JP4469411B1 - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のLED素子から放射された多量の光の出光方向を、反射鏡を用いて容易に制御することができるとともに、従来の発光装置と同様に円形の照射領域を有する発光装置を提供する。
【解決手段】焦点Fを有する椀状の反射鏡12と、平面視四角形状のLED素子28および当該LED素子28の背後に虚像Iを形成するレンズ30を有する複数の発光体14とを備える発光装置10Aにおいて、虚像Iの位置を、当該虚像Iを形成するレンズ30から見て焦点Fよりも遠くに設定し、かつ、虚像Iと焦点Fとの距離をAとし、LED素子28の外周長をBとしたとき、A/Bの値が0.08以上0.42以下とすることで上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭や商業施設、展示施設等における一般照明あるいは光学機器の光源として用いられる発光装置に関する。
従来の白熱灯(例えば、ハロゲンランプ)に比べて、消費電力が低く、かつ、長寿命といった長所を有する発光ダイオード(以下、「LED」という。)は、需要者のエコロジー意識の高まりとともに、省エネ対策のひとつとしてその使用範囲が急速に広まっており、とりわけ白熱灯の代替としてLEDを使用したいという要望が高まっている。
これに対し、LEDは、1個当たりの光量が白熱灯と比べて少ないという課題を有していることから、これを補うために複数のLEDを設けることによって多くの光量を出光することのできる発光装置が開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された発光装置1は、図6に示すように、その内側に焦点Fを有する反射面2が形成された反射鏡3と、当該反射鏡3の内側において焦点Fを中心として放射状に収容された複数の発光体4とで構成されており、各発光体4は、反射面2に向けて光を放射するLED素子5と、LED素子5および反射面2の間に配設され、対応するLED素子5から放射された光を反射面2に向けて屈折させるとともに、LED素子5の背後に位置する焦点Fを中心として当該LED素子5の虚像Iを形成するレンズ6とを備えている。
この発光装置1では、各レンズ6によって形成された、対応する各LED素子5の虚像Iの中心は、すべて反射面2の焦点Fと一致するように設計されている。したがって、各LED素子5から放射され、対応するレンズ6で屈折されたすべての光は、あたかも虚像Iが位置する焦点Fを中心とした位置から放射されたような光路を進んで反射面2で反射された後、発光装置1から出光するようになる。これにより、複数のLED素子5から放射される光を1つの光源から放射された光であるかのように扱うことができるので、複数のLED素子5から放射された多量の光の出光方向を、反射鏡3を用いて容易に制御することができる。
特開2005−123068号公報
しかしながら、大半のLED素子5の外形は四角形状であり、発光装置1から出光した光の照射面には、このLED素子5の形状が投影されることから、当該照射面における照射領域の形状は四角形となるが、照射領域の形状が四角形であると、多くの問題が生じることとなる。
すなわち、従来の白熱灯における照射領域の形状は円形であったことから、既存の光学機器は、その大半が円形の照射領域を有する発光装置を用いることを前提として設計されており、このような既存の光学機器に対する交換用発光装置として上述の発光装置1を使用した場合、照射領域の形状が異なることに起因して所定の性能が発揮できなくなるおそれがある。また、一般照明の光源として発光装置1を使用した場合、円形の照射領域を有する既存の発光装置からの光に慣れたユーザーが四角形の照射領域に対して違和感を覚えてしまう。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて開発されたものである。それゆえに本発明の主たる課題は、複数のLED素子から放射された多量の光の出光方向を、反射鏡を用いて容易に制御することができるとともに、従来の発光装置と同様、その照射領域の形状が円形であることから、既存の光学機器に対する交換用発光装置として問題なく使用することができ、また、一般照明として用いた場合であっても、ユーザーに違和感を覚えさせることのない発光装置を提供することにある。
請求項1に記載した発明は、
焦点Fを有する回転面で規定された反射面20が内側に形成された椀状の反射鏡12と、
前記反射鏡12の内側において、前記焦点Fを中心として放射状に配設された複数の発光体14とで構成されており、
