JP4476656B2 - 音声合成装置および音声合成プログラム - Google Patents
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図1はこの発明の実施の形態1による音声合成装置の構成を示すブロック図である。図において、音声合成装置は、音声合成単位辞書11、音声合成単位選択手段12、遅延手段13、平滑化区間長決定手段14、波形生成パラメータ平滑化手段15および波形生成手段16を備えている。
音声合成単位辞書11は、複数の音声合成単位を予め格納しておく手段である。音声合成単位選択手段12は、入力された音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を音声合成単位辞書11から選択する手段である。遅延手段13は、入力された音声合成単位の情報を一時的に蓄え、1音声合成単位の遅延を与えて出力する手段である。平滑化区間長決定手段14は、選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の音韻情報に基づいて、当該2つの音声合成単位間の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する手段である。波形生成パラメータ平滑化手段15は、決定された平滑化区間長で2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを出力する手段である。波形生成手段16は、連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する手段である。
平滑化区間長読み出し手段18は、入力された2つの音声合成単位AとBの音韻特徴の組み合わせに応じて平滑化区間長テーブル17から平滑化区間長を読み出す手段である。
まず、音声合成単位辞書11には、複数の音声合成単位を、例えば音韻情報と波形生成パラメータの情報として表し、予め格納しておく。ここで音声合成単位は、例えばCV(Consonant-Vowel)やVCV(Vowel-Consonant-Vowel)、CVC(Consonant-Vowel-Consonant)、これらの音韻連鎖を拡張した単位など、音声合成装置の設計時に設定した任意の単位でよい。また、波形生成パラメータは、例えばPSOLA(Pitch-Synchronous Overlap ADD)法により合成音声の波形生成を行う場合は窓掛けして切り出したピッチ波形であり、また、LPC(Linear Predictive Coefficient;線形予測係数)合成法により合成音声の波形生成を行う場合はLPCやPARCOR(PARtial auto-CORrelation;偏自己相関係数)、LSP(Liner Spectrum Pair;線スペクトル対)などの特徴パラメータであるなど、合成音声の波形生成法に対応して任意のパラメータでよい。
図4はこの発明の実施の形態2による音声合成装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と同一および相当する部分は同一符号を付して示し、原則としてその説明を省略する。実施の形態2の音声合成装置では、平滑化区間長決定手段19の動作が実施の形態1のものと異なる。
平滑化区間長決定手段19は、連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータ間の距離から波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する手段で、図5に示されるように、波形生成パラメータ距離計算手段20および平滑化区間長計算手段21を備えている。波形生成パラメータ距離計算手段20は、音声合成単位Aと音声合成単位Bとの波形生成パラメータ間の距離を計算する手段である。平滑化区間長計算手段21は、計算された波形生成パラメータ間の距離から平滑化区間長を計算する手段である。
波形生成パラメータ距離計算手段20は、連結する2つの音声合成単位Aの終端の波形生成パラメータと音声合成Bの始端の波形生成パラメータとの距離Dを計算し、その計算した距離Dを平滑化区間長計算手段21に出力する。ここで、波形生成パラメータ間の距離Dは、例えば窓掛けして切り出したピッチ波形を波形生成パラメータとするPSOLA法により合成音声の波形生成を行う場合には、2つの波形の誤差信号のパワーとし、また、LPCやPARCOR、LSPなどの特徴パラメータを波形生成パラメータとするLPC合成法により波形生成を行う場合には、2つの特徴パラメータ間の距離や、特徴パラメータから求められるスペクトル包絡間のスペクトル間距離とするなど、波形生成パラメータに対応して適宜定義してよい。
平滑化区間長計算手段21の動作を説明すると、まず、入力された波形生成パラメータ間の距離Dを予め定めた閾値THと比較する(ステップST201)。波形生成パラメータ間の距離Dが閾値THより小さい場合には長さl1を平滑化区間長Lとして決定し(ステップST202)、平滑化区間長計算手段21の動作を終了する。一方、ステップST201において波形生成パラメータ間の距離Dが閾値TH以上の場合、長さl2を平滑化区間長Lとして決定し(ステップST203)、平滑化区間長計算手段21の動作を終了する。ここで、長さl1、l2は、波形生成パラメータ間の距離Dが大きい場合には平滑化区間長Lを長くして音声合成単位の接続部における不連続感を軽減するように、l1<l2とする。また、この長さl1、l2はピッチ数やフレーム数などの任意の単位で規定し、例えば合成音声の不連続感と自然性などの観点で主観評価実験を行い最適な値を求めるなどして、予め設定しておく。
図7はこの発明の実施の形態3による音声合成装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と同一および相当する部分は同一符号を付して示し、原則としてその説明を省略する。実施の形態3の音声合成装置では、平滑化区間長決定手段22の動作が実施の形態1および実施の形態2のものと異なる。
