JP4484290B2 - 端局をａｔｍへ直接接続するための装置と方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気通信の分野、とりわけ、交換電話網における時分割多重 (TDM)交換機を非同期転送モード (ATM)設備に直接トランク接続するための装置と方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ATM交換設備は、電気通信業者によってデータ転送用として一般的に使用されているが、公衆電話網 (PSTN)における交換機間の電話呼に関するベアラー・トラフィックを運ぶのにより頻繁に使用される。 PSTNにおいてATM設備への接続を可能にすることは、 ATM設備提供業者が顧客層を拡げることを可能にし、結果として、ATM網インフラストラクチャへの投資収益を改善するものである。ATM設備では呼のルーティングが非常に柔軟である、と云うのは、ATMによるルーティングは、現今のPSTNにおける呼ルーティングを支配するハイアラーキー構造による制約を受けないからである。その上、ATM設備は従来のTDM設備よりも比較的低いコストで所有し、運用できる。また、ATM交換機はTDM交換装置よりも所要設置面積が小さいので機械設備の維持費も少なくてすむ。
【０００３】
PSTN交換機が交換機間での呼を実現するようにATM幹線網を使用できるようにする１つの方法が、米国特許出願 第09/158,855号（1998年9月23日）“TRNSIT TRUNK SUBNETWORK SYSTEM（中継回線サブネットワーク・システム）”に記述されており、その開示内容をここで参照して取り込む。その中継回線サブネットワークは、マルチサービス・プラットフォーム (MSP；Multi-Service Platform)と称するTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェースを含む。MSPはパルス符号変調 (PCM)データをATMセルへ、また、その逆の変換を行う。MSPはまた、TDMトランクをATMの仮想チャンネル・コネクション (VCC；Virtual Channel Connection )にマップすることによって、中継回線サブネットワークにおけるTDM交換装置間のベアラー・トラフィックの転送をATMバックボーン・ネットワークを通して行うことを可能にする。
【０００４】
中継回線サブネットワークはPSTNにおける輻輳対策として形成されてきた、と云うのは、中継回線サブネットワークにおいてはTDM交換装置間の通信ルート設定がATMバックボーン・ネットワークを通して行えるからである。中継回線サブネットワークは又、ベアラー・トラフィックの効率的使用を保証するために、応答的予測的にVCCの割付をコントロールすることで動的な帯域幅管理を可能とする。 従って、 ATMバックボーン・ネットワークの設備は要求に比例した分だけしか予約されず、他のネットワークからのデータ転送などのような他の機能がネットワークの余剰能力を使えるようになる。
【０００５】
ATM設備提供業者は又、競合する地域交換通信事業者 (CLEC；Competitive Local Exchange Carrier )によるATM設備へのアクセスの需要を経験している。 ATM設備が呼に伴うベアラー・トラフィックの転送を低コストで提供するため、CLECはATM設備を彼らの運用コストを下げてより競争力のあるサービス提供を可能にする有効な代案であると見ている。 米国で最近施行された遠隔通信規則によれば、CLECがその顧客に対して地域サービスを提供するために、既存の地域交換通信事業者 (ILEC；Incumbent Local Exchange Carriers )は、ILECが所有し、かつ運用している設備のリースによるアクセスを許可しなければならない。 そのように強制された取り決めのもとでは、CLECはILECの設備にアクセスする度に料金を賦課される。 この料金は結果としてCLECの運営純益を低下させる。 そのため、 ATMバックボーン・ネットワークにPSTN交換機を最も簡単かつ低費用で統合できるように造られた機器に関心がもたれる。
【０００６】
従って、 ATMバックボーン・ネットワークにPSTN交換機を接続するために必要な部品の数が少なくて済み、それによって資本投下が少なくなるような装置が必要である。また、TDM交換装置の機械設備にATMインターフェースを組み込むための装置は、そのシステムの所要設置面積を低減させるものであることも要求される。そのような設備の統合は基本的に所要設置面積を減らし、結果的に運営経費を減らす。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の１つは、TDMをATMに直接接続する装置であって、TDM交換装置とATM設備との間の接続を簡単にし、 ATMバックボーン・ネットワークへの接続を行うために必要な部品の数を減らすような装置を提供することである。
【０００８】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークとのインターフェース装置であって、同じ目的で使われている従来のインターフェース装置よりも所要設置面積の小さな装置を提供することである。
【０００９】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェース装置であって、TDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートすることによりTDM交換装置のスイッチファブリック・インターフェースに直接接続可能な装置を提供することである。
【００１０】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェース装置であって、TDM交換装置の計算モジュール或いはメッセージ伝達システムに修正を加えることなく、その計算モジュールと対話ができる装置を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に従い、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続するために次のもので構成される装置を提供するものである。 すなわち、ATMセルをバックボーン・ネットワークへ転送し、また、ATMバックボーン・ネットワークからATMセルを受信するために１つのATMリンクへの接続ができるように作られたインターフェース、並びに、PCMデータをTDM交換装置のスイッチ本体部へ転送し、また、 TDM交換装置のスイッチ本体部からPCMデータを受信するために少なくとも１つのシリアル・リンクへ接続ができるように作られたインターフェースとして構成された装置を提供するものである。上記インターフェースはTDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートするようにも作られているので、 TDM交換装置の計算モジュールは、計算モジュール固有のトランク周辺装置と交信するためのプロトコルを使って上記インターフェースと交信ができる。
