JP4471439B2 - Thermoelectric conversion method and thermoelectric element - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換方法と熱電素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より熱電素子材料としては、多結晶やホットプレス材が利用されることが多い。そしてこれらは、単結晶に比べて等方的な材料になりやすい。従って、輸送係数なども空間的に平均化されることになる。ここで、もし方向によりそれほど輸送係数が異ならなければ、ホットプレス材なども熱電素子材料として使用されるが、方向依存性の強い材料(一般的には、共有結合を有する材料)においては、輸送係数等が空間的に平均化されると熱電素子材料として適さなくなる可能性がある。
【0003】
図1は、Bi88Sb12に関するゼーベック係数(「熱電能」ともいう。)Sの温度依存性を示すグラフであり、磁場がc軸方向に印加された場合の特性を示す。また、図2は図1と同様にBi88Sb12に関するゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフであり、磁場がc軸に対して垂直方向に印加された場合の特性を示す。ここで、図1及び図2に示されるように、磁場を印加しないとき(印加磁場0Tの場合)においても、c軸に対して垂直な方向のゼーベック係数Sは、c軸に対して平行な方向のゼーベック係数の約二倍となっている。従って、Bi88Sb12は輸送係数が平均化されると、そのゼーベック係数は、c軸に垂直な方向の値より小さくなることを意味する。なお、同様な現象はBiTe系についても報告されている。
【0004】
一般に、結晶軸に対する方向依存性は、共有結合している材料の方が強く、従って半導体では炭素やシリコンやゲルマニウムからなる材料において、該方向依存性が特に強い。
【0005】
また一方では、熱電半導体では有効質量が大きいと性能指数Zが大きくなりやすいため、熱電素子材料としては原子数の大きい材料が適当であるといわれているが、通常は格子中において有効質量は電子質量より小さくなっている。なお、上記性能指数Zはゼーベック係数Sと、電気抵抗率ηと、熱伝導率κとによりZ=S2/(η・κ)という式で定義される。参考のため、以下の表1に有効質量の電子質量に対する比を示す。
【0006】
【表1】
なお、上記表1から、ゲルマニウム(Ge)の有効質量は自由電子の質量より大きな値を有し得ることが分かる。
【0007】
図3は、Bi88Sb12に関する性能指数Zの温度依存性を示すグラフであり、磁場がc軸方向に印加された場合の特性を示す。また、図4は図3と同様にBi88Sb12に関する性能指数Zの温度依存性を示すグラフであり、磁場がc軸に対して垂直方向に印加された場合の特性を示す。
【0008】
ここで図3及び図4より、絶対温度100K〜200Kでは、例えば印加磁場が0Tのとき、c軸に対して垂直方向の性能指数Zが、c軸方向の性能指数Zに対して2〜3倍の大きさになっていることがわかる。
【0009】
次に、磁場効果について記す。図3及び図4に示されるように、磁場を印加すると最終的にはどの温度領域においても性能指数Zは減少する。そして、この原因は磁気効果にある。すなわち、図1及び図2により本来、ゼーベック係数Sは磁場を印加することにより全ての温度領域で増加しているにもかかわらず、図3及び図4を参照すると性能指数Zの値は磁場の印加により減少している。従って、磁場は熱電素子としての性能を低下させる因子となる。
【0010】
なお、上記図1から図4に示されたデータを得るために利用した試料の形状は、図5に示される。ここで、x軸は熱流が流れる方向を示し、温度勾配δT/δxを有する。また、z軸方向には磁場Bzが印加され、x軸方向のゼーベック起電力Eとy軸方向のネルンスト・エッティングハウゼン起電力Eyが示される。また、試料23のサイズは、長さ20mm、幅4mmで奥行きが4mmとされる。
【0011】
図6は、Bi85Sb15からなる素子による温度降下の電流依存性を示すグラフである。なお、図6においては磁場が印加されない場合(H=0)と、大きさが約1.1×105A/mの磁場が印加された場合におけるデータが示される。ここで、図6に示されるように、磁場を印加すると上記温度降下ΔTが大きくなる。このことは、磁場の印加により熱電変換効率が高くなることを意味するが、このような結果は先の図3及び図4に示された結果と一見矛盾する。なお具体的には、上記図6より80K〜60Kの範囲で、印加する磁場Hが0のとき性能指数Zは約7.0×10−3(K−1)であり、印加する磁場Hが約1.1×105A/mのとき性能指数Zは約9.0×10−3〜1.0×10−2(K−1)と計算され、磁場の印加により性能指数が増大することがわかる。
【0012】
上記のような矛盾は、図3及び図4に示されたデータを得るために用いられた試料と、図6に示されたデータを得るために用いられた試料の磁気抵抗が大きく異なっていることに由来する。そして、磁気抵抗がこのように大きく異なる原因は二つある。すなわち、微視的にはキャリアの散乱状態が異なることであり、マクロ的には試料及び電極の構造が異なることである。
【0013】
ここで、キャリアの散乱が増大することによって抵抗値が増大することは、多くの教科書に記されており、電気抵抗率ηは印加磁束密度Bの二乗に比例する。図7は、InSbにおける電気抵抗率ηの磁束密度依存性を示すグラフである。この図7は絶対温度298Kにおいて得られたものであり、理論値と実験値とが示される。なお、理論値はボルツマン方程式から求められた値であり、実験値はファンデルポー法による抵抗率測定によって得られたものである。また、用いられた試料の平面形状は4mm×4mm角とされたが、上記のようにファンデルポー法が利用されているので、試料は方向依存性がないことを前提にしている。
【0014】
そして、図7に示されるように、上記実験値と理論値とは定性的な面だけではなく絶対値も含めて良く一致していることが分かる。このことは、試料に磁場を印加することによる抵抗の増大は全て微視的プロセスで決まっていることを意味する。
【0015】
図8は、図面の垂直方向へ印加された磁束密度Bの磁場中に置かれたInSbからなる棒状試料27において、電流線(実線)と、等電位線(破線)との関係を示す図である。なお、図中Wは棒状試料27の幅を、図中Lは棒状試料27の長さを示す。
【0016】
また図9は、InSbからなる試料において純度は同じであるが形状が異なる4つの場合において、相対抵抗値RB/R0の磁束密度依存性を示す。ここで、RBは磁場Bを印加したときの抵抗値を示し、R0は磁場を印加しないときの抵抗値を示す。なお、上記と同様に図中Wは棒状試料27の幅を示す。
【0017】
ここで図9より、磁気抵抗は試料の形状により大きく値が異なり、印加する磁場の大きさが大きいほど相対抵抗値は大きくなることがわかる。また、棒状試料27の幅Wが試料の長さLに対して大きいほど相対抵抗値は大きくなることがわかる。この理由は、図8に示された電極部25に金属を用いると、電極部25は等電位になり磁場の存在によって電流経路が実質的に狭くなるため、幅Wが大きいほど見かけの抵抗値が大きくなるのである。
