
【００３６】
このようにチキソ性が付与された混合物は、該混合物をロッド状又はリボン状に押出し成形した後に、二軸ロールなどのような、１対の圧延ロールを通過させシート状に圧延する際に均一分散状態を保持しつつ良好に流動し、圧延後にも、配合成分の均一分散状態が良好に保持されるため、シートが破断しにくくなるものと考えられる。
【００３７】
なお、従来の技術では、充填材の含有量が多くなるほど、圧延の際にシート形成用樹脂組成物が破断しやすい傾向にあったが、本発明においては、充填材の含有量が多い場合（例えば４５〜９５重量％）であっても、圧延の際のシート形成用樹脂組成物の破断はおこりにくくなっている。
また、従来の技術では、シート形成用材料を圧延する際に加工助剤としては、主に炭化水素系の溶媒やアルコール類が用いられており、加工助剤として水を用いて圧延することは困難であったが、本発明においては、配合された水膨潤性鉱物が、水を加工助剤として用いているシート形成用樹脂組成物であっても該組成物にチクソ性を付与する（もたらす）ことができるため、加工助剤として水を用いたもの（シート形成用材料）であっても良好に圧延することが容易になる。
【００３８】
さらに、チクソ性をもつ本発明に係るシート形成用樹脂組成物（混合物）は攪拌の際は良好に流動性を発揮し、含まれる配合成分は良好に均一分散され、また、シート状に圧延後には配合成分の流動性が無くなり、良好に配合成分の均一分散状態が保持されるため、従来のように加工助剤を含まないシート形成用混合物を一旦乾燥させてから、これに加工助剤を添加する必要はなくなる。
【００３９】
従って、本発明によれば、例えば（加工助剤の）水等にＰＴＦＥの微粒子を分散させてなるＰＴＦＥディスパージョンを調製し、このＰＴＦＥディスパージョンに、充填材と（水）膨潤性鉱物とを加えて（必要に応じてさらに水やアルコール類等を加えて）攪拌混合したもの（シート形成用樹脂組成物）を、そのまま押出し成形して、下記の圧延することにより良好にシート状に加工することも可能となり、充填材入りフッ素樹脂シートの製造効率を著しく改善することができる。
＜圧延＞
また、上記のように押出成形物であるプレフォームを圧延する際には、二軸ロールなどが用いられる。
【００４０】
例えば、二軸ロールにて上記プレフォームを圧延してシート成形する際には、例えば、ロール間距離：０．５〜２０ｍｍにセットし、ロール表面移動速度（シート押出速度）５〜５０ｍｍ／ｓｅｃ．でプレフォームを、圧延すればよい。このような圧延工程は、通常、常温で行われるが、３０〜２００℃程度の加熱下に行うこともできる。
【００４１】
本発明では、このようにして得られた圧延後のシートを、例えば、常温下で放置したり、乾燥機等でフッ素樹脂の融点未満で加熱することにより、該圧延シートから加工助剤を揮発させて除去している。
＜加熱焼成＞
上記にようにして得られた圧延シートは、必要により、通常含まれるフッ素樹脂の融点以上〜分解温度未満の温度で加熱焼成を行う場合もある。
【００４２】
［用途］
このようにして得られたシートは、フッ素樹脂、充填材（膨潤性鉱物を除く）、膨潤性鉱物などを含有しており、シート中における充填材量が例えば、４５〜９５重量％、特に６０〜９５重量％の量であるようなシートであっても、破断箇所やちぎれがなく、部位に依らず均一の性能を有しており、応力緩和性、引張強さに優れており、上記充填材として、活性炭や触媒など機能性充填材を含有するシートでは、吸着性や触媒能が優れ、吸着シートや触媒シートとして利用でき、また充填材として、金属、黒鉛、無機充填材等を含有するシート（シール材）では、熱伝導率、耐摩耗性、クリープ特性等に優れ、シール材として好適に利用できる。
【００４３】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素樹脂に充填材などを添加してシート状に加工する際の圧延加工の作業性が改善され、特に充填材の含有率が高い場合（例：得られるシート中に充填材量６０重量％以上となるようなシート形成用樹脂組成物）の圧延加工の作業性が改善されており、充填材の含有率が高い充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物（原料組成物）であっても、該組成物を作業性良く圧延加工して、何れの部位でも破断やちぎれなどがなく、強度、応力緩和性などに優れるなど、所望の特性の充填材入りフッ素樹脂シートを簡単に製造できるような充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物が提供される。
【００４４】
また、本発明によれば、上記のように充填材含有量が高くても、部位によらず均一な性状を有し、何れの部位でもちぎれ、破断などがなく、引張強さ等に優れた充填材入りフッ素樹脂シートが提供される。その結果、充填材含有率が高く応力緩和特性に優れ、ガスケット用の素材に適したフッ素樹脂シートや、活性炭や触媒など機能性充填材の含有率が高く吸着性や触媒能が優れた吸着シートや、触媒シートなどが提供される。
【００４５】
また、この充填材入りフッ素樹脂シートは、原料組成物から作業性良く圧延加工等の工程を経て簡単に製造される。
また、本発明によれば、上記のように充填材の含有率が高いシートであっても、充填材入りフッ素樹脂シート形成用組成物から、部位によらず均一な性状を有し、何れの部位でもちぎれ、破断などがないようなシートを、作業性良く圧延加工にて簡単に製造できるような、充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法が提供される。
【００４６】
【実施例】
以下、本発明について実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は係る実施例により何ら限定されるものではない。
【００４７】
【実施例１】
シート（シートガスケット）形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）３０重量部、黒鉛粉末６０重量部、親油性膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥＥ）１０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部をニーダーにて５分間混合したのち１晩熟成させた。これを口金３００×２０ｍｍの押出機で押出圧３．０ＭＰａにて常温で押出し、プレフォームを作製した。
【００４８】
このプレフォームをロール径７００ｍｍ、ロール間距離１．２ｍｍの二軸ロールで速度１０ｍｍ/sにて圧延したところ、均一なシートとして製板することが可能であった。このシートを１晩放置し溶剤を除去した後、３５０℃に調整した電気炉内で３時間焼成し、シートガスケットを得た。
該シートガスケットについて、ＡＳＴＭ Ｆ３８に準拠し、条件２００℃、２２時間保持後における応力緩和率を測定したところ、３５％と良好な結果を示した。同様に、条件２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は４８％となった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは１０．２ＭＰａとなった。
【００４９】
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００５０】
【実施例２】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）２０重量部、黒鉛粉末７０重量部、親油性膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥＥ）１０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部を用いた以外は、実施例１と同様にしてシートガスケットを製作した。二軸ロールでの圧延により均一なシートを製版することが可能であった。
【００５１】
該シートガスケットの２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は３３％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は４５％となった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは９．０ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００５２】
【実施例３】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）３０重量部、黒鉛粉末６５重量部、親油性膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥＥ）５重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部を用いた以外は、実施例１と同様にしてシートガスケットを製作した。二軸ロールでの圧延により均一なシートを製版することが可能であった。
【００５３】
