JP4496909B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、本体を支持することが可能なスタンド板を有する電子機器に関する。
従来から、電子機器を机等に置いて使用する際に、当該電子機器本体を支持するために用いられる収納式のスタンドとしては、例えば、携帯型テレビの背面にハンドル状に設けられ、同じく背面にスタンドと係合するように設けられた凹部の端部と軸を介して回転させることにより不使用時には当該凹部に収納し、使用時には当該凹部から引き出すようにしたスタンドが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
ソニー株式会社ホームページ、[平成16年9月29日検索]URL<http://www.sony.jp/products/Consumer/airboard/IDT-LF3/parts.html>
しかしながら、上述のスタンドは、収納時でもスタンドとしての形状や上記回転のための回転軸付近に設けられたクリアランス等がそのまま電子機器の外観に露出するため、外観におけるデザインの自由度が低い構造となっていた。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、外観におけるデザイン自由度が高いスタンド構造を有する電子機器を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明の電子機器は、スライド及び開閉が可能なスタンド板を背面側に有し、内部に電子部品を有する筐体と、前記スタンド板をスライドさせることで、該スタンド板が前記背面の一部となるように該スタンド板をロックするとともに前記ロックを解除するロック部を有し、前記ロックが解除された場合に前記スタンド板を開閉させる開閉力を付勢する付勢部材とを具備する。
本発明では、上記スタンド板の不使用時には、スライド動作と上記付勢部材のロック機構とにより、当該スタンド板が上記筐体の背面の一部となるようにロックされて背面と一体化するため、不使用時にはスタンド板が目立たず、外観におけるデザイン自由度が向上する。また、上記スタンド板を開閉させる際には上記付勢部材が開閉力を付勢するため、ユーザはスタンド板を容易に開閉することができる。
なお、上記電子機器としては、例えば携帯型のHDD(Hard Disk Drive)動画再生装置、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯型テレビ、携帯電話、PC(Personal Computer)やその他の電化製品が挙げられる。また上記付勢部材は例えばバネである。
本発明の一の形態によれば、上記電子機器は、バッテリと、前記バッテリを覆い、かつ、前記ロック時に該スタンド板に覆われるバッテリカバーと、前記ロック時に前記スタンド板に覆われるとともに前記ロック解除時に露出し、前記バッテリカバーを前記筐体に固定するためのネジとを更に具備する。上記バッテリは、例えばユーザがバッテリを交換または廃棄する際には、上記ネジを緩めてバッテリカバーを筐体から取り外すことで取り出されることになるが、スタンド板のロック時には上記ビスがスタンド板に覆われるため、デザイン性を向上させることができるともに、ロック解除時にはビスが露出してバッテリカバーを取り外すことが可能となるため、メンテナンス性も維持することができる。
本発明の一の形態によれば、前記筐体は、前記スタンド板が開いた場合に露出し、前記電子部品を冷却するための空気を流通させるための流通口を有する。これにより、スタンド板が開いた場合、すなわちスタンドの使用時には上記流通口が露出するため、スタンド板の使用と同時に上記電子部品の効率的な放熱が可能となる。
本発明の一の形態によれば、前記スタンド板の開閉に応じて前記電子部品に掛かる処理負荷を可変するスイッチ機構を更に具備する。これにより、例えば上記スタンド板が開いて放熱効果が高い場合には上記電子部品に対して負荷が高い処理を行わせる等、スタンド板が開いた場合における上記放熱効果を有効活用することができる。