【0018】
図10は、上記図9に示されたデータが、計算機によるシミュレーションにより再現された結果を示すグラフである。なお図10に示された結果は、電気抵抗率ηを定数として差分法において形状効果を考慮した上で、二次元の計算をすることにより得られたものである。そして、図10より、この計算機によるシミュレーション結果は図9に示されたデータを再現していることがわかる。
【0019】
しかしながら、図10に示された結果によれば、棒状試料の長さLと幅Wの比が10対1である場合には、印加する磁束密度Bが0〜1.0Tではせいぜい10%程度の増大になっているが、微視的な計算及び実験結果によれば30〜40%の増大になる。ここで、微視的なプロセスにより抵抗が増大するのであれば、上記のように電気抵抗率ηを定数とする仮定は誤りで、より大きい電気抵抗率ηを計算に用いる必要があることになるが、形状効果を考慮するとより大きな磁気抵抗の値が得られてしまう。従って、このような結果は矛盾しているように見える。
【0020】
また、上記のような研究がなされる一方において、熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電素子の工業的な開発も従来から行われているが、この熱電素子の更なる工業的利用を図るには現存する熱電素子が有する性能指数をより高める必要がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、効率のよい熱電変換を実現する熱電変換方法と、性能指数が高められた熱電素子とを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、互いに直交する三つの方向において、第一の方向における幅が第二の方向における幅よりも狭いと共に、第二の方向に配設される二つの電極間に挟装された半導体素子を用いた熱電変換方法であって、二つの電極間における第二の方向には温度勾配を生じさせ、かつ第三の方向には磁場を印加し、更に、二つの電極はそれぞれ、互いに第一の方向において対向する部位を備えたことを特徴とする熱電変換方法を提供することにより達成される。このような手段によれば、半導体素子の性能指数を高め、二つの電極間により高い起電力を生じさせることができる。
【0023】
また、二つの電極はそれぞれ、互いに第一の方向において対向する部位を備えたものとすれば、第一の方向に生じる起電力の寄与によるさらに大きな起電力を上記二つの電極間において得ることができる。
【0025】
また、本発明の目的は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、二つの電極と、前記二つの電極間に挟持された半導体素子と、前記二つの電極間の温度勾配に対して、略垂直方向に磁場を印加する磁場印加手段とを備え、前記半導体素子は、互いに直交する三つの方向において、第一の方向における幅が第二の方向における幅よりも狭いと共に、前記第二の方向に配設される部位及び前記第一の方向において対向する部位を備えた二つの電極間に挟持された構成とされ、前記第三の方向に前記磁場印加手段により磁場を印加され、前記二つの電極間における前記第二の方向に温度勾配を生じることを特徴とする熱電素子を提供することにより達成される。このような手段によれば、熱エネルギ−から変換された電気エネルギーを、第一の電極と第二の電極との間に生じる電位差として効率よく得ることができる。
【0026】
また、ここで第二導電型半導体素子は、第一導電型半導体素子に並設され、磁場印加手段は、第一導電型半導体素子と第二導電型半導体素子との間に挿設された磁石からなるものとすることができる。
【0027】
また上記熱電素子は、外気を遮断し、内部が真空状態とされた容器に囲繞されたものとすることができる。このような手段によれば、熱電素子の熱電変換効率を向上させることができる。
【0028】
また上記熱電素子は、第一導電型半導体素子及び第二導電型半導体素子を貫通する磁力線が閉曲線を描くように磁気回路が周設されたものとすることができる。このような手段によれば、無用な漏洩磁場を低減することができる。
【0029】
また、第一導電型半導体素子又は第二導電型半導体素子の少なくとも一方はビスマステルルを含み、あるいは、第一導電型半導体素子又は第二導電型半導体素子のいずれか一方はビスマスアンチモンを含むN型半導体素子であるものとすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は、同一または相当部分を示す。
【0031】
図11は、本発明の実施の形態に係る熱電変換方法を説明する図である。図11に示されるように、本実施の形態に係る熱電変換方法においては、互いに直交する三つの方向x,y,zについて、第一の方向であるx方向における幅Waが少なくとも第二または第三のいずれか一方の方向、すなわち少なくともy方向またはz方向のいずれか一方の方向における幅Wb,Wcよりも狭いと共に、y方向に配設される二つの銅電極7間に挟装された半導体素子10が用いられる。そして、上記二つの銅電極7間におけるy方向には温度勾配gradTを生じさせ、かつz方向には外部磁場Bが印加される。
【0032】
なお、図11においては、例として上の銅電極7が高温側に置かれた場合が示されている。また、図11に示されるように二つの銅電極7は、それぞれ半導体素子10の高温端と低温端(上面と底面)の全面に取り付けられている。さらに、上記半導体素子10としては種類を問わず同様な効果を得ることができるが、例えばビスマスアンチモンからなるものとすることができる。
【0033】
上記図11に示された外部条件下に半導体素子10を置くことにより、半導体素子10の性能指数を向上させ、銅電極7間により高い起電力を得ることができる。従って、従来に比してさらに効率の良い熱電変換を実現することができる。
【0034】
ここで、図11に示された二つの銅電極7は、それぞれ半導体素子10の高温端と低温端(上面と底面)の全面に取り付けられているが、図12に示されるように、該二つの銅電極7は半導体素子10の高温端(上面)と低温端(下面)において、それぞれ互いにx座標が異なる辺上に、すなわちタスキにかけるよう半導体素子10に冠着させることも有効である。
【0035】
このようにして、図12に示されるように、各銅電極7が、互いにx方向で対向するx方向対向部位7aを備えた電極構造を有するものとすれば、温度勾配の方向(y方向)に生じるゼーベック電圧と、温度勾配および磁場の両方向に垂直な方向(x方向)に生じるネルンスト電圧の両電圧のベクトル和に相当する起電力が、図12に示された二つの銅電極7間において得られることになる。従って、このような電極構造によれば、二つの銅電極7間にさらに大きな起電力が得られ、より効率の良い熱電変換を実現することができる。
【0036】
