JP4475493B2 - 留置チューブとそのチューブのコーティング方法 - Google Patents

留置チューブとそのチューブのコーティング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体管腔内に挿入されて留置される留置チューブとそのチューブのコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、患者の生体管腔内に挿入されて留置される留置チューブとして例えば特許文献1に示されている胆管ドレナージチューブがある。この留置チューブではポリエチレンなどでチューブ本体が形成されている。
【0003】
また、特許文献2には内側コアの外表面に外側層が被覆されたステントが示されている。ここで、内側コアは第1の崩壊速度をもつ生体崩壊性を有し、外側層は第1の崩壊速度よりも遅い第2の崩壊速度をもつ生体崩壊性を有する。
【0004】
さらに、特許文献3には経内視鏡的逆行性胆管ドレナージチューブが示されている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭60−180442号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−333975号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平10−57496号公報
【0008】
【非特許文献1】
「経内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD)チューブの閉塞におけるバクテリアの役割(The Role of Bacteria for Occlusion of Endoscopic Retrograde Biliary Drainage (ERBD) Tube)」(Takeshi SHIGENO,Gastroenterogical Endoscopy,Vol.32(2),345〜352,1990)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3に示されている経内視鏡的逆行性胆管ドレナージチューブは胆管に留置されて使用される。この使用中にチューブ内表面上で細菌と蛋白質・脂質などの各種物質の付着が繰り返されて堆積物が生成され、その堆積層の部分を起点としてチューブ内腔が次第に詰まる現象が発生する。留置チューブの詰まりの機序については非特許文献1などの文献に詳しく述べられている。
【0010】
また、特許文献1に示されている従来の留置チューブでは留置期間中に胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ内に付着しやすい。そのため、留置チューブのチューブ内腔の細径化及び閉塞により当初の目的である胆汁・膵液の排出が円滑に出来なくなり、結果として疾病が再発するおそれがある。
【0011】
また、特許文献2に示された従来のステントでは留置期間中に最終的にはチューブ全体が生体内で崩壊する。このとき、ステントの崩壊が開始されるとステントの強度自体も弱くなるので、チューブ管腔が維持できなくなる。これにより、胆汁・膵液の排出が円滑にできなくなり、結果として疾病が再発するおそれがある。
【0012】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、チューブ内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる留置チューブとそのチューブのコーティング方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、胆管内に挿入されて留置されるチューブ本体を備えた留置チューブにおいて、前記チューブ本体のチューブ内径よりも小さい外径を有する光線不透過性のチューブ形状の部材を前記チューブ本体内に配置したのち、溶液槽内に収容された光線に反応する溶液内に前記チューブ本体及びチューブ形状部材を浸漬した状態で、前記チューブ形状部材内に光線照射器具の先端を挿入し、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に前記チューブ形状部材を介して光線を照射することにより、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を光線照射による光反応により硬化させ、前記溶液槽内で前記チューブ本体及び前記チューブ形状部材を動かすことで徐々に前記チューブ本体の内表面に積層させた光硬化物によってチューブ内面にコーティングされた生体崩壊性樹脂のコーティング部を設けたことを特徴とする留置チューブである。
【0019】
請求項の発明は、前記コーティング部は、カプロラクタン及びトリメチレンカーボネイトの共重合体ポリマーから形成された親水潤滑性を有する上記生体崩壊性のコーティング材料によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブである。
【0020】
そして、本請求項の発明では、カプロラクタン及びトリメチレンカーボネイトの共重合体ポリマーから形成された親水潤滑性を有する生体崩壊性のコーティング材料によってコーティング部を形成するようにしたものである。
【0021】
請求項の発明は、前記コーティング部は、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート及び光重合開始剤を含むポリマーから形成された親水潤滑性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブである。
【0022】
そして、本請求項の発明では、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート及び光重合開始剤を含むポリマーから形成された親水潤滑性を有する生体崩壊性のコーティング材料によってコーティング部を形成するようにしたものである。
【0023】
請求項の発明は、前記コーティング部は、前記チューブ本体の両端開口部に向かうにしたがって徐々に前記生体崩壊性のコーティングの膜厚が大きくなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブである。
【0024】
そして、本請求項の発明では、コーティング部の崩壊によってチューブ本体の内部管腔の開口部近傍に付着した物質を引き剥がして押し流すことができる。このとき、胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質が付着しやすいチューブ本体の内部管腔の両端開口部近傍における生体崩壊性のコーティングの膜厚が大きくなるように配置することにより、チューブ本体の内部管腔の両端開口部近傍における留置チューブの詰まり防止効果を一層、長期間維持できるようにしたものである。
【0027】
請求項の発明は、生体管腔内に挿入されて留置されるチューブ本体を備えた留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性の樹脂をコーティングするコーティング方法において、前記チューブ本体のチューブ内径よりも小さい外径を有する光線不透過性のチューブ形状の部材を前記チューブ本体内に配置する工程と、溶液槽内に収容された光線に反応する溶液内に前記チューブ本体及びチューブ形状部材を浸漬する工程と、前記チューブ形状部材内に光線照射器具の先端を挿入する工程と、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に前記チューブ形状部材を介して光線を照射する工程と、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を光線照射による光反応により硬化させる工程と、前記溶液槽内で前記チューブ本体及び前記チューブ形状部材を動かすことで徐々に前記チューブ本体の内表面に光硬化物を積層させる工程とを具備することを特徴とする留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法である。
【0028】