【００１２】
従って、本発明はTDM交換装置とATM設備間に、従来の技術によるインターフェースに代って簡単なインターフェース装置を提供するものである。 本発明はさらに、そのインターフェースをTDM交換装置インフラストラクチャに統合可能なものにする。このことは比較的少ない部品による簡単なインターフェースを実現し、より少ない資金でATM設備への乗り換えを可能にする。
【００１３】
本発明は又、次のようにTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続する方法を提供する。この方法は、PCMデータをATMセルへ、及びその逆の変換ができるようなインターフェースを形成するステップを含み、インターフェースがその交換機固有のメッセージ・プロトコルを使ってその交換機の計算モジュールと交信することを可能にしている。 それによって、インターフェースはTDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートする。 インターフェースはTDM交換装置のスイッチファブリック・インターフェースのシリアル・リンクに直接接続されることによって、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続することを可能にする。
【００１４】
従って、本発明はTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間の直接ATMトランク接続を提供する方法にも適する。直接ATMトランク接続をすると、 TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを接続するのに必要な構成品の数が減る。これによって、PSTNからベアラー・トラフィックを取り込むためにATM設備を使うのに要する資金が少なくてすむ。また、インターフェースはより小さな空間しか占有しないので、 TDM交換装置の機械設備の中に組み込むことが可能である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明は交換電話網におけるTDM交換装置とATM設備のインターフェースをとるための装置と方法に適したもので、TDMとATMの直接接続を可能にする。
【００１６】
図1には、ATMバックボーン・ネットワーク45へのインターフェースを備えた従来の技術によるTDM交換装置10が示されており、公衆電話網(PSTN)で発生した呼を他のTDM交換装置(図示せず)に転送するためにATMバックボーン・ネットワークに載せかえることを可能とする。TDM交換装置 10はクラス5の端局（End-Office）である。 しかし、本発明はクラス5の端局に使うインターフェースに限られるものではなく、PSTNにおける如何なるクラスのTDM交換装置にも適用できることは理解されるべきである。 TDM交換装置 10は、当業者が明らかなように、ライン側、トランク側、及び、スイッチファブリック（switch fabric）15を含んでいる。
【００１７】
TDM交換装置10のライン側はライン周辺装置(LP) ２０を内蔵し、それらは加入者線21によって加入者構内の種々の機器に接続されている。 クラス5端局のライン周辺装置は、顧客構内に設置されている例えば、電話22、ファクシミリ24、モデム26、及びそれに類した機器をサポートする。
【００１８】
TDM交換装置10のトランク側はスイッチファブリック・インターフェース 28を内蔵し、それらはパルス符号変調(PCM)データをスイッチファブリック15からトランク周辺装置 30へ、又はその逆の転送を行う。トランク周辺装置30は一般的にデジタル・トランク・コントローラ(DTC)と呼ばれている。 スイッチファブリック・インターフェース28はPCMデータの入出力を行うために、通常、高速光転送線(バス)を持っている。トランク周辺装置30は、スイッチファブリック・インターフェース28から受けるデータに対してはデマルチプレクサとして動作し、トランク32から受けるデータに対してはマルチプレクサとして動作する。 トランク周辺装置30は、スイッチファブリック・インターフェース28から光形式で受けるデータをトランク32を介して転送するための電気形式のデータに、又はその逆の変換を行う。 さらに、トランク周辺装置30は、TDM交換装置10の計算モジュール16とコントロール・メッセージを交換することによって呼データのスイッチファブリックからトランク32への経路設定、或いは、その逆の経路設定を可能にする。
【００１９】
トランク32はマルチプレクサ34に接続され、マルチプレクサはトランク32の出力を多重化し、多重化された出力を光形式に変換する。光形式の出力は光リンク38を介してMSP 40に送られる。 光リンク38は通常OC-3の速さで動作する。MSP 40はPCMデータ形式の光信号を受け、PCMデータをATMセルに変換する。ATMセルは、要求に応じて設定されるか、或いは下記出願中の特許に記述されている様にキャッシュから選ばれてSVC（交換型仮想回線）を介して転送される。これは、米国特許出願 第09/165,189号（1998年10月02日）“METHOD AND APPARATUS FOR REDUCTION OF CALL SETUP RATE IN ATM NETWORK（ ATMネットワークにおける呼設定率低減のための装置と方法）”に記述されており、その開示内容を参照して取り込む。
【００２０】
TDM交換装置10、50及び呼マネージャ55は共通信号通信（CCS）ネットワーク60を通して信号メッセージを交換する。 CCSネットワーク60は通常、SS7(Signaling System 7)方式のネットワークであり、この分野では周知の方法で呼の設定及び呼の進行を制御するのに端局間でISUP(ISDN User Part)信号メッセージを交換するものである。
【００２１】
