JP4477186B2 - Filter and filter member - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気清浄機やクリーンルームにおける被処理ガス流通部に用いられるフィルター及びフィルター部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気清浄機やクリーンルームにおける被処理ガス流通部に用いられるフィルターにおいては、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去を高めるために、フィルターを構成する吸着シートに酸性薬品やアルカリ性薬品を添着することがある。この吸着シートとしては、あらかじめ吸着剤に酸性薬品やアルカリ性薬品を添着しておき、この吸着剤と繊維バインダーを乾式でシート加工したものが多い。しかし、乾式でのシート加工は吸着剤以外の繊維バインダーの比率が高くなり、吸着性能の高いフィルターができないという不具合がある。
【0003】
前記乾式でシート加工した吸着シートに対して、湿式でシート加工したものがある。湿式でシート加工すると、乾式でシート加工するより繊維バインダーの比率が低くて済むため、吸着性能の高いフィルターができる。しかし、湿式でシート加工するためには、繊維バインダーのフィブリル化が必要となる。しかし、従来用いられているフィブリル化繊維は、パルプ、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ポリビニルアルコール等であり、これらの繊維からなる繊維バインダーは、酸性薬品及びアルカリ性薬品の両方に対して安定した耐性を有するものはなかった。従って、耐性のない薬品を添着すると、繊維バインダーが薬品に侵されてしまい、シート強度が低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、酸性薬品及びアルカリ性薬品の両方に対して安定した耐性を有し、かつ吸着性能の高いフィルター及びフィルター部材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、吸着シートをコルゲート加工した波板状シートと、前記吸着シートからなる平板状シートとが積層接着されたコルゲートハニカム構造のフィルターであって、前記吸着シートが、当該吸着シートにおける吸着剤と繊維バインダーとの配合比率を吸着剤60〜80重量%、繊維バインダー20〜40重量%とするとともに、前記吸着剤が粉末状活性炭からなり、前記繊維バインダーがフィブリル化したアラミド繊維からなり、前記吸着剤と、前記繊維バインダーとを水中で混合してスラリーとし、前記スラリーを湿式抄紙し酸性又はアルカリ性薬品を添着し乾燥してなり、前記吸着シートからなる前記波板状シートと前記平板状シートの接着に際しポリエチレンの水性ディスパージョン又はアルミナゾルを使用していることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のフィルターが両側の開口したフレーム内に収容されていることを特徴とするフィルター部材に係る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の第1実施例及び参考例に係るフィルターを示す断面図、図2はフィルター部材の実施例を示す斜視図である。
【0008】
第1実施例のフィルター10と参考例のフィルター10Aは、いずれも各構成部分の位置、名称等が同じであるために図1を共用するが、混乱を避けるため、第1実施例のフィルター10については各部の符号を数字のみで示し、参考例のフィルター10Aについては各部の符号を数字に「A」を併記して示す。
【0009】
まず、第1実施例に係るフィルター10について説明する。このフィルター10は、空気清浄機やクリーンルーム等において被処理ガス中の有機ガス等を吸着除去するフィルターとして用いられるものであり、吸着シート20をコルゲート加工して得た波板状シート21と、前記吸着シート20からなる平板状シート22とが交互に所要数積層接着されたコルゲートハニカム構造からなる。
【0010】
前記吸着シート20は、吸着剤と繊維バインダーよりなる混合物を含むスラリーを湿式抄紙し薬品を添着したものである。湿式抄紙は、通常、スラリーを角網で吸引濾過して付着させるという、公知の湿式抄紙方法によって行われる。なお、脱型後のものを薬品液に浸す。あるいは前記脱型後のものに薬品液をスプレー等で塗布する等により薬品を含浸する。次いで乾燥することにより、吸着シートへの薬品の添着が行われる。
【0011】
前記吸着剤は、吸着性能を有する公知のものが用いられ、例として活性炭(紛状、粒状、繊維状)等が挙げられる。活性炭の場合、粒径は20〜150μmの粉末のものが、湿式抄紙性や活性炭の吸着表面積及び吸着シート内での活性炭の保持性、さらには活性炭の割合を大にできる等の点で好ましく用いられる。
【0012】
繊維バインダーは、繊維の絡み合いによって吸着シート20を抄紙構造とし、形状保持するとともに、前記吸着剤及び薬品を保持するためのものである。なお、抄紙構造とは、繊維が複雑に絡み合って所要厚みの板状(紙状)に形状固定されている構造をいう。前記繊維バインダーとしては、フィブリル化したアラミド繊維からなるものを使用する。微細な枝状構造を有するフィブリル化した繊維は、抄紙構造を確実に維持でき、しかも通気抵抗が低く、加えて吸着剤の保持性に優れ、好ましいものである。また、アラミド繊維は、叩解度が高く、吸着剤の吸着能力を阻害せず、しかも耐酸性及び耐アルカリ性に優れているため、添着する薬品が酸性薬品、アルカリ性薬品のどちらであっても耐性を有し、好ましいものである。アラミド繊維としては、一般的にメタ型、パラ型が知られているが、特に限定されるものではなく、どちらのものも使用可能である。