該シートガスケットの２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は３５％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は４７％となった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは９．５ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００５４】
【実施例４】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）３０重量部、黒鉛粉末５５重量部、親油性膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥＥ）１５重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部を用いた以外は、実施例１と同様にしてシートガスケットを製作した。二軸ロールでの圧延により均一なシートを製版することが可能であった。
【００５５】
該シートガスケットの２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は３７％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は５０％となった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは１０．５ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００５６】
【実施例５】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）３０重量部、カオリンクレー粉末６０重量部、親油性膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥＥ）１０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部を用いた以外は、実施例１と同様にしてシートガスケットを製作した。二軸ロールでの圧延により均一なシートを製版することが可能であった。
【００５７】
該シートガスケットの２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は３９％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は５３％となった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは９．５ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００５８】
【実施例６】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥディスパージョン（ダイキン社製Ｄ−１Ｅ、固形分比６０ｗｔ％）を５０重量部（固形分３０重量部）、黒鉛粉末６０重量部、水膨潤性マイカ（コープケミカル社製ソマシフＭＥ−１００）１０重量部および水１０重量部を用い、該組成物をミキサーにて１０分混合した後、口金３００×２０ｍｍの押出機で押出圧１．５ＭＰａにて押出し、プレフォームを作製した。このプレフォームを、ロール径７００ｍｍ、ロール間距離１．２ｍｍの二軸ロールで速度１０mm/sにて圧延したところ、均一なシートとして製板することが可能であった。これを１００℃に調整した乾燥機内で１晩放置し溶剤を除去した後、３５０度に調整した電気炉内で３時間焼成し、シートガスケットを得た。
【００５９】
該シートガスケットのASTM F38に準拠し、条件２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は３７％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は４９％であった。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは１０．８ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００６０】
【比較例１】
ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）３０重量部、黒鉛粉末７０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部をニーダーにて５分混合したのち１晩熟成させた。これを口金３００×２０ｍｍの押出機で押出圧３．０ＭＰａにて押出し、プレフォームを作製した。これをロール径７００ｍｍ、ロール間距離１．２ｍｍの二軸ロールで速度１０ｍｍ/sにて圧延したところ、ちぎれが発生し均一なシートとして製板することができなかった。
【００６１】
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００６２】
【比較例２】
ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）４０重量部、黒鉛粉末６０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部をニーダーにて５分混合したのち１晩熟成させた。これを口金３００×２０ｍｍの押出機で押出圧３．０ＭＰａにて押出し、プレフォームを作製した。このプレフォームをロール径７００ｍｍ、ロール間距離１．２ｍｍの二軸ロールで速度１０ｍｍ/sにて圧延したところ、シート状に圧延することはできたが、シート強度の弱さから連尺シートとして得ることができなかった。
【００６３】
該シート状物について、ＡＳＴＭ Ｆ３８に準拠しその応力緩和率を測定しようとしたところ、初期締付時に試験片が破損した。また、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さも１．６ＭＰａときわめて低い数値を示したことから、ガスケットとして使用可能な強度を有していないことが確認された。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００６４】
【比較例３】
実施例１において、シート形成用樹脂組成物として、ＰＴＦＥファインパウダー（ダイキン社製Ｆ１０４）５０重量部、黒鉛粉末５０重量部および炭化水素系有機溶剤（エクソンモービル化学社製アイソパーＧ）３０重量部を用いた以外は、実施例１と同様にしてシートガスケットを製作した。
【００６５】
該シートガスケットについて、２００℃、２２時間保持後における応力緩和率は６０％、２５０℃、２２時間保持後における応力緩和率は８５％を示したことから、これらの高温領域では長期間使用不可能なシートガスケットである。なお、ＪＩＳ Ｋ ６８８８に準拠した引張強さは１５．０ＭＰａとなった。
シート形成用樹脂組成物の配合組成、シート成形条件、および得られたシートの物性などを併せて表1に示す。
【００６６】
【表１】
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a filled fluororesin sheet and a method for producing the same. More specifically, the present invention relates to a filled fluororesin sheet that can be easily produced by rolling even a sheet having a high filler content, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Filled fluororesin sheet is a sheet made by filling a fluororesin with a filler. In addition to the chemical resistance, heat resistance, non-adhesiveness, and low friction properties of fluororesin, Adsorption films, capacitor electrode films, etc. with various functions by adding unique functions and properties or improving the abrasion resistance and creep resistance, which are disadvantages of fluororesin Is also called a functional membrane.) And is widely used for sealing materials.
[0003]
As functional membranes, there are those in which functional fillers such as activated carbon and catalysts are filled in fluororesins, and they are used for adsorption membranes, capacitor electrode membranes, and the like.
