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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用もしくは非破壊検査用の超音波診断に用いる超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波の反射を利用して体腔内の各組織の界面を診断したり、非破壊検査に用いて被測定物内部の傷等の非連続部を診断したりする超音波探触子の改良が進んでいる。超音波探触子の典型的な構成は「改訂医用超音波機器ハンドブック」((社)日本電子機械工業会編、コロナ社、1997.1.20、p.68〜74)に示されている。図11の(A)はこの超音波探触子の斜視図である。図11の(B)はこの超音波探触子を側面から見た図である。図11の(A)では超音波探触子の一部が取り除かれて示されている。尚、図11の(A)及び図11の(B)では個々の部材の識別を明確にするためにハッチングが施されている。超音波探触子は、背面負荷材112と、背面負荷材112の上に順に積層されている圧電素子114、第1音響整合層116及び第2音響整合層118とを備えている。圧電素子114は圧電セラミックからなる。圧電素子114と第1音響整合層116とには、第1音響整合層116の面に沿って直線状に延びている複数の溝(例えば溝115)が形成されている。これらの溝は一列に並んでいる。これらの溝により、圧電素子114と第1音響整合層116とは、夫々複数の部分に分割されている。第2音響整合層の上には音響レンズ1110が積層されている。圧電素子114の下面の電極にはフレキシブルプリント基板1112が接続されている。フレキシブルプリント基板1112は圧電素子114の下面から背面負荷材の側面に沿って延びている。フレキシブルプリント基板1112はポリイミド等の絶縁樹脂から形成されている絶縁部1112aと、この絶縁部の上に配線されている複数の導線1112bとを有している。各導線1112bには分割された圧電素子114の部分の少なくとも1つが接続されている。導線1112bは銅箔により形成されている。フレキシブルプリント基板は、数百ボルト程度のパルス波形の電圧(駆動信号)を圧電素子114に供給するためのパルサと、超音波を受けた圧電素子114が発生する電圧(受信信号)を受信するための観測装置とに接続されている(ともに図示せず)。フレキシブルプリント基板1112は駆動信号と受信信号とを伝送するための信号線として用いられる。圧電素子114の上面において、フレキシブルプリント基板1112が接続されている側と反対側の端には1本のアース線1114が配線されている(図11の(B))。アース線1114には導電性のワイヤーや箔が用いられている。アース線1114は半田付けを利用したり、導電性樹脂を用いたりして接続されている。アース線1114は分割された圧電素子の部分の全てに接続されており、保護樹脂1116で覆われている。アース線1114は図示しないアースに接続されている。
【0003】
超音波探触子の動作を説明する。音響レンズ1110を被検体の表面に接触させ、パルサを用いて駆動信号を圧電素子114に供給すると、圧電素子114が逆圧電効果により急速に変形し、超音波パルスが励起される。このとき、背面負荷材112は不要な振動を抑制する。この超音波パルスは第1音響整合層116、第2音響整合層118及び音響レンズ1110を介して被検体に入射する。
【0004】
一般に、圧電セラミックからなる圧電素子を生体に直接接触させて圧電素子から生体に超音波を伝播させると、一部は透過するが大部分は反射される。圧電素子と生体との間に適切な音響インピーダンスをもつ音響整合層を設けると、音響整合層を設けない場合と比べて透過する超音波の量が増加する。これを利用すると、超音波パルスは圧電素子から被検体に効率良く伝達される。
【0005】
音響レンズ1110は屈折を利用して超音波パルスを被検体内部の対象物(体内の各組織の界面や被測定物内部の傷等の非連続部)に集束させる。この超音波パルスは対象物で反射し、音響レンズ1110、第2音響整合層118及び第1音響整合層116を介して圧電素子114に入射する。この超音波パルスは圧電素子114に機械的振動を発生させる。この振動は圧電効果により電気信号(受信信号)に変換されたのち、フレキシブルプリント基板1112(信号線)を介して観測装置に送られて画像化される。
【0006】
特開平9−139998号には、背面負荷材と、圧電素子と、導電性材料であるカーボンからなる音響整合層と、音響レンズとを有しており、図11の超音波探触子と同様に、これらがこの順に積層されている超音波探触子が開示されている。音響整合層は圧電素子の上面に形成された電極に導電性を確保して接合されている。音響整合層はアースのための電極を兼ねている。
【0007】
また、特公平1−61062号には、背面負荷材と、圧電素子と、導電性材料である導電性樹脂からなる音響整合層とを有しており、これらがこの順に積層されている超音波探触子が開示されている。導電性樹脂は、基質(マトリクス)である樹脂材料に、充填剤(フィラー)として金属粉を混入させて形成されている。特開平9−139998号と同様に、音響整合層はアースのための電極として用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、音響整合層にカーボンを用いた、特開平9−139998号の超音波探触子では、音響整合層は導電性を有し、かつ切削性も良い一方で、音響整合層の厚さが典型的に用いられる1/4λの場合、機械的な強度が低く、薄板化する加工中にわれや欠けが発生する。また、カーボン単体により音響整合層が形成されている場合において、超音波探触子を人体に用いるとき、音響整合層の音響インピーダンスが最適な値からずれる。この結果、超音波は効率よく伝達されないので、感度が低下し、画像精度が悪化する。
【0009】
また、音響整合層に導電性樹脂を用いた、特公平1−61062号の超音波探触子では、フィラーの材質、マトリックスである樹脂材料を適切に選択することにより導電性は得られるが、経時変化はもちろんのこと、消毒や滅菌といった工程の際に消毒液や滅菌液が樹脂内に進入し樹脂の劣化、膨潤そして、フィラーである金属の酸化等により、導電性が悪くなり、抵抗値が大きくなる。そのため、S/N比の低下や、導通不良、画質劣化が生じる。また、導電性樹脂は超音波減衰率が大きい材料であるので、送受信感度及び画質が低下する。
【0010】
従って、本発明の目的は、導電性を有し、加工中にわれ欠けの発生が少なく、加工が容易であり、かつ最適な音響インピーダンスをもつ音響整合層を備えた超音波探触子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係わる超音波探触子は、圧電素子と音響整合層とを有している超音波探触子において、前記音響整合層の少なくとも1つはカーボンと炭化物とを含有した炭素複合材料からなることを特徴としている。
【0012】
炭素複合材料は加工中にわれ欠けの発生が少なく、加工が容易である。また、炭素に炭化物を配合して炭素複合材料を形成する際、炭化物の配合比を変化させることにより、炭素複合材料の音響インピーダンスを変化させることができる。このような材料を音響整合層に用いることにより、導電性を有し、加工中にわれ欠けの発生が少なく、加工が容易であり、かつ最適な音響インピーダンスをもつ音響整合層を備えた超音波探触子を提供することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係わる超音波探触子では、前記炭化物は、SiC又はB 4 Cを含んでいることを特徴とする。
本発明の請求項3に係わる超音波探触子では、前記炭素複合材料は、炭化物のセラミック微粉とホウ化物のセラミック微粉とを含んでいることを特徴とする。
本発明の請求項4に係わる超音波探触子では、前記炭素複合材料は、焼成体で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係わる超音波探触子では、前記圧電素子は、音響放射面を有しており、前記炭素複合材料からなる前記音響整合層は、この音響放射面に対向し、この音響放射面より大きい対向領域を有しており、この対向領域は、前記圧電素子の音響放射面に接合されている接合領域と、前記圧電素子を配線する配線領域とを有していることを特徴としている。