【0013】
前記薬品は、アルカリ性ガスや酸性ガスに対する除去を高めるためのもので酸性薬品や、アルカリ性薬品が用いられる。酸性薬品としては燐酸などの酸性中和剤等が挙げられ、アルカリ性薬品としては苛性ソーダや炭酸カリウムなどのアルカリ性中和剤が挙げられる。この薬品は、通常、所要濃度の水溶液とされて前記のように吸着シートへ含浸される。
【0014】
前記吸着シート20に含まれる吸着剤と繊維バインダーの配合比率は、吸着性能とシート強度を考慮した上で決定される。この発明では、吸着シート20を湿式抄紙によって成形しているため、従来のものより繊維バインダーの量が少なくてもよく、その分だけ吸着剤の量を多くすることができる。特に好ましくは、吸着剤の量が60〜80重量%、繊維バインダーの量が40〜20重量%となるようにするのが、抄紙構造の維持及び吸着性の両方を良好にできる点で好ましい。
【0015】
前記フィルター10は、前記吸着シート20を用いて次のようなコルゲート工程と、積層工程とによって製造される。まず、コルゲート工程では、用意した2枚の所要長の吸着シート20をコルゲーターと称されるコルゲート装置に通し、一方の吸着シートをコルゲート状の波板状シートにコルゲート加工するとともに、該波形状シートを平板状の他方の吸着シートに積層接着し、所要大きさにカットして片段シートを作製する。前記波板状シートと平板状シートとの接着に際しては、前記コルゲーターにおいて接着剤が使用される。この接着剤は、接着剤由来の遊離有機物が発生せず、酸性薬品及びアルカリ性薬品の両方に対して安定した耐性を有する熱可塑性樹脂及び無機バインダーからなるものが好適である。後記実施例のとおり、接着剤にはポリエチレンの水性ディスパージョンまたはアルミナゾルが用いられる。
【0016】
積層工程では、所要枚数の片段シートを積層接着してフィルター10を形成する。なお、片段シートを積層接着する際にも接着剤を使用するが、このときの接着剤も、接着剤由来の遊離有機物が発生せず、酸性薬品及びアルカリ性薬品の両方に対して安定した耐性を有する熱可塑性樹脂及び無機バインダーからなるものが好適である。後記実施例のとおり、接着剤にはポリエチレンの水性ディスパージョンまたはアルミナゾルが用いられる。
【0017】
次に、参考例のフィルター10Aについて説明する。この参考例のフィルター10Aと前記第1実施例の吸着フィルター10とは、吸着シート20A,20の構成が相違する。すなわち、参考例の吸着シート20Aは、前記第1実施例における吸着シート20で使用した吸着剤に代えてイオン交換樹脂を用い、該イオン交換樹脂と繊維バインダーよりなる混合物を含むスラリーを湿式抄紙して成形したものであり、しかも薬品が添着されていないものである。
【0018】
このイオン交換樹脂は、活性炭等の吸着剤のみでは吸着除去し難いアンモニア等を効果的に除去するためのものである。イオン交換樹脂としては、カチオン型、アニオン型のいずれでもよく、また、粉末状、粒状、繊維状等、湿式抄紙可能な形状であればよい。粒状のイオン交換樹脂の場合、粉砕等によって粒径を20〜500μm、特に好ましくは50〜150μmとするのがよい。
【0019】
この参考例における繊維バインダーとしては、パルプ、木綿等の天然繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維などを、一種類あるいは複数種類混合したものを使用すればよい。
【0020】
なお、この参考例においても、前記繊維バインダーとしてフィブリル化したアラミド繊維からなるものを使用すれば、抄紙構造を確実に維持でき、通気抵抗が低く、イオン交換樹脂の保持性に優れ、叩解度が高く、イオン交換樹脂の吸着能力が阻害されず、しかも耐酸性及び耐アルカリ性にも優れた吸着シート20Aが得られるため、特に好ましい。ここでも、アラミド繊維としては、メタ型、パラ型のどちらのものも使用可能であり、特に限定されるものではない。
【0021】
前記吸着シート20Aに含まれるイオン交換樹脂と繊維バインダーの配合比率は、前記第1実施例と同様に吸着性能とシート強度を考慮した上で決定される。この発明では、吸着シート20Aを湿式抄紙によって成形しているため、従来のものより繊維バインダーの量が少なくてもよい。特に好ましくは、イオン交換樹脂の量が60〜80重量%、繊維バインダーの量が40〜20重量%となるのがよい。なお、その他の構成、フィルターの製造方法等については、前記実施例と同様である。
【0022】
次にこの発明の一実施例に係るフィルター部材50について説明する。図2に示すフィルター部材50は、前記したフィルター10又は10Aをフレーム60内に収容した構成からなる。
【0023】
前記フレーム60は、アルミニウム等の金属製あるいはプラスチック製の枠状体からなり、両側61,62に各々開口部63が形成されている。前記両側開口部63には金網やラス網等の通気性部材64がフィルター保護のために設けられる。このフィルター部材50は、一方側61の開口部63が被処理ガスの流入側、他方側62の開口部が被処理ガスの出口側とされ、空気清浄機等の被処理ガス流路に設けられる。このフィルター部材50によれば、フレーム60により吸着シート20,20Aが保護されるため、フィルターの交換等の際には、フィルター部材ごと交換すればよく、取り扱い及び作業が容易になる。
