JP4490038B2 - コンピテント細胞または形質転換細胞の作製法 - Google Patents

コンピテント細胞または形質転換細胞の作製法 Download PDF

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Description

本発明は、乾燥非コンピテント原核細胞からコンピテント細胞を調製するための手法に関する。本手法において、乾燥非コンピテント細胞は、使用する前に長期間、広い温度範囲にて保存することができる。本発明はまた、該コンピテント細胞を同時にまたは逐次的に形質転換するための手法にも関する。
コンピテント細胞は、形質転換される能力を有し、これは、これらが外因性のDNA分子の取込みおよび定着(establishment)につき増強された効率を示すように処理されており、これらの細胞の遺伝子構成が恒常的に変わるようになっていることを意味する。このように特別に処理されていない細胞は、非常に低いレベルの細胞外DNAの取込みを示す。最も典型的には、コンピテント細胞は、使用者が特に関心のあるDNA配列を組込んだクローニングベクターおよび発現ベクターの取込みを伴う手法とともに用いられる。
細胞をコンピテントになるように調製する手法、およびかかる細胞を形質転換する手法は多く知られている。前者の方法の1つは、Mandel and Higa (1970, Journal of Molecular Biology 53, 159)により記載され、これは、氷上、Ca2+イオンの存在下で細胞にDNAを加え、その後37〜42℃の熱ショックに供する工程を含む。コンピテント細胞を調製するためのより確立された方法は、細胞を急速冷凍で保存する可能性を含み、Sambrook et al. (1989, Molecular Cloning, 2nd Edition, 1.82)による実験室マニュアルに見出される。そこには、大腸菌を適切な培養培地中37℃で増殖させ、次に氷上で冷却し、遠心分離により培地から分離し、氷冷0.1M CaCl2に再懸濁する方法が記載されている。細胞保護剤を添加後、細胞懸濁液を即座に冷凍し、その後形質転換実験で用いるため-70℃に保つことができる。当該実験室マニュアルには、形質転換の方法が記載されおり、当該方法では、前述の通りに調製された細胞を氷上で解凍し、少量のDNA溶液を加えて混和し、懸濁液を氷上で30分間保存し、次に42℃で熱パルスを与える。氷上で冷却後、ある量の培養培地を加え、細胞を37℃に移し、回復させ、次に形質転換細胞をプレートアウトし、形質転換体を同定する。
Sambrook et al. (1989)には、形質転換の過程を補助するために、形質転換手法の最中に細胞が懸濁されている液に加えることのできる、多様な化学物質が示されている。これらは、MES(2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸)、MnC12・4H2O、KClおよびヘキサアミンコバルトクロリドを包含するが、他の多くのものが当業者に知られている。
細胞をコンピテント化するのに用いられる他の方法としては、以下の処理に限定されることなく、
・金属イオンCa2+、Mn2+、Sr2+またはMg2+のうちの少なくとも1つを含む培地中で、細胞が高レベルのポリ−β−ヒドロキシブチレート/Ca2+/ポリホスフェートを含むようにすること(Huang, R & Rosetta, R. N., 1995, J. Bacteriol., 177, p486-490)、
・細胞を、0.1M CaCl2およびポリエチレングリコールpH 8.0に懸濁すること(Kurien, B. T. and Scofield, R. H., 1995, Biotechniques, 18, p1023-1026)、
・ジメチルスルホキシドおよびジチオトレイトールの使用(Haiying Liu and
Rashidbaigi Abbas, 1990, Biotechniques, 8, p. 21-25)、
・細胞に加えたフィチン酸の使用(Hara, N. et al, 1988, Nucleic Acids
Research, 16,8727)、
・ショ糖、ポリビニルピロリドンおよびEDTAの使用(Taketo and Kuno,
1969, Journal of Biochemistry, 65,369-373)
が挙げられる。
細胞の増殖条件の変更もコンピテンシーに影響を与えることが見出された。
・増殖培地にグリシンを用いることで形質転換の効率が改善される(Akhtar, M. K., Kaderbhai, N. and Kaderbhai, M. A., 1999, Analytical Biochemistry, 277, p273-276)。
・Nishimura, A. et al., 1990, Nucleic Acids Research, 18,6169による、ブドウ糖加LBブロス培地に10 mM Mg2+を用い、その後36%グリセロールおよび12%のポリエチレングリコール(分子量7500)を含有する液中での-80℃における保存。
・培地中のサイクロセリンの存在(Norgard, M. V. et al., 1978, Gene, 3,279-292)。
・増殖培地中のある種のアミノ酸の欠乏(Hauser, P. M. and Karamata, D., 1994, Microbiology, 140,1613-1617)。
・0.5Mショ糖の存在下での増殖、およびDNAへの1μg/mlのリゾチーム添加(Molholt, B. and Doskocil, J., 1978, Biochemical and Biophysical Research Communications, 82,477-483)。
・大腸菌を形質転換するための別の改善された方法が、Jessee and Bloom (1991)による特許番号US 4,981,797に記載されており、当該方法では、細胞をコンピテント化する前に準最適増殖温度(<37℃)で増殖させ、その後凍結する。
熱ショックなしで細胞をコンピテント化する迅速な方法も記載されている。
・細胞を遠心分離しない:Nakata, Y., Xiaoren, T. and Yokohama, K., 1997, (Methods in Molecular Biology, 69, p129-137)。
・細胞を凍結し、コンピテント化を誘導する(Takashi, R. et al, 1992, Biotechniques, 13,711-715)。
・Chung, C. T. et al, 1989, (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86,2172-2175)。
・無塩培地での増殖を伴うエレクトロポレーション法:Sharma, R. C. & Schimke, R. T., 1996, (Biotechniques, 20, p42-44)。
上記の全ての方法論においては、細菌細胞を増殖させ、コンピテンシーを増強するために種々の複雑な手法で処理し、その後直接使用するか、さもなければ-70℃以下の温度で凍結保存する。これらの保存要件は、多数の明白な欠点を有している。
・商用または他の目的のためのかかる細胞の発送は、通常、かかる低い保存温度を維持するために、包装中にドライアイスを用いることが必要となる。
・-70℃以下での保存には、高価で場所をとる超低温冷凍ユニットが必要となる。
工業的規模で細胞をコンピテント化する方法は極めて労働集約的なので、商用のコンピテント細胞の作製は、複雑で、時間を要するプロセスである。さらに、これらの細胞に基づく製品の生存性およびコンピテンシーを、顧客への配送チェーンにおいて維持するには、一連の超低温保存および輸送操作を必要とし、それに付随する投資および収入原価(revenue costs)を伴う。
これらの方法論に対する改善は、コンピテント細胞の調製を簡素化し、さらに細胞を、形質転換実験に使用する前に0℃以上で保存できる方法を介して予見できる。
細菌細胞を乾燥させ、水分の進入を防止するために容器を密封することができ、これにより室温または冷蔵庫で数ヶ月または数年の保存が可能となることが知られている。Heckly(1961, Advances in Applied Microbiology, 3, pp1-76)は、フリーズドライおよび液体乾燥(liquid-drying)を、成功裏に細菌の長期保存に適用したことを記載している。また、細胞保存法としての液体状態からの乾燥(当該ケースでは、懸濁されたSalmonella ndoloを乾燥させ泡を生成するというもの)はAnnear, D. I., 1966 (Nature, 5050,761)に記載されている。かかる保存技術は、カルチャーコレクションに必須であり(概説としてMalik, K. A. & Claus, D., 1987, Biotechnology and Genetic Engineering Reviews, 5, pp 137-166を参照)、そこでは、菌株がフリーズドライおよび液体乾燥によって保存および維持されている。別の乾燥戦略としては、限定されることなく、対流乾燥(Lievense, L. C. and van't Riet, K., 1994, Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology, 51, pp71-89)、噴霧乾燥(Franks and Hatley, 1992, EP0520748)および生物の造粒(granulation of organisms)(Mueller, H., 1978, EP493761)が挙げられる。他の多くの技術が当業者に知られている。
