JP4485732B2 - 通信チャネルの伝送速度変更のための方法および装置 - Google Patents
通信チャネルの伝送速度変更のための方法および装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は通信システムに関する。特に、この発明は多元接続システムにおける資源配分に関する。
【0002】
【関連出願の記載】
図1は地上無線通信システム10の例示実施例である。図1は、3つの遠隔装置12、13および15と2つの基地局14を示す。現実には、一般的な通信システムはさらに多くの遠隔装置と基地局を持つかもしれない。図1において、遠隔装置12は、車に設置された移動電話装置として示される。図1はまた無線加入回線システムにおける固定ロケーション遠隔装置15および標準セルラーシステムにおけるポータブルコンピュータ遠隔装置13を示す。例えば、遠隔装置はハンドヘルドパーソナル(hand-held personal)通信システム(PCS)装置、パーソナルデータアシスタント(personal data assistant)のようなポータブルデータ装置、またはメーター読取り機器のような固定ロケーションかもしれない。図1は基地局14から遠隔装置12、13および15への順方向リンク信号18と遠隔装置12、13、および15から基地局14への逆方向リンク信号19を示す。
【0003】
図1に示すように一般的な無線通信システムにおいて、いくつかの基地局は複数のセクタを有する。複数のセクタに分けられた基地局は複数の独立した送受信アンテナ並びにいくつかの独立した処理回路から構成される。ここで論議される原理は、複数のセクタに分けられた基地局の各セクタおよび単一のセクタを有する独立した基地局に等しく適用される。それゆえ、以下に述べる記述において、「基地局」という用語は複数のセクタを有する基地局の1つのセクタ、すなわち共通の基地局に相関する複数のセクタ、または単一のセクタを有する基地局に言及すると仮定することができる。
【0004】
CDMAシステムにおいて、遠隔装置はシステム内のすべての基地局と通信するために共通の周波数帯域幅を使用する。共通の周波数帯域幅を使用することにより、柔軟性が増大し、多くの利点をシステムにもたらす。例えば、共通の周波数帯域幅を使用することにより、遠隔装置は同時に1つ以上の基地局からの通信信号を受信することができ並びに1つ以上の基地局により受信されるように単一の信号を送信することができる。遠隔装置は、スペクトル拡散CDMA波形の性質を利用して種々の基地局から同時に受信した信号を弁別する。同様に、基地局は複数の遠隔装置からの信号を弁別し、個別に受信することができる。
【0005】
無線システムにおいて、取り扱うことの出来る同時呼に関してシステムの能力を最大にすることは極めて重要である。所望の信号品質レベルを得るのに必要な最小限の電力レベルで各信号が基地局受信器に到達するように、各遠隔装置から基地局に受信される電力が制御されるならスペクトル拡散システムのシステム能力は増大する。遠隔装置により伝送された信号が過度に低い電力レベルで基地局受信器に到達するなら、その信号品質は受け入れ可能なレベルを下回るかもしれない。一方,遠隔装置信号が過度に高い電力レベルで到達するなら、この特定の遠隔装置との通信は受け入れることができるが、この高電力信号は、他の遠隔装置への干渉となる。この過度の干渉は、他の遠隔装置との通信に悪影響を与える。従って、一般に基地局付近に位置する遠隔装置は相対的に低い信号電力を伝送し、カバー領域の端に位置する遠隔装置は相対的に大きな信号電力を伝送する。
【0006】
より高度なシステムにおいて、遠隔装置が逆方向リンクに伝送する電力レベルを制御することに加えて、遠隔装置が逆方向リンクに伝送するデータ転送速度も制御される。カバー領域の端に位置する遠隔装置は、遠隔装置が基地局において受信する各信号の信号品質を増大させるために伝送するデータ転送速度を低減するかもしれない。データ転送速度を低減することにより、各ビットに当てられる時間は恐らく増大し、従って各ビットに当てられるエネルギーを増大し、リンクの性能を増大する。
【0007】