【0024】
【実施例】
以下、さらに具体的な実施例について示す。
・第1実施例
平均粒径30μm、ヨウ素吸着力1650mg/gの粉末状活性炭70重量%と、フィブリル化されたP−アラミド繊維(東レ・デュポン(株)製ケブラー繊維)30重量%の組成よりなる混合物を水に混合して、混合物濃度が0.8重量%の水性スラリーを調製した。このスラリーを湿式抄紙加工装置にかけて厚み約0.5mm、坪量約150g/m2の平板状シートを得た。次にこのシートを濃度40%の燐酸水溶液に含浸後、乾燥して、含浸前シート重量に対して約20重量%の燐酸を添着した坪量180g/m2の吸着シートを得た。
【0025】
その後、この吸着シートをコルゲーターでコルゲート加工して、片段シートを得た。このとき、接着剤はポリエチレンの水性ディスパージョンにしたケミパール(三井化学(株)製)を使用した。次に、前記片段シートを60段積層接着してコルゲートハニカム構造のフィルターを得る。この積層接着時の接着剤としては、アルミナゾル(日産化学工業(株)製)を使用した。なお、コルゲートの波形は、通気抵抗、吸着効率を考慮して波長4.3mm、波高2.6mmとした。また、最上部の片段シートには平板な前記吸着シートをアルミナゾル(日産化学工業(株)製)で接着した。
【0026】
このようにして得た第1実施例のフィルターから、所要寸法のテストピースを裁断し、次のような試験を行った。また、比較のため、繊維状活性炭と繊維バインダーとから乾式製法で形成された吸着シートを用いて第1実施例と同様にして形成したコルゲートハニカム構造のフィルターについても、以下の試験を行った。なお、比較例における吸着剤と繊維バインダーとの重量%は、55:45である。
【0027】
「アンモニア吸着試験」
<テスト条件>
テストピース ―――― 25mmφ
対象ガス ―――――― アンモニア 100ppm
空間速度(SV値) − 12000(1/h)
ガス通気量 ――――― 14.7L/min
入り口ガス温度 ――― 21〜23℃
入り口ガス湿度 ――― 50RH%
カラム ――――――― 25mmφ×350mmh
充填長さ ―――――― 150mm
ガス測定方法 ―――― 検知管法
ガステック検知管 3M,3L
北川式検知管 SD
【0028】
<除去結果>
結果は、図3に示すように第1実施例の方がアンモニア吸着能力において高吸着性能フィルターとなっている。
【0029】
「吸着シート引張強度」
また薬品の添着による強度変化を調べるため、コルゲート加工する前の吸着シートについて引張強度を調べた。テストピースとして、第1実施例における吸着シート(酸性薬品添着)、前記第1実施例における燐酸水溶液に代えて20%の炭酸カリウム溶液を用いて形成した吸着シート(アルカリ薬品添着)、前記第1実施例において燐酸水溶液を用いることなく形成した比較例の吸着シート(薬品未添着)を用いた。
<テスト条件>
テストピース ―― 幅:15mm
長さ:250mm
測定方法 − JIS P 8113
【0030】
【表1】
【0031】
<試験結果>
上記表1に示すように、薬品添着した吸着シートと薬品未添着の吸着シートとは引張強度にほとんど変化がなく、薬品添着による強度低下がなかった。
【0032】
・参考例
平均粒径80μmに粉砕したイオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製、デュオライトC20Hの60重量%と、フィブリル化されたP−アラミド繊維(東レ・デュポン(株)製ケブラー繊維)40重量%の組成よりなる混合物を水に混合して、混合物濃度が0.8重量%の水性スラリーを調製した。このスラリーを湿式抄紙加工装置にかけて紙厚約0.5mm、坪量約150g/m2の吸着シートを得た。その後、第1実施例と同様にして参考例のコルゲートハニカム構造のフィルターを得た。
【0033】
このようにして得た参考例のフィルターを用いて、次のような試験を行った。
「アンモニア吸着試験」
<テスト条件>
テストピース ―――― 25mmφ
対象ガス ―――――― アンモニア 100ppm
空間速度(SV値) − 20000(1/h)
ガス通気量 ――――― 14.7L/min
入り口ガス温度 ――― 23〜25℃
入り口ガス湿度 ――― 50RH%
カラム ――――――― 25mmφ×350mmh
充填長さ ―――――― 150mm
ガス測定方法 ―――― 検知管法
ガステック検知管 3M,3L
北川式検知管 SD
【0034】
<除去結果>
結果は図4のとおりであった。この結果から90%破過点までの積分吸着量と理論吸着量とから計算すると、参考例のフィルターは約85%のアンモニア除去性能が発揮されている。
【0035】
「大気中イオン成分吸着試験」
<テスト条件>
テストピース ―― 305×305×150mm
対象ガス ―――― 大気
線速度(LV値)− 0.5(m/s)
ガス測定方法 ―― イオンクロマトグラフ法
【0036】
【表2】
【0037】
<試験結果>
上記表2に示すように、参考例のフィルターは、2時間後には様々なイオン成分がほとんど吸着され、イオン成分の吸着能力が高いことがわかる。