そして、本請求項の発明では、生体管腔内に挿入されて留置されるチューブ本体を備えた留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性の樹脂をコーティングする際に、まず、チューブ本体のチューブ内径よりも小さい外径を有する光線不透過性のチューブ形状の部材をチューブ本体内に配置する(第1の工程)。続いて、溶液槽内に収容された光線に反応する溶液内にチューブ本体及びチューブ形状部材を浸漬する(第2の工程)。その後、チューブ形状部材内に光線照射器具の先端を挿入する(第3の工程)。さらに、チューブ本体の内表面とチューブ形状部材の外表面との隙間にチューブ形状部材を介して光線を照射する(第4の工程)。これにより、チューブ本体の内表面とチューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を光線照射による光反応により硬化させる(第5の工程)。このとき、溶液槽内でチューブ本体及びチューブ形状部材を動かすことで徐々にチューブ本体の内表面に光硬化物を積層させる(第6の工程)ようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施の形態の医療用留置チューブ1の概略構成を示すものである。この留置チューブ1には生体管腔内に挿入されて留置される細管状のチューブ本体2が設けられている。このチューブ本体2は生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成されている。このチューブ本体2の樹脂材料は、例えばポリエチレン、フッ素樹脂、ポリウレタンなどの柔軟な樹脂である。
【0030】
さらに、このチューブ本体2の内部管腔の内表面には加水分解により生体崩壊する生体崩壊性コーティングを施したコーティング部3が設けられている。このコーティング部3の生体崩壊性コーティングの材料は、例えばトリメチレンカーボネイトとカプロラクタンの合成物(カプロラクタン及びトリメチレンカーボネイトの共重合体ポリマー)である。そして、この生体崩壊性コーティング材料から光造形により親水潤滑性を有する生体崩壊性のコーティング部3が作られている。
【0031】
また、図2は留置チューブ1のチューブ本体2の内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法の1つである内面積層方法を実施するコーティング装置4全体の概略構成図である。このコーティング装置4にはコーティング溶液である光反応溶液、例えばカプロラクタンとトリメチレンカーボネイトの共重合体が収容された溶液槽5が設けられている。この溶液槽5内には処理対象となる留置チューブ1のチューブ本体2を載置する平板状のステージ6が略水平に配置されている。このステージ6は、例えば金網や、多孔質体などのようにコーティング溶液が自由に流通可能なプレートや、金属やプラスチックの平板に液体流通孔が形成されたプレートなどが使用される。
【0032】
さらに、ステージ6上には、チューブ本体2が図2に示すように軸心方向を略鉛直方向に向けた縦向きの状態で載置されている。このチューブ本体2内にはチューブ本体2のチューブ内径よりも小さい外径を有する紫外線不透過性の棒状の芯金(芯材)7が配置されている。
【0033】
また、ステージ6上のチューブ本体2の上方にはライトペン8が配設されている。このライトペン8には例えば光ファイバによって形成されるライトガイド9の先端部が固定されている。このライトガイド9の基端部は紫外線光源10に連結されている。なお、ライトペン8の先端部にはフォトマスク11が配置されている。
【0034】
さらに、本実施の形態のコーティング装置4にはライトペン8を略水平な平面に沿ってXY方向(略直交する状態で交差するX方向とY方向との2方向)に駆動するXYステージ操作部12と、ステージ6を図2中で上下方向であるZ方向に平行移動するZステージ操作部13とが設けられている。ここで、紫外線光源10と、XYステージ操作部12およびZステージ操作部13はそれぞれ例えばマイクロコンピュータ及びその周辺装置によって形成される制御装置14に接続されている。この制御装置14には留置チューブ1のチューブ本体2の内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする内面積層方法を実施するプログラムが予め記憶されている。そして、この制御装置14からの制御信号に基いて紫外線光源10と、XYステージ操作部12およびZステージ操作部13の動作が制御されるようになっている。なお、制御装置14には手動操作によって紫外線光源10と、XYステージ操作部12およびZステージ操作部13の動作をそれぞれ制御するマニュアル操作用のプログラムも設けられている。
【0035】
次に、本実施の形態の留置チューブ1のチューブ本体2の内面に生体崩壊性樹脂のコーティング部3をコーティングする内面積層方法について説明する。この内面積層方法の実施時には、溶液槽5内のステージ6がコーティング溶液の上側に移動された状態で、このステージ6上に縦向きの状態でチューブ本体2がセットされる。この状態で、まず、チューブ本体2のチューブ内径よりも小さい外径を有する紫外線不透過性の棒状の芯金7がチューブ本体2内に配置される(第1の工程)。
【0036】
その後、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。このとき、図2に示すようにステージ6は溶液槽5内に収容された紫外線に反応するコーティング溶液内にチューブ本体2及び芯金7の下端部が浸漬する位置まで移動される(第2の工程)。続いて、ライトペン8のライトガイド9からフォトマスク11を通して発光される紫外線がチューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間に照射される(第3の工程)。これにより、チューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間に浸入している溶液を紫外線照射による光反応により硬化させる(第4の工程)。このとき、溶液槽5内でチューブ本体2及び芯金7を次の通り動かすことで徐々に光造形物を積層させる(第5の工程)。
【0037】
すなわち、この第5の工程では紫外線照射による光反応により溶液が硬化して生体崩壊性コーティングが形成される処理の進展に合わせてXYステージ操作部12およびZステージ操作部13が次の通り駆動される。ここでは、XYステージ操作部12によってライトペン8がチューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間の形状である円形状に沿って移動される。したがって、チューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間の円形状の一部であるコーティング開始点で紫外線照射により溶液が光硬化したのち、XYステージ操作部12によってライトペン8をチューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間の円形状に沿って徐々に移動させることにより、チューブ本体2の内表面と芯金7の外表面との隙間の円形状全体に亙り、紫外線照射により溶液が光硬化する。
【0038】
この後、Zステージ操作部13によってステージ6が一定量(溶液が光硬化する量に相当する)下降される。このとき、前回のコーティング処理で形成されたコーティング層3aの上にコーティング溶液が浸入するまでステージ6が下降される。この状態で、第3の工程〜第5の工程が同様に繰り返される。これにより、図3に示すように紫外線照射により溶液が光硬化してポリマーのコーティング層3aが徐々に積層される。そして、上記作業の繰返しで、図4に示すようにチューブ本体2の内表面の全てにコーティング層3aが積層されることにより、チューブ本体2の内表面の全てに生体崩壊性コーティングを施したコーティング部3が形成される。
【0039】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の留置チューブ1は例えば患者の胆管内に挿入されて留置された状態で使用される。この留置チューブ1の使用時には留置チューブ1が生体管腔内に挿入されて留置された留置期間中に、チューブ本体2の内部管腔の内表面のコーティング部3は加水分解反応で経時的に剥離する。これにより、胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ本体2内に付着した場合であっても、コーティング部3の崩壊によってチューブ本体2内に付着した物質を引き剥がして押し流すことができる。そのため、チューブ本体2の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来る。