リンク性能に加えて、可変データ転送速度を使用することによりシステムに他の利点をもたらす。例えば、遠隔装置は最大データ転送速度をかなり下回るデータ転送速度で産出されているデータのストリームを発生するかもしれない。遠隔装置は遠隔装置電力およびスペクトル資源を保存するために最大速度よりも低い速度でデータを伝送することを選択するかもしれない。さらにいくつかの遠隔装置は、遠隔装置が提供するサービスのレベルに従って分類することができる。例えば好適なクライアント遠隔装置は最大速度までデータ転送速度を提供することができ、エコノミーレベル遠隔装置は、最大速度の1/8、1/4または1/2でデータ転送速度を提供することができる。最大速度以下で伝送する遠隔装置はより低い電力レベルで伝送することができる。あるいは遠隔装置はその時間の一部のみを伝送することができる。例えば、最大速度の1/4で伝送している遠隔装置は、フルレート(full-rate)信号に必要な電力の1/4で信号を伝送することができる。あるいは、最大速度の1/4で伝送している遠隔装置は、約1/4のデューティサイクルで伝送することができる。いずれにせよ、フルレート以下で伝送する遠隔装置はフルレートで伝送している遠隔装置よりも少ない干渉を発生し、少ないシステム資源を消費し、それによりシステム資源が他の遠隔装置により使用されるのを自由にする。
【0008】
最小の受け入れ可能な信号品質が指定されるなら、基地局を介して通信することのできる同時ユーザーの数の上限は所定レベルの干渉で計算することができる。この上限は一般にポールキャパシティ(pole capacity)と呼ばれる。ポールキャパシティに対する実際のユーザーの比はシステムの負荷として定義される。実際のユーザーの数がポールキャパシティーに近づくと、負荷は、1に近づく。1に近づく負荷はシステムの潜在的に不安定な行動を意味する。不安定な行動は、エラー率性能の点から性能を劣化させ、ハンドオフを失敗し、接続を落とすことに導く。さらに、負荷が1に近づくにつれ、カバー領域の外縁上のユーザーは最も低い利用可能なデータ転送速度でさえも受け入れ可能な信号品質で基地局と通信するために十分な電力を伝送することができないように基地局のカバー領域のサイズが縮小する。
【0009】
これらの理由により、負荷がポールキャパシティの指定されたパーセンテージを超えないようにシステムの使用を制限することが都合が良い。システムの負荷を制限する1つの方法は、システムの負荷が所定のレベルに到達したら、システムへのアクセスを拒絶することである。例えば、負荷がポールキャパシティの70%に増加したなら、さらなる接続の開始の要求を拒絶し、既存の接続のハンドオフを受付けることを控えることが都合が良い。遠隔装置が複数のデータ転送速度で伝送することができるシステムにおいて、システムの負荷も、遠隔装置が伝送するデータ転送速度を制御することにより制御可能である。所定レベルの負荷の場合、各遠隔装置が伝送することのできるデータ転送速度を低減することにより、システムにアクセスできる遠隔装置の合計数を増加させることができる。
【0010】
一般的なデジタルデータ多元接続システムにおいて、遠隔装置は基地局と通信セッションを確立する。セッションは、電力が遠隔装置から取り除かれるかまたは遠隔装置が切断を要求するまでアクティブのままである。セッションが確立されると、遠隔装置は、データの複数のバースト(bursts)を伝送する。例えば、遠隔装置ユーザーが無線接続およびノートブックコンピュータを介してインターネットに接続するなら、遠隔装置ユーザーはネットワークにログインするとセッションを確立する。遠隔装置ユーザーがeメールメッセージを発生するなら、遠隔装置はeメールメッセージを伝送するときデータのバーストを発生する。データのバーストは1つ以上のデータのパケットを含むことができる。データのパケットは一般にデータの多くの無線リンクフレームから構成される。
【0011】
遠隔装置がデータのバーストを伝送する前に、遠隔装置のデータ転送速度が基地局により制御されるシステムにおいて、遠隔装置はアクセス要求メッセージを基地局に送信する。一般にアクセス要求メッセージは、所望の伝送データ転送速度を指定する。これに応答して、基地局は、遠隔局が所望のデータ転送速度で伝送することを許可し、遠隔装置が低いデータ転送速度で伝送することを許可し、あるいはシステムへのアクセスを拒絶することができる。このようなシステムの使用はいくつかの欠点を有する。例えば、アクセス要求メッセージの使用は、貴重な逆方向リンク資源を消費する。さらに、遠隔装置と基地局がデータ転送速度をネゴシエートしている間、逆方向リンクを介したデータの伝送は遅れる。さらに、複数の遠隔装置からのアクセス要求メッセージに応答するために基地局により使用されなければならないアルゴリズムは複雑であり、かなりの基地局資源を消費する。
【0012】
