JP4469953B2 - シュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒 - Google Patents

シュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒 Download PDF

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Description

本発明は、シュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒に関する。
シュウ酸またはその塩類の定量は臨床化学の分野において重要である。例えば、血中または尿中のシュウ酸の定量は尿路結石の診断あるいは先天性代謝異常の判定等に利用可能であり、糞便中のシュウ酸の定量は消化器系の異常機能を診断するための分析法として利用可能である。また、シュウ酸は有毒であるために食品衛生法においては、食品中の許容量が定められている。このため、規定量を超えたシュウ酸を含有する有害食品の検出のためにシュウ酸の簡易な定量法の確立が望まれている。またシュウ酸は水に対する溶解度が低いので、ビールなどにおいて原料由来のシュウ酸が析出沈殿してビールの商品価値を低下させることがあり、その防止策を立てるためにもシュウ酸の定量の重要性が認められてきている。
このような背景から様々なシュウ酸の定量法が開発されている。例えば、シュウ酸又はその塩類に第2鉄イオン溶液を反応させ、得られた溶液について特定波長の光の吸光度を測定する方法(特許文献1参照)、金属銀の表面に特定の方法でシュウ酸銀皮膜を析出させて得られたシュウ酸イオン選択性電極をシュウ酸イオンセンサとして用いる方法(特許文献2参照)等が報告されている。しかしながら、これらの方法は、測定法或いは電極の調製法が煩雑であり、簡便な電気化学センサの開発が求められている。
一方、シュウ酸などの排水中の難分解性有機物の電気化学的分解法としては、該有機化合物を含有する水溶液に、塩化物、硫酸マンガン等の電解質塩を添加して電気分解する方法が報告されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、新たに電解質を加えるために廃水処理法としては望ましくなく、活用する電力も依然大きいという問題点がある。このため、この分野においても、電気化学的に分解しにくいシュウ酸を電極酸化できる触媒の開発が求められている。
特開昭54-155093号公報 特公平3-267395号公報 特公平5-261374号公報
本発明は、上記した様な従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、シュウ酸センサ、排水有機物電解処理装置等における使用に適した、シュウ酸、その塩類などのシュウ酸類の電気化学的酸化反応に有効な新規な触媒を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、8族の遷移金属又は9族の遷移金属を中心金属とするポルフィリン錯体がシュウ酸又はその塩類の電気化学的酸化反応用の触媒として優れた活性を有するという従来知られていな特性を見出した。更に、このポルフィリン錯体を導電性担体、特に、カーボンブラック上に担持させる場合には、シュウ酸類を低い過電圧で高効率に酸化することができ、しかも非常に微細な状態で担体上に分散担持させることができるために、触媒の使用量を大幅に減少させた場合にも十分な触媒活性を有するものとなることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
即ち、本発明は、下記のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒及びその用途を提供するものである。
1.下記化学式:
Figure 0004469953
(式中、R〜R12は、同一又は異なって、それぞれ、アルキル基、置換基を有することのあるフェニル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Mは、8族の遷移金属又は9族の遷移金属を示す。)で表される金属ポルフィリンを有効成分とするシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒。
2. 上記金属ポルフィリンが導電性担体に担持されたものである上記項1に記載のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒。
3.導電性担体がカーボンブラックである上記項2に記載の触媒。
4.金属ポルフィリンが、ロジウムオクタアルキルポルフィリンである上記項1〜3のいずれかに記載の触媒。
5.導体上に、上記項1〜4のいずれかに記載の触媒を固定してなる検出部を含むシュウ酸類の検出用センサ。
6.電解槽、作用極、対極および電源装置を含む電解処理装置であって、上記項1〜4のいずれかに記載の触媒を作用極におけるシュウ酸類の酸化用触媒として含むことを特徴とする、水溶液中のシュウ酸類の電解処理装置。
本発明のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒は、下記化学式
Figure 0004469953
(式中、R〜R12は、同一又は異なって、それぞれ、アルキル基、置換基を有することのあるフェニル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Mは、8族の遷移金属又は9族の遷移金属を示す。)で表されるポルフィリン錯体を有効成分とするものである。
