JP4496338B2 - タンパク質結晶化スクリーニングチップ - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質の結晶化の際に、その結晶化条件をテストし、スクリーニングするために使用するタンパク質結晶化スクリーニングチップに関するものであり、更に詳しくは、タンパク質の結晶化に際し、その速度を促進したり、あるいは抑制したり、及び/又は晶出する結晶の形状や形態に直接影響を与える、いわゆるタンパク質の結晶形成を支配・制御する能力を有する特定の物質・材料を用いて創製された、タンパク質の結晶化条件をテストし、効率的にスクリーニングすることを可能とする新規タンパク質結晶化スクリーニングチップ、及び該物質・材料の機能を利用したタンパク質の精製や製造・生産技術に関するものである。本発明は、例えば、タンパク質の生化学品、医薬品製造の技術分野において、タンパク質の作用機作を知るために必須の、その立体構造やイムノアッセイの決定を可能とする精製タンパク質結晶を簡便な方法で作製し、提供することを可能とする新しいタンパク質結晶化スクリーニングチップとその利用技術を提供するものであり、タンパク質の製造・生産におけるプラットホーム技術を構成する中核技術の一つとなり得るものとして高く期待されるものである。
生体内で実際的に作用し、働くのは遺伝子ではなく、それらから作られるタンパク質である。したがって、タンパク質の立体構造とそれに伴って現れる機能の解析・解明は、例えば、病気の治療や創薬に直結するので、ポストゲノムの極めて大きな、かつ重要な課題となっている。タンパク質の立体構造の解明・決定は、通常、NMR、IRやUVなどのスペクトル解析やX線結晶構造解析によって行なわれるが、X線結晶構造解析が最も有力である。しかし、X線結晶構造解析では、X線回折を精度よく行なわせるために、抽出あるいは合成し、精製・単離したタンパク質を、適当な形状・形態へと結晶化させることが必要である。
タンパク質の入手可能な量は、通常、天然物からの抽出にしても、大腸菌などを用いる大量発現にしても、一般の化学合成のような量は到底得られず、ごく少量に過ぎない。したがって、タンパク質の精製・単離・結晶化は、通常の化学合成による物質のそれに比べ、遥かに困難と言っても過言ではない状況にある。このため、種々の結晶化方法が検討され、提案されてきている。しかし、突き詰めれば、いずれもタンパク質の溶解度を操作すること、すなわち過飽和状態を作って結晶化させること、を基本原理としている。この過飽和状態の作り方は、基本的には、高溶解度側から低溶解度側へ温度を移行させる方法、沈殿剤を加えて行きタンパク質を溶け難くさせる方法、及び溶媒のみを蒸発・拡散させる方法、の3種であるが、これらの方法は、とにかく、扱う量が少ないのが大きな問題であり、このために、これらの3種の操作方法に細かな工夫が種々施され、多様な結晶化方法が提案されるに至っている。それらの典型は、透析法、蒸気拡散法、バッチ法、自由界面拡散法、濃縮法、温度勾配法など(非特許文献1−3参照)であり、これらの結晶化操作を円滑に行うための装置や溶液セット(Hampton Research社やEmerald BioStructures 社製など)が市販されている(非特許文献3参照)。
しかしながら、どんなタンパク質にでも適用可能な万能な方法は無いうえ、タンパク質は生体高分子の中でも元々結晶化しにくいものであるので、対象とするタンパク質に応じ、用いる方法を変えたり、幾つかの方法を組み合わせたりして、ようやく結晶化させているのが実情である。更に具体的に言えば、沈殿剤の種類や塩濃度、pH、温度などを細かく変え、試行錯誤的に、多大な時間と労力を浪費して、対象とするタンパク質の結晶化条件を絞り込み、ようやくにしてその結晶を得ているという状況である。このため、当技術分野では、タンパク質の結晶化に効果的な物質・材料並びにそれを用いる結晶化法は、改良であれ、全くの新規であれ、常に切望されている状況にある。
特に、簡便で汎用性の高い結晶化方法には、立体構造解析用結晶を得ることのみならず、タンパク質の精製・生産方法として、大きな需要がある。そのため、これを可能ならしめる前段階としてのタンパク質結晶化スクリーニング剤並びにスクリーニング法は、対象とするタンパク質の結晶化条件の探索・最適化に要する時間と労力の多大な節約になるので、タンパク質の結晶化・精製・製造・生産工程における必須重要技術となっている。そこで、その種のタンパク質結晶化スクリーニングキット(Hampton Research社やEmerald BioStructures 社、Jena Bio Science社、Molecular