【0040】
さらに、留置チューブ1のチューブ本体2には生体非崩壊性の樹脂を用いているので、チューブ本体2の内表面が生体崩壊してもチューブ本体2は残存する。これにより、体内留置した留置チューブ1の管腔通路を長期間維持することができる。
【0041】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の医療用留置チューブ1ではチューブ本体2を生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成し、チューブ本体2の内部管腔の内表面に生体崩壊性コーティングを施したコーティング部3を設けたので、チューブ本体2の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる。
【0042】
なお、本実施の形態のコーティング装置4ではXYステージ操作部12によってライトペン8を略水平な平面に沿ってXY方向に駆動する構成を示したが、ライトペン8の位置を固定し、ステージ6をチューブ本体2の軸心位置を中心に回転駆動する構成にしてもよい。
【0043】
また、図5乃至図9は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の医療用留置チューブ1とそのチューブのコーティング方法を次の通り変更したものである。
【0044】
すなわち、本実施の形態の留置チューブ21には図5に示すように第1の実施の形態の留置チューブ1と同様に生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成されたチューブ本体22が設けられている。このチューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍の内外面には生体崩壊性のコーティングを施したコーティング部23が設けられている。
【0045】
また、図6は本実施の形態の留置チューブ21のチューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍の内外面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法を実施するコーティング装置24全体の概略構成図である。なお、本実施の形態ではこのコーティング装置24の基本構成は第1の実施形態のコーティング装置4とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
すなわち、本実施の形態のコーティング装置24にはステージ6の上にチューブ本体22のチューブ外径よりも大きい内径を有する有底円筒状の外枠25が配設されている。この外枠25の上にはチューブ本体22が図6に示すように軸心方向を略鉛直方向に向けた縦向きの状態で載置されている。さらに、このチューブ本体22内にはチューブ本体22のチューブ内径よりも小さい外径を有する紫外線不透過性の棒状の芯金(芯材)7が配置されている。
【0047】
次に、本実施の形態の留置チューブ21のチューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍の内外面に生体崩壊性樹脂のコーティング部23をコーティングする方法について説明する。このコーティング方法の実施時には、溶液槽5内のステージ6がコーティング溶液の上側に移動された状態で、このステージ6の外枠25上に縦向きの状態でチューブ本体22がセットされる。この状態で、まず、チューブ本体22のチューブ内径よりも小さい外径を有する紫外線不透過性の棒状の芯金7がチューブ本体22内に配置される(第1の工程)。
【0048】
その後、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。このとき、図6に示すようにステージ6は溶液槽5内に収容された紫外線に反応するコーティング溶液内にチューブ本体22及び芯金7の下端部が浸漬する位置まで移動される(第2の工程)。続いて、ライトペン8のライトガイド9からフォトマスク11を通して発光される紫外線がチューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間に照射される(第3の工程)。これにより、チューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間に浸入している溶液、およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間に浸入している溶液を紫外線照射による光反応により硬化させる(第4の工程)。このとき、溶液槽5内でチューブ本体22及び芯金7を次の通り動かすことで徐々に光造形物を積層させる(第5の工程)。
【0049】
すなわち、この第5の工程では紫外線照射による光反応により溶液が硬化して生体崩壊性コーティングが形成される処理の進展に合わせてXYステージ操作部12およびZステージ操作部13が次の通り駆動される。ここでは、XYステージ操作部12によってライトペン8がチューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間の形状である円形状に沿ってそれぞれ移動される。したがって、チューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間の円形状の一部であるコーティング開始点で紫外線照射により溶液が光硬化したのち、XYステージ操作部12によってライトペン8をチューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間の円形状に沿って徐々に移動させることにより、チューブ本体22の内表面と芯金7の外表面との隙間およびチューブ本体22の外表面と外枠25の内表面との隙間の円形状全体に亙り、紫外線照射により溶液が光硬化する。
【0050】
この後、Zステージ操作部13によってステージ6が一定量(溶液が光硬化する量に相当する)下降される。このとき、前回のコーティング処理で形成されたコーティング層23aの上にコーティング溶液が浸入するまでステージ6が下降される。この状態で、第3の工程〜第5の工程が同様に繰り返される。これにより、図7に示すように紫外線照射により溶液が光硬化してポリマーのコーティング層23aが徐々に積層される。そして、上記作業の繰返しで、図7に示すようにチューブ本体22の内部管腔の一端側の開口部近傍の内外面の全てにコーティング層23aが積層される。
【0051】
その後、チューブ本体22の上下をひっくり返して再びセッティングする。続いて、図8に示すようにチューブ本体22の上端面全体がコーティング溶液内に浸漬する位置までステージ6が下降される。この状態で、ライトペン8のライトガイド9からフォトマスク11を通して発光される紫外線がチューブ本体22の上端面全体に順次、照射される。このとき、XYステージ操作部12によってライトペン8がチューブ本体22の上端面の形状である円形状に沿って移動される。したがって、チューブ本体22の上端面の円形状の一部であるコーティング開始点で紫外線照射により溶液が光硬化したのち、XYステージ操作部12によってライトペン8をチューブ本体22の上端面の円形状に沿って徐々に移動させることにより、チューブ本体22の上端面の円形状全体に亙り、紫外線照射により溶液が光硬化する。これにより、チューブ本体22の上端面全体をコーティングする。
【0052】
また、図9に示すようにチューブ本体22の他端側の開口部近傍の内外面も上記方法と同様にして全面にコーティング層23aが積層され、コーティング部23が形成される。
【0053】