上記化学式において、Mで表される中心金属は、8族の遷移金属又は9族の遷移金属であり、具体例としては、Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir等を挙げることができる。これらの内で、特に、シュウ酸の電気化学的酸化反応に対して高い活性を有する点でロジ
ウムが好ましい。
〜R12は、同一又は異なって、それぞれ、アルキル基、置換基を有することのあるフェニル基、水素原子又はハロゲン原子を示す。これらの内で、アルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチルなどの炭素数1〜5程度の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素などが好ましい。置換基を有することのあるフェニル基としては、フェニル基;パラ-メトキシフェニル基、
パラ-メチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等の
置換基として低級アルコシキ基、低級アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基等が好ましい。
上記化学式で表されるポルフィリン錯体の代表例として、R1, R4, R7及びR10が置換基
を有することのあるフェニル基であって、R2, R3, R5, R6, R8, R9, R11及びR12が水素原子であるテトラフェニルポルフィリン錯体; R1, R4, R7及びR10が水素原子であって、R2, R3, R5, R6, R8, R9, R11及びR12が低級アルキル基であるオクタアルキルポルフィリン錯体等を挙げることができる。
これらの内で、テトラフェニルポルフィリン錯体の好ましい具体例としては、ロジウムテトラフェニルポルフィリン錯体を挙げることができ、オクタアルキルポルフィリン錯体の好ましい具体例としては、ロジウムオクタアルキルポルフィリンを挙げることができる。
上記化学式で表される金属ポルフィリンは、シュウ酸;シュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カルシウムの水溶性シュウ酸塩等のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用の触媒として、優れた活性を有するものである。
シュウ酸の電気化学的酸化反応は、下記反応式:
COOH-COOH → 2 H+ + 2 CO2+ 2 e-
で表されるものであり、上記した金属ポルフィリンの存在下にシュウ酸類を電気化学的に酸化することによって、低い過電圧で効率よくシュウ酸類を酸化することが可能となる。
特に、上記した金属ポルフィリンを導電性担体に担持させることにより、二量化反応や不均化反応等の分子間反応を抑制して、金属ポルフィリンを安定化させることができ、シュウ酸類の電気化学的酸化反応に対して高い触媒活性を有するものとすることができる。これは、該金属ポルフィリンが、導電性担体との相互作用によって該担体に強固に吸着担持されることによるものと思われる。
導電性担体としては、特に限定はなく、例えば、従来から固体高分子形燃料電池用の触媒担体として用いられている各種の担体を用いることができる。この様な担体の具体例としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛等の炭素質材料を挙げることができる。これらの内で、カーボンブラックは、導電性に優れ、比表面積も大きいために、導電性担体として特に好ましい物質である。
導電性担体の形状などについては特に限定はないが、例えば、平均粒径が0.1〜100μm程度、好ましくは1〜10μm程度のものを用いることができる。また、カーボンブラックを用いる場合には、例えば、BET法による比表面積が100〜800m/g程度の範囲内にあるものが好ましく、200〜300 m/g程度の範囲内にあるもの
がより好ましい。この様なカーボンブラックの具体例としては、Vulcan XC-72R(Cabot社製)の商標名で市販されているものを用いることができる。
導電性担体に担持させる方法としては、例えば、溶解乾燥法、気相法などの公知の方法を適用できる。
例えば、溶解乾燥法では、該金属ポルフィリンを有機溶媒に溶解させ、この溶液に導電性担体を加えて、例えば、数時間撹拌して、該担体に金属ポルフィリンを吸着させた後、有機溶媒を乾燥させればよい。また、有機溶媒中に金属ポルフィリンが多量に含まれる場合には、平衡に達するまで金属ポルフィリンを導電性担体に吸着させた後、濾過することによって、導電性担体に吸着していない金属ポルフィリンを除去して、該担体と相互作用している金属ポルフィリンのみを該担体の表面に残すことができる。
この方法では、有機溶媒としては、金属ポルフィリンを溶解できるものであれば、特に限定なく使用できる。例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系炭化水素を好適に用いることができる。
濾過によって得られた分散物を、さらに有機溶媒を用いて洗浄液が透明になるまで洗浄すれば、導電性担体との相互作用の弱い金属ポルフィリンを洗い流すことができ、導電性担体に強固に吸着している金属ポルフィリンのみを含む高活性な触媒を得ることができる。
気相法で担持させる場合には、例えば、プラズマ蒸着法、CVD法、加熱蒸着法などを公知の方法を採用できる。