前記発光体14は、それぞれ、前記反射面20に向けて光を放射する平面視四角形状のLED素子28と、
前記LED素子28および前記反射面20の間に配設され、対応する前記LED素子28から放射された光を前記反射面20に向けて屈折させるとともに、前記LED素子28の背後に前記LED素子28の虚像Iを形成するレンズ30とを備えている発光装置10Aであって、
前記虚像Iの位置は、当該虚像Iを形成する前記レンズ30から見て、前記焦点Fよりも遠くに設定されており、
前記虚像Iと前記焦点Fとの距離をAとし、前記平面視四角形状のLED素子28の外周長をBとしたとき、A/Bの値が0.08以上0.42以下であることを特徴とする発光装置10Aである。
本発明の発光装置10Aでは、レンズ30によって形成されるLED素子28の虚像Iの位置を、従来技術の発光装置1のように反射面20の焦点Fに一致させるのではなく、当該焦点Fよりもレンズ30から見て遠くにずらして照射面にLED素子28の輪郭形状が明瞭に投影されるのを避け、あえて不明瞭に投影することにより、照射領域を円形にしている。
しかしながら、単にLED素子28の虚像Iの位置を焦点Fよりも遠くに設定するだけでは、照射領域の形状が円形にならなかったり(四隅が丸くなっているものの、依然として四角形状として把握される)、あるいは照射領域における中心光度が低くなりすぎたりすることから、虚像Iと焦点Fとの距離A[mm]を、LED素子28の外周長B[mm]との関係において、A/Bの値が0.08以上0.42以下であることと規定した。
なぜならば、A/Bの値が0.08よりも小さい場合には、上述のように照射領域の形状が円形として把握できるところまでには至らず、逆に、A/Bの値が0.42よりも大きい場合には、照射領域の中心における光度が、LED素子28の虚像Iの位置を焦点Fに一致させた場合における照射領域の中心の光度を基準として、許容できる範囲である3%を超えて低下するからである。
なお、本発明において、焦点Fの位置は、反射鏡12の内側において、反射面20が反射鏡12の内側に収容する発光体14の大きさや個数等の要素に基づき、回転面である反射面20の中心軸L上の適当な位置に設定される(発光体14が大きく、あるいは発光体14の個数が多い場合には、焦点Fの位置は反射面20の底部からやや距離を置いて設定され、逆に、発光体14が小さく、あるいは発光体14の個数が少ない場合には、焦点Fの位置は反射面20の底部寄りに設定されることになる。)ものであるが、反射面20が回転楕円面や回転放物面である場合には、これらを規定する楕円や放物線の焦点が反射面20の焦点Fとなる。
請求項2に記載した発明は、
焦点Fを有する回転面で規定された反射面20が内側に形成された椀状の反射鏡12と、
前記反射鏡12の内側において、前記焦点Fを中心として放射状に収容された複数の発光体14とで構成されており、
前記発光体14は、それぞれ、前記反射面20に向けて光を放射する平面視四角形状のLED素子28と、
前記LED素子28および前記反射面20の間に配設され、対応する前記LED素子28から放射された光を前記反射面20に向けて屈折させるとともに、前記LED素子28の背後に前記LED素子28の虚像Iを形成するレンズ30とを備えている発光装置10Bであって、
前記反射面20には、凸湾曲面を有する平面視六角形状の微小反射面部26が多数形成されており、
前記虚像Iの位置は、当該虚像Iを形成する前記レンズ30から見て、前記焦点Fよりも遠くに設定されており、
前記虚像Iと前記焦点Fとの距離をAとし、前記平面視四角形状のLED素子28の外周長をBとしたとき、A/Bの値が0.05以上0.42以下であることを特徴とする発光装置10Bである。
この発光装置10Bの反射面20には、凸湾曲面を有する平面視六角形状の微小反射面部26(いわゆる「ファセット」)が多数形成されており、各LED素子28から放射された光(その光束の断面形状は略四角形である。)はこの微小反射面部26で反射して略六角形状に拡散され、照射領域におけるLED素子28の輪郭形状はさらに円形に近づくことから、請求項1の発光装置10Aに比べて、虚像Iと焦点Fとの距離Aがより近い状態(=照射領域におけるLED素子28の輪郭形状が明瞭になって、その照射領域の形状が四角形として認識されやすい状態)から照射範囲の形状を円形にすることができる。
したがって、請求項2では、[虚像Iと焦点Fとの距離A]/[LED素子28の外周長B]の値を、請求項1よりも小さい(すなわち、虚像Iと焦点Fとの距離Aが近い)「0.05以上」として規定することができる。