Dimensions社製など)が、多くの企業で製造され、販売されている。しかしながら、これらの多くは、タンパク質の種類によって、沈殿剤や緩衝液の種類、濃度といった結晶化のための条件をある程度目安をつけて分類し、沈殿剤や緩衝液の組合せセットとしたものである。そのため、これらの多くは、新規のタンパク質に対しては、使うまでは適不適は全く予想のつかないものであり、既知のタンパク質に対しても、その適不適にかなり幅のある、試行錯誤的実験操作が求められる性格のものである。
「PNEモノグラフタンパク質のX線解析」、共立出版(株)、30−35(1998) 「これならわかるX線結晶解析」、(株)化学同人、66−69(2000) 「ポストシークエンス タンパク質実験法3 構造・機能解析の基礎」、東京化学同人、2−7(2002)
このような状況下にあって、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、より簡便で、より効果的なタンパク質の結晶化方法を探索している過程で、粘土鉱物が、タンパク質をよく吸着し、それゆえに、近年、例えば、タンパク質を吸着・除去する洗顔用化粧品に利用されていることや、無機酸化物結晶表面がしばしば有機分子の自己組織化を誘引する場として極めて効果的に働くことなどを基に、粘土鉱物をタンパク質の結晶化に用いることを着想し、鋭意研究を重ねた。その結果、粘土鉱物を始めとするケイ酸塩化合物が、タンパク質の結晶化に際し、その速度を促進したり、あるいは抑制したり、及び/又は晶出する結晶の形状や形態に直接影響を与える、いわゆるタンパク質の結晶形成を支配・制御する能力を有することを認め、ケイ酸塩化合物から構成される、手軽で、一般性、普遍性の高い、しかも微少量の被検タンパク質にも対応可能なタンパク質結晶形成制御技術を完成するとともに、本発明、すなわち、タンパク質の結晶化条件の探索・最適化を多大な時間と労力を浪費することなく、迅速、かつ手軽に行える新規タンパク質結晶化スクリーニングチップに係る発明を完成するに到った。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)被検タンパク質の結晶化条件をテストし、スクリーニングするためのタンパク質結晶化スクリーニングチップであって、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を、その重量及び/又は厚みを場所により異にして配置してチップを構成したこと、上記粘土鉱物が、その基本骨格鎖−Si−O−を二次元的に広げ、層状構造を取る、フィロケイ酸塩からなり、かつ、カオリン(カオリナイト)、ハロイサイト、クリソタイル、タルク、スメクタイト、モンモリロナイト、カッ石、ギョガン石、リョクデイ石(クロライト)、パイロフィライト、アンチゴライト、エンデライト、サポナイトから選択される1種又は2種以上であること、を特徴とするタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(2)上記粘土鉱物を、支持体上に配置してチップを構成したことを特徴とする、前記(1)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(3)上記粘土鉱物を、その付着粘土鉱物量を場所により異にして一枚のプレート上に配置してチップを構成したことを特徴とする、前記(2)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(4)上記粘土鉱物が、溶液中に溶解したタンパク質と接触することにより、そのタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、前記(2)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(5)上記粘土鉱物が、緩衝溶液中に溶解したタンパク質と接触することにより、そのタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、前記(4)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(6)上記緩衝溶液の溶媒蒸気を拡散させることで、上記粘土鉱物がタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、前記(5)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
