JP4485664B2

JP4485664B2 - Fabric structure

Info

Publication number: JP4485664B2
Application number: JP2000229710A
Authority: JP
Inventors: 明治村岡
Original assignee: Asahi Kasei Fibers Corp
Current assignee: Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date: 2000-07-28
Filing date: 2000-07-28
Publication date: 2010-06-23
Anticipated expiration: 2020-07-28
Also published as: JP2002038374A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は布帛構造体に関し、詳しくは柔軟で、優れた難燃性能を有し、電子組立部品や家電製品の材料として好適な布帛構造体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、人工スエード状物のような柔軟な布帛構造体の難燃加工技術として、例えば、特公昭６０−４３０６号、特開平５−３０２２７３号には布帛に難燃剤を塗布する技術が開示されているが、いずれも難燃剤をバックコートすることを基本として、塗布率で１２％程度付着させたものである。これらは対象とする用途が車、航空機、船舶などで、乗り物の座席シートでの難燃性能の追求を主としたものであることから、風合いは極めて粗硬で、特に表裏の感触差が激しく、繊細さが要求される上記電子組立部品や家電製品の部品としては通用するものではなかった。
【０００３】
又、これら従来技術は人工スエードを構成するウレタンが湿式凝固からなるものを主体とし、多くは発泡構造を有しており内部に空気を含むため、燃えやすく、難燃剤は比較的多く付着させる必要があり、風合いとの悪循環を絶つことが困難であった。更に、バックコートする難燃剤の粘度が変動すると表層まで浸透することもあり、表面の起毛層を覆うことになり優美な立毛が台無しになるなどの問題もあった。
【０００４】
近年、熱可塑性合成繊維布帛にポリウレタンを含浸した人工スエード状物は、衣料のみならず、家具、カーシートからカーテンなどのインテリア材料に至るまで広く使用され発展してきた。また特異な分野としては、電子組立部品や家電製品の分野で、人工スエードを構成する極細繊維の非常にソフトなタッチと風合い、ポリウレタンとの複合による摩耗性などの耐久物性の良さが評価され、生産量の拡大につながっている。例えば、コンパクトディスク（ＣＤ）やディジタルビデオディスク（ＤＶＤ）などのディスクを挿入する方式にスロットインタイプを採用している電気製品のディスク挿入口のカバーなどは、上述のような人工スエードの特性からＣＤ、ＤＶＤを傷つけることもなく、しかも耐久性があるので、最適な用途の一つとして成長しつつある。
【０００５】
従来、このような分野においては、ハードを構成する合成樹脂に対してはＵＬ規格などで高い難燃性能が要求されているものの、一部品である人工スエードまで難燃性能を要求されることは非常に少なかった。ところが、近年、製品がコンパクト化するこれらの分野において、組立製品の蓄熱により発火の危険性もあることから、製品の安全を確保する上で、一部品である人工スエードの難燃化要求は急速に高まりつつある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、例えば人工スエードの特徴であるソフトな風合いと高級品位を保持しつつ、高度の難燃性能と制電性能を併せ持った布帛構造体を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
（１）３〜３０ｗｔ％のポリウレタンを含浸してなる熱可塑性合成繊維布帛に、（Ａ）有機リン系難燃剤と、（Ｂ）酸性リン酸エステル、リン酸及びリン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の制電剤との混合物を含浸付与してなる布帛構造体であって、有機リン系難燃剤は、ポリリン酸カルバメート、リン酸グアニジン・ホルマリン縮合物およびリン酸グアニジンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であり、有機リン酸系難燃剤に対する制電剤の混合比率は固形分比率で５〜１５ｗｔ％で、前記布帛構造体における混合物の付着率が５〜２０ｗｔ％であることを特徴とする布帛構造体。
（２）ポリウレタンが水性ウレタンであることを特徴とする（１）記載の布帛構造体。
（３）（１）または（２）記載の布帛構造体を用いたディスク挿入口カバー。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する熱可塑性構成繊維布帛としては、公知の各種熱可塑性合成繊維布帛、特にその表面を起毛しポリウレタンを含浸したものを挙げることが出来る。望ましい合成繊維としては、０．６ｄｔ以下の極細繊維からなるポリエステルを素材としたものが、融解温度も高く、素材そのものが容易に着火しない特性などから望ましい。
