JP4487573B2 - インクカートリッジ - Google Patents
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Description
図9は、従来の記録装置に用いられているインクカートリッジの縦断面説明図である。インクカートリッジ50に備えられたケース2の内部は仕切壁51により、多孔質部材室9と、インク室10と、大気連通路11とに区画されている。多孔質部材室9には、インクを吸収したポリウレタンフォームなどの多孔質部材8が収容されており、インク室10にはインクが収容されている。多孔質部材室9の底部にはインク室10に連通する連通孔15が形成されており、インク室10の底部にはインク供給孔17が形成されており、大気連通路11の底部には大気連通孔18が形成されている。ケース2の底部が記録ヘッドに取り付けられ、インク室10のインクはインク供給孔17を通じて記録ヘッドに供給される。
多孔質部材にインクを含浸させることにより、インク供給孔17から記録ヘッドへ供給するインク圧を負圧に保持している。インク室10のインクは、インク供給孔17を通じて記録ヘッドに供給され、記録ヘッドによって吐出されたインクの消費分は、大気連通孔18から大気を吸入することにより補償される。
つまり、その気泡がインクの流れに乗ってインク供給孔17から記録ヘッドへ侵入し、インクの吐出を正常に行うことができなくなり、記録品質が低下してしまうという問題がある。特に、気泡や不純物を含んだインクをノズルから外部へ吸引するパージングというメンテナンス動作を行うときは、記録時よりもインクの消費量が多いため、インクの流れが速いので、気泡を記録ヘッドに引き込む可能性がある。
連通孔の開口端部とは、たとえば連通孔が断面四角形の場合に、連通孔を構成する上縁、下縁、右側縁および左側縁の近傍という意味である。
「前記側壁は、少なくとも前記連通孔の上縁側において、前記連通孔の開口端部の厚みが前記連通孔の開口端部より離れた部位の厚みより薄く形成されている」とは、連通孔が形成された側壁のうち、連通孔の上縁における厚みが、上縁以外における厚みより薄く形成されているという意味である。たとえば連通孔が縦断面四角形の場合に、連通孔を構成する上縁、下縁、右側縁および左側縁のうち、上縁における厚みが、下縁、右側縁および左側縁における厚みより薄く形成されているという意味である。
「前記突出部の先端部は、前記側壁のうち、少なくとも前記連通孔の上縁側において、前記側壁のインク室側側壁面より前記インク室側に位置する」とは、上記側壁を上記連通孔を通るように切断した面を見た場合に、連通孔の上縁を基準にすると、多孔質部材室に収容された多孔質部材の先端が連通孔から上縁の位置よりもインク室側へ突出しているという意味である。
「前記インク室側側壁面は、前記連通孔から上方に離れるにしたがい、前記突出部の基端部から前記インク室側に突出する斜面」とは、たとえばインクカートリッジを連通孔を通るように縦方向に切断した断面を見たとき、側壁の右側に多孔質部材室が、左側にインク室がそれぞれ形成されている場合に、側壁が突出部の基端から左斜め上方に傾斜していることを意味する。
また、連通孔の下縁を画定するインク室側側壁面とは、たとえば、連通孔が上縁、下縁、右側縁および左側縁からなる断面四角形の場合に、インク室側側壁面のうち、下縁を他の縁と区別している部分の面という意味である。
つまり、「前記インク供給孔の前記インク室側の開口端は、前記連通孔の下縁を画定する前記インク室側側壁面より前記多孔質部材室側に位置する」とは、上記と同様の断面を見たとき、連通孔の下縁から垂線を下ろした場合に、インク室内側の開口端が垂線よりも多孔質部材室に寄っているという意味である。たとえば、側壁の右側に多孔質部材室が左側にインク室がそれぞれ形成されている場合に、上記と同様の断面を見たとき、インク室内側の開口端の左端が上記垂線よりも右方向に存在する状態を意味する。換言すると、連通孔からインク室へ流出したインクが、直線的な流路に沿ってインク供給孔に到達しないような位置に、連通孔およびインク供給孔が配置されているという意味である。
多孔質部材室とインク室とを連通する連通孔が、多孔質部材室とインク室との境界を構成する壁のうち、多孔質部材室とインク室とを左右に仕切る側壁に形成されており、且つ、多孔質部材には、多孔質部材室から突出して連通孔内に入り込む突出部が備えられているため、多孔質部材内から発生した気泡は、連通孔内の突出部を通じてインク室へ導かれると、その上昇を妨げられることなく、インク室の上方へ到達する。
