JP4480959B2 - 炭素繊維前駆体トウの梱包方法及びその梱包装置 - Google Patents

炭素繊維前駆体トウの梱包方法及びその梱包装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、総繊度が48000dtex 〜7200000dtex の炭素繊維前駆体トウの梱包方法及びその梱包装置と同前駆体トウの梱包容器に関する。
【0002】
【従来技術】
炭素繊維は、比強度、比弾性率、耐火性、耐熱性、耐久性などに優れることから、その適用分野はますます広がってきている。現状の製造技術をもって、その品質を確保するには繊維の生産性を抑えざるを得ず、どうしても価格が高くなる。近年、生産性を上げてコストダウンを図るため、フィラメント数が50000以上の太い炭素繊維前駆体トウが採用されるようになり、その結果、トウパッケージも大型化が余儀なくされている。このパッケージの大型化には、トウの振り落としによる梱包方法が有利であるとされている。従来から、トウの振り落としによる様々な梱包方法の提案がなされてきている。また、耐炎繊維用の前駆体トウも、同様に生産性の観点から太繊度のものが採用されている。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、ケンスの半部に未延伸トウをエゼクタを使って吸引させるとともにトラバースさせてケンスの一端から他端へと連続してジグザグ状にl0〜20層積重ねて収納したのち、トウの非収納側の半部側にトウの収納を切り換えて、同じくl0〜20層積重ねて収納する。この切り換わった間に先の収納した半分のトウを、押込面に空気抜き孔を有する押込板をもってトウ内の空気を抜きながらケンス内に押し込む。この切換え操作を繰り返してトウパッケージを製造する。このように収納することにより、トウを高密度で収納できる。
【0004】
また、例えば特許文献2によれば、紡出された未延伸糸トウをニップローラで引き取り、その下方のトウ梱包容器に収納する。このとき、ニップローラの下方で、トウを挟んで横方向に対向して配された一対の気体噴射ノズルから、噴出圧力0.3 kg/cm2 以上、噴出速度150 m/秒以上の気体を、30回/秒以上のサイクルで落下途中のトウに交互に噴射させる。こうすることにより、未延伸トウをトウ梱包容器に連続的に安定して収納することができるようになり、延伸時に未延伸トウの乱れやもつれ等がなく引き出すことができ、延伸工程の操業性を向上させることが可能になるとしている。
【0005】
更に、例えば特許文献3では、ポリエステル繊維の未延伸トウをギヤホイルを介して落下させる途中で左右から空気を吹き付けながら、下方でX及びY方向にトラバースするトウ梱包容器に振り落としている。
【0006】
また、例えば特許文献4では、溶融紡糸されたポリエステル繊維の多数のフィラメントを冷却し、オイリング等を施した後、多錘分の未延伸トウを集束して未延伸トウを得たのちガイドローラで案内して、エゼクタを通して引き取りながら落下させ、2枚のはね板を交互に切り換え、容器の半部づつ所定量のトウを下方でX及びY方向にトラバースするトウ梱包容器内に交互に落下収納する。この収納ごとに収納を終えたトウに対して一対の押え板を切り換えながら交互にプレスしている。この押え板のプレスによって嵩高な糸条束を圧縮してとう梱包容器内に多量に収納することが可能になるというものである。
【0007】
また、例えば特許文献5によれば、円筒状容器を回転させておき、この中心から外れた位置にフィラメントを落下させ、さらに別の位置に圧縮部材を昇降させるようにした。フィラメントは容器内で、概ね、小円を描きながら大円を描くようにして堆積し、圧縮部材で間断なく圧縮される。構造が簡単でありながら、高い圧縮が実現されるとしている。
【0008】
また、例えば特許文献6は、酸素透過度が200ml/(m2・24hr・atm)以下、厚みが20〜200μmのフィルムにより炭素繊維用プリカーサーを水分率3〜150wt%で包んだパッケージとその製法に関するものである。トウの振り落としによって梱包するにあたり、プリカーサーの水分率を高めることで集束性をもたせると同時に、高水分率の炭素繊維用プリカーサーを長期間保管しても、バクテリアやカビの増殖が抑えられ、炭素繊維の強度低下を防止することができるとしている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭56−13143号公報
【特許文献2】
特開平7−42016公報
【特許文献3】
特開平11−79556号公報
【特許文献4】
特開平11−208996号公報
【特許文献5】
特開2001−89030号公報
【特許文献6】
特開2001−240168号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記特許文献1では、トウの梱包容器の半分にエゼクタによって未延伸トウをトラバースさせながらジグザグ状に振り込む一方、トウが収納された他の半部を一対の押込板の一方をもって容器内に押し込むことを容器の半部づつ交互に行うため、トウ振込み側の押込板を押込み位置からトウとの干渉を避ける位置へと退避せなければならず、押込板の揺動機構とタイミング制御が必要になり、機構とタイミング制御が複雑化する。更に上記特許文献4では、装置全体の機構がより複雑化するとともに、高生産性が得がたい。
【0011】
また、上記特許文献2のより好ましい例では、落下するトウに対して左右から気体を高サイクルで交互に噴射し波打たせながら容器に振り落とす一方、容器をX軸方向とY軸方向の二軸方向にトラバースさせている。従って、そのトラバース機構が複雑化するのみならず、容器内のトウの積層構造を安定化することが難しい。また上記特許文献3も、空気をトウの両側から交互に吹き付けてジグザグに落下させ、下方で一軸方向にトラバースする容器に振り落としながら収納するため、特許文献2よりもトラバース機構が簡略化されるものの、このように落下するトウに対して左右から空気を吹き付ける場合には、毛羽が誘起され、複数本の細いトウを集束トウとした場合には、もとの細いトウにたやすく分割してしまう。また、糸条に撚りを与えてしまう可能性もある。
【0012】