本発明によれば、複数のLED素子から放射された多量の光の出光方向を、反射鏡を用いて容易に制御することができるとともに、従来の発光装置と同様、その照射領域の形状が円形であることから、既存の光学機器に対する交換用発光装置として問題なく使用することができ、また、一般照明として用いた場合であっても、ユーザーに違和感を覚えさせることのない発光装置を提供することができた。
本発明にかかる発光装置を示す側面断面図である。 本発明にかかる発光装置を示す正面図である。 平面視形状が四角形のLED素子の例である。 レンズのバリエーションを示す図である。 六角形の微小反射面部を有する反射鏡を示す図である。 従来技術を示す図である。
以下、本発明が適用された発光装置について図面を用いて説明する。最初に第1実施例として、反射鏡の反射面に凸湾曲面を有する平面視「四角形」状の微小反射面部が形成された発光装置10Aについて説明し、次に、第2実施例として、反射鏡の反射面に凸湾曲面を有する平面視「六角形」状の微小反射面部を形成された発光装置10Bについて説明する。なお、第2実施例の説明における第1実施例で説明した内容と共通する部分については当該先の説明を援用してその説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例に係る発光装置10Aは、図1および図2に示すように、大略、椀状の反射鏡12と、4つの発光体14およびこれら発光体14を所定の位置で保持する発光体保持部材34を有する発光ユニット15と、ホルダー16と、給電ピン18とで構成されている。
反射鏡12は、その内側に形成された反射面20と、反射面20で反射された光を反射鏡12から出光する出光開口22と、出光開口22に対向する位置で反射面20の底部中央に設けられ、ホルダー16に嵌め込まれる略円筒状の中央取付筒部24とを有している。また、反射鏡12の中心を通り、出光開口22に直交する直線を反射鏡12(および反射面20)の中心軸Cとする。反射鏡12の材質としては、ガラスあるいはアルミニウム等が使用され、アルミニウムの場合は、反射面20に金属蒸着がなされ、ガラスの場合は、金属蒸着の他、赤外線透過型反射被膜の反射面20が傘状の本体部分13の内表面に形成される。とりわけ、発光装置10Aでは、後述するように、LED素子28からの熱が発光体保持部材34によって効率的に放熱されることから、ガラスやアルミニウム等に比べて熱に弱い「樹脂」も、反射鏡12の材質として使用することができる。なお、本実施例では、反射鏡12の出光開口22を覆う、ポリカーボネート製(もちろん、透明材料であればガラス等他の材料を用いることができる。)の前面カバー19が取り付けられているが、当該前面カバー19は、発効装置10Aの必須構成要素ではない。
反射面20は、中心軸Cを中心とする回転面で規定されており、反射鏡12の内側における当該中心軸C上に焦点Fが設定されている。この焦点Fの位置は反射鏡12の内側に収容する発光体14の大きさや個数等の要素に基づいて最適な位置に設定される(発光体14が大きく、あるいは発光体14の個数が多い場合には、焦点Fの位置は反射面20の底部からやや距離を置いて設定され、逆に、発光体14が小さく、あるいは発光体14の個数が少ない場合には、焦点Fの位置は反射面20の底部寄りに設定されることになる。)ものであるが、反射面20が回転楕円面や回転放物面である場合には、これらを規定する楕円や放物線の焦点が反射面20の焦点Fとなる。
また、反射面20には、凸湾曲面26aを有する平面視四角形状の微小反射面部26が多数形成されている(図2(b)参照)。本実施例において、反射面20は、図2(a)に示すように、出光開口22から反射鏡12の底部を見たとき、中心軸Cを中心として周方向に多数に分割され、さらに、中心軸Cを同一中心として互いに半径が異なる同一中心円によって径方向に多段に四角形の区画に分割されており、このように多列多段に分割された各四角形区画の表面に微小反射面部26が形成されている。
微小反射面部26は、図2(b)に示すように、所定の半径の凸湾曲面26aを有しており、反射面20上の形状(=平面視形状)は、殆ど矩形に近いやや台形(いずれにしても「四角形」)である。
なお、この第1実施例においては、上記微小反射面部26を平面視三角形状で構成してもよいし、あるいは微小反射面部26を形成せず、反射面20を回転面のみでその表面が滑らかに規定してもよい。
発光ユニット15は、上述のように4つの発光体14とこれら発光体14を所定の位置で保持する発光体保持部材34とで構成されている。なお、発光体14の数は4つに限られるものではなく、発光体14を2つ以上用いることにより、本発明の効果を奏することができる。