したがって、連通孔から出た気泡が連通孔周囲に蓄積するという現象が発生しないため、気泡を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれが少なく、記録装置の記録品質を高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
また、連通孔の上縁側における開口端部の側壁の厚みが厚い場合は、突出部の先端部から発生した気泡が、連通孔の上縁内側部分に停留するおそれがあるが、少なくとも連通孔の上縁側において、連通孔の開口端部の厚みを連通孔の開口端部より離れた部位の厚みより薄く形成すれば、気泡が連通孔の上縁内側部分に停留するおそれを少なくすることができる。
したがって、気泡を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれをより一層少なくすることができるため、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
特に、多孔質部材の突出部の先端部が、側壁のうち、少なくとも連通孔の上縁側において、側壁のインク室側側壁面よりインク室側に位置するように構成すれば、突出部の先端部から発生した気泡が連通孔内に停留することもないし、側壁から離れた位置から気泡が発生するため、気泡が側壁に付着するおそれを少なくすることができる。
したがって、気泡を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれをより一層少なくすることができるため、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
さらに、インク室側側壁面は、連通孔から上方に離れるにしたがい、突出部の基端部からインク室側に突出する斜面であるという構成を用いると、斜面でない場合よりも、連通孔内に入り込んだ多孔質部材の先端部から発生した気泡を上記斜面に沿ってインク室の上方へどこにも停留することなく導くことができる。
したがって、連通孔から出た気泡が連通孔周囲に蓄積するという現象が発生し難いため、気泡を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれがより一層少なく、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
特に、上記の斜面とこれに連続的に繋がる一対の壁面とが、側壁内部において、多孔質部材の有する突出部から放出された気泡を、インク室の上方まで誘導する側壁内部の一種の気泡誘導路として働く。これにより、確実に、放出される気泡をインク供給孔からより上方に離れた位置でインク室内に解放することができるので、記録ヘッド側に気泡を供給してしまうことがなくなる。
インク供給孔が、連通孔より下方に位置するインク室の床部壁に形成され、インク供給孔のインク室側の開口端が、連通孔の下縁を画定するインク室側側壁面より多孔質部材室側に位置する構成を用いれば、連通孔とインク供給孔とが直線で結ばれる配置関係ではなくなるため、連通孔からインク室へ流出した気泡がインクの流れに乗ってインク供給孔へ到達するおそれが少ない。
したがって、気泡が含まれたインクがインク供給孔を通じて記録ヘッドに供給されるおそれがより一層少なく、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
特に、パージングにより大量のインクが消費される場合は、多孔質部材室から連通孔を通じて大量のインクが記録時よりも速い速度で流出するが、その流出したインクが直線的な流路に沿ってインク供給孔に到達しないため、パージングにより気泡を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれを少なくすることができる。
したがって、パージングの実行により記録品質が低下するおそれも少ない。
次に、この発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るインクカートリッジの主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は連通孔およびインク供給孔を通るようにインクカートリッジを縦方向に切断した場合の切断面を示す縦断面図である。図2(A)は図1に示すインクカートリッジの連通孔の周囲を拡大して示す縦断面一部拡大説明図、図2(B)は図1に示すインクカートリッジにおいて多孔質部材の突出部から気泡が発生する様子を示す説明図、図2(C)は図2(A)を正面図とした場合の一部を省略して示す左側面図、図2(D)は連通孔の変更例を示す説明図である。
