JP4495395B2 - Steam boiler equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボイラ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸気ボイラ装置として、給水を加熱して蒸気を発生する蒸気ボイラと、この蒸気ボイラで発生した蒸気を利用する負荷装置と、前記蒸気ボイラで発生した蒸気を前記負荷装置へ供給するための蒸気配管と、前記負荷装置において利用された蒸気が凝縮して得られる復水を回収して前記蒸気ボイラへの給水へ混合するための復水配管とを主に備えたものが知られている。このような蒸気ボイラ装置は、前記負荷装置へ供給した蒸気を復水として循環しながら前記蒸気ボイラへの給水として再利用することができるため、補給水量を削減することができ、経済的な運転が可能になる。
【0003】
ところで、前記蒸気ボイラ装置で用いられる前記蒸気配管や前記復水配管は、主として鋼管製であるため、腐食が原因で交換を余儀なくされる場合がある。前記蒸気配管や前記復水配管の腐食は、主に前記蒸気ボイラへの給水中に含まれる重炭酸イオンや溶存酸素の影響により生じるものと理解されている。重炭酸イオンを原因とする腐食は、前記蒸気ボイラ内において重炭酸イオンを含む給水の熱分解により生成する炭酸ガスが蒸気や復水のpHを低下させることにより生じるものであり、復水と接触している配管の内面部分に均等に進行して配管の減肉をもたらすものであるため、進行速度が比較的遅いという特徴を有している。これに対し、溶存酸素を原因とする腐食は、蒸気や復水中に溶解している酸素が配管,とくに横引き配管の下部など、スラッジの堆積した下部に対して部分的に集中的な腐食作用をもたらし、配管の内側から外側へ向かう孔状の腐食(孔食)をもたらすものであるため、進行速度が比較的速く、復水配管に対して短時間で致命的な破損をもたらすという特徴を有している。
【0004】
このため、前記蒸気ボイラ装置では、蒸気中や復水中の炭酸ガスを中和するための中和剤や、前記蒸気配管や前記復水配管の内面に防食性の皮膜を形成するための皮膜形成剤などの薬剤(腐食抑制剤)を前記蒸気ボイラへの給水中へ注入する運転方法が実施されている。このようにして給水中へ注入される腐食抑制剤のうち、中和剤は、前記蒸気ボイラにおいて生成する炭酸ガスを中和し、蒸気や復水のpH低下を抑制するので、前記のような減肉的腐食を効果的に抑制することができる。一方、皮膜形成剤は、蒸気とともに前記蒸気配管内へ供給されることになるため、前記蒸気配管や前記復水配管の内面に防食性の皮膜を形成し、溶存酸素に起因する前記のような孔食や炭酸ガスによる減肉的腐食を効果的に抑制することができる。
【0005】
ところが、前記蒸気ボイラ装置において、前記蒸気ボイラへ供給される給水は、そこで加熱されて蒸気になるとともに、一部がボイラ水として前記蒸気ボイラ内に残留するため、給水中へ注入された腐食抑制剤も蒸気とボイラ水とに分配されることになる。したがって、給水中へ注入された腐食抑制剤の一部は、ボイラ水中に残留し、前記蒸気配管や前記復水配管の腐食抑制に関与しないことになるため、腐食抑制剤はボイラ水中における腐食抑制剤の残留量を考慮して、給水中への注入量を過剰に設定する必要がある。
【0006】
また、給水中へ注入される腐食抑制剤,とくに皮膜形成剤は、前記蒸気ボイラ内の水位を制御するための水位検出器にも皮膜を形成する可能性があるため、円滑な水位制御を阻害して前記蒸気ボイラ装置の動作を不安定にする可能性もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、蒸気ボイラ装置の蒸気配管および復水配管の腐食を抑制するための腐食抑制剤を無駄なく使用し、しかも蒸気ボイラ装置を安定に運転することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を発生する蒸気ボイラと、蒸気を利用する負荷装置と、蒸気を前記負荷装置へ供給するための蒸気配管と、前記負荷装置において利用された蒸気が凝縮して得られる復水を回収して給水に混合するための復水配管と、前記蒸気配管および前記復水配管のいずれか一方または両方へ必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入するための注入部とを備え、前記注入部は、前記蒸気ボイラで発生する蒸気量に応じて、前記必要量を調節可能に設定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を発生する蒸気ボイラと、蒸気を利用する複数台の負荷装置と、蒸気を前記各負荷装置へ供給するための複数の蒸気配管と、前記各負荷装置において利用された蒸気が凝縮して得られる復水を回収して給水に混合するための複数の復水配管と、前記蒸気ボイラからの蒸気を前記各負荷装置毎の前記各蒸気配管へ分配するための蒸気分配部と、前記各蒸気配管および前記各復水配管のいずれか一方または両方へ必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入するための注入部とを備え、前記注入部は、前記蒸気ボイラで発生する蒸気量に応じて、前記必要量を調節可能に設定されていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記注入部は、前記蒸気分配部および前記各復水配管のいずれか一方または両方へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入可能に設定されていることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を発生する複数台の蒸気ボイラと、蒸気を利用する負荷装置と、前記各蒸気ボイラからの蒸気を集めるための蒸気集中部と、前記蒸気集中部に集められた蒸気を前記負荷装置へ供給するための蒸気配管と、前記負荷装置において利用された蒸気が凝縮して得られる復水を回収して給水に混合するための復水配管と、前記蒸気配管および前記復水配管のいずれか一方または両方へ必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入するための注入部とを備え、前記注入部は、前記各蒸気ボイラでそれぞれ発生する蒸気の合計量に応じて、前記必要量を調節可能に設定されていることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、給水を加熱して蒸気を発生する複数台の蒸気ボイラと、蒸気を利用する複数台の負荷装置と、前記各蒸気ボイラからの蒸気を集めるための蒸気集中部と、前記蒸気集中部に集められた蒸気を前記各負荷装置へ供給するための複数の蒸気配管と、前記各負荷装置において利用された蒸気が凝縮して得られる復水を回収して給水に混合するための複数の復水配管と、前記各蒸気配管および前記各復水配管のいずれか一方または両方へ必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入するための注入部とを備え、前記注入部は、前記各蒸気ボイラでそれぞれ発生する蒸気の合計量に応じて、前記必要量を調節可能に設定されていることを特徴としている。