布帛構造としては、湿式不織布構造体、乾式不織布構造体を問わず、又、内層部に織編物を挿入した三層構造体でも構わない。低目付領域でも安定した強度物性と寸法安定性の点で織物を挿入した不織布構造体が望ましい。
【０００９】
上記布帛に対するポリウレタンの付着率は３〜３０ｗｔ％、より好ましくは５〜２５ｗｔ％である。ウレタンの付着状態が実質的に非発泡構造であることにより、本発明の効果をより一層高めることができる。非発泡構造を達成するには、水性ウレタンを用いた乾式凝固法、芒硝などの中性塩を用いた感熱ゲル化法等をとればよい。
溶剤系のウレタンは湿式凝固されることが多く、程度の違いはあるにせよ一般的には発泡状態で凝固するため、乾式法に比べればウレタン樹脂内での空気の包含が多く、難燃性能を追求する上では不利である。なお、溶剤系のウレタンでも乾式凝固したものは非発泡で本発明の課題の達成は可能である。
【００１０】
ウレタンの含有率は少ない方が難燃性能を出しやすいが、３ｗｔ％未満では布帛がファブリックライクで人工皮革としては充実した風合いに欠けるだけでなく、機械的強度物性も弱くなる。また３０ｗｔ％を超えると繊維交点に作用するウレタンのバインド力で風合いが硬化し、本発明の課題の達成が出来ない。
本発明の更なる特徴は、有機リン系難燃剤と、酸性リン酸エステル、リン酸及びリン酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の制電剤との混合物を布帛に付与することにある。
【００１１】
これら混合物は水溶液として上記布帛の染色乾燥物に好ましくは最終仕上げ工程として付与される。付与方法としては、浸積法が最も簡単で且つ工業的に管理も安定するので好ましい。なお、有機リン系難燃剤の水溶液のみでは、染色乾燥物内への浸透が不十分で均一含浸が困難であり、また難燃性に関するＵＬ規格を満たすためには、該水溶液の濃度を７０ｗｔ％以上の高濃度にする必要があり、特徴とするソフト風合いの実現には程遠い状態となり、加工コストも上がってくる。難燃剤の浸透斑を解決し、難燃性能とソフト風合いを両立させるために、リン酸、酸性リン酸エステル及びリン酸塩からなる群より選ばれた制電剤を有機リン系難燃剤と併用すると、該制電剤は本来界面活性剤であるため、浸透剤としての作用があり、且つ分子中のリンの作用で難燃性能の引き上げにもつながり、また難燃剤のように風合いを阻害するようなこともない。従って、難燃剤そのものの使用量が５０ｗｔ％以下の少ない水溶液濃度においても、ＵＬ規格を満たすだけの十分な難燃性能が得られ、しかもソフトな風合いが同時に達成されることになる。
【００１２】
本発明布帛構造体の制電剤としての作用は絶大で、人工スエード状物としたときの制電性能の飛躍的な向上につながり、電子組立部品や家電製品組立時に発生した静電気による素材そのものによる塵埃の持ち込みや、組立製品使用時の静電気による塵埃の付着によるトラブルの解消につながる。
難燃剤に対する該制電剤の混合比率は固形分比率で５〜１５％が好ましく、より好ましい範囲は７〜１２％である。該制電剤の混合比率が５％未満では難燃剤の均一浸透効果が妨げられ、１５％を超えると、難燃剤そのものの難燃性能が十分発揮されないだけでなく、界面活性剤として制電剤の影響が大きく現れ、染色堅牢度の低下や表面タッチのベトツキという新たな問題も発生する。
【００１３】
本発明に用いる有機リン系難燃剤としては、一般的に、ブロモ又はクロロアルキル又はアルケニル、ホスフェート、脂肪族ホスホン酸エステル、アルキル酸性リン酸エステル、モノハロゲン化アルキル酸性リン酸エステル、テトラキスハイドロキシメチルホスホニウムの塩、メチロールリン酸グアニル尿素、ジメチロールリン酸グアニル尿素、などがあるが、好ましい有機リン系難燃剤としては、ポリリン酸カルバメート、リン酸グアニジンホルマリン縮合物、リン酸グアニジンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有する難燃剤があげられる。これら化合物は、通常、有効成分２０〜６０ｗｔ％の水系分散剤として製造される。
【００１４】
制電剤としての、酸性リン酸エステル、リン酸、及びその塩としては、例えばモノ／ジメチルホスフェート、モノ／ジエチルホスフェート、モノ／ジプロピルホスフェート、モノ／ジイソプロピルホスフェート、モノ／ジｎ−ブチルホスフェート、モノ／ジイソブチルホスフェート、モノ／ジラウリルホスフェートなど、及びこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアミンなどの塩が挙げられ、これらのうち、モノ／ジプロピルホスフェート、モノ／ジイソプロピルホスフェート、モノ／ジｎーブチルホスフェート、モノ／ジイソブチルホスフェート、のナトリウム、又はカリウム塩が好適に用いられる。
リン酸塩としては、例えば、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸水素二カリウムなどが挙げられ、これらの内リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムが好適に用いられる。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例により説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。尚、実施例中、特に断りのない限り％は重量（ｗｔ）％である。実施例の説明中に用いられる評価方法は下記の通りである。