発光体14は、LED素子28と、レンズ30と、レンズ保持体32とで構成されており、本実施例では、このような発光体14が4つ使用されており、4つの発光体14が反射面20の底部から中心軸C上を延びる四角柱状の発光体保持部材34の先端部において、それぞれ反射面20の焦点Fを中心として周方向に均等間隔で放射状に配設されている。
LED素子28は、所定の電流を流すことにより、例えば120°の光放射角(光放射角θはもちろんこれに限られない。)で光を放射する電子部品であり、一般に市販されているLED素子28のほとんどは、図3に例示するように、その平面視形状が四角形となっている。また、このような平面視形状が四角形のLED素子28の外周長(すなわち、図3に示す4つの辺の長さの合計(I+II+III+IV))をBとする。なお、LED素子28は、正方形のものが一般的であるが、正方形に近い(つまり縦横比が1:1に近い)長方形のLED素子28を使用することもできる。
レンズ30は、LED素子28および反射面20の間においてLED素子28に対向離間して配設されたポリカーボネート製(もちろん、LED素子28からの熱に耐えられる透明材料であればガラス等といった他の材料を使用することもできる。)の凸メニスカスレンズ(略短冊状の断面を有し、一方の面が凸面となっており、これに対向する他方の面が凹面となっているレンズ。図4(a)参照)であり、LED素子28から放射された光を反射面20に向けて屈折させるとともに、LED素子28の背後にLED素子28の虚像Iを形成する光学部品である。なお、凸メニスカスレンズの他に、平凸レンズ(図4(b))や両凸レンズ(図4(c))を使用することもできるが、レンズ30の左右端部に入光するLED素子28からの光M(つまり、レンズ30の入光面に対して浅い角度で入光する光)がレンズ30の入光面で反射して迷光Mとなり易いという点から、凸メニスカスレンズを用いるのが好適である。
また、図1に示すように、各発光体14のレンズ30によって形成されるLED素子28の虚像Iは、当該虚像Iを形成するレンズ30から見て、焦点Fよりも遠くに位置し、かつ、当該虚像Iと焦点Fとの距離Aを平面視四角形状のLED素子28の外周長Bで除した(=A/B)値が0.08以上0.42以下となるように設定されている。この条件を満足する位置に虚像Iを設定する手段として、レンズ30の屈折率を調整することによって光学的に虚像Iの位置を調整してもよいし、発光体保持部材34の断面寸法を調整することによって物理的に虚像Iの位置を調整してもよい(発光体保持部材34の断面寸法を小さくしていくと虚像Iの位置は焦点Fから遠ざかるようになり、逆に、断面寸法を大きくしていくと虚像Iの位置は焦点Fに近づくようになる。)。もちろん、両者を併用してもよい。
レンズ保持体32は、金属や不透明樹脂等、あるいは透光性樹脂で形成された筒状体であり、LED素子28を囲繞するようにして、その一方端が発光体保持部材34の表面に取り付けられるとともに、他方端部にはレンズ30が嵌め込まれている(あるいは一体的に形成されている)。レンズ保持体32が金属や不透明樹脂で形成されている場合は、LED素子28から放射される光のすべてがレンズ30を通過して出光され、透光性樹脂で形成されている場合は、大部分がレンズ30を通過して出光されるが、一部は透光性樹脂製のレンズ保持体32を通って出光される。
発光体保持部材34は、上述したように、反射面20の底部から中心軸C上を延びるアルミニウム製(熱伝導性の高い材料であれば他の材料を使用してもよい。)の四角柱材(例えば、発光体14の数が3つであれば三角柱材を用い、5つであれば五角柱材を用いるのが好適である。)であり、その先端部において、4つの発光体14がそれぞれ反射面20の焦点Fを中心として周方向に均等間隔で放射状に配設されている。このように発光体保持部材34は、熱伝導性の高いアルミニウムで形成されていることから、LED素子28が発光すると同時に発生する熱を発光体14から素早く受け取ることができるようになっている。つまり、発光体保持部材34は、単にLED素子28やレンズ30を保持するだけでなく、LED素子28の放熱板としての役割も有している。また、発光体保持部材34の他方端部は、反射鏡12の中央取付筒部24に挿入された後、シリコン系接着剤等によって反射鏡12に接着されている(取り付けの詳細については後述する)。
発光体保持部材34における4つの面にはそれぞれLED素子28に給電するための給電ライン36が設けられており(図1)、この給電ライン36を通じてLED素子28に電力が供給されるようになっている。本実施例では、発光体保持部材34がアルミニウム製であることから、発光体保持部材34と給電ライン36との間を絶縁する必要がある。なお、給電ライン36への給電は、給電ピン18からリード線44を介して行われる。また、リード線を用いてLED素子28に給電するようにしてもよい。