ケース2の内部は、外部側壁(図1において左右の壁)2a,2bとほぼ平行に延びる内部側壁5,6と、この内部側壁5,6の下端間を連結する内部底壁7と、この内部底壁7の下面と下側蓋部材4の上面とを連結する仕切壁7aとにより区画されている。
また、外部側壁2a、内部側壁5、前記図示しない一対の外部側壁、上側蓋部材3、内部底壁7、仕切壁7aおよび下側蓋部材4により区画された空間には、インクが収容されたインク室10が形成されている。さらに、内部側壁6、外部側壁2b、内部底壁7、仕切壁7a、上側蓋部材3および下側蓋部材4により区画された空間には、大気連通路11が形成されている。大気連通路11において内部側壁6と外部側壁2bとを連結する部分には、大気連通路11を上下に区画する仕切壁28が形成されており、その仕切壁28には貫通孔28aが上下方向に貫通して形成されている。
連通孔15は、図2(C)に示すように、縦断面が四角形に形成されており、上縁15aと、この上縁に対向する下縁15bと、上縁15aおよび下縁15bの各端部を連結する右側縁15cと、左側縁15dとを有する。
また、多孔質部材8は、図2(A)に示すように、多孔質部材室9から突出して連通孔15の内部に入り込む突出部8aを備えている。突出部8aの先端部は、内部側壁5のうち、少なくとも連通孔15の上縁15a側において、内部側壁5のインク室10側側壁面5aよりインク室10側に位置している。つまり、突出部8aの先端部は、連通孔15のインク室10側の開口端からインク室10へ突出している。
ところで、上記のように、多孔質部材室9に収容されているインクが記録ヘッドに供給されるとき、図2(B)に示すように、多孔質部材8に含まれていた気泡19が、インクの流れに乗って、多孔質部材8の突出部8aの先端部から発生する場合がある。
しかし、突出部8aの先端部がインク室10の内部に突出しているため、気泡19はどこにも停留することなくインク室10の内部を上昇し、インク室10の上部に形成された空間中で消滅する。
したがって、気泡を含んだインクが記録ヘッドへ供給されることにより、正常にインクを吐出することができず、記録品質が低下してしまうおそれが少ない。
(1)以上のように、上記第1実施形態のインクカートリッジ1を使用すれば、多孔質部材室9とインク室10とを連通する連通孔15が、多孔質部材室9とインク室10との境界を構成する壁のうち、多孔質部材室9とインク室10とを左右に仕切る内部側壁5に形成されている。多孔質部材8には、多孔質部材室9から突出して連通孔15内に入り込む突出部8aが備えられている。そのため、多孔質部材室9中に保持されているインクをほとんど使い切るまでインク室10への気泡19の放出は起こらないので、インクの利用効率が高い。さらに、放出された気泡19は連通孔15内に停留しにくく、連通孔15内の突出部8aを通じてインク室10へ滑らかに導かれるとともに、その上昇を妨げられることなくインク室10の上方へ到達し、インク室10の上部に形成された空間で消滅する。
したがって、連通孔15から出た気泡19が連通孔15の周囲に蓄積するという現象が発生し難いため、気泡19を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれが少なく、記録装置の記録品質を高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
したがって、気泡19を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれをより一層少なくすることができるため、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
図2(D)に示すように、連通孔15を縦断面円形に形成してもよい。また、多孔質部材室9に収容されたインクを最大限消費するために、連通孔15は内部側壁5の最下端に形成することが望ましいが、最下端から少し上方の位置に形成してもよい。このように連通孔15の形成位置が上方に移動すると、連通孔15とインク供給孔17との距離が離れるため、その分、多孔質部材8の突出部8aから発生した気泡が、インクの流れに乗ってインク供給孔17へ導かれ難くすることができる。
次に、この発明の第2実施形態について図3を参照して説明する。図3(A)はインクカートリッジの連通孔の周囲を拡大して示す縦断面一部拡大説明図、図3(B)は図3(A)を正面図とした場合の一部省略して示す左側面図、図3(C)は図3(A)において多孔質部材の突出部から気泡が発生する様子を示す説明図である。