Sealing materials include fluorine resin filled with metal, graphite, inorganic filler, etc. to improve thermal conductivity, wear resistance, creep characteristics, etc., sheet-like gaskets, knitting yarns for gland packing, etc. Is used.
[0004]
As a method for producing a filled fluororesin sheet, there is a method in which a filler is dispersed in a fluororesin and rolled into a sheet, and various techniques have been disclosed.
In U.S. Pat. No. 3,556,161 (Patent Document 1), a cake obtained by dispersing a tetrafluoroethylene resin (hereinafter also referred to as PTFE) and a filler in a liquid and filtering it on a flat plate is rolled into a sheet. A method is disclosed. However, with this method, it is difficult to obtain a sheet having a size larger than that of a flat plate, so it is difficult to obtain a long sheet.
[0005]
US Pat. No. 3,864,124 (Patent Document 2) discloses a technique in which PTFE and a filler are mixed without adding a liquid, and are repeatedly passed between heated rolling rolls. (Patent Document 3) discloses a technique in which PTFE, a filler, and grease (liquid having a high viscosity) are mixed, repeatedly passed through a pair of rolling rolls, rolled, and then the grease is removed.
[0006]
However, since any technique needs to be repeatedly passed between the rolling rolls, work efficiency for obtaining a long sheet is not good.
US Pat. No. 3315020 (Patent Document 4) discloses a technique for obtaining a long sheet by extruding a mixture of PTFE, a filler and a processing aid and then passing the mixture through a pair of rolling rolls. . However, this technique alone could not provide a filled fluororesin sheet containing 60 wt% or more filler. In the case of a sheet-like gasket composed of a fluororesin sheet with a filler, the stress relaxation characteristics tend to be superior as the filler content increases, so the filler content is desirably 60% by weight or more. Also, in the functional film, the function / efficiency tends to be proportional to the content of the filler, so that the content of the filler is preferably 60% by weight or more.
[0007]
In contrast, JP-A-01-098687 (Patent Document 5), JP-A-2000-323363 (Patent Document 6), and JP-A-2001-085280 (Patent Document 7) disclose PTFE and a filler. Is disclosed in which water or an organic solvent is dispersed, water or an organic solvent is removed, an appropriate amount of a processing aid is added, extrusion molding is performed, and rolling is performed to fill the filler by 60% by weight or more. Yes.
[0008]
However, in these techniques, it is necessary to remove water and an organic solvent before adding a processing aid prior to rolling, and there is room for further improvement in terms of production efficiency. These publications disclose liquids such as kerosene, naphtha, trichloroethane, and alcohols as the organic solvent.
In the production of a filled fluororesin sheet, generally, the higher the filler content, the easier the sheet breaks during rolling, and the efficiency of the rolling operation tends to decrease.
[0009]
For this reason, development of the fluororesin sheet | seat with a filler and its manufacturing method which is excellent in the workability | operativity of the rolling process at the time of sheet manufacture even if the content rate of a filler is high is desired.
[0010]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 3,556,161
[Patent Document 2]
U.S. Pat.No. 3,864,124
[Patent Document 3]
U.S. Pat.No. 4042747
[Patent Document 4]
U.S. Pat.No. 3315020
[Patent Document 5]
Japanese Unexamined Patent Publication No. 01-098687
[Patent Document 6]
JP 2000-323363 A
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-085280
[0011]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention is intended to solve the problems associated with the prior art as described above, and even if the sheet has a high filler content (eg, 60% by weight or more in the sheet), the rolling process is performed. A composition for forming a fluororesin sheet with a filler, which can easily produce a desired sheet having a uniform property regardless of the part and excellent in stress relaxation rate, tensile strength, and the like, and the composition It aims at providing the fluororesin sheet | seat with a filler of the said characteristic which uses this.
[0012]
In addition, the present invention has a uniform property regardless of the part from the composition for forming a fluororesin sheet with a filler, even if it is a sheet having a high filler content as described above, a stress relaxation rate, It aims at providing the manufacturing method of the fluororesin sheet | seat with a filler so that the desired sheet | seat excellent in tensile strength etc. can be easily manufactured by rolling with sufficient workability | operativity.
[0013]
SUMMARY OF THE INVENTION
The first filled fluororesin sheet according to the present invention includes a filled fluororesin containing a fluororesin selected from PTFE and modified PTFE, a swellable mineral, and a filler (excluding the swellable mineral). A resin sheet, wherein the fluororesin is 10 to 80% by weight and the swellable mineral is 5% by weight or more,Filler (excluding swellable minerals) in an amount of 60% by weight or more,And,
Swellable minerals and fillers (excluding swellable minerals) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
The filled fluororesin sheet according to the present invention is
(B) Selected from PTFE and modified PTFEFluoropolymer,
(B)Swellable minerals,
(C)Fillers (excluding swellable minerals) and
(D) selected from organic solvents, alcohol and water;Liquid processing aid
A fluororesin composition comprising:
The fluororesin composition is
In the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the fluororesin composition,
10-80 wt% of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
A filler (excluding swellable minerals) in an amount of 60% by weight or more, and
Contains swellable minerals and fillers (excluding swellable minerals) in a total amount of 20-90% by weight.Fluorine resin composition
After extruding into a rod shape or a ribbon shape, it is preferable to pass between rolling rolls and roll into a sheet shape to volatilize the processing aid.
[0014]
In the present invention, the swellable mineral is preferably a water swellable mineral or an oil swellable mineral.
Of the filled fluororesin sheet according to the present inventionFirstThe production method includes extruding a fluororesin composition containing a fluororesin, a swellable mineral, a filler (excluding the swellable mineral) and a liquid processing aid, preferably in the form of a rod or ribbon, It is characterized by rolling between rolling rolls into a sheet.
