JP4475731B2 - Diaphragm pump - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイアフラムの往復動によって取扱い流体を送り出すダイアフラムポンプに関し、特に、ダイアフラムを構成する2枚のシートの間に介在する周縁リングの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイアフラムポンプは、膜状のダイアフラムを往復動させ、取扱い流体を送り出すポンプである。多くの場合、ダイアフラムは円形であり、その周縁を固定され中央付近が往復動する。よって、ダイアフラムの周縁は往復動により繰り返し曲げられるので、この部分の形状などには十分な配慮が必要である。
【0003】
また、ダイアフラムは2枚のシートを密着させて形成する場合がある。そして、ダイアフラムの周縁には、2枚のシートの間に介在する周縁リングが設けられる。周縁リングには、半径方向に貫通孔が設けられている。この貫通孔は、通常時には、ダイアフラムの2枚のシートによりふさがれた状態となっている。しかし、シートのいずれか、または両方が破れた場合、圧力の高い流体が流れ込む。貫通孔に直接、または配管を介して圧力センサを結合しておけば、シートの破損を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、2枚のシートから構成されたダイアフラムの周縁部に、シートの間に介在するように周縁リングを設けた場合、この周縁リングの内縁付近が、ダイアフラムの往復動に伴う繰り返し曲げを受ける部分となる。
【0005】
本発明は、この繰り返し曲げを受ける部分が破損しないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明のダイアフラムポンプの周縁リングは、その内縁付近が内側に向けて徐々に薄くなっており、先端部分に薄い板状の部分が形成され、またこの薄くなっていく部分は、凹面形状となっている。先端部分の薄い板状の部分は、その厚さが、ダイアフラムを構成するシートの1枚の厚さ以下である。
【0007】
また、本発明の他の周縁リングは、その内縁付近が内側に向けてテーパ状に徐々に薄くなっている。
【0008】
また、本発明の周縁リングは、その内縁先端の半径がダイアフラムを構成するシートの1枚の厚さの半分以下である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1には、本実施形態のダイアフラムポンプの概略構成が示されている。ピストン10は、駆動機構(不図示)によって、シリンダ12内を往復運動する。シリンダ12の、ピストン10が挿入された端と反対側の端には、連通孔14を有するシリンダヘッド16が設けられている。さらに、シリンダヘッド16の図中右側にはダイアフラムヘッド18が配置され、シリンダヘッド16とダイアフラムヘッド18の対向する面に設けられた窪みによって、そろばん玉の形状に似た空洞20が形成されている。空洞20は、ダイアフラム22により2室に分けられている。すなわち、連通孔14を介してシリンダ室とつながる流体圧室24と、取扱い液の吸入管26と吐出管28に連通するダイアフラム室30とに分けられている。
【0010】
シリンダ12内、連通孔14および流体圧室24は、作動流体で満たされている。ピストン10を往復運動させると、これに応じてダイアフラム22も往復動し、ダイアフラム室30の容積が変化する。吸入管26と吐出管28には、それぞれ逆止弁32,34が設けられており、逆止弁の作用により、取扱い液は、吸入管26から吐出管28に向かう1方向に流れることになる。
【0011】
図2および図3には、ダイアフラム22の端部付近の構造の詳細が示されている。ダイアフラム22は、2枚のシート36,38から形成されている。また、ダイアフラム22の周縁部には、環状の周縁リング40が配置され、前記2枚のシート36,38に挟まれるようにして介在している。周縁リング40は、図2,3および図4に示されるように、薄い円環板形状を有している。円環の半径方向2カ所には(図4において上部、下部)貫通孔42,44が設けられている。下部の貫通孔44は通常はプラグ46により封止されている。上部の貫通孔42は配管48および逆止弁50を介して流体圧ゲージ(不図示)と連通している。稼動前、ダイアフラムの2枚のシート36,38は、図2に示すような、やや隙間のある状態となっている。ポンプの運転が開始されると、空洞20内の圧力が高まり、この圧力によって2枚のシート36,38の間が詰まり、これらが密着され、図3に示すような状態となる。シート36,38の間には、稼動前に、液体が満たされているが、シート同士が密着することにより、貫通孔42、配管48および逆止弁50を通ってプラグ51より外部に排出される。逆止弁50により一度排出した流体は逆流することがない。シート36,38が密着した後、プラグ51を締める。
【0012】
ポンプが正常に運転している場合は、ダイアフラムの2枚のシート36,38は密着しているため、空洞20内の圧力は逆止弁50および流体圧ゲージまで到達しない。ダイアフラムの2枚のシート36,38の一方または双方が破損すると、流体圧室24またはダイアフラム室30内の圧力が貫通孔42、配管48を通って逆止弁50に到達し、この弁を押し開く。さらに、この圧力は流体圧ゲージに達し、これによりダイアフラム22の破損が検出される。
【0013】
ダイアフラムの2枚のシート36,38が密着するときに、例えば図5に示すように、周縁リング140厚みの中心とずれてしまった場合、周縁リング140の内縁先端付近で、図中Aで示すようにシート38が大きく屈曲を受けることになる。この部分は弱く、ダイアフラム22の往復運動により繰り返し曲げを受けると、ここから破損しやすい。図5に示す周縁リング140のようにその内縁先端が比較的大きな弧を描き、丸くなっていると、前述のようにダイアフラム22が中心から偏り、弱い部分を生じやすい。
【0014】