【0013】
さらに、請求項6に記載の発明は、前記注入部は、前記蒸気集中部および前記各復水配管のいずれか一方または両方へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入可能に設定されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の一形態に係る蒸気ボイラ装置を図1に基づいて説明する。図1において、蒸気ボイラ装置1は、給水装置2,蒸気ボイラ3,負荷装置4,蒸気配管5,復水配管6および注入装置7(注入部の一例)を主に備えている。
【0015】
前記給水装置2は、前記蒸気ボイラ3へ給水するためのものであり、補給水の注水路8と、この注水路8からの補給水を貯留するための給水タンク9およびこの給水タンク9に貯留された給水を前記蒸気ボイラ3へ供給するための給水路10を主に備えている。この給水路10は、前記給水タンク9内に貯留された給水を前記蒸気ボイラ3へ向けて送り出すための給水ポンプ11を有している。
【0016】
前記蒸気ボイラ3は、前記給水装置2から供給される給水を加熱して蒸気を発生するためのものであり、給水を加熱するための加熱バーナー12と運転制御装置13とを備えている。この運転制御装置13は、前記蒸気ボイラ3における燃焼量を設定するためのものであり、たとえば三位置制御方式のもの,より具体的には、前記加熱バーナー12を停止,低燃焼および高燃焼の三位置のいずれかに設定可能なものである。ここで、前記蒸気ボイラ3において発生する蒸気量は、前記運転制御装置13により設定された燃焼量に対応することになる。たとえば、前記運転制御装置13により設定された燃焼量が「高燃焼」の場合、前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量が「10」と仮定すると、「低燃焼」に設定された場合は、たとえば高燃焼時の1/2(すなわち「5」)であり、「停止」に設定された場合は「0」になる。
【0017】
また、前記蒸気ボイラ3内には、水位検出器14が配置されている。この水位検出器14は、前記給水ポンプ11に対して水位信号を伝達可能に設定されており、前記給水ポンプ11は、この水位信号に基づいて、前記蒸気ボイラ3内の水位が一定に維持されるようオンオフ制御される。
【0018】
前記負荷装置4は、たとえば前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気を用いて所要の熱交換をするための熱交換器である。前記蒸気配管5は、前記蒸気ボイラ3から延びており、前記負荷装置4へ前記蒸気ボイラ3からの蒸気を供給するためのものである。前記復水配管6は、前記負荷装置4から前記給水タンク9へ延びており、前記負荷装置4において利用された蒸気が凝縮して得られる凝縮水(復水)を前記給水タンク9へ回収するためのものである。ここにおいて、前記復水配管6はスチームトラップ15を有している。
【0019】
前記注入装置7は、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を貯蔵するための薬剤タンク16と、この薬剤タンク16と前記蒸気配管5とを連絡する薬注配管17とを備えている。この薬注配管17は、前記薬剤タンク16内のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記蒸気配管5内へ供給するための薬注ポンプ18を有している。この薬注ポンプ18は、前記運転制御装置13に接続されており、前記運転制御装置13において設定される前記の燃焼量に応じて,すなわち前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量に応じて、前記蒸気配管5内に供給すべきモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の必要量を調節可能に設定されている。より具体的には、前記薬注ポンプ18は、前記運転制御装置13において設定された燃焼量が「高燃焼」の場合(すなわち、前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量が、たとえば前記の「10」の場合)は、前記蒸気配管5へ供給するモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の必要量を,たとえば所定の単位量(以下、「単位量」と云う)に設定する。また、前記運転制御装置13において設定された燃焼量が「低燃焼」の場合(すなわち、前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量が、たとえば前記の「5」の場合)は、前記蒸気配管5へ供給するモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の必要量を前記単位量の半量(以下、「半単位量」と云う)に設定する。さらに、前記運転制御装置13において設定された燃焼量が「停止」の場合(すなわち、前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量が「0」の場合)は、前記蒸気配管5へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の供給を停止する。
【0020】
さて、前記蒸気配管5および前記復水配管6の腐食を抑制するために薬注されるモルホリン脂肪酸塩は、熱によりモルホリンと脂肪酸とに分解し、モルホリンが中和型防食剤として作用し、また脂肪酸が皮膜型防食剤として作用するため、中和作用と皮膜作用の両方の機能をもった腐食抑制剤である。ここで、モルホリン脂肪酸塩の脂肪酸としては、たとえばラウリン酸,ミリスチン酸,パルチミン酸およびステアリン酸等の飽和脂肪酸や、オレイン酸,リノール酸およびリノレン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
【0021】
ここにおいて、前記蒸気ボイラ装置1を構成する各種部材,とくに前記蒸気配管5および前記復水配管6は、主として鋼管を用いて形成されている。
【0022】