乾燥によりコンピテント細胞を安定化した唯一の例は、凍結乾燥を要し(Jessee and Bloom, 1997, Patent Application WO 98/35018)、凍結乾燥機中の凍結したコンピテント細胞の懸濁液の氷を、真空下で昇華により除去する。この方法はまた、非常に時間を要する。
発明の簡単な説明
液体乾燥、フリーズドライまたはガス乾燥などの手段により、保存のために乾燥された細胞を、全ての場合において、コンピテント状態を誘導する前処理なしに、適切な組成の水溶液中での再構成(再水和)によってコンピテント化できることが見出された。さらに、これらの細胞を含む液に、追加でまたは逐次的にDNA分子を加えることにより、細胞を形質転換できる。
したがって、サンプルDNAをこの再構成「コンピテンシー」液に直接事前に混和し、乾燥細胞を再水和し、コンピテント化すると同時に形質転換を開始させることさえ可能となる。
したがって、本発明の方法は、迅速かつ簡便である。細胞は、実質的に乾燥した状態で、何ら特別な前処理なしに安定して保存され、そして、形質転換実験に必要な場合に、コンピテンシー溶液(competency solution)で再水和することができる。特に、通常の非コンピテント細胞よりも乾燥および保存により生存性を喪失しやすいと考えられ、したがって、一般的に特別な保存条件を必要とするコンピテント細胞を、乾燥および保存する必要がなくなる。コンピテンシー溶液での再水和によりコンピテント細胞を成功裏に作製するに当たり、乾燥細胞の生存が重要な要因であることは明確である。通常の非コンピテント細胞を乾燥および保存し、次いで、それらを直接使用前にコンピテンシー溶液による再水和によって処理しコンピテント化することで足りる。
さらなる利点は、コンピテント細胞が液中で凍結保存されている状況とは異なり、一旦細胞を保存場所から取り出したら、解凍手法を伴わないということである。
本発明は、
a)乾燥非コンピテント細胞を提供すること、
b)該細胞をコンピテント化するためにコンピテンシー溶液で再水和すること、
を含む、コンピテント細胞を生成するための方法に関する。
本発明の好ましい態様において、工程b)では、細胞はカルシウムイオンを含有するコンピテンシー溶液、好ましくは0.1 M CaCl2溶液で再水和される。
他の好ましい態様では、コンピテンシー誘導液は、7%ジメチルスルホキシド(DMSO)の添加を有するまたは有しないFSB緩衝液(20mM酢酸カリウムpH7.5、45mM MnC12・4H2O、4.8mM CaC12・2H2O、100mM KCl、3mM ヘキサミンコバルトクロリド、10%(v/v)グリセロールからなり、0.1N HClでpH 6.4 にしてある)である。しかし、他の同様に作用する溶液を用いてもよい。
他の好ましい態様では、コンピテンシー誘導液はTB(DMSO)である。TB(DMSO)溶液は、AnalaR水中の10mM HEPES、15mM CaCl2、250mM KClおよび55mM MnCl2からなる。緩衝液のpHは、MnCl2の添加前に0.25M KOHを用いて6.7に調整する。次に、溶液を0.2μmフィルターで濾過滅菌し、+4℃で保存する。必要に応じて、93mlの緩衝液を無菌的に滅菌容器に移し、7mlのDMSOを添加し、転倒混和する。
好ましい態様では、コンピテント細胞にとって抑制的または有毒となり得る、添加するDNA調製物からの混入化合物を、中和するようにコンピテンシー溶液を組成する。
本発明の好ましい態様では、工程b)において、コンピテント細胞の形質転換を開始するために、すでにDNA分子を含有するコンピテンシー溶液で細胞を再水和する。これは、事前に保存された細胞が関与する形質転換手法において、工程を1つ省略する。例えば、凍結コンピテント細胞が保存細胞から解凍され、引き続き溶液中のDNAが添加されるのと同等の段階である。本発明では、コンピテント細胞を生成し、随意的にそれらをDNAの添加によって形質転換する方法を、微生物学的手法と呼ぶ。
本発明の別の態様では、DNAをコンピテンシー溶液と共に添加しない場合は、工程b)に続く、追加の工程c)において、DNA分子を含有する溶液を該混合液に添加し、コンピテント細胞の形質転換を開始する。
いずれの場合においても、典型的には、インキュベーション、熱ショックおよびその他の工程を含む、DNAの添加に引き続く形質転換のための手法は、当業者によく知られている。
本発明の好ましい態様では、工程b)または工程c)のいずれかで混合液に添加されたDNA分子は、ライゲーションの産物、または、クローニングベクターもしくは発現ベクターもしくは他のベクターを用いて、特に関心のあるDNA配列を組込むことを伴う他のin vitroアニーリング反応の産物、例えばポリメラーゼ連鎖反応の産物などである。
本発明は、さらに、乾燥非コンピテント細胞、および、コンピテンシー溶液またはかかる溶液の乾燥成分を含む、本発明の方法による手法を行うためのキットに関する。
好ましい態様では、キットの乾燥非コンピテント細胞は、マイクロタイタープレートのウェル中に提供され、かかるプレートは、一体成型品としてまたは個別のウェルに分離可能に、またはかかるウェルのストリップまたは列として構築される。
1つの態様では、キットはさらに、対照DNA分子、典型的には適切なプラスミドなどの他の構成要素を、そしてさらに、任意に、適切なベクターおよび高効率のライゲーションおよび形質転換のための他の構成要素を含む。
図面のさらなる説明は、本発明の例に見出すことができる。
図面および他所で用いた略号は、以下の意味を有する。
T/μg:添加DNA 1マイクログラムあたりの形質転換体
LB:ルリア−ベルタニ−ブロス
DMSO:ジメチルスルホキシド
発明の詳細な説明
本発明にはグラム陰性およびグラム陽性の原核細胞(例えば細菌)の両方を用いることができる。好適な原核細胞の例としては、限定されることなく、エシェリキア属菌種、クレブシエラ属菌種、スタフィロコッカス属菌種およびシュードモナス属菌種が挙げられる。本発明で用いることができる、上記の各菌属内の非限定的な例としては、大腸菌、クレブシエラ属菌種、Bacillus subtilisSalmonella typhimuriumStreptomyces aureusStreptococcus mutansStreptococcus pneumoniaeおよびPseudomonas syringaeが挙げられる。
好ましい態様では、特許請求された方法によりコンピテント化される細胞は、エシェリキア属、最も好ましくは大腸菌である。特許請求された方法によりコンピテント化される大腸菌株の非限定的な例としては、大腸菌K12 株「NovaBlue」、DH5、DH5α、DH10、DH10B、HB101、RR1、JV30、DH11S、DM1、DH10B/p3、DH5α5'IQ、DH5α5'、SCS1、Stab2、DH12S、DH5α-E、DH10BAC、XL1-Blue MRF、XL1-Blue MR、SURE株、SURE 2株、XL1-Blue、XL2-Blue、AG1、JM101、JM109、JM110/SCS110、NM522、TOPP株、ABLE株、XL1-Red、BL21株、TK BI株およびこれらの誘導株が挙げられる。
本発明によれば、コンピテント化または形質転換される細胞は、フリーズドライ、液体乾燥またはガス乾燥(空気乾燥を含む)のような既知の乾燥方法によって乾燥した細胞である。
乾燥方法は、当業者に知られている。通常、乾燥させる細胞は増殖誘導培地で増殖させる。細胞の増殖を支持することができる任意の培地を用いることができる。かかる培地の例としては、限定されることなく、ルリアブロス(LB)、20 mM MgCl2、0.001%チアミンおよび0.2%ブドウ糖加LB、SOB培地およびSOC培地(組成は以下に示す)および15/10培地が挙げられる。他の好適な培地は、当業者によって容易に認識されるだろう。
細胞を増殖させるためのインキュベーション温度は、約3℃から約42℃まで変化してもよい。好ましくは、細胞は約37℃で増殖させる。当業者が理解できるとおり、増殖条件、培養齢(culture age)および使用培地は、乾燥の最中および乾燥後における細胞の生存性に影響する。一般的に、対数増殖期の中後期または静止期に回収した細胞が、乾燥に最も抵抗性である。
