JP4481386B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、特にカラードプラ、カラーアンギオ及びスペクトラムドプラ処理の合体と検出能、感度、計測精度の改良に関する。
【0002】
に関する。
【0003】
【従来の技術】
血流ドプラの信号処理に関して、生体からの反射信号成分は低周波でパワーの大きいクラッタ成分が混入しており、周波数解析器で解析する際に微少な血流成分を感度良く検出するためには、周波数解析器(具体的には自己相関による平均流速、分散、パワーの推定)に入力する前に、ハイパスフィルタ(HPF)でクラッタ成分を十分に除去する必要があった。
特に、HPFではクラッタ成分を適応型を持って除去する必要があるため、自己相関前にクラッタ成分で変調をかけ、直流成分(DC)をシフトするなどの大がかりな処理が必要であった。
【0004】
図23に、従来のカラードプラ及びカラーアンギオの信号処理部を示している。送受信部(T&R)から出力されるドプラ信号(複素の直交検波成分で送信バースト長に連動して帯域制限をした信号)を適応型ウォールフィルタ(AWF;Adaptive Wall Filter)に入力し、低周波のクラッタ成分に対して、(1)クラッタ成分の初期位相の補正(もしくはクラッタ成分の平均周波数による変調でクラッタ自体をDCに落とす)と、(2)クラッタ成分の振幅や周波数によるHPFのゲインやカットオフ周波数へのフィードバック適応制御という2種類の処理を施して、アダプティブにクラッタ成分を除去していた。
【0005】
次の自己相関部(AC;Auto Correlation)では、クラッタ成分除去後のドプラ成分のパルスペア(Pulse Pair)を計算し、カラードプラ部で、平均流速(V)、分散(T)、パワー(P)の推定値を計算する。
【0006】
また、自己相関の出力(C0 ,Real(C1 ),Imag(C1 ))は、アンギオ部に入力され、フレームメモリ(FM)により時間的な平滑処理を受けパワーや方向付きパワー、つまりカラーアンギオデータを計算し出力する。
【0007】
カラードプラ部とアンギオ処理部の出力は、切り替えられ、独立にパワー値によるブランク、平均流速値によるブランクがかけられ、クラッタ成分やノイズの強い部分が除去されてから、ディジタルスキャンコンバータ(DSC)部へ出力される。ディジタルスキャンコンバータ部では、スキャンコンバージョン(SC)処理やラスタ間補間、水平方向補間、フレーム間の時間補間を行い画像を平滑化する。
【0008】
ディジタルスキャンコンバータの出力は、カラーモード時はカラードプラデータ(平均流速、パワー、分散;VPT)であり、アンギオモード時はパワーもしくは方向付きパワーデータ(C0 C1 )であり、後処理によりコントラスト、リジェクション、速度ブランクなどの処理を行いRGB対応のルックアップテーブル(LUT)でRGBタイプのビデオ信号に変換する。ここで白黒のエコー画像のディジタルスキャンコンバータの出力と合成しモニタに出力する。
【0009】
従来の超音波診断装置の特にカラー/アンギオ信号処理部の詳細を図24に示している。送受信部(T&R)からドプラ成分の検波後の出力(IQの2ch)がカラーデータ再配置部(CDR;Color Data Rearrangement)に入力される。
【0010】
カラーデータ再配置部では、カラースキャンのラスタの並べ替えと、データのバッファリングとを行うための大容量のメモリで構成されており、RD/WRアドレスの制御によって並列同時受信CH、交互スキャン段数によるデータシーケンスの並べ替えパケット化を行う。これによりラスタ毎にかつ距離方向の画素単位でカラースキャンのデータが単位化されて出力される。
【0011】
次に、クラッタを除去するための適応型のハイパスフィルタを通過する。カラーデータ再配置部出力は、クラッタ成分が支配的なためその位相と振幅を検出し適応制御により位相補正、IIRで構成されるHPFのカットオフ値や内部レジスタの初期値やゲインをダイナミックに設定する。HPFの出力は自己相関処理部(AC;Auto Correlation)で、パワーC0 と、複素の直交検波信号C1 (実数部Re,虚数部Im;位相ベクトル)を計算し、移動平均部(MA;moving Average)部で距離方向の平滑化を行う。
【0012】
次にゲイン補正をおこなったカラーアンギオC0 C1 からカラードプラ部で平均流速V(Velocity)、パワーP(Power)、分散T(Turburance)の推定計算を行い、平均速度と分散を5bit程度に納め、パワーを対数的に圧縮して、カラー用スキャンコンバータ(DSC;Color Digital Scan Converter)へ出力される。一方、フレームメモリからカラーアンギオ処理部へ入力され、そこでIIR型のフレームサイクル(超音波のスキャン周期をフィルタのサンプリング周期とする)の時間平滑フィルタで時間方向に平滑化されパワーと方向付パワーとして出力される。パワーと方向付パワーとに関する信号を、ここでは便宜上、パワーもしくは方向付きパワーのカラーアンギオ(C0 C1 )と呼ぶことにする。このパワーもしくは方向付きパワーのカラーアンギオ(C0 C1 )は、8bit程度に対数圧縮されカラーディジタルスキャンコンバータに出力される。
【0013】
このような従来技術の欠点、問題点として以下の3点がある。
(1)自己相関(AC)法の方式自体の欠点
AC法は、パルスペアという複素数の自己相関により、信号の平均周波数やパワーを計算するが、その過程で計算誤差を発生しやすい。特に、生体からのドプラ信号には血流成分以外に生体組織のクラッタ成分が含まれる。
【0014】
クラッタ成分のパワーが血流成分に対して強い場合には信号の平均流速がDC(クラッタ成分の低周波)側にひっぱられるため、AC処理の入力前でAWFなどでクラッタ成分を十分に除去する必要がある。
【0015】
クラッタ成分を十分に除去できない場合には血流信号がDCにひっぱられ、あたかもそこには血液が流れていないかのように表示されてしまう。また、適応型ウォールフィルタAWFでも診断部位によってはクラッタを除去できない場合が多々ある。
【0016】
(2)カラードプラのブランク処理の欠点