つぎに、前記蒸気ボイラ装置1の動作について説明する。前記蒸気ボイラ装置1を運転する場合は、前記注水路8から前記給水タンク9へ補給水を供給し、この補給水を前記給水タンク9に貯留する。そして、前記給水ポンプ11を作動させ、前記給水タンク9に貯留された給水を前記給水路10を通じて前記蒸気ボイラ3へ供給する。前記蒸気ボイラ3は、前記加熱バーナー12により給水を加熱し、蒸気を発生させる。発生した蒸気は、前記蒸気配管5を通じて前記負荷装置4へ供給される。前記負荷装置4を通過した蒸気は、潜熱を失って一部が凝縮水に変わり、前記スチームトラップ15において蒸気と水とが分離されて復水(ドレン水)になる。この復水は、前記復水配管6を通じて前記給水タンク9内へ回収され、そこで前記注水路8からの補給水と混合されて前記蒸気ボイラ3への給水として再利用される。
【0023】
前記蒸気ボイラ装置1の運転中において、前記運転制御装置13は、前記蒸気ボイラ3の燃焼量を前記薬注ポンプ18へ伝達する。そして、前記薬注ポンプ18は、前記運転制御装置13から伝達される燃焼量情報に基づいて作動し、燃焼量,すなわち前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気量に対応する必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記薬剤タンク16から前記薬注配管17を通じて前記蒸気配管5内へ供給する。具体的には、前記薬注ポンプ18は、前記蒸気ボイラ3の燃焼量が「高燃焼」の場合は、前記単位量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給し、また前記蒸気ボイラ3の燃焼量が「低燃焼」の場合は、前記半単位量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給する。さらに、前記蒸気ボイラ3の燃焼量が「停止」の場合は、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の供給を停止する。
【0024】
前記のようにして前記蒸気配管5に供給されたモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気配管5内を前記負荷装置4へ向けて移動する蒸気中に分散する。蒸気中に分散したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気配管5および前記復水配管6に対し、その効能に応じた腐食抑制作用を発揮することになる。ここにおいて、注入されたモルホリン脂肪酸塩は、熱によりモルホリンと脂肪酸とに分解し、モルホリンが中和作用を発揮するとともに、脂肪酸が皮膜形成作用を発揮し、したがって協働して腐食抑制効果をもたらす。
【0025】
このように、前記蒸気ボイラ装置1は、前記蒸気配管5内にモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するように設定されているので、給水へ腐食抑制剤を供給する従来の装置で生じるような腐食抑制剤の無駄や前記水位検出器14の不具合を低減することができる。とくに、前記蒸気ボイラ装置1は、前記蒸気配管5内に前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量に応じて前記注入装置7から必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が供給されるので、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の使用量をより適切に設定することができ、経済的な運転が可能になる。また、このようにしてモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の使用量が適切に設定される結果、前記復水配管6から前記給水タンク9へ回収される復水は、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の残留が抑制されるので、前記給水タンク9内へ貯留された給水の水質を損ないにくい。このため、この復水が混合された給水は、前記蒸気ボイラ3に供給された場合において、前記水位検出器14の作動不良を起こしにくい。
【0026】
ここにおいて、前記蒸気ボイラ装置1では、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記蒸気配管5内へ供給するよう設定したが、前記薬注配管17を前記復水配管6に対して接続し、前記復水配管6内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するよう設定してもよい。このようにすると、主として前記復水配管6の腐食が効果的に抑制されることになる。因みに、この場合、前記薬注配管17は、前記復水配管6において、前記スチームトラップ15の直後に接続するのが好ましい。このようにすると、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を復水中へ直接供給することができるため、効果的に腐食抑制効果を発揮することができる。
【0027】
さらに、前記蒸気配管5および前記復水配管6の両方へ薬注する方法もある。たとえば、前記蒸気配管5の全長が長い場合、前記蒸気配管5内でモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が消費されたり、前記蒸気配管5の途中に設けたドレン排出用のドレン排出手段(図示省略)からドレン水とともにモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤も排出されたりすることで、前記復水配管6へ供給されるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が減少する可能性がある。このような場合、前記蒸気配管5で消費したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の消費量の分を前記復水配管6へ薬注することにより、前記復水配管6の腐食をより効果的に抑制することができる。
【0028】
つぎに、前記第一の実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1の変形例(第二の実施の形態)を図2に基づいて説明する。図2において、図1と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。さて、図2において、前記蒸気ボイラ装置1は、2台の前記負荷装置4,4を備えている。前記各負荷装置4には、前記蒸気配管5,5が個別に接続している。これらの前記各蒸気配管5は、前記蒸気ボイラ3からの前記蒸気配管5と接続された蒸気分配装置(蒸気分配部の一例)19からそれぞれ延びている。この蒸気分配装置19は、前記蒸気ボイラ3から供給される蒸気を前記各蒸気配管5へ分配するためのものである。