【0038】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、請求項1に係る発明のフィルターは、繊維バインダーとしてフィブリル化した繊維を用いて湿式抄紙したものであるため、粉末状活性炭からなる吸着剤の保持量を多くすることができ、優れた吸着性能を得ることができる。また、繊維バインダーとしてフィブリル化したアラミド繊維を用いるため、酸性薬品及びアルカリ性薬品のいずれを添着させた場合でも、フィルターの強度が低下することがない。しかもコルゲートハニカム構造からなるため、被処理ガスとフィルターとの接触面積が大きく、目的成分を効率よく吸着することができる。さらに、吸着シートにおける粉末状活性炭からなる吸着剤の量が60〜80重量%と高いため、目的成分に対して優れた吸着性、除去性を発揮することができる。
【0039】
請求項2の発明のフィルター部材によれば、請求項1の吸着性(除去性)に優れるフィルターがフレーム内に収容されているため、フィルター交換等の際の取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例及び参考例に係るフィルターを示す断面図である。
【図2】 フィルター部材の実施例を示す斜視図である。
【図3】 第1実施例に対するアンモニア吸着試験結果を示す図である。
【図4】 参考例に対するアンモニア吸着試験結果を示す図である。
【符号の説明】
10,10A フィルター
20,20A 吸着シート
21,21A 波板状シート
22,22A 平板状シート
50 フィルター部材
60 フレーム
63 開口部
64 通気性部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a filter and a filter member that are used in a processing gas distribution part in an air cleaner or a clean room.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in a filter used in a treated gas distribution part in an air cleaner or a clean room, acidic chemicals or alkaline chemicals may be attached to an adsorbing sheet constituting the filter in order to enhance removal of alkaline gas or acidic gas. . As this adsorbing sheet, acidic chemicals or alkaline chemicals are previously attached to the adsorbent, and the adsorbent and fiber binder are processed into a dry sheet. However, the sheet processing in the dry process has a problem that the ratio of fiber binders other than the adsorbent becomes high and a filter with high adsorption performance cannot be obtained.
[0003]
There is a sheet processed by a wet process with respect to the adsorption sheet processed by the dry process. When wet sheet processing is performed, the fiber binder ratio is lower than when dry sheet processing is performed, so a filter with high adsorption performance can be obtained. However, in order to wet-process the sheet, it is necessary to fibrillate the fiber binder. However, conventionally used fibrillated fibers are pulp, rayon, polyester, polypropylene, acrylic, polyvinyl alcohol, and the like, and the fiber binder made of these fibers has a stable resistance to both acidic and alkaline chemicals. There was no one with. Therefore, when a non-resistant chemical is attached, there is a problem that the fiber binder is attacked by the chemical and the sheet strength is lowered.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above points, and provides a filter and a filter member having stable resistance to both acidic chemicals and alkaline chemicals and high adsorption performance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, the invention of