[0015]
In the second production method according to the present invention, the fluororesin composition in the first production method comprises:
In the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the fluororesin composition,
10-80% by weight of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
Filler (excluding swellable minerals) in an amount of 60% by weight or more,And,
The swellable mineral and the filler (excluding the swellable mineral) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
In the method for producing a filled fluororesin sheet according to the present invention, the swellable mineral is preferably a water-swellable mineral or an oil-swellable mineral.
The filled fluororesin sheet forming resin composition according to the present invention includes a fluororesin selected from PTFE and modified PTFE, a swellable mineral, a filler (excluding swellable minerals), and, if necessary. ,Selected from organic solvents, alcohol, water,Including the liquid processing aid, in the solid content (the residue when the processing aid is volatilized) in the composition,
10-80% by weight of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
Filler (excluding swellable minerals) in an amount of 60% by weight or more,And,
Swellable minerals and fillers (excluding swellable minerals) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
[0016]
According to the present invention, even a sheet having a high filler content (eg, 60% by weight or more in the sheet), the composition for forming a fluororesin sheet containing a filler is rolled and broken with good workability. Provided is a composition for forming a filled fluororesin sheet that can easily produce a desired filled fluororesin sheet having no site and excellent tensile strength, and a filled fluororesin sheet having such characteristics. Is done.
[0017]
In addition, according to the present invention, even in the case of a sheet having a high filler content as described above, a fracture (tear) site can be obtained from the filled fluororesin sheet forming composition by rolling with good workability. There is provided a method for producing a filled fluororesin sheet that can easily produce a sheet having excellent tensile strength and the like.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the filler-containing fluororesin sheet according to the present invention and the production method thereof will be described in detail.
[Filled fluororesin sheet]
The fluororesin sheet with a filler according to the present invention (simply referred to as a sheet, a fluororesin sheet, etc.) contains a swellable mineral and a filler (excluding swellable minerals; the same shall apply hereinafter) described later, and swells. The water-soluble mineral preferably contains a water-swellable mineral and / or an oil-swellable mineral described later.
[0019]
In addition to the swellable mineral and filler, this sheet preferably contains a fluororesin.
The swellable mineral is desirably contained in the filler-containing fluororesin sheet of the present invention usually in an amount of 5% by weight or more.
Even if such a sheet of the present invention is a sheet having a high content of fillers other than the swellable mineral (eg, 60% by weight or more in the sheet), the filled fluororesin as a raw material The sheet forming composition can be easily manufactured by rolling with good workability, and the obtained sheet becomes a desired filled fluororesin sheet having no fracture site and excellent tensile strength.
[0020]
Note that the amount of the swellable mineral in the sheet is less than the above amount, and the amount of the filler in the filled fluororesin sheet is increased on the contrary, for example, the amount of the filler is 45 to 95% by weight, particularly 60 to A sheet having an amount of 95% by weight (however, a total of 100% by weight of all the components in the sheet) is a resin composition for forming a fluororesin sheet with a filler as a raw material composition (simply composition, for sheet formation) It is also referred to as a resin composition, etc.), and it is difficult to produce a sheet without a broken portion by roll rolling, and the obtained sheet tends to be inferior in tensile strength.
[0021]
Further, in this sheet, in addition to the above swellable minerals and fillers (excluding swellable minerals, the same applies hereinafter), a fluororesin or the like is included as necessary.
In a sheet containing such a fluororesin, depending on its use and required function, for example, when used for a gasket that requires heat resistance, the fluororesin is usually 10 to 80% by weight, preferably In the amount of 20 to 60% by weight, the total amount of the swellable mineral and the filler is usually contained in an amount of 20 to 90% by weight, preferably 40 to 80% by weight.
[0022]
If the fluororesin content is less than the above amounts, the tensile strength and sealing properties tend to be inferior, while if it exceeds the above amounts, stress relaxation tends to increase. Further, when the total amount of the swellable mineral and the filler is less than the above amount, the stress relaxation tends to increase, and when it exceeds the above amount, the tensile strength and the sealing property tend to be inferior.
Such a filled fluororesin sheet according to the present invention can be easily produced from a raw material composition, even if the filler content is high, for example, from 45 to 95 in the sheet. Even if the filler is contained in an amount of about wt%, particularly 60 to 95 wt%, without tearing (breaking) the composition for forming the filled fluororesin sheet. A sheet having excellent stress relaxation rate, tensile strength, and the like can be obtained with good production efficiency by performing rolling and the like smoothly with good workability.
[0023]
[Resin Composition for Forming Sheet (Composition)]
The resin composition for forming a sheet used in the present invention usually contains a fluororesin in addition to a swellable mineral and a filler (excluding swellable minerals) and, if necessary, a liquid processing aid. include.
Thus, the resin composition for forming a sheet used in the present invention includes a swellable mineral as an essential component together with a fluororesin, a filler (excluding a swellable mineral), a liquid processing aid and the like. Therefore, even if the kneaded / extruded product (preform) made of the composition is roll-rolled, tearing (breaking / scratching) does not occur. Therefore, the sheet of the present invention having uniform properties and high tensile strength can be produced efficiently.
[0024]
The content of each component in such a sheet-forming resin composition is not particularly limited as long as the obtained sheet has the above-described component composition.
For example, the swellable mineral, fluororesin, and filler (excluding the swellable mineral) are contained in 100 parts by weight of the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the composition, respectively. It is desirable to use it in the same amount as the blending amount in it.
[0025]
That is, as the addition amount of such swellable minerals, the weight of the sheet after molding and drying (heated, further calcined if necessary, and the residue when the processing aid is volatilized) in 100 parts by weight, Usually, the amount is preferably 5 parts by weight or more for the reason described above.
<Swellable mineral>
Swellable minerals are water-swellable minerals that swell in water and become viscous microcrystalline dispersions, and oil-swellable that swell in organic solvents and lubricating oils and become viscous microcrystalline dispersions. Minerals.