本発明の一の形態によれば、前記背面側に、前記バッテリカバーとの間に空間を形成するように設けられ、該電子機器を外部接続させるコネクタと、前記付勢部材により開閉力を与えられることで前記背面側に開閉可能に設けられ、閉じた場合に前記ロック時のスタンド板とともに前記背面の一部を形成しながら前記コネクタを覆い、開いた場合に前記空間に入り込むことで前記コネクタを露出させるコネクタカバーとを更に具備する。これにより、開いた場合に当該空間に入り込むようなコネクタカバーを設けたことで、上記バッテリカバーとコネクタとの間の空間を有効活用することができ、かつ、当該コネクタカバーの開閉力を上記付勢部材が付勢するようにしたことで、上記スタンド板のスライド及び開閉と、コネクタカバーの開閉を一つの部材で行なうことが可能となるため、当該電子機器の部品数を減らし、製造コストを削減することが可能となる。
本発明によれば、外観におけるデザイン自由度が高いスタンド構造を有する電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。本実施形態においては、電子機器としてHDD動画再生装置を適用した場合について説明する。当該HDD動画再生装置は、例えばPCから転送された動画ストリームをHDDに保存し、保存した動画ストリームをHDDから呼び出して再生することが可能な装置である。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるHDD動画再生装置100の外観を示した斜視図、図2は同じくHDD動画再生装置100を背面から示した斜視図である。
図1に示すように、HDD動画再生装置100は、片手で持てる程度のサイズの筐体1を有する。筐体1の正面側には、表示部としてバックライト付きのLCD(liquid Crystal Display)2と、プッシュボタン等からなる操作部3とが設けられている。
LCD2は、再生される動画や当該動画を選択するためのメニュー画面等を表示する。操作部3は、動画の再生や停止、早送りや巻戻し、音声ボリュームの増減等を行なったり、メニューを選択したりする場合のコマンドを入力する。また、図示しないが、例えば筐体1の側面には、DC電源接続のためのDCINジャック、USB(Universal Serial Bus)接続のためのUSBコネクタ、AV出力用のAVOUTジャック、主電源のON/OFF操作のためのPWRキー等が設けられている。
また、図2に示すように、HDD動画再生装置100の背面には、当該HDD動画再生装置100を机や床に載置して動画を鑑賞したりする場合に筐体1を支持するためのスタンド板5と、HDD動画再生装置100のバッテリの充電を行なう際に当該HDD動画再生装置100を例えば充電用のクレードルに接続するためのコネクタを覆うコネクタカバー6が設けられている。スタンド板5及びコネクタカバー6は、背面4から開閉可能となっている。同図はスタンド板5及びコネクタカバー6が閉じた状態を示しており、閉じた状態においては背面4の一部として一体化するようになっている。
図3は、スタンド板5を開いた状態のHDD動画再生装置100を背面側から示した斜視図である。同図に示すように、スタンド板5は、その上辺側を軸として回動することで開き、HDD動画再生装置100を机や床に載置することが可能となる。開いた状態においては、筐体1が接地面に対して傾くように設定されている。当該傾きは、ユーザがLCD2を見やすいような角度に設定される。また、スタンド板5を開いた状態においては、筐体1に収容されるバッテリを覆うためのバッテリカバー7が露出するようになっている。
図4は、上記スタンド板5が閉じた状態におけるスタンド板5、コネクタカバー6及びバッテリカバー7を示した斜視図である。また図6は、スタンド板5の背面側からの外観を示した斜視図であり、図7は、バッテリカバー7の外観を示した斜視図であり、図8は、コネクタカバー6の外観を示した斜視図である。
図4に示すように、本実施形態においてはスタンド板5、コネクタカバー6及びバッテリカバー7及びバッテリカバー7に設置された例えば金属性のバネ8が一のアセンブリとして構成されている。スタンド板5は、矢印A方向へのスライド動作及び矢印B方向への開閉動作が可能となっている。スタンド板5は、閉じた状態においてはバッテリカバー7を覆うように形成されている。バネ8は、スタンド板5及びコネクタカバー6と当接して、スタンド板5のスライド動作や開閉動作、及びコネクタカバー6の開閉動作を補助する。
図5は、バネ8の外観を示した斜視図である。