図2は本発明の好適な実施例の概略図であり、 ATMインターフェースを物理的にTDM交換装置10の中に組み込めることを示している。 TDM交換装置10は呼に伴うベアラー・トラフィックを受け、ベアラー・トラフィックの少なくとも一部をATMバックボーン・ネットワークに接続する。この分野では周知の呼に伴うPCMデータはスイッチファブリック15を通して交換される。PCMデータはスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bを介してスイッチファブリック15から受け取られる。スイッチファブリック・インターフェースはMSP 40A及び40BのTDM物理インターフェースに直接接続される。 従って、従来はスイッチファブリック・インターフェース28A及び28BとMSP 40A及び40Bの間に存在したトランク周辺装置30(図1)及びマルチプレクサ34(図1)は消去されている。
【００２２】
図2に示すインターフェース構成を実現するために、 MSP 40A及び40Bはトランク周辺装置30(図1)をエミュレートするように造られ、そのためTDM交換装置10の計算モジュール16は新しい構成のインターフェース部品に合わせる改修を必要としない。従って、MSPは、スイッチファブリック15を通して計算モジュール16から送られてくるコントロール・メッセージを受け、計算モジュール16で使われる固有のメッセージ通信用のプロトコルによってコントロール・メッセージに応答することを可能とする必要がある。また、MSPはトランク周辺装置30のその他の機能も実行できるように構成され、計算モジュール16からは各MSPがデジタル・トランク・コントローラのようなトランク周辺装置として見える必要がある。
【００２３】
図1に示すように、計算モジュール16はトランク周辺装置30とコントロール・メッセージを授受する。これらのコントロール・メッセージはスイッチファブリックに入って来る、もしくは、出て行く呼を識別するのに用いられるとともに、出て行く呼に対してはトランク周辺装置30に繋がる適当なトランク・メンバー(Trunk members)へ経路を設定し、入って来る呼データに対してはスイッチファブリック15の適当な箇所に経路を設定する。 従って、MSP 40A及び40Bは同じコントロール・メッセージを計算モジュール16との間で授受する。 本発明によるインターフェース構成には物理的なトランクが存在しないが、計算モジュール16から見るとトランク周辺装置の動作とみられる仮想動作をMSP 40A及び40Bが実行する。スイッチファブリック15から出て行く呼に対しては、各呼を“トランク・メンバー”に繋いで経路を設定するための制御情報を計算モジュール16が用意する。“トランク・メンバー”とはスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bのシリアル・リンクにおけるチャネルのことである。 上記制御情報は、ATMバックボーン・ネットワーク45を通じて設定された仮想回線接続に“トランク・メンバー”をマップするためにMSP 40A及び40Bで使われ、呼に関するベアラー・トラフィックの転送が行われる。 ATMバックボーン・ネットワーク45からTDM交換装置10へ入って来る呼に対しては、計算モジュール16が同様に適当なMSP 40A及び40Bへ制御情報を送り、呼に関するベアラー・トラフィックを転送するために設定或いは選択された仮想回線接続を“トランク・メンバー”にマップすることを可能にする。“トランク・メンバー”は、上記と同じく、スイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bのシリアル・リンクにおけるチャネルのことである。
【００２４】
TDM交換装置10の変換テーブルを単純化するためには、 MSP 40A及び40Bの終端となる仮想トランクがTDM交換装置10から見ると１つの大きなトランク・グループとして見えるようにTDM交換装置が構成されることが好ましい。 このことは、米国特許出願 第09/203,397号（1998年12月02日） “APPARATUS AND METHOD FOR COMPLETING INTER-SWITCH CALLS USING LARGE TRUNK GROUPS（大きなトランク・グループを使って交換機間の呼を達成する装置と方法）”に詳しく記述されているので、その開示内容をここで参照して取り込む。
【００２５】
図3は、図2に示されたMSP 40A及び40Bの主要構成部を示す概略図である。 MSP 40A及び40Bはそれぞれ、制御プロセッサ70、制御バス72、TDM物理的インターフェース74、 TDM時間スイッチ76、 ATMインターフェース78、及び、複数のサービス回路80を含んでいる。 第一のインターフェース・バス82はTDM物理的インターフェース74をTDM時間スイッチ76に接続する。 第二のインターフェース・バス84はTDM時間スイッチ76をATMインターフェース78に接続する。
【００２６】
制御メッセージとTDMデータはMSP 40A及び40Bによって、それぞれのスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bを介して受け取られる。 スイッチファブリック・インターフェースの光形式出力はTDM物理的インターフェース74で電気形式に変換され、インターフェース・バス82を介してTDM時間スイッチ76へ送られる。 制御メッセージは制御バス72を介して制御プロセッサ70に繋げられる。 制御プロセッサ70は、TDM交換装置10の計算モジュール16から送られてきた制御メッセージを受け、それに応えることによってトランク周辺装置30(図1)をエミュレートする。 制御プロセッサ70はまた、 計算モジュール16から送られてきた制御メッセージに応じて、或いは、予め決められた条件を見出すことによって、この分野では周知の方法によってPCMデータの交換を制御する。それにより、PCMデータは要求通りサービス回路80のうちの１つに繋げられる。 サービス回路80は、トーン検出、トーン生成、及びエコー・キャンセラなど、技術的に周知の全ての機能を実行する。サービス回路80の何れか１つを要求するPCMデータがあれば、 TDM時間スイッチは、PCMデータをインターフェース・バス84を介してATMインターフェース78へ差し向ける前にサービス回路に向ける。TDM時間スイッチ76で実行されるデータ交換は全て制御プロセッサ70の制御下で行われる。
【００２７】