[0026]
Examples of water-swellable minerals include synthetic mica (eg, “Somasif (ME100)” manufactured by Corp Chemical Co., Ltd.) and synthetic smectite (eg: “Lucentite (SWN, SWF)” manufactured by Corp Chemical Co., Ltd.). Can be mentioned.
Examples of the oil-swellable mineral include lipophilic synthetic smectite (eg, “Lucentite (SAN, STN, SEN, SPN)” manufactured by Coop Chemical Co., Ltd., lipophilic swellable synthetic mica (eg, Coop Chemical Co., Ltd.). ) “Somasif (MEE)” and the like.
[0027]
Synthetic mica, which is such a swellable mineral, will be described in further detail. Synthetic mica has a scaly shape, has the same crystal structure as natural mica, and is a high-purity fluorine-based mica mainly composed of talc. It swells in water and becomes a viscous microcrystalline dispersion.
Synthetic smectite is an artificially obtained smectite-type clay mineral, and has fewer impurities than natural products. Therefore, it is excellent in hydrophilicity, swells in water, and becomes a fine viscous dispersion of fine crystals.
[0028]
Further, by subjecting the synthetic smectite to lipophilic treatment, lipophilic synthetic smectite that swells in an organic solvent or lubricating oil and becomes a fine viscous dispersion of fine crystals is obtained.
In the present invention, such synthetic mica, synthetic smectite and the like are particularly suitable as a swellable mineral contained in a filled fluororesin sheet or a resin composition for forming a sheet. When using a fluororesin composition for sheet formation containing a synthetic swellable mineral represented by such synthetic mica and synthetic smectite, it is rolled with good workability, excellent in tensile strength, etc. In addition, a desired fluororesin sheet with a filler can be easily produced.
[0029]
Examples of the smectite-type clay mineral include montmorillonite, beidellite, nontronite, saponite, hectorite and the like. These smectite-type clay minerals have a lamellar crystal structure. Then, oxygen atoms bonded to silicon atoms exist on the surface of the layer, and hydroxyl groups exist on the crystal end faces, that is, the side surfaces of the layer structure. Since smectite-type clay minerals have hydroxyl groups on their crystal end faces, they naturally have hydrophilic bonding between the crystal end faces.
<Fluorine resin>
Fluororesin includes PTFE, modified PTFE, vinylidene fluoride resin (PVDF), tetrafluoroethylene-ethylene copolymer resin (ETFE), trifluorochloroethylene resin (PCTFE), tetrafluoroethylene-6 hexafluoride. Conventionally known fluororesins such as fluorinated propylene ethylene copolymer resin (FEP) and tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl copolymer resin (PFA) can be preferably used. It is preferable to use the obtained PTFE in terms of workability when performing extrusion molding, rolling, or the like.
[0030]
As the fluororesin, a powdery one may be used as it is, or a dispersion in which fluororesin fine particles are dispersed in water may be used. In the case of using a dispersion, a composition for forming a fluororesin sheet containing a filler simply by adding an appropriate amount of water, filler (excluding swellable minerals), swellable mineral, etc. to the fluororesin dispersion and stirring. By using the composition, it is possible to obtain the filler-containing fluororesin sheet of the present invention that is more efficiently excellent in various physical properties.
<Filler>
Fillers include carbon-based fillers such as graphite, carbon black, expanded graphite, activated carbon, and carbon nanotubes depending on the purpose; talc, mica (excluding swellable minerals), clay, calcium carbonate, magnesium oxide, etc. Inorganic fillers; or powders of resins such as PPS;
Etc. are used according to the purpose. Moreover, you may use the fiber material which consists of carbon fiber, an aramid fiber, rock wool, etc. and whose fiber material length is 10 mm or less as a filler.
<Liquid processing aid>
The processing aid is not particularly limited as long as it is liquid at normal temperature (15 to 25 ° C.) and normal pressure, and examples thereof include organics such as aliphatic saturated hydrocarbons and aromatic hydrocarbons. Solvents, alcohols, water, etc. can be used.
[0031]
In order to prepare the resin composition for forming a filled fluororesin sheet according to the present invention containing such components, the components described above may be divided into a plurality of times at once or in small portions in an arbitrary order. The mixture may be stirred and mixed. At this time, if necessary, heating at a temperature lower than the melting temperature of the fluororesin may be performed as long as a desired sheet is obtained through rolling between rolls and heating and firing described below.
[0032]
[Manufacture of filled fluororesin sheet]
In the method for producing a filled fluororesin sheet according to the present invention, the kneaded fluororesin composition is preferably extruded into a rod shape or a ribbon shape, and then between rolling rolls represented by a biaxial roll. The sheet is rolled by passing it through, and then the processing aid is volatilized at a temperature below the melting point of the fluororesin to produce the sheet.
<Extrusion molding>
In the following, when extruding, a mixer, an extruding machine and the like are used according to a conventional method.
[0033]
Moreover, in the case of extrusion molding, you may heat at the temperature (example: 30-80 degreeC) as needed so that the processing aid contained may not volatilize so much.
The shape of the extruded product (preform) is not particularly limited, but usually, the preform shape is preferably a rod shape or a ribbon shape in consideration of the efficiency of subsequent sheet formation, the homogeneity of the sheet properties, and the like.
[0034]
Since the resin composition used in the present invention contains a swellable mineral as described above, the inclusion of the filler in 100 parts by weight of the solid content (residue by heating and baking) in the resin composition for sheet formation. Even if the ratio is high (eg, the amount of filler is 45 to 95 parts by weight, further 60 to 95 parts by weight in 100 parts by weight of the solid content in the composition), It is possible to produce a fluororesin sheet with a desired filler that is rolled with good workability, has no fracture or tear, has a uniform quality, and has an excellent stress relaxation rate and tensile strength.