スタンド板付勢部8aはバネ8の略中央部に設けられ、バネ力を有し、スタンド板5のカム5bと当接することで、スタンド板5の開閉動作時にバネ力により開閉力を付勢する部分である(図4参照)。また当該スタンド板付勢部8aには山なり形状のロック部8a−1が設けられ、スタンド板5が閉じた状態でスライド動作した場合に、スタンド板5のカム5dと当接しながらスタンド板5を背面4にロックする役目を果たす。上記図4は、スタンド板5が同図矢印Aの左側方向へスライドし、ロックされた状態を示しており、同図矢印右側へスライドすることによりロックが解除される。
設置穴8d及び突起8eは、バッテリカバー7の一端部の両側のバネ載置部7dに設けられた突起7d−2及び設置穴7d−3とそれぞれ係合させてバネ8をバッテリカバー7に設置するための部分である(図4及び図7参照)。
図6及び図7に示すように、スタンド板5の一端部には、回転スライド軸5a及び開閉スライドカム5bが設けられている。回転スライド軸5aは、バッテリカバー7の一端部の両側に設けられた案内溝7aの溝の一端7a−1に係合することで、スタンド板5の開閉時の回転軸となるとともに、スタンド板5のスライド動作時には当該案内溝7aに案内される。また開閉スライドカム5bは、バネ8の上記スタンド板付勢部8aと当接する部分であり、スタンド板5の開閉動作時にはスタンド板付勢部8aのバネ力に抗して回転することで、スタンド板付勢部8aから開閉力(回転力)を付勢される。また、この開閉スライドカム5bは、スタンド板のスライド動作時には、上記ロック部8a−1の前後を当接しながら上記図4の矢印Aの左側方向へスライドすることによりロック部8a−1にロックされる。
スタンド板5の他端部の両側には、ロック爪5cがそれぞれ設けられている。これらのロック爪5cは、スタンド板5が上記図4の矢印Aの左側方向へスライドする場合に、バッテリカバー7のスタンド開きロック部7bと係合することで、上記バネ8のロック部8a−1により上記開閉スライドカム5bがロックされるのと同時にロックされ、スタンド板5が開くのを防止する。
スタンド板5の一端部の両側には、上記ロック爪5cに対応するように、スライドロック突起5dが設けられている。これらのスライドロック突起5dは、同じくスタンド板5が上記図4の矢印Aの左側方向へスライドする場合に、バッテリカバー7の一端の両側に上記スタンド開きロック部7bと対応するように設けられたスタンドスライドロック部7cと当接しながらスライドすることで、上記バネ8のロック部8a−1により上記開閉スライドカム5bがロックされるのと同時にロックされる。
バッテリカバー7の一端部両側には、コネクタカバー軸穴7eが設けられており、コネクタカバー6の両端部に設けられた回転軸6aと係合することで、コネクタカバー6の開閉時の回転動作を行なわせる。また、バネ8の一端部にはコネクタカバー付勢部8bが設けられ、コネクタカバー6の両端部に上記回転軸6aとともに設けられた開閉カム6bと当接して、バネ力によりコネクタカバー6の開閉動作時の開閉力(回転力)を付勢する。上記図4はコネクタカバー6が閉じた状態を示しており、矢印Cの下方向に回転することで開くことができる(図4、図5、図7及び図8参照)。
また、バネ8にはネジ穴8cが、バッテリカバー7の上記バネ載置部7dにはネジ穴7d−1がそれぞれ設けられている。これらのネジ穴8c、7d−1を介して、上記図4に示すネジ9が筐体1に取り付けられることにより、スタンド板5、コネクタカバー6、バッテリカバー7及びバネ8で構成されるアセンブリが筐体1に取り付けられることになる(図4、図5及び図7参照)。
図9は、HDD動画再生装置100の長手方向の断面を示した斜視図であり、図10は、同じくHDD動画再生装置100の長手方向の断面を右側面側から示した図である。両図は、コネクタカバー6が開いた状態を示している。
同図に示すように、バッテリカバー7の下方にはバッテリ10が設けられており、コネクタカバー6の下方にはコネクタ11が設けられている。バッテリ10は例えば2個の円筒形状の充電式リチウムイオンバッテリからなる。充電する場合には、コネクタカバー6を開いてコネクタ11を露出させ、コネクタ11を介して後述のクレードルに接続することで充電を行う。
バッテリカバー7は、バッテリ10の円筒形状の曲面に合わせて曲面上に形成されている。またコネクタ11は、その性質上、HDD動画再生装置100の背面4に鉛直方向に形成される。従って、図10に示すように、当該バッテリカバー7とコネクタ11との間には、空間12が形成される。そして、コネクタカバー6を、閉じた場合に当該空間12に入り込むように設計することで、当該空間12を有効活用してデッドスペースを無くすようにしている。