好ましくは、細胞は振盪フラスコ中で増殖させるが、他の手段、例えば、限定されることなく、発酵槽での細胞培養は、当業者によく知られている。任意の数の商業的に入手できるサイズおよび材料の振盪フラスコが好適である。好ましくは、100mLの培地が入った1Lの三角フラスコを培養に用いる。用いる実際の条件は、増殖させる細胞、フラスコのサイズ、インキュベーション温度および当業者が適切に決定した振盪の頻度に依存するだろう。典型的には、細胞は、600 nmでの光学密度(OD)で、約0.6〜0.8単位に増殖させる。細胞は一度だけ培養しても、または、繰返し継代して所望のOD値を達成してもよい。
細胞の採取は遠心分離によって行ってもよいが、細胞を回収するための他の技法は当業者に知られている。培養物を事前に氷上で冷却し、温度を4℃近辺に維持することが、採取過程の最中に好ましい。
細菌の乾燥を補助し、生存性の低下を最小化するために用いることができる多数の保護剤が当業者に知られている。これらは、限定されることなく、個別の物質または物質、例えば炭水化物(天然または合成)の混合物の水溶液を包含し、これは、糖およびその誘導体、および/またはポリマー(糖および非糖ベース)およびその誘導体、および/またはエクトインまたは他のかかる適合溶質、および/または緩衝液、および/またはアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質およびその誘導体を包含する。理想的には、製品のTgは、室温よりかなり高くあるべきであり、そして、含水量は5%w/wより低くあるべきである。
乾燥材料をはっきりと視認できることを保証し、再水和の観察を補助するために、保護剤混合液中の細胞にカラー染料を加えることが可能である。
本発明によれば、乾燥し安定に保存された細胞の再水和は、コンピテンシー溶液で行う。コンピテンシー溶液は、細胞に添加し、形質転換の効率を有意に増加させることができる任意の溶液または緩衝液を意味する。コンピテンシー溶液はまた、DNA調製物中に存在する混入物として予期せず添加され得る、コンピテント細胞に抑制的または有毒な物質、例えば、イオン性界面活性剤またはフェノールを中和する化合物を含むように構成してもよい。
前記の0.1M CaCl2またはDMSO添加または非添加FSB緩衝液、またはDMSO含有または非含有TB(DMSO)溶液以外にも、細胞を、ポリエチレングリコールを含有するpH 8.0の0.1M CaCl2溶液中に、またはDMSOおよび/またはジチオトレイトールを含有する溶液中に、またはEDTAを、ショ糖およびポリビニルピロリドンと共に含有する溶液中に、またはスペルミンおよび/またはスペルミジンを含有する溶液中に懸濁するなどの、細胞をコンピテント化するための多くの公開された手法がある。実際、コンピテンシー溶液に用いることができる、当業者に知られた多くのこのような溶液がある。典型的には、これらの溶液は氷冷されて、氷温でまたはその付近の温度で乾燥細胞に添加され、その後、細胞の再水和のために一定の期間インキュベートされる。
最初に、水、または再水和中の最適な細胞の生存に好適な他の水溶液を加え、次にコンピテンシー溶液を直接加えることにより、2工程で細胞を再水和することも可能である。本発明に関して、用語「再水和またはコンピテンシー溶液により細胞を再水和すること」は、コンピテンシー溶液で乾燥細胞を直接処理すること、または乾燥細胞を水で処理し、そしてコンピテンシー溶液で直接処理することを意味する。好ましくは、乾燥細胞はコンピテンシー溶液で直接再水和する。
これは、公知の方法に従ってさらに形質転換することができるコンピテント細胞を生成するために、本発明の方法が、以下の工程
a)乾燥非コンピテント細胞を提供する工程、
b)該細胞をコンピテント化するために、それらをコンピテンシー溶液で再水和する工程、
を含むことを意味する。
従って、本発明の方法はまた、形質転換細胞を直接生成するために用いることもできる。
1)
本発明の一側面では、乾燥細胞をコンピテンシー溶液で再水和し、そして従ってコンピテント化した後、DNAを液に加える。DNAは、事前に精製し、水または好適な緩衝液中に再懸濁するか、または、目的の配列をクローニングベクターまたは発現ベクターなどのベクターに組込む、アニール化したDNA分子を形成するために用いるライゲーションミックスなどの反応混合液中に含まれていてもよい。コンピテント細胞の形質転換のためのDNAを調製するための方法は、当業者によく知られている。コンピテンシー溶液はまた、DNA調製物中に存在するイオン性界面活性剤またはフェノールなどの混入化合物に由来することがある、コンピテント細胞に抑制的または有毒な物質を中和する化合物を含むように構成してもよい。
細胞は、典型的には、DNAと約3〜15分、0〜8℃の間の温度で、好ましくは5分間氷上0℃でインキュベートする。細胞のDNAとのインキュベーションに引き続く、典型的には熱ショックおよびその他の工程を含む手法は、当業者によく知られている。
結果として、本方法は、以下の工程
a)乾燥非コンピテント細胞を提供する工程、
b)該細胞をコンピテンシー溶液で再水和する工程、
c)溶液のDNAを混合液に加える工程、
d)DNAを含む混合液のインキュベション工程、
e)当業者によく知られたさらなる形質転換手法
を含む。
2)
本発明の好ましい側面では、DNAはコンピテンシー溶液中の乾燥細胞に直接添加される。
これは、乾燥非コンピテント細胞から形質転換細胞を生成するのに要する時間をさらに短縮する。この短縮された方法は、以下の工程
a)乾燥非コンピテント細胞を提供する工程、
b)DNAを含有するコンピテンシー溶液で該細胞を再水和する工程、
c)DNAを含む混合液のインキュベーション工程、
d)当業者によく知られたさらなる形質転換手法
を含む。
DNAを含有するコンピテンシー溶液を細胞に添加後、再水和を可能にするため、対応する混合液を短時間インキュベートする。細胞は、典型的には、DNAと約3〜15分、0〜8℃の間の温度で、好ましくは5分間氷上0℃でインキュベートする。細胞のDNAとのインキュベーションに引き続く、典型的には熱ショックおよびその他の工程を含む手法は、当業者によく知られている。
本発明の手法により得られた形質転換細胞は、次に、例えばベクターDNA分子上の抗生剤耐性遺伝子による選択を包含する、当該技術分野でよく知られた技法に従って選択することができる。形質転換細胞を選択した後、これらを公知の手法に従い、微生物学的な増殖誘導培地中で培養することができる。
このように、本発明は、コンピテント細胞または形質転換細胞を作製するための、簡単で迅速な方法を提供する。本手法の出発材料である、乾燥非コンピテント細胞は、安定して保存または輸送し、例えば形質転換実験で必要となるときまで保存することができる。コンピテント細胞または形質転換細胞でさえ、乾燥細胞から10〜15分以内に生成することが可能である。細胞をコンピテント化する前に、高価で複雑な微生物学的培養手法は何も行う必要はない。本発明の方法に従ってコピテント化され、そして形質転換された細胞は、DNA1マイクログラムあたり少なくとも1 x 105、好ましくは少なくとも1 x 106、より好ましくは少なくとも1 x 108個の形質転換体(T/μg)という形質転換効率を示す。
本発明はまた、96ウェルまたは97ウェル以上の多試験形態などの、便利な形態に基づく市販キット製品であって、これらの形態において、処理を受けたコンピテント細胞を乾燥させ、または凍結および解凍し、保存および発送する複雑さを有さない製品の開発を容易にする。
従って、本発明のさらなる側面においては、本発明の方法によりコンピテント細胞を作製するためのキットが提供される。試験キットは、少なくとも非コンピテント乾燥細胞とコンピテンシー溶液とを含む。さらに、インキュベーション容器、および/またはいかにしてコンピテント細胞を作製するかなどについての手順書などのさらなる補助物を含んでもよい。このキットによって生成されたコンピテント細胞は、その後、公知の方法に従って形質転換することができる。
本発明の他の側面では、本発明の方法に従って形質転換細胞を作製するためのキットが提供される。試験キットは、少なくとも非コンピテント乾燥細胞、コンピテンシー溶液、およびまた典型的には対照DNA分子(典型的にはプラスミド)の液を含む。さらに、インキュベーション容器、および/またはいかにしてコンピテント細胞を形質転換するかなどについての手順書などのさらなる補助物を含んでもよい。
キットのさらなるオプションとして、クローニングベクターまたは発現ベクターなどの好適なベクター、および高効率のライゲーションおよび形質転換のための他の要素の供給が挙げられる。
本発明の他の側面では、キットの乾燥細胞は、乾燥装置の乾燥雰囲気内で乾燥後に密封されたマイクロ遠心チューブ中に提供される。