ATMインターフェース78で受け取られたPCMデータはATMバックボーン・ネットワーク45(図2)を通して転送するためのATMセルに変換される。 ATMインターフェース78は、各呼のデータに関するサービス品質(QOS)を決める。 ATMインターフェース78はまた、各ATMセルに添付する5バイトのATMセル・ヘッダーを作成する。 電話用途の場合、 ATMインターフェース78は、通常、２つのサービス品質(QOS)タイプのうちの１つを識別し、そのQOSタイプに準拠したATMセルにパックされるように適当なチャネルへデータを送る。 CBR（固定ビット・レート；Constant Bit Rate）の音声級データの場合、標準的なATM適用レイヤー・サービス 1(AAL-1)を使うPCM/ATM適応モジュール(図示せず)に接続されたチャネルにデータは繋がれる。モジュールは、その固定ビット・レート音声級データをATMペイロードに変換し、標準的な48バイトATMペイロード・セルにそのデータをロードする。 48バイト・ペイロードは、その後、5バイトのセル・ヘッダと組合わされて53バイトのATMセルとなり、シリアル・リンク・インターフェース86を通してMSPから送り出される。 VBR（可変ビット・レート；Variable Bit Rate）もしくはUBR（無規定ビット・レート；Unspecified Bit Rate）データの場合、標準的なATM適用レイヤー・サービス 5(AAL-5)を使うPCM/ATM適応モジュール(図示せず)に接続されたチャネルにデータは繋がれる。 モジュールは、そのVBR或いはUBRデータをATMペイロードに変換し、標準的な48バイトATMペイロード・セルにそのデータをロードする。 48バイト・ペイロードは、その後、5バイトのセル・ヘッダと組合わされて53バイトのATMセルとなり、シリアル・リンク・インターフェース86でMSP40A及び40Bから転送される。
【００２８】
当業者であれば、TDM交換装置10へ接続するためにATMセルをPCMデータに変換する逆のプロセスもMSPが同時に実行することに気付くであろう。 プロセスにおいては、ATMセルのペイロードはアンロードされ、光形式のPCMデータに変換され、そして、シリアル・リンク28A及び28Bへ出力される。 この技術に通じた人であれば、MSP40A及び40Bが、デジタル・トランク・コントローラをエミュレートするために必要な機能を実行するだけでなく、上記３つの米国特許出願に詳述される、ATMバックボーン・ネットワークにおける仮想チャネル・コネクションの設定及び制御に関する機能も同様に実行することを理解するであろう。
【００２９】
上記実施例における変更や改良は、当業者に明らかなことは確かである。 従って、この発明の範囲はひとえに上記の請求項により規定されるものとする。
【００３０】
【発明の効果】
この発明によるとTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来技術によるATMバックボーン・ネットワーク・インターフェースを備えた交換電話網におけるTDM交換装置の配置を示した概略図。
【図２】 TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のATMによる直接接続を実現するために用いられるインターフェースのアーキテクチャを示す概略図。
【図３】 インターフェースの内部アーキテクチャを示す概略図。
【符号の説明】
10 TDM交換装置
15 スイッチファブリック（Switch fabric）
16 計算モジュール
20 ライン周辺装置
21 加入者線
28 スイッチファブリック・インターフェース
40 マルチサービス・プラットフォーム（MSP）
45 ATMバックボーン・ネットワーク
50 TDM交換装置
【発明の属する技術分野】
本発明は電気通信の分野、とりわけ、交換電話網における時分割多重 (TDM)交換機を非同期転送モード (ATM)設備に直接トランク接続するための装置と方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ATM交換設備は、電気通信業者によってデータ転送用として一般的に使用されているが、公衆電話網 (PSTN)における交換機間の電話呼に関するベアラー・トラフィックを運ぶのにより頻繁に使用される。 PSTNにおいてATM設備への接続を可能にすることは、 ATM設備提供業者が顧客層を拡げることを可能にし、結果として、ATM網インフラストラクチャへの投資収益を改善するものである。ATM設備では呼のルーティングが非常に柔軟である、と云うのは、ATMによるルーティングは、現今のPSTNにおける呼ルーティングを支配するハイアラーキー構造による制約を受けないからである。その上、ATM設備は従来のTDM設備よりも比較的低いコストで所有し、運用できる。また、ATM交換機はTDM交換装置よりも所要設置面積が小さいので機械設備の維持費も少なくてすむ。
【０００３】
PSTN交換機が交換機間での呼を実現するようにATM幹線網を使用できるようにする１つの方法が、米国特許出願 第09/158,855号（1998年9月23日）“TRNSIT TRUNK SUBNETWORK SYSTEM（中継回線サブネットワーク・システム）”に記述されており、その開示内容をここで参照して取り込む。その中継回線サブネットワークは、マルチサービス・プラットフォーム (MSP；Multi-Service Platform)と称するTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェースを含む。MSPはパルス符号変調 (PCM)データをATMセルへ、また、その逆の変換を行う。MSPはまた、TDMトランクをATMの仮想チャンネル・コネクション (VCC；Virtual Channel Connection )にマップすることによって、中継回線サブネットワークにおけるTDM交換装置間のベアラー・トラフィックの転送をATMバックボーン・ネットワークを通して行うことを可能にする。
【０００４】
中継回線サブネットワークはPSTNにおける輻輳対策として形成されてきた、と云うのは、中継回線サブネットワークにおいてはTDM交換装置間の通信ルート設定がATMバックボーン・ネットワークを通して行えるからである。中継回線サブネットワークは又、ベアラー・トラフィックの効率的使用を保証するために、応答的予測的にVCCの割付をコントロールすることで動的な帯域幅管理を可能とする。 従って、 ATMバックボーン・ネットワークの設備は要求に比例した分だけしか予約されず、他のネットワークからのデータ転送などのような他の機能がネットワークの余剰能力を使えるようになる。
【０００５】
ATM設備提供業者は又、競合する地域交換通信事業者 (CLEC；Competitive Local Exchange Carrier )によるATM設備へのアクセスの需要を経験している。 ATM設備が呼に伴うベアラー・トラフィックの転送を低コストで提供するため、CLECはATM設備を彼らの運用コストを下げてより競争力のあるサービス提供を可能にする有効な代案であると見ている。 米国で最近施行された遠隔通信規則によれば、CLECがその顧客に対して地域サービスを提供するために、既存の地域交換通信事業者 (ILEC；Incumbent Local Exchange Carriers )は、ILECが所有し、かつ運用している設備のリースによるアクセスを許可しなければならない。 そのように強制された取り決めのもとでは、CLECはILECの設備にアクセスする度に料金を賦課される。 この料金は結果としてCLECの運営純益を低下させる。 そのため、 ATMバックボーン・ネットワークにPSTN交換機を最も簡単かつ低費用で統合できるように造られた機器に関心がもたれる。
