JP4497694B2 - 遠心機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心分離機のように回転体を高速で回転させる機器の回転体の速度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の遠心分離機は、サンプルに合せて使用者が回転数、運転時間(分離時間)、保持温度、加速勾配、減速勾配等のいわゆる分離条件を決めて遠心分離機に設定し運転する。そのため回転体を回転開始させるためのスタートスイッチを通常有している。また、前もって設定した運転時間に達する前に回転体を停止させたい場合のためのストップスイッチも通常の遠心分離機には設けられている。ただし、運転時間設定部とストップスイッチを兼用させ、停止させる場合は運転時間を0(ゼロ)に再設定させる装置もある。更にはスタートスイッチとは別にスイッチを押しているオン(ON)している時だけ駆動装置に電力を供給し、回転体を回転、加速させるスイッチを有している遠心分離機もある。このスイッチは「リリース(Release OFF)」、「フラッシュ(Flash)」、「パルス(Pulse)」スイッチなどと称されており、主に試験管(遠心管)の壁面に付着した液滴を遠心力で試験管底に落とす時に使われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記したような試験管の壁面に付着した液滴を遠心力で試験管底に落とす操作は、通常の遠心分離に比べ非常に短時間で目的が達成できる。例えば日立工機株式会社が製造、販売しているT15AP21形アングル(試験管穴角度45°)ロータ(回転体)という2ml容量の試験管(一般的にマイクロチューブと呼ばれている)を1度に18本装着でき、最高回転速度15,000rpm、最大遠心加速度18,800×gが得られる回転体がある。この回転体を同じく日立工機株式会社製の微量高速遠心機CF15R形で回転させた場合、2mlの試験管壁面に付着した液滴を試験管底に落とすために必要な回転速度は、サンプルが水の場合おおよそ500rpm、サンプルが50%グリセリンのような粘度の高い(粘度約7.6cP)場合でおおよそ8,000rpmという実験結果が得られている(いずれも直ちに減速)。よって、このような試験管の壁面に付着した液滴を遠心力で試験管底に落とす場合は、前記した「Release OFF」、「Flash」や「Pulse」スイッチといった押している間のみ回転させるスイッチを有する遠心分離機が便利である。しかしながらロータ(回転体)が数千回転まで上昇するには慣性モーメントが小さい回転体、例えば上記したT15AP21形のような回転体であれば数秒程度押しておくだけで済むが、慣性モーメントの比較的大きい回転体では液滴を試験管底に落とすために必要な回転速度に達するまでに数十秒かかる場合もある。従ってこのような場合、スイッチを押しつづける時間も数十秒となり、使用者にとって決して快適とは言えぬ操作であったため、操作性及び作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、上記問題を解消し、使用者が試験管の壁面に付着した液滴を遠心力で試験管底に落とす等、短時間遠心を行う場合、「Release OFF」、「Flash」や「Pulse」といったスイッチを押し続けることなく簡便に目的を達成する手段を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、「Release OFF」「Flash」「Pulse」などと称されているスイッチを有する遠心分離機において、本スイッチを押す時間によって加速、減速制御の方法を変えることで達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に本実施例における「Pulse」ボタンを押している(オンしている)時間によって加速、減速の方法を変える制御のフローチャートの一例を、図2に「Pulse」ボタンを有する遠心分離機の一部を断面にした構造説明図をそれぞれ示す。なお、ここでは前記した「リリース(Release OFF)」、「フラッシュ(Flash)」、「パルス(Pulse)」などと称されているスイッチを「パルス」スイッチに統一して表現する。図2において、使用者は試験管4に試料を入れ回転体3に挿入し駆動装置5の上に装着してドア8を閉じ、操作、表示部7に設けられたスタートスイッチ(Start SW)9をオン(ON)して回転させる。なお、回転速度、制御温度、遠心時間等のいわゆる遠心条件は操作、表示部7より事前に入力する。回転は前もって設定した時間が経過するか、もしくは使用者がストップスイッチ(Stop SW)10をオンするまで続き、その後、減速停止する。以上は遠心分離を行う手順の一例であるが、このほかの前述したように試験管の壁面に付着した液滴を遠心力で試験管底に落とす操作が頻繁に行われている。これは試験管内の試料に試薬を加えフタをして試験管を上下に振って攪拌した後壁面に付着した液滴を落とす場合、あるいはごく微量の試薬を試験管壁面に接触付着させ、この試薬を遠心力で試験管底に落とし、試料と混和させる場合等でよく行われており、スピンダウンとも呼ばれている。通常スピンダウンは前述したようにある回転速度まで加速させたのち直ちに減速させるだけで達成できるものであり、そのため使用者はスタートスイッチ9を押して適当なところでストップスイッチ10を押すといった通常の遠心分離の操作を行わず、押している間だけ回転するパルススイッチ(Pulse SW)11を使うのが一般的である。この場合、回転速度表示部12に表示される回転速度を見ながらパルススイッチ11を押し続け、希望する回転速度に達したらパルススイッチ11から指を離して減速、停止させるといった使われ方が大部分である。