この実施形態のインクカートリッジでは、連通孔15の上縁15aの下面に気泡が蓄積されないようにしている。図3(A)に示すように、内部側壁5のインク室側側壁面5aには、連通孔15から上方に離れるにしたがい、突出部8aの基端部8cからインク室10側に突出する斜面5bが形成されている。さらに、本実施の形態では、図3(A)に示すように、斜面5bが内部側壁5の厚み内部に切欠かれるようにして形成されており、これに対応して斜面5bに交差する一対の切欠き部側面5fが対向して形成されているので、その斜面5bが形成された部分であって、連通孔15の上縁15a側における開口端部の内部側壁5の厚みを、他の下縁15b、右側縁15cおよび左側縁15dにおける厚みよりも薄くすることもできる。
この実施形態のインクカートリッジは上述した構成であるため、図3(C)に示すように、多孔質部材8の突出部8aの先端部8bから発生した気泡19は、連通孔15の上縁15a付近に停留することなく、斜面5bに沿って上昇し、その斜面5bの上端を越えると、インク室10の内部を上昇し、インク室10の上方に形成された空間で消滅する。
(1)以上のように、上記第2実施形態のインクカートリッジを使用すれば、少なくとも連通孔15の上縁15a側において、連通孔15の開口端部の厚みが、連通孔15の開口端部より離れた部位の厚みより薄く形成されている。これにより、突出部8aの先端部8bが容易に内部側壁5のインク室10側側壁面5aよりインク室10側に位置し易くなるので、気泡19が連通孔15の上縁15aの壁面に蓄積するおそれを少なくすることができる。
したがって、気泡19を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれをより一層少なくすることができるため、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
(2)特に、内部側壁5のインク室10側の側壁面は、連通孔15から上方に離れるにしたがい、突出部8aの基端部8cからインク室10側に突出する斜面5bであるため、連通孔15内に入り込んだ多孔質部材8の先端部8aから発生した気泡19を斜面5bに沿ってインク室10の上方へどこにも停留することなく導くことができる。
したがって、連通孔15から出た気泡19が連通孔15の周囲に蓄積されるという現象が発生しないため、気泡19を含んだインクが記録ヘッドに供給されるおそれがより一層少なく、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
(3)さらに、インク室10側に突出するように形成された斜面5bに対し、一対の切欠き部側面5fが、斜面5bとインク室側側壁面5aとが上方で交差する位置まで延在しており、斜面5bとともに、先端部8bからインク室10に放出される気泡19がインク室10のさらに上方でインク室10内に解放されるように誘導している。
したがって、突出部8aから放出された気泡19は、誘導されてインク供給孔17から上方のより離れた位置でインク室10内に解放されることになるので、より確実に気泡19が記録ヘッドに供給されてしまうことを抑制することができ、記録品質のより一層の向上に寄与することができる。
図4(A),(B)は、上記第2実施形態のインクカートリッジの変更例を示す縦断面一部拡大説明図である。図4(A)に示すように、連通孔15の上縁15a近傍の内部側壁5の厚みは薄い板状に形成されており、その板状部分のうち、インク室10側の側壁面5cの上端からは、上方に離れるにしたがい、その上端からインク室10側に突出する斜面5dが形成されている。また、多孔質部材8の突出部8aの先端部8bは、連通孔15の上縁15aからは突出しているが、連通孔15の下縁15bからは突出していない状態になっている。
このため、多孔質部材8の突出部8aの先端部8bから発生した気泡は、連通孔15の上縁15a付近に停留することなく、斜面5dに沿って上昇し、その斜面5dの上端を越えると、インク室10の内部を上昇し、インク室10の上方に形成された空間で消滅する。
このため、多孔質部材8の突出部8aの先端部8bから発生した気泡は、連通孔15の上縁15a付近に停留することなく、斜面5eに沿って上昇し、その斜面5eの上端を越えると、インク室10の内部を上昇し、インク室10の上方に形成された空間で消滅する。
本実施の形態及び上述の各変形例では、連通孔15の上縁部において、インク室10側に突出するように形成された斜面5b、5d、5eに対して、一対の切欠き部側面5fが、斜面5b、5d、5eとインク室側側壁面5aとが上方で交差する位置まで延在しているとともに、斜面5b、5d、5e自体に対しても交差して形成されている。
