JP4491527B2 - 食肉中の遊離グルタミン酸量の増加方法及びそのための飼料 - Google Patents

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Description

本発明は、ニワトリ又はブタの食肉中の遊離グルタミン酸の増加方法に関する。
従来の家禽飼料は、体重増加や飼料効率など生産性を主要な指標として、低コストで十分な成績を得ることを目的に設計されている。その基準として栄養要求量があり、通常、各栄養素の量は、栄養要求量を十分量以上に充足させて設計される。必須アミノ酸であるロイシンの要求量は、アメリカのNRCの飼養標準(Nutrient Requirement of Poultry, 1994年版)において3〜6週齢では1.09%、6〜8週齢は0.93%と設定され、世界的にこの量がロイシン要求量の基準となっている。また日本飼養標準(1997年版)では3週齢以後はロイシン要求量は1.06%と設定されている。
前述の通り、生産性の高さ(成長速度や飼料効率等)を主たる指標としている現在の飼料では、要求量を十分に越えたロイシン量とすることが求められており、要求量と同等の量や少ない量で設定するという考え方は使われていない。
従来の飼料のロイシン割合は、現在、日本やアメリカ等で一般的に使われているトウモロコシと大豆粕を主原料とする配合飼料では、ロイシンは多く含有されており、要求量(1.09%)の1.3〜1.5倍程度が含まれている。
以上の従来技術によれば、飼料のアミノ酸割合は生産効率が優先され、栄養要求量を十分に満たせばよいとする設定の仕方であった。これらには食肉の遊離グルタミン酸量の増減への考慮が無く、コストや成長や飼料効率を指標とするものであった。
食肉の高品質化を図る上で、呈味成分のひとつである肉中遊離グルタミン酸濃度の調節は非常に有効であるが、飼料によって食肉の遊離グルタミン酸を増加させる事に対する過去の知見がなく、飼料の設計時にも、ロイシンによって食肉の遊離グルタミン酸の量を増加させるという配慮はなされていない。
この発明は、食肉の呈味成分が多く食味に優れた食肉を生産する飼料を提供することを課題とする。また食肉の高品質化を図ることを目的とし、品質の中でも、食肉の風味を向上させることを目的とする。そのために特殊な添加物等を使わずに、飼料自体に含まれるアミノ酸の一つ、ロイシンの量を厳密に設定することで、肉の主たる呈味成分である遊離グルタミン酸の増加を図るものである。
すなわち、本発明の目的は、ニワトリ又はブタの食肉中の遊離グルタミン酸量を増加させ、それによって食肉の食味を改善する方法を提供することである
本願発明者は、鋭意研究の結果、ニワトリ又はブタに低ロイシン含量の飼料を給与することにより、食肉中の遊離グルタミン酸量を増加させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ニワトリ又はブタ、NRC飼料標準によるロイシン要求量の70%以上120%未満のロイシンを含む低ロイシン含量の飼料を給与することから成る、ニワトリ又はブタの食肉中の遊離グルタミン酸量の増加方法を提供する
この発明によれば、従来の概念を全く変えて飼料のロイシン量を従来の飼料中含量よりも減らし、要求量未満に設定することにより、食肉の遊離グルタミン酸濃度を増加させることができる。この方法により生産される肉は、ヒトの味覚による官能評価で有意に味がよいと識別された。したがって、食肉の呈味が向上するとともに化学調味料の使用料を減少させるという2次的効果も生じ、実用に供するようになった。
図1は、飼料中のロイシン含量と、筋肉中の遊離グルタミン酸濃度の関係を示す図である。
図2は、本発明の方法により遊離グルタミン酸濃度が増加されたニワトリの食肉と、従来の方法により飼育されたニワトリの食肉の味に差があるか否かの官能試験の結果を示す図である。
図3は、本発明の方法により遊離グルタミン酸濃度が増加されたニワトリの食肉の味の特徴を、従来の方法により飼育されたニワトリの食肉との比較により官能試験で調べた結果を示す図である。
図4は、高タンパク含量の飼料であって、異なるロイシン含量の飼料を給与した場合の、飼料中のロイシン含量と、筋肉中の遊離グルタミン酸濃度の関係を示す図である。
図5は、高蛋白飼料を用いた場合の、本発明の方法により遊離グルタミン酸濃度が増加されたニワトリの食肉と、従来の方法により飼育されたニワトリの食肉の味に差があるか否かの官能試験の結果を示す図である。
図6は、高蛋白飼料を用いた場合の、本発明の方法により遊離グルタミン酸濃度が増加されたニワトリの食肉の味の特徴を、従来の方法により飼育されたニワトリの食肉との比較により官能試験で調べた結果を示す図である。
図7は、本発明の方法により、遊離グルタミン酸濃度が増加することの、動物体内での調節機構について示した図である。
図8は、図7で示した調節機構において、本発明の方法により、遊離グルタミン酸濃度が増加されたニワトリの筋肉のグルタミン酸デヒドロゲナーゼの酵素活性を、従来の方法により飼育されたニワトリの筋肉との比較により調べた結果を示す図である。