【0014】
音響整合層に配線する場合、音響整合層の側面に配線することが考えられるが、通常音響整合層の側面の面積は小さい。本発明の請求項5に係わる超音波探触子では、音響整合層の対向領域に配線領域が設けられていることにより、配線される面積を大きくできる。
【0015】
本発明の請求項6に係わる超音波探触子は、前記炭素複合材料からなる前記音響整合層には、音響整合層の表面に沿って延びている、複数の配列された配列溝が形成されており、夫々の配列溝の深さは、音響整合層が分割されるように配列溝の全ての部分で音響整合層の厚さと等しいか、配列溝の全ての部分で音響整合層の厚さ未満であるか、又は少なくとも配列溝の一部で音響整合層の厚さ未満であることを特徴としている。
【0016】
配列溝の深さが音響整合層の厚さと等しい場合、音響整合層は配列溝により分割される。一方、厚さ未満の場合、音響整合層は分割されないので、導電性を有する音響整合層の一部に配線すれば音響整合層の全ての部分に導通する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1ないし図10を参照して、本発明の実施の形態に係わる超音波探触子を説明する。
【0018】
先ず、本発明の第1の実施の形態の超音波探触子を図1乃至図3を用いて説明する。図1は超音波探触子の側面図である。尚、図1では個々の部材の識別を明確にするためにハッチングが施されている。超音波探触子は背面負荷材2を有している。背面負荷材2は柔軟性があるウレタン樹脂により形成されており、フィラーとしてアルミナが用いられている。ウレタン樹脂の硬度はショアーA90程度である。図1では背面負荷材2の4つの側面の内の1面である前面が紙面に向けられている。背面負荷材2の上面には、圧電素子4と第1音響整合層6と第2音響整合層8とがこの順に積層されている。圧電素子4は一般的な焼結工程等により製造される圧電セラミックで形成されている。圧電素子4の下面(背面負荷材2の上面と対向する面)と上面には電極が形成されている。第1音響整合層6は炭素複合材料からなり、導電性をもつ。第1音響整合層6の厚さは200μmであり、5MHzの超音波を利用するときに超音波は効率良く伝達される。第2音響整合層8はエポキシ樹脂により形成されており、その厚さは100μmである。圧電素子4、第1音響整合層6及び第2音響整合層8は積層体を構成している。
【0019】
図2は図1のC1−C1線に沿って切断した積層体の断面図であり、図3は積層体の側面図である。図3では積層体の前面(図1で紙面に向いている面)が紙面に向いており、図1とは上下が逆にされている。積層体の下面は圧電素子4の下面である。積層体には、積層体の下面に沿って延びている、複数の配列された配列溝5が形成されている。これらの配列溝5は積層体の前面にほぼ平行に略直線的に延びており、所定間隔をおいて配列されている。
【0020】
図3に示されるように、配列溝5は圧電素子4の下面(背面負荷材2と接している面)と、第2音響整合層8を貫く線32との間に形成されている。配列溝5が形成されていることで、圧電素子4と第1音響整合層6とは夫々複数の部分に分割されている。第1音響整合層6に注目すると、配列溝5は第1音響整合層6の表面に沿って延びており、夫々の配列溝5の深さは第1音響整合層6が分割されるように配列溝5の全ての部分で第1音響整合層6の厚さと等しい。第2音響整合層8の上には音響レンズ10が設けられている(図1)。音響レンズ10はシリコーン樹脂により形成されている。音響レンズ10の上面は凸形状に成形されている。
【0021】
背面負荷材2において、前面に隣接している側面に沿って、略平板状のフレキシブルプリント基板12が上下方向に延びている。フレキシブルプリント基板12の上端は背面負荷材2の上面と圧電素子4の下面との間に挟まれている。他方の端は図11の超音波探触子と同様の、図示されないパルサと観測装置とに接続されている。フレキシブルプリント基板12には複数の導線が配線されている。これらの導線は半田を介して分割された圧電素子4の対応する部分の下面の電極に接続されている。フレキシブルプリント基板12は駆動信号と受信信号とを伝送するための信号線として用いられる。
【0022】
超音波探触子において、フレキシブルプリント基板12が設けられている側面と対向する側面には、ベタ電極を有している略平板状のフレキシブルプリント基板14が導電性接着剤を用いて接着されている。圧電素子4と第1音響整合層6とは導通しており、第1音響整合層6にフレキシブルプリント基板14を接着することで、第1音響整合層6は分割された圧電素子4の夫々の部分の共通電極を形成している。フレキシブルプリント基板14において圧電素子4と隣接する部分には、絶縁体であるポリイミドが配設されている。これにより、圧電素子4の下面の電極とフレキシブルプリント基板14とは絶縁されている。フレキシブルプリント基板14は図示しないアースに接続されており、アース線として用いられる。以上のようにして、圧電素子4の上面の電極は第1音響整合層6とアース線とを介してアースに接続されている。超音波探触子の動作は図11の超音波探触子と同様である。
【0023】
第1音響整合層6を形成している材料について説明する。上述したように、第1音響整合層6は炭素複合材料からなる。この炭素複合材料はカーボンと炭化物とを含有している。この炭化物は炭化珪素SiCと炭化ホウ素B4Cとを含んでいる。上記炭素複合材料は、この炭化物のセラミック微粉とホウ化物のセラミック微粉とを含んでいる。この炭素複合材料は焼成体で形成されている。
【0024】
炭素複合材料からなる第1音響整合層6の強度は、カーボンのみからなる場合と比較して高い。これは、以下に示す理由に由来すると考えられている。炭素複合材料は主に粒子状のカーボンと、これらの粒子間に存在するセラミック微粉とから形成されている。セラミック微粉はこれに接しているカーボンの粒子にくさびのように埋め込まれている。これにより、セラミック微粉を介して隣接しているカーボンの粒子は互いに離れにくくなるので、マイクロクラックの成長が抑制されると考えられている。特に、セラミック微粉の形状が球形ではなく、凹凸を有した多角形(多角形の組み合わせ)のときには、カーボンの粒子を繋ぎ止める働きが強く、強度が向上することが期待される。
【0025】
以上のように、炭素複合材料は加工中にわれ欠けの発生が少ないので、加工が比較的容易である。特に、10MHz以上の高周波の超音波を利用する場合、音響整合層を100μm以下の厚さに加工する必要があるが、このような薄物加工も容易に行うことができる。
【0026】
炭素複合材料は、カーボンに平均粒径0.5μmのSiCと平均粒径5μmのB4Cとを配合して形成されている。SiCとB4Cの重量比は夫々6wt%(重量百分率),9wt%である。カーボンにはこれらの他に4wt%のホウ化ジルコニウムが配合されている。音響インピーダンスは約8.5×106kg/m2s(8.5MRayl)である。炭素複合材料はカーボンよりも大きい密度をもつセラミック微粉を含んでいるので、カーボン単体と比較してより大きい密度をもつ。このため、炭素複合材料の音響インピーダンスはカーボン単体のそれより大きい。炭素複合材料に配合される炭化物の配合比(即ち重量比)を変化させたり、平均粒径を変化させたりすると、音響インピーダンスは変化する。典型的には、約7.5×106kg/m2s(7.5MRayl)〜約10×106kg/m2s(10MRayl)の音響インピーダンスを得ることができる。これを利用することにより、超音波が効率良く伝達されるのに最適な音響インピーダンスをもつ音響整合層を用意することができる。
【0027】