一方、図13に示されるように、二つの銅電極7間に挟装された半導体素子10を用いて、二つの銅電極7間に温度勾配gradTを生じさせ、かつ該温度勾配gradTの方向と同じ方向に外部磁場Bを印加することも、有効な熱電変換方法である。なお、図13においても、例として上の銅電極7が高温側に置かれた場合が示されている。また、図13に示された半導体素子10においても、種類を問わず同様な効果を得ることができるが、上記と同様に例えばビスマスアンチモンからなるものとすることができる。
【0037】
そして、図13に示された熱電変換方法によっても、半導体素子10の性能指数を向上させ、銅電極7間により高い起電力を得ることができ、従来に比してさらに効率の良い熱電変換を実現することができる。
【0038】
以下において、上記の特に図11に示された基本的な実施の形態に基づく熱電素子をより具体的に説明する。
[実施の形態1]
図14は、本発明の実施の形態1に係る熱電素子の構成を示す図である。図14に示されるように、この熱電素子はP型半導体素子1と、N型半導体素子3と、永久磁石5と、銅電極7と、熱絶縁物9と、セラミック板11と、端子15,17とを含む。ここで、銅電極7はセラミック板11の上に形成される。また、P型半導体素子1とN型半導体素子3とは対向するよう配設されると共に、隣接するP型半導体素子1とN型半導体素子3とはいずれか一方の側において共通する銅電極7に接合される。そして、隣接するP型半導体素子1とN型半導体素子3との間には、磁極の向きが揃えられ両端に熱絶縁物9が接合された永久磁石5が挿入される。ここで例えば永久磁石5は、図14に示されるように、隣接するP型半導体素子1とN型半導体素子3との間に一つおきに挿入され、磁極の向きはいずれもP型半導体素子7の方にN極が向くように配設される。
【0039】
なお永久磁石5は、隣接するP型半導体素子1とN型半導体素子3との全ての間に挿入しても良く、磁極の向きが揃えられればN型半導体素子3の方にN極が向くように配設されてもよい。
【0040】
以上のような構成においては、一対の隣接するP型半導体素子1及びN型半導体素子3と、それらを片側で共通接続する一つの銅電極7とにより最小単位の熱電素子が形成され、隣接するP型半導体素子1及びN型半導体素子3が接合される両端の銅電極7が温度勾配のある空間に置かれることにより、該最小単位の熱電素子に起電力が生じる。従って、図14に示された熱電素子は、該最小単位の熱電素子が直列接続されたものであり、銅電極7に接続された両端子15,17の電位差として熱エネルギーから変換された電気エネルギー、すなわち起電力が得られる。
【0041】
なお、上記P型半導体素子1及びN型半導体素子3の大きさは設計にもよるが、例えば数ミリ角程度することができる。また、永久磁石5は熱伝導を下げるためにセラミック系の材料が好ましい。また、上記のセラミック板11は、熱伝導率及び電気絶縁性が高い材料であって、熱電素子の片側だけで銅電極7の取り付け台として使用されても良い。
【0042】
以上のような構成を有する熱電素子は、温度勾配のある図14の上下方向に対し垂直方向、すなわち、図14の左右の方向にP型半導体素子1及びN型半導体素子3に対して磁場を印加させるものであるため、性能指数が向上した熱電素子を得ることができる。
【0043】
一方、熱は図14の上下方向に流れ,より具体的には真空ケース13からセラミック板11、銅電極7、P型半導体素子1又はN型半導体素子3、他方の銅電極7、セラミック板11を順に通り反対側の真空ケース13へ至る熱回路を流れる。
【0044】
ここで、上記熱電素子は大気中にむき出しの状態でも利用できるが、この場合には図14の上下方向における温度差が、大気の対流による高温側から低温側への熱伝導により低減されるため、熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が悪化する。従ってこれを回避するため、図14に示されるように熱電素子の全体をステンレスやアルミ材からなる真空ケース13で覆うことが有効である。そして、上記真空ケース13の内部を排気し真空とすることにより、対流による熱伝達が減少し、熱絶縁性が良くなるため熱電素子の性能指数が向上する。
【0045】
なお、永久磁石5を通して熱が流れることによっても、熱電素子の熱電変換効率が低下するため、図14に示されるように永久磁石5の両端には熱絶縁物9が接合される。
【0046】
また、上記のように熱電素子の全体を真空ケース13で覆うと、大気圧によって、異なった材料が接合されずに接触する部分、例えば真空ケース13とセラミック板11との間などの接圧が向上するため、該接触部の熱抵抗が減少するので熱電素子の性能指数がさらに向上する。
[実施の形態2]
上記実施の形態1に係る熱電素子においては、磁力線が熱電素子の両側、すなわち図14における左右の方向に漏れる。一方、熱電素子を利用するユーザーとしては、そのような漏洩磁場は悪い影響を与えることが想定される場合がある。例えば、この熱電素子を物の冷却のため冷蔵庫に使用したとき、該冷蔵庫内部に強磁性材料を保管したり、該冷蔵庫内部に心臓のペースメーカーを持った人が入る場合である。
【0047】
そのような場合を考慮すれば、熱電素子の片側、より具体的にはユーザーが利用する低温側と反対の高温側に磁気回路を周設して、永久磁石5から出る磁力線を閉じ、ユーザーが利用する側への漏洩磁場を著しく低くする必要がある。
【0048】
図15は、本発明の実施の形態2に係る熱電素子の構成を示す図である。図15に示されるように、本実施の形態2に係る熱電素子は図14に示された熱電素子の高温側にさらに磁気回路20が周設されたものである。そして、このような磁気回路20により、永久磁石5から生じた磁力線は閉曲線を形成し、磁気回路20の中には矢印21の向きに磁力線が通ることとなる。なお、上記磁気回路20は鉄などの透磁率が大きい材料からなる。また、磁気回路20を構成する金属系の物質は熱伝導率が高いので、温度差のある側面に密着させるとそこから熱が漏れるので、熱電素子の性能が低下する。従って、図15に示されるように、磁気回路20と真空ケース13との間にはガラス類などからなる熱絶縁物22が挿設される。なお、上記熱絶縁物22を挿設することなく磁気回路20と真空ケース13との間に隙間を設けても良い。
【0049】
以上のような実施の形態2に係る熱電素子によれば、上記実施の形態1に係る熱電素子と同様な効果を奏すると共に、無用な漏洩磁場を低減して熱電素子の取り扱いにおける安全性の向上を図ることができる。
【0050】
また、本実施の形態2に係る熱電素子によれば、磁気抵抗が減少することによって熱電素子内部の磁場をより強くできるため、性能指数の更なる向上を期待することができる。
[実施の形態3]
図16は、本発明の実施の形態3に係る熱電素子の構成を示した図である。図16に示されるように、本実施の形態に係る熱電素子は図14に示された実施の形態1に係る熱電素子と同様な構成を有するが、図14に示されたN型半導体素子3がビスマスアンチモン(BiSb)系のN型半導体素子3aと、ビスマステルル(BiTe)系のN型半導体素子3bとから構成される点で異なるものである。
【0051】
一般に、低温ではBiSb系材料の性能指数が大きいが、これはN型半導体素子としてのみ用いられる。一方、常温付近ではBiTe系材料(これはN型とP型の両方で用いられる。)の性能指数が大きいものとなっている。そして、これら二つの材料は同じ結晶構造を有しているので、共にC軸に垂直に磁場を印加すると性能指数が向上する可能性がある。