[0035]
More specifically, in relation to the swellable mineral used in the present invention, the swellable mineral has the property of being easily deformed by increasing the interlayer distance of the layered crystal structure when mixed with a liquid. In the present invention, using this property of a swellable mineral, thixotropy (temporarily flowing by applying shear force) to a conventional sheet forming mixture (mixed liquid) composed of a fluororesin, a filler and a processing aid. It is easy to do and has the property of returning to the original gel state when left standing (thixotropy).
[0036]
The mixture to which the thixotropy is imparted in this way is uniform when the mixture is extruded into a rod shape or a ribbon shape and then passed through a pair of rolling rolls such as a biaxial roll and rolled into a sheet shape. It is considered that the sheet flows well while maintaining the dispersion state, and the uniform dispersion state of the blended components is well maintained even after rolling, so that the sheet is hardly broken.
[0037]
In the conventional technology, the more the filler content is, the more easily the sheet-forming resin composition is broken during rolling. In the present invention, however, the filler content is high ( Even if it is 45 to 95% by weight, for example, the resin composition for forming a sheet at the time of rolling is less likely to break.
Moreover, in the conventional technology, when rolling the sheet forming material, mainly hydrocarbon solvents and alcohols are used as processing aids, and rolling using water as a processing aid is not possible. Although difficult, in the present invention, the blended water-swellable mineral imparts thixotropy to the composition even if it is a sheet-forming resin composition that uses water as a processing aid (provides an effect). Therefore, even a material using water as a processing aid (sheet forming material) can be easily rolled well.
[0038]
Further, the sheet-forming resin composition (mixture) according to the present invention having thixotropy exhibits good fluidity during stirring, the contained ingredients are uniformly dispersed, and after rolling into a sheet form Since the fluidity of the blended components is lost and the uniformly dispersed state of the blended components is maintained well, the sheet forming mixture containing no processing aid is once dried as before, and then the processing aid is added thereto. No need to add.
[0039]
Therefore, according to the present invention, for example, a PTFE dispersion is prepared by dispersing PTFE fine particles in water (processing aid) or the like, and a filler and a (water) swellable mineral are added to the PTFE dispersion. In addition (adding water and alcohols as necessary) and stirring and mixing (sheet-forming resin composition) is extruded as it is, and then processed into a good sheet by rolling as described below. This also makes it possible to remarkably improve the production efficiency of the filled fluororesin sheet.
<Rolling>
Moreover, when rolling the preform which is an extrusion molding as mentioned above, a biaxial roll etc. are used.
[0040]
For example, when rolling the preform with a biaxial roll to form a sheet, for example, the distance between the rolls is set to 0.5 to 20 mm, and the roll surface moving speed (sheet extrusion speed) is 5 to 50 mm / sec. . Then, the preform can be rolled. Although such a rolling process is normally performed at normal temperature, it can also be performed under about 30-200 degreeC heating.
[0041]
In the present invention, the rolled sheet obtained in this manner is allowed to evaporate the processing aid from the rolled sheet by, for example, leaving it at room temperature or heating it below the melting point of the fluororesin with a dryer or the like. Let it be removed.
<Heating and firing>
If necessary, the rolled sheet obtained as described above may be heated and fired at a temperature not lower than the melting point of the fluorine resin usually contained and lower than the decomposition temperature.
[0042]
[Usage]
The sheet thus obtained contains a fluororesin, a filler (excluding swellable minerals), a swellable mineral and the like. The amount of filler in the sheet is, for example, 45 to 95% by weight, particularly 60. Even if it is a sheet having an amount of ˜95% by weight, there is no breakage or tearing, it has a uniform performance regardless of the part, it has excellent stress relaxation properties and tensile strength, and the above filling As a material, a sheet containing a functional filler such as activated carbon or a catalyst is excellent in adsorptivity and catalytic ability and can be used as an adsorption sheet or a catalyst sheet, and contains a metal, graphite, inorganic filler, etc. as a filler. A sheet (sealing material) is excellent in thermal conductivity, wear resistance, creep properties, etc., and can be suitably used as a sealing material.
[0043]
【The invention's effect】
According to the present invention, the workability of the rolling process when processing into a sheet by adding a filler to the fluororesin is improved, and particularly when the content of the filler is high (eg, filling in the obtained sheet) Composition for forming a fluororesin sheet with a filler (raw material composition) having improved workability in rolling of a resin composition for forming a sheet having a material amount of 60% by weight or more and having a high filler content However, the composition-containing fluororesin sheet having desired characteristics, such as being rolled with good workability, having no breakage or tearing at any part, excellent in strength, stress relaxation, etc. Provided is a composition for forming a filled fluororesin sheet that can be easily produced.
[0044]
In addition, according to the present invention, even if the filler content is high as described above, it has a uniform property regardless of the part, and there is no tearing, breakage, etc. at any part, and excellent tensile strength and the like. A filled fluororesin sheet is provided. As a result, it has a high filler content and excellent stress relaxation characteristics, and is a fluororesin sheet suitable for gasket materials, and an adsorbent sheet with a high content of functional fillers such as activated carbon and catalysts, with excellent adsorptivity and catalytic performance. In addition, a catalyst sheet and the like are provided.
[0045]
Moreover, this filled fluororesin sheet is easily produced from the raw material composition through a process such as rolling with good workability.
Further, according to the present invention, even a sheet having a high filler content as described above has a uniform property regardless of the part from the composition for forming a fluororesin sheet containing filler, Provided is a method for producing a filled fluororesin sheet that can be easily produced by rolling with good workability and a sheet that is not broken or broken at a site.
[0046]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further more concretely, this invention is not limited at all by the Example concerned.
[0047]
[Example 1]
As a resin composition for forming a sheet (sheet gasket), 30 parts by weight of PTFE fine powder (F104 manufactured by Daikin), 60 parts by weight of graphite powder, 10 parts by weight of lipophilic swelling mica (Somasif MEE manufactured by Corp Chemical) and hydrocarbon 30 parts by weight of an organic solvent (Isoper G manufactured by ExxonMobil Chemical Co., Ltd.) was mixed for 5 minutes with a kneader and then aged overnight. This was extruded at room temperature with an extrusion pressure of 3.0 MPa using an extruder having a base of 300 × 20 mm to prepare a preform.