ホルダー16は、セラミック等の耐熱性材料によって形成された略円筒状の部材であり、ホルダー16には、その一方端面に反射鏡12の中央取付筒部24が嵌め込まれる反射鏡取付凹所37が設けられている。また、ホルダー16の他方端面には、給電ピン18が嵌め込まれる給電ピン取付孔38と、リード線44(後述)を挿通させるリード線挿通孔40とが設けられている。また、反射鏡取付凹所37とリード線挿通孔40とを互いに連通する連通孔42が設けられており、発光体保持部材34の表面に設けられた給電ライン36にリード線44を接続できるようになっている。さらに、反射鏡12および給電ピン18は、それぞれホルダー16に嵌め込まれた後、シリコン系接着剤あるいは無機接着剤等によってホルダー16に接着されている。なお、無機接着剤としては、アルミナ−シリカ(Al23−SiO2)系、アルミナ(Al23)系あるいは炭化ケイ素(SiC)系の無機接着剤を用いることができる。また、発光時におけるLED素子28の温度が比較的低温である場合には、接着剤としてエポキシ樹脂を用いてもよい。
給電ピン18は、外部から電力を受け入れるための電極部材であり、その端部にはそれぞれリード線44の一方端が電気的に接続されており、リード線44の他方端は、ホルダー16のリード線挿通孔40および連通孔42を通って、発光体保持部材34に設けられた給電ライン36に電気的に接続されている。
この発光装置10Aは、一例を示せば以下の手順で製造される。発光体保持部材34に接着した後、LED素子28と給電ライン36との電気的接続を行うことによって実装した4つの発光体14を反射鏡12の中央取付筒部24に挿入し、所定の位置においてシリコン系接着剤等で固定する。また、他方端面に給電ピン18を取り付けたホルダー16を用意する。そして、給電ピン18と発光体保持部材34との間にリード線44を電気的に接続した後、中央取付筒部24をホルダー16に固定する。
このようにして製造した発光装置10Aの給電ピン18に通電すると、リード線44および発光体保持部材34に形成された給電ライン36を介してLED素子28に通電され、LED素子28が光を放射する。LED素子28から放射された光は、レンズ30で屈折されて、あたかも虚像Iを中心として放射されたかのような光路を進み、それぞれ反射面20で反射された後、出光開口22を通って発光装置10Aから出光される。
第1実施例に係る発光装置10Aの具体的な実施例として、表1に示すような2種類の発光装置10Aを作成し、各発光体14のレンズ30によって形成されるLED素子28の虚像Iと反射面20の焦点Fとの距離Aを変化させることにより、照射範囲の形状、反射面20の中心軸Cを延長した仮想線と照射面との交点(すなわち、照射領域の中心)における光度、およびLED素子28のジャンクション温度がどのように変化するかを調べ、それぞれ表2および表3にまとめた。なお、距離Aは、発光体保持部材34の断面寸法を変えることによって物理的に調整した。また、発光装置10Aから照射面までの距離は2mとした。
表2および表3に示すように、A/Bの値が0.08よりも小さい場合には、照射面における照射範囲の形状がLED素子28の形状である四角形として認識され、0.08以上の場合において当該形状が円形として認識された。
また、A/Bの値が0.42よりも大きくなると、照射領域の中心における光度は、LED素子28の虚像Iの位置を焦点Fに一致させた場合における照射領域の中心の光度(すなわち、A=0のとき)を基準として、許容できる範囲である3%を超えて低下している。したがって、A/Bの値が0.42以下であれば、照射領域の中心における光度は許容範囲内にあるといえる。
なお、LED素子28のジャンクション温度は、A/Bの値が0.08以上0.42以下であれば、上限値である150℃を下回っていることが確認された。また、発光装置10Aから出光する光の配光角は、距離Aの値を変化させてもほとんど変化せず、ほぼ設計どおりの配光角(実施例1であれば20°、実施例2であれば30°)が得られた。
(第2実施例)
第2実施例に係る発光装置10Bは、第1実施例の発光装置10Aと同様、反射鏡12と、4つの発光体14およびこれら発光体14を所定の位置で保持する発光体保持部材34を有する発光ユニット15と、ホルダー16と、給電ピン18とで構成されており、(1)反射鏡12の反射面20に形成された微小反射面部26が、図5に示すように、平面視六角形状であること、これに伴い、(2)各発光体14のレンズ30によって形成されるLED素子28の虚像Iと焦点Fとの距離Aを平面視四角形状のLED素子28の外周長Bで除した(=A/B)値が0.05以上0.42以下となるように設定されていることが第1実施例の発光装置10Aと相違する。