(7)上記緩衝溶液の溶媒が、水であることを特徴とする、前記(6)に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
)被検タンパク質の結晶化条件をテストし、スクリーニングするためのタンパク質結晶化スクリーニングチップを製造する方法であって、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を用いて、種々の濃度の粘土分散溶液又はペーストを調製し、それぞれを所定の位置に設置し、乾燥することにより、複数の量の異なる粘土鉱物を配置してチップを構成すること、上記粘土鉱物が、その基本骨格鎖−Si−O−を二次元的に広げ、層状構造を取る、フィロケイ酸塩からなり、かつ、カオリン(カオリナイト)、ハロイサイト、クリソタイル、タルク、スメクタイト、モンモリロナイト、カッ石、ギョガン石、リョクデイ石(クロライト)、パイロフィライト、アンチゴライト、エンデライト、サポナイトから選択される1種又は2種以上であること、を特徴とするタンパク質結晶化スクリーニングチップの製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップは、被検タンパク質の結晶化条件をテストし、スクリーニングするために使用されるものであり、その基本構成は、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を、その重量及び/又は厚みを場所により異にして配置してチップを構成したこと、を特徴とするものである。
本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップについて更に詳しく説明すると、該スクリーニングチップは、場所により重量及び/又は厚みが異なる粘土鉱物で構成され、その形状は、特に規定されるものではないが、一般的には、粘土鉱物そのものからなる膜やフィルム、及びそれらが基板で支持されたものが用いられる。好適には、例えば、種々の厚さ(重さ)や大きさの粘土膜を付着・塗布したスライドガラスやプレートを挙げることができるが、これらは、あくまで典型的な一例に過ぎず、基本的には、チップ中の粘土鉱物の量が所々で異なり、その量的違いが利用できさえすれば、いずれもチップとして使用可能であり、その形状、基板の有無、基板の種類等は、特に限定されるものではない。したがって、本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップは、チップ中の粘土鉱物の量が所々で異なり、その量的違いが利用できるものでありさえすれば、既知、未知に係りなく、全てのタンパク質に対して適用可能であり、その結晶化に際し、使用されるものである。
次に、本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップの製造方法は、基本的には、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を用いること、この粘土鉱物を用いて種々の濃度の粘土分散溶液又はペーストを調製し、それぞれを所定の位置に設置し、乾燥すること、それにより、複数の量の異なる粘土鉱物を配置してチップを構成すること、を特徴とするものである。この場合、チップの作製については、前述のように、支持体の使用を特に要求するものではないが、一般的には、チップ作製時の作業性やその後の使い勝手、経済性を考慮して、支持体が使用される場合が多い。この時の支持体としては、例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックス、テフロン(登録商標)、金属、紙、木、布など、種々のものを挙げることができるが、これらは、あくまで典型例を示すものであり、これらの例に限定されるものではない。
更に、チップの作製方法についても、特に、限定されるものではなく、好適には、例えば、粘土分散溶液を蒸発させる方法、粘土ペーストを刷り込む方法、粘土ペーストや分散液を塗布し、乾燥する方法、スパッターや蒸着で張り付ける方法、予め設けた基板中の複数個の一定空間に粘土膜小片や粘土粒子を積層あるいは埋め込方法、など、種々の方法が利用できるが、基本的には、チップ中の粘土鉱物の量が所々で異なり、その量的違いが利用できるものを作製できる方法であれば、いかなる方法も使用でき、列挙した方法以外の作製法を排除するものではない。