導電性担体上に担持させる金属ポルフィリンの量については、特に限定はないが、例えばロジウムオクタエチルポルフィリンの場合には、導電性担体1gに対して、ロジウムオクタエチルポルフィリンを20μmol〜80μmol程度担持させればよく、20μmol〜30μmol程度担持させることが好ましい。
上記した金属ポルフィリンを有効成分とする本発明のシュウ酸類の電気化学的酸化用触媒は、該触媒にシュウ酸類が接触した状態において、所定の電位とすることによって、シュウ酸類を選択性よく電気化学的に酸化させることができる。この場合の具体的な電位については、使用する金属ポルフィリンの種類や溶液の状態によって異なるので一概に規定できないが、例えば、0.1M H2SO4水溶液中で25℃で測定した電位(AgCl/KCl(飽和)電極基準)として、1.0V程度迄の正電位とすればよい。特に、金属ポルフィリンとして、ロジウムポルフィリンを用いる場合には、保持電位を0.35 V〜0.5 V程度とすることが好まし
く、0.4 V〜0.5V程度とすることがより好ましい。また、コバルトポルフィリンの場合に
は、0.75 V〜1.0 V程度とすることが好ましく、0.75 V〜0.8 V程度とすることがより好ましい。鉄ポルフィリンの場合には、0.9 V〜1.0 V程度とすることが好ましく、0.9 V〜0.95 V程度とすることがより好ましい。
また、本発明のシュウ酸類の電気化学的酸化用触媒は、特に、該触媒にシュウ酸類が接触した状態において、電位を走査することによって、シュウ酸類の電気化学的酸化反応に対して非常に高い活性を示すものとなり、更に、周期的に触媒から吸着物が除去されることにより、安定したシュウ酸類の定量が可能となる。
電位走査の条件については、特に限定的ではないが、通常、0.1M H2SO4水溶液中で25℃で測定した電位(Ag/AgCl/KCl(飽和)電極基準)として、開始電位を-0.3V程度、終了電位を1.0V程度としてこの範囲を走査すれば十分である。電位掃引速度については、特に限定的ではないが、通常、1 mV / s〜100 mV/s程度とすることが好ましく、10 mV / s〜20 mV / s程度とすることがより好ましい。電位掃引の方向としては、まず負側から正側に掃
引し、それから負側に返す方法が望ましい。
特に、金属ポルフィリンとして、ロジウムポルフィリンを用いる場合には、開始電位については、好ましくは-0.3 V〜0.1 V程度、より好ましくは-0.3 V〜-0.1 V程度とし、終
点電位については、好ましくは0.3 V〜1.0 V程度、より好ましくは0.3 V〜0.6 V程度とすればよい。また、コバルトポルフィリンを用いる場合には、開始電位については、好ましくは-0.3 V〜0.1 V程度、より好ましくは-0.3 V〜-0.1 V程度とし、終点電位については
、好ましくは0.75 V〜1.0 V程度、より好ましくは、0.75 V〜0.8 V程度とすればよい。また、鉄ポルフィリンを用いる場合には、開始電位については、好ましくは-0.3 V〜0.1 V
程度、より好ましくは-0.3 V〜-0.1 V程度とし、終点電位については、好ましくは0.9 V
〜1.0 V程度、より好ましくは0.9 V〜0.95 V程度とすればよい。
この様な電位走査を行う場合に本発明触媒がシュウ酸類の電気化学的酸化反応に対して高い活性を示す理由については、必ずしも明確ではないが、例えば、ロジウムポルフィリンを用いる場合には、下記反応行程に従って、走査電位に応じて、二価のロジウム化合物とシュウ酸との結合、シュウ酸に結合したロジウムの三価ロジウムへの変化、二酸化炭素の発生などの反応が順次生じ、この反応行程が繰り返されることによってシュウ酸類の酸化反応が進行するものと考えられる。
Figure 0004469953
本発明のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒は、上記した電位走査を行うか、或いは所定範囲の電位に保持することによって、シュウ酸類の電解化学的酸化反応を進行させることができ、この様な性質を利用して各種の用途に用いることができる。
例えば、導電体上に本発明の触媒を固定したものを電気化学的にシュウ酸類の濃度を測定するためのシュウ酸センサとして用いることができる。
具体的なセンサの構造については特に限定はなく、公知の電気化学的センサの構造をそのまま用いることが出来る。例えば、各種金属、炭素などの導電体上に導電性を有するバインダを用いて本発明の触媒を固定することによって、シュウ酸類の検出部を形成することができる。
測定対象についても特に限定はなく、例えば、食品中・血液中・尿中・糞便中等の各種の媒体中に含まれるシュウ酸類を定量することができる。具体的な測定方法として、センサに印加する電位を上記した条件に従って走査するか、或いは、所定の電位に保持することにより、シュウ酸類の存在量に応じて酸化電流が上昇するので、この測定結果に基づいてシュウ酸類の濃度を定量すればよい。
また、本発明の触媒は、排水などの水溶液中に含まれるシュウ酸類を電気化学的酸化反応によって分解するための電解処理装置における酸化用触媒として使用することができる
。この電解処理装置は、酸化用触媒として、本発明の触媒を用いること以外は、通常の各種の電解装置と同様の構造とすることができる。例えば、電解槽、作用極、対極、電源装置などを含む電解装置とすればよい。