上記の通り、本発明の方法では、飼料中のロイシンの含有量を、公知の飼料よりも低く設定する。ロイシン含量は、アメリカのNRCの飼養標準(Nutrient Requirement of Poultry, 1994年版)のロイシン要求量の70%以上120%未満、好ましくは、70%以上108%未満、さらに好ましくは70%以上100%未満である。従って、ニワトリの場合、屠殺時の週齢が3週齢以上6週齢未満の場合には、飼料中のロイシン含量は、好ましくは0.76重量%以上1.30重量%未満、さらに好ましくは0.76重量%以上1.17重量%未満、6週齢以上の場合には0.65重量%以上1.12重量%未満、さらに好ましくは0.65重量%以上1.02重量%未満である。
本発明の方法は、ニワトリ以外の家禽や家畜に対しても、効果を発揮し、各動物について定められている標準のロイシン含量よりも低く設定し、上記の通り、同標準のロイシン要求量の70%以上120%未満、さらに好ましくは70%以上108%未満のロイシン含量の飼料を給与することが好ましい。例えば、体重70〜115kgのブタの場合には、飼料中のロイシン含量は、好ましくは0.39重量%以上0.66重量%未満、さらに好ましくは0.39重量%以上0.61重量%未満である。
粗蛋白量は、11重量%ないし24重量%であってよく、通常の飼料では多くの場合17重量%ないし24重量%である。なお、粗蛋白量が17重量%から24重量%の飼料の場合には、ロイシン含量をあまりに低くすると、摂取量が減少して生育が阻害されるので、飼料の粗蛋白量が17重量%から24重量%の範囲の場合にはロイシン含量は、標準のロイシン要求量の90%以上120%未満、さらに好ましくは100%以上108%未満にすることが好ましい。
低ロイシン含量の飼料は、少なくとも屠殺前2日以降屠殺直前まで給与することが好ましく、さらには屠殺前10日以降屠殺直前まで給与することが好ましい。
なお、飼料中のロイシン含量は、次のようにして測定することができる。
(1) アミノ酸分析のためのタンパク質分解処理法
粉砕器を用いて、試料を粉砕する。粉状の飼料を試験管に測り取り、6N塩酸を加え、110℃の分解炉にセットし、22時間加水分解する。加水分解後、速やかに試験管を外す。吸引ろ過装置を用いて加水分解物をろ過し、ろ液に5N水酸化ナトリウム溶液を加えて中和する。反応熱が収まり室温に戻ったら、超純水で定量する。これを高速液体クロマトグラフィーによるアミノ酸分析に用いた。
(2) 高速液体クロマトグラフィーによるアミノ酸分析
ナトリウム型のカラムを用いる。移動相は、A液:0.2Nクエン酸ナトリウム溶液(7%エタノールを含む、pH3.20)、B液:0.2Mホウ酸を含む0.6Nクエン酸ナトリウム溶液(pH10.0)、及びC液:0.2M水酸化ナトリウム溶液とし、高速液体クロマトグラフィーで飼料中のロイシン含量を測定する。
また、飼料中の粗蛋白量は、ケルダール法のような常法(例えば、AOAC(Association of Analytical Communities)規定の方法; 飼料分析法注解(第3版)、飼料分析基準研究会編、社団法人日本科学飼料協会発行、1998年発行、16〜21頁に記載)により測定することができる。
この方法により生産される肉は、ヒトの味覚による官能評価で有意に味がよいと識別された。したがって、食肉の呈味が向上する。食肉のグルタミン酸が多くうま味が強くなることは、調理時の化学調味料の使用量を減少させ、または全く使用せずに調理をさせることも可能とする。すなわち、この方法により生産した食肉は、天然の食材を重視し化学調味料の使用料を減少させようとする最近の消費動向にも合致する。
なお、本発明の方法はロイシンの含量を低レベルに設定するが、さらにロイシンが多い条件でもインバランスを利用して生理的に次の条件で発現する。つまり、下記の方法によって筋肉中グルタミン酸が多く、うまみの強い食肉を作出することができる。
飼料から摂取したロイシンは、動物の肝臓で代謝されず、筋肉で利用されるという特徴を持つ筋肉代謝性アミノ酸である。
筋肉代謝性アミノ酸は、他にイソロイシン及びバリンがあり、ロイシン、イソロイシン及びバリンには相互作用があることが明らかになっており、飼料のロイシンが1.090重量%以上の含量であっても、イソロイシンやバリンを過剰に給与することにより、本発明の方法であるロイシンが0.76%に低下した状態と同じ生理条件を作ることができる。このことにより、本発明の他の実施形態として、肉中グルタミン酸を増加させる。
また、この効果は家禽のほか、豚などの家畜に対しても同様の効果を持つ。
また、ロイシンは、動物体内のタンパク質の分解を抑制するアミノ酸として知られている。つまりロイシンが増加することにより、タンパク質の分解が抑制される。ロイシンが多い場合、これによりタンパク質からグルタミン酸への分解が抑制され、肉中のグルタミン酸は低濃度に抑えられるものと考えられる。また、ロイシンと同様に分解抑制効果があるアミノ酸は、チロシン、グルタミン、プロリン、メチオニン、ヒスチジン、トリプトファンである。このうち生体内で合成が出来ず、飼料から摂取しなければならない必須アミノ酸であるメチオニン、ヒスチジン、トリプトファンには本発明と同様に飼料中含量を低下させることにより、タンパク質分解制御効果が低下し、肉中グルタミン酸を増加させる効果を持つと考えられる。
また、この効果は家禽のほか、豚などの家畜に対しても同様の効果を持つ。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例及び比較例において、全ての「%」は特に断りがない限り重量基準である。
実施例1及び2、比較例1及び2