これらの理由により、種々のデータ転送速度伝送機構を採用した多元接続システムへのアクセスを制御するための方法および装置が産業界において必要であると長い間感じられていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
基地局は、対応するカバー領域内の遠隔装置の逆方向リンク伝送速度を制御するために使用される。基地局は逆方向リンクの負荷を監視し、伝送速度の設定点を動的に調節する。伝送速度設定点は最大伝送速度および通過確率から定義できる。最大伝送速度は、遠隔装置に利用可能な最大逆方向リンクデータ転送速度を定義する。通過確率は、所定の最大伝送速度で遠隔装置が伝送する確率を制御するために使用される。基地局は、伝送速度設定点を遠隔装置にブロードキャストすることができる。遠隔装置はいつでも最大伝送速度よりも遅い速度で伝送することができる。このようにして、システムの負荷が、利用できるシステム資源を効率的に利用して高速で安定した態様で制御される。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の特徴、目的、および利点は図面とともに以下に述べる詳細な記載からさらに明らかになるであろう。
【0015】
限定された資源を有する多元接続システムにおいて、逆方向リンク負荷を制御する手段は、不安定なシステムの動作を回避するために必要である。遠隔装置が複数のデータ転送速度でデータを伝送することができるシステムにおいて、逆方向リンクの負荷は、遠隔装置が伝送するデータ転送速度を調節することにより制御可能である。例えば、外部および相互の干渉のレベルが、30台の遠隔装置を所定のデータ転送速度で同時にシステムにアクセス可能なシステムにおいて、各遠隔装置が所定のデータ転送速度の1/2で伝送するなら、システムは60台の遠隔装置がシステムに同時にアクセス可能にすることができる。遠隔装置の一部が所定のデータ転送速度の1/2で伝送するなら、システムは、30と60の間の同時ユーザーの数に対応することができる。実際の動作条件下において、システムに追加された各遠隔装置は、他のシステムユーザーの各々が動作する信号品質を低減することを意味する点においてシステムの能力を穏やかに制限する。この能力はまた、遠隔装置以外の源からの干渉が時間に対して変化し、システムの負荷に著しく貢献する点において時間の関数である。負荷が最大能力を超えたなら生じるかもしれない突発故障を回避することは都合がよいので、一般にシステムオペレータは負荷を予想される能力制限の60%乃至75%の間に制限する。
【0016】
逆方向リンク上の負荷を指定されたレベルに制限するために、逆方向リンクの負荷を測定する必要がある。基地局の逆方向リンク負荷は、基地局のカバー領域内で動作している遠隔装置の関数だけではない。逆方向リンクの負荷は他の源からの干渉の関数でもある。基地局自体のフロントエンドノイズ(front end noise)は干渉の重要な源である。さらに、近くの基地局のカバー領域内で同じ周波数で動作する他の遠隔装置は重要な干渉に貢献する。この発明の譲受人に譲渡され、参照することにより、その全体がこの明細書に組み込まれる、1998年10月28日に出願した、同時係属米国出願番号09/181,345(発明の名称:「逆方向リンク過負荷検出のための方法および装置」)は負荷を決定するための手段と方法を開示する。負荷を決定する無数の方法をこの発明とともに使用することができる。
【0017】
この発明によれば、複数の遠隔装置が伝送するデータ転送速度を制御するために基地局は逆方向リンク上の負荷の手段を使用する。一般的な多元接続システムにおいて、基地局は定期的にオーバーヘッドチャネル(overhead channel)を伝送する。オーバーヘッドチャネルは複数の遠隔装置により受信される情報を運ぶ。オーバーヘッドチャネルは付近の基地局の同一性、あるサービスの利用可能性、およびシステムオペレータの同一性のようなシステム動作に関する情報を運ぶ。この発明の一実施例によれば、標準のオーバーヘッド情報に加えて、基地局は伝送速度設定点も伝送する。遠隔装置はオーバーヘッドチャネルから設定点情報を検索し、それを用いて伝送する速度を決定する。
【0018】
一実施例において、伝送速度設定点は、最大伝送データ転送速度並びに通過確率の観点から定義される。最大伝送速度は遠隔装置により使用するための最大逆方向リンクデータ転送速度を定義する。通過確率は、遠隔装置が所定の最大伝送速度で伝送する確率を制御するために使用される。遠隔装置はいつでも最大伝送速度より遅い速度で伝送することができる。
【0019】