ところで、樹脂材料にフィラーを混入させて形成した樹脂においても、混入されるフィラーを変更すると、音響インピーダンスが変化する。しかしながら、このような樹脂は大きな超音波減衰率をもつので、このような樹脂からなる音響整合層を用いると、超音波は効率良く伝達されない。特に、特公平1−61062号で開示されているような導電性樹脂は導電性を確保するために独特の形状をもつフィラーを含んでいることにより、さらに大きな減衰率をもつので、このような欠点がより顕著である。このような樹脂と比較して、炭素複合材料は比較的小さな超音波減衰率をもつので、超音波は比較的効率良く伝達される。以上のように炭素複合材料からなる音響整合層を用いれば、より大きな強度の駆動信号を対象物に導くことができるとともに、より大きな強度の受信信号を圧電素子に入射させることができる。従って、超音波探触子の感度を向上させることができる。
【0028】
本実施の形態ではカーボンにSiC、B4C及びホウ化ジルコニウムを配合して炭素複合材料を形成しているが、カーボンにこれらを配合する代わりに炭化アルミAl4C3等の炭化物やホウ化タングステンWB等を配合した炭素複合材料も本実施の形態の炭素複合材料と同様の作用効果が得られる。また、SiC、B4C、ホウ化ジルコニウム、Al4C3及びWBの少なくとも1つを配合しても本実施の形態の炭素複合材料と同様の作用効果が得られる。
【0029】
以上詳述した如く構成されている本発明の第1の実施の形態に従った超音波探触子においては、SiC及びB4Cの配合比を変化させることにより、炭素複合材料の音響インピーダンスを変化させることができるので、最適な音響インピーダンスをもつ音響整合層を備えた超音波探触子を提供することができる。
【0030】
ところで、本実施の形態とは異なり、第1音響整合層6が導電性をもたない超音波探触子では、アース線として用いられているフレキシブルプリント基板14は圧電素子4の上面の電極から延びており、圧電素子4の側面と第1音響整合層6の側面との間から外部に露出している小さな電極に接続される。これに対して、本実施の形態のように第1音響整合層6が導電性をもつ超音波探触子では、フレキシブルプリント基板14は第1音響整合層6の側面に接着されており、この側面の面積は上記の外部に出ている電極の面積と比較して大きい。従って、導通不良に対する信頼性を高くすることができる。
【0031】
また、図11の従来の超音波探触子では、アース線1114は半田付け等を利用して圧電素子114に接続されている。加熱された半田を圧電素子に接触させると、圧電素子が消極することがある。これに対して、本実施の形態では、フレキシブルプリント基板14は導電性接着剤を用いて第1音響整合層6に接続されているので、圧電素子4が消極することはない。
【0032】
また、図11の従来の超音波探触子では、超音波を放射する圧電素子114の上面にはアース線1114が配線されている。アース線1114が配線されている領域からは超音波が有効に放射されない。ところで、超音波探触子が体腔内の診断に利用される場合、微小な圧電素子が用いられる。このような場合、圧電素子の上面の多くの部分が、アース線が配線されている領域で覆われるので、有効に放射されないことが顕著になる。これに対して、本実施の形態では、アース線を圧電素子4の上面に配線する必要がないので、圧電素子4から放射される超音波の音場を容易に制御することができる。
【0033】
また、特公平1−61062号のように音響整合層に導電性樹脂を用いた従来の超音波探触子では、樹脂の経時変化や、消毒工程や滅菌工程の際の樹脂の劣化等により、導電性が悪化するので、感度が低下したり導通不良が生じたりする。これに対して、本実施の形態では音響整合層に炭素複合材料を用いているので、このようなことは起こらない。特に、第2音響整合層8に耐薬品性の高いポリイミド等を用いれば、滅菌及び消毒時の薬剤に対して特性の劣化がない超音波探触子を提供できる。
【0034】
本実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。5MHzの超音波を利用するときには、第1音響整合層6の厚さは200μmであるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば10MHzの超音波を利用するために、厚さは100μmであってもよい。また、任意の周波数の超音波を利用するために、この周波数に対応した厚さをもつことができることは言うまでもない。
【0035】
また、本実施の形態では、フレキシブルプリント基板14において圧電素子4に対向する面に絶縁体を設けることにより、フレキシブルプリント基板14と圧電素子4の下面の電極とを絶縁しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば圧電素子4の下面の電極が圧電素子4の側面と第1音響整合層6の側面との間から外部に露出しないように、圧電素子4の下面の電極を形成することにより絶縁してもよい。また、圧電素子4の下面の電極において外部に露出している部分を樹脂で封止することにより絶縁してもよい。
【0036】
また、本実施の形態では半田を介して圧電素子4の電極にフレキシブルプリント基板12を接続しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば異方性導電膜(ACF)を介して接続されていてもよい。この場合、加熱された半田が圧電素子4に接触することにより生じる圧電素子4の消極を防止することができる。
【0037】
また、圧電素子4は配列溝5が延びている方向と交差する方向に凸形状に湾曲していてもよい。このような超音波探触子をコンベックスアレイ探触子という。
【0038】
次に、第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例について説明する。先ず、第1工程について説明する。所定の炭化物を含有した炭素複合材料を用意し、この炭素複合材料に研削加工を施して略平板状の第1音響整合層6を形成する。上述したように第1音響整合層6の厚さは200μmである。厚さ200μmに炭素複合材料を形成するには、両面ラップ盤を使用したり、ワックスや水溶性接着剤を用いて炭素複合材料を基材に貼り付け、研削及び研磨を行ったりして炭素複合材料を加工する。
【0039】
第2工程(第2音響整合層形成工程)について説明する。第1音響整合層6の側面を覆うように枠を取り付け、容器を形成するとともに、第1音響整合層6の一方の面をテープ等でマスキングする。マスキングには水溶性樹脂やレジストを用いてもよい。この容器の底面は第1音響整合層6であり、側面は枠である。マスキングした面は容器の外部に向いた面である。次に、容器の中にエポキシ樹脂を流し込み、樹脂を固化させて第2音響整合層8を形成する。流し込む樹脂の量は第2音響整合層8の厚さが100μmとなるように調節する。この後に枠とマスキングを取り除く。
【0040】
第3工程(積層体形成工程)について説明する。略平板上であり、上下の面に電極が形成された圧電素子4を用意する。圧電素子4の上面を第1音響整合層6のマスキングが取り除かれた面に接着剤を用いて接着し、圧電素子4、第1音響整合層6及び第2音響整合層8からなる積層体を形成する。
【0041】
第4工程(信号線接続工程)について説明する。信号線となるフレキシブルプリント基板12を圧電素子4の下面(第1音響整合層6と接する面の反対側の面)の電極に半田を用いて接続する。
【0042】
第5工程(配列溝形成工程)について図3を参照して説明する。図3の矢印の方向に線32に沿って精密裁断器の刃33を積層体の前面に隣接している2つの側面の一方から他方まで移動させる。上述したように、線32は第2音響整合層8を貫く線である。この移動を繰り返すことにより、図2で示されている配列溝5を形成する。
【0043】
第6工程について説明する。第2工程と同様に枠を利用して、圧電素子4の下面にウレタン樹脂で背面負荷材2を形成する。次に、アース線となるフレキシブルプリント基板14を第1音響整合層6の側面に導電性接着剤を用いて接着する。この後、第2音響整合層8の上面(第1音響整合層6と接する面と反対側の面)にシリコーン樹脂を用いて音響レンズ10を形成する。
【0044】
以上詳述した、第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例においては、加工中にわれ欠けの発生が少なく、第1音響整合層6として、加工が容易な炭素複合材料を用いることにより、容易に製造することができる。
【0045】