本発明のさらなる側面では、キットの乾燥細胞は、容器中に、少なくとも1回の実験にそれぞれ十分な多数の細胞の乾燥ペレットとして提供される。容器はまた、ペレットの乾燥状態を維持するための乾燥剤を有することができる。
本発明のさらなる側面では、キットの乾燥細胞は、96ウェルプレートなどのマイクロタイタープレートのウェル中に提供される。プレートは、一体化したユニットとして、または個別のウェルに分離可能に、またはかかるウェルのストリップもしくは列として構築することができる。ウェル中の細胞は、乾燥剤の存在下で乾燥および保存されてもよく、または、ウェルを個別に、もしくはまとめて密封してもよい。
本発明のさらなる側面では、キットの乾燥細胞は、ストッパー付のガラスバイアル中に提供される。
本発明のさらなる側面では、キットの乾燥細胞は、個別の蓋または水分の進入を防止するその他のシールを有する、マイクロタイター形態のプラスチックバイアル中に提供される。
コンピテンシー溶液は、液体で、または乾燥配合物として提供してもよい。
定義
以下の説明においては、組換えDNA技術で用いられる多数の用語が多く用いられている。かかる用語に付与される範囲を含む、明細書およびクレームの明確かつ一貫した理解を提供するために、以下の定義を提供する。
DNAまたはDNA分子
ウイルス、原核生物および真核生物からのDNAを包含する、任意のソースからの、任意の大きさの任意のDNA。DNA分子は、限定されることなく、線状または環状、および一本鎖または二本鎖を含む任意の形態であってもよい。DNA分子の非限定的な例としては、プラスミド、ベクター、クローニングベクターおよび発現ベクターが挙げられる。
クローニングベクター
プラスミド、ファージDNA、コスミド、またはその他のDNA分子であって、宿主細胞中で自己複製することが可能であり、および所定の様式で切断され得る1または2以上の制限エンドヌクレアーゼ認識部位によって特徴づけられ、またはベクターの必須の生物学的機能を損なうことなく1または2以上の相同組換えのための部位を含み、およびその中でその複製およびクローニングを達成するためにDNA断片がスプライシングされ得るもの。クローニングベクターは、該クローニングベクターによって形質転換した細胞の同定に用いるために好適なマーカーをさらに含んでもよい。マーカーは、例えば、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性を提供する。
発現ベクター
クローニングベクターに類似するが、形質転換後に、宿主中で、それにクローニングされた遺伝子を発現することができるベクター。クローニングされた遺伝子は、通常、プロモーター配列などのある種の制御配列の制御下におかれる(すなわち作動可能(operably)に連結される)。
安定的に保存される
本発明の意味において、「安定的に保存される」細胞は、その生存性を認め得るほど損なうことなく、好適な温度での長期間にわたる保存に耐えることができる。好適な保存温度は、およそ室温〜およそ(マイナス)-180℃と様々である。好ましくは、保存温度は、約+30℃〜約-80℃、より好ましくは約+8℃〜約-20℃の範囲である。保存期間は、約0日〜約450日、好ましくは約240日〜約450日の範囲だが、約-20℃以下の温度で、一層長い保存期間を用いることができる。
コンピテント細胞
外来DNA分子を取り込み、定着させる増強された能力を有する、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌を包含する、原核細胞。この取込みの過程は、形質転換と呼ばれる。
実質的に乾燥している
10%より少ない水、好ましくは5%より少ない水、より好ましくは2%より少ない残留水分を含有することを意味する、乾燥調製物の状態。
液体乾燥
液体(典型的には、高濃度の炭水化物、または乾燥中に細胞を保護する物質を含有している)中に懸濁された細胞から水を除去する方法であって、細胞懸濁液を真空に曝露して乾燥を達成する。
ガス乾燥
液体(典型的には、高濃度の炭水化物、または乾燥中に細胞を保護する物質を含有している)中に懸濁された細胞から水を除去する方法であって、細胞懸濁液を乾燥したガス雰囲気、典型的には空気、窒素またはアルゴンガスに曝露し、乾燥を達成する。密封したチャンバー内で、非常に乾燥した乾燥剤、例えばシリカゲルに曝露することによって雰囲気を乾燥状態に保つことができる。懸濁液は、時間とともに、生成物が実質的に乾燥する程度まで、乾燥する。
フリーズドライ
フリーズドライ/凍結乾燥法は、凍結状態からの乾燥により、凍結細胞から氷および/または水分を、低い、零下の温度(例えば-20℃より低い)にて、真空下での昇華によって除去するもので、典型的には固形物をもたらす。

ガラス転移温度、Tは、一般的に、1014 Pas程度の粘度を生ずる温度と定義することができる。Tでは、粘度は、狭い温度範囲にわたって、桁違いに変化する。
当業者は、前述の説明を用いて、さらなる労苦なしに、本発明を最大限利用できるものと思われる。好ましい具体的な態様および例は、従って、単に例示的と理解すべきであって、いかなる意味でも本開示の残余を限定するものではない。
本明細書中に引用された全ての出願、特許および刊行物、並びに対応する2000年12月21日出願の欧州特許出願第00128049.4号の開示の全体は、本明細書中に参照によって組込まれる。
本発明の例
例1
K12の誘導株である、大腸菌NovaBlueのシードストック(Novagen、カタログ番号69009-3)を以下のようにして調製した。NovaBlue細胞をLB寒天平板上(10g/lのトリプトン(カゼインからのペプトン-Merck KGaA.、商品番号1.07213)、5g/lの酵母エキス(Merck KGaA.、商品番号1.03753)、10g/lのNaCl、15g/lの寒天、pHはNaOHで7.5に調整)、+12.5μg/mlのテトラサイクリン(Merck KGaA.、商品番号1.08189)に塗抹し、平板を37℃で16時間インキュベートした。単一のコロニーを12.5μg/mlのテトラサイクリンを添加した3mlのSOB培地(20g/lのトリプトン、5g/lの酵母エキス、0.5g/lのNaCl、0.186g/lのKClおよび10ml/lの2M Mg2+溶液(1M MgSO4・7H2O、1M MgCl2・6H2O)、必要に応じてpHをNaOHまたはHClで7.0に調整)を含む30mlの汎用バイアル(Sterilin、商品番号128A)に接種し、37℃でインキュベートした。培養物(初代培養物)は0.41のOD650nm値(Novaspec II可視分光光度計)まで増殖させ、+4℃に移し、1晩保存した。
初代培養物のアリコット1mlを、250mlの三角フラスコ(Pyrex、商品番号1130/14)中の、12.5μg/mlのテトラサイクリンを添加した50mlのSOB培地に接種するのに用い、250rpmで振盪しながら37℃でインキュベートした。OD650nmは、培養物が0.71になるまで続けた。培養物を含有するフラスコを、氷上に10分間おいた。事前に+4℃に冷却したFTB(0. 98g/lの酢酸カリウム、8.9g/lのMnCl2・4H2O、1.47g/lのCaCl2・2H2O、0.8g/lのCo(NH3)6Cl3、0.74g/lのKCl、100mlのグリセロール、pHはHClで6.4に調整)のアリコット50mlを培養物に添加し、フラスコを氷上で10分間攪拌し混和した。培養物を、1mlのアリコットで、事前に冷却したクライオバイアル(NUNC、商品番号3.68632)に分注し、-70℃での保存に移した。
上記のシードストックのバイアルを室温で解凍し、数回転到混和した。シードカルチャーのアリコット200μlを、12.5μg/mlのテトラサイクリンを添加した100mlのLBブロス(10g/lのトリプトン、5g/lの酵母エキス、10g/lのNaCl、pHはNaOHで7.5に調整)を含む500mlの三角フラスコ(Pyrex、商品番号1140/10)に移し、180rpmで振盪しながら37℃でインキュベートした。およそ16時間後、培養物は、OD600nm値1.13に達した。この培養物のアリコット2.5mlを、100mlのLBブロス+12.5μg/mlのテトラサイクリンを含む1lのフラスコ(Pyrex、商品番号1140/14)を接種するのに用いた。フラスコを、250rpmで振盪しながら37℃で約3.5時間、のOD600nm値0.72になるまでインキュベートした。フラスコの内容物を50mlのアリコットずつ、事前に冷却した2本の遠心チューブ(Falcon、商品番号352070)にさらに分割した。細胞を含む遠心チューブは直ちに氷上に10分間静置した。細胞は、ローターアダプタ(Eppendorf、商品番号5804 775.007)で取り付けたF34-6-38型ローターを用いた5804R Eppendorf遠心分離機における、4000rpm、4℃での10分間の遠心分離によって回収した。遠心分離機、ローターおよびアダプタは、事前に+4℃に冷却した。
