JP4470729B2 - カラー画像処理装置およびプログラム - Google Patents
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Description
また、測色幾何条件Aに対応した色補正パラメータを予めプロファイルに格納しておき、測色幾何条件Bで測色された画像データを入力し、入力された測色幾何条件Bで測色された画像データを測色幾何条件Aに依存する画像データに変換し、変換された測色幾何条件Aに依存する画像データに対して、プロファイルに格納された測色幾何条件Aに対応した色補正パラメータに基づき色補正する画像処理方法に関する発明が存在する(例えば、特許文献2参照)。
そのため、スキャナ等が画像の表面性に応じた色信号変換処理が施された出力画像を原稿として読み込み、この読み取られた画像信号に基づいて画像の再現を行なう場合において、画像形成装置やディスプレイのような表示装置等では、画像の表面性に応じた色信号変換処理が再度実施されたり、またはこのような処理とは異なる様々の色信号変換処理が施されることから、出力画像の元となった本来の原稿とは近似しない色の画像が形成されるという不都合があった。
さらには、カラープルーフのように原稿見本だけが存在する場合にも、その見本を再現する際に、本来の原稿とは異なった色の画像が再現されるという問題もある。
また、色補償手段は、入力手段によって入力された色信号が変更される際に使用された特徴量に基づいて、測光量または測色値を表現している色空間の色信号に変換することを特徴とすることができる。
ここで、色補償工程にて変換された測光量または測色値を表現している色空間の色信号をデバイス色空間の色信号に変換する変換工程をさらに有することを特徴とすることができる。さらに、色補償工程は、画像の表面構造を規定する特徴量に関して形成された対応表であって、人の観察による主観的に知覚均等な色空間の色信号と、測光量または測色値を表現している色空間の色信号との間の対応関係を表す対応表により、測光量または測色値を表現している色空間の色信号に変換することを特徴とすることができる。
図1は、本実施の形態が適用されるカラー画像処理装置の構成を説明するブロック図である。図1に示すカラー画像処理装置1は、例えばスキャナ等の画像読取装置から出力された画像信号(RGB信号)を入力する入力手段としてのRGB信号入力部11、RGB信号入力部11によって入力されたデバイス色空間のRGB信号をデバイス非依存色空間であるCIELAB色空間の色信号に変換するRGB信号変換部12、RGB信号変換部12によって変換されたCIELAB色空間の色信号を、測色光学系によって計測された測色値を表現しているCIELAB色空間の色信号に変換する色補償手段の一例としてのLAB→LAB変換部13、例えば光沢や色材のカバレッジ等のように画像の表面構造を表す特徴量が設定されており、操作者による選択等によって特徴量をLAB→LAB変換部13に対して指定する特徴量指定部14、特徴量指定部14に設定されている特徴量毎に、人の視覚で認識される色彩に近い知覚均等なCIELAB色空間と測色光学系によって計測された測色値を表現しているCIELAB色空間との対応関係を示した対応表が格納された対応表格納部15、LAB→LAB変換部13によって変換されたCIELAB色空間の色信号をRGB信号に変換するLAB信号変換部16、LAB信号変換部16によって変換されたRGB信号を出力するLAB信号出力部17を備えている。
その際に実行される色信号変換処理は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)によって実行される。すなわち、上記したRGB信号入力部11、RGB信号変換部12、LAB→LAB変換部13、LAB信号変換部16、およびLAB信号出力部17はCPU内に構成され、CPUによって各部における処理工程が実行される。また、CPUで実行される色信号変換処理は、各種PCや画像形成装置等の各種コンピュータに実行されるプログラムとして提供される場合がある。このプログラムは、コンピュータが有するRAMやROM、ハードディスクドライブ(HDD)などの各種メモリに格納されている。このプログラムは、コンピュータに対して、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの各種リムーバブルメモリに格納された状態で提供される場合の他、インターネット等のネットワークを介してダウンロードされる場合がある。
[入力工程]
まず、RGB信号入力部11では、スキャナ等の画像読取装置によって読み取られ、画像読取装置から出力された画像信号(RGB信号)を受け取り、これを入力する(S101)。
[CIELAB色空間への変換工程]
そして、RGB信号変換部12は、RGB信号入力部11からデバイス色空間のRGB信号を取得し、デバイス非依存色空間であるCIELAB色空間の色信号に変換する(S102)。このRGB信号変換部12において実行されるRGB信号からCIELAB色空間の色信号への変換は、ニューラルネットワークによるモデルを使用する方法や回帰モデルを使用する方法、マトリックス変換による方法等の既存の手法を利用して変換することができる。
また、デバイス色空間についても、任意のものが使用できるが、多く利用されている色空間はRGB色空間である。RGB色空間は、ディスプレイ表示に対応した色空間であるが、マルチ分光システムのように3種類以上の複数の色フィルタを利用することもあり、特に限定されるものではない。
次に、LAB→LAB変換部13において、読み取られた画像信号(RGB信号)から変換されたCIELAB色空間の色信号を、測色光学系によって計測された測色値を表現しているCIELAB色空間(測色値CIELAB色空間)の色信号に変換する(S103)。その際のLAB→LAB変換部13における色信号変換処理は次のように実行される。