製造方法の第1の例では、第1工程において5MHzの超音波を利用するために、炭素複合材料に研削加工を施して200μmの厚さの第1音響整合層6を形成したが、さらに高周波の超音波を利用するために、炭素複合材料をより薄く加工してもよい。この場合、炭素複合材料は加工中にわれ欠けの発生が少ない材料なので、特開平9−139998号の音響整合層に用いられているようなカーボン単体を薄く加工するよりも容易に加工することができる。
【0046】
また、本発明の音響整合層として用いる炭素複合材料中の炭化物を含めたセラミック微粉の含有量は10〜50wt%が好ましい。50wt%以上混入すると導電性が悪くなるとともに、SiCやB4Cといったマイクロクラックを抑制するために混入させる炭化物は硬度が高く、加工時の研磨治具の寿命を短くしてしまい結果的に探触子の低コスト化は困難になる。また、10wt%以下では、マイクロクラックの抑制効果が低下してしまう。尚、炭素複合材料は焼成をして焼き固めたものが好ましい。
【0047】
また、コンベックスアレイ探触子を製造するために、積層体を凸形状に湾曲させてもよい。第2音響整合層8はエポキシ樹脂により形成されており、可撓性をもつ。これを利用して、図2の積層体を形成した後に第2音響整合層8において配列溝5の近傍を変形させることにより、コンベックスアレイ探触子が製造できる。
【0048】
次に、第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第2の例について説明する。上記第1の例とこの例とは基本的に同じである。上記第1の例とこの例とが異なる点は、第1の例の第3工程(積層体形成工程)と第4工程(信号線接続工程)の間に積層体を裁断する工程が設けられていることである。図7には積層体の裁断する部分を指示する格子状の線70が示されている。先ず、上記第1の例の第1乃至第3工程(積層体形成工程)に従って形成され、精密裁断器の刃33で加工されていない積層体(親積層体)を線70に沿って切断する。親積層体の面の大きさは第1の例に従って形成された積層体の面の大きさの4倍より大きい。親積層体は第1の例で形成された圧電素子、第1音響整合層及び第2音響整合層と実質的に同様な圧電素子4A、第1音響整合層及6A及び第2音響整合層8Aを有している。格子状の線70には4つの窓が存在する。線70に沿って親積層体を切断すると、格子の4つの窓に対応して4つの積層体(子積層体)71,72,73,74が得られる。親積層体の残りの部分は取り除かれる。この後、上記第1の例の第4工程(信号線接続工程)以降を行うと、第1の実施の形態の超音波探触子が得られる。
【0049】
上記第1の例では、第3工程(積層体形成工程)以前で形成された積層体の側面は、第2工程(第2音響整合層形成工程)で枠から漏れたエポキシ樹脂又は、第3工程(積層体形成工程)で用いられた接着剤で汚れることがある。しかしながら、この例では、親積層体の側面に接していた部分は裁断後に取り除かれるので、子積層体の側面は汚れない。従って、第6工程においてフレキシブルプリント基板14を汚れのない子積層体の側面に接着することができるので、接着剤等の絶縁体が介在しない。従って、炭素複合材料の側面で導通を確保する際には信頼性が向上する。また、密着強度と接着の耐久性を高くすることもできる。
【0050】
また、この例に従って4つの子積層体を形成するのに費やす時間は、上記第1の例に従って4つの積層体を形成するのに費やす時間の約1/4である。この例に従えば迅速にかつ低コストで超音波探触子を製造することができる。
【0051】
本実施の形態では、4つの窓をもつ格子状の線70に沿って積層体を切断しているが、本発明はこれに限定されるものではない。窓の数は2又は3つであってもよく、また5以上のであってもよい。また、窓の形は4角形に限らず、例えば6角形であってもよい。また、積層体の裁断の仕方は格子に限らない。
【0052】
次に、超音波探触子の第2の実施の形態を図1、図3及び図4を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第1の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態の超音波探触子を前面から見た構成は第1の実施の形態のそれと同じなので、図1を本実施の形態の超音波探触子の側面図として、図3を本実施の形態の積層体の側面図として引き続き参照する。尚、本実施の形態において、第1の実施の形態を説明するときに図1及び図3を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
本実施の形態の構成が第1の実施の形態の構成と異なる点は、第1音響整合層と第2音響整合層の構成であるので、図1及び図3においては、第1音響整合層を符号6の代わりに符号6aで指示し、第2音響整合層を符号8の代わりに符号8aで指示している。図4は図1のC1−C1線に沿って切断した積層体の断面図である。図2で示された第1の実施の形態の積層体では、配列溝5は圧電素子4の下面から第2音響整合層8まで形成されているが、図4で示された本実施の形態の積層体では、第1音響整合層6aまでしか配列溝5aが形成されていない。図3を用いて説明すると、配列溝5aは圧電素子4の下面と第1音響整合層6aを貫く線34との間で形成されている。第1音響整合層6aに注目すると、配列溝5aの深さは配列溝5aの全ての部分で第1音響整合層6aの厚さ未満である。
【0054】
以上詳述した如く構成されている超音波探触子の第2の実施の形態においては、第1音響整合層6aは配列溝5aにより分割されないので、導電性の第1音響整合層6aの一部に配線すれば分割された第1音響整合層6aの部分の全てに導通する。従って、アース線として用いられているフレキシブルプリント基板14は第1音響整合層6aの分割された部分の全てに接着されている必要がない。少なくとも第1音響整合層6aの一部に接着されていればよいので、構成が単純で信頼性が高い超音波探触子を提供できる。
【0055】
本実施の形態の超音波探触子は、基本的に上記第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例又は第2の例に従って製造できる。但し、第5工程(配列溝形成工程)では精密裁断器の刃33を線32ではなく線34に沿って移動させる。
【0056】
次に、第3の実施の形態を図1、図3及び図5を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第1の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態の超音波探触子を前面から見た構成は第1の実施の形態のそれと同じなので、図1を本実施の形態の超音波探触子の側面図として引き続き参照する。尚、本実施の形態において、第1の実施の形態を説明するときに図1を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施の形態の構成が第1の実施の形態の構成と異なる点は、第1音響整合層と第2音響整合層の構成であるので、図1においては、第1音響整合層を符号6の代わりに符号6bで指示し、第2音響整合層を符号8の代わりに符号8bで指示している。図5は図1のC1−C1線に沿って切断した積層体の断面図である。図2及び図3で示された第1の実施の形態の配列溝5は、第2音響整合層8を貫く線32まで形成されている。ところで、図3及び図4で示された第2の実施の形態の配列溝5aは、第1音響整合層6aを貫く線34まで形成されている。第1の実施の形態の積層体と異なり、第3の実施の形態の積層体では、配列溝5と同様な深さをもつ溝であるメインダイス52と、配列溝5aと同様な深さをもつ溝であるサブダイス54とが周期的に混在して並んでいる。メインダイス52を(深)、サブダイス54を(浅)と略すと、(浅)(浅)(深)(浅)(浅)(深)(浅)(浅)の順に並んでおり、2つのサブダイス54がメインダイス52で孤立させられている。この結果、メインダイス52で分割された圧電素子4の部分はさらに2つのサブダイス54で3つの部分(例えば、部分55,56,57)に分割されている。一方、メインダイス52で分割された第1音響整合層6bの部分58にはサブダイス54が形成されているが、この部分58は分割されておらず、連続している。圧電素子4の部分55,56,57は第1音響整合層6bの部分58を介して互いに導通している。部分55,56,57と部分58とは1つの駆動単位を形成している。積層体はこのような駆動単位を複数有している。