【００１６】
実施例１
直接紡糸法によって単繊維繊度０．１２ｄｔのポリエステル繊維を製造し、長さ５ｍｍに切断した短繊維を水中に分散させ、抄造法で目付５０ｇ／ｍ²のシートを製造した。このシートを２枚積層した後、その中心に目付５５ｇ／ｍ²のポリエステル繊維からなる平織物を挿入した後、柱状流処理し、３次元交絡した不織布布帛を製造した。
【００１７】
この不織布布帛を＃４００のサンドペーパーでバフした後、水系ポリウレタン樹脂エマルジョン（非イオン系強制乳化型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂日華化学社製エバファノールＡＰ１２）を、含浸処理し１５０℃で乾燥した。この人工スエード原反を分散染料で染色した後、還元洗浄しテンター乾燥機にて１１０℃で乾燥した。この染色反に、リン酸グアニジンを主体（日華化学社製、商品名ニッカファイノンＰ−２０５）とした有機リン系難燃剤を固形分濃度１２％、およびモノ／ジｎーブチルホスフェートナトリウム塩を主体（日華化学社製、商品名デートロンＮ）とした制電剤を固形分濃度１％で混合し（制電剤の固形分混合比率７．７％）バス内を通過、浸積含浸しマングルにて８０％の絞り率で絞り、テンターにて乾燥して０．４０ｍｍの製品厚みで仕上げた。この製品における付着させた難燃剤と制電剤の混合物の付着率は１０％であった。
【００１８】
実施例２
実施例１と同様な設計で不織布布帛を作り、実施例１の水性ウレタン水溶液に芒硝を５％添加し感熱ゲル化させた人工スエード原反を製造した。芒硝を抽出した後のポリウレタンの付着率は１０％であった。
実施例１と同様に染色加工した後の乾燥品に、ポリリン酸カルバメートを主体とする有機リン系難燃剤（日華化学社製、商品名ニッカファイノンＰ−７２）を固形分濃度２０％、およびモノ／ジｎーブチルホスフェートナトリウム塩を主体とした制電剤（日華化学社製、商品名デートロンＮ）を固形分濃度２％で混合し（制電剤の固形分比率９．１％）バス内にて絞り率８０％で絞りテンターで乾燥仕上げした。この時の難燃剤と制電剤混合物の付着率は１２％であった。
実施例１および２の結果を表１および２に示す。表１および２より、本実施例にかかる水性組成物を付与した人工スエード状物は非常に優れた難燃性能だけでなく、ソフトな風合いがバランスしたものであることが判る。
【００１９】
【表１】