次に、上記構成の本実施の形態の留置チューブ21の作用について説明する。本実施の形態の留置チューブ21の使用時には留置チューブ21が生体管腔内に挿入されて留置された留置期間中に、チューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍の内外面のコーティング部23は加水分解反応で経時的に剥離する。これにより、胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍に付着した場合であっても、コーティング部23の崩壊によってチューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍に付着した物質を引き剥がして押し流すことができる。そのため、チューブ本体22の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来る。
【0054】
さらに、留置チューブ21のチューブ本体22には生体非崩壊性の樹脂を用いているので、チューブ本体22の内表面が生体崩壊してもチューブ本体22は残存する。これにより、体内留置した留置チューブ21の管腔通路を長期間維持することができる。
【0055】
そこで、上記構成の本実施の形態の医療用留置チューブ21ではチューブ本体22を生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成し、チューブ本体22の内部管腔の両端の開口部近傍の内外面に生体崩壊性コーティングを施したコーティング部23を設けたので、チューブ本体22の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる。
【0056】
また、図10乃至図14は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の医療用留置チューブ1とそのチューブのコーティング方法を次の通り変更したものである。
【0057】
すなわち、本実施の形態の留置チューブ31には図10に示すように第1の実施の形態の留置チューブ1と同様に生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成されたチューブ本体32が設けられている。このチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面には生体崩壊性のコーティングを施したコーティング部33が設けられている。
【0058】
これらのコーティング部33はチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に厚さが大きくなる状態で形成されている。これにより、コーティング部33の内周面にはチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に内径寸法が小さくなるテーパー状の傾斜面34が形成されている。
【0059】
また、図11は本実施の形態の留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法を実施するコーティング装置35全体の概略構成図である。なお、本実施の形態ではこのコーティング装置35の基本構成は第1の実施形態のコーティング装置4とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
すなわち、本実施の形態のコーティング装置35ではチューブ本体32内に配置される紫外線不透過性の棒状の芯金(芯材)7が次のように予め複数準備されている。ここで、準備される芯金7は、外径寸法がそれぞれ異なる。例えば、最も外径寸法が大きい第1の芯金7と、この第1の芯金7よりも外径寸法が小さい第2の芯金36(図13参照)と、第2の芯金36よりも外径寸法が小さい第3の芯金37(図14参照)とが予め準備されている。そして、コーティング作業の開始時には最も外径寸法が大きい第1の芯金7が使用される。さらに、チューブ本体32のコーティング作業中にコーティング作業の進行にともない外径寸法が小さい第2の芯金36、第3の芯金37が順次、交換使用されるようになっている。
【0061】
次に、本実施の形態の留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂のコーティング部33をコーティングし、このコーティング部33の内周面に傾斜をつける方法について説明する。このコーティング方法の実施時には、第1の実施形態と同様に溶液槽5内のステージ6がコーティング溶液の上側に移動された状態で、このステージ6上に縦向きの状態でチューブ本体32がセットされる。この状態で、まず、チューブ本体32のチューブ内径よりも小さい外径を有する紫外線不透過性の棒状の第1の芯金7がチューブ本体32内に配置される(第1の工程)。
【0062】
その後、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。このとき、図11に示すようにステージ6は溶液槽5内に収容された紫外線に反応するコーティング溶液内にチューブ本体32及び第1の芯金7の下端部が浸漬する位置まで移動される(第2の工程)。続いて、ライトペン8のライトガイド9からフォトマスク11を通して発光される紫外線がチューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間に照射される(第3の工程)。これにより、チューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間に浸入している溶液を紫外線照射による光反応により硬化させる(第4の工程)。このとき、溶液槽5内でチューブ本体32及び第1の芯金7を次の通り動かすことで徐々に光造形物を積層させる(第5の工程)。
【0063】
すなわち、この第5の工程では紫外線照射による光反応により溶液が硬化して生体崩壊性コーティングが形成される処理の進展に合わせてXYステージ操作部12およびZステージ操作部13が次の通り駆動される。ここでは、XYステージ操作部12によってライトペン8がチューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間の形状である円形状に沿って移動される。したがって、チューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間の円形状の一部であるコーティング開始点で紫外線照射により溶液が光硬化したのち、XYステージ操作部12によってライトペン8をチューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間の円形状に沿って徐々に移動させることにより、チューブ本体32の内表面と第1の芯金7の外表面との隙間の円形状全体に亙り、紫外線照射により溶液が光硬化する。
【0064】
この後、Zステージ操作部13によってステージ6が一定量(溶液が光硬化する量に相当する)下降される。このとき、前回のコーティング処理で形成されたコーティング層33aの上にコーティング溶液が浸入するまでステージ6が下降される。この状態で、第3の工程〜第5の工程が同様に繰り返される。これにより、図12に示すように紫外線照射により溶液が光硬化してチューブ本体32の内部管腔の一端側の開口部近傍の内周面にポリマーのコーティング層33aが徐々に積層され、第1段階のコーティングが終了する。
【0065】
さらに、チューブ本体32の内部管腔の一端側の開口部近傍の内周面に第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが終了したのち、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。そして、図12に示すようにチューブ本体32の内部管腔の他端側の開口部近傍の内周面に第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが同様に行なわれる。
【0066】
また、上述した通りチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが終了した後、チューブ本体32内から第1の芯金7が引き抜かれる。その後、図13に示すように第2の芯金36がチューブ本体32内に挿入される。
【0067】
この状態で、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ形成された第1段階のコーティング層33aの内表面と第2の芯金36の外表面との間に第1段階のコーティングと同様の手順で第2段階のコーティング層33bが積層される。このとき、第2段階のコーティング層33bの内端部の位置は第1段階のコーティング層33aの内端部の位置よりも外側に配置されるように設定される。