【0058】
第1の実施の形態では分割された第1音響整合層6の全ての部分にフレキシブルプリント基板14を接着する必要がある。以上詳述した如く構成されている超音波探触子の第3の実施の形態においては、各駆動単位の一部にだけ接着するだけでよいので、導通不良に対する信頼性を高くすることができる。
【0059】
また、駆動単位を形成する圧電素子4の部分がサブダイス54でさらに小さく分割されているので、超音波探触子の特性を高くすることができる。
【0060】
本実施の形態では、2つのサブダイス54がメインダイス52で孤立させられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば1つのサブダイスがメインダイスで孤立させられてもよい。また、3以上のサブダイスが孤立させられてもよい。
【0061】
圧電素子4はメインダイス52が延びている方向と交差する方向に湾曲していてもよい。第2音響整合層8bが可撓性を持つことを利用して、第2音響整合層8bにおいてメインダイス52の近傍を変形させ、夫々の駆動単位を凸形状に配列させることにより、コンベックスアレイ探触子を形作ることができる。
【0062】
本実施の形態の超音波探触子は、基本的に上記第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例又は第2の例に従って製造できる。但し、第5工程(配列溝形成工程)では、メインダイス52、サブダイス54を形成するためには精密裁断器の刃33を夫々線32、線34に沿って移動させる。
【0063】
次に、第4の実施の形態を図1、図2及び図6を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第1の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態の超音波探触子を前面から見た構成は第1の実施の形態のそれと同じなので、図1を引き続き本実施の形態の超音波探触子の側面図として参照する。また、本実施の形態の積層体を図1のC1−C1線に沿って切断して見た構成は第1の実施の形態のそれと同じなので、図2を引き続き本実施の形態の積層体の断面図として参照する。尚、本実施の形態において、第1の実施の形態を説明するときに図1及び図2を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の構成が第1の実施の形態の構成と異なる点は、第1音響整合層及び第2音響整合層の構成であるので、図1及び図2においては、第1音響整合層、第2音響整合層、配列溝を夫々符号6,8,5の代わりに符号6c,8c,5cで指示している。図6は積層体の側面図である。図6では、図3と同様に、積層体の前面が紙面に向いており、図1とは上下が逆にされている。第1の実施の形態では配列溝5の底面は図3で示されているように、第2音響整合層8を貫く線32に沿っているが、本実施の形態では配列溝5cの底面は図6の線64に沿っている。即ち、配列溝5cの底面は、線32と同様に、第2音響整合層8cの一方の側面から第2音響整合層8c内部の点Bまで直線状に延び、点Bから上記一方の側面と反対側の第1音響整合層6cの側面まで延びている。このため、第1音響整合層6cに注目すると、配列溝5cの深さは前記第1音響整合層6cの側面の付近で第1音響整合層6cの厚さ未満である。配列溝5cの厚さはその他の部分では音響整合層6cの厚さに等しい。深さが第1音響整合層6cの厚さ未満であるような配列溝5cの部分の底面と、第2音響整合層8cとの間に位置している第1音響整合層6cの部分62を介して、第1音響整合層6cは連続している。圧電素子4は配列溝5cにより分割されている。圧電素子4の分割された部分の夫々は導電性の第1音響整合層6cの部分62を介して導通する。
【0065】
以上詳述した如く構成されている超音波探触子の第4の実施の形態においては、図4を用いて説明した第2の実施の形態と同様に、アース線として用いられているフレキシブルプリント基板14は第1音響整合層6cの少なくとも一部に接着されていればよいので、構成が単純で信頼性が高い超音波探触子を提供できる。
【0066】
本実施の形態の超音波探触子は、基本的に上記第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例又は第2の例に従って製造できる。但し、第5工程(配列溝形成工程)では、配列溝5cを形成するために、例えば図6の矢印の方向に点Aから線64に沿って精密裁断器の刃33の先端を移動させ、点Bで停止させ、点Bから遠ざけるように線64に垂直に移動させて取り除く。
【0067】
次に、超音波探触子の第5の実施の形態を図8を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第1の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態において、第1の実施の形態を説明するときに図1乃至図3を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第1の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
本実施の形態の構成が第1の実施の形態の構成と異なる点は、圧電素子と信号線とアース線の構成である。図8は超音波探触子を前面(図1で紙面に向いている面と同様な面)に平行な面で切断した超音波探触子の断面図である。第1音響整合層6の下面80(圧電素子4dと対向する面)は、圧電素子4dの上面(第1音響整合層6に対向する面)より大きい。圧電素子4dの上面は超音波を放射するための音響放射面となっている。第1音響整合層6の下面80は対向領域80として用いられている。対向領域80は圧電素子4dの音響放射面に接合されている接合領域82と、音響放射面に接合されていない領域84とからなる。領域84にはアース線として用いられている銅製のワイヤー14dが配線されている。領域84は配線領域84として用いられている。ワイヤー14dは導電性樹脂86を用いて配線領域84に接続されている。配線領域84はアース線14dとともに超音波探触子の側面に沿って超音波探触子の前面から後面(前面と反対側の面)まで延びており、配列溝5により分割された第1音響整合層6の部分の全てに接続されている。
【0069】
積層体をC8−C8線に沿って切断した断面は図2で示された第1の実施の形態の積層体の断面と実質的に同一である。圧電素子4dの下には略平板状のガラスエポキシ基板88が、配列溝5が延びている方向と直交する方向(図8の紙面に垂直な方向)に超音波探触子の前面から後面(前面と反対側の面)まで延びている。ガラスエポキシ樹脂88の両面には複数の導線が配線されている。ガラスエポキシ樹脂88の両面において圧電素子4dに近い部分にはこれらの導線に対応する電極が夫々長手方向に配列されている。これらの電極は夫々1つのワイヤー89を介して、分割された圧電素子4dの対応する部分の下面の電極に接続されている。ワイヤー89は圧電素子4dに半田を用いて接続されている。ガラスエポキシ樹脂88とワイヤー89とは信号線12dとして用いられている。ガラスエポキシ樹脂88の一部とワイヤー89とは背面負荷材2の中に配設されている。
【0070】
高周波の超音波を利用する場合、第1音響整合層6は薄くなる。従って、第1の実施の形態のように第1音響整合層6の側面にアース線を接続すると、第1音響整合層6がアース線に接する面積(接触面積)が小さくなるので、導通不良に対する信頼性を確保することが難しくなる。しかしながら、以上詳述した如く構成されている超音波探触子の第5の実施の形態においては、第1音響整合層6の下面(圧電素子4dと対向する面)の一部にアース線を接続することにより、接触面積が第1音響整合層6の厚さに影響されることがないので、利用する周波数に左右されずに導通不良に対する信頼性を安定して確保できる。
【0071】