また、上記特許文献5は、機構が簡単であるが、押え部材の自重により圧縮荷重を付与しようとするため、梱包嵩密度を上げようとする際には設備を過大なものとせざるを得ない。上記特許文献6では、トウの水分率を3〜150wt%と高く設定しているため、その防腐対策としてフィルムの密閉作業、脱酸素剤の封入、脱気、ガス置換、加熱処理などパッケージング作業を煩雑にする。
【0013】
本発明はこうした従来の様々な課題を解消することを目的としてなされたものであり、具体的には太繊度のストレートな糸条の容器への安定した収納と梱包重量の極大化を実現化するとともに、防腐処理などの格別に煩雑な作業が不要であり、しかもトウの形態が安定し、パッケージから引き取るときにも安定して引き取ることが可能で、効率的に梱包できる炭素繊維前駆体トウの梱包方法及び梱包装置と同パッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本発明の総繊度が48000dtex 〜7200000dtex の太繊度の炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウの梱包方法における基本構成は、炭素繊維前駆体トウを揺動シュートを介して梱包容器に振り込み梱包する方法であって、前記トウを梱包容器に振り込む前に、予め前記トウに1〜3wt%の水分を付与することシュート先端の遥動速度を紡糸速度と等しくなるよう遥動させること、及びトウの梱包容器への振込み初期段階から、梱包容器の折返し地点ごとに振込みトウに対してプレスを行うこと、を特徴としている
【0015】
このように、トウを梱包容器に振り込む前に、予めトウに1〜3wt%の水分を付与しておくと、シュート詰まりやパッケージング前後の防腐処理や対策が不要であって、しかも集束性が確保されるためパッケージから引き出すときもトウ間において解舒性に優れており、毛羽などの発生がなく円滑に引き出すことができる。
前記梱包容器は、段ボールからなる梱包容器本体と、同梱包容器本体の内部に配され、梱包容器本体の内面形状と略同一形状をもち、0.1mm以下の厚さからなる非透湿性の内装材とからなり、前記トウを前記内装材を関して梱包容器本体内に収納して構成することが好ましい。このように容器本体内に内装材を配することにより、振り込みトウを梱包容器に振り込む際、容器内面とトウの接触により摩擦,擦過等の損傷を受けなくなり、また仮に容器本体が段ボールにより構成される場合にも、トウの水分により段ボールが吸湿することが防げる。
【0016】
この内装材として材質は特に限定はないが、安価で利便性の高いポリエチレンシートであることが好ましい。内装材は、容器の内面に可能な限り密着させ、振り込み形態を乱さないよう、なるべく極薄とすることが好ましい。内装材の厚さは0.1mm以下であって、好ましくは0.05mmであり、更に好ましくは0.03mmである。0.03mm以下では、段ボールに内装材を充填する際の破損やコストの面で好ましくない。内装材の形状は基本的に段ボール箱の形状と同じにすることが好ましい。また、トウの振り込み終了後に、トウの水分蒸発や外部からのゴミや異物の混入を防ぐためには、パッキング梱包する前に、一旦内装材でトウを包装することが好ましい。その方法として、例えば真空包装や完全密閉といった方法が考えられるが、ここでは特に限定されることはなく、簡単な包装でその効果が期待できる。
【0017】
トウに水分を付与したのち、更にトウをギヤロール間に通して引き取り前記梱包容器に振り込むことが望ましい。このとき、ギヤロールは構造を簡素化するためギヤ形状の2枚のプレートを所定の間隔をおいて配し、各対応するギヤ形状間をパイプをもって連結して作製することができる。勿論、所要の厚みを持つ通常のギヤであってもよい。このように、トウに水分を付与したのち、更にトウをギヤロール間に通して引き取るようにすると、トウの偏平化と同時にごく軽度にジグザク形状が付与されるため、振込み時の箱端でのトウの折り返しがスムースになり集束性と形状安定性に優れ、容器に収納されたときトウ間の交絡が少なくなり、容器から引き出すときには前述のジグザグ形状が解消して、ストレートな繊維群からなるトウとなって円滑に引き出すことができるようになる。またトウとの接触面積が少ない状態で引取りが可能であるため、ロールによる振込みに比較して巻き付きが防止でき、安定に容器に収納することができる。
【0018】
また、本発明にあっては前記シュート内にエアを流通するか、或いはシュート先端にてエアカーテン状のエアを噴出させてトウに引張り力を付与することが好ましく、また同時にシュート内をバフ研磨仕上げすることが、トウの引っかかりを防止するとともに円滑な振り出しが実現されるため好ましい。
【0019】
また、前記シュート先端の遥動速度を紡糸速度と等しくなるよう遥動させることが好ましい。シュート先端の遥動速度を紡糸速度と等しくなるように遥動させると、容器内をトラバースするトウの振込位置と振込量とが常に一致することになり、容器内ではトウがトレートに引き揃えられる。この収納形態が、容器内におけるトウの折り返し回数を極小化させることを可能とし、結果として梱包嵩密度の極大化につながる。
【0020】
更に、前記梱包容器を、紡速に対して1/100 〜1/25 にてシュートの揺動方向と直交する方向に往復させることが好ましい。紡速に対する梱包容器の往復速度をこのように設定することにより、トウが容器の振込み面に均等に振り込むことができるばかりでなく、振り込まれたトウが斜めに倒れ込むことを防ぐことができる。
【0021】
また、トウの振込み初期段階から梱包容器の折り返し地点ごとに振込みトウに対してプレスを行うことが好ましい。このときのプレスは、振込みの早い時期すなわち振り込み面が容器の底部にある段階から開始する。早い時期からのプレスは、収納密度の極大化を達成させる。プレスの頻度は容器の往復に伴うそれぞれ両端の折り返し地点において行う。その容器位置の検出は、光電管スイッチにて行うことができ、またプレス装置は、容器内において次第に上昇する振込み面に追従させる必要があるためエアシリンダーにて駆動することが好ましい。この場合、トウの振込みの早い段階からプレスするには、ストローク長を稼ぐ必要があるので、2以上のシリンダーを直列的に配して、そのストローク長を確保するとともに、シリンダー部の設置長さをコンパクトにできる。
【0022】