まず、LAB→LAB変換部13は、特徴量指定部14から操作者が指定した特徴量を取得する。さらに、取得した特徴量に関する対応表を対応表格納部15から読み込む。そして、かかる特徴量に関する対応表に基づいて、読み取られたRGB信号から変換されたCIELAB色空間の色信号が測色光学系によって計測された測色値を表現しているCIELAB色空間(測色値CIELAB色空間)の色信号に変換される色信号変換処理が行われる。
また、特徴量指定部14における特徴量を指定する手段としては、UI(User Interface)から操作者が所望の特徴量を指示する形態や、デフォルトとして例えば光沢度を予め設定しておき、指示がない場合には特徴量として光沢度を指定し、他の特徴量が指示された場合にのみ、指示された特徴量を指定する形態、さらには、用紙や原稿種のような媒体の属性に対応させた特徴量が設定されたテーブルを備え、用紙や原稿種を指定することで自動的に特徴量が指定される形態とすることもできる。なお、対応表格納部15に格納された対応表が1の特定量に関するもののみである場合には、特徴量指定部14を設ける必要はない。
図3は、対応表を作成する手順を示したフローチャートの一例である。図3に示したように、まず特定の特徴量(ここでは光沢度とする。)について、光沢度が異なる多数の色票からなる色票群を作成する(S201)。
次に、ステップS201で作成した色票群に含まれる各色票について、CIELAB空間での色値(L*,a*,b*)を求める(S202)。
図4は、色票に関するCIELAB空間での色値(L*,a*,b*)を求める際に使用する測定装置の一例を示した図である。図4(a)で示した測定装置は、0−45光学系(45−0光学系でもよい)を用いた刺激値直読方式の測定装置である。図4(a)の測定装置では、光源31は試料(色票)33の表面の法線n方向に配置され、光源31からの光をコリメータレンズ32によって平行光に変換して、試料33表面に照射する。そして、試料33の法線n方向から45°方向には分光感度補償用フィルタ34と受光センサ35とが配設され、試料33で反射された光は分光感度補償用フィルタ34を通過して受光センサ35によって受光される。そして、受光センサ35からの出力によって三刺激値X、Y、Zを検出する。
ここで、図4(b)は、分光感度補償用フィルタ34の構成を示したものである。分光感度補償用フィルタ34には、回転軸34aを中心として、分光分布の異なる3枚のガラスフィルタ34x、34y、34zが配置されている。そして、三刺激値X、Y、Zの検出ごとに分光感度補償用フィルタ34を回転させて、ガラスフィルタ34x、34y、34zがそれぞれ設定されるように構成されている。
L*=116(Y/Yn)1/3−16 ……(1)
a*=500[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3] ……(2)
b*=200[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3] ……(3)
ここで、Xn、Yn、Znは、標準の光の三刺激値である。
かかる色値(L*,a*,b*)は、測色光学系によって計測された測色値を表現している計測値CIELAB空間での色値(L* 1,a* 1,b* 1)である。
図5は、色票に関する光沢度を求める際に使用する測定装置の一例を示した図である。図5で示した測定装置では、光源41は試料(色票)33の表面の法線n方向に対して−45°傾けた位置に配置され、光源41からの光をコリメータレンズ42によって平行光に変換して、試料33表面に照射する。そして、試料33の法線n方向から45°方向には受光センサ45が配設され、試料33で反射された光は受光センサ45によって受光される。そして、受光センサ45からの出力によって光沢度Gを検出する。なお、この受光センサ45では、光源41から照射された光の試料33からの正反射光を受光するように構成されている。
計測値CIELAB空間での色値(L* 1,a* 1,b* 1)に対応した知覚均等CIELAB色空間での色値(L* 2,a* 2,b* 2)を求めるに際しては、知覚均等の色値(刺激値)を規定する対応表を用いる。この対応表としては、3入力3出力での3次の重回帰を利用して求めたものを用いることができる。他の方法としては、ニューラルネットワークを用いた学習や局所的に重みをつけた重回帰などの既存の手法を利用して求めることもできる。
続いて、ステップS201で作成した色票群に含まれる色票のすべてに関して、ステップS202で求めた計測値CIELAB空間での色値(L* 1,a* 1,b* 1)と、ステップS204で求めた知覚均等CIELAB色空間での色値(L* 2,a* 2,b* 2)との対応付けを行って対応表を作成する(S205)。
対応表は、画像の表面構造を規定する特徴量であれば如何なる要素に関しても作成することができ、例えば、光沢度、色材のカバレッジ、拡散光によって計測されたCIEXYZ値等の特徴量、転写材の表面粗さ等について、それぞれ対応表を作成する。
そして、ステップS205において作成された対応表は、対応表格納部15に格納される。
なお、対応表の作成方法は、上記した方法に限られず、計測値CIELAB空間での色値(L* 1,a* 1,b* 1)と知覚均等CIELAB色空間での色値(L* 2,a* 2,b* 2)との対応付けが可能である方法であれば、如何なる方法を用いることができる。
LAB→LAB変換部13において、スキャナ等の画像読取装置から出力された画像信号(RGB信号)が測色値CIELAB色空間での色信号に変換される色信号変換処理が施された後、LAB信号変換部16は、測色値CIELAB色空間での色信号をデバイス色空間であるRGB信号に変換する(S104)。