カラードプラのパワーブランク処理(P−BLK)と速度ブランク処理(V−BLK)後に、ディジタルスキャンコンバータで時間空間的な平滑化をしているが、十分なダイナミックレンジがないため、飽和や切り捨てにより画質/感度の両面で劣化して、情報が欠落してしまう。これは、現在、カラーモードのパワー表示とカラーアンギオ表示とが別在していることからもわかる。
【0017】
(3)カラードプラとカラーアンギオの回路実現規模が大きい。
上記に絡むがアンギオとカラーの信号処理を現在2系統独立して持っているが、同じパワーの時間平滑化をディジタルスキャンコンバータのフレームメモリ(FM)でColor Persistenceで実現すると同時に、アンギオ用フレームメモリでカラーアンギオとして実現している。AC処理以降はカラードプラ処理と全く同じ(ダイナミックレンジは異なるが)処理をアンギオ信号処理でも並列に実行している。すなわち、カラー処理とディジタルスキャンコンバータのフレームメモリ、アンギオ処理とアンギオフレームメモリは全く同じ機能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カラードプラ、カラーアンギオ、スペクトラムドプラを装備した超音波診断装置において、周波数解析の計算誤差を減らすこと、平滑化処理の際に低いダイナミックレンジに起因する情報の欠落を低減すること、スペクトラムドプラ、カラードプラ、カラーアンギオの回路規模を小さくすること、スペクトラムドプラのレンジゲートを2次元的に広域化すること、クラッタやノイズの除去効果を向上すること、平均流速、パワー、分散以外の血流情報を表示することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1局面は、被検体に対して超音波を送受信する手段と、前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、前記スペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、前記クラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散の少なくとも1つを、前記血流に関する平均速度、パワー、分散の少なくとも1つと比較して、血流信号とクラッタ成分とノイズとを判別する手段と、前記クラッタ成分又はノイズと判別された点をブランクする手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
本発明の第2局面は、被検体に対して超音波を送受信する手段と、前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、前記クラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散に基づいてクラッタ成分のスペクトラム系列正規分布モデルを計算し、前記スペクトラム系列から減算する手段と、前記減算されたスペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
本発明の第3局面は、被検体に対して超音波を送受信する手段と、前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、前記スペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、前記クラッタ成分に関する平均速度とパワーと深さとに応じた平滑化関数に従って前記血流に関する平均速度、パワー、分散を空間的且つ時間的に平滑化する手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を好ましい実施形態により詳細に説明する。 まず、自己相関法(AC法)とFFT法とのノイズに対する耐性等の特性について比較検討する。図1(a)に自己相関法(AC法)の計算ブロックを示し、図1(b)に高速フーリエ変換法(FFT法)の計算ブロックを示している。ここでは平均速度ω、分散σ、パワーPについてのみ比較する。結論としては、方式的にFFT法がAC法に比べ計算精度が高い。その理由を理解するために、各々の計算手順について説明する。
【0028】
まず、周波数解析器への入力信号X(t)は、次の(1)式で与えられる。
【0029】
【数1】
【0030】
(自己相関法)
自己相関法では、入力X(t)の複素共役XC(t)と掛け合わせて自己相関関数C(τ)を得る。
【0031】
【数2】
【0032】
自己相関関数C(τ)を1回微分したものをC1(τ)とすると、
【0033】
【数3】
【0034】
となる。
C1(τ)の1次モーメントが得られるので、自己相関法の平均角周波数ωACは、(5)式で定義される。
【0035】
【数4】
【0036】
実際の計算を簡略化するために、自己相関関数C(τ)を実数部と虚数部とに分けて(6)式のように表現する。
【0037】
【数5】
【0038】
上記成分で0次モーメントQ0、1次モーメントQ1、2次モーメントQ2を定義し、分散σACを近似的に求めると、(10)式が得られる。
【0039】
【数6】
【0040】
(FFT法)
(1)式の入力信号X(t)に対してフーリエ変換を行うと、(11)式で示す複素数のスペクトラムY(j.ωk)が得られる。ここで、kは、周波数軸の目盛りに相当する。
【0041】
【数7】
【0042】
また、パワースペクトラムは、Y(j.ωk)と複素共役なYC(j.ωk)を掛けて、(12)式のAk系列で表現できる。
【0043】
【数8】
【0044】
平均速度ωFFTは、パワースペクトラムの系列を使って、(13)式のように定義される。
【0045】
【数9】
【0046】
パワースペクトラムを使って、0次モーメントP0、1次モーメントP1、2次モーメントP2を定義し、FFT法による分散σFFTを(17)式で表現することができる。
【0047】
【数10】
【0048】
自己相関法とFFT法とでは、トータルパワーについては同じであり差異はないが、図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)、図4に示すように、平均流速と分散に関しては計算精度を比較するのに、クラッタ(低周波成分)による影響の度合いと、ノイズ成分による影響の度合いは、差異がある。