これに対して、さらに別の変形例として、図示はしないが、斜面5b、5d、5eとインク室側側壁面5aとが上方で交差する位置まで延在する切欠き部側面5fが、斜面5b、5d、5eに対しては滑らかに繋がるように形成されていてもよい。
これにより、切欠き部側面5fと斜面5b、5d、5eとが交差することにより形成されてしまう角部が無くなるので、突出部8aから放出された気泡19は、より滑らかにインク室10の上方に誘導されることになる。すなわち、放出された気泡19は、側壁5のいずれの部位にも留まることなくインク室10内を上昇することができる。
次に、この発明の第3実施形態について図5および図6を参照して説明する。図5は連通孔およびインク供給孔を通るようにインクカートリッジを縦方向に切断した場合の切断面を示す縦断面図であり、図6は図5に示すインクカートリッジの連通孔およびインク供給孔の周囲を拡大して示す縦断面一部拡大説明図である。
この実施形態のインクカートリッジは、連通孔から発生した気泡が、インク供給孔へ向かうインクの流れに乗り難いことを特徴とする。
図1および図2(B)に示したように、インク供給孔17のインク室10側の開口端が、連通孔15の下縁を画定するインク室10側側壁面5aよりもインク室10側(図面左方)に位置していると、連通孔15とインク供給孔17とが直線で結ばれる配置関係にあるため、連通孔15から突出した多孔質部材8aから発生した気泡が、インク室10からインク供給孔17へ向かうインクの流れに乗ってしまうことがある。特に、パージングにより大量のインクが消費される場合は、インクの流れは記録時よりも速くなるため、気泡がインク供給孔17へ導出されてしまうおそれがある。
そこで、この実施形態のインクカートリッジでは、連通孔15から発生した気泡が、インクの流れに乗り難いようにしている。
このように構成することにより、連通孔15とインク供給孔17とは直線で結ばれる配置関係ではなくなる。また、多孔質部材8の突出部8aの先端部は、連通孔15からインク室10へ突出している。
したがって、連通孔15からインク室10へ突出した多孔質部材8の突出部8aから発生した気泡が、インクの流れに乗ってインク供給孔から導出され難くなる。特に、パージングが行われたときのように、インクの流れが速い場合であっても、気泡がインクの流れに乗ってインク供給孔から導出され難くなる。
以上のように、上記第3実施形態のインクカートリッジを使用すれば、インク供給孔17が、連通孔15より下方に位置するインク室10の下側蓋部材4に形成され、インク供給孔17のインク室10側の開口端17aが、連通孔15の下縁15bを画定するインク室10側側壁面5aより多孔質部材室9側に位置している。これにより、連通孔15とインク供給孔17とが直線で結ばれる配置関係ではなくなるため、連通孔15からインク室10へ流出した気泡19がインクの流れに乗ってインク供給孔17へ到達するおそれが少ない。
したがって、気泡19が含まれたインクがインク供給孔17を通じて記録ヘッドに供給されるおそれがより一層少なく、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
特に、パージングにより大量のインクが消費される場合は、多孔質部材室9から連通孔15を通じて大量のインクが記録時よりも速い速度で流出する。その流出するインクが直線的な流路に沿ってインク供給孔17に到達しないため、パージング時でも気泡19が記録ヘッドに供給されるおそれを少なくすることができる。
したがって、パージングの実行により記録品質が低下するおそれも少ない。
次に、この発明の第4実施形態について図7および図8を参照して説明する。図7は連通孔およびインク供給孔を通るようにインクカートリッジを縦方向に切断した場合の切断面を示す縦断面図であり、図8(A)は図7に示すインクカートリッジの連通孔およびインク供給孔の周囲を拡大して示す縦断面一部拡大説明図であり、図8(B)は図7(A)を左側面から透視した説明図である。
図7および図8に示すように、連通孔15が、内部側壁5の下端に形成されている。また、多孔質部材室9から連通孔15を介してインク室10へ流出する気泡をインク室10の上方へ案内する案内部材30が、多孔質部材室9からインク室10を介してインクがインク供給孔17から流出するときに、インクが連通孔15とインク供給孔17とを結ぶ流路を遮る位置に備えられている。つまり、案内部材30が、連通孔15とインク供給孔17とを直線的に結ぶ仮想線K1を遮る位置に備えられている。