【０００６】
従って、 ATMバックボーン・ネットワークにPSTN交換機を接続するために必要な部品の数が少なくて済み、それによって資本投下が少なくなるような装置が必要である。また、TDM交換装置の機械設備にATMインターフェースを組み込むための装置は、そのシステムの所要設置面積を低減させるものであることも要求される。そのような設備の統合は基本的に所要設置面積を減らし、結果的に運営経費を減らす。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の１つは、TDMをATMに直接接続する装置であって、TDM交換装置とATM設備との間の接続を簡単にし、 ATMバックボーン・ネットワークへの接続を行うために必要な部品の数を減らすような装置を提供することである。
【０００８】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークとのインターフェース装置であって、同じ目的で使われている従来のインターフェース装置よりも所要設置面積の小さな装置を提供することである。
【０００９】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェース装置であって、TDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートすることによりTDM交換装置のスイッチファブリック・インターフェースに直接接続可能な装置を提供することである。
【００１０】
本発明のさらなる目的は、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のインターフェース装置であって、TDM交換装置の計算モジュール或いはメッセージ伝達システムに修正を加えることなく、その計算モジュールと対話ができる装置を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に従い、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続するために次のもので構成される装置を提供するものである。 すなわち、ATMセルをバックボーン・ネットワークへ転送し、また、ATMバックボーン・ネットワークからATMセルを受信するために１つのATMリンクへの接続ができるように作られたインターフェース、並びに、PCMデータをTDM交換装置のスイッチ本体部へ転送し、また、 TDM交換装置のスイッチ本体部からPCMデータを受信するために少なくとも１つのシリアル・リンクへ接続ができるように作られたインターフェースとして構成された装置を提供するものである。上記インターフェースはTDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートするようにも作られているので、 TDM交換装置の計算モジュールは、計算モジュール固有のトランク周辺装置と交信するためのプロトコルを使って上記インターフェースと交信ができる。
【００１２】
従って、本発明はTDM交換装置とATM設備間に、従来の技術によるインターフェースに代って簡単なインターフェース装置を提供するものである。 本発明はさらに、そのインターフェースをTDM交換装置インフラストラクチャに統合可能なものにする。このことは比較的少ない部品による簡単なインターフェースを実現し、より少ない資金でATM設備への乗り換えを可能にする。
【００１３】
本発明は又、次のようにTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続する方法を提供する。この方法は、PCMデータをATMセルへ、及びその逆の変換ができるようなインターフェースを形成するステップを含み、インターフェースがその交換機固有のメッセージ・プロトコルを使ってその交換機の計算モジュールと交信することを可能にしている。 それによって、インターフェースはTDM交換装置のトランク周辺装置をエミュレートする。 インターフェースはTDM交換装置のスイッチファブリック・インターフェースのシリアル・リンクに直接接続されることによって、TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接トランク接続することを可能にする。
【００１４】
従って、本発明はTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間の直接ATMトランク接続を提供する方法にも適する。直接ATMトランク接続をすると、 TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを接続するのに必要な構成品の数が減る。これによって、PSTNからベアラー・トラフィックを取り込むためにATM設備を使うのに要する資金が少なくてすむ。また、インターフェースはより小さな空間しか占有しないので、 TDM交換装置の機械設備の中に組み込むことが可能である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明は交換電話網におけるTDM交換装置とATM設備のインターフェースをとるための装置と方法に適したもので、TDMとATMの直接接続を可能にする。
【００１６】
図1には、ATMバックボーン・ネットワーク45へのインターフェースを備えた従来の技術によるTDM交換装置10が示されており、公衆電話網(PSTN)で発生した呼を他のTDM交換装置(図示せず)に転送するためにATMバックボーン・ネットワークに載せかえることを可能とする。TDM交換装置 10はクラス5の端局（End-Office）である。 しかし、本発明はクラス5の端局に使うインターフェースに限られるものではなく、PSTNにおける如何なるクラスのTDM交換装置にも適用できることは理解されるべきである。 TDM交換装置 10は、当業者が明らかなように、ライン側、トランク側、及び、スイッチファブリック（switch fabric）15を含んでいる。
【００１７】
TDM交換装置10のライン側はライン周辺装置(LP) ２０を内蔵し、それらは加入者線21によって加入者構内の種々の機器に接続されている。 クラス5端局のライン周辺装置は、顧客構内に設置されている例えば、電話22、ファクシミリ24、モデム26、及びそれに類した機器をサポートする。