また、本発明にあっては振り込み終了後のトウ上面に弾力性のある緩衝材を配して圧縮梱包することが好ましい。緩衝材の材質としては特に限定されるものではなく、反発力を有する材質であればよい。この材質は安価で加工性に優れていることが望ましく、発泡スチロールや市販されているエアー入り緩衝材であっても特に問題はない。
【0023】
上記梱包方法の発明を実施するには、総繊度が48000dtex 〜7200000dtex の太繊度の炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウを揺動シュートを介して梱包容器に振り込み梱包する本発明の梱包装置が好適である。同梱包装置は、前記トウを梱包容器に振り込む前に、予め前記トウに1〜3wt%の水分を付与する水分付与手段を備えていることを基本構成としている。
【0024】
ここで、シュートの断面寸法をトウ幅方向のトウ幅の略2倍、トウ厚み方向に略50mmに設定され、シュート先端部は、トウ厚み方向の開口寸法を振込み側に向けて漸減させてなることが好ましい。さらに好ましくは、後述するシュートの導出口にエアによる引張力付与手段を配することが容易となるように、延長シュートを配設する。この場合延長シュートの形状は、そのトウ幅幅方向内寸をトウ幅の3倍程度とし、また、トウ厚み方向の開口寸法を振り込み側に向けて残減させて、略30mmとすることが好ましい。トウの振込みにあたっては、シュート内で捩じれが入るのを防止し、テープ状のフラットな形態を保つように配慮する必要がある。しかしながら、シュートの揺動に対して、トウはその自重が少ないため、空気抵抗を受けやすく、シュート内で仮撚りが入る可能性がある。それを防止するため、シュート幅の寸法をトウ幅の略2倍として幅方向に余裕をもたせるとともに、シュート先端部におけるトウの厚さ方向の開口寸法を、振込み側に向けて狭める。
【0025】
またシュート開口部における最終の詰まりを生じにくくするため、シュートのトウ導入口又はトウ導出口にエアによる引張り力付与手段を配しておくことが好ましい。一方、上記水付与手段としては、噴射ノズルによる噴霧やタッチロールによる付与がある。また、その水分を付与する時期は、集束して太繊度の炭素繊維前駆体トウとなる前の小トウを偏平化する段階で付与することが望ましい。
【0026】
更に、前記シュートのトウ導入部に隣接して一対のギアロールを配していることが、トウ形態の安定化を図ることができることと、滑りを生じながら引き取るため厳密な張力の制御が不要となり好ましい。前記ギアロールは不動位置に配するとともに、前記シュートのトウ導入部を前記ギアロールから導出されるトウに対向させて配置し、そのトウ導入部を支点としてシュートを揺動させることが好ましい。このギアロールとシュートとの配置を採用することにより、後述するプレス装置と相まって極限までに高密度の収納が可能となる。ギアロールはギア形状を有する2枚の円板を所要の間隔をもって対向させ、対応する歯部の間を複数本のパイプ材をもって連結して形成することが好ましい。かかる構成により、コストの低減、磨耗などに対するメンテナンスの容易となる。
【0027】
本発明装置にあっては、既述したようにトウ梱包容器を上記シュートの揺動方向と直交する方向に紡速に対して1/100 〜1/25 の制御速度で往復動させることが好ましく、そのための速度制御手段を有していることが望ましい。このトウ梱包容器の往復動の折返し時点で、振込みの初期段階から容器内に収納されたトウを上面からプレスすることが好ましいが、特に本発明では直列に配された2以上のシリンダを有し、梱包容器の折返し時点ごとに振込みの初期段階から梱包容器内の振込みトウに対するプレスを行うプレス装置を有していることが望ましい。
【0028】
プレスは、振込みの早い時期、すなわち振り込み面が箱底部にある段階から開始する。プレスの頻度は箱の往復に伴ってそれぞれ両端の折り返し地点において行われ、そのための容器位置の検出は簡単な構造と高精度の検出が可能な光電管スイッチを採用することが好ましく、またプレス装置は、次第に上昇する振込み面に追従させる必要があるためエアシリンダーにて作動する。さらに振込みの早い段階からプレスするためにはストローク長を稼ぐ必要があるので、多段のシリンダーとしている。前記プレス装置のプレス部は、穴径が5〜15mm、開口率が20〜40であるステンレス製多孔板からなることが望ましい。これはプレス部が下降してトウをプレスする際に、空気の抜けを促し、風圧による糸条の乱れを防止するためである。またその穴径は、トウが入り込まないよう5mm〜15mmであることが好ましい。また、多孔板の表面はバフ研磨にて仕上げ、トウの引っかかりをなくしている。
【0029】
トウ梱包容器は、その上端に脱着可能な補助部材を有し、同補助部材は下端縁がトウ梱包容器の上端縁に外嵌する外嵌形状を有するとともに、その下端縁から上方に開口面積を漸増させてなるフランジ部を有していることが好ましい。この補助部材は内面がバフ研磨仕上げされたステンレス製であることが、トウが引っかかることがなく、毛羽の発生が防止できるため好ましい。トウを容器の隅々まで振り込むため、シュート先端の遥動幅は容器の内寸と同じにすることが望ましい。この場合、振り込み面が上昇してくると容器からトウが溢れる可能性があるが、前述の形状をもつ補助部材を外嵌することにより、容器上端からトウが振り出されるようなことがないばかりでなく、トウを容器に対して盛り上げて振り込むことが可能となる。この状態で、既述したように緩衝材を振込み面上部に配置し圧縮梱包する。この緩衝材により、収納されたトウの運送時の振動が軽減されし、更にトウの沈降による隙間の発生を抑制することが可能となる。
【0030】
また本発明にあって、上述の梱包方法及び梱包装置に好適な炭素繊維前駆体トウを挙げることがてきる。まず、その基本的な構成は、段ボールからなる梱包容器本体と、同梱包容器本体の内部に配され、梱包容器本体の内面形状と略同一形状をもち、0.1mm以下の厚さからなる非透湿性の内装材とを有してなることを特徴としている。
【0031】