【0029】
また、前記各負荷装置4には、前記スチームトラップ15,15をそれぞれ有する前記復水配管6,6が個別に設けられている。前記各復水配管6は、一本化して前記給水タンク9へ延びている。さらに、前記注入装置7の前記薬注配管17は、前記蒸気分配装置19へ連絡している。
【0030】
前記蒸気ボイラ装置1において、前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気は、まず前記蒸気分配装置19へ供給され、ここから前記各蒸気配管5へそれぞれ分配され、そして前記各負荷装置4で利用される。前記各負荷装置4を通過した蒸気は、続けて前記各復水配管6を通過中に潜熱を失って一部が凝縮水へ変わり、前記各スチームトラップ15においてそれぞれ蒸気と水とが分離されて復水(ドレン水)になる。前記各復水配管6内の復水は、合流した後に前記給水タンク9内へ回収され、そこで前記注水路8からの補給水と混合されて前記蒸気ボイラ3への給水として再利用される。
【0031】
前記蒸気ボイラ装置1の運転中において、前記注入装置7の前記薬注ポンプ18は、前記第一の実施の形態の場合と同じく、前記運転制御装置13から伝達される燃焼量情報に基づいて作動し、燃焼量,すなわち前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気量に対応する必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記薬剤タンク16から前記薬注配管17を通じて前記蒸気分配装置19内へ供給する。前記蒸気分配装置19内へ供給されたモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記各蒸気配管5へそれぞれ分配されて蒸気中に分散する。したがって、この実施の形態では、前記蒸気分配装置19を経由して前記各蒸気配管5内へ必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を注入することになる。蒸気中に分散したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記各蒸気配管5および前記各復水配管6に対し、その効能に応じた腐食抑制作用を発揮する。ここにおいて、注入されたモルホリン脂肪酸塩は、熱によりモルホリンと脂肪酸とに分解し、モルホリンが中和作用を発揮するとともに、脂肪酸が皮膜形成作用を発揮し、したがって協働して腐食抑制効果をもたらす。
【0032】
このように、前記蒸気ボイラ装置1は、前記蒸気分配装置19を通じて前記各蒸気配管5内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するように設定されているので、前記第一の実施の形態の場合と同様の効果を発揮することができる。
【0033】
ここにおいて、この実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1においては、前記蒸気分配装置19内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するようにしたが、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気分配装置19から分岐された前記各蒸気配管5へ個別に直接供給されてもよい。この場合、前記各蒸気配管5に対して前記注入装置7を個別に配置する。そして、前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気量に対応する必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が、前記蒸気分配装置19で設定された前記各蒸気配管5への蒸気の分配比に応じて配分しながら前記各蒸気配管5へ供給されるように、前記各注入装置7の前記薬注ポンプ18を設定する。したがって、この変形例の場合は、前記各負荷装置4の種類に応じ、前記各蒸気配管5毎に異なるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給することができる。
【0034】
また、この実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1は、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記蒸気分配装置19の上流側において、前記蒸気配管5へ直接供給されてもよい。この場合、前記蒸気配管5に対して前記注入装置7を配置する。そして、前記蒸気ボイラ3で発生した蒸気量に対応する必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が、前記蒸気配管5へ供給されるように、前記各注入装置7の前記薬注ポンプ18を設定する。したがって、この変形例の場合は、前記蒸気ボイラ3の蒸気量に応じ、前記蒸気配管5に必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給することができる。
【0035】
そして、前記蒸気分配装置19および前記復水配管6の両方へ薬注する方法もある。たとえば、前記蒸気分配装置19に設けたドレン排出用のドレン排出手段(図示省略)からドレン水とともにモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤も排出されることで、前記各復水配管6へ供給されるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が減少する可能性がある。このような場合、前記蒸気分配装置19で減少したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の減少量の分を前記各復水配管6へ薬注することにより、前記各復水配管6の腐食をより効果的に抑制することができる。
【0036】
さらに、この実施の形態では、2台の前記各負荷装置4を用いる場合について説明したが、前記負荷装置が3台以上の場合も同様に実施することができる。
【0037】
つぎに、第三の実施の形態に係る蒸気ボイラ装置を図3に基づいて説明する。図3において、図1または図2と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。さて、図3において、前記蒸気ボイラ装置1は、前記給水装置2,3台の前記蒸気ボイラ,後述する蒸気集中装置20(蒸気集中部の一例),前記負荷装置4,前記蒸気配管5,前記復水配管6および前記注入装置7(注入部の一例)を主に備えている。