本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップは、原理的には、タンパク質をそれに吸着させることから、タンパク質の結晶核形成を誘引・支配し、タンパク質の結晶の成長と形状・形態の形成過程を支配・制御する能力を利用するものであるが、この能力は、次のような操作で発揮される。換言すれば、次のような操作でタンパク質の結晶形成スクリーニングが行われる。この方法は、まず、対象とするタンパク質が溶解した溶液を、本スクリーニングチップを構成する粘土鉱物上に滴下し、その後、一定時間放置する、という極めて簡便、かつ手軽な操作・手順からなるものである。この一定時間放置の間に、本スクリーニングチップを構成する粘土鉱物のシリケート層間に、溶媒が徐々に浸透・拡散し、溶液中のタンパク質の濃度が高まる。したがって、この濃度上昇効果と粘土鉱物表面の結晶核形成誘引・支配作用とが相乗的に作用して、タンパク質が結晶化することになるが、この時、チップ中の粘土鉱物量は所々で異なるので、換言すれば、粘土量の異なる箇所箇所に、タンパク質溶液を滴下することにより、場所毎の粘土量は(チップ作製時の記録により)分かっているので、例えば、タンパク質溶液の濃度を変えることなく、たった一種の濃度で、結晶化に最適な粘土鉱物量、すなわち粘土/タンパク質比を、ほんの1個のチップで知ることも可能となる。
上記操作で用いるタンパク質の溶解溶媒としては、タンパク質は、生体内では水に溶け、作用するのが本来の姿であるので、基本的には、水を用いることが最も多く、この使用が好ましい。更に言えば、タンパク質は溶液のpHに敏感であるので、タンパク質の溶解溶液を緩衝液としておくのが望ましい。この緩衝溶液には、特に規定は無く、タンパク質に悪影響を及ぼさないものであれば、pH調整機能のあるもの全てが利用可能である。一例を挙げれば、例えば、少量の酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、イミダゾールなどの水溶液が例示されるが、これらに限定されるものではない。
上述のように、タンパク質の溶解溶媒は、通常は水であるが、基本的には、タンパク質に悪影響を及ぼさないものであれば、いかなる溶媒、例えば、有機溶媒も、その使用を排除するものではなく、それらの溶媒は、単独あるいは水と混合して用いることも可能である。この種の有機溶媒としては、例えば、エタノール、アセトン、メタノール、ジオキサン、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコールなどを始めとする一価及び多価のアルコールやエーテル類、ケトン類が典型例として挙げられるが、これらに限定されるものではなく、変性などタンパク質に悪影響を及ぼさないものであれば、あるいは悪作用を起こさない使い方が可能なものであれば、いかなるものも使用可能である。特に、適量であれば、具体的には、水溶媒に有機溶媒を加えることなどは、溶解度を操作し、結晶化を促進することにもなるので、むしろ歓迎されることとなる。
前述の有機溶媒の添加と同様に、目的とするタンパク質の結晶化の際に、その溶解度を下げるために、従来、沈殿剤が用いられてきたが、本スクリーニングチップの使用時に、この種の沈殿剤を併用することも可能である。例えば、従来と同様に、沈殿剤をタンパク質溶液に加え、更に、この溶液を本スクリーニングチップに接触させることにより、タンパク質の結晶化を調べることができる。このような沈殿剤としては、典型的には、例えば、硫酸アンモニウム(硫安)、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、PEG(ポリエチレングリコール)の400、4000、6000及び8000、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、対象とするタンパク質の立体構造や活性など本質に悪影響を及ぼさず、単にその溶解度のみを低下させるものであれば、無機塩、有機塩、界面活性剤など、いずれも沈殿剤として使用可能である。これらの使用量は、対象とするタンパク質の種類と溶液中のその溶解量に応じて適宜決められる。
更に言えば、本スクリーニングチップと共に、有機溶媒(添加剤)と沈殿剤とを合わせて用いることも可能である。しかしながら、有機溶媒及び/又は沈殿剤の多用は、後々のタンパク質の良質な結晶の採取及び分離精製を考慮した場合、それらによるタンパク質への不本意な汚染の原因にもなるので、できれば本スクリーニングチップと併用しない方が望ましいことは言を待たないし、好ましいことに本スクリーニングチップには、それらの沈殿剤等との併用を必ずしも必要としないと言う大きな利点がある。したがって、本スクリーニングチップは、沈殿剤を使用した場合のように、透析や脱塩などと言う煩わしい精製操作を必要としないタンパク質精製法の開発・提案に多大な力を発揮することができる。