【００２０】
【表２】

【００２１】
【発明の効果】
本発明の布帛構造体は、従来の人工スエード状物では果たせなかった、難燃性能とソフトな風合いがうまくバランスし、しかも制電性能も優れたものであることから、電子、家電、車載分野等といった今後一層の発展が期待出来る分野への拡大展開に大きく貢献しうるものである。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a fabric structure, and more particularly, to a fabric structure that is flexible and has excellent flame retardancy and is suitable as a material for electronic assembly parts and home appliances.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a flame retardant processing technique for a flexible fabric structure such as an artificial suede-like material, for example, Japanese Patent Publication No. 60-4306 and Japanese Patent Laid-Open No. 5-302273 disclose a technique for applying a flame retardant to a fabric. However, in any case, the coating rate is about 12% based on the back coating of the flame retardant. These are intended for vehicles, airplanes, ships, etc., and are mainly pursuing flame retardant performance in vehicle seat seats, so the texture is extremely coarse, and the difference between the front and back is particularly severe. However, it has not been used as the above-mentioned electronic assembly parts and parts of household electrical appliances that require delicateness.
[0003]
In addition, these conventional technologies are mainly composed of wet-coagulated urethane that constitutes artificial suede, and many of them have a foamed structure and contain air inside, so they are flammable and require a relatively large amount of flame retardant to adhere. It was difficult to break the vicious circle with the texture. Further, when the viscosity of the flame retardant to be back coated fluctuates, it may penetrate into the surface layer, covering the raised layer on the surface and ruining the fine napping.
[0004]
In recent years, artificial suede-like materials in which polyurethane is impregnated with a thermoplastic synthetic fiber fabric have been widely used and developed not only for clothing but also for interior materials such as furniture and car seats to curtains. In addition, as a unique field, in the field of electronic assembly parts and household appliances, the excellent softness and texture of the ultrafine fibers that make up artificial suede, and the excellent durability properties such as wear due to the combination with polyurethane, are evaluated. This has led to increased production. For example, the cover of a disk insertion slot of an electrical product that adopts a slot-in type for inserting a disk such as a compact disk (CD) or a digital video disk (DVD) is based on the above-mentioned characteristics of artificial suede. It is growing as one of the most suitable uses because it does not damage CDs and DVDs and is durable.
[0005]
Conventionally, in such a field, although high flame retardancy performance is required for the synthetic resin constituting the hardware by the UL standard etc., flame retardance performance is required even for artificial suede which is one part. Very few. However, in recent years, in these fields where products are becoming more compact, there is a risk of ignition due to heat storage of assembled products, so in order to ensure the safety of products, the demand for flame retardant of artificial suede, which is a single component, is rapidly increasing. It is growing.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a fabric structure having both high flame retardance performance and antistatic performance while maintaining the soft texture and high-grade quality that are the characteristics of artificial suede, for example.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention claimed in the present application is as follows.
(1) A thermoplastic synthetic fiber fabric impregnated with 3 to 30 wt% polyurethane is selected from the group consisting of (A) an organic phosphorus flame retardant and (B) an acidic phosphate ester, phosphoric acid and phosphate. A fabric structure obtained by impregnating a mixture with at least one kind of antistatic agent, wherein the organophosphorus flame retardant is selected from the group consisting of carbamate polyphosphate, guanidine phosphate / formalin condensate, and guanidine phosphate. The mixture ratio of the antistatic agent to the organic phosphate flame retardant is 5 to 15 wt% in solid content, and the adhesion ratio of the mixture in the fabric structure is 5 to 20 wt%. The fabric structure characterized by the above-mentioned .
(2) The fabric structure according to (1), wherein the polyurethane is an aqueous urethane .
(3) A disc insertion slot cover using the fabric structure according to ( 1) or (2).
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of the thermoplastic constituent fiber fabric used in the present invention include various known thermoplastic synthetic fiber fabrics, particularly those whose surfaces are raised and impregnated with polyurethane. As a desirable synthetic fiber, a material made of polyester composed of ultrafine fibers of 0.6 dt or less is desirable because it has a high melting temperature and does not easily ignite the material itself.
The fabric structure may be a wet nonwoven fabric structure or a dry nonwoven fabric structure, or a three-layer structure in which a woven or knitted fabric is inserted into the inner layer portion. A nonwoven fabric structure in which a woven fabric is inserted is desirable from the viewpoint of stable strength properties and dimensional stability even in a low basis weight region.
[0009]