【0038】
前記給水装置2は、前記各蒸気ボイラ3へ給水するためのものであり、補給水の前記注水路8,前記注水路8からの補給水を貯留するための前記給水タンク9および前記給水タンク9に貯留された給水を前記各蒸気ボイラ3へ供給するための前記給水路10を主に備えている。前記給水路10は、前記各蒸気ボイラ3に個別に対応するように3系統の個別給水路21,21,21へ分岐しており、この各個別給水路21は、前記給水タンク9内に貯留された給水を対応する前記各蒸気ボイラ3へ向けて送り出すための前記給水ポンプ11をそれぞれ有している。
【0039】
前記各蒸気ボイラ3は、前記給水装置2から供給される給水を加熱して蒸気を発生するためのものであり、給水を加熱するための前記加熱バーナー12と前記運転制御装置13とを個別に備えている。前記運転制御装置13は、対応する前記各蒸気ボイラ3における燃焼量を設定するためのものであり、たとえば三位置制御方式のもの,より具体的には前記加熱バーナー12を停止,低燃焼および高燃焼の三位置のいずれかに設定可能なものである。ここで、前記各蒸気ボイラ3において発生する蒸気量は、前記各運転制御装置13により設定された燃焼量に対応することになる。たとえば、一台の前記蒸気ボイラ3において、前記運転制御装置13により設定された燃焼量が「高燃焼」の場合、前記蒸気ボイラ3で発生する蒸気量が「10」と仮定すると、「低燃焼」に設定された場合は、たとえば高燃焼時の1/2(すなわち「5」)であり、「停止」に設定された場合は「0」になる。ここにおいて、他の前記各蒸気ボイラ3についても同様である。
【0040】
また、前記各蒸気ボイラ3内には、前記水位検出器14が個別に配置されている。前記各水位検出器14は、対応する前記各個別給水路21の前記給水ポンプ11へ水位信号を前記運転制御装置13を介して伝達可能に設定されており、前記給水ポンプ11は、この水位信号に基づいて、対応する前記各蒸気ボイラ3内の水位が一定に維持されるようにオンオフ制御される。
【0041】
前記蒸気集中装置20は、前記各蒸気ボイラ3において発生した蒸気を集めるためのものであり、前記各蒸気ボイラ3からそれぞれ延びる前記各蒸気配管5が連絡している。また、前記蒸気集中装置20は、そこに供給されて集められた蒸気の圧力を計測するための圧力センサ22と、この圧力センサ22に接続された台数制御装置23とを有している。この台数制御装置23は、前記圧力センサ22で計測される圧力にしたがって、前記各蒸気ボイラ3の運転または停止を個別に設定し、それによって前記蒸気集中装置20へ供給される蒸気量を調節するためのものである。ここにおいて、前記台数制御装置23による前記各蒸気ボイラ3の起動順序は、予め設定された順序にしたがう。
【0042】
前記負荷装置4は、たとえば前記各蒸気ボイラ3で発生した蒸気を用いて所要の熱交換をするための熱交換器である。前記蒸気配管5は、前記蒸気集中装置20から延びており、前記負荷装置4に対して前記蒸気ボイラ3からの蒸気を供給するためのものである。前記復水配管6は、前記負荷装置4から前記給水タンク9へ延びており、前記負荷装置4において利用された蒸気が凝縮して得られる凝縮水(復水)を前記給水タンク9内へ回収するためのものである。前記復水配管6は、前記スチームトラップ15を有している。
【0043】
前記注入装置7は、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を貯蔵するための前記薬剤タンク16と、前記薬剤タンク16と前記蒸気集中装置20とを連絡する前記薬注配管17とを備えている。前記薬注配管17は、前記薬剤タンク16内のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記蒸気集中装置20内へ供給するための前記薬注ポンプ18を有している。前記薬注ポンプ18は、前記台数制御装置23を通じて前記各蒸気ボイラ3の前記運転制御装置13と接続されており、前記台数制御装置23により設定される前記各蒸気ボイラ3の運転台数および前記運転制御装置13において設定される前記各蒸気ボイラ3についての前記の燃焼量の合計量に応じて,すなわち前記各蒸気ボイラ3でそれぞれ発生する蒸気の合計量に応じて、前記蒸気集中装置20内へ供給すべきモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の必要量を調節可能に設定されている。ここで用いられるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記第一の実施の形態の場合と同様である。
【0044】
ここにおいて、前記蒸気ボイラ装置1を構成する各種部材,とくに前記蒸気配管5および前記復水配管6は、主として鋼管を用いて形成されている。
【0045】
つぎに、前記蒸気ボイラ装置1の動作について説明する。前記蒸気ボイラ装置1を運転する場合は、前記注水路8から前記給水タンク9へ補給水を供給し、この補給水を前記給水タンク9に貯留する。そして、前記各給水ポンプ11を作動させ、前記給水タンク9に貯留された給水を前記給水路10および前記各個別給水路21を通じて前記各蒸気ボイラ3へ供給する。前記各蒸気ボイラ3は、前記加熱バーナー12により給水を加熱し、蒸気を発生させる。発生した蒸気は、前記各蒸気配管5を通じて前記蒸気集中装置20へ供給される。
【0046】
ここで、前記蒸気集中装置20へ供給される蒸気量が前記負荷装置4における必要量に比べて過剰または少ない場合は、それを前記圧力センサ22が検知し、前記台数制御装置23が前記各蒸気ボイラ3の運転台数を設定し、また前記運転制御装置13が前記各蒸気ボイラ3について個別の燃焼量を設定する。
【0047】
前記蒸気集中装置20へ供給された蒸気は、続けて下流側の前記蒸気配管5を通じて前記負荷装置4へ供給される。前記負荷装置4を通過した蒸気は、潜熱を失って一部が凝縮水に変わり、前記スチームトラップ15において蒸気と水とが分離されて復水(ドレン水)になる。この復水は、前記復水配管6を通じて前記給水タンク9内へ回収され、そこで前記注水路8からの補給水と混合されて前記各蒸気ボイラ3への給水として再利用される。
【0048】
前記蒸気ボイラ装置1の運転中において、前記各蒸気ボイラ3の前記運転制御装置13は、前記各蒸気ボイラ3の燃焼量を個別に前記台数制御装置23へ伝達する。そして、前記台数制御装置23は、前記各運転制御装置13から伝達される燃焼量情報に基づいて、前記各蒸気ボイラ3において発生する蒸気の合計量を演算し、その合計量に対応するモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の必要量を前記薬注ポンプ18へ伝達する。これにより、前記薬注ポンプ18は、必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記薬剤タンク16から前記薬注配管17を通じて前記蒸気集中装置20内へ供給する。ここでいう必要量は、たとえば全ての前記各蒸気ボイラ3の燃焼量が「高燃焼」の場合、前記第一の実施の形態で説明した前記単位量の3倍であり、また全ての前記各蒸気ボイラ3の燃焼量が「低燃焼」の場合は、前記単位量の1.5倍になる。