第2実施例に係る発光装置10Bの具体的な実施例として、表4に示すような2種類の発光装置10Bを作成し、各発光体14のレンズ30によって形成されるLED素子28の虚像Iと反射面20の焦点Fとの距離Aを変化させることにより、照射範囲の形状、反射面20の中心軸Cを延長した仮想線と照射面との交点(すなわち、照射領域の中心)における光度、およびLED素子28のジャンクション温度がどのように変化するかを調べ、それぞれ表5および表6にまとめた。なお、距離Aは、発光体保持部材34の断面寸法を変えることによって物理的に調整した。また、発光装置10Aから照射面までの距離は2mとした。
表5および表6に示すように、A/Bの値が0.05よりも小さい場合には、照射面における照射範囲の形状がLED素子28の形状である四角形として認識され、0.05以上の場合において当該形状が円形として認識された。
また、A/Bの値が0.42よりも大きくなると、照射領域の中心における光度は、LED素子28の虚像Iの位置を焦点Fに一致させた場合における照射領域の中心の光度(すなわち、A=0のとき)を基準として、許容できる範囲である3%を超えて低下している。したがって、A/Bの値が0.42以下であれば、照射領域の中心における光度は許容範囲内にあるといえる。
なお、LED素子28のジャンクション温度は、A/Bの値が0.05以上0.42以下であれば、上限値である150℃を下回っていることが確認された。また、発光装置10Aから出光する光の配光角は、距離Aの値を変化させてもほとんど変化せず、ほぼ設計どおりの配光角(実施例1であれば20°、実施例2であれば30°)を得た。
上記第1および第2実施例によれば、複数のLED素子から放射された多量の光の出光方向を容易に制御することができるとともに、従来の発光装置と同様、その照射領域の形状が円形であることから、既存の光学機器に対する交換用発光装置として問題なく使用することができ、また、一般照明として用いた場合であっても、ユーザーに違和感を覚えさせることのない発光装置を提供することができた。
10…発光装置
12…反射鏡
13…(反射鏡の)本体部分
14…発光体
15…発光ユニット
16…ホルダー
18…給電ピン
19…前面カバー
20…反射面
22…出光開口
24…中央取付筒部
26…微小反射面部
26a…凸湾曲面
28…LED素子
30…レンズ
32…レンズ保持体
34…発光体保持部材
36…給電ライン
37…反射鏡取付凹所
38…給電ピン取付孔
40…リード線挿通孔
42…連通孔
44…リード線

Claims (2)

  1. 焦点を有する回転面で規定された反射面が内側に形成された椀状の反射鏡と、
    前記反射鏡の内側において、前記焦点を中心として放射状に配設された複数の発光体とで構成されており、
    前記発光体は、それぞれ、前記反射面に向けて光を放射する平面視四角形状のLED素子と、
    前記LED素子および前記反射面の間に配設され、対応する前記LED素子から放射された光を前記反射面に向けて屈折させるとともに、前記LED素子の背後に前記LED素子の虚像を形成するレンズとを備えている発光装置であって、
    前記虚像の位置は、当該虚像を形成する前記レンズから見て、前記焦点よりも遠くに設定されており、
    前記虚像と前記焦点との距離をAとし、前記平面視四角形状のLED素子の外周長をBとしたとき、A/Bの値が0.08以上0.42以下であることを特徴とする発光装置。
  2. 焦点を有する回転面で規定された反射面が内側に形成された椀状の反射鏡と、
    前記反射鏡の内側において、前記焦点を中心として放射状に収容された複数の発光体とで構成されており、
    前記発光体は、それぞれ、前記反射面に向けて光を放射する平面視四角形状のLED素子と、
    前記LED素子および前記反射面の間に配設され、対応する前記LED素子から放射された光を前記反射面に向けて屈折させるとともに、前記LED素子の背後に前記LED素子の虚像を形成するレンズとを備えている発光装置であって、
    前記反射面には、凸湾曲面を有する平面視六角形状の微小反射面部が多数形成されており、
    前記虚像の位置は、当該虚像を形成する前記レンズから見て、前記焦点よりも遠くに設定されており、
    前記虚像と前記焦点との距離をAとし、前記平面視四角形状のLED素子の外周長をBとしたとき、A/Bの値が0.05以上0.42以下であることを特徴とする発光装置。

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