[0006]
The invention of
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a sectional view showing a filter according to a first embodiment and a reference example of the present invention, and FIG. 2 is a perspective view showing an embodiment of a filter member.
[0008]
The
[0009]
First, the
[0010]
The
[0011]
As the adsorbent, known ones having adsorption performance are used, and examples thereof include activated carbon (powder, granular, fibrous) and the like. In the case of activated carbon, a powder having a particle size of 20 to 150 μm is preferably used in terms of wet papermaking, adsorption surface area of activated carbon, retention of activated carbon in the adsorption sheet, and further increase the ratio of activated carbon. It is done.
[0012]
The fiber binder is for making the adsorbing
[0013]
The chemical is used for enhancing the removal of alkaline gas or acidic gas, and acidic chemical or alkaline chemical is used. Examples of acidic chemicals include acidic neutralizers such as phosphoric acid, and examples of alkaline chemicals include alkaline neutralizers such as caustic soda and potassium carbonate. This chemical is usually made into an aqueous solution of a required concentration and impregnated into the adsorption sheet as described above.
[0014]
The mixing ratio of the adsorbent and the fiber binder contained in the
[0015]
The
[0016]
In the laminating step, the
[0017]
Next, the
[0018]
This ion exchange resin is for effectively removing ammonia and the like that are difficult to adsorb and remove only with an adsorbent such as activated carbon. The ion exchange resin may be either a cation type or an anion type, and may be any shape that allows wet papermaking, such as powder, granules, and fibers. In the case of a granular ion exchange resin, the particle size is preferably 20 to 500 μm, particularly preferably 50 to 150 μm by pulverization or the like.
[0019]
As a fiber binder in this reference example, natural fibers such as pulp and cotton, acrylic fibers, aramid fibers, polyester fibers, polyethylene fibers, polypropylene fibers and other synthetic fibers, glass fibers, metal fibers and other inorganic fibers, etc. Alternatively, a mixture of a plurality of types may be used.