【0007】
次に本実施例になるパルススイッチ11を押している時間によって加速、減速の方法を変える制御について図1を用いて説明する。パルススイッチ11を押すと回転室2を塞ぐドア8が正しく締められているかをドアセンサ(図示せず)で検出し、ドアが閉じている場合のみ制御装置6は駆動装置4に通電して回転体3を加速させ、ドアが開いている場合は安全上回転させないでアラームを発するなどの異常処理をする。ここで、パルススイッチ11を押している時間が前もって決められた時間以内の場合は、パルススイッチ11から指を離しても加速を継続し、所定の回転速度まで加速した後、直ちに減速停止させるよう制御装置6で制御する。パルススイッチ11を押している時間が所定の時間より長い場合は従来どおり押している間だけ回転体3を加速させ(押している間に回転体3の許容最高回転速度もしくは操作、表示部7から設定した回転速度のどちらか決められた方の回転速度に達した場合はその回転速度での回転を維持する)、指を離す(スイッチをオフする)と直ちに減速に移し停止させるよう制御する。ここで、前もって決められた時間とは、通常のスピンダウン操作と区別するため回転を開始して最高回転速度まで到達する時間が早い遠心分離機ほど短い時間にする必要があり、例えば5〜10秒程度で最高回転速度まで加速するような場合は1秒前後、数十秒から数分と遅い場合は数秒程度が妥当である。
【0008】
以上によりスピンダウン等を行う場合、パルススイッチ11を一押しするだけで所定の回転速度まで加速し、直ちに減速停止させることができるが、ここで言う所定の回転速度について次に説明する。この所定の回転速度は使用する回転体の許容最高回転速度であっても良いし、操作、表示部7から設定した回転速度でも良い。さらには複数の異なる回転体を取替えて使用できる遠心分離機では各回転体ごとに試験管壁の液滴を落とす事ができる回転速度を予め実験により求めておき、回転体を識別できるセンサ(図示せず)を遠心分離機に設けて回転体を識別し、各回転体に適した回転速度まで回転させることも可能である。
【0009】
また、回転体の一部には試験管のサイズが異なっても別の回転体を用意することなく使用(分離)できるようにアダプタと称する保持具が別途用意されているものもある。一例を上げると、1ヵ所あたり50mlの試験管1本を装着できる回転体に5mlの試験管が4本装着できる4個の穴の明いたアダプタを用意し、50mlの試験管でも5mlの試験管でも遠心分離できるようにしている。この場合、使用するアダプタの種類によって許容回転速度が異なるものがあり、組合せによっては最高回転速度を低くせねばならない場合もある。このような場合は従来では使用者が許容できる最高回転速度を認識し、回転速度表示部12で回転速度を確認しながらパルススイッチ11を操作していた。しかし、上記した所定の回転速度を考えられる組合せの中で最も許容回転速度が低いものにあわせて決めておけば、使用者がいちいち許容回転速度を気にすることなくパルススイッチ11を一押しするだけで許容回転速度を超えることなく、安全にかつ簡単確実にスピンダウンを達成する事が可能となる。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、「Release OFF」、「Flash」や「Pulse」スイッチといった押している間のみ回転させるスイッチを有する遠心分離機において、これらのスイッチを押し続ける時間によって加速、減速制御の方法を変えるようにしたので試験管の壁面に付着した液滴を落とす操作等、短時間遠心操作を簡単に効率良く行うことができる。また、自動で加速する最高回転速度を使用する回転体にあわせて決めればより効率が向上し、更には多種の試験管に対応するアダプタが使える回転体で、組合せによって許容回転速度が異なるものについては組合せの中で最も低い許容回転速度を最高回転速度とすることでより安全性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になるPulse SWを押している(ONしている)時間によって加速、減速の方法を変える制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明になる一部を断面にしたPulse SWを有する遠心分離機を示す構成図である。
【符号の説明】
3は回転体、4は試験管、5は駆動装置、6は制御装置、7は操作、表示部、8はドア、9はスタートSW、10はストップSW、11はPulse SW、12は回転速度表示部である。
Claims (1)
- 被分離試料を入れた試験管が挿入される回転体と、該回転体を回転駆動するための駆動装置と、オンしている間は前記駆動装置に電力を供給して前記回転体の回転を継続させ、オフすると回転体の回転を減速させることにより、前記試験管の壁面に付着した液滴を遠心力により試験管底に落下させるスピンダウン用スイッチとを備えた遠心機において、
前記スピンダウン用スイッチがオンされている時間が所定時間範囲内である時のみ、前記スピンダウン用スイッチをオフしても前記回転体を所定回転速度まで加速させた後減速させて前記液滴を試験管底に落下させるようにすると共に前記所定回転速度を前記回転体の種類によって異なるようにしたことを特徴とした遠心機。
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