容器本体の材質としては、その経済性の観点から段ボールが望ましい。しかし、振り込みトウを段ボール製容器に振り込む際、段ボール内側面とトウの接触により、摩擦,擦過等のダメージを受けないようにしなければならず、またトウの水分により段ボールが吸湿することを防ぐ必要がある。そのため、本発明では段ボール製容器の内側に内装材を配している。内装材としての材質は、既述したとおり、安価で利便性の高いポリエチレンシートを用いることが好ましい。内装材は、段ボール側面に可能な限り密着させ、振り込み形態を乱さないよう、なるべく極薄の内装材を用いることが好ましい。内装材の厚さは0.1mm以下であって、好ましくは0.05mmであり、更に好ましくは0.03mmである。
【0032】
内装材の厚さが0.03mm以下では、段ボールに内装材を充填する際の破損やコストの面で好ましくない。内装材の形状は基本的に段ボール箱の形状と同じである。すなわち、段ボールが角底であれば内装材も角底にし、段ボールが丸底であれば内装材も丸底にする。トウの振り込み終了後、トウの水分蒸発や外部からのゴミや異物の混入を防ぐために、最終的な梱包をする前に、一旦内装材でトウを包装することが好ましい。その方法として、例えば真空包装や完全密閉といった方法が考えられるが、ここでは特に限定されることはなく簡易的な包装でその目的は達成される。
【0033】
内装材で振り込みトウを包装した後、更にその上から、弾力性のある緩衝材を振り込み面上部に配置することが望ましい。この緩衝材の材質としては特に限定されるものではないが、反発力を有する材質であれば特に限定されない。安価で加工性の良い発泡スチロールや市販されているエアー入り緩衝材であっても特に問題はない。上述のようなトウの溢れ防止用の補助部材を容器本体の上端に装着すると、容器の上端から50〜80mm盛り上げて振り込むことが可能となり、その状態で緩衝材をトウの上面に配置し圧縮梱包する。このことにより容器に収納されたトウの運送時の振動を軽減させることができるばかりでなく、トウの沈降により形成される容器上部の隙間が発生することを抑制できるようになる。
【0034】
前記梱包容器本体の下面にはフォークリフト等により容易に運搬できるように、パレットを有していることが好ましい。容器をパレット上に単に載置して運搬することもできるが、前記パレットを前記梱包容器本体に対して予め一体化しておく方が、運搬や保管にあたっての作業性が増すため好ましく、更にはパレットと容器とを脱着可能な構造としてあれば、容易に段ボールとパレットが分割でき、組立、収納、輸送において好ましい。パレットの材質は耐久性,耐水性に優れたものであれば、特に限定されるものではないが、その取扱い性や再使用の要否を含めたコストを考えた場合、容器と同様に段ボールなどの紙製であることが好ましい。
【0035】
容器の蓋にあっても同様であって、紙製(段ボールなど)であることが好ましく、その形状は容器の上端開口面に外から密嵌できる構造であれば好適である。このような構造であれば、バンド掛け梱包を行う際に、振り込み面に均一に荷重が加わりトウの収納形態が安定すると同時に、運送時に梱包済の容器を積み重ねることが可能となり、運送コストの面においても有利である。最終的な梱包をするには、蓋、梱包容器、パレットを一体ととして、その周面の少なくとも2箇所以上をプラスッティックバンドのような締結具を使って、例えばその端部同士を溶着して緊締する。
【0036】
【発明の実施形態】
以下、本発明の総繊度が48000dtex 〜7200000dtex の太繊度からなる炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウの梱包方法、その方法を実施するための梱包装置及びその梱包に使用する梱包容器の好適な実施形態を図示実施例に基づいて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の代表的な実施例に係る紡糸工程に続いて炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウを梱包する梱包工程の全体を概略で示す工程説明図である。
本実施例によれば、湿式紡糸にて得られる50000本のアクリル繊維の集合体からなる小トウ1を3本並列させた状態で複数の乾燥ロール11が並列する乾燥工程10に連続して導入して乾燥したのち、同乾燥工程10のトウ導出口の直前に配された水槽12の中にタッチロール13の一部を浸漬したタッチロール方式の水分付与手段をもって所要量の水分をトウに付与している。図示例では紡糸速度は40m/minであり、水分の付与量は1.5wt%としているが、これに限定されるものではない。
【0037】
例えば、前記水分の付与はトウの梱包後に開梱され梱包容器から引き出されるまでの間の時間や運搬条件などにより任意に変更できるが、その好ましい範囲は1〜3wt%である。このようにトウに付与される水分量を1〜3wt%に設定すると、長期間の保管に対しても、バクテリアやカビの増殖が皆無であり、しかも梱包容器63への振込み時も、更には同容器から引き出し焼成工程への供給時も、トウの形態が安定しており、その結果、以降の焼成工程における品質の低下がなく、炭素繊維として要求される十分な高品質の製品が得られる。
【0038】
上述のようにして水分が付与された3本の小トウ1は、図1及び図2に示すように、一旦そのトウ幅が均等になるように狭められ、それぞれが独立して次工程である小トウ1の構成繊維フィラメント同士を交絡させる単繊維交絡工程20へと同時に送り込まれる。この単繊維交絡工程20には、各小トウ1ごとに図示せぬ多数のエア噴出孔を有する上下一対の偏平ノズル21が上下に所定の間隙をもって配されている。この単繊維交絡工程20に並列して同時に送り込まれた3本の小トウ1は、それぞれ独立して配された前記各偏平ノズル21の間の間隙に導入され、そこでエアが吹き付けられて小トウ1ごとに、その構成フィラメントを交絡させる。本実施例にあっては、このときの吹き付けるエア圧を100kPaに設定しており、同時に各小トウ1の張力を700gとなるように張力制御している。
【0039】