[0048]
When this preform was rolled at a speed of 10 mm / s with a biaxial roll having a roll diameter of 700 mm and a distance between rolls of 1.2 mm, it was possible to produce a uniform sheet. The sheet was left overnight to remove the solvent, and then fired in an electric furnace adjusted to 350 ° C. for 3 hours to obtain a sheet gasket.
The sheet gasket was measured in accordance with ASTM F38 for the stress relaxation rate after being kept at 200 ° C. for 22 hours, and showed a good result of 35%. Similarly, the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 48%. Moreover, the tensile strength according to JIS K 6888 was 10.2 MPa.
[0049]
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0050]
[Example 2]
In Example 1, as a resin composition for forming a sheet, 20 parts by weight of PTFE fine powder (F104 made by Daikin), 70 parts by weight of graphite powder, 10 parts by weight of lipophilic swelling mica (Somasif MEE made by Coop Chemical Co.) and carbonization A sheet gasket was produced in the same manner as in Example 1 except that 30 parts by weight of a hydrogen-based organic solvent (Isoper G manufactured by ExxonMobil Chemical Co., Ltd.) was used. It was possible to make a uniform sheet by rolling with a biaxial roll.
[0051]
The stress relaxation rate after holding the sheet gasket at 200 ° C. for 22 hours was 33%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 45%. Further, the tensile strength based on JIS K 6888 was 9.0 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0052]
[Example 3]
In Example 1, as a resin composition for forming a sheet, 30 parts by weight of PTFE fine powder (F104 manufactured by Daikin), 65 parts by weight of graphite powder, 5 parts by weight of lipophilic swelling mica (Somasif MEE manufactured by Corp Chemical) and carbonized. A sheet gasket was produced in the same manner as in Example 1 except that 30 parts by weight of a hydrogen-based organic solvent (Isoper G manufactured by ExxonMobil Chemical Co., Ltd.) was used. It was possible to make a uniform sheet by rolling with a biaxial roll.
[0053]
The stress relaxation rate after holding the sheet gasket at 200 ° C. for 22 hours was 35%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 47%. Further, the tensile strength based on JIS K 6888 was 9.5 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0054]
[Example 4]
In Example 1, as a resin composition for forming a sheet, 30 parts by weight of PTFE fine powder (F104 manufactured by Daikin), 55 parts by weight of graphite powder, 15 parts by weight of lipophilic swelling mica (Somasif MEE manufactured by Corp Chemical) and carbonization A sheet gasket was produced in the same manner as in Example 1 except that 30 parts by weight of a hydrogen-based organic solvent (Isoper G manufactured by ExxonMobil Chemical Co., Ltd.) was used. It was possible to make a uniform sheet by rolling with a biaxial roll.
[0055]
The stress relaxation rate of the sheet gasket after holding at 200 ° C. for 22 hours was 37%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 50%. Further, the tensile strength based on JIS K 6888 was 10.5 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0056]
[Example 5]
In Example 1, as a resin composition for forming a sheet, 30 parts by weight of PTFE fine powder (F104 manufactured by Daikin), 60 parts by weight of kaolin clay powder, 10 parts by weight of lipophilic swellable mica (Somasif MEE manufactured by Co-op Chemical) and Hydrocarbon organic solvent (Isoper G manufactured by ExxonMobil Chemical) 30Parts by weightA sheet gasket was produced in the same manner as in Example 1 except that was used. It was possible to make a uniform sheet by rolling with a biaxial roll.
[0057]
The stress relaxation rate after holding the sheet gasket at 200 ° C. for 22 hours was 39%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 53%. Further, the tensile strength based on JIS K 6888 was 9.5 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0058]
[Example 6]
In Example 1, 50 parts by weight of PTFE dispersion (D-1E manufactured by Daikin, solid content ratio 60 wt%), 60 parts by weight of graphite powder, and water swelling as a resin composition for forming a sheet The composition was mixed for 10 minutes with a mixer using 10 parts by weight of mica (Somasif ME-100 manufactured by Co-op Chemical Co., Ltd.) and 10 parts by weight of water, and then the extrusion pressure was adjusted to 1.5 MPa with a 300 × 20 mm extruder. And extruded to prepare a preform. When this preform was rolled at a speed of 10 mm / s with a biaxial roll having a roll diameter of 700 mm and a distance between rolls of 1.2 mm, it was possible to produce a uniform sheet. This was left overnight in a dryer adjusted to 100 ° C. to remove the solvent, and then baked in an electric furnace adjusted to 350 ° C. for 3 hours to obtain a sheet gasket.
[0059]
According to ASTM F38 of the sheet gasket, the stress relaxation rate after holding at 200 ° C. for 22 hours was 37%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 49%. Further, the tensile strength based on JIS K 6888 was 10.8 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0060]
[Comparative Example 1]
30 parts by weight of PTFE fine powder (F104 made by Daikin), 70 parts by weight of graphite powder and 30 parts by weight of a hydrocarbon-based organic solvent (Isopar G made by ExxonMobil Chemical) were mixed for 5 minutes in a kneader and then aged overnight. . This was extruded at an extrusion pressure of 3.0 MPa with an extruder having a base of 300 × 20 mm to produce a preform. When this was rolled at a speed of 10 mm / s with a biaxial roll having a roll diameter of 700 mm and a distance between rolls of 1.2 mm, tearing occurred and a uniform sheet could not be produced.