[0020]
Also in this reference example, if the fiber binder is made of fibrillated aramid fibers, the papermaking structure can be reliably maintained, the air resistance is low, the ion exchange resin is excellent in retention, and the beating degree is high. The adsorbing sheet 20A is particularly preferable because it is high, does not impair the adsorption capacity of the ion exchange resin, and is excellent in acid resistance and alkali resistance. Here, as the aramid fiber, both meta-type and para-type fibers can be used, and are not particularly limited.
[0021]
The mixing ratio of the ion exchange resin and the fiber binder contained in the adsorbing sheet 20A is determined in consideration of the adsorbing performance and the sheet strength as in the first embodiment. In this invention, since the adsorption sheet 20A is formed by wet papermaking, the amount of fiber binder may be smaller than that of the conventional one. Particularly preferably, the amount of the ion exchange resin is 60 to 80% by weight and the amount of the fiber binder is 40 to 20% by weight . In addition, about another structure, the manufacturing method of a filter, etc., it is the same as that of the said Example.
[0022]
Next, the
[0023]
The
[0024]
【Example】
Hereinafter, more specific examples will be described.
First Example From the composition of 70% by weight of powdered activated carbon having an average particle size of 30 μm and iodine adsorption power of 1650 mg / g, and 30% by weight of fibrillated P-aramid fiber (Kevlar fiber manufactured by Toray DuPont Co., Ltd.) The resulting mixture was mixed with water to prepare an aqueous slurry having a mixture concentration of 0.8% by weight. The slurry subjected wet paper making process unit to obtain a thickness of about 0.5 mm, a basis weight of about 150 g / m 2 tabular sheet. Next, the sheet was impregnated with an aqueous phosphoric acid solution having a concentration of 40% and then dried to obtain an adsorbing sheet having a basis weight of 180 g / m 2 to which about 20% by weight of phosphoric acid was impregnated with respect to the weight of the sheet before impregnation.
[0025]
Then, this adsorbing sheet was corrugated with a corrugator to obtain a one-stage sheet. At this time, Chemipearl (Mitsui Chemicals Co., Ltd.) made into an aqueous dispersion of polyethylene was used as the adhesive. Next, the single-stage sheet is laminated and adhered in 60 stages to obtain a corrugated honeycomb structure filter. Alumina sol (manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) was used as an adhesive during the lamination adhesion. The corrugated waveform was set to a wavelength of 4.3 mm and a wave height of 2.6 mm in consideration of ventilation resistance and adsorption efficiency. Further, the flat adsorption sheet was bonded to the uppermost single-stage sheet with alumina sol (manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.).
[0026]
A test piece having a required dimension was cut from the filter of the first example obtained as described above, and the following test was performed. For comparison, the following test was also conducted on a filter having a corrugated honeycomb structure formed in the same manner as in the first example using an adsorption sheet formed from a fibrous activated carbon and a fiber binder by a dry process. In addition, the weight% of the adsorbent and the fiber binder in the comparative example is 55:45.
[0027]
"Ammonia adsorption test"
<Test conditions>
Test piece ―――― 25mmφ
Target gas ―――――― Ammonia 100ppm
Space velocity (SV value)-12000 (1 / h)
Gas flow rate ――――― 14.7L / min
Inlet gas temperature ――― 21-23 ℃
Inlet gas humidity ――― 50RH%
Column ――――――― 25mmφ × 350mmh
Filling length ―――――― 150mm
Gas measurement method ―――― Detector tube method
Gastec detector tube 3M, 3L
Kitagawa detector tube SD
[0028]
<Removal result>
As a result, as shown in FIG. 3, the first example is a higher adsorption performance filter in terms of ammonia adsorption capacity.
[0029]
“Adsorption sheet tensile strength”
In addition, in order to investigate the strength change due to chemical adhesion, the tensile strength of the adsorption sheet before corrugating was examined. As a test piece, the adsorption sheet (acidic chemical adhering) in the first example, the adsorbing sheet (alkaline chemical adhering) formed by using a 20% potassium carbonate solution instead of the phosphoric acid aqueous solution in the first example, the first In the examples, a comparative adsorption sheet (without chemicals) formed without using a phosphoric acid aqueous solution was used.