【0049】
前記のようにして前記蒸気集中装置20へ供給されたモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気集中装置20から下流側の前記蒸気配管5へ供給される蒸気中に分散する。蒸気中に分散したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気配管5および前記復水配管6に対し、その効能に応じた腐食抑制作用を発揮することになる。ここにおいて、注入されたモルホリン脂肪酸塩は、熱によりモルホリンと脂肪酸とに分解し、モルホリンが中和作用を発揮するとともに、脂肪酸が皮膜形成作用を発揮し、したがって協働して腐食抑制効果をもたらす。
【0050】
このように、前記蒸気ボイラ装置1は、前記蒸気集中装置20を経由して前記蒸気配管5内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するように設定されているので、前記第一の実施の形態の場合と同様の効果を発揮し得る。
【0051】
また、この実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1においては、前記のとおり、前記蒸気集中装置20を通じて前記蒸気配管5内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するようにしたが、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気配管5内へ直接供給されてもよいし、前記復水配管6内へ供給されてもよい。これらの場合、前記蒸気配管5または前記復水配管6へ前記注入装置7を接続する構成とする。
【0052】
そして、前記蒸気集中装置20および前記復水配管6の両方へ薬注する方法も好適である。たとえば、前記蒸気集中装置20に設けたドレン排出用のドレン排出手段(図示省略)からドレン水とともにモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤も排出されることになるので、前記復水配管6へ供給されるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が減少する可能性がある。このような場合、前記蒸気集中装置20で減少したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の減少量を前記復水配管6へ薬注することにより、前記復水配管6の腐食をより効果的に抑制することができる。
【0053】
さらに、この実施の形態では、3台の前記各蒸気ボイラ3を用いる場合について説明したが、前記蒸気ボイラ3が2台または4台以上の場合も同様に実施することができる。
【0054】
つぎに、前記の各実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1の変形例(第四の実施の形態)を図4に基づいて説明する。図4において、図1,図2および図3と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。さて、図4において、前記蒸気ボイラ装置1は、2台の前記各負荷装置4を備えている。前記各負荷装置4には、下流側の前記各蒸気配管5が個別に接続している。これらの下流側の前記各蒸気配管5は、前記蒸気集中装置20から延びている。ここで用いる前記蒸気集中装置20は、前記各蒸気ボイラ3で発生した蒸気を上流側の前記各蒸気配管5を通じて集めるとともに、前記各負荷機器4へ接続している下流側の前記各蒸気配管5へ分配するためのものである。
【0055】
また、前記各負荷装置4には、前記各スチームトラップ15をそれぞれ有する前記各復水配管6が個別に設けられている。前記各復水配管6は一本化して前記給水タンク9へ延びている。
【0056】
前記蒸気ボイラ装置1において、前記蒸気集中装置20において集められた蒸気は、そこで下流側の前記各蒸気配管5へ分配され、前記各負荷装置4で利用される。前記各負荷装置4を通過した蒸気は、潜熱を失って一部が凝縮水に変わり、前記各スチームトラップ15において蒸気と水とが分離されて復水(ドレン水)になる。前記各復水配管6内の復水は、合流して前記給水タンク9内へ回収され、そこで前記注水路8からの補給水と混合されて前記各蒸気ボイラ3への給水として再利用される。
【0057】
前記蒸気ボイラ装置1の運転中において、前記注入装置7の前記薬注ポンプ18は、前記第三の実施の形態の場合と同じく前記各蒸気ボイラ3で発生した蒸気の合計量に対応する必要量のモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を前記薬剤タンク16から前記薬注配管17を通じて前記蒸気集中装置20内へ供給する。前記蒸気集中装置20内へ供給されたモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記蒸気集中装置20から下流側の前記各蒸気配管5へ分配されて蒸気中に分散する。蒸気中に分散したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は、前記各蒸気配管5および前記各復水配管6に対し、その効能に応じた腐食抑制作用を発揮することになる。ここにおいて、注入されたモルホリン脂肪酸塩は、熱によりモルホリンと脂肪酸とに分解し、モルホリンが中和作用を発揮するとともに、脂肪酸が皮膜形成作用を発揮し、したがって協働して腐食抑制効果をもたらす。
【0058】
このように、前記蒸気ボイラ装置1は、前記蒸気集中装置20を経由して前記各負荷機器4内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するように設定されているので、前記第一の実施の形態の場合と同様の効果を発揮し得る。
【0059】
また、この実施の形態に係る前記蒸気ボイラ装置1においては、前記のとおり、前記蒸気集中装置20を通じて下流側の前記蒸気配管5内へモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を供給するようにしたが、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤は上流側および下流側のいずれか一方または両方の前記各蒸気配管5内へ直接供給されてもよいし、前記各復水配管6内へ供給されてもよい。これらの場合、上流側および下流側のいずれか一方または両方の前記各蒸気配管5または前記各復水配管6へ前記注入装置7を接続する構成とする。