上清をデカントし、チューブを1分間転倒し、残った上清を全て取り除いた。ペレットをそれぞれ、事前に+4℃に冷却した4mlのショ糖ベースの保護剤(20mM Hepes、7.5%ショ糖、pHはNaOH で6.77に調整)で再懸濁し、事前に冷却した15mlの遠心チューブ(Falcon、商品番号352096)に移した。細胞を、事前に冷却したローターアダプタ(Eppendorf、商品番号5804 771.001)を用いて、4000rpm、4℃での10分間の遠心分離によって回収した。上清をデカントし、チューブを1分間転倒し、残った上清を全て取り除いた。各チューブの細胞を、550μlのショ糖ベースの保護剤中に再懸濁した。各チューブの内容物をプールした。
細胞を、+4℃の低温室で、事前に冷却したガラスバイアル(Schott Glaskontor、商品番号04120366、Adelphi (tubes) Ltd.より部品番号VCD005で入手)に分注し、ストッパー(West Pharmaceutical Services、商品番号1067、形式PH701/40ワインレッドの塩化ブチルゴム、Adelphi (tubes) Ltd.より部品番号FDIA14で入手)を中程度の位置まで挿入した。ガラスバイアルを、次に、事前に20℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。バイアルを、真空にし始めた時点から2.5時間、真空槽に保ち、その後、バイアルを真空下で密封した。バイアルを+4℃の貯蔵庫に移した。形質転換効率および生存数を、112日までの保存期間後に確認した。
形質転換効率および生存細胞数の評価のために、バイアルを+4℃の貯蔵庫から取り出し、氷上に置いた。試薬を2つの方法を用いて試験した。
方法A
細胞を、0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミド(New England BioLabs、注文番号304-1S、10mM Tris/1mM EDTA中で0.2ng/μlに希釈、pHは1M HClで8.0に調整)のアリコット1μlを含有する0.1MのCaCl2溶液50μlで再懸濁し、全ての細胞をガラスの表面から確実に再懸濁するために、穏和に吸引した。ピペットを用いて、再懸濁した細胞を事前に冷却した1.5mlの遠心チューブ(Eppendorf Safelock、商品番号0030.120.086)に移し、5分間のインキュベーション時間の間氷上に戻した。5分間のインキュベーションの最中に、1μlの試料を、生存細胞の計数のために取り出した。次に、細胞を42℃の湯浴で30秒間熱ショックに付し、直ちに氷浴中に2分間戻した。室温のSOC培地(トリプトン20g/l、酵母エキス5g/l、NaCl 0. 5g/l、KCl 0.186g/l、1Mブドウ糖20ml/lおよび2M Mg2+溶液 (1M MgSO4、1M MgCl2・6H2O)10ml/l、pHは必要に応じてNaOHまたはHClで7.0に調整)のアリコット250μlを、氷上の細胞に加えた。細胞を吸引により穏和に混和し、30分間37℃に移した。1μlの試料を、標準的なLBブロスへの希釈およびLB寒天上への細胞のプレーティングによる生存細胞の計数に用いた。コロニーは、37℃での24時間のインキュベーション後に計数した。
方法B
細胞を、0.1MのCaCl2溶液50μlで再懸濁し、全ての細胞をガラスの表面から確実に再懸濁するために、穏和に吸引した。氷上でのインキュベーションを伴う再水和期間を、細胞を事前に冷却した1.5mlの遠心チューブに移す前に許容した。細胞を氷上に戻し、0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミドのアリコット1μlを細胞に加えた。氷上でのさらなる5分間のインキュベーション期間を許容した。次に、細胞を42℃の湯浴で30秒間熱ショックに付し、直ちに氷浴中に2分間戻した。室温のSOC培地のアリコット250μlを、氷上の細胞に加えた。細胞を吸引により穏和に混和し、生存細胞の計数のために10μlのアリコットを取り出し、30分間37℃に移した。10μlの試料を、標準的なLBブロスへの希釈およびLB寒天上への細胞のプレーティングによる生存細胞の計数に用いた。コロニーは、37℃での24時間のインキュベーション後に計数した。この方法は、0分、15分および75分の再水和時間を用いて行なった。0分の再水和時間が許容された場合は、試験プラスミドは、方法Aに記載のとおり、0.1M CaCl2に加えた。
30分間のインキュベーション後、方法AおよびBのいずれかで調製された細胞は、50μg/mlのカルベニシリン(Novagen、商品番号6910 1)、80μMのイソプロピル−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)(Merck Ltd.、商品番号437142L)および70μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X-Gal)(Merck Ltd.、商品番号437132J)を添加したLB寒天上にプレーティングした。コロニーは、37℃での18時間のインキュベーション後に計数した。この実験に関連した安定性の研究結果を図1Aおよび1Bに示した。(図1A:x軸:4℃での保存日数、y軸:T/μg、図1B:x軸:4℃での保存日数、y軸:細胞/ml)。
この4℃での試行は、大腸菌NovaBlue細胞の長期の安定性を明白に示している。細胞はショ糖ベースの保護剤中、20℃で、わずか2時間半の短時間に乾燥させた。形質転換効率(図1A)および生存細胞数(図1B)の両方とも、少なくとも15週間(試行が終了した時点)にわたって、最初の試験点の数値の上に止まった。表1は、DNAを、再水和溶液に直接、または、より遅く、再水和工程が行われた後、いずれかより好都合な方で加えることができることを示している。
表1:DNA添加前の再水和時間の長さの、形質転換効率への影響
Figure 0004490038
*0分については、DNAは再水和溶液中に加えた。
各結果は、デュプリケーションの平均値として表した。
2
以下の実験は、下記を例外として、例1と同様に行った。細胞は、OD 600nm値0.8で採取した。保護剤への再懸濁後、細胞を、氷上で、事前に冷却した0.5mlの遠心チューブ(Thermoquest Seg Ltd.、商品番号PC1007)に分注した。チューブのストッパーは、事前に切り取った。各チューブの下端を、次に、逆さにしたフリーズドライ用の栓(bung)(The West Company、1121, W1816、Laboratory Sales (UK) Ltdより部品番号700005で入手)の内孔に挿入し、こうしてチューブを垂直に保持した。事前に冷却したガラスバイアル(Schott Amphabel、336040111、Adelphi (Tubes) Ltdより注文番号VC005-20Cで入手)を逆さにし、遠心チューブ上に設置し、逆さにしたフリーズドライ用の栓に、中程度の位置まで押し込んだ。
遠心チューブ/ガラスバイアルの構成における細胞は、次に、事前に20℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。バイアルを、真空にし始めた時点から2.5時間、真空槽に保ち、その後、バイアルを真空下で、乾燥ユニット内の栓にガラスバイアルを十分に押しつけることによって密封した。
乾燥後、バイアルを24時間+4℃に置いた。次に、バイアルを密封可能なプラスチック袋に入れ、+20℃に置いた。細胞の形質転換効率および生存数を、保存期間後に確認した。
細胞を形質転換効率および生存細胞数について評価するために、バイアルを貯蔵庫から取り出し、そして遠心チューブを取り出し氷上に置いた。細胞を、0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミドのアリコット1μlを含有する0.1MのCaCl2溶液50μlで再懸濁し、全ての細胞をガラスの表面から確実に再懸濁するために、穏和に吸引した。細胞を5分間のインキュベーション時間の間氷上に保った。この時間の最中に、1μlの試料を、標準的なLBブロスへの希釈およびLB寒天上への細胞のプレーティングによって生存細胞数を決定するために取り出した。コロニーは、37℃での24時間のインキュベーション後に計数した。
次に、細胞を42℃の湯浴で30秒間熱ショックに付し、直ちに氷浴中に2分間戻した。室温のSOC培地のアリコット250μlを、氷上の細胞に加えた。細胞を吸引により穏和に混和し、30分間37℃に移した。
30分間のインキュベーション後、細胞は、50μg/mlのカルベニシリン、80μMのイソプロピル−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)および70μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X-Gal)を添加したLB寒天上にプレーティングした。コロニーは、37℃での18時間のインキュベーション後に計数した。