【００１８】
TDM交換装置10のトランク側はスイッチファブリック・インターフェース 28を内蔵し、それらはパルス符号変調(PCM)データをスイッチファブリック15からトランク周辺装置 30へ、又はその逆の転送を行う。トランク周辺装置30は一般的にデジタル・トランク・コントローラ(DTC)と呼ばれている。 スイッチファブリック・インターフェース28はPCMデータの入出力を行うために、通常、高速光転送線(バス)を持っている。トランク周辺装置30は、スイッチファブリック・インターフェース28から受けるデータに対してはデマルチプレクサとして動作し、トランク32から受けるデータに対してはマルチプレクサとして動作する。 トランク周辺装置30は、スイッチファブリック・インターフェース28から光形式で受けるデータをトランク32を介して転送するための電気形式のデータに、又はその逆の変換を行う。 さらに、トランク周辺装置30は、TDM交換装置10の計算モジュール16とコントロール・メッセージを交換することによって呼データのスイッチファブリックからトランク32への経路設定、或いは、その逆の経路設定を可能にする。
【００１９】
トランク32はマルチプレクサ34に接続され、マルチプレクサはトランク32の出力を多重化し、多重化された出力を光形式に変換する。光形式の出力は光リンク38を介してMSP 40に送られる。 光リンク38は通常OC-3の速さで動作する。MSP 40はPCMデータ形式の光信号を受け、PCMデータをATMセルに変換する。ATMセルは、要求に応じて設定されるか、或いは下記出願中の特許に記述されている様にキャッシュから選ばれてSVC（交換型仮想回線）を介して転送される。これは、米国特許出願 第09/165,189号（1998年10月02日）“METHOD AND APPARATUS FOR REDUCTION OF CALL SETUP RATE IN ATM NETWORK（ ATMネットワークにおける呼設定率低減のための装置と方法）”に記述されており、その開示内容を参照して取り込む。
【００２０】
TDM交換装置10、50及び呼マネージャ55は共通信号通信（CCS）ネットワーク60を通して信号メッセージを交換する。 CCSネットワーク60は通常、SS7(Signaling System 7)方式のネットワークであり、この分野では周知の方法で呼の設定及び呼の進行を制御するのに端局間でISUP(ISDN User Part)信号メッセージを交換するものである。
【００２１】
図2は本発明の好適な実施例の概略図であり、 ATMインターフェースを物理的にTDM交換装置10の中に組み込めることを示している。 TDM交換装置10は呼に伴うベアラー・トラフィックを受け、ベアラー・トラフィックの少なくとも一部をATMバックボーン・ネットワークに接続する。この分野では周知の呼に伴うPCMデータはスイッチファブリック15を通して交換される。PCMデータはスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bを介してスイッチファブリック15から受け取られる。スイッチファブリック・インターフェースはMSP 40A及び40BのTDM物理インターフェースに直接接続される。 従って、従来はスイッチファブリック・インターフェース28A及び28BとMSP 40A及び40Bの間に存在したトランク周辺装置30(図1)及びマルチプレクサ34(図1)は消去されている。
【００２２】
図2に示すインターフェース構成を実現するために、 MSP 40A及び40Bはトランク周辺装置30(図1)をエミュレートするように造られ、そのためTDM交換装置10の計算モジュール16は新しい構成のインターフェース部品に合わせる改修を必要としない。従って、MSPは、スイッチファブリック15を通して計算モジュール16から送られてくるコントロール・メッセージを受け、計算モジュール16で使われる固有のメッセージ通信用のプロトコルによってコントロール・メッセージに応答することを可能とする必要がある。また、MSPはトランク周辺装置30のその他の機能も実行できるように構成され、計算モジュール16からは各MSPがデジタル・トランク・コントローラのようなトランク周辺装置として見える必要がある。
【００２３】
図1に示すように、計算モジュール16はトランク周辺装置30とコントロール・メッセージを授受する。これらのコントロール・メッセージはスイッチファブリックに入って来る、もしくは、出て行く呼を識別するのに用いられるとともに、出て行く呼に対してはトランク周辺装置30に繋がる適当なトランク・メンバー(Trunk members)へ経路を設定し、入って来る呼データに対してはスイッチファブリック15の適当な箇所に経路を設定する。 従って、MSP 40A及び40Bは同じコントロール・メッセージを計算モジュール16との間で授受する。 本発明によるインターフェース構成には物理的なトランクが存在しないが、計算モジュール16から見るとトランク周辺装置の動作とみられる仮想動作をMSP 40A及び40Bが実行する。スイッチファブリック15から出て行く呼に対しては、各呼を“トランク・メンバー”に繋いで経路を設定するための制御情報を計算モジュール16が用意する。“トランク・メンバー”とはスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bのシリアル・リンクにおけるチャネルのことである。 上記制御情報は、ATMバックボーン・ネットワーク45を通じて設定された仮想回線接続に“トランク・メンバー”をマップするためにMSP 40A及び40Bで使われ、呼に関するベアラー・トラフィックの転送が行われる。 ATMバックボーン・ネットワーク45からTDM交換装置10へ入って来る呼に対しては、計算モジュール16が同様に適当なMSP 40A及び40Bへ制御情報を送り、呼に関するベアラー・トラフィックを転送するために設定或いは選択された仮想回線接続を“トランク・メンバー”にマップすることを可能にする。“トランク・メンバー”は、上記と同じく、スイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bのシリアル・リンクにおけるチャネルのことである。
【００２４】
TDM交換装置10の変換テーブルを単純化するためには、 MSP 40A及び40Bの終端となる仮想トランクがTDM交換装置10から見ると１つの大きなトランク・グループとして見えるようにTDM交換装置が構成されることが好ましい。 このことは、米国特許出願 第09/203,397号（1998年12月02日） “APPARATUS AND METHOD FOR COMPLETING INTER-SWITCH CALLS USING LARGE TRUNK GROUPS（大きなトランク・グループを使って交換機間の呼を達成する装置と方法）”に詳しく記述されているので、その開示内容をここで参照して取り込む。