次に、以上のように構成されたHDD動画再生装置100の動作について説明する。
まず、スタンド板5の動作について説明する。図11(a)に示す状態からスタンド板5を同図矢印Aの方向へスライドさせると、スタンド板5の開閉スライドカム5bがバネ8のロック部8a−1に当接しながらバネ力に抗してスライドすることで、同図(b)に示すように、ロック部8a−1を超えてロックが解除されるとともに、バッテリカバー7の案内溝7aに係合したスタンド板5の回転スライド軸5aが当該案内溝7aに案内されて案内溝7aの一端7a−1までスライドする。ロック部8a−1により、ユーザはクリック感を伴いながらロックを解除することができる。
そして、同図(b)に示すようなスライドさせた状態から、ユーザがスタンド板5に矢印Bに示す方向へ力を加えると、上記案内溝7aに係合した回転スライド軸5aが案内溝7aの一端7a−1を中心に回転するとともに、開閉スライドカム5bがバネ8のスタンド板付勢部8aに当接しながらバネ力に抗して回転することで、スタンド板付勢部8aに回転力を付勢されて、同図(c)に示すように開いた状態になる。スタンド板付勢部8aの付勢力により、ユーザは、撥ね上げ感を伴いながらスタンド板5を開くことができる。
次に、コネクタカバー6の動作について説明する。同図(a)に示す状態からコネクタカバー6を矢印Cの方向へ回転させると、コネクタカバー6の回転軸6aがバッテリカバー7のコネクタカバー軸穴7eと係合して回転するとともに、開閉カム6bがバネ8のコネクタカバー付勢部8bに当接しながらバネ力に抗して回転することで、当該コネクタカバー付勢部8bに回転力が付勢され、同図(b)に示すように略90度回転する。この場合も、コネクタカバー付勢部8bにより、ユーザはクリック間を伴いながらコネクタカバー6を開くことができる。
また、スタンド板5とコネクタカバー6の開閉動作をバネ8という同一部材により行なっているため、HDD動画再生装置100の部品数を減少させることができ、製造コストの削減にも繋がる。なお、同図(c)に示すような、コネクタカバー6が開いた状態のみならず、コネクタカバー6が閉じた状態でもスタンド板5の開閉は可能である。
スタンド板5を閉じてロックし、またコネクタカバー6を閉じる場合には、上記とは逆の動作を行なえばよい。この場合、スタンド板付勢部8aにより、ユーザは引き込み感を伴いながらスタンド板5を閉じることができ、ロック部8a−1により、クリック感を伴いながらスタンド板5をロックすることができる。また、コネクタカバー付勢部8bにより、クリック感を伴いながらコネクタカバー6を閉じることができる。なお、上述したように、ロック時にはスタンド板5は上記背面4一部として背面4と一体的に固定される。
図12は、スタンド板5をスライドさせてロックを解除した場合のHDD動画再生装置100の背面図である。同図に示すように、スタンド板5をスライドさせてロックを解除した場合には、背面4から上記ネジ9が露出するようになっている。
通常、本実施形態のHDD動画再生装置100のような電子機器の外観をデザインする場合には、極力ネジを外観面に露出させたくないものであるが、バッテリを寿命により交換したり、廃棄したりする場合には、ユーザはネジを取り外してバッテリカバーを開け、バッテリを取り出す必要があるため、例えばネジを隠すためにネジ隠しゴムのような部材を用いたり、爪留め構造にしたりすると、ネジを取り外しにくく、メンテナンス性が低下してしまう。そこで、本実施形態のように、スタンド板5をスライドさせた場合にのみネジ9を露出させて、ユーザがバッテリカバー7及びバッテリ10を容易に取り外すことができる構造とすることで、デザイン性とメンテナンス性の両立を図ることができる。
図13は、スタンド板5を開いた状態におけるHDD動画再生装置100の背面4を示した斜視図である。同図に示すように、スタンド板5を開いた状態においては、スタンド板5の2つの開閉スライドカム5b及びバネ8付近にそれぞれ筐体1の内部に通じる吸気口13が現れる。筐体1の内部には、図示しないIC集積回路やHDD等の電子部品が収容されており、上記吸気口13は、それらの電子部品を冷却するための外気を取り込むことができる。すなわち、スタンド板5を開いた場合には、スタンド板5によりHDD動画再生装置100を机や床等に載置することができると同時に、上記電子部品を効率的に放熱することが可能となる。