【0049】
図5に、本実施形態に係るカラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラの3つのモードを装備した超音波診断装置の概略的な構成を示している。図5に示すように、超音波プローブ(Probe)1には送受信部(T&R)2が双方向接続されている。超音波プローブ1を介して受信されたエコーは、送受信部2で整相加算され、そして直交検波にかけられる。この直交検波信号は、カラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラム信号処理ユニット3に供給される。この信号処理ユニット3は、カラードプラデータ(平均速度、パワー、分散)VPTと、カラーアンギオデータC0 C1 と、スペクトラムデータとを生成するために、前処理部(Pre Proc.)31と、複素高速フーリエ変換部(FFT)32と、適応型後処理部(Adaptive Post Proc.)33と、適応型制御部(Adaptive Controll)34と、アンギオ処理部(Angio)35と、アンギオ用フレームメモリ(FM)36と、VPT計算部(VPT CAL)37とから構成されている。
【0050】
カラードプラデータ(平均速度、パワー、分散)VPTと、カラーアンギオデータC0 C1 とは、カラー用ディジタルスキャンコンバータ(DSC)4と、RGB対応ルックアップテーブル(RGBLUP)4とを介してディスプレイ(Display)7に送られる。また、スペクトラムデータは、白黒用ディジタルスキャンコンバータ(DSC)5と、RGB対応ルックアップテーブル4とを介してディスプレイ7に送られる。
【0051】
なお、本実施形態に係る超音波診断装置は、図5の構成に代えて、図6のように構成してもよい。両構成の大きな相違点としては、図5では、アンギオ用フレームメモリ36とディジタルスキャンコンバータ4内のフレームメモリとの両方が存在するが、アンギオ用フレームメモリ36にはスペクトラム系列データPm、ディジタルスキャンコンバータ4のフレームメモリには血流パラメータとして抽出されたカラードプラデータVPTと、パワーもしくは方向付きパワーデータとしてのカラーアンギオデータC0 C1 と、スペクトラムドプラのピリオドグラムのイメージの情報が貯えられる。
【0052】
一方、図6では、アンギオ機能をディジタルスキャンコンバータ(DSC)8に持たせているため、アンギオ用フレームメモリ36の代わりに、ディジタルスキャンコンバータ8内のフレームメモリで処理する。ディジタルスキャンコンバータ8のフレームメモリには、スペクトラム系列データPm、適応制御により得られたクラッタ成分のカラードプラデータ(平均速度、パワー、分散)の推定値VPTが貯えられ、ディジタルスキャンコンバータ8のフレームメモリ出力に基づいてVPT計算部(VPT CAL)37でカラードプラデータVPTを計算したり、スペクトラムドプラのパワー表示の計算を行うようになっている。なお、図6では、ディジタルスキャンコンバータ5は、Bモード画像(断層像)のためだけに用いられ、この断層像データはマルチプレクサ(MUX)10を介してRGBルックアップテーブル6に供給される。
【0053】
図7には、図5のカラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラ信号処理ユニット3の詳細な構成を示している。送受信部3からIチャンネルとQチャンネルで出力されるドプラ信号に対して、カラーデータ再配置部(CDR;Color Data Rearrangement)41でデータバッファリングと並べ替えとを行う。カラーデータ再配置部41ではカラーのスキャンに応じた並べ替えの他、パルスドプラ(PW)や連続波ドプラ(CW)のデータのバッファリングとカラードプラ/スペクトラムドプラ同時モード時のCDR出力の制御を行う。このカラーデータ再配置部41の出力にはヘッダ情報がつけられ後段での処理に応じてパケット化を行い出力される。
【0054】
カラーデータ再配置部41の出力は、前処理部42に入力される。ここでは主に3種類の信号処理を行う。まず前段ハイパスフィルタでDC(直流成分)や振幅の大きな低周波のクラッタ成分を除去し、後段のダイナミックレンジを狭くとっても飽和が起こり難くする。ただし、後段のダイナミックレンジが十分あれば不要である。なお、前段ハイパスフィルタの出力をドプラのオーディオ処理に入力する可能性がありそこでは時間軸上の処理で広いダイナミックレンジがとれないため必要であり、後段の適応制御部44の入力としてDC成分を落としておいたほうが良い。
【0055】
前処理部42において、前段ハイパスフィルタを通過した信号は外挿補間部で実際の入力データよりも外挿により多くのデータを出力する。カラーの1画素の血流情報を得るためのデータ数をNとすると後段の窓処理で重み付けされるため端部の情報の欠落を補うためにあらかじめ外挿し、例えば2×N個にして出力する。この際、中心部は真のデータNであるが端部は中心部から外挿関数によって推定した値を埋め込む。
【0056】
この外挿補間部の出力は、次のウインドウ処理部(窓関数処理部)に入力される。ここではハニング(Hanning)、ハミング(Hamming)、ブラックマン(Blackmann)、カイザー(Kaiser)などの一般的な窓関数を自由に設定できる機能があり、入力データに窓関数を掛ける。これによりスペクトラムドプラのサイドローブを落とす効果がある。
【0057】
前処理部42の出力は、複素高速フーリエ変換部(CFFT;ComplexFast Fourier Transform)43と、適応制御部44とに入力される。適応制御部44は、ローパスフィルタ(LPF)と自己相関処理部(AC)とを有し、自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vacと、自己相関によるクラッタ成分の分散Tacと、自己相関によるクラッタ成分のパワーPacとを計算し出力する。
【0058】