各群12羽のニワトリに対し、4週齢〜屠殺直前までの10日間、飼料1(実施例1)、飼料2(実施例2)、飼料3(比較例1)及び飼料4(比較例2)のいずれかを継続的に給与した。飼料1、飼料2、飼料3及び飼料4中のロイシン含量は、それぞれ、0.76重量%、1.09重量%、1.42重量%及び1.64重量%であった。各飼料の組成を以下に示す。
飼料1 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油5.5%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸4.46%(Arg0.805%、Gly0.601%、His0.143%、Ile0.507%、Lys−HCl0.799%、Met0.444%、Thr0.517%、Trp0.133%、Val0.513%)、寒天9.6%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質11.7%、ロイシン0.763%)
飼料2 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油5.2%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸4.79%(Arg0.805%、Gly0.601%、His0.143%、Ile0.507%、Lys−HCl0.799%、Met0.444%、Thr0.517%、Trp0.133%、Val0.513%、Leu0.327%)、寒天9.48%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質12.0%、ロイシン1.09%)
飼料3 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油5.0%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸5.12%(Arg0.805%、Gly0.601%、His0.143%、Ile0.507%、Lys−HCl0.799%、Met0.444%、Thr0.517%、Trp0.133%、Val0.513%、Leu0.654%)、寒天9.36%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質12.2%、ロイシン1.42%)
飼料4 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油4.9%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸5.33%(Arg0.805%、Gly0.601%、His0.143%、Ile0.507%、Lys−HCl0.799%、Met0.444%、Thr0.517%、Trp0.133%、Val0.513%、Leu0.872%)、寒天9.29%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質12.3 %、ロイシン1.64%)
屠殺後、筋肉1g当たりに含まれる遊離グルタミン酸量を常法( (1) Effect of Restricted Feeding before Marketing on Taste Active Components of Broiler Chickens Shinobu FUJIMURA, Fumiaki SAKAI, Motoni KADOWAKI, Animal Science Journal, 72(3), P223-229, 2001; (2) 鶏肉・鶏卵の科学的・物理的及び官能的手法による解析並びに解析結果の品質改善への活用に関する研究、藤村 忍、西藤克己、森 尚之、鈴木ひろみ、山内章江、原田直人、橋口尚子、今井士郎 石橋裕美子、清川真千子、堀口恵子『農畜産業振興事業団平成11年度畜産物需要開発調査研究事業報告書』、P56-79, 2000等に記載)により測定した。
結果を図1に示す。なお、図1中、横軸は、飼料中のロイシン含量を示す。縦軸は筋肉中の遊離グルタミン酸濃度を示している。また、図中、a, bの表示は、有意差(P<0.05)を示す。図1に示されるように、本発明の方法を適用した場合には、他の場合に比べて筋肉中の遊離グルタミン酸濃度が増加した。
実施例3、比較例3
実施例1及び比較例1で得られた食肉の食味について官能試験を行った。調査した肉は、ロイシン含量0.76重量%の飼料1(実施例1)を給与したニワトリの肉及び、ロイシン含量1.42重量%の飼料3(比較例1)を給与したニワトリの肉である。パネラーの数は12名であり、(1)両者の肉の食味に差があるか否かを二点比較法により調査し、また、(2)肉の味の特徴をシェッフェーの一対比較法(文献:(1)新版官能検査ハンドブック、日科技連官能検査委員会、日科技連出版社、1973年、(2)Effect of Restricted Feeding before Marketing on Taste Active Components of Broiler Chickens Shinobu FUJIMURA, Fumiaki SAKAI, Motoni KADOWAKI, Animal Science Journal, 72(3), P223-229, 2001)により比較した。