【0068】
また、上述した通りチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面の第1段階のコーティング層33aの上に第2段階のコーティング層33bを積層させて形成する第2段階のコーティングが終了した後、チューブ本体32内から第2の芯金36が引き抜かれる。その後、同様の手順で複数段階のコーティング層33c…が積層される。
【0069】
そして、図14に示すように最終段階の第3の芯金37がチューブ本体32内に挿入された状態で、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ形成された前段階のコーティング層33cの内表面と第3の芯金37の外表面との間に第2段階のコーティングと同様の手順で最終段階のコーティング層33dが積層される。このとき、最終段階のコーティング層33dの内端部の位置は前段階のコーティング層33cの内端部の位置よりも外側に配置されるように設定される。
【0070】
そして、上記作業により、図10に示すように留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂のコーティング部33をコーティングする作業が終了する。このとき、コーティング部33の内周面にはチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に内径寸法が小さくなるテーパー状の傾斜面34が形成されている。
【0071】
次に、上記構成の本実施の形態の留置チューブ31の作用について説明する。本実施の形態の留置チューブ31の使用時には留置チューブ31が生体管腔内に挿入されて留置された留置期間中に、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面のコーティング部33は加水分解反応で経時的に剥離する。これにより、胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍に付着した場合であっても、コーティング部33の崩壊によってチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍に付着した物質を引き剥がして押し流すことができる。そのため、チューブ本体32の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来る。
【0072】
さらに、留置チューブ31のチューブ本体32には生体非崩壊性の樹脂を用いているので、チューブ本体32の内表面が生体崩壊してもチューブ本体32は残存する。これにより、体内留置した留置チューブ31の管腔通路を長期間維持することができる。
【0073】
そこで、上記構成の本実施の形態の医療用留置チューブ31ではチューブ本体32を生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成し、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性コーティングを施したコーティング部33を設けたので、チューブ本体32の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる。
【0074】
さらに、本実施の形態の留置チューブ31ではチューブ本体32のコーティング部33の内周面にはチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に内径寸法が小さくなるテーパー状の傾斜面34が形成されている。そのため、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面のコーティング部33が加水分解反応で経時的に剥離する際にチューブ本体32の両端の開口部の端縁部位のコーティング部33の剥離を他の部分よりも遅くすることができる。そのため、体内留置した場所の管腔通路を一層、長期間維持することができる効果がある。
【0075】
また、図15乃至図18は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態(図10乃至図14参照)の医療用留置チューブ31のチューブ本体32に生体崩壊性樹脂を傾斜状にコーティングする方法の変形例である。
【0076】
図15は本実施の形態の留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法を実施するコーティング装置41全体の概略構成図である。なお、本実施の形態ではこのコーティング装置41の基本構成は第1の実施形態のコーティング装置4とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】
すなわち、第1の実施形態のコーティング装置4で使用した紫外線不透過性の棒状の芯金(芯材)7に代えて本実施の形態のコーティング装置41ではチューブ本体32内に配置されるバルーン42が設けられている。このバルーン42にはガスや、液体などの流体の流路となるチューブ43の一端部が連結されている。このチューブ43の他端部は流体給排手段としての注射器44に連結されている。さらに、バルーン42は図15中で上下方向であるZ方向に移動可能に支持されている。
【0078】
次に、図10の留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂のコーティング部33をコーティングし、このコーティング部33の内周面に傾斜をつける方法について説明する。このコーティング方法の実施時には、第3の実施形態と同様に溶液槽5内のステージ6がコーティング溶液の上側に移動された状態で、このステージ6上に縦向きの状態でチューブ本体32がセットされる。この状態で、まず、チューブ本体32のチューブ内径よりも小さい外径を有するバルーン42がチューブ本体32内に配置される(第1の工程)。
【0079】
その後、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。このとき、図15に示すようにステージ6は溶液槽5内に収容された紫外線に反応するコーティング溶液内にチューブ本体32及びバルーン42の下端部が浸漬する位置まで移動される(第2の工程)。続いて、ライトペン8のライトガイド9からフォトマスク11を通して発光される紫外線がチューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間に照射される(第3の工程)。これにより、チューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間に浸入している溶液を紫外線照射による光反応により硬化させる(第4の工程)。このとき、溶液槽5内でチューブ本体32及びバルーン42を次の通り動かすことで徐々に光造形物を積層させる(第5の工程)。
【0080】
すなわち、この第5の工程では紫外線照射による光反応により溶液が硬化して生体崩壊性コーティングが形成される処理の進展に合わせてXYステージ操作部12およびZステージ操作部13が次の通り駆動される。ここでは、XYステージ操作部12によってライトペン8がチューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間の形状である円形状に沿って移動される。したがって、チューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間の円形状の一部であるコーティング開始点で紫外線照射により溶液が光硬化したのち、XYステージ操作部12によってライトペン8をチューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間の円形状に沿って徐々に移動させることにより、チューブ本体32の内表面とバルーン42の外表面との隙間の円形状全体に亙り、紫外線照射により溶液が光硬化する。
【0081】
この後、Zステージ操作部13によってステージ6が一定量(溶液が光硬化する量に相当する)下降される。このとき、前回のコーティング処理で形成されたコーティング層33aの上にコーティング溶液が浸入するまでステージ6が下降される。この状態で、第3の工程〜第5の工程が同様に繰り返される。これにより、図12に示すように紫外線照射により溶液が光硬化してチューブ本体32の内部管腔の一端側の開口部近傍の内周面にポリマーのコーティング層33aが徐々に積層され、第1段階のコーティングが終了する。