システム資源の効率的使用を容易にするために、不安定なシステム動作の対応する確率から見てシステムをできるだけ能力制限の近くで動作可能にすることが都合がよい。この発明によれば、システムの負荷が最大許容負荷より下に維持される限り、伝送速度設定点はゆっくりと増加される。システムの実際の負荷が最大許容負荷を超えるなら、伝送速度設定点は減少する。
【0020】
一実施例において、システムの負荷が最大許容負荷を下回っている限り、通過確率はゆっくり増加する。通過確率が1を超えると、最大伝送データ転送速度は次の高次の利用可能なレベルに増加し、通過確率は減少する。このようにして、伝送速度設定点は、負荷が最大許容負荷に到達するまでゆっくりと増加する。利用可能なシステム資源がすべての遠隔装置の必要性をサポートするのに十分であるならば、伝送速度設定点は、通過確率が1に等しくなるまで増加し、最大伝送速度は最も高いデータ転送速度に等しい。利用可能なシステム資源が、各遠隔装置が所望の速度で伝送可能にするのに十分でなければ、伝送速度設定点はゆっくりと増加するので、負荷はいつかは最大許容負荷を越える。負荷が最大許容負荷を超えると、伝送速度設定点は減少する。要求が一定のままであるならば、システムは、伝送速度設定点が最大許容伝送速度設定点にほぼ等しい平衡点に到達する。例えばシステム上の要求が高いならば、最大伝送速度はフルレートの1/2に設定可能であり、通過確率は1未満になる。
【0021】
好適実施例において、最も低い可能な伝送速度設定点は最も低いデータ転送速度に等しい最大伝送速度として定義され、通過確率は1に等しくなる。それゆえ、最大の負荷条件下でさえも、接続が確率されたキャッシュ遠隔装置は1の確率で最も低い速度で伝送可能である。システムの安定性を維持するために、伝送速度設定点が最小のとき負荷が最大許容可能な負荷を超えたならば、付加的遠隔装置に対してシステムへのアクセスを拒絶する必要があるかもしれない。
【0022】
この発明による動作の1つの利点は、基地局における伝送制御プロセスが比較的容易に実現できることである。伝送速度設定点を決定するためにプロセスへの単一の入力しか使用されない。一実施例において、2つの数のみからなる伝送速度設定点は唯一の出力である。遠隔装置が伝送すべきデータを持つ毎に種々の遠隔装置からの散発的なアクセス要求メッセージに個々に応答する従来の手法に比べて、この発明の動作は能率的である。動作は、現在のユーザーの数又はユーザーの予想される使用法、またはあるクラス内の遠隔装置の品質のような要因に関する入力に依存しない。さらに、この動作は、遠隔装置に対して最近許可された遠隔装置へのアクセスに関する情報を記憶するための大容量のデータストレージを必要としない。
【0023】
図2は基地局動作を示すフローチャートである。動作はブロック30において開始する。ブロック32において、プロセスにおいて使用される変数は初期値に設定される。通過確率は1に設定され、伝送速度設定点を最小値に設定するために、最大伝送速度は最低データ転送速度に設定される。例示実施例において、最低データ転送速度はフルレートの1/8であるかもしれない。
【0024】
ブロック32において、ダウンレート”ΔTP”およびアップレート”δTP”は公称レベルに設定される。例示システムにおいて、ダウンレートとアップレートの値は現在の最大伝送速度に依存する。例えば、フルレートの1/8、フルレートの1/4、フルレートの1/2およびフルレートでデータが伝送可能なシステムにおいて、ΔTPの値はそれぞれ1/2、1/4、1/8および1/16である。一般的な環境においては、δTPの値は、ΔTPの値よりも小さい。例えば、記載したこのシステムにおいては、δTPの値は各データ転送速度に対してΔTPの1/16であってもよい。
【0025】
ブロック34は、負荷が最大許容負荷を超えたかどうかを判断する。そうでなければ、フローはブロック36に続き、通過確率はδTPだけ増加する。フローはブロック38に続き、通過確率が1を超えたかどうか判断する。この場合、通過確率はブロック32において1に設定され、ブロック36において、δTPの値だけ増加しているので、通過確率は1を超えており、フローはブロック40に続く。ブロック40は最大伝送速度が最高データ転送速度かどうか判断する。この例において、最大伝送データ転送速度はブロック32において最低速度に設定されたので、最大伝送データ転送速度は最高データ転送速度と等しくなく、フローはブロック42に続く。ブロック42において、最大伝送速度は次に高いデータ転送速度に設定される。例えば4つのデータ速度を持つシステムにおいて、最大伝送データ転送速度はフルレートの1/4に設定されてもよい。ブロック44において、通過確率の値は1だけ減算される。フローはブロック48に続き、次のサイクルを予想して止まることができる。