本実施の形態の積層体の構成は図2で示された第1の実施の形態の積層体の構成と実質的に同一であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図4又は図5で示された第2又は第3の実施の形態の構成と実質的に同一であってもよい。また、図2及び図6で示された第4の実施の形態の構成と実質的に同一であってもよい。
【0072】
本実施の形態の超音波探触子の製造方法の例について説明する。本実施の形態の超音波探触子は、基本的に上記第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第1の例に従って製造できる。先ず、第1工程乃至第3工程(積層体形成工程)に従って積層体を形成する。このとき、第3工程では第1音響整合層6の下面よりも小さな音響放射面を有している圧電素子4dを用意する(図8)。圧電素子4dを第1音響整合層6に接着するときは、上記配線領域が形成されるように、第1音響整合層6に対して圧電素子4dを位置させる。次に、第5工程(配列溝形成工程)に従って配列溝5を形成する。この後、ワイヤー14dと信号線12dとを接続し、背面負荷材2と音響レンズ10とを形成する。
【0073】
高周波の超音波を利用する場合、上述した如く、第1の実施の形態のように第1音響整合層6の側面にアース線を接続すると、第1音響整合層6がアース線に接する面積(接触面積)が小さくなるので、アース線を第1音響整合層6に取り付けることが困難になる。一方、以上詳述した、第5の実施の形態の超音波探触子の製造方法の例においては、アース線は比較的大きい接触面積に取り付けられるので、作業性がよい。また、アース線を確実に取り付けることができるので、歩留まりが向上する。
【0074】
次に、超音波探触子の第6の実施の形態を図9を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第5の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態において、第5の実施の形態を説明するときに図8を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第5の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0075】
本実施の形態の構成が第5の実施の形態の構成と異なる点は、第1音響整合層の構成である。図9は超音波探触子を前面(図8で紙面に向いている面と同様な面)に平行な面で切断した超音波探触子の断面図である。第5の実施の形態の第1音響整合層6では、接合領域82と配線領域84とは同一の平面上に存在している。しかしながら、本実施の形態の第1音響整合層6eでは、配線領域84eは接合領域82に対して陥没している。このように構成しても第5の実施の形態の超音波探触子と同様の作用効果がある。
【0076】
本実施の形態の超音波探触子の製造方法の例について説明する。基本的に上記第1の実施の形態の超音波探触子の製造方法の第2の例に従って製造できる。先ず、図7に示されている親積層体を形成する。次に、陥没した配線領域84eを形成するために、親積層体の下面(圧電素子4Aにおいて第1音響整合層6Aと接する面と反対側の面)に、格子状の線70の縦線と横線のいずれか一方に沿って延びる溝(以下、配線溝)を形成する。配線溝の幅は配線領域84eの幅の2倍より大きい。配線溝は深さ方向に第1音響整合層6eの内部まで達している。次に、上記第2の例の親積層体を裁断する工程を行う。但し、配線溝に沿って裁断するとき、配線溝の幅方向の中心を通り、配線溝の長手方向に延びる中心線に沿って切断する。この後、第5の実施の形態の超音波探触子の製造方法の例と同様にして、信号線12dとワイヤー14dとを接続し、背面負荷材2と音響レンズ10とを形成する。
【0077】
第5の実施の形態の超音波探触子の製造方法において、圧電素子4dを第1音響整合層6に接着するとき、接着剤が配線領域84に付着することがある。このとき、導通不良に対する信頼性は低くなる。以上詳述した、第6の実施の形態の超音波探触子の製造方法の例においては、積層体を裁断する工程を行う前に配線溝を形成することにより、配線領域84e上の接着剤が取り除かれるので、迅速にかつ低コストで超音波探触子を製造することができるとともに、導通不良に対する信頼性をより高くすることができる。
【0078】
第4の実施の形態及び本実施の形態では、ガラスエポキシ樹脂88の両面から夫々延びている2列のワイヤー89を用いて信頼性向上を図っているが、一方の面から延びる1列のワイヤーを用いても同様な作用効果が得られることは言うまでもない。
【0079】
次に、超音波探触子の第7の実施の形態を図10を用いて説明する。本実施の形態の超音波探触子の構成は基本的に第5の実施の形態の超音波探触子の構成と同じである。本実施の形態において、第5の実施の形態を説明するときに図8を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第5の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0080】
本実施の形態の構成が第5の実施の形態の構成と異なる点は、音響整合層と信号線とアース線の構成である。図10の(A)は超音波探触子を前面(図1で紙面に向いている面と同様な面)に平行な面で切断した超音波探触子の断面図である。本実施の形態の第1音響整合層6fの接合領域82と、配線されている配線領域84f、84gとの間には夫々溝101が形成されている。図10の(B)では一方の配線領域84fと溝101とが拡大して示されている。配線領域84fは第1音響整合層6fの側面102(前面に隣接している側面)に接する部分に形成されている。配線領域84fは側面102に直交し、側面102と連続し、側面102に沿って延びている配線領域上面104と、配線領域上面104と連続し、側面102と平行に延びている配線領域側面105とで規定されている。
【0081】
超音波探触子の側面(前面と隣接する面)には略平板状のガラスエポキシ基板106がこの側面に沿って背面負荷材2から第1音響整合層6fに向かって延びている。ガラスエポキシ基板106の一端は配線領域84fに嵌合している。ガラスエポキシ基板106において、配線領域上面104に対向する部分107と、配線領域側面105に対向する部分108とには配線領域84fに沿って延びているアース電極が形成されている。即ち、第1音響整合層6fは配線領域84fにおいて2つの面でアース電極と接している。第1音響整合層6fとアース電極との接触面積が大きいので、導通不良に対する信頼性が高い。この電極には、ガラスエポキシ基板106の外側に向いた面に配線されており、アース線として用いられている1本の導線14fが接続されている。
【0082】
配線領域84g及びこれに接続されているガラスエポキシ基板106fの構成は夫々配線領域84f及びガラスエポキシ基板106の構成と実質的に同一である。前者と後者とで異なる点は、ガラスエポキシ基板106の部分108には電極が形成されているが、ガラスエポキシ基板106fにおいて部分108に対応する部分には電極が形成されていないことである。即ち、第1音響整合層6fは配線領域84gにおいて1つの面でアース電極と接している。
【0083】
ガラスエポキシ基板106,106fの内側に向いた面には夫々信号線として用いられている複数の導線12fが配線されている。これらの導線はワイヤー109を介して分割された圧電素子4dの対応する部分の下面の電極に半田を用いて夫々接続されている。
【0084】
図11の従来の超音波探触子のように、分割された第1音響整合層6fの複数の部分の内、互いに隣り合う2つの部分にアース線1114が架橋されていると、アース線1114を介してこれらの部分間に振動が伝搬するので、機械的なクロストークが生じることがある。これに対して、第7の実施の形態においては、溝101が形成されていることにより、振動がガラスエポキシ基板106,106fに伝わりにくくなるので、機械的なクロストークを防止することができる。
【0085】