結果を図2及び図3に示す。図2に示されるように、パネラー全員が、味に差があることを認めた。また、図3に示されるように、本発明の方法を適用して得られた食肉は、うま味が強く、味が濃く、コクがあり、総合評価が有意に優れると評価された。
実施例4、比較例4、5
各群12羽のニワトリに対し、4週齢〜屠殺直前までの10日間、飼料5(実施例4)、飼料6(比較例4)及び飼料7(比較例5)のいずれかを継続的に給与した。飼料5、飼料6及び飼料7中のロイシン含量は、それぞれ、1.09重量%、1.42重量%及び1.64重量%であった。各飼料の組成を以下に示す。
飼料5 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油2.5%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、アミノ酸ミクスチャー11.2%塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸0.93%(Arg0.352%、Met0.125%、Thr0.129%、Leu0.327%)、寒天4.96%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質18.2%、ロイシン1.09%)
飼料6 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油2.5%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、アミノ酸ミクスチャー11.2%塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸1.26%(Arg0.352%、Met0.125%、Thr0.129%、Leu0.654%)、寒天4.63%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質18.4%、ロイシン1.42%)
飼料7 トウモロコシ75.7%、フスマ0.7%、大豆油2.5%、炭酸カルシウム1.4%、第二リン酸カルシウム1.7%、食塩0.3%、ビタミンミネラルミクスチャー0.5%、アミノ酸ミクスチャー11.2%塩化コリン0.08%、塩化カリウム0.11%、アミノ酸1.48%(Arg0.352%、Met0.125%、Thr0.129%、Leu0.872%)、寒天4.41%
(代謝エネルギー3.2kcal/g、粗タンパク質18.6%、ロイシン1.42%)
飼育成績を下記表1に示す。
Figure 0004491527
*: p<0.05
表1に示されるように、ロイシン摂取量以外の項目に、各例の間で有意差は認められなかった。従って、以下に記載する試験は、純粋にロイシンの影響を反映した試験であることが確認された。
実施例4、比較例4又は比較例5の飼料を上記の通りに給与して飼育したニワトリの肉中遊離グルタミン酸量を実施例1と同様にして測定した。
結果を図4に示す。図4に示されるように、実施例4(ロイシン含量1.09%)の飼料5を給与して飼育したニワトリの肉中遊離グルタミン酸量は、比較例4(ロイシン含量1.42%)又は比較例5(ロイシン含量1.64%)の飼料6又は7を給与して飼育したニワトリの肉中遊離グルタミン酸量よりも有意に多かった。この結果から、本発明の方法が、高蛋白飼料においても有効であることが確認された。
さらに、実施例4(ロイシン含量1.09%)の飼料5又は比較例5(ロイシン含量1.64%)の飼料7を給与して飼育したニワトリの肉の味を実施例3と同様にしてパネリストにより官能評価した。
結果を図5及び図6に示す。図5に示すように、両者の味に差があるか否かを質問した二点比較法では、全員が両者の味に差があることを認めた。また、両者の味の差を具体的に明らかにするために、一対比較法で検討したところ、実施例4の飼料を給与して飼育されたニワトリの肉は、うま味、総合評価、鶏肉らしさが有意に優れた。
本発明による方法の動物体内における作用機構を図7及び図8に示す。図7に示されるように、筋肉のグルタミン酸の合成には、α−ケトグルタル酸を基質とするグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(Glutamate Dehydrogenase, GDH)が影響することを示した図である。GDHはロイシン含量が0.76%では高い活性を示すが、1.42%以上では低下し、グルタミン酸合成能が低下し、結果として高ロイシン飼料ではグルタミン酸濃度が低下した。
本発明の方法によれば、飼育成績を悪化させることなく、肉中の遊離グルタミン酸量を増加させ、それによって、肉の食味を向上させることができる。従って、本発明は、養鶏や畜産業に大いに貢献するものと期待される。

Claims (3)

  1. ニワトリ又はブタに、NRC飼料標準によるロイシン要求量の70%以上120%未満のロイシンを含む低ロイシン含量の飼料を給与することから成る、ニワトリ又はブタの食肉中の遊離グルタミン酸量の増加方法。
  2. ワトリの食肉中の遊離グルタミン酸量の増加方法である請求項1記載の方法。
  3. 飼料中のロイシン含量が、屠殺時の週齢が3週齢以上6週齢未満の場合には0.76重量%以上1.30重量%未満、6週齢以上の場合には0.65重量%以上1.12重量%未満である請求項2記載の方法。
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