【0082】
さらに、チューブ本体32の内部管腔の一端側の開口部近傍の内周面に第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが終了したのち、Zステージ操作部13によってステージ6が下降される。このとき、バルーン42も図16に示すように下降される。そして、図16に示すようにチューブ本体32の内部管腔の他端側の開口部近傍の内周面に第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが同様に行なわれる。
【0083】
また、上述した通りチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ第1段階のコーティング層33aを形成する第1段階のコーティングが終了した後、図17に示すようにチューブ本体32内のバルーン42の径が縮小される。
【0084】
この状態で、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ形成された第1段階のコーティング層33aの内表面と径が縮小されたバルーン42の外表面との間に第1段階のコーティングと同様の手順で第2段階のコーティング層33bが積層される。このとき、第2段階のコーティング層33bの内端部の位置は第1段階のコーティング層33aの内端部の位置よりも外側に配置されるように設定される。
【0085】
また、上述した通りチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面の第1段階のコーティング層33aの上に第2段階のコーティング層33bを積層させて形成する第2段階のコーティングが終了した後、図18に示すようにチューブ本体32内のバルーン42の径がさらに縮小される。その後、同様の手順で複数段階のコーティング層33c…が積層される。
【0086】
そして、図18に示すようにバルーン42が最終段階の径に縮小された状態で、チューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面にそれぞれ形成された前段階のコーティング層33cの内表面とバルーン42の外表面との間に第2段階のコーティングと同様の手順で最終段階のコーティング層33dが積層される。このとき、最終段階のコーティング層33dの内端部の位置は前段階のコーティング層33cの内端部の位置よりも外側に配置されるように設定される。
【0087】
そして、上記作業により、図10に示すように留置チューブ31のチューブ本体32の内部管腔の両端の開口部近傍の内周面に生体崩壊性樹脂のコーティング部33をコーティングする作業が終了する。このとき、コーティング部33の内周面にはチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に内径寸法が小さくなるテーパー状の傾斜面34が形成されている。
【0088】
そこで、本実施の形態の医療用留置チューブ31のチューブ本体32に生体崩壊性樹脂を傾斜状にコーティングする方法でも第3の実施の形態と同様にチューブ本体32のコーティング部33の内周面にチューブ本体32の内部側から両端の開口部の端縁部位に向かうにしたがって徐々に内径寸法が小さくなるテーパー状の傾斜面34を形成することができる。そのため、本実施の形態でも第3の実施の形態の医療用留置チューブ31と同様の効果が得られる。
【0089】
また、図19乃至図21に本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施例の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の医療用留置チューブ1とそのチューブのコーティング方法を次の通り変更したものである。
【0090】
図19は本実施の形態の留置チューブ51を示す。すなわち、本実施の形態の留置チューブ51には第1の実施の形態の留置チューブ1と同様に生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成されたチューブ本体52が設けられている。このチューブ本体52の内部管腔の内表面には生体崩壊性コーティングを施したコーティング部53が設けられている。このコーティング部53の生体崩壊性コーティングの材料は例えばポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート及びカンファーキノンのような光重合開始剤を含むポリマーから形成されている。そして、この生体崩壊性コーティング材料から光造形により親水潤滑性を有する生体崩壊性のコーティング部53が作られている。
【0091】
また、図20は本実施の形態の留置チューブ51のチューブ本体52の内部管腔の内表面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法を実施するコーティング装置54全体の概略構成図である。なお本実施の形態ではこのコーティング装置の基本構成は第1の実施の形態のコーティング装置4とほぼ同様なので、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
すなわち、本実施の形態のコーティング装置54にはコーティング溶液である光反応溶液、例えばポリアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート及びカンファーキノンを含むポリマーが収容された溶液槽55が設けられている。
【0093】
また、ステージ6上のチューブ本体52の上方にはライトペン8が配設されている。このライトペン8にはライトガイド9の先端部が固定されており、ライトガイド9の基端部はハロゲン光源56が連結されている。なお、ライトペン8の先端部には先端フード57が装着されており、先端フード57の先端部には例えば凸レンズのようなレンズ58が載置されている。また、先端フード57は少なくともレンズ58が載置されている先端部付近が透明である樹脂で形成されている。
【0094】
さらに、本実施の形態のコーティング装置54にはライトペン8を上下方向であるZ方向に駆動するZステージ操作部59とステージ6の位置を固定するためのステージ固定装置60とが設けられている。ここでハロゲン光源56とZステージ操作部59はそれぞれ制御装置14に接続されている。
【0095】
次に、本実施の形態の留置チューブ51のチューブ本体52の内面に生体崩壊性樹脂のコーティング部53をコーティングする方法について説明する。このコーティング方法の実施時にはステージ6上に縦向きの状態でチューブ本体52をセットした後に、図20に示すようにステージ6を溶液槽55内に収容された可視光線に反応するコーティング溶液内にチューブ本体52の下端部が浸漬する位置で固定した状態で配置される(第1の工程)。
【0096】
続いて、ライトペン8のライトガイド9から発光されるハロゲン光線が先端フード57の管腔内を通じて先端フード57の先端部に装着されているレンズ58に到達し、レンズ58によってハロゲン光線が放射状方向に反射されて、先端フード57の先端側側面を通過してチューブ本体52の内表面に照射される(第2の工程)。これにより、チューブ本体52の内表面と先端フード57の外表面との隙間に浸入している溶液をハロゲン光線照射による光反応により硬化させる(第3の工程)。
【0097】
このとき、溶液槽55内でライトガイド8を次の通り動かすことで徐々に光造形物を積層させる(第4の工程)。すなわち、この第4の工程では可視光線照射による光反応により溶液が硬化して生体崩壊性コーティングが形成される処理の進展に合わせてZステージ操作部59を駆動することで図20に示すようにハロゲン光線照射により溶液が光硬化してポリマーのコーティング層53aが徐々に付着され、最終的には図21に示すようにチューブ52の内表面全てに生体崩壊性コーティングを施したコーティング部53が形成される。