複素高速フーリエ変換部43では、カラーのデータ数Nに対して外挿、窓関数によって処理された2×N個よりも大きな2のべき乗データでのフーリエ変換処理を行う。このとき2のべき乗データのデータのない部分は0を挿入し、FFTデータ数を補う。複素高速フーリエ変換部43からは、パワースペクトラム系列のデータが出力される。パワースペクトラム系列の出力以外に複素数のスペクトラムドプラを出力することも可能である。
【0059】
複素高速フーリエ変換部43の出力は、適応型後段ハイパスフィルタ(Adaptive Post HPF)45に入力される。ここではもうひとつの入力である自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vac,自己相関によるクラッタ成分のパワーPac,自己相関によるクラッタ成分の分散Tacのパラメータにより、クラッタ成分のパワースペクトラムを正規分布にモデル化し、複素高速フーリエ変換部43のスペクトラム系列から引き算することによって、周波数空間上でクラッタ成分をダイナミックに除去することが可能である。つまり、スペクトラム(周波数空間)上でクラッタ成分をダイレクトに除去することが可能である。適応型後段ハイパスフィルタ45からは、クラッタ成分を高精度で除去した対象(血流)に関するパワースペクトラム(もしくは複素スペクトラムドプラ)の系列Pmが出力される。複素高速フーリエ変換部43の出力段ではスペクトラムの距離方向の平滑化を行い、距離方向に滑らかなスペクトラム系列を得る。
【0060】
複素高速フーリエ変換部43から出力されるスペクトラム系列Pmと、自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vac,自己相関によるクラッタ成分のパワーPac,自己相関によるクラッタ成分の分散Tacと、制御用のパケットのヘッダー情報とが、次のアンギオ処理部(Angio)46に入力される。アンギオ処理部46は、アンギオ用フレームメモリ47を持ち、スペクトラム系列データPm,自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vac,自己相関によるクラッタ成分のパワーPac,自己相関によるクラッタ成分の分散Tacを独立な次元の値として処理する。
【0061】
図8(c)に、アンギオ用フレームメモリ47の1画素単位のデータの構成を示した。図8(b)が従来装置のアンギオ用フレームメモリのデータであるが、本発明のアンギオ用フレームメモリ47のデータの構成は図8(c)に示すようにスペクトラム系列データPm,自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vac,自己相関によるクラッタ成分のパワーPac,自己相関によるクラッタ成分の分散Tac,IP(ヘッダ情報の一部で画素の深さ方向のアドレスY、方位方向のアドレスX、時間方向のアドレスT、スキャンモードデータなど)で構成されている。データの型も、本例では、単精度フローティングを使用しているが、ダイナミックレンジに応じて如何様にもできる。なお、図8(a)は従来装置のDSCのフレームメモリの画素単位のカラードプラのデータ構成を示している。
【0062】
これらのスペクトラム系列データPm,自己相関によるクラッタ成分の平均速度Vac,自己相関によるクラッタ成分のパワーPac,自己相関によるクラッタ成分の分散Tacのそれぞれに対して空間的且つ時間的な平滑化を行う。その関数はグリーン関数で、その係数はプローブ1やパルス繰り返し周波数(PRF)や送信条件(フォーカス、送信波形等)で設定がかわり、距離方向とクラッタ成分の情報とに対して、ダイナミックに変化させることが可能で画質の均質化と感度を最適化するために用いる。
【0063】
上記グリーン関数の係数とは具体的に空間方向は2次元のカーネルフィルタの重み付け、時間軸方向にはフィルタの応答(時定数)を変化させる。クラッタ成分のパワーが大きい時には空間的にも時間的にも平滑化の度合いを小さくすることでクラッタを低減させる。
【0064】
アンギオ処理部46からスペクトラム/VPT計算部(Spect.VTP cal)48には、平滑化(アベレージング)されたスペクトラム系列データAPmが出力され、また後処理部(Post Proc.)49には、平滑化された自己相関によるクラッタ成分のパワーAPacと、平滑化された自己相関によるクラッタ成分の平均速度AVacと、平滑化された自己相関によるクラッタ成分の分散ATacとが出力される。スペクトラム/VPT計算部48では、平滑化(アベレージング)されたスペクトラム系列データAPmから血流成分の平均流速Vfft、血流成分のパワーPfft、血流成分の分散Tfftを計算し出力する。
【0065】
上記以外にスペクトラムドプラ計算の特質を生かしてV+ ,V- ,P+ ,P- 表示や前段のアンギオ処理部46と連動してPI,RIの計算が可能である。
【0066】
後処理部49では、血流成分の平均流速Vfftと、血流成分のパワー速Pfftと、血流成分の分散Tfftと、平滑化されたクラッタ成分の平均速度AVacと、平滑化されたクラッタ成分のパワーAPacと、平滑化されたクラッタ成分の分散ATacと、平滑化されたスペクトラム系列データAPmとを入力し、移動平均処理(Moving AV)、PWドプラ用のレンジゲート積分処理(PW RG.)、ブランク処理(Blank)などを行う。
【0067】
移動平均処理では、カラードプラやカラーアンギオの信号に対してブランク信号処理と連動して、クラッタやノイズ成分を除去する処理を行い、またPWドプラ信号に対しては距離方向、方位方向に対して2次元的な重み付け積分を行い、レンジゲート(RG)を従来のような1次元ではなく距離方向と方位方向とに拡がったROI化(広域化)して、その形状をサンプリングする生体部位にマッチさせることができる。ブランク信号処理は、血流成分のVfft,Pfft,Tfftの情報以外に、クラッタ成分の平均速度AVac、クラッタ成分のパワーAPac、クラッタ成分の分散ATacの情報を基に、クラッタとノイズの除去をより明確にでき、クラッタやノイズ成分をブランクする。
【0068】