The adhesion rate of polyurethane to the fabric is 3 to 30 wt%, more preferably 5 to 25 wt%. The effect of the present invention can be further enhanced by the urethane adhesion state being substantially a non-foamed structure. In order to achieve a non-foamed structure, a dry coagulation method using aqueous urethane, a heat-sensitive gelation method using a neutral salt such as mirabilite, or the like may be used.
Solvent-based urethane is often solidified wet, and in general, it is solidified in a foamed state, although there is a difference in degree. It is disadvantageous in pursuing. Note that the solvent-based urethane, which is dry-solidified, is non-foamed and can achieve the object of the present invention.
[0010]
If the content of urethane is small, flame retardancy is likely to be obtained. However, if the content is less than 3 wt%, the fabric is fabric-like and lacks a solid texture as an artificial leather, and the mechanical strength properties are also weakened. On the other hand, if it exceeds 30 wt%, the texture is cured by the binding force of urethane acting on the fiber intersection, and the object of the present invention cannot be achieved.
A further feature of the present invention is to impart to the fabric a mixture of an organophosphorous flame retardant and at least one antistatic agent selected from the group consisting of acidic phosphoric acid esters, phosphoric acid and phosphates. .
[0011]
These mixtures are preferably applied as an aqueous solution to the dried dyed product of the fabric as a final finishing step. As the application method, the immersion method is the simplest and preferable because it is industrially stable. It should be noted that the aqueous solution of the organic phosphorus flame retardant alone is not sufficiently penetrated into the dyed dried product and is difficult to uniformly impregnate. In order to satisfy the UL standard for flame retardancy, the concentration of the aqueous solution is 70 wt%. It is necessary to make the concentration higher than the above, and it is far from realizing the characteristic soft texture, and the processing cost also increases. In order to solve the penetration spots of the flame retardant and to achieve both flame retardancy and soft texture, an antistatic agent selected from the group consisting of phosphoric acid, acidic phosphate ester and phosphate is used in combination with the organic phosphorus flame retardant Then, since the antistatic agent is essentially a surfactant, it has an action as a penetrating agent, and also increases the flame retardant performance by the action of phosphorus in the molecule, and also inhibits the texture like a flame retardant. There is no such thing. Accordingly, even when the amount of the flame retardant itself used is as low as 50 wt% or less, sufficient flame retardancy sufficient to satisfy the UL standard can be obtained, and a soft texture can be achieved at the same time.
[0012]
The effect of the fabric structure of the present invention as an antistatic agent is tremendous, leading to a dramatic improvement in antistatic performance when an artificial suede-like material is used, and due to the material itself due to static electricity generated during assembly of electronic assembly parts and home appliances. This will help eliminate troubles caused by the dust and the static electricity when using assembled products.
The mixing ratio of the antistatic agent to the flame retardant is preferably 5 to 15% in terms of solid content, and more preferably 7 to 12%. When the mixing ratio of the antistatic agent is less than 5%, the uniform penetration effect of the flame retardant is hindered, and when it exceeds 15%, the flame retardant performance of the flame retardant itself is not sufficiently exhibited, and the antistatic agent as a surfactant is used. As a result, new problems such as a decrease in dyeing fastness and stickiness of the surface touch occur.
[0013]
The organic phosphorus flame retardant used in the present invention is generally bromo or chloroalkyl or alkenyl, phosphate, aliphatic phosphonate, alkyl acid phosphate, monohalogenated alkyl acid phosphate, tetrakishydroxymethylphosphonium. Salt, methylol phosphate guanylurea, dimethylol phosphate guanylurea, etc., but preferred organic phosphorus flame retardant is selected from the group consisting of polyphosphate carbamate, phosphate guanidine formalin condensate, and guanidine phosphate. And flame retardants containing at least one compound. These compounds are usually produced as aqueous dispersants having an active ingredient content of 20 to 60 wt%.
[0014]
Acid phosphates, phosphoric acid, and salts thereof as antistatic agents include, for example, mono / dimethyl phosphate, mono / diethyl phosphate, mono / dipropyl phosphate, mono / diisopropyl phosphate, mono / di n-butyl phosphate, Mono / diisobutyl phosphate, mono / dilauryl phosphate and the like, and salts thereof such as sodium, potassium, ammonium, alkylamine, etc., of which mono / dipropyl phosphate, mono / diisopropyl phosphate, mono / di-n- The sodium or potassium salt of butyl phosphate, mono / diisobutyl phosphate is preferably used.
Examples of the phosphate include monosodium dihydrogen phosphate, disodium hydrogen phosphate, monopotassium dihydrogen phosphate, dipotassium hydrogen phosphate, and the like. Among these, disodium hydrogen phosphate, hydrogen phosphate Dipotassium is preferably used.
[0015]
【Example】
The invention will now be illustrated by the following examples, which are not intended to limit the scope of the invention. In the examples, unless otherwise specified,% is weight (wt)%. The evaluation methods used in the description of the examples are as follows.