【0052】
また、磁場効果は単結晶に対して強く発現するので、これらBiSb系材料やBiTe系材料については単結晶を利用することが好ましい。もっとも、これらの材料は、強い異方性があるため、一般にはブリッジマン(Bridgemann)法等の多結晶を作る方法により生成された結晶を利用することによっても、性能指数を向上させることができる可能性がある。
【0053】
【発明の効果】
上述の如く、互いに直交する三つの方向において、第一の方向における幅が第二の方向における幅よりも狭いと共に、第二の方向に配設される二つの電極間に挟装された半導体素子を用いた熱電変換方法であって、二つの電極間における第二の方向には温度勾配を生じさせ、かつ第三の方向には磁場を印加し、更に、二つの電極はそれぞれ、互いに第一の方向において対向する部位を備えた構成とすることにより、半導体素子の性能指数を高め、二つの電極間により高い起電力を生じさせることができるため、熱電変換効率を向上させることができる。
【0054】
また、二つの電極はそれぞれ、互いに第一の方向において対向する部位を備えたものとすれば、第一の方向に生じる起電力の寄与によるさらに大きな起電力を上記二つの電極間において得ることができるため、熱電変換効率をさらに高めることができる。
【0056】
また、本発明に係る熱電素子によれば、熱エネルギ−から変換された電気エネルギーを、第一の電極と第二の電極との間に生じる電位差として効率よく得ることができる。
【0057】
またさらに、外気を遮断し内部が真空状態とされた容器に囲繞されたものとすることにより、該熱電素子の熱電変換効率をさらに向上させることができる。
【0058】
またさらに、第一導電型半導体素子及び第二導電型半導体素子を貫通する磁力線が閉曲線を描くように磁気回路を周設することにより、無用な漏洩磁場を低減して取り扱い上の安全性を高めることができる。
【0059】
また、第一導電型半導体素子又は第二導電型半導体素子の少なくとも一方はビスマステルルを含み、あるいは、第一導電型半導体素子又は第二導電型半導体素子のいずれか一方はビスマスアンチモンを含むN型半導体素子であるものとすることにより、該熱電素子の性能指数を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bi88Sb12のc軸方向に磁場が印加されたときにおけるゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフである。
【図2】Bi88Sb12のc軸に対して垂直方向に磁場が印加されたときにおけるゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフである。
【図3】Bi88Sb12のc軸方向に磁場が印加されたときにおける性能指数Zの温度依存性を示すグラフである。
【図4】Bi88Sb12のc軸に対して垂直方向に磁場が印加されたときにおける性能指数Zの温度依存性を示すグラフである。
【図5】図1から図4に示されたデータを得るために利用された試料の形状を示す図である。
【図6】Bi85Sb15からなる素子による温度降下の電流依存性を示すグラフである。
【図7】InSbにおける電気抵抗率ηの磁束密度依存性を示すグラフである。
【図8】図面の垂直方向へ印加された磁束密度Bの磁場中に置かれたInSbからなる棒状試料において、電流線(実線)と、等電位線(破線)との関係を示す図である。
【図9】InSbからなる試料において純度は同じであるが形状が異なる4つの場合において、相対抵抗値RB/R0の磁束密度依存性を示す。
【図10】図9に示されたデータが、計算機によるシミュレーションにより再現された結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施の形態に係る熱電変換方法を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る他の熱電変換方法を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る他の熱電変換方法を説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る熱電素子の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る熱電素子の構成を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る熱電素子の構成を示した図である。
【符号の説明】
1 P型半導体素子
3,3a,3b N型半導体素子
5 永久磁石
7 銅電極
7a x方向対向部位
9,22 熱絶縁物
10 半導体素子
11 セラミック板
13 真空ケース
15,17 端子
20 磁気回路
21 矢印[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermoelectric conversion method and a thermoelectric element that convert thermal energy into electrical energy.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, polycrystals and hot press materials are often used as thermoelectric element materials. These tend to be isotropic materials compared to single crystals. Therefore, the transport coefficient and the like are also spatially averaged. Here, if the transport coefficient does not differ so much depending on the direction, a hot-pressed material or the like is also used as a thermoelectric element material. However, in a material having a strong direction dependency (generally a material having a covalent bond), transport If the coefficients and the like are spatially averaged, they may not be suitable as a thermoelectric element material.
[0003]