後処理部49の出力は、出力バッファマルチプレクサ(OB MUX)50に入力され、操作者指示に応じた表示モード(カラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラ)にあわせて出力データを切り替える。また、後段のディジタルスキャンコンバータ4、5に転送するタイミングをあわせるため時間緩衝の機能を持つ。
【0069】
以上のように、FFT法(高速フーリエ変換法)を、カラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラで共有させて、スペクトラム系列を2次元で取得することができるので、時間軸で適応処理していたクラッタフィルタの信号処理を、周波数空間上で行い、フレームメモリ47にスペクトラム系列(パワースペクトラムもしくは複素数のスペクトラム)のフォームで保存し、周波数単位でパワーを計算し、そしてその結果を基に平均速度等の推定を行うことができるため、血流信号がクラッタに引っ張られることなく、しかも信号処理途中にデータの切り捨てがなく滑らかな画像が得られる。しかもカラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラ信号処理を、FFTという同一の系で同一の信号処理で実現できるため、ハードやプロセッサの負担が軽くなる。
【0070】
また、従来では、図9(a)に示すように、PWドプラでのレンジゲートは1本のラスタ上の1次元範囲に制限されていたが、本実施形態では、アンギオ用フレームメモリ47にはスペクトラム系列Pmが2次元情報として蓄えられているため、後処理部49において、図9(b)に示すように、レンジゲートを深さ方向及び方位方向それぞれに関して任意の幅に設定して、つまり任意の位置に任意の大きさで関心領域ROIとして設定し、両方向に2次元的に重み付け積分をかけて、スペクトラムドプラモードのスペクトラム系列を得ることができる(レンジゲートのROI化)。しかもその範囲内の血流成分のパワーPfft(x,y)に対して任意の重み付けを両方向にかけて加算し、プローブ1の送受信音場による感度補正等をすることができる。
【0071】
図10には、本実施形態で採用可能な2次元的なレンジゲートとその感度分布について示している。図10(a)は従来同様の1次元のレンジゲートマークで、同図(b)にその感度分布を示している。この1次元のレンジゲートでは深さ方向に1次元的なサンプリングのため、マークは深さ方向の幅のみを示し、その深さに応じた送受信の音場により感度分布が一意に決まってしまう。その形状は概ねティアドロップ状でフォーカスの影響でレンジゲートの場所によっては方位方向の感度が広がって、スペクトラム成分のブロードニング等の悪影響を及ぼすこともあった。
【0072】
本実施形態では、スペクトラム情報が2次元で得られるので、2次元のレンジゲートを採用することができる。図10(c)、図10(e)、図10(g)、図10(i)に2次元のレンジゲートの一例(球形、ピラミッド形、均一方形、均一円形)を示し、それぞれの感度分布を図10(d)、図10(f)、図10(h)、図10(j)に示している。実際の計算としては、後処理部33で、
【0073】
【数11】
【0074】
の重み付け加算処理を行う。ここで、(x0 、y0 )は、レンジゲートマークの表示座標の中心点であり、Piはフレームメモリ47から出力されるPm(パワースペクトラム系列)、SPiは重み付けされたスペクトラムデータである。W(x、y)は重み付け関数であり、位置に応じて重み係数を変えられるようになっている。適当な重み付け関数により、送受信音場の影響を補正することも可能である。W(x、y)は、(2m+1)×(2n+1)画素分の大きさを持つため、m、nのパラメータを変化させ、レンジゲートマークの大きさを深さ方向と方位方向とに任意に変更することができる。
【0075】
ここで、スペクトラムドプラの新規なインデックスとして、後処理部49でVFFT が2次元で得られているので、それらをドプラのレンジゲート形状で重み付け加算すれば、SVmean(VFFT の空間的平均流速)、SVmax (VFFT のレンジゲート内最大流速)、VV(VFFT のレンジゲート内のばらつき)を、
【0076】
【数12】
【0077】
として計算することができる。(19)式のSVmeanの重み付け関数W(x、y)は、(18)式と同じであり、表示座標(x0 ,y0 )を中心とした(2m+1)×(2n+1)サイズのカーネル部分である。(20)式のmax()関数は、(2m+1)×(2n+1)領域の中のVFFT の最大値を抽出する関数である。目的によっては、W(x、y)の重み関数を掛けるようにしてもよい。
【0078】
(19)式のSVmeanと、(20)式のSVmax は、従来のスペクトラムドプラのインデックスVmean、Vmax が、レンジゲート積分後の1次元情報から得たインデックスであるのに対して、2次元情報から得たインデックスであるので、計測精度が格段に向上する。
【0079】
これら新規なインデックスSVmean(VFFT の空間的平均流速)、SVmax (VFFT のレンジゲート内最大流速)、VV(VFFT のレンジゲート内のばらつき)は、後処理部49で計算された2次元のVFFT を使って計算される。図2に示した自己相関とFFTとに比較結果から分かるように、ノイズが小さいときには、VFFT は、VACに比べて、小さな値になってしまう。このときVFFT は平均流速という意味では、正確に計算されているが、見かけ上の感度では、VFFT よりも、自己相関によるVACの方が、値としては高いので、観察者に実力以上に好印象を与えることもある。
【0080】
VFFT の計算式は、
【0081】
【数13】
【0082】