また、本実施形態においては、スタンド板5の回転スライド軸5aがバッテリカバー7の案内溝7aを外側から抱き込む形で係合しており、またスタンド板5及びバッテリカバー7はそれ自体ある程度の弾力性を有する樹脂で出来ているため、スタンド板5が開いた状態でHDD動画再生装置100に対して過剰な力が掛かった場合には、上記弾力性及び上記回転スライド軸5aの破断力により、回転スライド軸5aは壊れる(折れる)ことなくバッテリカバー7から外れる。外れた回転スライド軸5aは、容易にはめ込むことが可能である。従って、HDD動画再生装置100の耐久性とともにユーザの利便性も向上させることができる。
次に、上記バッテリ10の充電時にコネクタ11を接続するクレードルについて説明する。図14は、本実施形態におけるクレードル14の正面側の斜視図、図15は、クレードル14の背面側の斜視図をそれぞれ示しており、図16は、HDD動画再生装置100をクレードル14に装着した場合の正面側の斜視図、図17は、HDD動画再生装置100をクレードル14に装着した場合の背面側の斜視図をそれぞれ示している。
図14及び図15に示すように、クレードル14の正面側には、HDD動画再生装置100のコネクタ11を差し込むためのコネクタ差込口14aが設けられており、またクレードル14の背面側下部には、例えばUSBケーブルやクレードル14と電源を接続するためのケーブル等を接続するための外部接続端子群14bが設けられている。
図16及び図17に示すように、HDD動画再生装置100のコネクタ11をクレードル14のコネクタ差込口14aに差し込むことでHDD動画再生装置100はクレードル14に筐体1の正面側を表にして斜めに載置され、HDD動画再生装置100のコネクタ差込口14a及びコネクタ11を介してバッテリ10に充電が行なわれる。
図18は、コネクタ11を露出させた場合の背面4を示した図である。同図に示すように、HDD動画再生装置100をクレードル14に装着して充電を行なう場合には、上記図11等で説明したようにコネクタカバー6を開き、コネクタ11を露出させ、露出させた状態で、上記図16及び図17のようにコネクタ11がコネクタ差込口14aに差し込まれるようにHDD動画再生装置100をクレードル14に装着する。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記バネ8等により、スタンド板5に開閉動作のみならずスライド動作も行なわせることで、開閉に必要な回転スライド軸5a等の部材を、スタンド板5が閉じた状態においては外観面に露出させずに済み、また開閉のためのクリアランスを無くしてスタンド板5を背面4と一体的に形成できるため、外観におけるデザイン自由度が高いスタンド構造を有するHDD動画再生装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においても、電子機器としてHDD動画再生装置100を適用する。HDD動画再生装置100が上記第1の実施形態おける構造と同様となる部分については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
上記第1の実施形態において述べたように、スタンド板5を開いた状態においては吸気口13が現れ、筐体1内部の電子部品を効率的に放熱することが可能となる。すなわち、スタンド板5を開いてHDD動画再生装置100を机や床に載置した場合には、動画再生時等に電子部品に掛かる処理負荷を軽減させることができる。そこで、本実施形態においては、当該放熱効果を有効活用して、スタンド板5の開閉に応じて上記電子部品に掛かる処理負荷を可変として、スタンド板5が開いた場合には、より負荷の高い処理を行わせるようにしている。以下、そのための構成及び動作について説明する。
まず、本実施形態におけるHDD動画再生装置100の電気的構成について説明する。図19は、当該電気的構成を示したブロック図である。
同図において、システムコントローラ61には、操作部3の操作、PWRキー62の操作、AC(交流)電源の接続(AC検出)63、リセットIC64の出力、バッテリ10の電圧、温度センサー66等の監視を行い、監視結果に応じた処理を実行する。リセットIC64はリセットSW67が操作されたときにリセット操作信号を発生するICである。
システムコントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)71、RAM(Random Access Memory)72、ROM(Read Only Memory)73、A/D変換回路74、シリアルPWM(Pulse Width Modulation)制御回路75等で構成され、これらはバス76を通じて接続されている。CPU71はROM73に記憶されているファームウェアによりRAM72を作業領域に用いて各種の演算処理と制御を実行する。ファームウェアとして、例えばシステム起動のためのプログラム、起動時のチェックサムを実行するプログラム等がROM73に記憶されている。A/D変換回路74は、上記した操作部3の操作、PWRキー62の操作、AC電源の接続(AC検出)63、リセットIC64の出力、バッテリ10の電圧、温度センサー66等の監視結果であるアナログ値をデジタル値に変換する部分である。シリアルPWM制御回路75はヘッドフォン81のミュート制御、LCD2のバックライト82の輝度を制御するPWM信号をインバータ83に供給する。
システムコントローラ61が、PWRキー62が押されたことを検知すると、バッテリ10から、電源回路68によりシステムに電力が投入され、システムの起動処理を行い、HDD動画再生装置100が有する各デバイスを動作可能な状態に初期設定する。また、パワーオン表示部51を点灯するように制御を行う。システム稼動中にPWRキー62が押されたことを検知した場合にはシステムの終了処理を行い、電源回路68によりシステムへの電力供給を切断する。
システムコントローラ61はリセットIC64よりリセット操作信号を受信すると、システムをリセット処理すなわち終了処理に続いて起動処理を行う。
システムコントローラ61はAC電源の接続(AC検出)63を検知すると電源回路68の制御を行い、バッテリ10の充電制御を行う。電源回路68はその近傍に配置された温度センサー69の出力に基づき、例えば設定温度以上の高温が検出された場合に自動的にオフするようになっている。
システムコントローラ61はバッテリ電圧の監視結果に基づいてバッテリ10の残量を計算して画面上のバッテリ残量表示を制御する。
システムコントローラ61は温度センサー66の出力に基づいて冷却ファン25の回転数を制御する。すなわち、温度に対して比例的に冷却能力を高めるように制御する。
また、システムコントローラ61は、操作部3のキー操作を監視して、操作されたキーの種類に応じたイベント処理を行う。
USB端子85が接続されたUSBブリッジ86、HDD24、DMA(Direct Memory Access)転送回路87はIDE(Integrated Drive Electronics)バス88を通じて相互に接続されており、USB端子85に接続された図示しないPC(Personal Computer)から転送された動画ストリーム等のデータはUSBブリッジ86からIDEバス88を通じてHDD24に記録されるようになっている。
DMA転送回路87は、HDD24から読み出されたデータをMPEG(Moving Picture Coding Experts Group)2デコーダ89に転送する回路である。IDEバス88から抽出されたデータはバッファメモリ95に転送される。
このHDD24からバッファメモリ95へのデータ転送において、システムコントローラ61はDMA転送回路87に出力するATAコマンドの発行タイミングを制御して、HDD24からのデータの読み出しが間欠的に行われるようにしている。具体的には、例えば所定の再生時間分の動画ストリームの単位でHDD24からデータを読み出してバッファメモリ95に転送し、バッファメモリ95のデータが空になったところで、HDD24から次の再生時間分の動画ストリームを読み出すように、システムコントローラ61からDMA転送回路87に対してATAコマンドが発行される。これにより、HDD24に対するアクセスは間欠的に行われることになり、HDD24の発熱量の低減及び消費電力の低減を図ることができる。
バッファメモリ95に蓄積された動画等のデータは、バッファメモリ95に所定の再生時間分の動画ストリームが蓄積されたところでDMA転送回路87によって読み出され、DMA転送回路87とMPEG2デコーダ89とを接続するDMA伝送路97を通じてMPEG2デコーダ89に転送される。MPEG2デコーダ89は、MPEG2で符号化された動画ストリームをハードウェアで復号する回路である。SDRAM98はこのMPEG2デコーダ89の作業領域として用いられるランダムアクセス可能なメモリである。