【００２５】
図3は、図2に示されたMSP 40A及び40Bの主要構成部を示す概略図である。 MSP 40A及び40Bはそれぞれ、制御プロセッサ70、制御バス72、TDM物理的インターフェース74、 TDM時間スイッチ76、 ATMインターフェース78、及び、複数のサービス回路80を含んでいる。 第一のインターフェース・バス82はTDM物理的インターフェース74をTDM時間スイッチ76に接続する。 第二のインターフェース・バス84はTDM時間スイッチ76をATMインターフェース78に接続する。
【００２６】
制御メッセージとTDMデータはMSP 40A及び40Bによって、それぞれのスイッチファブリック・インターフェース28A及び28Bを介して受け取られる。 スイッチファブリック・インターフェースの光形式出力はTDM物理的インターフェース74で電気形式に変換され、インターフェース・バス82を介してTDM時間スイッチ76へ送られる。 制御メッセージは制御バス72を介して制御プロセッサ70に繋げられる。 制御プロセッサ70は、TDM交換装置10の計算モジュール16から送られてきた制御メッセージを受け、それに応えることによってトランク周辺装置30(図1)をエミュレートする。 制御プロセッサ70はまた、 計算モジュール16から送られてきた制御メッセージに応じて、或いは、予め決められた条件を見出すことによって、この分野では周知の方法によってPCMデータの交換を制御する。それにより、PCMデータは要求通りサービス回路80のうちの１つに繋げられる。 サービス回路80は、トーン検出、トーン生成、及びエコー・キャンセラなど、技術的に周知の全ての機能を実行する。サービス回路80の何れか１つを要求するPCMデータがあれば、 TDM時間スイッチは、PCMデータをインターフェース・バス84を介してATMインターフェース78へ差し向ける前にサービス回路に向ける。TDM時間スイッチ76で実行されるデータ交換は全て制御プロセッサ70の制御下で行われる。
【００２７】
ATMインターフェース78で受け取られたPCMデータはATMバックボーン・ネットワーク45(図2)を通して転送するためのATMセルに変換される。 ATMインターフェース78は、各呼のデータに関するサービス品質(QOS)を決める。 ATMインターフェース78はまた、各ATMセルに添付する5バイトのATMセル・ヘッダーを作成する。 電話用途の場合、 ATMインターフェース78は、通常、２つのサービス品質(QOS)タイプのうちの１つを識別し、そのQOSタイプに準拠したATMセルにパックされるように適当なチャネルへデータを送る。 CBR（固定ビット・レート；Constant Bit Rate）の音声級データの場合、標準的なATM適用レイヤー・サービス 1(AAL-1)を使うPCM/ATM適応モジュール(図示せず)に接続されたチャネルにデータは繋がれる。モジュールは、その固定ビット・レート音声級データをATMペイロードに変換し、標準的な48バイトATMペイロード・セルにそのデータをロードする。 48バイト・ペイロードは、その後、5バイトのセル・ヘッダと組合わされて53バイトのATMセルとなり、シリアル・リンク・インターフェース86を通してMSPから送り出される。 VBR（可変ビット・レート；Variable Bit Rate）もしくはUBR（無規定ビット・レート；Unspecified Bit Rate）データの場合、標準的なATM適用レイヤー・サービス 5(AAL-5)を使うPCM/ATM適応モジュール(図示せず)に接続されたチャネルにデータは繋がれる。 モジュールは、そのVBR或いはUBRデータをATMペイロードに変換し、標準的な48バイトATMペイロード・セルにそのデータをロードする。 48バイト・ペイロードは、その後、5バイトのセル・ヘッダと組合わされて53バイトのATMセルとなり、シリアル・リンク・インターフェース86でMSP40A及び40Bから転送される。
【００２８】
当業者であれば、TDM交換装置10へ接続するためにATMセルをPCMデータに変換する逆のプロセスもMSPが同時に実行することに気付くであろう。 プロセスにおいては、ATMセルのペイロードはアンロードされ、光形式のPCMデータに変換され、そして、シリアル・リンク28A及び28Bへ出力される。 この技術に通じた人であれば、MSP40A及び40Bが、デジタル・トランク・コントローラをエミュレートするために必要な機能を実行するだけでなく、上記３つの米国特許出願に詳述される、ATMバックボーン・ネットワークにおける仮想チャネル・コネクションの設定及び制御に関する機能も同様に実行することを理解するであろう。
【００２９】
上記実施例における変更や改良は、当業者に明らかなことは確かである。 従って、この発明の範囲はひとえに上記の請求項により規定されるものとする。
【００３０】
【発明の効果】
この発明によるとTDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークを直接接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来技術によるATMバックボーン・ネットワーク・インターフェースを備えた交換電話網におけるTDM交換装置の配置を示した概略図。
【図２】 TDM交換装置とATMバックボーン・ネットワークの間のATMによる直接接続を実現するために用いられるインターフェースのアーキテクチャを示す概略図。
【図３】 インターフェースの内部アーキテクチャを示す概略図。
【符号の説明】
10 TDM交換装置
15 スイッチファブリック（Switch fabric）
16 計算モジュール
20 ライン周辺装置
21 加入者線
28 スイッチファブリック・インターフェース
40 マルチサービス・プラットフォーム（MSP）
45 ATMバックボーン・ネットワーク
50 TDM交換装置
Claims (17)
- 時分割多重(TDM)交換機とパケットベース・ネットワークを直接トランク接続するための装置であって、
パケットベース・ネットワークに対してパケットベースのデータを送受信するようにされ、かつ、TDM交換装置のスイッチファブリックとの間でパルス符号変調(PCM)データを送受信するよう少なくとも１つのシリアル・リンクに接続することができ、PCMデータをパケットベースのデータに変換し、また、その逆の変換を行う、インターフェースを備え、