で1次モーメントを意味しているので、この重み付け関数f(i)を、図11(a)のP1(オリジナル)を、図11(b)のガンマ様曲線に変形するように、例えば、f(i)=α・i3 を与えることで、ドプラ信号の感度が十分なときにはクラッタに引っ張られない特性を得ることができる。図11(c)にシュミレーション結果を示した。これから本発明の妥当性が分かる。なお、図11(c)は、VFFT とVACと1次モーメント補正V1FFTの比較であり、2周波数入力モデルでクラッタ成分と信号成分とのパワー差による計算精度への影響を調査した結果である。なお、縦軸において、VF は、FFT法により得た平均流速であり、VA はAC法により得た平均流速であり、V1Fは1次モーメントに補正をかけたFFT法による平均流速を示している。ここでは、クラッタ成分の周波数はπ/64とし、信号成分の周波数は15・π/64とした。また、横軸において、1ステップ1dBで信号パワー/クラッタパワーの比を+30dBから−20dBまでスィープしている。また、目盛り20で信号パワーとクラッタパワーが同じレベル(0dB)になる。このパワー比0dBを境に、AC法による平均流速計算では、FFT法に比べて、クラッタパワーが増大するにつれ低いほうへ引っ張られてしまう。f(i)=α・i3 なるカーブをV1Fで使用した例で、実際には、α=1.22程度の補正を使用した。
【0083】
また、図12,図13に示すように、適応型制御部44の出力Vac、Pac、Tacはハイパスフィルタ45を通っていないため、クラッタ成分の平均速度/パワー/分散に対応するが、計算部48の出力Vfft、Pfft、Tfftはハイパスフィルタ45を通過しているので、血流成分の平均速度/パワー/分散に対応している。つまり、必ずPac≧Pfftとなり、また多くの場合、Vfft≧Vacとなる。従って、α・Vac以下(αはプリセットされた係数)になる点だけを、高確率でクラッタ成分が支配的である点としてブランクすることができる。これにより従来のDSC4前でのブランク処理で欠落していた情報が欠落せず、最終のRGBルックアップテーブル6まで保存されるので、感度のよい画像が得られる。
【0084】
また、適応型後HPF45では、図14(a)に示す理想的なフィルタ特性に、図14(b)に示すFFT43のデータ数Nの時間窓の影響を考慮した特性をコンボリューションした図14(c)に示すフィルタ特性に従ってフィルタすることにより、低周波数成分の広がりも最適化することができる。
【0085】
また、適応型後HPF45において、図15(b)に示す自己相関により得たクラッタ成分のVac,Pac,Tacから正規分布のクラッタモデルを計算し、それを図15(a)に示すFFT43からのスペクトラム系列から減算する、つまり自己相関結果から計算したクラッタモデルをスペクトラム系列から周波数空間上でダイレクトに引き算することにより、図15(c)に示すように平均速度等のクラッタ成分によるDC側への引っ張られがなくなり、またクラッタ成分を高精度に除去した血流成分に関するスペクトラム系列が高精度で得られる。
【0086】
ここで、図16(a)に示すように、クラッタ成分が十分大きいときには、図16(b)の自己相関結果から正規分布で近似するクラッタモデルは比較的信頼性が高く、図16(c)に示すようにクラッタ除去特性は良好で、血流成分のみを比較的高精度に抽出できる。しかし、腹部血流等では、図16(d)に示すように、クラッタが比較的小さく、この場合には、図16(e)に示すように、その自己相関結果から正規分布で近似するクラッタモデルは実際には血流成分のモデルに近似的になってしまうので、図16(f)に示すように、血流成分が消去されてしまう可能性がある。
【0087】
これを回避するために、例えば図17に示すようなVACの絶対値に応じて変動する補正関数W(|VAC|)で図16(g)のようにクラッタモデルP′(f)を補正することで、
【0088】
【数14】
【0089】
図16(h)のように血流成分が消去されてしまう事態を回避することができる。
【0090】
また、アンギオ処理部46は、図18に示すように、アンギオ用フレームメモリ47として方位方向、深さ方向、時間軸方向に関する3次元バッファを持っているので、例えば個の3軸に関するVacの積分による線形な平滑化処理を考えた場合、例えば深さ方向に深くなるに従い、その平滑化関数の積分定数を大きくすることで、つまり、クラッタ成分に関する平均速度とパワーと深さとに応じた平滑化関数に従って血流に関する平均速度、パワー、分散をフレーム平滑化することで、黒ヌケのない滑らかな画像を得ることができる。また、自己相関によるクラッタ成分のパワーPacが大きいとき、その位置での積分定数を小さくして、クラッタ成分の表示面積、残存時間を小さく且つ短くすることができる。Vac、Pacに応じて積分定数を変化させるようにしてもよい。
【0091】
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能である。従来のカラードプラやカラーアンギオでは、自己相関法による平均流速やパワー(トータルパワー)が正側成分/負側成分が混在した状態で計算されていた。例えば、本実施形態では、パワースペクトラムが2次元で得られているので、任意の周波数成分を取り出して、平均流速やパワー(トータルパワー)を計算することができる。従って、ゼロシフト量に応じた正側のパワー成分、負側のパワー成分のみを選択的に抽出することができる。
【0092】
図19(a)にオリジナルのスペクトラム分布を示している。自己相関法では、上述した(7)式より、Q0なるトータルパワーが得られるが、(3)式に示す計算仮定上、正負を区別できずに混在してしまう。また、自己相関法では、(8)式のQ1なる平均速度においても、(4)式の計算過程上、正負両方のベクトルの合成として計算されるため、ドプラの感度が低く、ノイズに埋もれた血流信号では血流抽出が困難になる。
【0093】
そこで、図19(b)、図19(c)に示すように、FFT法ではスペクトラムが得られるので、正側速度、正側パワー、負側速度、負側パワーを分離できる。これにより、正側速度V+ 、正側パワーP+ 、負側速度V- 、負側パワーP- を、
【0094】
【数15】
【0095】
のように計算することができる。
【0096】
こうして得られた正側速度V+ 、正側パワーP+ 、負側速度V- 、負側パワーP- を、本来のVFFT やPFFT の代わりに切り換えて表示する。この切り換え条件を、図20に示す。これにより図2に示すように、従来の自己相関法でクラッタに平均流速が引っ張られることも、FFT法でノイズに平均流速が引っ張られることもなくなり、微弱な血流信号の検出が可能となり、カラードプラやアンギオの診断能が向上する。
【0097】