更に述べれば、スクリーニングに用いる量といえども、何段階も経て、しかも少量しか得られないタンパク質は極めて貴重であるので、不幸にして、結晶が得られなかった場合には、回収や再利用されることが望ましい。本発明のスクリーニングチップを沈殿剤無しで用いると、結晶が得られなかった時には、チップ中の粘土膜を掻き取り、単なる水洗浄・遠心(あるいは濾過)分離で貴重なタンパク質を回収するとか、あるいは更に粘土を加え、タンパク質/粘土比を変え、再度、結晶化を試みることも可能である。したがって、本発明は、タンパク質を無駄にしないという点からも重要な技術といえる。
以上述べてきたタンパク質の結晶化を調べるための本発明のスクリーニングチップを構成する粘土鉱物には、好適には、非晶質(アロフェンやイモゴライト)、結晶質鎖状構造(セピオライトやパリゴルスカイト)及び結晶質層状構造、の三種があり、これらは、いずれも、単独あるいは混合体として、本スクリーニングチップを構成することができるものである。
一般的には、入手の容易さ、品質、価格、使いやすさ、結晶形成制御能力などの総合的見地から、基本骨格鎖−Si−O−を二次元的に広げ、層状構造を取る、いわゆるフィロケイ酸塩、より具体的には、例えば、カオリン(カオリナイト)、ハロイサイト、クリソタイル、タルク、スメクタイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、雲母(マイカ)、カッ石、ギョガン石、リョクデイ石(クロライト)、パイロフィライト、アンチゴライト、エンデライトなどの1種又は2種以上から、本スクリーニングチップを構成することが、より好ましい。しかしながら、本スクリーニングチップを構成し得る粘土鉱物は、これらの具体例に限定されるものではなく、その他にも、例えば、骨格鎖−Si−O−が二次元的に広がったシリケートの積層からなるものはいずれも望ましく、骨格鎖のケイ素の一部がアルミニウムなど他の金属に置換したものもスクリーニングチップを構成するのに何ら問題はなく、これらは、むしろ付加的効果が期待できるものでもある。
本スクリーニングチップを構成する層状ケイ酸塩の層間には、シリケート層の負電荷を中和するために、ナトリウムやカリウム、マグネシウム、カルシウムなどがあるのが通常であり、これらの陽イオンは層間隔の調節のみならず、タンパク質溶解溶媒の層間への選択的な侵入・拡散を、それらの陽イオンへの溶媒分子の優先的な配位により助けることができる。かくして、本スクリーニングチップは、シリケート層表面でタンパク質を吸着させ、その結晶化への核発生を調節し、結晶成長、すなわち結晶の形状や形態を支配・制御し、そして、シリケート層間の微小空間は、溶媒分子の収納庫となって、溶液中のタンパク質の濃度を調節するうえ、本スクリーニングチップ中では、場所によりフィロケイ酸塩量が異なるので、一個のチップで種々のタンパク質/フィロケイ酸塩比を一気に試すことができ、本スクリーニングチップは、タンパク質の結晶化試験用に最適な機構を備えたものとなっている。この機構ゆえに、本スクリーニングチップは、タンパク質濃度を気にすることなく、試験できるという便利な特徴を備えており、従来のものに比べて、極めて使い勝手の良いものとなっている。
本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップを構成する層状ケイ酸塩、いわゆるフィロケイ酸塩は、熱安定性、化学安定性に優れており、しかも量も豊富で安価であるので、本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップ並びにそれを用いるタンパク質の結晶化技術は、タンパク質の立体構造や性質・機能の解明のための試料を得るためのみならず、例えば、タンパク質の手軽な精製法を探すものとしても利用でき、特に、生化学品製造、医薬品製造の技術分野において極めて有用な中核技術となり得るものであり、その技術的及び経済効果は多大なものがある。