単繊維交絡工程20にて、それぞれに単糸交絡がなされた小トウ1は、図3に示すトウ寄せ工程30に導入されて、湾曲部材31の凹状湾曲面に沿って各小トウ1が中央へと引き寄せられて150000本の構成フィラメントからなる一枚の偏平化した大繊度のトウ2とされたのち図示せぬ交絡装置により隣接小トウ間の構成フィラメント同士が交絡され、次工程であるトウ振込機導入部50へと送られる。このトウ振込機導入部50と前記トウ寄せ工程30との間には、図1及び図4に示すように、複数のフィードロール41を備えたトウ送出し部40が配されており、前記フィードロール41によるフィード量を制御して、上記単繊維交絡工程20における小トウ1の張力を制御している。トウ寄せ工程30にて一本となった大繊度のトウ2は、複数のガイドロール42に案内されてほぼ水平に走行し、前記トウ振込機導入部50にて変向ロール51に案内されて垂直下方へと向きを変え、直下に設置されたトウ振込機60の一対のギアロール61間へと送り込まれる。
【0040】
前記トウ振込機60は、図5に示すように、左右一対の前記ギアロール61と、同一対のギアロール61の間のトウ送出し位置の直下にトウ導入口62aを対向させるとともに、その上端のトウ導入口62aの近傍を揺動中心として、全体が同一鉛直面内を揺動可能に支承されたトウ振込みシュート62と、同トウ振込みシュート62の下方にあってトウ梱包容器63の載置位置に配され、同トウ振込みシュート62の揺動方向と直交する方向にトウ梱包容器63を往復動させる容器往復駆動コンベア64と、前記トウ梱包容器63の往復動折返し位置のそれぞれ上方に配された前後一対のプレス装置65とを備えている。
【0041】
本実施例にあって上記各ギアロール61は、図6に拡大して示すように、外周縁に多数で同数のギア歯が等間隔に形成された同一形状の2枚の円板61aを対向して配し、各円板61aの隣接するギア歯の頂部間にパイプ又は丸棒61bの両端部をそれぞれ固着して円板61a同士を連結することにより製作されている。パイプ又は丸棒61bは、その断面の半分を前記円板61aの外周縁から外径側に露呈させて円板61aに固着される。
【0042】
かかるギアロール構造により、軽量化を実現できるとともに材料及びギア作製コストを低減させることが可能となる。また、例えば円板61aに対するパイプ又は丸棒61bの端部固定手段としてボルト及びナットを使って脱着自在に取り付ければ、仮に一部のパイプ又は丸棒61bが破損したりした場合にも容易に交換が可能であり、またそのメンテナンスも容易となる。このように、トウ振込機導入部50から送り込まれるトウ2をギアロール61を通すことによりトウ2にはジグザグ状の波形が賦形されるため、所要量の水分の含有と相まってトウ2の構成繊維の偏平化形態をより安定化させる。
【0043】
上記トウ振込みシュート62は、ステンレス、アルミ合金、銅合金などの金属板が使われ、同金属板をプレス加工したのち溶接などによって製作される方形筒体からなる。本実施例によれば、図7に示すように、同トウ振込みシュート62のトウ導入開口部62aの開口断面は正方形に近く、その中間部62bの開口断面はシュート62の揺動方向の内壁間隔を揺動方向に直交する方向の間隙の略1/2と狭めた矩形状をなしており、更にその下端部のトウ振出し開口部62cの開口断面を前記矩形状の中間部開口断面よりも更に薄くして、トウ導入開口部62a、中間部62b、トウ振出し開口部62cへと連続して、その方形の開口断面をシュート62の揺動方向に順次薄くしている。因みに、前記トウ導入開口部62aのトウ幅方向及びトウ厚み方向の開口幅は双方ともに150mmであるが、中間部62bでの前記トウ振り出し開口方向及びトウ厚み方向の開口幅はそれぞれ100mm、45mmに縮小し、さらに振り出し開口部62cではそのトウ厚み方向の開口幅は30mmとしている。
【0044】
さらに好ましい態様として、図8及び図9に示すように、均等な矩形断面を有するシュート本体62dの開口部に延長シュート62d’を設ける。この場合に延長シュート62d’の上端部形状は、そのトウの幅方向内寸をトウ幅の3倍程度とし、また、トウ厚み方向の開口寸法を振り込み側に向けて残減させて、略30mmとすることが好ましい。このような形状をもつ延長シュート62d’をシュート本体62dの開口部に設けることにより、後述するシュート内を走行するトウ2に振り出し方向へ引張力を付与するエアカーテン状の空気流を作り出すための図示せぬ給気部を設けることが可能となる。また、当然のことではあるがトウ2の総繊度に応じたシュート寸法とすればよい。
【0045】
このように、シュート62のトウ振出し端において矩形開口をトウ幅方向で変えることなく、揺動方向(トウ厚み方向)で薄く形成するため、シュート62の内部を走行するトウ2の捩じれが防止でき、下方に振り出されるときも捩じれなく所期の偏平形態を保持される。更に本実施例では、図5に示すように、シュート62内を走行するトウ2に振り出し方向へ引っ張り力を付与するため、シュート62のトウ導入開口部にシュート内部に向けて空気流をつくり出す給気部62″を設けている。この給気部62″に代えて、シュート62のトウ振出し開口部62cの近傍に振り出し方向に向けてエアカーテン状の空気流つくり出す給気部を設けることもできる。このシュート62を通過するとき、シュート62内でトウ2が摩擦による損傷を受けないようにシュート62の内面にはバフ研磨仕上げが施されている。
【0046】
また、本実施例によるトウ振込みシュート62は、図5に示すように、同シュート62の揺動を前後方向とするとき、その左右側面のうちの一側面の上端に板材からなるブラケット62’の下半部を溶接などにより固設しておき、同ブラケット62’の上半部の中央部が図示せぬ駆動源によって駆動回転する回転軸にカムなどの揺動機構を介して結合され、前記ブラケット62’が前記回転軸の軸線上を揺動中心として所要の揺動幅でシュート62の全体を揺動させる。このときのシュート62のトウ振出し開口部の揺動幅は下方に配される梱包容器63の振込方向の内寸とほぼ一致させている。その揺動機構は、前述のごとくカムやリンク機構など公知の機構が採用できる。また、サーボモーターによって直接往復動の幅を制御しても良い。すなわち、ギアロール61を通して下方に送り出される大繊度の偏平トウ2は、トウ振込みシュート62に導入されるが、このとき前記シュート62のトウ導入開口部62aから先端のトウ振出し開口部62cに到る全体がブラケット62’を介して同一方向に揺動されるようになるため、同シュート62の内部を円滑に走行する。
【0047】