本実施形態においては、図2および図3に示すように、周縁リング40の内縁付近は、円環の中心に向かって徐々に薄くなっている。また、単一な曲面とせずに、凹面を形成し、先端をより薄く形成している。本実施形態の周縁リング40の先端部分の厚さは、シート36,38の約半分、先端円弧の半径はシートの約1/4である。この形状の場合、図5に示す周縁リング140を使用していた装置に対して、シリンダヘッド16、ダイアフラムヘッド18の形状を変更しないで、採用することが可能である。以上の構成によって、稼動初期、ダイアフラムの2枚のシート36,38を密着するときに、周縁リング40とダイアフラム22の厚み中心がずれることを防止している。また、周縁リング内縁先端の強度が十分に欲しい場合には、先端部分の厚さをシート36,38と同程度にし、先端円弧の半径をシートの厚さの約半分まで大きくしてもダイアフラムの中心ずれを防ぐことができる。
【0015】
図6には、周縁リングの先端形状の他の例が示されている。この周縁リング54は、内縁先端付近がテーパ状になっており、図2および図3に示す周縁リング40とは異なり、凹面が形成されていない。この場合、この周縁リング40の形状に合わせて周囲の形状も変更する必要がある。したがって、この周縁リング54を用いる場合は、そのテーパ部に対して、ほぼシート36,38の1枚の厚さに等しい間隙を形成するような形状のシリンダヘッド56、ダイアフラムヘッド58を採用する。
【0016】
以上のように、周縁リングの内縁側の先端を薄くする、または尖らせる(テーパ形状とする)ことによって、2枚のシートが密着したときに、周縁リングの厚さ中心とダイアフラムの中心がずれることが防止され、ダイアフラムの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイアフラムポンプの概略構成を示す図である。
【図2】 本実施形態の周縁リングの詳細形状を示す断面図であり、特にダイアフラムを形成する2枚のシートが密着する前の状態を示している。
【図3】 本実施形態の周縁リングの詳細形状を示す断面図であり、特に2枚のシートが密着した後の状態を示している。
【図4】 周縁リングの概略形状を示す図である。
【図5】 周縁リング先端で、シートが大きく屈曲した状態を示す図である。
【図6】 周縁リングの形状の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 ピストン、16,56 シリンダヘッド、18,58 ダイアフラムヘッド、20 空洞、22 ダイアフラム、30 ダイアフラム室、36,38 シート、40,54 周縁リング、52 凹面。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a diaphragm pump that sends out a handling fluid by a reciprocating motion of a diaphragm, and more particularly to a structure of a peripheral ring interposed between two sheets constituting the diaphragm.
[0002]
[Prior art]
The diaphragm pump is a pump that reciprocates a membrane-like diaphragm and sends out a handling fluid. In many cases, the diaphragm has a circular shape, and its peripheral edge is fixed and reciprocates near the center. Therefore, since the periphery of the diaphragm is repeatedly bent by reciprocation, sufficient consideration is required for the shape of this portion.
[0003]
The diaphragm may be formed by bringing two sheets into close contact with each other. A peripheral ring interposed between the two sheets is provided on the peripheral edge of the diaphragm. The peripheral ring is provided with a through hole in the radial direction. This through-hole is normally closed by two sheets of diaphragms. However, if either or both of the sheets are torn, high pressure fluid will flow. If a pressure sensor is coupled to the through hole directly or via a pipe, the breakage of the sheet can be detected.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, when a peripheral ring is provided at the peripheral portion of the diaphragm composed of two sheets so as to be interposed between the sheets, the vicinity of the inner edge of the peripheral ring is repeatedly bent along with the reciprocating motion of the diaphragm. It becomes a part to receive.