さらに、カラードプラやアンギオのゼロシフトを定義し直すと、ゼロシフト時に、従来に比べて、パワーと平均流速の正確性が向上する。従来のカラードプラのゼロシフトは、周波数解析後のVAC(自己相関による平均流速)を、ディジタルスキャンコンバータで表示する際の色付けを行うLUT(ルックアップテーブル)で色調と流速との対応付けを変化させているため、順流と逆流とが混在する信号の場合、それが折り返りを起こす流速で発生したものなのか、単純に順逆が混在しているのか何れであるかを判別し難かった。
【0098】
本方式によると、ゼロシフトに応じて、(15)式に示すように、1次モーメントの荷重をナイキスト(fs /2、−fs /2;fs はサンプリング周波数)より長くしてかけることができるので、平均流速の計算精度が向上する。図21(a)はゼロシフトをかけないときの例であり、(15)式のように、正負対称の1次モーメントによる重みがかかり、計算範囲は−fs /2から+fs /2までの範囲になる。一方、図21(b)は、ゼロシフトを+fz を与えたときの計算範囲を示していて、それは、−fs /2+fz から+fs /2+fz の範囲であり、ゼロシフト時の平均流速VFFT は、
【0099】
【数16】
【0100】
となり、図21(e)に示したように、折り返りを考慮した正確なVFFT が得られる。この図21(e)は、VFFT とVACとで+π/2のゼロシフトの比較を示しており、周波数スィープで0から2・πまで周波数を変化させた。縦軸において、VF は、FFT法による平均流速、VA はAC法による平均流速、V0Fは+π/2のゼロシフトしたFFT法による平均流速を表している。一方、横軸において、周波数スィープは0から2・π(0からfs まで)とした。FFT法のゼロシフトでは、+π/2シフトさせた量に応じて平均流速が+0.5を越えて、+0.75まで延びる。
【0101】
なお、図21(c)にはゼロシフトのないときの図21(a)の重みに対応する1次モーメントを示し、図21(d)にはゼロシフト+fz のないときの図21(b)の重みに対応する1次モーメントを示している。これにより、従来の自己相関法の平均流速VACが表示色の対応付けの変更で、ゼロシフトを実現していたのに対して、本方式では、全く正解な計算結果が得られるため、折り返し血流の判別が正確にできる。従来は、乱流領域は、ノイズ領域と同じで、順逆の区別がつかなかったが、本方式により、より明確に順逆の血流を判別することができる。
【0102】
また、ECG(心電信号)で心拍同期をとってインデックスPI(Pulsatility Index) 、RI(Resistance Index)を計算し、それをカラーマッピングすることも考えられる。スペクトラムが2次元で得られていることをベースとして、発展させることができる。後処理部49で、ECGのR波をトリガにして、2次元マップ上の各点のスペクトラムのECGトリガ時のVFFT 値をVED、次のECGトリガがくるまでのVFFT の最大値をVps、最小値をVMINとし、比較計算し、各点の代表的な値を逐次蓄えておく機能と、それを基にしてPI,RIをECGトリガ毎に出力し、表示する機能を持たせてもよい。
【0103】
図22のECGトリガt1で、トリガがかかり、次のトリガt2までの時間をT2とし、t1時点でのVFFT をVED、t1からt2までの期間のVFFTの最大値をVps、最小値をVMINとした場合、
【0104】
【数17】
【0105】
を逐次蓄えておき、それらを基にインデックスPI,RIを逐次計算し、2次元マッピングする。
【0106】
【数18】
【0107】
(35)式、(37)式のインデックスはVEDをベースとしたPI,RIであり、(35)式、(37)式のインデックスはVMIN をベースとしたPI,RIである。
【0108】
なお、(30)式乃至(34)式を計算する際に、VFFT(t)の時間変化の値を利用した方が、特に平均流速以外にスペクトラムの最大パワーをプロットした最大流速の波形を基にしたものでもよい。それには様々なバリエーションが考えられ、PI,RI以外に、例えば、SAT(Systolic Acceleration Ratio) 、図22中のT1に相当するものや、SAR(Systolic Acceleration Ratio) がある。
【0109】
【数19】
【0110】
この(39)式のような収縮期の加速度をパラメータ化したものや、ATI(Acceleration Time Index)
【0111】
【数20】
【0112】
のような加速期間をパラメータとしたものがバリエーションとして考えられる。
【0113】
上記PI,RI,SAT,SAR,ATI等の血流インデックスの2次元カラーマッピング化により血管狭窄の重症度判定や末梢血管抵抗性判定が容易になり、従来、スペクトラムドプラで1点の波形解析をしていたところが、2次元でECG同期のリアルタイムで可視化することができる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、フーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として取得するので、カラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラを同一の系で同一の信号処理で実現でき、ハードやプロセッサの負担が軽くなる。
【0115】
また、従来ではPWドプラでのレンジゲートは1本のラスタ上の1次元範囲に制限されていたが、本発明では、レンジゲートをROI化することができる。
【0116】
また、本発明では、自己相関及びローパスフィルタの出力は、ハイパスフィルタを通っていないため、クラッタ成分の平均速度/パワー/分散に対応する。なお、必ず、クラッタ成分のパワー≧FFTによる血流のパワーとなり、また多くの場合、FFTによる血流の平均速度≧クラッタ成分の平均速度となるので、これに基づいて、血流に関するパワーがクラッタ成分に関するパワー以上になる点、血流に関する平均速度がクラッタ成分に関する平均速度以下になる点をクラッタ成分が支配的である点として高精度でブランクすることができる。
【0117】