したがって、図8(A)に示すように、インク室10に収容されたインクがインク供給孔17へ供給される場合に、連通孔15から流出するインクは、その流路が案内部材30に衝突して遮られ、一旦流れを上方に向けることになる。その流れに乗ってインク室10に流出した気泡19も案内部材30に衝突し、その後、インク室10を上昇するが、気泡19の有する浮力により移動の方向を下方に変えることなく、インクの流れから離れて、インク室10の上方に形成された空間で消滅する。つまり、気泡19は、案内部材30によってインク室10の上方へ案内される。
以上のように、上記第4実施形態のインクカートリッジを使用すれば、多孔質部材室9から連通孔15を介してインク室10へ流出する気泡をインク室10の上方へ案内する案内部材30が、多孔質部材室9からインク室10を介してインクがインク供給孔17から流出するときに、インクが連通孔15とインク供給孔17とを結ぶ流路を遮る位置に備えられているため、連通孔15から流出した気泡がインクの流れに乗ってインク供給孔を通じて記録ヘッドに供給されるおそれが少ない。
したがって、気泡19が含まれたインクがインク供給孔17を通じて記録ヘッドに供給されるおそれがより一層少なく、記録装置の記録品質をより一層高めることができるインクカートリッジを実現することができる。
特に、パージングを実行したときのように、連通孔15からインク室10を通じてインク供給孔17へ流出するインクの流速が速い場合であっても、連通孔15からインク室10へ流出するインクの流れは案内部材30によって遮られるため、気泡19がインクの流れに乗ってインク供給孔17を通じて記録ヘッドに供給されるおそれが少ない。
したがって、パージングの実行により記録品質が低下するおそれも少ない。
内部側壁5が、請求項1に記載の「前記多孔質部材室と前記インク室とを左右に仕切る側壁」に対応し、下側蓋部材4が、請求項5に記載のインク室の床部壁に対応する。
4 下側蓋部材(インク室の床部壁)
5 内部側壁(多孔質部材室とインク室とを左右に仕切る壁)
5a インク室10側側壁面
8 多孔質部材
8a 突出部
8b 先端部
8c 基端部
9 多孔質部材室
10 インク室
15 連通孔
15a 上縁
15b 下縁
17 インク供給孔
19 気泡
Claims (5)
- インクを被記録媒体へ吐出して記録を行う記録装置に備えられた記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジであって、前記インクを含浸させた多孔質部材を収容した多孔質部材室と、前記インクを収容したインク室とを隣接させて備えており、前記インク室に収容されているインクを前記記録ヘッドへ供給するためのインク供給孔が前記インク室に形成されたインクカートリッジにおいて、
前記多孔質部材室と前記インク室とを連通する連通孔が、前記多孔質部材室と前記インク室との境界を構成する壁のうち、前記多孔質部材室と前記インク室とを左右に仕切る側壁に形成されており、且つ、前記多孔質部材には、前記多孔質部材室から突出して前記連通孔内に入り込む突出部が備えられており、前記側壁は、少なくとも前記連通孔の上縁側において、前記連通孔の開口端部の厚みが前記連通孔の開口端部より離れた部位の厚みより薄く形成されていることを特徴とするインクカートリッジ。 - 前記突出部の先端部は、前記側壁のうち、少なくとも前記連通孔の上縁側において、前記側壁のインク室側側壁面より前記インク室側に位置することを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
- 前記インク室側側壁面は、前記連通孔から上方に離れるにしたがい、前記突出部の基端部から前記インク室側に突出する斜面であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
- 前記連通孔の上縁側において、
前記側壁は、前記連通孔の開口端部の厚みが、当該開口端部から離れた部位の厚みに比べて薄く、
前記インク室側側壁面は、前記斜面と、当該斜面と連続して繋がる一対の対向する壁面とを備えることを特徴とする請求項3に記載のインクカートリッジ。 - 前記インク供給孔は、前記連通孔より下方に位置する前記インク室の床部壁に形成され、
前記インク供給孔の前記インク室側の開口端は、前記連通孔の下縁を画定する前記インク室側側壁面より前記多孔質部材室側に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のインクカートリッジ。
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