Figure 1 shows Bi 88 Sb 12 Is a graph showing the temperature dependence of the Seebeck coefficient (also referred to as “thermoelectric power”) S, and shows the characteristics when a magnetic field is applied in the c-axis direction. In addition, FIG. 2 is similar to FIG. 88 Sb 12 Is a graph showing the temperature dependence of the Seebeck coefficient S, and shows the characteristics when a magnetic field is applied in a direction perpendicular to the c-axis. Here, as shown in FIGS. 1 and 2, even when no magnetic field is applied (when the applied magnetic field is 0T), the Seebeck coefficient S in the direction perpendicular to the c-axis is parallel to the c-axis. It is about twice the direction Seebeck coefficient. Therefore, Bi 88 Sb 12 Means that when the transport coefficient is averaged, the Seebeck coefficient becomes smaller than the value in the direction perpendicular to the c-axis. Similar phenomena have been reported for the BiTe system.
[0004]
In general, the direction dependency with respect to the crystal axis is stronger in a covalently-bonded material. Therefore, in a semiconductor, the direction dependency is particularly strong in a material made of carbon, silicon, or germanium.
[0005]
On the other hand, since the figure of merit Z tends to be large when the effective mass is large in a thermoelectric semiconductor, it is said that a material having a large number of atoms is suitable as a thermoelectric element material. It is smaller than the mass. The above figure of merit Z is Z = S according to Seebeck coefficient S, electrical resistivity η, and thermal conductivity κ. 2 / (Η · κ). For reference, the ratio of effective mass to electron mass is shown in Table 1 below.
[0006]
[Table 1]
From Table 1 above, it can be seen that the effective mass of germanium (Ge) can have a value greater than the mass of free electrons.
[0007]
Figure 3 shows Bi 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of the figure of merit Z regarding, and shows the characteristic when a magnetic field is applied in the c-axis direction. In addition, FIG. 4 is similar to FIG. 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of the figure of merit Z about, and shows the characteristic when a magnetic field is applied in the direction perpendicular to the c axis.
[0008]
3 and 4, at an absolute temperature of 100K to 200K, for example, when the applied magnetic field is 0T, the performance index Z in the direction perpendicular to the c-axis is 2 to 3 with respect to the performance index Z in the c-axis direction. It can be seen that the size is doubled.
[0009]
Next, the magnetic field effect will be described. As shown in FIGS. 3 and 4, when the magnetic field is applied, the figure of merit Z finally decreases in any temperature region. The cause is the magnetic effect. That is, according to FIG. 1 and FIG. 2, the value of the figure of merit Z is the value of the magnetic field with reference to FIG. 3 and FIG. 4, although the Seebeck coefficient S originally increases in all temperature regions by applying the magnetic field. Reduced by application. Therefore, the magnetic field is a factor that degrades the performance as a thermoelectric element.