形質転換効率は、20℃で少なくとも12日の期間(試行が終了した時点)にわたって安定していた(図2A参照)。生存数は、20℃で少なくとも12日の期間にわたって安定していた(図2B参照)。この実験に関連する安定性の研究結果を、図2Aおよび図2Bに示す(図2A:x軸:20℃での保存日数、y軸:T/μg、図2B:x軸:20℃での保存日数、y軸:細胞/ml)。
安定性に関する試行は、ショ糖ベースの保護剤中、わずか2時間半の液体乾燥後の、+20℃での大腸菌NovaBlue細胞の生存数および形質転換効率の安定性を示した。
3
K12の誘導株である、大腸菌JM109のシードストック(DSMZ、DSM 3423)は、以下の通りに調製した。JM109細胞をLB寒天平板上に塗抹し、平板を20℃で72時間インキュベートした。単一のコロニーを3mlのSOB培地を含む30mlの汎用バイアルに接種し、37℃でインキュベートした。培養物(初代培養物)をOD650nm値0.40まで増殖させ、+4℃に移し、1晩保存した。
初代培養物のアリコット1mlを、250mlの三角フラスコ中の、50mlのSOB培地に接種するのに用い、250rpmで振盪しながら37℃でインキュベートした。OD650nm値は、培養物が0.65になるまで続けた。培養物を含有するフラスコを、氷上に10分間おいた。事前に+4℃に冷却したFTBのアリコット50mlを培養物に添加し、フラスコを氷上で10分間攪拌し混和した。培養物を、1mlのアリコットで、事前に冷却したクライオバイアルに分注し、−70℃での保存に移した。
上記のシードストックのバイアルを室温で解凍し、数回転到混和した。シードカルチャーのアリコット200μlを、100mlのLBブロスを含む500mlの三角フラスコに移し、180rpmで振盪しながら37℃でインキュベートした。およそ16時間後、培養物は、OD600nm値1.33に達した。この培養物のアリコット1mlを、100mlのLBブロスを含む1lフラスコを接種するのに用いた。フラスコを、250rpmで振盪しながら37℃で約3.5時間、OD600nm値が0.8になるまでインキュベートした。フラスコの内容物を50mlのアリコットずつ、事前に冷却した2本の遠心チューブに分割した。細胞を含む遠心チューブは直ちに氷上に10分間静置した。細胞は、4000rpm、4℃での10分間の遠心分離によって回収した。遠心分離機、ローターおよびローターアダプタは、事前に+4℃に冷却した。
上清をデカントし、チューブを1分間逆さにし、残った上清を全て取り除いた。ペレットをそれぞれ、事前に+4℃に冷却した4mlのショ糖ベースの保護剤で再懸濁し、事前に冷却した15mlの遠心チューブに移した。細胞を、事前に冷却したローターアダプタを用いて、4000rpm、4℃での10分間の遠心分離によって回収した。上清をデカントし、チューブを1分間転倒し、残った上清を全て取り除いた。各チューブの細胞を、550μlのショ糖ベースの保護剤中に再懸濁した。各チューブの内容物をプールした。
細胞を、氷上で、事前に冷却した0.5mlの遠心チューブ(Treff AG, Treff Lab.、商品番号96.4625.9.01)に分注した。チューブのストッパーは、事前に切り取った。各チューブの下端を、次に、逆さにしたフリーズドライ用の栓(The West Company、1121, W1816、Laboratory Sales (UK) Ltdより部品番号700005で入手)の内孔に挿入し、こうしてチューブを垂直に保持した。事前に冷却したガラスバイアル(Schott Amphabel、336040111、Adelphi (Tubes) Ltdより注文番号VC005-20Cで入手)を逆さにし、遠心チューブ上に設置し、逆さにしたフリーズドライ用の栓に、中程度の位置まで押し込んだ。
遠心チューブ/ガラスバイアルの構成における細胞は、次に、事前に20℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。バイアルを、真空にし始めた時点から2.5時間、真空槽に保ち、その後、バイアルを真空下で、乾燥ユニット内の栓にガラスバイアルを十分に押しつけることによって密封した。
乾燥後、試薬のバイアルを24時間+4℃に置いた。次に、バイアルを密封可能なプラスチック袋に入れ、+4℃に置いた。細胞の形質転換効率および生存数を、保存期間後に確認した。
細胞を形質転換効率および生存細胞数について評価するために、バイアルを貯蔵庫から取り出し、そして遠心チューブを取り出し氷上に置いた。細胞を、0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミドのアリコット1μlを含有する0.1MのCaCl2溶液50μlで再懸濁し、全ての細胞をガラスの表面から確実に再懸濁するために、穏和に吸引した。細胞を5分間のインキュベーション時間の間氷上に保った。この時間の最中に、1μlの試料を、標準的なLBブロスへの希釈およびLB寒天上への細胞のプレーティングによって、生存細胞数を決定するために取り出した。コロニーは、37℃での24時間のインキュベーション後に計数した。
次に、細胞を42℃の湯浴で30秒間熱ショックに付し、直ちに氷浴中に2分間戻した。室温のSOC培地のアリコット250μlを、氷上の細胞に加えた。細胞を吸引により穏和に混和し、30分間37℃に移した。
30分間のインキュベーション後、細胞は、50μg/mlのカルベニシリン、80μMのイソプロピル−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)および70μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X-Gal)を添加したLB寒天上にプレーティングした。コロニーは、37℃での18時間のインキュベーション後に計数した。
形質転換効率および生存性は、4℃で少なくとも20日の期間(試行が終了した時点)にわたって安定していた。この実験に関連する安定性の研究結果を、図3Aおよび図3Bに示す(図3A:x軸:4℃での保存日数、y軸:T/μg、図3B:x軸:4℃での保存日数、y軸:細胞/ml)。
安定性に関する試行は、ショ糖ベースの保護剤中、わずか2時間半の液体乾燥後の、標準的な大腸菌菌株の安定性を示した。
例4
以下の実験は大腸菌JM109を用いて行った。この細胞の調製するのに用いた手順は、以下の例外を除き、例3に記載のとおりのものである。
分注されたバイアルを、2つの組にさらに分けた。第1の組(液体乾燥)は、事前に20℃にした乾燥ユニット(VirTis Advantage 2.0 EL)の棚に移した。80mTorr(1x10-1mbar)の真空に引いた。バイアルは、真空にし始めた時点から2時間50分の間、真空槽に保った。バイアルを真空下で密封し、+4℃の貯蔵庫に移した。第2の組(フリーズドライ)のバイアルは、事前に-45℃にした乾燥ユニットの棚に移す前に、-70℃に3時間おいた。以下に概略したプログラムを開始する前に、80mTorr(1x10-1mbar)の真空に引いた。
温度(℃) 時間(時)
−45 4
−35 2
−25 2
−15 2
−5 2
5 2
20 2
注:勾配速度は、毎分1℃に設定。
これらのバイアルもまた、真空下に密封し、24時間+4℃の貯蔵庫に移した。その後、形質転換効率および生存性を、例3に記載の方法に従って確認した。
この実験に関連する形質転換効率および生存性の研究結果を、それぞれ図4Aおよび4Bに示す(図4A:y軸:T/μg、図4B:y軸:細胞/ml)。
図4Aは、試験した大腸菌菌株について、細胞の液体乾燥が、フリーズドライと同様の形質転換効率をもたらすことを示している。一般的に、試薬調製が極めて簡単で、要求される乾燥設備がより簡素であるため、液体乾燥の方がフリーズドライより好まれる。
例5
以下の実験は大腸菌NovaBlueおよびJM109を用いて行った。これらの細胞を調製するのに用いた手順は、以下の例外を除き、例2および例3にそれぞれ記載されたとおりのものである。最初の遠心分離工程の後、ペレットのうちの1つを事前に冷却した0.1MのCaCl2溶液15mlで再懸濁し(前処理あり)、第2のペレットは、ショ糖ベースの保護剤4mlのみに再懸濁した(前処理なし)。再懸濁後、細胞を再度遠心分離し、各ペレットをショ糖ベースの保護剤550μlに再懸濁した。遠心チューブの内容物はプールしなかった。例2および3に記載の処置にて、細胞を事前に冷却した0.5mlの遠心チューブ(Treff AG, Treff Lab.、商品番号96.4625.9.01)に分注した。この手法は、両方の生物について行った。
細胞を、事前に20℃にした乾燥ユニット(VirTis Advantage 2.0 EL)の棚に移した。80mTorr(1x10-1mbar)の真空に引いた。バイアルは、真空にし始めた時点から2時間50分の間、真空槽に止めた。バイアルを真空下で密封し、+4℃の貯蔵庫に移した。