本実施例にあって、このシュート62の揺動速度は紡糸速度と一致させている。このようにシュート62の揺動速度をトウ2の紡糸速度と等しくすると、シュート62の振出し開口から振り出されるトウ2が多く振り出されたり、少なく振り出されたりしないため、梱包容器63の折返し位置においても確実に折り返しが可能となり、梱包容器63のトラバース方向の端部まで確実にトウ2を振り込むことがで、梱包容器63の全面に均等に収納できるようになる。また、同時に梱包容器63の内部におけるトウの折返し回数を極小化することができ、結果として梱包の嵩密度を極大化させることができる。
【0048】
上記容器往復駆動コンベア64は、図5及び図10に示すようにロールコンベアからなり、前記シュート62の揺動方向と直交する方向に複数の並列する回転ロール64aが同一水平面上に配されている。これらの回転ロール64aは、例えば図示せぬ単一の駆動軸により往復回転する駆動ロールのロール軸端に固設された同じく図示せぬチェーンホイールを介して過の従動ロールの軸端に固設されたチェーンホイールと図示せぬチェーンを介して連結され、同一方向に同調して回転する。本実施例にあっては、前記回転ロール64aの支持フレーム64bの一部に光電管式検出器64cが配されており、これによりコンベア64上を移送されるトウ梱包容器63の所定位置への到達を検出し、その検出信号が図示せぬ制御部に送られて、その信号を受けて同制御部からの指令により前記回転ロール64aの駆動源を反転させ、所定の位置でトウ梱包容器63を折り返させて、これを繰り返す。
【0049】
この梱包容器63の往復速度は、紡糸速度と同速度に設定されたシュート62の先端遥動速度に対して、1/100〜1/25に設定されている。この範囲でトウ梱包容器63をトウ2の振込み方向に直交させて往復動させることにより、梱包容器63に振り込まれたトウ2が斜めに倒れ込むことが防止され、均一な収納が可能となる。
【0050】
また本実施例にあっては、図5に示すように前記トウ梱包容器63の往復動の各折返し位置のそれぞれ上方にあって、シュート62から振り込まれるトウ2を挟んで前後に一対の上記プレス装置65が配されている。これらのプレス装置65は、図11に拡大して示すように、それぞれが多段シリンダー65aと、各シリンダー65aの伸縮端65a’を中央部に固設した板材からなるプレス部材65bとを備えている。多段シリンダー65aは所要のストローク長を確保するとともにシリンダー全体の長さをコンパクト化するのに適している。本発明では、プレス装置65によるプレスは大型のトウ梱包容器63であってもトウ2を振り込む初期段階から行われるため、また同時に次第に上昇する振込み面に追従させる必要があるため、特にシリンダー65aによる伸縮ストロークを通常よりも長くする必要がある。本実施例によれば、2段シリンダー65aを採用して、こうした点に対応させている。さらにプレスする際にトウ梱包容器63がトウ2の振込み方向に直交させて往復させており、プレスしている時間も梱包容器が往復動をしているため、これにプレス装置を追従させるためプレス装置取り付け部が、梱包容器往復動と同じ方向に遥動可能なヒンジ機構により取り付けられていることがより好ましい。
【0051】
前記プレス部材65bは、図5及び図9に示すように、前記トウ梱包容器63の底部形状と略同一の形状をもつ金属製板材から製作されている。同金属製板材の周縁部の強度と剛性を確保すべく、その周縁には補強壁65b’が直立して立設されており、前記金属製板材の下面及び補強壁65b’の外面はバフ研磨仕上げがなされて容器内のトウ2に対するプレス時の毛羽などが発生することを防止している。また、特に本実施例では、前後に配された一対の前記プレス部材65の対向する一側面には互いに離間する方向に斜めに立ち上がる傾斜壁65b″を有している。この傾斜壁65b″は、各プレス部材65が交互に作動するとき、シュート62から引き続き振り込まれるトウ2がプレス装置65の作動側領域に入り込まないように、トウ2を振込み側へと向かわせるための壁面を構成している。
【0052】
すなわち本発明では、トウ2を梱包容器63に振り込むとき、トウ2の振込み開始時からプレスを行っており、そのプレスと同時に梱包容器63の半部にてトウ2の振込みが続行している。そのプレスのタイミングは梱包容器63の各折返し時において反対側の半部にて行うようにしている。このときの位置検出は、既述したとおり光電管式検出器64cにて検出している。トウ梱包容器63の折返し位置にて一方のプレス部材65bが作動するときに、他方のプレス部材65bは上方の待機位置にあるが、このとき同時に待機するプレス部材65bの側では引き続きトウ2の振込みが行われている。このとき、プレス側にトウ2が入り込まないようにプレス側のプレス部材65の前記傾斜壁65b″をもって振り込まれてくるトウ2を振込み側へと確実に向かわせる。
【0053】
前記プレス部材65bはステンレス製の多孔板にて製作している。これは、プレス部材65bが下降してトウ2をプレスする際に、空気の抜けを促し、風圧による糸条の乱れを防止することと、プレスするトウ2のフィラメント間に存在するするエアを抜くためである。その開口率は20〜40%であることが好ましい。また、その孔径は、トウ2が入り込まないように5〜15mmに設定する。因みに本実施例では孔径を10mmとして、ピッチを17.5mm、開孔率30%で千鳥配列としており、そのプレス面にはバフ研磨にて仕上げ加工が施されてトウ2の引っ掛かりをなくしている。
【0054】
本実施例では、トウ2を梱包容器63の隅々まで均等に振り込むため、既述したようにシュート62の先端揺動幅を梱包容器63の内寸と同じにしている。そのため、トウ2の振込み面が上昇してくると梱包容器63の上端からトウ2が外側に溢れる可能性がある。そこで、本実施例では矩形開口面をもつトウ梱包容器63の上端開口部に、図12に示すような、上方に向けてテーパ状に拡がり、さらに梱包容器63の上端開口部の内側に密嵌するフランジ状の嵌着部66aをもつ補助部材66を予め用意している。この補助部材66の材質は問わないが、トウ2の損傷を避けるため、内面をバフ研磨仕上げしたステンレス製であることが好ましい。この補助部材66を容器上端部に嵌着することにより、シュート62の揺動に伴うトウ2の溢れを防止するとともに、プレス後に梱包容器63の上端を越えてトウ2を充填できる。すなわち、本補助部材66を取り付けることにより、見掛けの容器深さを深くでき、その結果、プレス前は梱包容器63の上端開口面よりもトウ2を高く詰め込むことができ、トウ2が容器外に溢れるのを防止する。しかも、トウ2の収納終了後には、上述のごとき後述する緩衝材58を介して圧縮梱包されるため、容器内のトウ密度を極限まで硬くすることができる。