また、本実施の形態では、信号線として用いられている導線12fはワイヤー109を介して半田を用いて圧電素子4dの下面の電極に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばワイヤーボンディングを用いてもよい。半田を用いた場合には夫々のワイヤー109で半田の量にばらつきが生じることがあるので、夫々のワイヤー109で負荷の差異が発生することがある。ワイヤーボンディングを用いれば、負荷の差異を小さくすることができるので、超音波探触子の特性を安定させることができる。また、ワイヤーと異なる導電体を介して半田を用いて接続してもよい。
【0086】
本実施の形態の超音波探触子の製造方法の例について説明する。本実施の形態の超音波探触子は、基本的に上記第5の実施の形態の超音波探触子の製造方法の例に従って製造できる。第5の実施の形態と同様にして、小さな圧電素子4dを有する積層体を形成する。次に、配列溝5と配線領域84f,84gと溝101を形成する。この後、ガラスエポキシ基板106,106fとワイヤー109とを取り付け、背面負荷材2と音響レンズ10とを形成する。
【0087】
本実施の形態では、アース線として用いられている導線14fが接続されているアース電極を音響整合層6fに導電性接着剤を用いて直接接着しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば信号線として用いられている導線12fと同様にワイヤーボンディングを用いてもよい。この場合、第1音響整合層6fのワイヤーボンディングされる部分にはスパッタ等により金もしくはアルミ等の金属が設けられる。ワイヤーボンディングを用いれば、導電性接着剤を使用する場合と比較してより製造に要する時間を短くできるので、ワイヤーボンディングは量産性に適している。
【0088】
尚、本実施の形態では第1音響整合層6f側の圧電素子4dの電極をアースとして利用したが、音響レンズ10や、第2音響整合層8等で十分な耐圧が確保される場合は、ガラスエポキシ基板106,106fのパターニングを変更し、信号線とアース線とを入れ替えても構わない。
【0089】
以上の実施の形態では、圧電素子に一般的な焼結により得られる圧電セラミックを用いているが、これの代わりに圧電単結晶を用いてもよい。
【0090】
また、以上の実施の形態では、特に分割された圧電素子の部分が一列に1次元的に配列された超音波探触子について詳細に説明したが、材料自体の超音波の減衰が小さく、最適な音響インピーダンスを持ち、加工性が良く薄板化が可能な炭化物を含んだ炭素複合材料は、配列溝により分割されていない圧電素子を用いている超音波探触子や、分割された圧電素子の部分が2次元的に配列された超音波探触子に適用できることは言うまでもない。
【0091】
本発明は、以下の各項に示す発明を開示している。
第1項.圧電素子と音響整合層とを有している超音波探触子において、前記音響整合層の少なくとも1つは炭化物を含有した炭素複合材料からなることを特徴とする超音波探触子。
第2項.前記炭化物は、SiC又はB4Cを含んでいることを特徴とする第1項に記載の超音波探触子。
第3項.前記炭素複合材料は、炭化物のセラミック微粉とホウ化物のセラミック微粉とを含んでいることを特徴とする第1項又は第2項に記載の超音波探触子。
第4項.前記炭素複合材料は、焼成体で形成されていることを特徴とする第1項乃至第3項に記載の超音波探触子。
第5項.前記圧電素子は音響放射面を有しており、前記炭素複合材料からなる前記音響整合層は、この音響放射面に対向し、この音響放射面より大きい対向領域を有しており、この対向領域は、前記圧電素子の音響放射面に接合されている接合領域と、前記圧電素子を配線する配線領域とを有していることを特徴とする第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の超音波探触子。
第6項.前記配線領域は、前記接合領域に対して陥没していることを特徴とする第5項に記載の超音波探触子。
第7項.前記対向領域において、前記接合領域と前記配線領域との間には溝が設けられていることを特徴とする第5項又は第6項に記載の超音波探触子。
第8項.前記炭素複合材料からなる前記音響整合層には、音響整合層の表面に沿って延びている、複数の配列された配列溝が形成されていることを特徴とする第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の超音波探触子。
第9項.前記配列溝の夫々の深さは、音響整合層が分割されるように、配列溝の全ての部分で音響整合層の厚さと等しいことを特徴とする第8項に記載の超音波探触子。
第10項.前記配列溝の夫々の深さは、配列溝の全ての部分で音響整合層の厚さ未満であることを特徴とする第8項に記載の超音波探触子。
第11項.前記配列溝の夫々の深さは、少なくとも配列溝の一部で音響整合層の厚さ未満であることを特徴とする第8項に記載の超音波探触子。
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、音響整合層に炭化物を含有した炭素複合材料を用いたことで、機械加工に耐えかつ実用的な音響整合層を得ることができるとともに、機械加工性が良いために、配列溝を形成するための裁断時の加工速度を向上させることができるので、設備費の圧縮、しいては超音波探触子のコストを抑制することができる。
【0093】
また、最適な音響インピーダンス(約7.5×106kg/m2s(7.5MRayl)〜約10×106kg/m2s(10MRayl))をもつ音響整合層を用意することができるので、高感度で信頼性が高くかつ安価な超音波探触子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1乃至第4の実施の形態の超音波探触子の側面図である。
【図2】図1のC1−C1線で切断した第1及び第4の実施の形態の超音波探触子の断面図である。
【図3】本発明における第1及び第2の実施の形態の超音波探触子の積層体の側面図であり、精密裁断器で加工する様子を示している。
【図4】第2の実施の形態の超音波探触子の断面図である。
【図5】第3の実施の形態の超音波探触子の断面図である。
【図6】本発明における第4の実施の形態の超音波探触子の積層体の側面図であり、精密裁断器で加工する様子を示している。
【図7】本発明における実施の形態の超音波探触子の製造方法に係わる親積層体の斜視図であり、裁断される部分が一点鎖線で示されている。
【図8】本発明における第5の実施の形態の超音波探触子の前面に平行に切断した断面図である。
【図9】本発明における第6の実施の形態の超音波探触子の前面に平行に切断した断面図である。
【図10】(A)は本発明における第7の実施の形態の超音波探触子の前面に平行に切断した断面図であり、(B)は(A)の超音波探触子の配線領域と溝とを拡大して示した図である。
【図11】(A)は従来の典型的な構成の超音波探触子の斜視図であり、(B)は(A)の超音波探触子の側面図であり、超音波探触子の一部が取り除かれて示されている。
【符号の説明】
2 背面負荷材
4 圧電素子
4a 圧電素子
4d 圧電素子
4A 圧電素子
5 配列溝
5a 配列溝
5c 配列溝
6 第1音響整合層
6a 第1音響整合層
6b 第1音響整合層
6c 第1音響整合層
6e 第1音響整合層
6f 第1音響整合層
6A 第1音響整合層
8 第2音響整合層
8a 第2音響整合層
8b 第2音響整合層
8c 第2音響整合層
8A 第2音響整合層
10 音響レンズ
12 フレキシブルプリント基板(信号線)
12d 信号線
12f 導線(信号線)
14 フレキシブルプリント基板(アース線)
14d ワイヤー(アース線)
14f 導線(アース線)
52 メインダイス
54 サブダイス
80 対向領域
82 接合領域
84 配線領域
84e 配線領域
84f 配線領域
84g 配線領域
101 溝
106 ガラスエポキシ基板(アース線、信号線)
106f ガラスエポキシ基板(アース線、信号線)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ultrasonic probe used for ultrasonic diagnosis for medical use or nondestructive inspection.