この様な構造の電解装置において、本発明の触媒は、作用極におけるシュウ酸類の酸化用触媒として用いればよい。作用極では、炭素電極等の導電体を基材として用い、導電性を有するバインダにより本発明の触媒を該基材に固定すればよい。対極については特に限定はなく、通常の電解装置で用いられる各種電極を使用できる。例えば、炭素電極などを用いることができる。電源装置としては、例えば、所定の電位走査が可能な定電圧電源(ポテンシオスタット)などを用いることができる。更に、作用極を所定の電位に設定するために、通常、電解質溶液中に参照電極を設置する。参照電極としても、通常の電解装置において用いられている各種の電極を用いることができる。例えば、銀/塩化銀電極などを用いることができる。
この様な構成の電解装置を用いて、上記した条件に従って電位走査を行うか、或いは、所定の電位に保持することによって、難分解性有機物であるシュウ酸類を効率よく分解することができる。
本発明のシュウ酸類の電気化学的酸化反応用触媒によれば、シュウ酸を低い過電圧で効率よく酸化させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
ロジウムオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒の作製
ロジウムオクタエチルポルフィリンをジクロロメタンに0.7 mMの濃度で溶解させた後、このポルフィリン溶液50 mLに、カーボンブラック(比表面積250 m/g、商標名:Vulcan XC 72R、Cabot社製)を100 mg加えた。ジクロロメタンの揮発を防ぐために、容器を
密閉した後、超音波洗浄器に1分掛けることにより分散性をよくした。
このカーボンブラックを懸濁させたポルフィリン溶液を、マグネティックスターラーで3時間攪拌したのち、東洋濾紙 (株)のNo.5C定量濾紙を用いて吸引濾過することにより溶媒を取り除いた。濾紙上のカーボンブラックを回収してロジウムオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価
上記した方法で得たロジウムオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒を乳鉢で破砕し、5 mgを0.5 mLの混合溶媒(水:エタノール = 1 : 1)に懸濁させたのち、5 μLの5 %
Nafion溶液(Aldrich製)を加えた。この懸濁液を5分間超音波洗浄器に掛けることで、よく分散させた後、グラッシーカーボン電極の上に2 μLのせて乾燥させた。
触媒のシュウ酸酸化活性評価はエー・エル・エス製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボン電極を作用電極とし、白金電極を対極、Ag/AgCl/KCl(sat.)電極を参照電極として用いた。電解液としては0.1 M H2SO4を用いた。
まず、シュウ酸が存在しない条件でのロジウムポルフィリンの電気化学的特性を調べるために、測定前に不活性ガス(窒素またはアルゴン)を電解液に10分間吹き込んだ後、液
温25℃でサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を開始した。測定中は不活性ガスを溶液の上部に連続的に吹き付けることで、酸素の混入を防ぐようにした。ロジウムオクタエチルポルフィリンのCVを図1の曲線Aとして示す。このCVはポルフィリンが二量化も不
均化もせずに、ロジウムポルフィリンが分散担持されている状態を示すものである。
次に、ロジウムオクタエチルポルフィリンのシュウ酸酸化触媒能を検討した。シュウ酸を10 mM加えたあと、液温25℃でサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を開始した
。シュウ酸を加えた条件では0.3 V (Ag/AgCl/KCl(飽和)基準)付近から酸化電流が上昇し
はじめており、シュウ酸の酸化が低い過電圧で進行していることがわかる(図1の曲線B
)。さらにシュウ酸を合計で90 mMになるように加えると、酸化電流は上昇し、濃度に応
じた応答を示すことが分かる(曲線C)
実施例2
コバルトオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒の作製
金属ポルフィリンとして、コバルトオクタエチルポルフィリンを用いること以外は、実施例1と同様にして、コバルトオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価
上記した方法で得たコバルトオクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒をロジウムポルフィリンの場合と同様にグラッシーカーボン電極上に塗布した。
触媒のシュウ酸酸化活性評価はエー・エル・エス製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボン電極を作用電極とし、白金電極を対極、Ag/AgCl/KCl(sat.)電極を参照電極として用いた。電解液としては、0.1 M H2SO4を用いた。
電解液中にシュウ酸を10 mM加えた後、液温25℃でサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を開始した。図2は、サイクリックボルタンメトリーの測定結果を示す図面であ
る。図2では、0.6 V (Ag/AgCl/KCl(飽和)基準)付近から酸化電流が上昇しはじめており
、コバルトオクタエチルポルフィリンを触媒とする場合に、電位走査を行うことによりシュウ酸の酸化が進行することが確認できた。