この実験に関連する形質転換効率の研究結果を、図5に示す(図5A:x軸:a)JM109前処理あり、b)JM109前処理なし、c)NovaBlue前処理あり、d)NovaBlue前処理なし、y軸:T/μg、図5B:x軸:a)JM109前処理あり、b)JM109前処理なし、c)NovaBlue前処理あり、d)NovaBlue前処理なし、y軸:細胞/ml)。
図5は、乾燥前にそれらをコンピテント化するためにCaCl2で前処理した細胞と、かかる前処理を全くしておらず、単にコンピテンシー溶液中での再水和によってコンピテント化した細胞との間に、形質転換効率における有意な差がないことを示している。この結果は、WO 98/35018に記載の研究からは予測されなかったものである。
6
以下の実験は大腸菌JM109を用いて行った。これらの細胞を調製するのに用いたプロトコルは、以下の例外を除き、例3に記載されたとおりのものである。最初の遠心分離工程の後、ペレットのうちの1つを事前に冷却した0.1MのCaCl2溶液15mlで再懸濁し(前処理あり)、第2のペレットは、ショ糖ベースの保護剤4mlに再懸濁した(前処理なし)。細胞を再度遠心分離により回収し、各ペレットをショ糖ベースの保護剤550μlに再懸濁した。遠心チューブの内容物はプールしなかった。例3に記載の処置にて、細胞を事前に冷却した0.5mlの遠心チューブ(Treff AG, Treff Lab.、商品番号96.4625.9.01)に分注した。
細胞を、事前に20℃にした乾燥ユニット(VirTis Advantage 2.0 EL)の棚に移した。80mTorr(1x10-1mbar)の真空に引いた。バイアルは、真空にし始めた時点から2時間50分の間、真空槽に止めた。
形質転換効率は、事前に冷却した0.1MのCaCl2溶液、またはAnalaR水(BDH、商品番号102953C、Merck)、または0.9%のNaCl溶液のいずれかを用い、細胞を再水和して評価した。0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミドのアリコット1μlを再水和液に加え、例3に記載のとおりのプロトコルに従った。
2は、乾燥細胞の形質転換効率が、再水和中のコンピテンシー溶液での処置に左右されることを明白に示している。CaCl2を含有するコンピテンシー溶液で再水和した細胞は、代わりに例えば、水または生理食塩水(0.9%NaCl)中で再水和されたものより、極めて有意に高い形質転換効率を与えた。これは、乾燥前にそれをコンピテント化するために、細胞を塩化カルシウムで前処理するしないにかかわらず、正しいことである。換言すれば、もたらされる形質転換効率に関しては、乾燥コンピテント細胞は、非コンピテント細胞よりも利益はない。この結果は、WO 98/35018に記載の研究からは予測されなかったものである。
2:CaCl2で前処理されたまたは前処理されていない大腸菌JM109細胞の形質転換効率に対する、再水和液の組成の効果
Figure 0004490038
7
大腸菌NovaBlue細胞の凍結したシードストックのアリコット(1ml)を例1のとおりに調製し、室温で解凍し、数回転到混和した。1つのシードカルチャーのチューブの全内容物を、2モルのMgストック(1モルのMgCl2・6H2O、Flukaから、商品番号63068および1モルのMgSO4・7H2O、Flukaから、商品番号63138)5mlならびに1モルのブドウ糖液5mlを添加したSOB培地(トリプトン20g/l、酵母エキス5g/l、NaCl 0.5g/l、KCl 0.186g/l)550mlを含有する2.8lの溝付(fluted)三角フラスコ(Fernbach型、Philip Harris from Bellco, USを介して、注文番号255102800で入手)2本に、それぞれ移した。培養物を、275rpmで振盪した。SOBへの添加物の追加はSOCをもたらす。およそ24時間後、両方の培養物は、OD650nm値0.51に達した。フラスコを15分間氷上に置いた。フラスコの内容物をプールし、事前に冷却したNalgeneの500mlの遠心チューブ(製品番号3140)中に、2つの245mlのアリコットとして分注した。細胞を含有する遠心チューブを直ちに約10分間氷上に置いた。細胞は、Hereaus Sepatech遠心分離機で、12.50型のローターを用い、6000rpm、4℃で17分遠心分離することにより回収した。遠心分離機およびローターは、事前に+4℃に冷却した。
上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。ペレットをそれぞれ、+4℃に事前に冷却したショ糖ベースの保護剤(12%ショ糖)19.6mlで再懸濁し、事前に冷却した50mlの遠心チューブ(Falcon、商品番号352070)に移した。ローターアダプタ(Eppendorf、商品番号5804 775.007)で取付けたF34-6-38型ローターを用いた5804R Eppendorf遠心分離機での、6000rpm、4℃、12分の遠心分離により細胞を回収した。上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。各チューブ中の細胞を、ショ糖ベースの保護剤2.7mlに再懸濁し、プールした。
細胞を氷上に保持し、事前に冷却した1.5mlのプラスチック製遠心チューブ(Thermoquest SEG、商品番号02.1405.3500)に、10μlのアリコットとして分注した。アルミニウム製ラック中のチューブを最初に、少なくとも30分間ドライアイスに移した後、ストッパー(West Pharmaceutical Services、商品番号1067、形式PH701/40ワインレッドの塩化ブチルゴム、Adelphi (tubes) Ltd.より部品番号FDIA14で入手)を中程度の位置まで挿入した。次に、チューブを、事前にマイナス45℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。乾燥を例4のとおりに行った後、チューブをその場で、1気圧の乾燥した窒素ガスの下で密封した。
その後、チューブを取り出し、プラスチックでコーティングされたアルミニウム袋(Walter Coles Ltd.、商品番号01085/1059533)に、1袋あたりチューブ4本の組で、シリカゲルの小袋(Dryman、商品番号1059557)とともに入れた。袋を、Multivac Packagerで密封した(約10mbarの真空に引き、2秒間保持し、500mbarまで乾燥窒素ガスでフラッシュし、2秒間保持し、そして、空気中に放出する前に、3秒間圧力/熱を保持して密封した)。その後、袋を4℃で保存した。
4℃で保存後、袋を取り出し、切り開いた。チューブを取り出し氷上に置いた。細胞をTB(DMSO)溶液50μlで再水和し、数回穏和に吸引して、細胞を再懸濁した(ストッパーは、再懸濁の直前に取り外した)。
TB(DMSO)溶液は、HEPES(0.238g)、CaCl2・2H2O(0.221g)およびKCl(1.864g)を秤量し、およそ75mlのAnalaR水に溶解することにより調製した。緩衝液のpHは、0.25MのKOHを用いて6.7に調整した。MnCl2・4H2O(1.088g)を溶液に加え、溶解した。溶液をメスシリンダーに移し、AnalaR水で、容量を100mlにした。0.2μmのフィルタを用いて濾過滅菌し、+4℃で保存した。緩衝液を93ml滅菌容器に無菌的に移し、DMSO 7mlを加え、転倒混和した。
0.2ng/μlの濃度のpUC19プラスミドのアリコット1μlを加え、穏和に吸引し、確実に良好な混和が得られるように、数回弾いた。細胞を、5分間のインキュベーション期間中、氷上に保った。
次に、細胞を42℃の湯浴で30秒間熱ショックに付し、直ちに氷浴中に2分間戻した。室温のSOCのアリコット250μlを、氷上の細胞に加えた。細胞を吸引により穏和に混和し、30分間37℃に移した。
30分間のインキュベーション後、チューブを取り出し、吸引により混和した。細胞を、50μg/mlのカルベニシリン、80μMのイソプロピル−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)および70μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X-Gal)を添加したLB寒天上にプレーティングした。コロニーは、37℃での18時間のインキュベーション後に計数した。
この実験に関連する安定性の研究結果を図6に示す。(x軸:+4℃での保存日数、y軸:T/μg)。
8