平滑化区間決定手段22は、平滑化区間内の単位時間当たりの波形生成パラメータの変化量が所定の値以下となるように音声合成単位間の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する手段で、図8に示すように、波形生成パラメータ距離計算手段20および平滑化区間長計算手段23を備えている。波形生成パラメータ距離計算手段20は、音声合成単位Aと音声合成単位Bとの波形生成パラメータ間の距離を計算する手段である。平滑化区間長計算手段23は、平滑化区間内の単位時間当たりの波形生成パラメータの変化量が所定の値以下となる平滑化区間長を計算する手段である。
波形生成パラメータ距離計算手段20は、連結する2つの音声合成単位Aの終端の波形生成パラメータと音声合成Bの始端の波形生成パラメータとの距離Dを計算し、その距離Dを平滑化区間長計算手段23に出力する。ここで、波形生成パラメータ間の距離Dは、例えば窓掛けして切り出したピッチ波形を波形生成パラメータとするPSOLA法により合成音声の波形生成を行う場合には2つの波形の誤差信号のパワーとし、また、LPCやPARCOR、LSPなどの特徴パラメータを波形生成パラメータとするLPC合成法により波形生成を行う場合には2つの特徴パラメータ間の距離や、特徴パラメータから求められるスペクトル包絡間のスペクトル間距離とするなど、波形生成パラメータに対応して適宜定義してよい。
L=D/ΔTH (1)
ここで、式(1)におけるΔTHは、ピッチやフレームなどの任意の単位で規定した1単位当たりの波形生成パラメータの変化量の閾値であり、例えば合成音声の不連続感と自然性などの観点で主観評価実験を行い最適な値を求めるなどして、予め設定しておく。
図9は実施の形態4による音声合成装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と同一および相当する部分は同一符号を付して示し、原則としてその説明を省略する。実施の形態4の音声合成装置では、音声合成単位選択手段24および平滑化区間長決定手段25の動作が上記他の実施の形態のものと異なる。
音声合成単位選択手段24は、入力された音韻系列・韻律情報に適合する音声合成単位を音声合成単位辞書11より選択し、また音声合成単位を選択した際の選択尺度を出力する手段である。平滑化区間長決定手段25は、音声合成単位を選択した際の選択尺度に基づいて、2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する手段で、図10に示すように、平滑化区間長計算手段26を備えている。すなわち、平滑化区間長決定手段25では、決定する平滑化区間長を、平滑化区間長計算手段26により、入力された選択尺度に応じて計算する。
音声合成単位選択手段24は、入力された音韻系列・韻律情報に対して、例えば音声合成単位のピッチ周波数パターンや音韻継続時間長、連結する音声合成単位間のピッチ周波数の差異やスペクトル形状・ピッチ波形形状の差異などを評価尺度として、規定の選択尺度に基づき音声合成単位辞書11から最適な音声合成単位の系列を選択し、選択された音声合成単位の系列を遅延手段13と波形生成パラメータ平滑化手段15に順次出力する。それと共に、その選択された音声合成単位に対する選択尺度を平滑化区間長決定手段25に出力する。平滑化区間長決定手段25では、平滑化区間長計算手段26により、入力された選択尺度D’から、例えば図11に示す処理フローに従って平滑化区間長Lを計算し、波形生成パラメータ平滑化手段15へ出力する。したがって、波形生成パラメータ生成手段15は、この他の実施の形態と同様、遅延手段13から入力された音声合成単位Aの波形生成パラメータと音声合成単位選択手段24から入力された音声合成単位Bの波形生成パラメータとをこの平滑化区間長Lの区間で平滑化して連結し、連結した波形生成パラメータを波形生成手段16に出力する。
まず、入力された選択尺度D’を予め定めた閾値THと比較する(ステップST401)。選択尺度D’が閾値THより小さい場合には長さl1を平滑化区間長Lとして決定し(ステップST402)、平滑化区間長計算手段26の動作を終了する。一方、ステップST401において、選択尺度D’が閾値TH以上の場合、長さl2を平滑化区間長Lとして決定し(ステップST403)、平滑化区間長計算手段26の動作を終了する。ここで、長さl1、l2は、選択尺度D’が大きい場合には平滑化区間長Lを長くして音声合成単位の接続部における不連続感を軽減するように、l1<l2とする。この長さl1、l2はピッチ数やフレーム数などの任意の単位で規定し、例えば合成音声の不連続感と自然性などの観点で主観評価実験を行い最適な値を求めるなどして、予め設定しておく。
Claims (8)
- 複数の音声合成単位を予め格納しておく音声合成単位辞書と、
入力された音韻系列と韻律情報に対して前記音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて前記音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択する音声合成単位選択手段と、
選択された音声合成単位の系列を一時的に蓄え、1音声合成単位の遅延を与えて出力する遅延手段と、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位それぞれの音韻の組み合せに基づいて、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する平滑化区間長決定手段と、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成する波形生成パラメータ平滑化手段と、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する波形生成手段とを備えた音声合成装置。 - 複数の音声合成単位を予め格納しておく音声合成単位辞書と、
入力された音韻系列と韻律情報に対して前記音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて前記音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択する音声合成単位選択手段と、