[0010]
The shape of the sample used for obtaining the data shown in FIGS. 1 to 4 is shown in FIG. Here, the x-axis indicates the direction in which the heat flow flows and has a temperature gradient δT / δx. Further, the magnetic field Bz is applied in the z-axis direction, and the Seebeck electromotive force E in the x-axis direction and the Nernst-Ettinghausen electromotive force Ey in the y-axis direction are shown. The
[0011]
FIG. 6 shows Bi 85 Sb 15 It is a graph which shows the electric current dependence of the temperature drop by the element which consists of. In FIG. 6, when the magnetic field is not applied (H = 0), the size is about 1.1 × 10. 5 Data is shown when an A / m magnetic field is applied. Here, as shown in FIG. 6, the temperature drop ΔT increases when a magnetic field is applied. This means that the thermoelectric conversion efficiency is increased by applying a magnetic field, but such a result is inconsistent with the results shown in FIGS. Specifically, the figure of merit Z is about 7.0 × 10 when the applied magnetic field H is 0 in the range of 80K to 60K from FIG. -3 (K -1 ), And the applied magnetic field H is about 1.1 × 10 5 When A / m, the figure of merit Z is about 9.0 × 10 -3 ~ 1.0 × 10 -2 (K -1 ) And the figure of merit increases with the application of a magnetic field.
[0012]
The contradiction as described above is greatly different in magnetoresistance between the sample used to obtain the data shown in FIGS. 3 and 4 and the sample used to obtain the data shown in FIG. It comes from that. There are two reasons why the magnetoresistance is so different. That is, microscopically, the carrier scattering state is different, and macroscopically, the structure of the sample and the electrode is different.
[0013]
Here, the increase in resistance due to increased carrier scattering is described in many textbooks, and the electrical resistivity η is proportional to the square of the applied magnetic flux density B. FIG. 7 is a graph showing the magnetic flux density dependence of the electrical resistivity η in InSb. FIG. 7 is obtained at an absolute temperature of 298 K, and shows theoretical values and experimental values. The theoretical value is a value obtained from the Boltzmann equation, and the experimental value is obtained by resistivity measurement by the van der Pauw method. The planar shape of the sample used was 4 mm × 4 mm square. However, since the van der Pau method is used as described above, it is assumed that the sample has no direction dependency.
[0014]
As shown in FIG. 7, it can be seen that the experimental value and the theoretical value are in good agreement not only with qualitative aspects but also with absolute values. This means that the increase in resistance caused by applying a magnetic field to the sample is all determined by a microscopic process.
[0015]
FIG. 8 is a diagram showing a relationship between a current line (solid line) and an equipotential line (broken line) in a rod-shaped
[0016]
FIG. 9 shows the relative resistance value R in the case of four samples having the same purity but different shapes in the sample made of InSb. B / R 0 Shows the magnetic flux density dependence. Where R B Indicates the resistance value when the magnetic field B is applied, and R 0 Indicates a resistance value when no magnetic field is applied. As in the above, W in the figure indicates the width of the rod-shaped
[0017]
Here, it can be seen from FIG. 9 that the value of the magnetic resistance varies greatly depending on the shape of the sample, and the relative resistance value increases as the magnitude of the applied magnetic field increases. It can also be seen that the relative resistance value increases as the width W of the rod-shaped
[0018]
FIG. 10 is a graph showing the results of reproducing the data shown in FIG. 9 by computer simulation. The results shown in FIG. 10 are obtained by performing a two-dimensional calculation in consideration of the shape effect in the difference method with the electrical resistivity η as a constant. From FIG. 10, it can be seen that the simulation result by this computer reproduces the data shown in FIG.
[0019]
However, according to the result shown in FIG. 10, when the ratio of the length L to the width W of the rod-shaped sample is 10 to 1, when the applied magnetic flux density B is 0 to 1.0 T, it is about 10% at most. However, according to microscopic calculation and experimental results, the increase is 30 to 40%. Here, if the resistance is increased by a microscopic process, the assumption that the electrical resistivity η is a constant is incorrect as described above, and a larger electrical resistivity η needs to be used in the calculation. However, when the shape effect is taken into consideration, a larger magnetoresistance value can be obtained. Therefore, these results appear to be contradictory.
[0020]
In addition, while researches as described above have been conducted, industrial development of thermoelectric elements that convert thermal energy into electrical energy has also been performed in the past, but for further industrial utilization of these thermoelectric elements. There is a need to increase the figure of merit of existing thermoelectric elements.
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
This invention is made | formed in view of the above-mentioned point, and it aims at providing the thermoelectric conversion method which implement | achieves efficient thermoelectric conversion, and the thermoelectric element with which the figure of merit was improved.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
The above purpose is the width in the first direction in three directions orthogonal to each other. Is the second A thermoelectric conversion method using a semiconductor element that is narrower than a width in a direction and sandwiched between two electrodes arranged in a second direction, wherein the temperature in the second direction between the two electrodes Create a gradient and apply a magnetic field in the third direction Furthermore, each of the two electrodes has a portion facing each other in the first direction. This is achieved by providing a thermoelectric conversion method characterized in that. According to such means, the figure of merit of the semiconductor element can be increased and a higher electromotive force can be generated between the two electrodes.
[0023]
Also, If each of the two electrodes has a portion facing each other in the first direction, a larger electromotive force due to the contribution of the electromotive force generated in the first direction can be obtained between the two electrodes.
