JP4477742B2 - 回転軸のシール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸のシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高速回転する軸の軸受への給油は、ポンプで潤滑油を強制的に圧送する方式が一般に採用されている。この場合、潤滑油の漏出を防止するために、軸受に隣接する部位にシール部材を設けることが通例である。このシール部材として、回転軸の外周面にカーボンリングが摺接するフローティング・リング・シールが知られている。
【0003】
さて、上記フローティング・リング・シールを用いるに際しては、カーボンリングと軸の外周面との間隙寸法を最小かつ適切に管理するために、カーボンリングが摺接する軸の外周面を極めて精密に研磨すると共に、炭化クロムを溶射するなどの耐摩耗コーティングを施す必要がある。軸そのものを表面処理することが困難、若しくは好ましくない場合は、外周面に表面処理を施した円筒状部材を軸に圧入することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この円筒状部材は、高速回転時の遠心力の作用並びに熱膨張による拡径方向への変形が避けられないので、この変形量を見込んで軸に対する円筒状部材の嵌合公差を定めねばならない。しかしながら、圧入時の締め代を大きく設定すると、円筒状部材を圧入した時にシールの摺接面が変形するおそれがあり、この反対に、圧入時の締め代を小さく設定すると、熱間高速回転時に軸と円筒状部材との間の嵌合精度の低下によって心ずれを起こし、シールエア或いは潤滑油の漏出を引き起こすおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点、つまり、軸と円筒状部材間の適正嵌合公差の設定が困難である点を改善するべく案出されたものであり、その主な目的は、熱間高速回転時の嵌合精度を確保した上で、圧入時にシール面に変形が生じないようにすることができる回転軸のシール装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の回転軸のシール装置においては、回転軸(実施の形態中のアウタシャフト7或いはインナシャフト8)の外周に配置されるフローティング・リング・シール部材(31)と、回転軸とフローティング・リング・シール部材との間に介在し、回転軸の外周面に嵌着されてその外周面がフローティング・リング・シール部材との摺接面をなす円筒状部材(実施の形態中のシールライナ32)とを備え、円筒状部材は、回転軸の外周面にその遊端が圧接される径方向可撓部(実施の形態中のベローズ状部分34)を有することとした。また、円筒状部材が、径方向可撓部を軸方向で異なる位置に2つ有するようにするとよい。
【0007】
このようにすれば、円筒状部材に設けた可撓部が撓むので、遠心力および熱膨張による変形を見込んだ上で、圧入時にシール面に変形が及ばないようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明が適用される複軸バイパスジェットエンジンの模式図である。このエンジン1は、互いの間を整流板2で連結されて同軸上に配置されたそれぞれが円筒状をなすアウタケーシング3とインナケーシング4とを有している。また、同心的に組み合わされた中空軸からなり、それぞれが互いに独立した軸受5f・5r・6f・6rをもってケーシングの中心部に支持されたアウタシャフト7とインナシャフト8とを有している。
【0010】
アウタシャフト7には、その前側に高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして後側に逆流燃焼室10のノズルNに隣接配置された高圧タービンHTのタービンホイール11が、それぞれ一体的に結合されている。
【0011】
インナシャフト8には、その前端にフロントファン12が、フロントファン12の後方に低圧軸流コンプレッサLCの動翼を構成するコンプレッサホイール13が、そして後端に燃焼ガスの噴射ダクト14中に低圧タービンLTの動翼を置いた一対のタービンホイール15a・15bが、それぞれ一体的に結合されている。
【0012】
フロントファン12の中心には、ノーズコーン16が設けられ、フロントファン12の後方には、アウタケーシング3の内周面にその外端を結合させた静翼17が配置されている。
【0013】
インナケーシング4の前端部内周には、低圧軸流コンプレッサLCの静翼18が配置されている。そしてその後方には、フロントファン12が吸入し、かつ低圧軸流コンプレッサLCが予圧した空気を高圧遠心コンプレッサHCへと送り込むための吸入ダクト19と、これに連続する高圧遠心コンプレッサHCのインペラケーシング20とが形成されている。また吸入ダクト19の内周側には、前記したアウタシャフト7並びにインナシャフト8の前側を支持する軸受5f・6fの軸受箱21が結合されている。
【0014】
フロントファン12が吸入した空気は、その一部が上記のように低圧軸流コンプレッサLCを経て高圧遠心コンプレッサHCへと送り込まれる。そしてその残りの比較的低速かつ大量の空気は、アウタケーシング3とインナケーシング4との間に形成されたバイパスダクト22から後方へ噴射され、低速域での主たる推力となる。
【0015】