本発明は、タンパク質の結晶化に際し、その速度を促進したり、あるいは抑制したり、及び/又は晶出する結晶の形状や形態に直接影響を与える、いわゆるタンパク質の結晶形成を支配・制御する能力を有する特定の物質・材料からなるタンパク質結晶化スクリーニングチップ、及び該物質・材料を利用したタンパク質の精製や製造・生産技術に係るものである。本発明のタンパク質結晶化スクリーニングチップによって、1)種類を問わず広範なタンパク質に対して、それらの結晶を得る条件や方法を短時間で、かつ手軽に調べることができる、2)このスクリーニングチップに、対象とするタンパク質溶液を、その濃度を問わず、接触させることにより、それらの結晶を得ることができる、3)本スクリーニングチップは、沈殿剤の併用を必須としないので、煩わしい透析や脱塩操作を必要としない、手軽な、種々のタンパク質の効率的な精製法の探索法としても有用である、4)本スクリーニングチップにタンパク質を接触させ、タンパク質を結晶化させる方法は、タンパク質を構成するアミノ酸の鎖長・配列を問わず、種々のタンパク質に適用可能な、一般性、普遍性のある、しかも結晶化率の高い効率的方法である、5)本スクリーニングチップを構成するフィロケイ酸塩は、低コストであり、本スクリーニングチップを低コストで生産し、提供することが可能である、6)本スクリーニングチップを構成するフィロケイ酸塩は、沈殿剤を用いる方法を始めとする従来法ではタンパク質の結晶化が困難であった低濃度の溶液からもタンパク質結晶を生成させることができる、7)例えば、大腸菌の発現系によるタンパク質合成プロセスと本スクリーニングチップを利用したタンパク質結晶化法とを組み合わせることにより、新しいタンパク質製造プロセスの開発・提案に貢献することができる、という格別の効果が奏される。
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例等によって何ら制約を受けるものではない。
本実施例では、以下の操作方法により、チップ作製及び結晶化操作を行った。
(チップ作製)
粘土をMilliQ水に分散させ、種々の濃度の粘土分散溶液を調製し、それぞれを1枚のプレート、例えば、スライドガラス上の所々に乗せ、風乾し、付着粘土量が場所によって異なるチップを作製した。より詳細に一例を述べると、10%、5%、2.5%、1%、0.5%、0.1%、0.05%及び0.01%フィロケイ酸塩分散水溶液を調製し、これらのそれぞれを、ピペットでスライドガラス上に滴下・塗布し、50℃で風乾することを、順次行うことにより、8本の量の異なる線状粘土膜を塗布したチップ(図1参照)を作製した。
(結晶化操作)
対象とするタンパク質を緩衝溶液に溶かし、エッペンに入れ、4℃、10000rpmで10分間遠心し、溶液中の不溶物を取り除いた。この溶液に、予め遠心で不溶物を取り除いておいた沈殿剤溶解溶液を加え混合した。この混合溶液を、マイクロピペットを用いて、前記チップの線状粘土膜上に、膜を引っ掻かないように、ゆっくりと乗せた(図2参照)。このチップを、それが入る大きさの容器に、図3のように置き、容器底部にリザーバーとなる溶液も入れて密封し、所定温度に保った。粘土膜状に乗せた溶液の溶媒分子が粘土層間に入ると同時に、リザーバーへも蒸気拡散し、結晶化が起こった。
ちなみに、図2から容易に分かるように、チップ中の付着・塗布粘土膜上でタンパク質溶液が相互に混ざらないだけの距離を保つようにすれば、1枚のチップで複数のタンパク質濃度で結晶化を調べることが可能となること、時間と手間の節約は甚大であること、が明らかである。
前記結晶化操作の上記容器底部に、リザーバーとして0.2モル酢酸ナトリウムの緩衝液(pH4.7)に、沈殿剤である塩化ナトリウムを加え、その濃度が6%になるように調整した溶液10mlを置いた。次いで、塩化ナトリウムを含まない0.2モル酢酸ナトリウム緩衝液を用い、卵白リゾチームの50mg/ml溶液を調整し、この調整タンパク質溶液50μlと、前記のリザーバーと同じ組成の溶液50μlとをエッペンを用いて混合し、この溶液を図2のように、チップの粘土(モンモリロナイト)膜上にのせ、このチップを図3のように、容器中に置いた。容器をプレートシールで密封し、24℃に保ち、放置し、結晶の生成を待った。図4に示すように、1日後に、いずれの膜上にもリゾチーム結晶が認められた。図4の0%はモンモリロナイトの無いところであり、これとの比較から、モンモリロナイトの効果は顕著であることが分かる。
(実施例2−4)
卵白リゾチーム溶液の濃度を50mg/mlから、20mg/ml、10mg/ml及び5mg/mlにした以外は、実施例1と全く同様にして、結晶化を行った。放置後1日半で、5mg/mlのものでは結晶が得られなかったが、20mg/mlと10mg/mlのものでは、共にタンパク質結晶が得られた。
(比較例1−3)
粘土鉱物膜塗布チップを使用せず、従来の沈殿法で、濃度20mg/ml、10mg/ml及び5mg/mlの卵白リゾチーム溶液から、結晶化を試みた。操作法は、粘土膜が無いこと(卵白リゾチーム溶液は何も付着・塗布してないスライドガラス上)を除き、実施例1と同様とした。20mg/ml濃度のものでは、放置後2日にして、ようやく結晶があらわれたが、10mg/ml及び5mg/mlのものでは、結晶は認められず、その後も結晶生成はなかった。