[0025]
Another object of the present invention is a thermoelectric device that converts thermal energy into electrical energy, Two electrodes, a semiconductor element sandwiched between the two electrodes, and between the two electrodes Magnetic field applying means for applying a magnetic field in a direction substantially perpendicular to the temperature gradient, The semiconductor element is In three directions orthogonal to each other, the width in the first direction is narrower than the width in the second direction, and a portion disposed in the second direction and a portion facing in the first direction are provided. The thermoelectric device is configured to be sandwiched between two electrodes, and a magnetic field is applied by the magnetic field applying means in the third direction to generate a temperature gradient in the second direction between the two electrodes. This is achieved by providing an element. According to such means, electric energy converted from thermal energy can be efficiently obtained as a potential difference generated between the first electrode and the second electrode.
[0026]
Here, the second conductivity type semiconductor element is arranged in parallel with the first conductivity type semiconductor element, and the magnetic field applying means is a magnet inserted between the first conductivity type semiconductor element and the second conductivity type semiconductor element. It can consist of.
[0027]
The thermoelectric element may be surrounded by a container that blocks outside air and is evacuated. According to such means, the thermoelectric conversion efficiency of the thermoelectric element can be improved.
[0028]
In addition, the thermoelectric element may have a magnetic circuit provided so that the magnetic lines of force penetrating the first conductive semiconductor element and the second conductive semiconductor element draw a closed curve. According to such means, useless leakage magnetic field can be reduced.
[0029]
Further, at least one of the first conductivity type semiconductor element or the second conductivity type semiconductor element contains bismuth tellurium, or one of the first conductivity type semiconductor element or the second conductivity type semiconductor element contains N type that contains bismuth antimony. It can be a semiconductor element.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In addition, the same code | symbol in a figure shows the same or an equivalent part.
[0031]
FIG. 11 is a diagram for explaining a thermoelectric conversion method according to the embodiment of the present invention. As shown in FIG. 11, in the thermoelectric conversion method according to the present embodiment, the width Wa in the x direction, which is the first direction, is at least the second or the third in the three directions x, y, z orthogonal to each other. A semiconductor sandwiched between two
[0032]
In addition, in FIG. 11, the case where the
[0033]
By placing the
[0034]
Here, the two
[0035]
Thus, as shown in FIG. 12, if each
[0036]
On the other hand, as shown in FIG. 13, by using the
[0037]
The thermoelectric conversion method shown in FIG. 13 can also improve the figure of merit of the
[0038]
In the following, the thermoelectric element based on the basic embodiment shown in FIG. 11 will be described more specifically.
[Embodiment 1]
FIG. 14 is a diagram showing the configuration of the thermoelectric element according to
[0039]
The
[0040]
In the configuration as described above, a pair of adjacent P-
[0041]
Note that the sizes of the P-
[0042]
The thermoelectric element having the above configuration applies a magnetic field to the P-
[0043]
On the other hand, the heat flows in the vertical direction of FIG. 14, more specifically, from the
[0044]
Here, the thermoelectric element can be used even in a state exposed in the atmosphere, but in this case, the temperature difference in the vertical direction in FIG. 14 is reduced by heat conduction from the high temperature side to the low temperature side due to atmospheric convection. , Conversion efficiency from heat energy to electrical energy deteriorates. Therefore, in order to avoid this, it is effective to cover the entire thermoelectric element with a
[0045]
In addition, since the thermoelectric conversion efficiency of a thermoelectric element falls also when heat flows through the
[0046]
Further, when the entire thermoelectric element is covered with the
[Embodiment 2]
In the thermoelectric element according to the first embodiment, the lines of magnetic force leak to both sides of the thermoelectric element, that is, the left and right directions in FIG. On the other hand, for users using thermoelectric elements, such a leakage magnetic field may be expected to have a bad influence. For example, when this thermoelectric element is used in a refrigerator for cooling an object, a ferromagnetic material is stored in the refrigerator or a person with a heart pacemaker enters the refrigerator.
[0047]
If such a case is taken into consideration, a magnetic circuit is provided around one side of the thermoelectric element, more specifically, on the high temperature side opposite to the low temperature side used by the user, and the magnetic field lines coming out of the
[0048]
FIG. 15 is a diagram showing a configuration of a thermoelectric element according to
[0049]
According to the thermoelectric element according to the second embodiment as described above, the same effect as the thermoelectric element according to the first embodiment is obtained, and an unnecessary leakage magnetic field is reduced to improve safety in handling the thermoelectric element. Can be achieved.
[0050]
Further, according to the thermoelectric element according to the second embodiment, since the magnetic field inside the thermoelectric element can be further increased by reducing the magnetic resistance, further improvement in the figure of merit can be expected.
[Embodiment 3]
FIG. 16 is a diagram showing a configuration of a thermoelectric element according to
[0051]
In general, the figure of merit of BiSb-based materials is large at low temperatures, but this is used only as an N-type semiconductor element. On the other hand, the figure of merit of BiTe-based material (which is used for both N-type and P-type) is large near room temperature. Since these two materials have the same crystal structure, there is a possibility that the figure of merit improves when a magnetic field is applied perpendicularly to the C axis.
[0052]
Moreover, since the magnetic field effect is strongly expressed with respect to a single crystal, it is preferable to use a single crystal for these BiSb-based materials and BiTe-based materials. However, since these materials have strong anisotropy, generally, the figure of merit can also be improved by using crystals produced by a method of making a polycrystal such as the Bridgemann method. there is a possibility.