実施例3
鉄オクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒の作製
金属ポルフィリンとして、鉄オクタエチルポルフィリンを用いること以外は、実施例1と同様にして、鉄オクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価
上記した方法で得た鉄オクタエチルポルフィリン担持カーボン触媒をコバルトポルフィリンの場合と同様にグラッシーカーボン電極上に塗布した。
触媒のシュウ酸酸化活性評価はエー・エル・エス製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボン電極を作用電極とし、白金電極を対極、Ag/AgCl/KCl(sat.)電極を参照電極として用いた。電解液としては0.1 M H2SO4を用いた。
電解液中にシュウ酸を10 mM加えた後、液温25℃でサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を開始した。図3は、サイクリックボルタンメトリーの測定結果を示す図面であ
る。図3では、0.85 V (Ag/AgCl/KCl(飽和)基準)付近から酸化電流が上昇しはじめており、鉄オクタエチルポルフィリンを触媒とする場合に、電位走査を行うことによってシュウ酸の酸化が進行することが確認できた。
実施例4
ロジウムテトラフェニルポルフィリン担持カーボン触媒の作製
金属ポルフィリンとして、ロジウムテトラフェニルポルフィリンを用いること以外は、実施例1と同様にして、ロジウムテトラフェニルポルフィリン担持カーボン触媒を得た。
触媒活性の評価
上記した方法で得たロジウムテトラフェニルポルフィリン担持カーボン触媒をロジウムオクタエチルポルフィリンの場合と同様にグラッシーカーボン電極上に塗布した。
触媒のシュウ酸酸化活性評価はエー・エル・エス製のポテンショスタット(ALS model 711B)を用いて行った。触媒を塗布したグラッシーカーボン電極を作用電極とし、白金電極を対極、Ag/AgCl/KCl(sat.)電極を参照電極として用いた。電解液としては0.1 M H2SO4を用いた。
電解液中にシュウ酸を1M加えた後、液温25℃でサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を開始した。図4は、サイクリックボルタンメトリーの測定結果を示す図面である。図4では、0.5 V (Ag/AgCl/KCl(飽和)基準)付近から酸化電流が上昇しはじめており、ロ
ジウムテトラフェニルポルフィリンを触媒とする場合に、電位走査を行うことによってシュウ酸の酸化が進行することが確認できた。
ロジウムオクタエチルポルフィリン担持カーボンについてのサイクリックボルタンメトリーの測定結果を示すグラフ。 コバルトオクタエチルポルフィリン担持カーボンについてのサイクリックボルタンメトリーの測定結果を示すグラフ。 鉄オクタエチルポルフィリン担持カーボンについてのサイクリックボルタンメトリーの測定結果を示すグラフ。 ロジウムテトラフェニルポルフィリン担持カーボンについてのサイクリックボルタンメトリーの測定結果を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 下記化学式:
    Figure 0004469953
    (式中、R〜R12は、同一又は異なって、それぞれ、アルキル基、置換基を有することのあるフェニル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Mは、8族の遷移金属又は9族の遷移金属を示す。)で表される金属ポルフィリンを有効成分とする、シュウ酸及び水溶性シュウ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の電気化学的酸化反応用触媒。
  2. 上記金属ポルフィリンが導電性担体に担持されたものである請求項1に記載のシュウ酸及び水溶性シュウ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の電気化学的酸化反応用触媒。
  3. 導電性担体がカーボンブラックである請求項2に記載の触媒。
  4. 金属ポルフィリンが、ロジウムオクタアルキルポルフィリンである請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 導体上に請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を固定してなる検出部を含む、シュウ酸及び水溶性シュウ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の検出用センサ。
  6. 電解槽、作用極、対極および電源装置を含む電解処理装置であって、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を作用極におけるシュウ酸及び水溶性シュウ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の酸化用触媒として含むことを特徴とする、水溶液中のシュウ酸及び水溶性シュウ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の電解処理装置。
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