(実施例5−7)
タンパク質をリゾチームからカタラーゼ、タウマチン及びコンカナバリンAに変えた以外は、実施例1と全く同じ操作で、これらの3種のタンパク質の結晶化を試みた。それらのタンパク質の初期条件を、実施例1の場合も含め、表1に纏めた。いずれのタンパク質に対しても、モンモリロナイトの顕著な結晶化促進効果が認められた。
(実施例8、9)
チップ中の粘土鉱物をモンモリロナイトからクロライトへ変えた以外は、実施例1と全く同じにして、結晶化を試みた。チップガラス上のクロライトが無い部分に比べ遅く、2日後にクロライト付着・塗布膜上に結晶が現れ、促進効果と言うよりは抑制効果が認められた。しかし、結晶出現速度は遅いものの、リゾチーム濃度10mg/mlでも2日後に結晶が現れた。因みに、粘土無しではこの濃度では結晶は得られない。この方法は、結晶化が遅くとも、目的にあった形質の結晶を得るのに、有力な方法の一つとなり得るものである。
(実施例10−12)
チップ中の粘土鉱物をカオリンとし、タンパク質として、リゾチーム、タウマチン及びコンカナバリンAを用いて、実施例1と同様な操作でこれらのタンパク質の結晶化を行った。1日後に現れたリゾチーム、タウマチン及びコンカナバリンAそれぞれの結晶写真を、図5、6及び7に示す。
(実施例13−16)
沈殿剤を含むリザーバーと混合せず、緩衝溶液に溶かしたタンパク質溶液そのものを、タンパク質結晶化溶液として用いた(すなわち、タンパク質溶液は、沈殿剤を含まない)以外は、実施例1と全く同様にして、リゾチーム、カタラーゼ、タウマチン及びコンカナバリンAで結晶化を試みた。各タンパク質の濃度は、表1に示した、それぞれ、沈殿剤である塩化ナトリウム、PEG4000、PIPES及び硫酸アンモニウムを含まないものと同じである。いずれのタンパク質も放置後1日で結晶が現れ(図8参照:チップ中の粘土はモンモリロナイト)、粘土が無い場合並びに粘土も沈殿剤も無い場合に比べて、顕著なタンパク質結晶化効果が認められた。
(実施例17、18)
チップ中の粘土鉱物をカオリンとし、タンパク質として、リゾチーム及びコンカナバリンAを用いて、実施例13と同様な操作でこれらのタンパク質の結晶化を行った。1日後に現れたリゾチーム及びコンカナバリンAそれぞれの結晶写真を、図9及び10に示す。
(実施例19、20)
チップ中の粘土鉱物をクロライトとし、タンパク質として、リゾチーム及びコンカナバリンAを用いて、実施例13と同様な操作でこれらのタンパク質の結晶化を行った。2日後に現れたリゾチーム及びコンカナバリンAそれぞれの結晶写真を、図11及び12に示す。
実施例に示されるように、粘土鉱物を始めとするフィロケイ酸塩、いわゆる層状ケイ酸塩は、タンパク質の結晶形成を支配・制御する能力を有し、本発明のチップにより、無駄な労力と時間を浪費することなく、手軽に、かつ迅速に、タンパク質の結晶化最適条件を見出すことができ、所望の大きさ・形状のタンパク質結晶を容易に得ることが可能となる。本発明のチップは、既知並びに未知の種々のタンパク質に適用できる、一般性、普遍性の高い結晶化スクリーニング剤として有用であり、その適用は、実施例に示されたタンパク質に限定されるものではなく、任意のタンパク質に広く適用し得るものである。
以上詳述したように、本発明は、タンパク質の結晶形成を支配・制御する能力を有する物質・材料からなるタンパク質結晶化スクリーニングチップ、及びそれを利用したタンパク質の精製や製造・生産技術に係るものである。本発明によって、タンパク質結晶化の最適濃度の探索などの試行錯誤的で煩わしい操作・工程を繰り返すことなく、例えば、たった一枚のチップで、手軽に、かつ迅速に、しかも少量で、タンパク質の結晶化条件を知ることができる。タンパク質を構成するアミノ酸の鎖長・配列を問わず、広範なタンパク質に対して、それらの結晶を得ることができる、すなわち、一般性、普遍性のある、しかも結晶化率の高い効率的方法が提供される。低コストで効率的な、すなわち経済的なタンパク質の結晶化・精製法の提案を可能にする、より具体的には、煩わしい透析や脱塩の操作を必要としない、手軽で作業性の良いタンパク質の結晶化・精製法の提案を可能にする。従来法ではタンパク質結晶が得られなかった低濃度のタンパク質溶液からもタンパク質結晶が得られるかどうかが手軽に分かる。例えば、大腸菌の発現系によるタンパク質合成プロセスと本スクリーニングチップを用いたタンパク質結晶化法の組合せにより、新しいタンパク質製造プロセスの開発・提案を可能にする。本発明は、特に、生化学品製造、医薬品製造の技術分野において、新しいタンパク質結晶化技術を提供するものとして有用である。