【0055】
表1は、既述した本実施例によるトウ2の振込み方式及びシュート構造を採用した場合と、同実施例のトウ振込み方式に更に上記プレス装置65によるプレス操作を加えた場合の例とシュートの遥動速度が紡糸速度と異なる場合を比較したときの梱包できる重量の限度を示している。この表1から理解できるように、本発明にとって、前記シュート62によるトウ2の振込み方式とその構造を特に限定するものではないが、既述したようにシュート62をトウ2の導入位置に固定して揺動中心を配し、その揺動中心から離間する位置において、そのトウ導入開口部から振出し開口部の全体を所要の揺動幅をもって揺動させることが好ましく、更にはプレス装置65により梱包容器63の往復動の折返しごとに容器内のトウ2をプレスする収納方式が最も高重量の梱包が可能になることを示している。シュートの揺動速度が紡糸速度より速い場合、すなわちトウの落下速度がシュート先端の往復速度より早くトウが追従してこず、収納容器の隅々まで収納することが出来ない。一方シュートの揺動速度が紡糸速度より遅い場合、ストレートにトウが引き揃えられず、蛇行して収納されることとなる。したがって、この場合収納したトウとトウの重なり合う個所が増え、結果として収納嵩密度が上がらない。
【0056】
【表1】
Figure 0004480959
【0057】
次に本発明による梱包容器63の好ましい実施例を具体的に説明する。図12は本実施例によるトウ梱包容器63を外観を示している。梱包容器63の材質には、その経済性の観点から段ボールを使うことが望ましい。本発明方法により梱包容器63に振り込まれる振込みトウ2は所要の水分を含むため、段ボールに振り込む際、段ボール内面とトウの接触により、摩擦,擦過等のダメージを受けないことに加えて、トウ2の水分により段ボールが吸湿することを防ぐ必要がある。そこで、本実施例にあっては、段ボールから形成された梱包容器63の内側に内装材67を介装する。この内装材67の材質は防水性があれば特に限定されないが、安価で利便性を考えたときポリエチレンからなるシート材であることが好ましい。
【0058】
内装材67は、段ボール製のトウ梱包容器63の内壁面に可能な限り密着させ、振り込み形態を乱さないよう、なるべく極薄であることが望ましい。内装材67の厚さは0.1mm以下であって、好ましくは0.05mmであり、更に好ましくは0.03mmである。0.03mm以下では、内装材67を段ボール製の梱包容器63に介装させる際に破損しやすく作業コストの面で好ましくない。内装材67の形状は基本的に梱包容器と同一形状であることが望ましい。トウの振込みが終了したのち、トウの水分蒸発や外部からのゴミや異物の混入を防ぐためには、最終梱包する前に、一旦内装材67でトウ2を包装することが好ましい。その方法として、例えば真空包装や完全密閉といった方法が考えられるが、ここでは特に限定されることはなく簡易的な包装でもその目的は十分に達成される。
【0059】
更に本実施例では、内装材67をもって振込みトウ2を包装した後、更にその上から、弾力性のある緩衝材68を振込み面の上部に配している。緩衝材68の材質としては、反発力を有するものであれば特に限定はされない。安価で加工性に優れている点を考慮すると、発泡スチロールや市販されている水玉状に空気が充填されたフィルムシート状の緩衝材68が好適である。前述のトウ溢れ防止用の補助部材66を梱包容器63の上端部に取り付けることにより、トウ2を梱包容器63の上端から50〜80mm盛り上げて振り込むことが可能となり、その状態で緩衝材68をトウ2の振込み面に配置し内装材67を介して圧縮梱包する。このように梱包することにより、収納されたトウ2は運送時の振動が軽減され、更にはトウ2の沈降による隙間の発生が抑制できる。梱包容器63を構成する段ボールは充分な強度を有するように、通常よりも厚手のもの、例えば2段以上に積層された構造をもつ段ボール材を用いることが好ましい。
【0060】
また、段ボール製の空又は梱包後のトウ梱包容器63又の取扱いを容易にするには、トウ梱包容器63の下面にパレット69を取り付けて使用することが好ましい。
【0061】
この場合、トウ梱包容器63を別途用意されたパレット上に載置して取り扱ってもよいが、本実施例では梱包容器63の下面にパレット69を一体的に取り付けておくことが好ましく、更には、トウ2の梱包容器63とパレット69とを脱着可能な構造として、容易に梱包容器63とパレット69とを分離できるように構成すると、梱包容器63を組み立てるときやトウ2を振り込むとき、或いは梱包後の輸送時などの取扱いがしやすくなる。前記パレット69は、トウ2を容器に振り込んだあと、通常、フォークリフトを使って取り扱うことが多いことから、通常のパレットと同様にフォークリフトのフォーク部が挿入できる構造を有している。パレット69の材質は耐久性及び耐水性に優れていれば特に限定しないが、その取扱い性や再利用を含めたコストを考えると、トウ梱包容器63と同材質である段ボール紙が好ましい。この場合、パレット69の脚部を構成する部分を複数の段ボールを積層固着し、これを波形コア部分の長さ方向に直交させて所要の幅で切断し、波型コア断面を上下に配して使えば、強度の点で十分に耐久性が確保できる。
【0062】
トウ梱包容器63の蓋体70も同様に段ボール紙で作製され、図13に仮想線で示すように、梱包容器63の上端部に外側から密嵌できる構造であることが望ましい。このような構成を採用することにより、バンド掛け梱包を行う際に、振込み面に均一な荷重が加わり、収納されたトウ2の形態が安定化するとともに、運送時に梱包物の重ね積みが可能となり、運送コストの面においても有利である。梱包するにあたっては、蓋体70、梱包容器63及びパレットが一体となるように、全体の少なくとも2箇所以上プラスッティックバンドのような緊締テープ71をもって固定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウの代表的な梱包工程を概略で示す工程説明図である。
【図2】水分付与後の複数本の小トウ幅を均等に縮小して小トウごとの構成フィラメントを交絡処理する工程図である。