[0061]
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0062]
[Comparative Example 2]
40 parts by weight of PTFE fine powder (F104 made by Daikin), 60 parts by weight of graphite powder and 30 parts by weight of a hydrocarbon-based organic solvent (Isopar G made by ExxonMobil Chemical) were mixed for 5 minutes in a kneader and then aged overnight. . This was extruded at an extrusion pressure of 3.0 MPa with an extruder having a base of 300 × 20 mm to produce a preform. When this preform was rolled at a speed of 10 mm / s with a biaxial roll having a roll diameter of 700 mm and a distance between rolls of 1.2 mm, it could be rolled into a sheet shape, but it was obtained as a continuous sheet from the weakness of the sheet strength. I couldn't.
[0063]
When trying to measure the stress relaxation rate of the sheet-like material in accordance with ASTM F38, the test piece was damaged during initial fastening. Moreover, since the tensile strength based on JISK6888 also showed a very low numerical value of 1.6 MPa, it was confirmed that the material had no strength that could be used as a gasket.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0064]
[Comparative Example 3]
In Example 1, 50 parts by weight of PTFE fine powder (F104 manufactured by Daikin), 50 parts by weight of graphite powder, and 30 parts by weight of a hydrocarbon-based organic solvent (Isopar G manufactured by ExxonMobil Chemical Co., Ltd.) were used as the resin composition for sheet formation. A sheet gasket was produced in the same manner as in Example 1 except that it was used.
[0065]
With respect to the sheet gasket, the stress relaxation rate after holding at 200 ° C. for 22 hours was 60%, and the stress relaxation rate after holding at 250 ° C. for 22 hours was 85%. Sheet gasket. The tensile strength according to JIS K 6888 was 15.0 MPa.
Table 1 shows the composition of the resin composition for forming a sheet, the sheet molding conditions, and the physical properties of the obtained sheet.
[0066]
[Table 1]
Claims (9)
（ロ）膨潤性鉱物および
（ハ）充填材（膨潤性鉱物を除く。）を含有している充填材入りフッ素樹脂シートであって、
上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれていることを特徴とする充填材入りフッ素樹脂シート。 (A) Fluororesin selected from PTFE and modified PTFE,
(B) swellable minerals and
(C) a filled fluororesin sheet containing a filler (excluding swellable minerals),
10-80% by weight of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
The filler (excluding swellable minerals) is in an amount of 60% by weight or more, and
A swellable mineral and a filler (excluding swellable minerals) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
（ロ）膨潤性鉱物、
（ハ）充填材（膨潤性鉱物を除く。）および
（ニ）有機溶剤、アルコール、水のうちから選択される、液状の加工助剤
を含むフッ素樹脂組成物を常温で押出成形した後、シート状に圧延し、加工助剤を揮発させてなることを特徴とする、請求項１に記載の充填材入りフッ素樹脂シート。 (A) Fluororesin selected from PTFE and modified PTFE,
(B) swellable minerals,
(C) Fillers (excluding swellable minerals) and
(D) A fluororesin composition containing a liquid processing aid selected from an organic solvent, alcohol, and water is extruded at room temperature and then rolled into a sheet to volatilize the processing aid. The filled fluororesin sheet according to claim 1, wherein:
上記フッ素樹脂組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれているものであることを特徴とする、請求項２に記載の充填材入りフッ素樹脂シート。The fluororesin composition is
In the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the fluororesin composition,
10-80% by weight of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
The filler (excluding swellable minerals) is in an amount of 60% by weight or more, and
3. The filled fluororesin sheet according to claim 2, wherein the swellable mineral and the filler (excluding the swellable mineral) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
（ロ）膨潤性鉱物、
（ハ）充填材（膨潤性鉱物を除く。）および
（ニ）有機溶剤、アルコール、水のうちから選択される、液状の加工助剤
を含むフッ素樹脂組成物であって、
上記フッ素樹脂組成物が、
上記フッ素樹脂組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂を１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物を５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）を６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）を合計２０〜９０重量％の量で含むフッ素樹脂組成物を常温で押出成形した後、シート状に圧延することを特徴とする、充填材入りフッ素樹脂シートの製造方法。 (A) Fluororesin selected from PTFE and modified PTFE,
(B) swellable minerals,
(C) Fillers (excluding swellable minerals) and
(D) Liquid processing aid selected from organic solvents, alcohol, and water
A fluororesin composition comprising:
The fluororesin composition is
In the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the fluororesin composition,
10-80 wt% of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
A filler (excluding swellable minerals) in an amount of 60% by weight or more, and
A filler comprising: a fluororesin composition containing a swellable mineral and a filler (excluding a swellable mineral) in a total amount of 20 to 90% by weight , extruded at room temperature, and then rolled into a sheet. Manufacturing method of a fluororesin sheet containing.
（ロ）膨潤性鉱物、
（ハ）充填材（膨潤性鉱物を除く。）および
（ニ）有機溶剤、アルコール、水のうちから選択される、液状の加工助剤
を含む充填材入りフッ素樹脂シート形成用樹脂組成物であって、
上記組成物中の固形分（加工助剤を揮発させた場合の残分）中に、
上記フッ素樹脂が１０〜８０重量％で、
膨潤性鉱物が５重量％以上の量で、
充填材（膨潤性鉱物を除く。）が６０重量％以上の量で、かつ、
膨潤性鉱物と充填材（膨潤性鉱物を除く。）が合計２０〜９０重量％の量で含まれていることを特徴とする充填材入りフッ素樹脂シート形成用樹脂組成物。 (A) Fluororesin selected from PTFE and modified PTFE,
(B) swellable minerals,
(C) Fillers (excluding swellable minerals) and
(D) a resin composition for forming a fluororesin sheet containing a filler containing a liquid processing aid selected from organic solvents, alcohol and water ,
In the solid content (residue when the processing aid is volatilized) in the composition,
10-80% by weight of the fluororesin,
Swellable mineral in an amount of 5% by weight or more,
The filler (excluding swellable minerals) is in an amount of 60% by weight or more, and
A swellable mineral and a filler (excluding swellable minerals) are contained in a total amount of 20 to 90% by weight.
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