MPEG2デコーダ89の出力のうち動画データはLCDコントローラ99に送られ、このLCDコントローラ99によってLCD2の駆動が制御されることによって動画の再生が行われる。一方、MPEG2デコーダ89より出力された音声データはD/Aコンバータ101によってアナログ信号に変換された後、ヘッドフォン端子108に接続されたヘッドフォンに送られる。また、AVOUT端子102には外部のテレビジョン等が接続できるようになっており、AVOUT端子102に外部のテレビジョンが接続されているときには、D/Aコンバータ101のアナログ信号はリニアアンプ103にて必要なレベルに増幅されるようになっている。
また、DMA転送回路87は、システムコントローラ61及びフラッシュROM104が接続されているバス105との間で通信を行う。フラッシュROM104には、読み出し専用のデータとして、LCD2に表示される設定画面等に関するデータ、OSD(On Screen Display)に関するフォントや画像のデータ、その他MPEG2デコーダ89及びDMA転送回路87のマイクロコード、そのマイクロコードのバックアップデータ等が格納されている。設定画面等に関するデータとは、LCD2の色合い、コントラスト等のデフォルト値のデータである。
また、本実施形態のHDD動画再生装置100は、上記システムコントローラ61に掛かる負荷を切り替えるための負荷切替スイッチ15を有している。システムコントローラ61のCPU71は、当該負荷切替スイッチ15から送られる電気信号に応じてHDD動画再生装置100の各デバイスに係る処理負荷を可変として、動画再生時の各種処理のモードを切り替えることが可能である。
負荷切替スイッチ15は、例えば、上記バネ8とスタンド板5の開閉スライドカム5bとにそれぞれ設けられた電極により構成することができる。図20は、本実施形態におけるバネ8を示した図である。同図に示すように、本実施形態におけるバネ8のスタンド板付勢部8aには、絶縁体8gを介して電極8fが設けられている。また、図示しないが、開閉スライドカム5bにも電極5b−1が設けられている。なお、バネ8が絶縁性の樹脂等でなる場合は、絶縁体8gは必要ない。
スタンド板5がスライドして開く場合には、開閉スライドカム5bがロック部8a−1を超えて電極8fの位置までスライドし、当該電極8fと開閉スライドカム5bの電極5b−1とが接触して、通電することで、負荷切替スイッチがONとなる。
負荷切替スイッチがONになった場合には、電気信号がシステムコントローラ61のCPU71等に伝えられ、CPU71は自身またはその他の各デバイスに係る処理負荷を高くするように切り替える。
当該負荷切替スイッチ15によって負荷を切り替えられる処理としては、例えば、LCD2への動画等の表示処理が挙げられる。具体的には、スタンド板5が開いて、上記負荷切替スイッチがONになった場合には、CPU71は、MPEG2デコーダ89のビットレートを上げるように指示する。これにより、スタンド板5が開いた場合には高画質モードでLCD2に動画を表示させることができる。
また、負荷切替スイッチ15のON/OFFによって、LCD2の応答速度を可変とするようにしてもよい。すなわち、スタンド板5が開いて、負荷切替スイッチがONになった場合には、CPU71は、LCD2に応答速度を上げるように指示する。これにより、スタンド板5が開いた場合には、動画のシーンが頻繁に切り替わっても残像が少なく、ユーザにとってより見やすく快適な表示が可能となる。
このように、上記負荷切替スイッチ15を設けることで、スタンド板5が開いた場合には、HDD動画再生装置100を机や床に載置可能となるだけでなく、上記放熱効果を有効活用して、CPU71により高い負荷が掛かる処理を行わせることができる。
なお、上記負荷切替スイッチ15は、バネ8と開閉スライドカム5bに電極を設ける態様以外にも、例えば、マグネットと、磁場の変化を検出可能なホール素子とで構成することもできる。この場合、例えば背面4のスタンド板5に近い部分にホール素子を、またスタンド板の回転スライド軸5a付近にマグネットを設けて、ホール素子が、自身とマグネットとの距離によりスタンド板5の開閉(スライド)を検出できるようにして、スタンド板5が開いたことを検出した場合に負荷切替スイッチをONとして、当該ONの電気信号を受け取ったCPU71等がMPEG2デコーダ89やLCD2等の各デバイスに係る負荷を切り替えるように指示する。