このLAB信号変換部16において実行される測色値CIELAB色空間での色信号からデバイス色空間であるRGB信号への変換は、ニューラルネットワークによるモデルを使用する方法や回帰モデルを使用する方法、マトリックス変換による方法等の既存の手法を利用して変換することができる。
[出力工程]
そして、変換されたRGB信号は、RGB信号出力部17から、例えば複写機の画像形成部やプリンタ等の画像形成装置、または、ディスプレイ等の表示装置等に出力される(S105)。
なお、RGB信号出力部17は、LAB信号変換部16によってRGB信号に変換されていない測色値CIELAB色空間での色信号(L*,a*,b*)をそのまま出力するように構成することも可能である。
このような構成により、スキャナ等により読み込まれる対象となる画像が、画像の表面構造を表す特徴量に応じた色信号変換処理機能を有する画像形成装置により、かかる色信号変換処理が施されて出力された画像である場合においても、スキャナ等からの画像信号を受け取る画像形成装置や表示装置等は、測色光学系によって計測された測色値を表現しているデバイス非依存色空間の色信号、またはかかるデバイス非依存色空間に対応したデバイス色空間として画像信号を受け取ることができる。そのため、画像形成装置や表示装置等が受け取った画像信号には、画像の表面構造を表す特徴量のファクターが殆ど除去されていることから、画像形成装置や表示装置等で再現される画像は、画像の表面構造により生じる光沢差に基づく色の見え方の違いが補償され、本来の原稿画像が有する色彩に近づけたオリジナルに忠実な画像として再現することが可能となる。
さらに加えて、画像形成装置により色信号変換処理を受けた際の処理対象となった特徴量とは異なる特徴量を指定することも可能であり、その場合においては、本来の原稿画像が有する色彩をアレンジし、使用者の嗜好に合わせた色調の画像を形成することも可能となる。
Claims (6)
- 画像の表面構造を規定する特徴量に基づき変更された色信号を入力する入力手段と、
前記画像の表面構造を規定する特徴量を指定する特徴量指定手段と、
画像の表面構造を規定する複数の特徴量に関して形成された、人の観察による主観的に知覚均等な色空間の色信号と測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している色空間の色信号との間の対応関係を表す対応表から、前記特徴量指定手段により指定された当該特徴量に関して形成された当該対応表を選択し、選択した当該対応表に基づいて、前記入力手段によって入力された色信号を、測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している当該色空間の色信号に変換する色補償手段と
を備えたことを特徴とするカラー画像処理装置。 - 前記色補償手段にて変換された前記測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している前記色空間の色信号をデバイス色空間の色信号に変換する変換手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理装置。
- 画像の表面構造を規定する所定の特徴量に基づき変更された色信号を入力する入力手段と、
前記画像の表面構造を規定する所定の特徴量に関して形成された、人の観察による主観的に知覚均等な色空間の色信号と測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している色空間の色信号との間の対応関係を表す対応表に基づいて、前記入力手段によって入力された色信号を、測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している当該色空間の色信号に変換する色補償手段と
を備えたことを特徴とするカラー画像処理装置。 - 前記色補償手段にて変換された前記測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している前記色空間の色信号をデバイス色空間の色信号に変換する変換手段をさらに有することを特徴とする請求項3記載のカラー画像処理装置。
- コンピュータに、
画像の表面構造を規定する特徴量に基づき変更された色信号を取得する機能と、
前記画像の表面構造を規定する特徴量の指定を認識する機能と、
画像の表面構造を規定する複数の特徴量に関して形成された、人の観察による主観的に知覚均等な色空間の色信号と測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している色空間の色信号との間の対応関係を表す対応表から、指定された当該特徴量に関して形成された当該対応表を選択し、選択した当該対応表に基づいて、取得した前記色信号を、当該測色光学系によって計測された当該測光量または測色値を表現している当該色空間の色信号に変換する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。 - コンピュータに、
画像の表面構造を規定する所定の特徴量に基づき変更された色信号を取得する機能と、
前記画像の表面構造を規定する所定の特徴量に関して形成された、人の観察による主観的に知覚均等な色空間の色信号と測色光学系によって計測された測光量または測色値を表現している色空間の色信号との間の対応関係を表す対応表に基づいて、取得した前記色信号を、当該測色光学系によって計測された当該測光量または測色値を表現している当該色空間の色信号に変換する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
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