【0026】
再びブロック38に戻り、通過確率が1を超えないなら、フローは直接ブロック48に進む。ブロック40に戻り、最大伝送速度がすでに最高データ転送速度に等しければ、伝送速度設定点は最大レベルにあり、フローはブロック46に進む。ブロック46において、通過確率は1に設定される。つぎにフローはブロック48に進む。
【0027】
再びブロック34に戻り、負荷が最大許容負荷を超えているならば、フローはブロック50に進む。ブロック50において、通過確率はΔTPだけ減少し、フローはブロック52に進む。ブロック52は最大伝送速度が最低データ転送速度に等しいかどうか判断する。最大伝送速度が最低データ転送速度に等しければ、フローはブロック46に進み、通過確率は1に設定される。最大伝送速度が最低データ転送速度に等しくなければ、フローはブロック54に進む。ブロック54は通過確率が0以下であるかどうか判断する。もしそうなら、ブロック56において、最大伝送速度は次に低いデータ転送速度に設定され、フローはブロック58に続く。ブロック58は最大伝送データ転送速度が最低データ転送速度に等しいかどうか判断する。もしそうなら、フローはブロック46に進み、通過確率が1に設定される。そうでなければ、フローはブロック60に進み、通過確率は1だけ増加する。いずれの場合にも、フローはブロック48に進む。
【0028】
遠隔装置内の動作は、各伝送前のアクセス要求メッセージの発生に比べて簡単化される。この発明によれば、遠隔装置は所望の伝送速度を選択する。所望のデータ転送速度を決定するための無数の基準および方法はこの発明とともに使用することができる。例えば、所望のデータ転送速度の決定は、伝送のためにキューイング(queuing)されたデータの量、より高いデータ転送速度に専念することのできる利用可能な伝送電力、ユーザーにより要求されるサービスのクラスまたは伝送に相関する緊急のレベルを考慮することが出来る。所望のデータ転送速度に関するさらなる情報は、この発明の譲受人に譲渡された、1997年4月8に出願された同時係属米国特許出願番号08/835,632に開示されている。所望のデータ転送速度が基地局から受信した最大伝送速度未満であるかぎり、遠隔装置は所望のデータ転送速度で伝送する。所望の速度が最大伝送速度に等しいかまたは越えている場合、遠隔装置は通過確率に等しい確率で最大伝送速度で伝送する。遠隔装置が最大伝送速度で伝送しないなら、次に低い速度で伝送する。このようにして、一般的な場合、最大伝送速度またはそれ以上で伝送を希望する同じクラスの遠隔装置の数に比べた最大伝送速度で伝送するユーザーの数の比は平均して通過確率に等しい。
【0029】
遠隔装置が1つ以上の基地局とソフトハンドオフ状態にあるとき、遠隔装置は1つ以上の基地局から伝送速度設定点を受信することができる。遠隔装置はソフトハンドオフ状態にある基地局のいずれか1つから受信した最低伝送速度設定点を使用することができる。最低速度設定点は、最低最大速度を指定する伝送速度設定点又は最大伝送速度が等しければ、最低通過確率を有する伝送速度設定点を選択することにより決定することができる。あるいは、遠隔装置は最高速度設定点を使用することができる。または遠隔装置は2つの伝送速度設定点を平均または結合することができる。
【0030】
図3は例示遠隔装置動作を示すフローチャートである。フローはブロック70で開始する。ブロック72において、遠隔装置は所望のデータ転送速度を決定する。所望のデータ転送速度が決定されると、フローはブロック74に続く。ブロック74は所望のデータ転送速度が最も最近に受信した最大伝送データ転送速度より低いかどうか判断する。上述したように、遠隔装置は伝送速度設定点の現在の値のためのオーバーヘッドチャネルを監視することができる。所望のデータ転送速度が最大伝送速度より低ければ、遠隔装置はブロック82において伝送データ転送速度を所望のデータ転送速度に設定することができる。ブロック86において、システムは丁度決定された伝送速度を新しい値が決定されるまで使用する。所望のデータ転送速度が最大伝送速度を越えているか等しいならフローはブロック74からブロック76に進む。ブロック76において、遠隔装置は、乱数を発生する。好適実施例において、乱数は0.00および0.99の間の値を取る。ブロック78は乱数が最も最近に受信した通過確率未満かどうか判断する。もしそうなら、伝送速度はブロック80において、最大伝送速度に設定される。そうでなければ、伝送速度はブロック84において、最大伝送速度から落ちる次に低い伝送速度に設定される。いずれの場合にも、フローはブロック86に続く。