【0098】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の留置チューブ51の使用時には留置チューブ51が生体管腔内に挿入されて留置された留置期間中に、チューブ本体52の内部管腔の内表面のコーティング部53は加水分解反応で経時的に剥離する。これにより、胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ本体52の内部管腔に付着した場合であっても、コーティング部53の崩壊によってチューブ本体52の内部管腔に付着した物質を引き剥がして押し流すことか出来る。そのため、チューブ本体52の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来る。
【0099】
さらに、留置チューブ51のチューブ本体52には生体非崩壊性の樹脂を用いているのでチューブ本体52の内表面が生体崩壊してもチューブ本体52は残存する。これにより、体内留置した留置チューブ51の管腔通路を長期間維持することができる。
【0100】
そこで、上記構成の本実施の形態の医療用留置チューブ51ではチューブ本体52を生体非崩壊性でかつ柔軟な材料で形成し、チューブ本体52の内部管腔の内表面に生体崩壊性コーティングを施したコーティング部53を設けたので、チューブ本体52の内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる。
【0101】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施の形態(図1乃至図4参照)のコーティング装置4における紫外線不透過性の棒状の芯金7を透明チューブ形状部材によって形成し、このチューブ形状部材内に紫外線照射器具、例えば光ファイバの先端を挿入する構成にしてもよい。この場合には、チューブ本体2の内表面とチューブ形状部材の外表面との隙間にチューブ形状部材を介して紫外線を照射することにより、チューブ本体2の内表面とチューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を紫外線照射による光反応により硬化させることができる。したがって、この場合も第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0102】
また、本発明は紫外線に限定するものではなく、カンファーキノンのような光重合開始剤を含むポリマーから形成された親水潤滑性を有する材料によってコーティングが形成される場合には、チューブ本体2の内表面とチューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液をハロゲン光などの可視光線照射による光反応により硬化させることができる。この場合は、紫外線照射装置のような高価な装置を使用せずにハロゲン光などの安価な装置で第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0103】
さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 長手方向に沿って内部管腔を有する留置チューブにおいて、生体非崩壊性でかつ柔軟なチューブ本体の内表面に生体崩壊性コーティングを施した留置チューブ。
【0104】
(付記項2) 長手方向に沿って内部管腔を有する留置チューブにおいて、生体非崩壊性でかつ柔軟なチューブ本体の開口部近傍に生体崩壊性のコーティングを施した留置チューブ。
【0105】
(付記項3) 前記生体崩壊性のコーティングか光造形にて作られる付記項1または付記項2記載の留置チューブ。
【0106】
(付記項4) 上記生体崩壊性のコーティング材料がカプロラクタン及びトリメチレンカーボネイトの共重合体ポリマーから形成された親水潤滑性を有する付記項1または付記項2記載の留置チューブ。
【0107】
(付記項5) 前記コーティング部はポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート及び光重合開始剤を含むポリマーから形成された親水潤滑性を有する材料によって形成されていることを特徴とする付記項1または付記項2に記載の留置チューブ。
【0108】
(付記項6) 前記生体崩壊性のコーティングがチューブ本体の両端開口部に向かって徐々に膜厚が大きくなるように配置されている付記項1または2記載の留置チューブ。
【0109】
(付記項7) 生体非崩壊性でかつ柔軟なチューブ本体の内表面に光造形にて作られる生体崩壊性コーティングを施した留置チューブにおいて、
チューブ内に光線不透過性のチューブ内径よりも小さい外径を有する棒状のロットを配置する工程と、
上記チューブ及びロットを光線に反応する溶液内に浸漬する工程と、
チューブ内表面と前記ロット外表面との隙間に光線を照射する工程と、
光線照射によりチューブ内表面とロット外表面との隙間に浸水している溶液が光反応により硬化する工程と、
ステント及びロットを溶液槽内を動かすことで徐々に光造形物を積層することからなる生体崩壊性の樹脂をコーティングする方法。
【0110】
(付記項8) 生体非崩壊性でかつ柔軟なチューブ本体の内表面に光造形にて作られる生体崩壊性コーティングを施した留置チューブにおいて、
チューブ内に光線透過性のチューブ内径よりも小さい外径を有するチューブ形状の部材を配置する工程と、
上記チューブ及びロットを光線反応する溶液内に浸漬する工程と、
チューブ部材内に光線照射器具の先端を挿入する工程と、
チューブ内表面とロット外表面との隙間にチューブ部材を介して光線を照射する工程と、
光線照射によりチューブ内表面とロット外表面との隙間に浸水している溶液が光反応により硬化する工程と、
ステント及びロットを溶液槽内を動かすことで徐々に光硬化物を積層することでチューブ内面に生体崩壊性の樹脂をコーティングする方法。
【0111】
(付記項9) 生体非崩壊性でかつ柔軟なチューブ本体の内表面に光造形にて作られる生体崩壊性コーティングを施した留置チューブにおいて、チューブを可視光線に反応する溶液に浸漬する工程と、チューブ部材内に可視光線照射器具の先端を挿入する工程と、チューブ内表面に先端フードを介して可視光線を照射する工程と、可視光線照射によりチューブ内表面と先端フードの外表面との隙間に浸水している溶液が光反応により硬化する工程と、可視光線照射器具を溶液槽内で動かすことで徐々に光硬化物を積層することでチューブ内面に生体崩壊性の樹脂をコーティングする方法。
【0112】
(付記項1〜9の従来技術) 実開昭60−180442号公報のようにポリエチレンなどで形成された胆管ドレナージチューブが提案されている。
【0113】
また、特開2001−33975号公報のように第一の崩壊速度をもつ生体崩壊性の内側コアに第一の崩壊速度よりも遅い第二の崩壊速度を有する外側層が被覆しているステントが提案されている。
【0114】
(付記項1〜9が解決しようとする課題) 特開平10−57496に示されているように経内視鏡的逆行性胆管ドレナージチューブにおいてはチューブ内表面上で細菌と蛋白質・脂質などの各種物質の付着が繰り返されて堆積物が生成され、その堆積層によって留置チューブの内腔が次第に詰まるといわれている。留置チューブの詰まりの機序については「The Role of Bacteria for Occlusion of Endoscopic Retrograde Biliary Drainage (ERBD) Tube」(Takeshi SHIGENO,Gastroenterogical Endoscopy,Vol.32(2),345〜352,1990)などの文献に詳しく述べられている。
【0115】
実開昭60−180442号公報に示された従来の留置チューブでは留置期間中に胆汁や膵液中の細菌及び蛋白質などの物質がチューブ内に付着しやすく、チューブ内腔の細径化及び閉塞により当初の目的である胆汁・膵液の排出が円滑に出来なくなり、結果として疾病が再発するという問題があった。
【0116】
また、特開2001−33975号公報にしめされた従来のステントでは留置期間中に最終的にはチューブ全体が生体内で崩壊するために崩壊が開始するとステント強度自体も弱くなるのでチューブ管腔が維持できなくなることで、胆汁・膵液の排出が円滑にできなくなり、結果として疾病が再発するという問題がある。
【0117】