選択された音声合成単位の系列を一時的に蓄え、1音声合成単位の遅延を与えて出力する遅延手段と、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータ間の距離が大きい場合には、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を長くする平滑化区間長決定手段と、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成する波形生成パラメータ平滑化手段と、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する波形生成手段とを備えた音声合成装置。 - 複数の音声合成単位を予め格納しておく音声合成単位辞書と、
入力された音韻系列と韻律情報に対して前記音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて前記音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択する音声合成単位選択手段と、
選択された音声合成単位の系列を一時的に蓄え、1音声合成単位の遅延を与えて出力する遅延手段と、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータ間の距離の単位時間当たりの変化量が所定の値以下となるように、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を決定する平滑化区間長決定手段と、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成する波形生成パラメータ平滑化手段と、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する波形生成手段とを備えた音声合成装置。 - 複数の音声合成単位を予め格納しておく音声合成単位辞書と、
入力された音韻系列と韻律情報に対して前記音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて前記音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択する音声合成単位選択手段と、
選択された音声合成単位の系列を一時的に蓄え、1音声合成単位の遅延を与えて出力する遅延手段と、
前記音声合成単位の系列を選択した際に用いた前記選択尺度が大きい場合には、前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を長くする平滑化区間長決定手段と、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成する波形生成パラメータ平滑化手段と、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する波形生成手段とを備えた音声合成装置。 - 入力された音韻系列と韻律情報に対して音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて、複数の音声合成単位を予め格納された音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択し、
選択された音声合成単位の系列に1音声合成単位の遅延を与えた音声合成単位を生成し、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位それぞれの音韻の組み合せに基づいて、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化する平滑化区間長を決定し、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成し、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する処理を実行させるコンピュータの音声合成プログラム。 - 入力された音韻系列と韻律情報に対して音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて、複数の音声合成単位を予め格納された音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択し、
選択された音声合成単位の系列に1音声合成単位の遅延を与えた音声合成単位を生成し、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータ間の距離が大きい場合には、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化する平滑化区間長を長くし、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成し、
連結した波形生成パラメータから合成音声の波形を生成する処理を実行させるコンピュータの音声合成プログラム。 - 入力された音韻系列と韻律情報に対して音声合成単位辞書に格納された音声合成単位との適合度合いを示す選択尺度に基づいて、複数の音声合成単位を予め格納された音声合成単位辞書から当該音韻系列と韻律情報に適合する音声合成単位の系列を選択し、
選択された音声合成単位の系列に1音声合成単位の遅延を与えた音声合成単位を生成し、
前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータ間の距離の単位時間当たりの変化量が所定の値以下となるように、当該2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化する平滑化区間長を決定し、
決定された平滑化区間長で前記2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化して連結した波形生成パラメータを生成し、
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前記音声合成単位の系列を選択した際に用いた前記選択尺度が大きい場合には、前記選択された音声合成単位と遅延が与えられた音声合成単位とからなる連続する2つの音声合成単位の波形生成パラメータを平滑化するための平滑化区間長を長くし、
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