大腸菌NovaBlue細胞の凍結したシードストックのアリコット(1ml)を例1のとおりに調製し、室温で解凍し、数回転到混和した。1つのシードカルチャーのチューブの全内容物を、SOC培地550mlを含有する2.8lの溝付三角フラスコ(Fernbach)2本に、それぞれ移し、275rpmで振盪しながらインキュベートした。およそ22時間後、両方の培養物は、OD650nm値0.54に達した。フラスコを15分間氷上に置いた。フラスコの内容物をプールし、事前に冷却したNalgeneの500mlの遠心チューブ(製品番号3140)中に、2つの400mlのアリコットとして分注した。細胞を含有する遠心チューブを直ちに約10分間氷上に置いた。細胞は、Hereaus Sepatech遠心分離機で、12.50型のローターを用い、6000rpm、4℃で17分遠心分離することにより回収した。遠心分離機およびローターは、事前に+4℃に冷却した。
上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。ペレットをそれぞれ、+4℃に事前に冷却したショ糖ベースの保護剤(12%ショ糖)32mlで再懸濁し、事前に冷却したNalgeneからの35mlのポリプロピレン製遠心チューブに移した。22,500型ローターを用いたHereaus遠心分離機での、6000rpm、4℃、12分の遠心分離により細胞を回収した。上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。各チューブ中の細胞を、ショ糖ベースの保護剤4.4mlに再懸濁し、プールした。
細胞を氷上に保持し、事前に冷却した1.5mlのプラスチック製遠心チューブ(Thermoquest SEG、商品番号02.1405.3500)に、10μlのアリコットとして分注した。アルミニウム製ラック中のチューブを、少なくとも30分間ドライアイスに移す前に、ストッパー(West Pharmaceutical Services)を中程度の位置まで挿入し、その後、マイナス70℃の冷凍庫で保存した。次に、チューブを、事前にマイナス45℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。乾燥を例4のとおりに行った後、チューブをその場で、1気圧の乾燥した窒素ガスの下で密封した。
その後、チューブを取り出し、プラスチックでコーティングされた密封アルミニウム袋に入れ、例6と同様に4℃で保存した。所定の日に袋を取り出し、例6と同様に試薬を形質転換効率について試験した。
この実験に関連する安定性の研究結果を図7に示す。(x軸:+4℃での保存日数、y軸:T/μg)。
9
大腸菌NovaBlue細胞の凍結したシードストックのアリコット(1ml)を例1のとおりに調製した。このシードストックのバイアルを室温で解凍し、数回転到混和した。1つのシードカルチャーのアリコット50μlを、163μlのFTB溶液を添加したSOC培地25mlを含有する250mlの三角フラスコ(Duran、商品番号21-216-3)5本にそれぞれ移し、275rpmで振盪しながらインキュベートした。およそ24時間後、培養物は、フラスコ中、それぞれOD650nm値0.59、0.46、0.48、0.45および0.45に達した。フラスコの内容物を、それぞれ事前に冷却した5本の遠心チューブ(Falcon、商品番号352070)のうち1本に注いだ。細胞を含有する遠心チューブを直ちに約5分間氷上に置いた。ローターアダプタ(Eppendorf、商品番号5804 775.007)で取付けたF34-6-38型ローターを用いた5804R Eppendorf遠心分離機での、5000rpm、4℃、5分の遠心分離により細胞を回収した。遠心分離機、ローターおよびアダプタは、事前に+4℃に冷却した。
上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。ペレットをそれぞれ、+4℃に事前に冷却したショ糖ベースの保護剤(12%ショ糖)2mlで再懸濁し、事前に冷却した50mlの遠心チューブ(Falcon)に移した。5000rpm、4℃、5分の遠心分離により細胞を回収した。上清をデカントし、残りの上清を全て除去するために、チューブを1分間逆さにした。各チューブ中の細胞を、ショ糖ベースの保護剤160μlに再懸濁した。各チューブの内容物は、別々に扱った。
細胞を氷上に保持し、事前に冷却した1.5mlのプラスチック製遠心チューブ(Thermoquest)に、10μlのアリコットとして分注した。ストッパー(West Pharmaceutical Services、商品番号1067、形式PH701/40ワインレッド)を中程度の位置まで挿入した。アルミニウム製ラック中のチューブを、最初に少なくとも30分間ドライアイスに移し、その後、事前にマイナス45℃にした乾燥ユニット(Edwards Supermodulyo)の棚に移した。1.2 x 10-1〜9.8 x 10-2 mbarの真空に引いた。乾燥を例4のとおりに行った後、チューブをその場で、1気圧の乾燥した窒素ガス中で密封した。その後、チューブを取り出し、形質転換効率について試験した。
細胞を形質転換効率について評価するために、チューブを凍結乾燥機から取り出し、氷上に置いた。その後、細胞を例6と同様に試験した。
この実験に関連する安定性の研究結果を図8に示す。(x軸:フラスコの同定、y軸:T/μg)。
乾燥および+4℃で保存後の大腸菌NovaBlueの形質転換効率および生存性を示した図である。 乾燥および+20℃で保存後の大腸菌NovaBlueの形質転換効率および生存性を示した図である。 乾燥および+4℃で保存後の大腸菌JM109の形質転換効率および生存性を示した図である。 乾燥後の大腸菌JM109の形質転換効率および生存性を、液体乾燥およびフリーズドライ調製物で比較した図である。
乾燥の前にコンピテンシーを誘導するためにする細胞の前処理の、大腸菌NovaBlueおよび大腸菌JM109の形質転換効率(コンピテンシー溶液での再水和後)への効果を、前処理なしに乾燥させた細胞と比較して示した図である。 例7の方法に従って乾燥および+4℃で保存後の大腸菌NovaBlue細胞の形質転換効率を示した図である。 例8の方法に従って乾燥および+4℃で保存後の大腸菌NovaBlue細胞の形質転換効率を示した図である。 例9の方法に従って、5フラスコが全て個別に回収され、乾燥させられそして試験された、1実験で達成できる、大腸菌NovaBlue細胞の形質転換効率を示した図である。

Claims (8)

  1. a)コンピテント状態を誘導する前処理なしに乾燥非コンピテント細胞を提供する工程、
    b)形質転換DNA分子を含有するコンピテンシー溶液で該細胞を再水和する工程、
    を含む、コンピテント細胞を作製する方法であって、工程b)において、細胞が、カルシウムイオン、またはDMSOを添加したもしくは添加しないFSB緩衝液、またはDMSOを含有するもしくは含有しない、水中の10mM HEPES、15mM CaCl 2 、250mM KClおよび55mM MnCl 2 からなり、pHが、MnCl 2 の添加前に0.25M KOHを用いて6.7に調整されたTB(DMSO)溶液を含有するコンピテンシー溶液で再水和されることを特徴とする、前記方法。
  2. コンピテンシー溶液が、カルシウムイオンを含有するコンピテンシー溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. カルシウムイオンを含有するコンピテンシー溶液が、CaCl2溶液であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. コンピテンシー溶液が、DMSOを添加したもしくは添加しないFSB緩衝液を含有するコンピテンシー溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. コンピテンシー溶液が、DMSOを含有するもしくは含有しない、水中の10mM HEPES、15mM CaCl 2 、250mM KClおよび55mM MnCl 2 からなり、pHが、MnCl 2 の添加前に0.25M KOHを用いて6.7に調整されたTB(DMSO)溶液を含有するコンピテンシー溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. コンピテンシー溶液が、添加されたDNA調製物に由来する混入化合物を中和する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. コンピテント状態を誘導する前処理なしの乾燥非コンピテント細胞、およびコンピテンシー溶液またはかかる溶液のための乾燥成分を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法を行うためのキット。
  8. コンピテント状態を誘導する前処理なしの乾燥非コンピテント細胞が、マイクロタイタープレートのウェル中に提供される、請求項7に記載のキット。
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