また、本発明では、自己相関により得たクラッタ成分の平均速度、パワー、分散からクラッタ成分のスペクトラム系列を正規分布としてモデル化することができる。従って、FFTで求めたスペクトラム系列から、クラッタ成分のスペクトラム系列正規分布モデルを減算することにより、平均速度等のクラッタ成分によるDC側への引っ張られがなくなり、またクラッタ成分を高精度に除去した血流成分に関するスペクトラム系列が高精度で得られる。
【0118】
また、本発明によれば、クラッタ成分に関する平均速度とパワーと深さとに応じた平滑化関数に従って血流に関する平均速度、パワー、分散をフレーム平滑化するので、クラッタ成分の表示面積、残存時間を小さく且つ短くして、黒ヌケのない滑らかな画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、自己相関法(AC法)とFFT法との計算ブロックを示す図。
【図2】本発明において、自己相関法(AC法)とFFT法との平均流速に関する比較と、分散に関する比較とを示す図。
【図3】図2に対応するシュミレーション結果を示す図。
【図4】図2に対応するシュミレーション結果を示す図。
【図5】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の他の構成を示すブロック図。
【図7】図5のカラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラム処理ユニットの詳細な構成を示すブロック図。
【図8】図5のアンギオ用フレームメモリの1画素単位のデータ構成を示す図。
【図9】図7の後処理部におけるスペクトラムドプラのレンジゲートのROI化を示す図。
【図10】本実施形態における様々なレンジゲートマークとそれぞれの感度分布を示す図。
【図11】本実施形態において、1次モーメントP1 の重みカーブを示す図。
【図12】図7の後処理部の入出力を示す図。
【図13】図7の後処理部のブランク処理の説明図。
【図14】図7の適応型後HPFのフィルタ特性を示す図。
【図15】図7の適応型後HPFにおけるクラッタ成分の除去処理の説明図。
【図16】本実施形態において、クラッタ除去の問題点とその解決法の説明図。
【図17】図16の解決法で用いる補正カーブの一例を示す図。
【図18】図7のアンギオ用フレームメモリのデータ構造を示す模式図。
【図19】本実施形態において、新規な血流インデックスの説明図。
【図20】図19の血流インデックスの表示例を示す図。
【図21】本実施形態において、ゼロシフトの有無それぞれのスペクトラム計算領域を示す図。
【図22】本実施形態において、ECGトリガ同期内のVED、VPS、VMIN の表示例を示す図。
【図23】従来のカラードプラ/カラーアンギオ対応の超音波診断装置の構成図。
【図24】従来のカラードプラ/カラーアンギオ対応の超音波診断装置の他の構成図。
【符号の説明】
1…超音波プローブ、
2…送受信部、
3…カラードプラ/カラーアンギオ/スペクトラムドプラ信号処理ユニット、
4…カラー用ディジタルスキャンコンバータ、
5…白黒用ディジタルスキャンコンバータ、
6…RGBルックアップテーブル、
7…ディスプレイ、
31…前処理部、
32…複素高速フーリエ変換部、
33…適応型後処理部、
34…適応型制御部、
35…アンギオ処理部、
36…アンギオ用フレームメモリ、
37…VPT計算部。

Claims (3)

  1. 被検体に対して超音波を送受信する手段と、
    前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、
    前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、
    前記スペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、
    前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、
    前記クラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散の少なくとも1つを、前記血流に関する平均速度、パワー、分散の少なくとも1つと比較して、血流信号とクラッタ成分とノイズとを判別する手段と、
    前記クラッタ成分又はノイズと判別された点をブランクする手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 被検体に対して超音波を送受信する手段と、
    前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、
    前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、
    前記クラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散に基づいてクラッタ成分のスペクトラム系列正規分布モデルを計算し、前記スペクトラム系列から減算する手段と、
    前記減算されたスペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 被検体に対して超音波を送受信する手段と、
    前記送受信により得られたエコー信号からドプラ信号を検波する手段と、
    前記ドプラ信号からフーリエ変換によりスペクトラム系列を2次元情報として求める手段と、
    前記スペクトラム系列から血流に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、
    前記ドプラ信号に対して自己相関処理及びローパスフィルタをかけてクラッタ成分に関する平均速度、パワー、分散を2次元情報として求める手段と、
    前記クラッタ成分に関する平均速度とパワーと深さとに応じた平滑化関数に従って前記血流に関する平均速度、パワー、分散を空間的且つ時間的に平滑化する手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
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