(付記項1〜9の目的) 本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、その目的は留置チューブのない表面に生体崩壊性のコーティングを施すことによりチューブ内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時にチューブ本体に生体非崩壊性の樹脂を用いることで、チューブ内表面が生体崩壊してもチューブ本体は残存するので体内留置したところの管腔通路が長期間維持できることが可能な留置チューブを提案する。
【0118】
(付記項1〜9の効果) チューブ本体が生体非崩壊性の樹脂でチューブ内面に生体崩壊性のコーティングを施したことにより、細菌や蛋白質などの物質がチューブ内腔に付着し難くなり、結果として従来の留置チューブよりも留置期間が長くすることが可能になった。
【0119】
【発明の効果】
発明によれば、チューブ内腔への詰まりを防ぎ、胆汁や膵液などを円滑に流すことが出来ると同時に、体内留置した場所の管腔通路を長期間維持することができる留置チューブとそのチューブのコーティング方法を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の留置チューブを示す縦断面図。
【図2】 第1の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング装置全体の概略構成図。
【図3】 第1の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程の中間状態を示す概略構成図。
【図4】 第1の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程の終了時の状態を示す概略構成図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態の留置チューブを示す縦断面図。
【図6】 第2の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング装置全体の概略構成図。
【図7】 第2の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程における留置チューブの片方の端部の内外面にコーティングしている状態を示す概略構成図。
【図8】 第2の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、留置チューブの上下を逆にセットした状態を示す概略構成図。
【図9】 第2の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程における留置チューブの他方の端部の内外面にコーティングしている状態を示す概略構成図。
【図10】 本発明の第3の実施の形態の留置チューブを示す縦断面図。
【図11】 第3の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング装置全体の概略構成図。
【図12】 第3の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、第1段階のコーティングが終了した状態を示す概略構成図。
【図13】 第3の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、第2段階のコーティング作業が開始された状態を示す概略構成図。
【図14】 第3の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、最終段階のコーティング作業が終了した状態を示す概略構成図。
【図15】 本発明の第4の実施の形態を示す留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング装置全体の概略構成図。
【図16】 第4の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、第1段階のコーティングが終了した状態を示す概略構成図。
【図17】 第4の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、第2段階のコーティング作業が開始された状態を示す概略構成図。
【図18】 第4の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程中に、最終段階のコーティング作業が終了した状態を示す概略構成図。
【図19】 本発明の第5の実施の形態の留置チューブを示す縦断面図。
【図20】 第5の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング装置全体の概略構成図。
【図21】 第5の実施の形態の留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングする処理工程の終了時の状態を示す概略構成図。
【符号の説明】
2 チューブ本体
3 コーティング部

Claims (5)

  1. 胆管内に挿入されて留置されるチューブ本体を備えた留置チューブにおいて、
    前記チューブ本体のチューブ内径よりも小さい外径を有する光線不透過性のチューブ形状の部材を前記チューブ本体内に配置したのち、溶液槽内に収容された光線に反応する溶液内に前記チューブ本体及びチューブ形状部材を浸漬した状態で、
    前記チューブ形状部材内に光線照射器具の先端を挿入し、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に前記チューブ形状部材を介して光線を照射することにより、前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を光線照射による光反応により硬化させ、
    前記溶液槽内で前記チューブ本体及び前記チューブ形状部材を動かすことで徐々に前記チューブ本体の内表面に積層させた光硬化物によってチューブ内面にコーティングされた生体崩壊性樹脂のコーティング部を設けたことを特徴とする留置チューブ。
  2. 前記コーティング部は、カプロラクタン及びトリメチレンカーボネイトの共重合体ポリマーから形成された親水潤滑性を有する上記生体崩壊性のコーティング材料によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブ。
  3. 前記コーティング部は、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールメタクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート及び光重合開始剤を含むポリマーから形成された親水潤滑性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブ。
  4. 前記コーティング部は、前記チューブ本体の両端開口部に向かうにしたがって徐々に前記生体崩壊性のコーティングの膜厚が大きくなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の留置チューブ。
  5. 生体管腔内に挿入されて留置されるチューブ本体を備えた留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性の樹脂をコーティングするコーティング方法において、
    前記チューブ本体のチューブ内径よりも小さい外径を有する光線不透過性のチューブ形状の部材を前記チューブ本体内に配置する工程と、
    溶液槽内に収容された光線に反応する溶液内に前記チューブ本体及びチューブ形状部材を浸漬する工程と、
    前記チューブ形状部材内に光線照射器具の先端を挿入する工程と、
    前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に前記チューブ形状部材を介して光線を照射する工程と、
    前記チューブ本体の内表面と前記チューブ形状部材の外表面との隙間に浸入している溶液を光線照射による光反応により硬化させる工程と、
    前記溶液槽内で前記チューブ本体及び前記チューブ形状部材を動かすことで徐々に前記チューブ本体の内表面に光硬化物を積層させる工程と
    を具備することを特徴とする留置チューブのチューブ内面に生体崩壊性樹脂をコーティングするコーティング方法。
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