[0053]
【The invention's effect】
As described above, the width in the first direction in the three directions orthogonal to each other. Is the second A thermoelectric conversion method using a semiconductor element that is narrower than a width in a direction and sandwiched between two electrodes arranged in a second direction, wherein the temperature in the second direction between the two electrodes Create a gradient and apply a magnetic field in the third direction In addition, each of the two electrodes is configured to have a portion facing each other in the first direction, Since the performance index of the semiconductor element can be increased and a higher electromotive force can be generated between the two electrodes, the thermoelectric conversion efficiency can be improved.
[0054]
Also, If each of the two electrodes has a portion facing each other in the first direction, a larger electromotive force can be obtained between the two electrodes due to the contribution of the electromotive force generated in the first direction. The thermoelectric conversion efficiency can be further increased.
[0056]
Further, according to the thermoelectric element according to the present invention, the electric energy converted from the heat energy can be efficiently obtained as a potential difference generated between the first electrode and the second electrode.
[0057]
Furthermore, the thermoelectric conversion efficiency of the thermoelectric element can be further improved by being surrounded by a container in which the outside air is blocked and the inside is in a vacuum state.
[0058]
Furthermore, by arranging the magnetic circuit so that the magnetic lines of force penetrating the first conductive type semiconductor element and the second conductive type semiconductor element draw a closed curve, the unnecessary leakage magnetic field is reduced and handling safety is increased. be able to.
[0059]
Further, at least one of the first conductive semiconductor element or the second conductive semiconductor element contains bismuth tellurium, or either one of the first conductive semiconductor element or the second conductive semiconductor element contains N type bismuth antimony. By using a semiconductor element, the figure of merit of the thermoelectric element can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 Bi 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of Seebeck coefficient S when a magnetic field is applied to the c-axis direction.
FIG. 2 Bi 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of Seebeck coefficient S when a magnetic field is applied perpendicularly to the c-axis.
FIG. 3 Bi 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of the figure of merit Z when a magnetic field is applied in the c-axis direction.
FIG. 4 Bi 88 Sb 12 It is a graph which shows the temperature dependence of the figure of merit Z when a magnetic field is applied in the direction perpendicular to the c-axis.
FIG. 5 is a diagram showing the shape of a sample used to obtain the data shown in FIGS. 1 to 4;
FIG. 6 Bi 85 Sb 15 It is a graph which shows the electric current dependence of the temperature drop by the element which consists of.
FIG. 7 is a graph showing the magnetic flux density dependence of the electrical resistivity η in InSb.
FIG. 8 is a diagram showing a relationship between a current line (solid line) and an equipotential line (broken line) in a rod-shaped sample made of InSb placed in a magnetic field having a magnetic flux density B applied in the vertical direction of the drawing. .
FIG. 9 shows a sample of InSb having the same purity but different shapes and having a relative resistance value R in four cases. B / R 0 Shows the magnetic flux density dependence.
FIG. 10 is a graph showing a result of reproducing the data shown in FIG. 9 by computer simulation.
FIG. 11 is a diagram for explaining a thermoelectric conversion method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a diagram for explaining another thermoelectric conversion method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a diagram for explaining another thermoelectric conversion method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a diagram showing a configuration of a thermoelectric element according to
FIG. 15 is a diagram showing a configuration of a thermoelectric element according to
FIG. 16 is a diagram showing a configuration of a thermoelectric element according to
[Explanation of symbols]
1 P-type semiconductor element
3, 3a, 3b N-type semiconductor element
5 Permanent magnet
7 Copper electrode
7a x direction opposite part
9,22 Thermal insulation
10 Semiconductor elements
11 Ceramic plate
13 Vacuum case
15, 17 terminals
20 Magnetic circuit
21 arrow
Claims (5)
前記二つの電極はそれぞれ、互いに前記第一の方向において対向する部位を備え、
前記二つの電極間における前記第二の方向には温度勾配を生じさせ、かつ第三の方向には磁場を印加する熱電変換方法。In three directions orthogonal to each other, the width in the first direction is narrower than the width in the second direction, and a semiconductor element sandwiched between two electrodes arranged in the second direction is used. A thermoelectric conversion method,
Each of the two electrodes includes a portion facing each other in the first direction,
A thermoelectric conversion method in which a temperature gradient is generated in the second direction between the two electrodes, and a magnetic field is applied in a third direction.
二つの電極と、
前記二つの電極間に挟持された半導体素子と、
前記二つの電極間の温度勾配に対して、略垂直方向に磁場を印加する磁場印加手段とを備え、
前記半導体素子は、互いに直交する三つの方向において、第一の方向における幅が第二の方向における幅よりも狭いと共に、前記第二の方向に配設される部位及び前記第一の方向において対向する部位を備えた二つの電極間に挟持された構成とされ、
前記第三の方向に前記磁場印加手段により磁場を印加され、前記二つの電極間における前記第二の方向に温度勾配を生じることを特徴とする熱電素子。A thermoelectric element that converts thermal energy into electrical energy,
Two electrodes,
A semiconductor element sandwiched between the two electrodes;
Magnetic field applying means for applying a magnetic field in a substantially vertical direction with respect to the temperature gradient between the two electrodes ,
In the three directions orthogonal to each other , the semiconductor element has a width in the first direction narrower than a width in the second direction, and is opposed to a portion disposed in the second direction and the first direction. It is configured to be sandwiched between two electrodes having a portion to be
A thermoelectric element, wherein a magnetic field is applied in the third direction by the magnetic field applying means, and a temperature gradient is generated in the second direction between the two electrodes.
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