【0060】
そして、前記蒸気集中装置20および前記復水配管6の両方へ薬注する方法もある。たとえば、前記蒸気集中装置20に設けたドレン排出用のドレン排出手段(図示省略)からドレン水とともにモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤も排出されることになるので、前記復水配管6へ供給されるモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤が減少する可能性がある。このような場合、前記蒸気集中装置20で減少したモルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤の減少量の分を前記復水配管6へ薬注することにより、前記復水配管6の腐食をより効果的に抑制することができる。
【0061】
ここにおいて、この実施の形態では、2台の前記負荷装置4を用いる場合について説明したが、前記負荷装置4が3台以上の場合も同様に実施することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、モルホリン脂肪酸塩からなる腐食抑制剤を無駄なく使用し、しかも安定に運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施の形態を示す蒸気ボイラ装置の概略図である。
【図2】この発明の第二の実施の形態を示す蒸気ボイラ装置の概略図である。
【図3】この発明の第三の実施の形態を示す蒸気ボイラ装置の概略図である。
【図4】この発明の第四の実施の形態を示す蒸気ボイラ装置の概略図である。
【符号の説明】
1 蒸気ボイラ装置
3 蒸気ボイラ
4 負荷装置
5 蒸気配管
6 復水配管
7 注入装置(注入部)
19 蒸気分配装置(蒸気分配部)
20 蒸気集中装置(蒸気集中部) [0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a boiler device.
[0002]
[Prior art]
As a steam boiler device, a steam boiler that heats feed water to generate steam, a load device that uses the steam generated in the steam boiler, and a steam pipe for supplying the steam generated in the steam boiler to the load device And a condensate pipe for collecting condensate obtained by condensing steam used in the load device and mixing it with feed water to the steam boiler is known. Since such a steam boiler device can be reused as feed water to the steam boiler while circulating the steam supplied to the load device as condensate, the amount of makeup water can be reduced, and economical operation Is possible.
[0003]
By the way, since the said steam piping and the said condensate piping used with the said steam boiler apparatus are mainly made from a steel pipe, it may be forced to replace | exchange because of corrosion. It is understood that the corrosion of the steam pipe and the condensate pipe is mainly caused by the influence of bicarbonate ions and dissolved oxygen contained in the water supply to the steam boiler. Corrosion caused by bicarbonate ions occurs when carbon dioxide gas generated by thermal decomposition of feed water containing bicarbonate ions in the steam boiler lowers the pH of steam and condensate, and comes into contact with condensate. Since it progresses evenly to the inner surface portion of the pipe, which leads to thinning of the pipe, the traveling speed is relatively slow. On the other hand, the corrosion caused by dissolved oxygen is a partially concentrated corrosion action of the oxygen dissolved in the steam or condensate on the lower part where sludge is accumulated, such as the lower part of the pipe, especially the horizontal pipe. It has a characteristic that the rate of progress is relatively fast and fatal damage is caused to the condensate pipe in a short time because it causes pore-like corrosion (pitting corrosion) from the inside to the outside of the pipe. Have.