8本の量の異なる線状粘土膜を塗布したチップを示す。 チップの線状粘土膜上に、タンパク質混合溶液をマイクロピペットを用いて乗せた状態を示す。 チップを、容器にリザーバーとなる溶液と共に密封した状態を示す。 チップのモンモリロナイト膜上に形成されたリゾチーム結晶を示す。 チップのカオリン膜上に形成されたリゾチーム結晶を示す。 チップのカオリン膜上に形成されたタウマチン結晶を示す。 チップのカオリン膜上に形成されたコンカナバリンA結晶を示す。 チップのモンモリロナイト膜上に形成されたリゾチーム結晶を示す(沈殿剤無し)。 チップのカオリン膜上に形成されたリゾチーム結晶を示す(沈殿剤無し)。 チップのカオリン膜上に形成されたコンカナバリンA結晶を示す(沈殿剤無し)。 チップのクロライト膜上に形成されたリゾチーム結晶を示す(沈殿剤無し)。 チップのクロライト膜上に形成されたコンカナバリンA結晶を示す(沈殿剤無し)。

Claims (8)

  1. 被検タンパク質の結晶化条件をテストし、スクリーニングするためのタンパク質結晶化スクリーニングチップであって、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を、その重量及び/又は厚みを場所により異にして配置してチップを構成したこと、上記粘土鉱物が、その基本骨格鎖−Si−O−を二次元的に広げ、層状構造を取る、フィロケイ酸塩からなり、かつ、カオリン(カオリナイト)、ハロイサイト、クリソタイル、タルク、スメクタイト、モンモリロナイト、カッ石、ギョガン石、リョクデイ石(クロライト)、パイロフィライト、アンチゴライト、エンデライト、サポナイトから選択される1種又は2種以上であること、を特徴とするタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  2. 上記粘土鉱物を、支持体上に配置してチップを構成したことを特徴とする、請求項1に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  3. 上記粘土鉱物を、その付着粘土鉱物量を場所により異にして一枚のプレート上に配置してチップを構成したことを特徴とする、請求項2に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  4. 上記粘土鉱物が、溶液中に溶解したタンパク質と接触することにより、そのタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、請求項2に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  5. 上記粘土鉱物が、緩衝溶液中に溶解したタンパク質と接触することにより、そのタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、請求項4に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  6. 上記緩衝溶液の溶媒蒸気を拡散させることで、上記粘土鉱物がタンパク質結晶形成制御機能を発揮することを特徴とする、請求項5に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  7. 上記緩衝溶液の溶媒が、水であることを特徴とする、請求項6に記載のタンパク質結晶化スクリーニングチップ。
  8. 被検タンパク質の結晶化条件をテストし、スクリーニングするためのタンパク質結晶化スクリーニングチップを製造する方法であって、タンパク質の結晶化に際し、その速度を速め、あるいは緩める機能、及び/又はその析出する結晶の形状・形態を制御する機能を有する粘土鉱物を用いて、種々の濃度の粘土分散溶液又はペーストを調製し、それぞれを所定の位置に設置し、乾燥することにより、複数の量の異なる粘土鉱物を配置してチップを構成すること、上記粘土鉱物が、その基本骨格鎖−Si−O−を二次元的に広げ、層状構造を取る、フィロケイ酸塩からなり、かつ、カオリン(カオリナイト)、ハロイサイト、クリソタイル、タルク、スメクタイト、モンモリロナイト、カッ石、ギョガン石、リョクデイ石(クロライト)、パイロフィライト、アンチゴライト、エンデライト、サポナイトから選択される1種又は2種以上であること、を特徴とするタンパク質結晶化スクリーニングチップの製造方法。
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