[0005]
An object of the present invention is to prevent a portion subjected to repeated bending from being damaged.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the peripheral ring of the diaphragm pump of the present invention is gradually thinned inward in the vicinity of the inner edge, and a thin plate-like portion is formed at the tip portion. The going part has a concave shape. The thin plate-like portion of the tip portion has a thickness equal to or less than the thickness of one sheet constituting the diaphragm.
[0007]
Further, in the other peripheral ring of the present invention, the vicinity of the inner edge gradually becomes thinner in a tapered shape toward the inside.
[0008]
In the peripheral ring of the present invention, the radius of the tip of the inner edge is not more than half of the thickness of one sheet constituting the diaphragm.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention (hereinafter referred to as embodiments) will be described with reference to the drawings. FIG. 1 shows a schematic configuration of the diaphragm pump of the present embodiment. The
[0010]
The
[0011]
2 and 3 show details of the structure near the end of the
[0012]
When the pump is operating normally, the two
[0013]
When the two
[0014]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 2 and 3, the vicinity of the inner edge of the
[0015]
FIG. 6 shows another example of the tip shape of the peripheral ring. The
[0016]
As described above, by thinning or sharpening (tapering) the tip on the inner edge side of the peripheral ring, the thickness center of the peripheral ring is shifted from the center of the diaphragm when the two sheets are in close contact with each other. Is prevented, and the durability of the diaphragm is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a diaphragm pump.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a detailed shape of a peripheral ring of the present embodiment, and particularly shows a state before two sheets forming a diaphragm are brought into close contact with each other.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a detailed shape of a peripheral ring of the present embodiment, and particularly shows a state after two sheets are brought into close contact with each other.
FIG. 4 is a diagram showing a schematic shape of a peripheral ring.
FIG. 5 is a view showing a state where the sheet is largely bent at the front end of the peripheral ring.
FIG. 6 is a diagram showing another example of the shape of the peripheral ring.
[Explanation of symbols]
10 pistons, 16, 56 cylinder heads, 18, 58 diaphragm heads, 20 cavities, 22 diaphragms, 30 diaphragm chambers, 36, 38 seats, 40, 54 peripheral rings, 52 concave surfaces.
Claims (3)
互いに密着されて前記ダイアフラムを構成する2枚のシートと、
前記ダイアフラム周縁に設けられ、前記2枚のシートの間に介在するリング形状の周縁リングと、
を有し、
前記周縁リングの内縁は内側に向けて徐々に薄くなっており、先端部分に薄い板状の部分が形成され、またこの徐々に薄くなっていく部分において凹面が形成され、
前記薄い板状の部分は、その厚さが、ダイアフラムを構成する前記シートの1枚の厚さ以下である、
ダイアフラムポンプ。A diaphragm pump for delivering a handling fluid by a reciprocating motion of a diaphragm;
Two sheets that are in close contact with each other to form the diaphragm;
A ring-shaped peripheral ring provided on the peripheral edge of the diaphragm and interposed between the two sheets;
Have
The inner edge of the peripheral ring is gradually thinned inward, a thin plate-like part is formed at the tip part, and a concave surface is formed in this gradually thinning part,
The thin plate-like portion has a thickness equal to or less than the thickness of one of the sheets constituting the diaphragm.
Diaphragm pump.
前記周縁リングの内縁の先端半径は、前記シートの1枚の厚さの半分以下である、ダイアフラムポンプ。The diaphragm pump according to claim 1,
The front end radius of the inner edge of the peripheral ring is a diaphragm pump that is less than half the thickness of one sheet.
互いに密着されて前記ダイアフラムを構成する2枚のシートと、
前記ダイアフラム周縁に設けられ、前記2枚のシートの間に介在するリング形状の周縁リングと、
を有し、
前記周縁リングの内縁は内側に向けて徐々に薄くなっており、先端部分に、厚さがダイアフラムを構成する前記シートの1枚の厚さ以下の薄い板状の部分が形成され、
前記周縁リングの内縁の先端半径は、前記シートの1枚の厚さの半分以下である、ダイアフラムポンプ。A diaphragm pump for delivering a handling fluid by a reciprocating motion of a diaphragm;
Two sheets that are in close contact with each other to form the diaphragm;
A ring-shaped peripheral ring provided on the peripheral edge of the diaphragm and interposed between the two sheets;
Have
The inner edge of the peripheral ring is gradually thinned inward, and a thin plate-like portion having a thickness equal to or less than one thickness of the sheet constituting the diaphragm is formed at the tip portion.
The front end radius of the inner edge of the peripheral ring is a diaphragm pump that is less than half the thickness of one sheet.
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