【0031】
この発明によれば、遠隔装置からのデータの伝送はブロック80、82または84において設定された伝送速度で生じる。このようにして、逆方向リンク能力はアクセスリクエストメッセージの伝送に伴って消費されない。さらに、逆方向リンクデータの伝送はアクセスリクエストプロセスにより遅延されない。
【0032】
この発明の1つの利点は、システムの動作を制御するためにシステム管理責任者に柔軟性を与えることである。例えば、システムの負荷が増大すると、不安定なシステム動作の確率も増加する。従って、不安定なシステム動作の確率は最大許容負荷の値に依存する。システムオペレータは最大許容負荷値を単に変更することにより、現在の基準を満足させるために平均能力を犠牲にして悲劇的なシステム故障の確率を制御する。さらに、システムオペレータが、ある遠隔装置が伝送速度設定点により課せられた制約害伝送することを許可される高優先度ユーザーになることを可能にすることを希望するなら、システムオペレータはアクセス制御プロセスに何らの変更なしにそのようにすることができる。そのような場合、システムの伝送速度設定点は、これらのユーザーを補償するためにプロセスの自然な動作により下げられる。例えば好適ユーザーはいつでもフルレートまたは1の通過確率を有する最大伝送速度でシステムにアクセスすることができ、それによりシステムへの負荷を増加させる。この発明優先順位の低い装置の伝送速度設定点を低くすることによりその条件を補償し、かつ優先度の高いユーザーがシステムに存在するかどうかの知識なくしてそのようにする。さらにシステム管理責任者はシステムの動作の性格を変更するためにΔTPおよびδTPの値を制御することができる。
【0033】
図4はこの発明の使用を含む例示無線システムを示すブロック図である。システムは基地局114と遠隔装置100から構成される。基地局14はその対応するカバー領域に極めて接近して位置することができ、基地局14内の部品のいくつかは遠く離れて位置してよい。基地局114はアンテナ116を介して無線リンク信号を受信する。受信器118は無線リンク信号をデジタルビットストリームに変換するために使用される。さらに、受信器118は、システムの現在の負荷を決定するために使用される負荷決定プロセスユニット120に出力を供給する。負荷決定プロセスユニット120の出力は、この発明の中核機能の多くを供給するアクセス制御プロセスユニット122に渡す。例えば、アクセス制御プロセスユニット122は図2において例示したステップを実行する複数のプロセスから構成することができる。アクセスプロセスユニット122の出力はコントローラ126に渡される伝送速度設定点である。コントローラ126は基地局の一般的動作を監視することができる。一実施例において、コントローラ126は伝送速度設定点をオーバーヘッドメッセージに組み込み、それを送信器124に渡す。送信器124は無線リンク信号を作り、それをアンテナ116に渡し、無線リンクを介して、遠隔装置100を含む複数の遠隔装置に伝送する。
【0034】
一般に、遠隔装置100は、デジタル情報を出力する何らかの種類の端末であってもよいし、端末に接続されてもよい。例えば、遠隔装置100は、パーソナルノートブックコンピュータ、プリンタ、テスト機器、サーバー、ダムターミナル(dumb terminal)、または多種の他の機器であってもよいし、これらの機器に接続されていてもよい。遠隔装置100は遠隔装置100の動作を監視することができるコントローラ102を含む。図4に示す実施例において、コントローラ102は、別個に収容される装置からデジタルデータを受信する。コントローラはまた、アンテナ110を介して受信した無線リンク信号から作られた受信器104からのデータも受信する。コントローラ102は受信器104から受信したデータから伝送速度設定点を抽出し、それを速度決定プロセス装置106に渡す。速度決定プロセス装置106は現在の伝送速度を決定する。例えば、速度決定プロセス装置106は図3に示す機能を実行する一連のプロセスを持つことができる。現在の伝送速度は、アンテナ110を介して基地局114にデータを伝送するために送信器108により使用される。
【0035】