前記インターフェースは、TDM交換装置のデジタル・トランク・コントローラをエミュレートして、TDM交換装置の計算モジュールがデジタル・トランク・コントローラと交信するためのネイティブのプロトコルを使って該インターフェースと交信するようにされ、
前記計算モジュールから制御メッセージを受信して所望のトランクメンバへの呼のルーティングをすることに応答して、前記インターフェースは、所望のトランクメンバをパケットベース・ネットワークを介して仮想コネクションの確立にマップするようにされる、装置。 - 前記シリアル・リンクが、PCMデータをTDM交換装置のスイッチファブリックから受信し、また、TDM交換装置のスイッチファブリックに転送するための前記ファブリック・インターフェースを備える、請求項１に記載の装置。
- 前記スイッチファブリック・インターフェースが、TDMスイッチのスイッチファブリックから電気形式で受け取ったデータを前記インターフェースに前記シリアル・リンクを介して転送するために光形式データへの変換を行うようにされた、請求項２に記載の装置。
- 前記インターフェースが、メッセージを形成し、ケットベース・ネットワークに接続されている対応したインターフェースへパケットベース・ネットワークを通して転送して、TDMの呼に応じて接続を確立するようにされた、請求項１に記載の装置。
- 該インターフェースが、さらに、パケットベース・ネットワークにおける仮想コネクションの設定及び開放を起動するために信号通信メッセージを形成し、転送する、請求項４に記載の装置。
- TDM交換装置が、前記インターフェースを１つの大きなトランク・グループをサポートする１つのデジタル・トランク・コントローラとしてみるようにされた、請求項４に記載の装置。
- DM交換装置とパケットベース・ネットワークの間の直接トランク接続を提供する方法であって、
PCMデータをパケットベースのデータに変換し、また、その逆の変換ができるようにされ、さらに、交換機のネイティブのメッセージ・プロトコルを使って、交換機の計算モジュールと交信し、TDM交換装置のデジタル・トランク・コントローラをエミュレートすることができるようにされた、インターフェースを提供するステップと、
該インターフェースをTDM交換装置及びパケットベース・ネットワークのスイッチファブリックのシリアル・リンクに直接接続して、TDM交換装置とパケットベース・ネットワークの間の直接トランク接続を可能にするステップとを含み、
前記計算モジュールから制御メッセージを受信して所望のトランクメンバへの呼のルーティングをすることに応答して、前記インターフェースは、所望のトランクメンバをパケットベース・ネットワークを介して仮想コネクションの確立にマップするようにされる、方法。 - 該インターフェースがさらに、前記TDM交換装置と前記パケットベース・ネットワークに接続された他のTDM交換装置との間の呼を設定及び開放するために、パケットベース・ネットワークを通して対応するインターフェースに向けてメッセージを形成し、送るようにされた、請求項７記載の方法。
- 該インターフェースが、さらに、呼に伴うベアラー・トラフィックを転送するための仮想コネクションの設定或いは開放を起動するための信号通信メッセージを形成し、送るようにされた、請求項８に記載の方法。
- 前記TDM交換装置に変換テーブルを用意して、該TDM交換装置が前記インターフェースを１つの大きなトランク・グループをサポートする１つのデジタル・トランク・コントローラとしてみるステップをさらに含む、請求項７に記載の方法。
- 前記TDM交換装置に変換テーブルを用意して、該TDM交換装置が複数のインターフェースを１つの大きなトランク・グループをサポートするデジタル・トランク・コントローラの集合としてみるステップをさらに含む、請求項７に記載の方法。
- TDM交換装置とパケットベース・ネットワークを直接トランク接続するための装置であって、
パケットベース・ネットワークに対してパケットベースのデータを送受信するようにされ、かつ、TDM交換装置のスイッチファブリックとPCMデータを送受信するために、少なくとも一つのシリアル・リンクとの接続をできるようにされ、PCMデータをパケットベースのデータに変換し、また逆の変換も行い、TDM交換装置のデジタル・トランク・コントローラをエミュレートして、TDMの呼に応じた仮想コネクションを制御するためにパケットベース・ネットワークに接続している対応したインターフェースと交信できるようにされた、インターフェースとを備え、
所望のトランクメンバへの呼のルーティングをする制御メッセージに応答して、前記インターフェースは、さらに、所望のトランクメンバをパケットベース・ネットワークを介して仮想コネクションの確立にマップするようにされる、装置。 - 前記インターフェースがTDM交換装置の計算モジュールとその計算モジュールに固有のプロトコルを使って交信できるようにされた、請求項１２に記載の装置。
- TDM交換装置とパケットベース・ネットワークの間の直接トランク接続を提供する方法であって、
PCMデータをパケットベースのデータに、また、その逆の変換ができるようにされ、該インターフェースが、TDM交換装置のデジタル・トランク・コントローラをエミュレートし、また、パケットベース・ネットワークに接続している他のインターフェースと交信できるようにされて、TDMの呼に応じた仮想コネクションを制御するインターフェースを提供するステップと、
TDM交換装置とパケットベース・ネットワークの間の直接トランク接続を可能にするために、該インターフェースをTDM交換装置のスイッチファブリックのシリアル・リンクに直接接続するステップと、を含み、
前記計算モジュールから制御メッセージを受信して所望のトランクメンバへの呼のルーティングをすることに応答して、前記インターフェースは、所望のトランクメンバをパケットベース・ネットワークを介して仮想コネクションの確立にマップするようにされる、方法。 - 該インターフェースが、前記TDM交換装置と前記パケットベース・ネットワークに他のインターフェースによって接続したTDM交換装置との間の呼を設定したり開放するために、該パケットベース・ネットワークを通して他のインターフェースにメッセージを送ることによってTDMの呼に応じた仮想コネクションを制御する、請求項１４に記載の方法。
- 信号通信メッセージを形成して、送り、呼に伴うベアラー・トラフィックを転送するための仮想コネクションの設定或いは開放を起動するように構成された、請求項１５に記載の方法。
- 前記TDM交換装置が、前記インターフェースを１つの大きなトランク・グループをサポートする１つのデジタル・トランク・コントローラとしてみるように構成された、請求項１４に記載の方法。
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