高圧遠心コンプレッサHCの外周部には、ディフューザ23が結合されており、その直後に設けられた逆流燃焼室10へ高圧空気を送り込むようになっている。
【0016】
逆流燃焼室10では、その後端面に設けられた燃料噴射ノズル24から噴射された燃料とディフューザ23から送り込まれた高圧空気とを混合して燃焼させる。そして後方を向くノズルNから噴射ダクト14を経て大気中へ噴射する燃焼ガスにより、高速域での主たる推力を得る。
【0017】
なお、噴射ダクト14の内周側には、前記したアウタシャフト7並びにインナシャフト8の後端側を支持する軸受5r・6rの軸受箱25が結合されている。
【0018】
このエンジン1のアウタシャフト7には、図示されていないギア機構を介してスタータモータ26の出力軸が連結されている。このスタータモータ26を駆動すると、高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9がアウタシャフト7と共に駆動され、高圧空気が逆流燃焼室10へ送り込まれる。この高圧空気と燃料とを混合して燃焼させると、その燃焼ガスの噴射圧で高圧タービンHTのタービンホイール11並びに低圧タービンLTのタービンホイール15a・15bが駆動される。この高圧タービンホイール11の回転力で高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして低圧タービンホイール15a・15bの回転力でフロントファン12及び低圧軸流コンプレッサLCのコンプレッサホイール13が、それぞれ駆動される。そして燃焼ガスの噴射圧で高圧タービンホイール11並びに低圧タービンホイール15a・15bが駆動されると、燃料供給量と吸入空気量との自己フィードバック的釣り合いに応じて定まる状態でエンジン1が回転を継続することとなる。
【0019】
図2に示したように、アウタシャフト7並びにインナシャフト8を支持する各軸受(代表符号として5を付す)に隣接する部位には、各軸受5へ供給された潤滑油の漏出を防止するためのフローティング・リング・シール31がそれぞれ設けられている。このフローティング・リング・シール31の内周部は、実質的にアウタシャフト7あるいはインナシャフト8の外周面に圧入で嵌着されたシールライナ32の外周面に摺接している。
【0020】
シールライナ32は、図3に併せて示すように、フローティング・リング・シール31との摺接面Sとして、外周面に例えば炭化クロムの溶射からなる耐摩耗コーティングが施された円筒状部分33と、円筒状部分33の内周面の適所に端を発し、その遊端がアウタシャフト7あるいはインナシャフト8の外周面に圧接されるベローズ状部分34とを有している。
【0021】
さて、シールライナ32は、高速回転時の遠心力の作用並びに熱膨張による拡径方向への変形が避けられない。熱間高速回転時の軸7(8)とシールライナ32間の嵌合精度の低下を防ぐためには、その変形量を見込んで軸7(8)に対するシールライナ32の圧入時の締め代を大きく設定する必要があるが、このようにすると、シールライナ32を圧入した時にフローティング・リング・シール31との摺接面Sが変形するおそれがある。
【0022】
そこで本発明においては、圧入時に拡径方向へ撓み変形し得るベローズ状部分34をシールライナ32に設けるものとした。これにより、締まり嵌め公差による誤差が最大となっても、ベローズ状部分34の撓み変形(図3に想像線で示す)によってその誤差が吸収されるので、フローティング・リング・シール31との摺接面Sに変形を生ぜずに済む。また、ベローズ状部分34の形状や位置を適切に設定することにより、遠心変形が軸方向について均等に発生するようにできる。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明によれば、回転軸とフローティング・リング・シールとの間に、回転軸の外周面にその遊端が圧接される径方向可撓部を有する円筒状部材を介在させるものとしたので、遠心力および熱膨張による変形を見込んだ上で圧入時の締め代を大きく設定しても、円筒状部材に設けた可撓部が圧入時に撓むので、シール面に変形が及ばないようにすることができる。従って、本発明により、熱間高速回転時に軸とスリーブ間の嵌合精度が低下するおそれを払拭すると共に、フローティング・リング・シールと軸の外周面との間隙寸法を最小かつ適切に管理し、所期のシール性能を得る上に大きな効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるジェットエンジンの模式図
【図2】本発明装置の適用部位の拡大縦断面図
【図3】本発明装置の作用の説明図
【符号の説明】
7 アウタシャフト
8 インナシャフト
31 フローティング・リング・シール
32 シールライナ
34 ベローズ状部分
Claims (2)
- 回転軸の外周に配置されるフローティング・リング・シール部材と、
前記回転軸と前記フローティング・リング・シール部材との間に介在し、前記回転軸の外周面に嵌着されてその外周面が前記フローティング・リング・シール部材との摺接面をなす円筒状部材とを備え、
前記円筒状部材は、前記回転軸の外周面にその遊端が圧接される径方向可撓部を有することを特徴とする回転軸のシール装置。 - 前記円筒状部材は、前記径方向可撓部を軸方向で異なる位置に2つ有することを特徴とする、請求項1に記載の回転軸のシール装置。
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