[0004]
For this reason, in the steam boiler apparatus, a neutralizing agent for neutralizing carbon dioxide in steam or condensate, and a film formation for forming an anticorrosive film on the inner surface of the steam pipe or the condensate pipe An operation method for injecting a chemical (such as a corrosion inhibitor) into the feed water to the steam boiler has been implemented. Among the corrosion inhibitors injected into the feed water in this way, the neutralizing agent neutralizes the carbon dioxide gas generated in the steam boiler and suppresses the pH drop of steam and condensate. It is possible to effectively suppress the thinning corrosion. On the other hand, since the film forming agent is supplied into the steam pipe together with the steam, an anticorrosive film is formed on the inner surface of the steam pipe or the condensate pipe, and the above-mentioned due to dissolved oxygen. It is possible to effectively suppress pitting corrosion and thinning corrosion caused by carbon dioxide gas.
[0005]
However, in the steam boiler apparatus, the feed water supplied to the steam boiler is heated there to become steam, and part of the feed water remains in the steam boiler as boiler water, so that the corrosion suppression injected into the feed water is suppressed. The agent will also be distributed between steam and boiler water. Therefore, a part of the corrosion inhibitor injected into the feed water remains in the boiler water and does not contribute to the corrosion suppression of the steam pipe and the condensate pipe. Therefore, the corrosion inhibitor suppresses the corrosion in the boiler water. In consideration of the residual amount of the agent, it is necessary to set the injection amount into the feed water excessively.
[0006]
In addition, corrosion inhibitors injected into water supply, especially film-forming agents, may also form a film on the water level detector for controlling the water level in the steam boiler, thus hindering smooth water level control. As a result, the operation of the steam boiler apparatus may become unstable.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to use a corrosion inhibitor for suppressing the corrosion of the steam piping and condensate piping of the steam boiler device without waste, and to operate the steam boiler device stably.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
This invention was made in order to solve the said subject, The invention of
[0009]
The invention according to
[0010]
Invention of
[0011]
The invention according to
[0012]
The invention according to
[0013]
Furthermore, the invention according to claim 6 is configured such that the injection section is configured to be able to inject a corrosion inhibitor made of a morpholine fatty acid salt into one or both of the steam concentrating section and each condensate pipe. It is characterized by.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, a steam boiler apparatus according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In FIG. 1, a
[0015]
The
[0016]
The
[0017]
A
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
Now, the morpholine fatty acid salt injected to suppress the corrosion of the
[0021]
Here, the various members constituting the
[0022]
Next, the operation of the
[0023]
During the operation of the
[0024]
The corrosion inhibitor made of morpholine fatty acid salt supplied to the
[0025]
Thus, the
[0026]
Here, in the
[0027]
Furthermore, there is also a method of pouring medicine into both the
[0028]
Next, a modification (second embodiment) of the
[0029]
Further, each
[0030]
In the
[0031]
During the operation of the
[0032]
Thus, since the said
[0033]
Here, in the
[0034]
In the
[0035]
There is also a method of pouring both the
[0036]
Furthermore, although this embodiment demonstrated the case where the said each 2
[0037]
Next, a steam boiler apparatus according to a third embodiment will be described with reference to FIG. 3, the same members as those in FIG. 1 or FIG. 2 are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted. Now, in FIG. 3, the
[0038]
The
[0039]
Each said
[0040]
Further, the
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
Here, the various members constituting the
[0045]
Next, the operation of the
[0046]
Here, when the amount of steam supplied to the
[0047]
The steam supplied to the
[0048]
During operation of the
[0049]
The corrosion inhibitor made of morpholine fatty acid salt supplied to the
[0050]
Thus, since the said
[0051]
In the
[0052]
A method of pouring both the
[0053]
Furthermore, although this embodiment demonstrated the case where the said each three
[0054]
Next, a modified example (fourth embodiment) of the
[0055]
Further, each
[0056]
In the
[0057]
During the operation of the
[0058]
Thus, since the said
[0059]
Moreover, in the
[0060]
There is also a method of pouring both the
[0061]
Here, in this embodiment, the case where two
[0062]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the corrosion inhibitor composed of a morpholine fatty acid salt can be used without waste and can be operated stably.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a steam boiler apparatus showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of a steam boiler apparatus showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view of a steam boiler apparatus showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of a steam boiler apparatus showing a fourth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Steam boiler equipment
3 Steam boiler
4 Load device
5 Steam piping
6 Condensate piping
7Injection device (injection part)
19Steam distributor (steam distributor)
20Steam concentrator (steam concentrator)
Claims (6)
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