<Test conditions>
Test piece-width: 15mm
Length: 250mm
Measurement method-JIS P 8113
[0030]
[Table 1]
[0031]
<Test results>
As shown in Table 1 above, there was almost no change in tensile strength between the adsorbing sheet with chemicals attached and the adsorbing sheet without chemicals, and there was no decrease in strength due to chemicals.
[0032]
Reference Example Ion exchange resin pulverized to an average particle size of 80 μm (Rohm & Haas,
[0033]
Using the filter of the reference example thus obtained, the following test was performed.
"Ammonia adsorption test"
<Test conditions>
Test piece ―――― 25mmφ
Target gas ―――――― Ammonia 100ppm
Space velocity (SV value)-20000 (1 / h)
Gas flow rate ――――― 14.7L / min
Inlet gas temperature --- 23-25 ° C
Inlet gas humidity ――― 50RH%
Column ――――――― 25mmφ × 350mmh
Filling length ―――――― 150mm
Gas measurement method ―――― Detector tube method
Gastec detector tube 3M, 3L
Kitagawa detector tube SD
[0034]
<Removal result>
The result was as shown in FIG. When calculated from the integrated adsorption amount up to the 90% breakthrough point and the theoretical adsorption amount from this result, the filter of the reference example exhibits about 85% ammonia removal performance.
[0035]
"Atmospheric ionic component adsorption test"
<Test conditions>
Test piece-305 x 305 x 150 mm
Target gas --- Atmospheric linear velocity (LV value)-0.5 (m / s)
Gas measurement method-ion chromatography [0036]
[Table 2]
[0037]
<Test results>
As shown in Table 2 above, it can be seen that the filter of the reference example adsorbs most of various ion components after 2 hours and has a high adsorption capability of ion components.
[0038]
【The invention's effect】
As illustrated and described above, the filter according to the first aspect of the present invention is a wet papermaking using fibrillated fibers as a fiber binder, so that the amount of adsorbent made of powdered activated carbon is increased. And excellent adsorption performance can be obtained. Further, since fibrillated aramid fiber is used as the fiber binder, the strength of the filter does not decrease even when any of acidic chemicals and alkaline chemicals is added. Moreover, since it has a corrugated honeycomb structure, the contact area between the gas to be treated and the filter is large, and the target component can be adsorbed efficiently. Furthermore, due to high and 80
[0039]
According to the filter member of the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a filter according to a first embodiment and a reference example of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing an embodiment of a filter member.
FIG. 3 is a diagram showing an ammonia adsorption test result for the first example.
FIG. 4 is a view showing the results of an ammonia adsorption test with respect to a reference example.
[Explanation of symbols]
10,
22 , 22A
Claims (2)
前記吸着シートが、当該吸着シートにおける吸着剤と繊維バインダーとの配合比率を吸着剤60〜80重量%、繊維バインダー20〜40重量%とするとともに、前記吸着剤が粉末状活性炭からなり、前記繊維バインダーがフィブリル化したアラミド繊維からなり、
前記吸着剤と、前記繊維バインダーとを水中で混合してスラリーとし、前記スラリーを湿式抄紙し酸性又はアルカリ性薬品を添着し乾燥してなり、
前記吸着シートからなる前記波板状シートと前記平板状シートの接着に際しポリエチレンの水性ディスパージョン又はアルミナゾルを使用していることを特徴とするフィルター。A corrugated honeycomb structure filter in which a corrugated sheet obtained by corrugating an adsorbing sheet and a flat sheet made of the adsorbing sheet are laminated and bonded,
The adsorbent sheet has a mixing ratio of adsorbent and fiber binder in the adsorbent sheet of 60 to 80 wt% adsorbent and 20 to 40 wt% fiber binder, and the adsorbent is made of powdered activated carbon, and the fibers The binder consists of fibrillated aramid fibers,
The adsorbent and the fiber binder are mixed in water to form a slurry, and the slurry is subjected to wet papermaking and attached with acidic or alkaline chemicals, and dried.
A filter using an aqueous dispersion of polyethylene or alumina sol for bonding the corrugated sheet made of the adsorbing sheet and the flat sheet.
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