[0016]
Example 1
A polyester fiber having a single fiber fineness of 0.12 dt was produced by a direct spinning method, short fibers cut to a length of 5 mm were dispersed in water, and a sheet having a basis weight of 50 g / m ² was produced by a papermaking method. After laminating two sheets, a plain fabric made of polyester fibers having a basis weight of 55 g / m ² was inserted into the center, and then a columnar flow treatment was performed to produce a three-dimensional entangled nonwoven fabric.
[0017]
After buffing this nonwoven fabric with # 400 sandpaper, an aqueous polyurethane resin emulsion (nonionic forced emulsification type polyether polyurethane resin, Evaphanol AP12 manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd.) was impregnated and dried at 150 ° C. This artificial suede original fabric was dyed with a disperse dye, then reduced and washed, and dried at 110 ° C. with a tenter dryer. In contrast to this dyeing process, an organic phosphorus flame retardant mainly composed of guanidine phosphate (trade name: Nikkafinon P-205, manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd.) has a solid content concentration of 12%, and mono / di-n-butyl phosphate sodium salt. Antistatic agent mainly composed of (product name: Daytron N, manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd.) is mixed at a solid content concentration of 1% (solid content mixing ratio of antistatic agent is 7.7%). Then, it was squeezed at 80% with a mangle and dried with a tenter to finish with a product thickness of 0.40 mm. The adhesion rate of the mixture of flame retardant and antistatic agent deposited in this product was 10%.
[0018]
Example 2
A non-woven fabric was made with the same design as in Example 1, and an artificial suede original fabric was produced by adding 5% of sodium sulfate to the aqueous urethane aqueous solution of Example 1 to make it heat-sensitive gel. The polyurethane adhesion rate after extraction of mirabilite was 10%.
An organic phosphorus flame retardant mainly composed of carbamate polyphosphate (manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd., trade name Nikkafinon P-72) was added to the dried product after dyeing and processing in the same manner as in Example 1. And an antistatic agent mainly composed of mono / di-n-butyl phosphate sodium salt (trade name Daytron N, manufactured by Nikka Chemical Co., Ltd.) at a solid content concentration of 2% (solid content ratio of antistatic agent is 9.1%) ) Drying finished with a drawing tenter at a drawing rate of 80% in the bath. At this time, the adhesion rate of the flame retardant and antistatic agent mixture was 12%.
The results of Examples 1 and 2 are shown in Tables 1 and 2. From Tables 1 and 2, it can be seen that the artificial suede-like material to which the aqueous composition according to this example is applied has not only extremely excellent flame retardancy but also a soft texture.
[0019]
[Table 1]

[0020]
[Table 2]

[0021]
【The invention's effect】
The fabric structure of the present invention has a well-balanced flame retardant performance and soft texture, which has not been able to be achieved with conventional artificial suede-like materials, and also has excellent antistatic performance. It can greatly contribute to the expansion and development in fields where further development can be expected.

Claims

A thermoplastic synthetic fiber fabric impregnated with 3 to 30 wt% of polyurethane, at least selected from the group consisting of (A) an organic phosphorus flame retardant and (B) an acidic phosphate ester, phosphoric acid and phosphate A fabric structure obtained by impregnating a mixture with a kind of antistatic agent, wherein the organophosphorus flame retardant is selected from the group consisting of polyphosphate carbamate, phosphate guanidine / formalin condensate and guanidine phosphate It is at least one compound, and the mixing ratio of the antistatic agent to the organophosphate flame retardant is 5 to 15 wt% in solid content ratio, and the adhesion rate of the mixture in the fabric structure is 5 to 20 wt%. A fabric structure.

2. The fabric structure according to claim 1 , wherein the polyurethane is an aqueous urethane .

A disc insertion slot cover using the fabric structure according to claim 1.