なお、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上述の2つの実施形態においては、電子機器としてHDD動画再生装置を適用していたが、それ以外にも、例えばPDA、携帯電話等、様々な電子機器を本発明に適用することが可能である。
また、上記コネクタ11は、充電用のクレードル以外にも、例えばUSB接続端子等の他の接続用のコネクタとして構成してもよい。
HDD動画再生装置100の外観を示した斜視図である。 HDD動画再生装置100を背面から示した斜視図である。 スタンド板5を開いた状態におけるHDD動画再生装置100を背面側から示した斜視図である。 スタンド板5が閉じた状態におけるスタンド板5、コネクタカバー6及びバッテリカバー7を示した斜視図である。 バネ8の外観を示した斜視図である。 スタンド板5の背面側からの外観を示した斜視図である。 バッテリカバー7の外観を示した斜視図である。 コネクタカバー6の外観を示した斜視図である。 HDD動画再生装置100の長手方向の断面を示した斜視図である。 HDD動画再生装置100の長手方向の断面を、右側面側から示した図である。 スタンド板5のスライド動作及び開閉動作、コネクタカバー6の開閉動作を示した図である。 スタンド板5をスライドさせてロックを解除した場合のHDD動画再生装置100の背面図である。 スタンド板5を開いた状態におけるHDD動画再生装置100の背面4を示した斜視図である。 クレードル14の正面側の斜視図である。 クレードル14の背面側の斜視図をHDD動画再生装置100をクレードル14に装着した場合の背面側の斜視図である。 HDD動画再生装置100をクレードル14に装着した場合の正面側の斜視図である。 HDD動画再生装置100をクレードル14に装着した場合の背面側の斜視図である。 コネクタ11を露出させた場合の背面4を示した斜視図である。 HDD動画再生装置100の電気的構成を示したブロック図である。 本発明の第2実施形態におけるバネ8を示した図である。
符号の説明
1…筐体
2…LCD
3…操作部
4…背面
5…スタンド板
5a…回転スライド軸
5b…開閉スライドカム
6…コネクタカバー
6a…回転軸
6b…開閉カム
7…バッテリカバー
7a…案内溝
8…バネ
8a…スタンド板付勢部
8a−1…ロック部
8b…コネクタカバー付勢部
9…ネジ
10…バッテリ
11…コネクタ
12…空間
13…吸気口
14…クレードル
100…HDD動画再生装置

Claims (4)

  1. スライド及び開閉が可能なスタンド板を背面側に有し、内部に電子部品を有する筐体と、
    前記スタンド板をスライドさせることで、該スタンド板が前記背面の一部となるように該スタンド板をロックするとともに前記ロックを解除するロック部を有し、前記ロックが解除された場合に前記スタンド板を開閉させる開閉力を付勢する付勢部材と
    バッテリと、
    前記バッテリを覆い、かつ、前記ロック時に該スタンド板に覆われるバッテリカバーと、
    前記ロック時に前記スタンド板に覆われるとともに前記ロック解除時に露出し、前記バッテリカバーを前記筐体に固定するためのネジと
    を具備する電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記筐体は、前記スタンド板が開いた場合に露出し、前記電子部品を冷却するための空気を流通させるための流通口を有する
    電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器であって、
    前記スタンド板の開閉に応じて前記電子部品に掛かる処理負荷を可変するスイッチ機構を更に具備する電子機器。
  4. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記背面側に、前記バッテリカバーとの間に空間を形成するように設けられ、該電子機器を外部接続させるコネクタと、
    前記付勢部材により開閉力を与えられることで前記背面側に開閉可能に設けられ、閉じた場合に前記ロック時のスタンド板とともに前記背面の一部を形成しながら前記コネクタを覆い、開いた場合に前記空間に入り込むことで前記コネクタを露出させるコネクタカバーと
    を更に具備する電子機器。
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