【図3】離間して走行する小トウを一本の偏平化した太繊度トウに纏める工程図である。
【図4】大繊度のトウをトウ導入部に送りだすトウ送出し部を斜め前面から見た立体図である。
【図5】本実施例に適用されるトウ導入部及びトウ振込機の外観の一例を示す立体図である
【図6】本実施例に適用されるギアロールの構造例を示す立体図である。
【図7】本実施例に適用されるトウ振込みシュートの構造例を示す立体図である。
【図8】同トウ振込みシュートの変形例を示す部分正面図である。
【図9】同シュートの延長シュートの構造を示す立体図である。
【図10】本実施例に適用される容器往復駆動コンベアの構造例を示す立体図である。
【図11】本実施例に適用されるプレス装置の構造例を示す立体図である。
【図12】本実施例によるトウ振込時におけるトウ梱包容器の外観形態を示す拡大立体図である。
【図13】本実施例によるトウ梱包後の梱包形態を示す立体図である。
【符号の説明】
1 小トウ
2 太繊度のトウ
10 乾燥工程
11 乾燥ロール
12 水槽
13 タッチロール
20 単繊維交絡工程
21 偏平ノズル
30 トウ寄せ工程
31 湾曲部材
40 トウ送出し部
41 フィードロール
42 ガイドロール
50 トウ振込機導入部
51 変向ロール
60 トウ振込機
61 ギアロール
61a 歯車状円板
61b パイプ又は丸棒
62 トウ振込みシュート
62’ ブラケット
62a トウ導入開口部
62b 中間部
62c トウ振出し開口部
62d シュート本体
62d’ 延長シュート
62″ 給気部
63 トウ梱包容器
64 容器往復駆動コンベア
64a 回転ロール
64b 支持フレーム
64c 光電管式検出器
65 プレス装置
65a 多段シリンダー
65b プレス部材
65b’ 補強壁
65b″ 傾斜壁
66 補助部材
66a フランジ状の嵌着部
67 内装材
68 緩衝材
69 パレット
70 蓋体
71 緊締テープ

Claims (15)

  1. 総繊度が48000dtex〜7200000dtexの太繊度の炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウを揺動シュートを介して梱包容器に振り込み梱包する方法であって、
    前記トウを梱包容器に振り込む前に、予め前記トウに1〜3wt%の水分を付与すること
    シュート先端の遥動速度を紡糸速度と等しくなるよう遥動させること、及び
    トウの梱包容器への振込み初期段階から、梱包容器の折返し地点ごとに振込みトウに対してプレスを行うこと、
    を特徴とする炭素繊維前駆体トウの梱包方法。
  2. トウに水分を付与したのち、更にトウをギアロール間に通して引き取り前記梱包容器に振り込むことを特徴とする請求項1記載の梱包方法。
  3. シュート内にエアを流通するか、或いはシュート先端にてエアカーテン状のエアを噴出させてトウに引張り力を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包方法。
  4. シュート内をバフ研磨仕上げしトウの引っかかりを防止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の梱包方法。
  5. 前記梱包容器を、紡速に対して1/100〜1/25にてシュートの揺動方向と直交する方向に往復させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の梱包方法。
  6. トウの振込み終了後のトウ上面に弾力性のある緩衝材を配して圧縮梱包することを特徴とする請求項1記載の梱包方法。
  7. 総繊度が48000dtex〜7200000dtexの太繊度の炭素繊維前駆体トウ並びに耐炎繊維前駆体トウを揺動シュートを介して梱包容器に振り込み梱包する装置であって、
    前記トウを梱包容器に振り込む前に、予め前記トウに1〜3wt%の水分を付与する水分付与手段を備え、シュート先端の遥動速度を紡糸速度と等しくなるよう遥動させてなり、
    直列に配された2以上のシリンダを有し、梱包容器の折返し時点ごとに振込みの初期段階から梱包容器内の振込みトウに対するプレスを行うプレス装置を有してなる、
    ことを特徴とする炭素繊維前駆体トウの梱包装置。
  8. シュートの断面寸法はトウ幅方向のトウ幅の略2倍、トウ厚み方向に略50mmに設定され、シュート先端は、トウ厚み方向にその開口寸法を漸減させてなることを特徴とする請求項記載の梱包装置。
  9. 前記シュートのトウ導入部に隣接してギアロールを一対に配してなることを特徴とする請求項7又は8に記載の梱包装置。
  10. 前記ギアロールはギア形状を有する2枚の円板を所要の間隔をもって対向させ、対応する歯部の間を複数本のパイプ材をもって連結して形成されてなることを特徴とする請求項9記載の梱包装置。
  11. シュートのトウ導入口又はトウ導出口にエアによる引張り力付与手段が配されてなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の梱包装置。
  12. トウ梱包容器を上記シュートの揺動方向と直交する方向に紡速に対して1/100〜1/25の制御速度で往復動させる速度制御手段を有してなることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の梱包装置。
  13. プレス装置のプレス部は、穴径が5〜15mm、開口率が20〜40であるステンレス製多孔板からなることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の梱包装置。
  14. トウ梱包容器が、その上端に脱着可能な補助部材を有し、同補助部材は下端縁がトウ梱包容器の上端縁に外嵌する外嵌形状を有するとともに、その下端縁から上方に開口面積を漸増させたフランジ部を有してなることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の梱包装置。
  15. 前記補助部材は内面がバフ研磨仕上げされたステンレス製である請求項7〜14のいずれかに記載の梱包装置。
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