この発明に一致する無数の代替実施例は当業者に容易に認識できるであろう。例えば、図2を参照すると、ブロック44において通過確率の値から1を減算するかわりに、通過確率は0または小さい数に設定可能である。同様に、ブロック60において、通過確率の値の1を加算するかわりに、通過確率を1に設定するかまたは1に近い値に設定することができる。上に示す例において、動作は4つの異なるデータ転送速度を含んだ。より大きな数またはより少ない数のデータ転送速度をこの発明に一致して使用することができる。ここに記載した記述はデジタルシステムに言及したが、この原理は、音声システムを含む多数の可変速度システムに直接適用可能である。
【0036】
上に示した例示実施例において、ΔTPとδTPの値は最大伝送速度に依存する。他の実施例において、それらの値は動作の全体に渡って固定にすることができるし、あるいはその他の変数に依存することもできる。オーバーヘッドチャネルの使用はシステムに効率を与えるけれども、伝送速度設定点はこの発明に一致する専用チャネル上で遠隔装置に通信することができる。
【0037】
通過確率はいろいろな形式の1つを採用することができる。上に示した例において、通過確率は、遠隔装置が最大伝送速度で伝送する確率を反映する。あるいは、通過確率は、最大伝送速度より下の次に低い速度で遠隔装置が伝送する確率を反映することもできるであろう。通過確率の制限を課するために、上の例は乱数発生を使用した。制限を課するために、無数の他の良く知られたおよび後に開発された機構を使用することができる。
【0038】
この発明は、その精神または必須の特性から逸脱することなく他の特定の形態で具現化することができる。記載した実施例は全ての点で例示に過ぎず制限するものではないと考えるべきであり、それゆえ、この発明の範囲は、上述した記述よりも、添付したクレームにより示される。クレームの均等物の意味および範囲内に入る全ての変更はその範囲内であると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は地上無線通信システムの例示実施例である。
【図2】 図2は基地局動作を示すフローチャートである。
【図3】 図3は例示遠隔装置動作を示すフローチャートである。
【図4】 図4はこの発明の使用を含む例示無線システムのブロック図である。
Claims (5)
- システムへのアクセスを制御する方法において、
上限に関連して現在のシステム使用法を反映する負荷表示を受信手段により受信することと、
前記負荷表示が許容限界未満であるならば前記システムへのアクセスを調節するために使用される送信レートセットポイントを送信レートセットポイント増加手段により増加することと、
前記負荷表示が許容限界より大きいなら前記送信レートセットポイントを送信レートポイント減少手段により減少することと、
を備え、
前記送信レートセットポイントは最大送信レートおよび送信確率から構成され、
前記送信レートセットポイントを増加する工程は、前記送信確率を第1の量だけ増加する工程を備え、前記送信レートセットポイントを減少する工程は前記送信確率を第2の量だけ減少する工程を備え、
前記第1の量は前記第2の量よりも小さく、
前記送信レートセットポイントを増加する工程は、前記送信確率が1を超えたなら前記最大送信レートを増加する工程を備え、
前記送信レートセットポイントを減少する工程は前記送信確率がゼロを下回るなら前記最大送信レートを減少する工程を備えた、方法。 - 前記送信レートセットポイントをオーバーヘッドチャネルを介してブロードキャスト手段によりブロードキャストする工程をさらに備えた、請求項1の方法。
- 前記第1および第2の量は前記最大送信レートに依存する、請求項1の方法。
- 2以上のレートでデータを送信することができる複数のユーザーから信号を受信するように適合された受信機と、
前記受信機と接続されシステム負荷の表示を発生する負荷決定ユニットと、
前記システム負荷の表示を受信し前記複数のユーザーに送信するための送信レートセットポイントを発生するアクセス制御プロセスと、
を備え、
前記アクセス制御プロセスは、前記負荷が許容レベルを下回るなら前記送信確率を増加し、前記送信確率が1を超えるなら前記最大送信レートを次に高い送信レートに増加するプロセスを備えるとともに、前記負荷が許容レベルを超えるなら前記送信確率を減少し、前記送信確率がゼロを下回るなら前記最大送信レートを次に低いレートに減少するプロセスを備えた、アクセス制御装置。 - 前記アクセス制御プロセスは、最大送信レートおよび送信確率を決定することにより前記送信レートセットポイントを発生するプロセスを備えた、請求項4のアクセス制御装置。
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