[0002]
[Prior art]
In recent years, ultrasonic probes that use ultrasound reflection to diagnose the interface of each tissue in a body cavity or to diagnose non-continuous parts such as scratches inside the object to be measured are used for nondestructive inspection. Improvement is progressing. A typical configuration of the ultrasonic probe is shown in "Revised Medical Ultrasound Equipment Handbook" (edited by the Japan Electronic Machinery Manufacturers Association, Corona, 1997.1.20, pages 68-74). . FIG. 11A is a perspective view of this ultrasonic probe. FIG. 11B is a view of the ultrasonic probe as viewed from the side. In FIG. 11A, a part of the ultrasonic probe is removed and shown. In FIGS. 11A and 11B, hatching is applied to clarify the identification of individual members. The ultrasonic probe includes a
[0003]
The operation of the ultrasonic probe will be described. When the
[0004]
In general, when a piezoelectric element made of piezoelectric ceramic is brought into direct contact with a living body and ultrasonic waves are propagated from the piezoelectric element to the living body, part of the ultrasonic wave is transmitted but most of it is reflected. When an acoustic matching layer having an appropriate acoustic impedance is provided between the piezoelectric element and the living body, the amount of ultrasonic waves that are transmitted increases compared to the case where the acoustic matching layer is not provided. By utilizing this, the ultrasonic pulse is efficiently transmitted from the piezoelectric element to the subject.
[0005]
The
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-139998 has a back load material, a piezoelectric element, an acoustic matching layer made of carbon as a conductive material, and an acoustic lens, and is similar to the ultrasonic probe of FIG. An ultrasonic probe in which these are laminated in this order is disclosed. The acoustic matching layer is bonded to an electrode formed on the upper surface of the piezoelectric element while ensuring conductivity. The acoustic matching layer also serves as an electrode for grounding.
[0007]
Japanese Patent Publication No. 1-61062 has a back load material, a piezoelectric element, and an acoustic matching layer made of a conductive resin as a conductive material, and these are laminated in this order. A probe is disclosed. The conductive resin is formed by mixing metal powder as a filler (filler) into a resin material that is a substrate (matrix). As in JP-A-9-139998, the acoustic matching layer is used as an electrode for grounding.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the ultrasonic probe disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-139998 using carbon for the acoustic matching layer, the acoustic matching layer has conductivity and good machinability, but the thickness of the acoustic matching layer is small. In the case of 1 / 4λ typically used, the mechanical strength is low, and cracks and chipping occur during processing to make a thin plate. Further, when the acoustic matching layer is formed of carbon alone, when the ultrasonic probe is used for a human body, the acoustic impedance of the acoustic matching layer deviates from an optimum value. As a result, since ultrasonic waves are not transmitted efficiently, sensitivity decreases and image accuracy deteriorates.
[0009]
Moreover, in the ultrasonic probe of Japanese Patent Publication No. 1-61062 using a conductive resin for the acoustic matching layer, conductivity can be obtained by appropriately selecting a filler material and a resin material as a matrix. Not only changes over time, but also disinfection and sterilization solutions enter the resin during processes such as sterilization and sterilization, and the conductivity deteriorates due to deterioration, swelling, and oxidation of the metal filler metal. Becomes larger. For this reason, a decrease in S / N ratio, poor conduction, and image quality degradation occur. In addition, since the conductive resin is a material having a large ultrasonic attenuation rate, transmission / reception sensitivity and image quality are deteriorated.
[0010]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an ultrasonic probe having an acoustic matching layer that is conductive, has little chipping during processing, is easy to process, and has an optimal acoustic impedance. It is to be.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an ultrasonic probe according to claim 1 of the present invention is an ultrasonic probe having a piezoelectric element and an acoustic matching layer, wherein at least one of the acoustic matching layers is provided. IsWith carboncarbideWhenIt is characterized by comprising a carbon composite material containing.
[0012]
The carbon composite material is easy to process because there is little occurrence of chipping during processing. Further, when a carbon composite is formed by mixing carbide with carbon, the acoustic impedance of the carbon composite material can be changed by changing the mixing ratio of the carbide. By using such a material for the acoustic matching layer, the ultrasonic wave is provided with an acoustic matching layer that has conductivity, is less prone to chipping during processing, is easy to process, and has an optimal acoustic impedance. A probe can be provided.
[0013]
In the ultrasonic probe according to
The ultrasonic probe according to claim 3 of the present invention is characterized in that the carbon composite material includes carbide ceramic fine powder and boride ceramic fine powder.
In the ultrasonic probe according to
Claims of the invention5In the ultrasonic probe according to claim 1, the piezoelectric element has an acoustic radiation surface, and the acoustic matching layer made of the carbon composite material faces the acoustic radiation surface and faces larger than the acoustic radiation surface. The counter area has a bonding area bonded to the acoustic radiation surface of the piezoelectric element and a wiring area for wiring the piezoelectric element.
[0014]
When wiring to the acoustic matching layer, it is conceivable to wire the side surface of the acoustic matching layer, but the area of the side surface of the acoustic matching layer is usually small. Claims of the invention5In the ultrasonic probe according to the above, the wiring area can be increased by providing the wiring area in the area facing the acoustic matching layer.
[0015]
Claims of the invention6In the ultrasonic probe according to the present invention, the acoustic matching layer made of the carbon composite material is formed with a plurality of arrayed grooves extending along the surface of the acoustic matching layer. The depth of the groove is equal to the thickness of the acoustic matching layer in all parts of the array groove so that the acoustic matching layer is divided, or less than the thickness of the acoustic matching layer in all parts of the array groove, or It is characterized in that at least a part of the array groove is less than the thickness of the acoustic matching layer.
[0016]
When the depth of the alignment groove is equal to the thickness of the acoustic matching layer, the acoustic matching layer is divided by the alignment groove. On the other hand, if the thickness is less than the thickness, the acoustic matching layer is not divided. Therefore, if wiring is performed on a part of the acoustic matching layer having conductivity, the acoustic matching layer is electrically connected to all parts.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
With reference to FIG. 1 thru | or FIG. 10, the ultrasonic probe concerning embodiment of this invention is demonstrated.
[0018]
First, an ultrasonic probe according to a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is a side view of an ultrasonic probe. In FIG. 1, hatching is performed to clarify the identification of individual members. The ultrasonic probe has a
[0019]
2 is a cross-sectional view of the laminate cut along the line C1-C1 in FIG. 1, and FIG. 3 is a side view of the laminate. In FIG. 3, the front surface of the laminate (the surface facing the paper surface in FIG. 1) faces the paper surface, and is upside down from FIG. The lower surface of the laminate is the lower surface of the
[0020]
As shown in FIG. 3, the array groove 5 is formed between the lower surface of the piezoelectric element 4 (the surface in contact with the back load material 2) and the
[0021]
In the
[0022]
In the ultrasonic probe, a substantially flat flexible printed
[0023]
The material forming the first
[0024]
The intensity | strength of the 1st
[0025]
As described above, the carbon composite material is relatively easy to process because there is little cracking during the processing. In particular, when using high frequency ultrasonic waves of 10 MHz or more, it is necessary to process the acoustic matching layer to a thickness of 100 μm or less, and such thin object processing can be easily performed.
[0026]
Carbon composite material is composed of carbon with SiC having an average particle size of 0.5 μm and B having an average particle size of 5 μm.4It is formed by blending with C. SiC and B4The weight ratios of C are 6 wt% (weight percentage) and 9 wt%, respectively. In addition to these, 4 wt% zirconium boride is blended in the carbon. The acoustic impedance is about 8.5 × 106kg / m2s (8.5 MRayl). Since the carbon composite material contains ceramic fine powder having a density higher than that of carbon, the carbon composite material has a density higher than that of carbon alone. For this reason, the acoustic impedance of the carbon composite material is larger than that of carbon alone. The acoustic impedance changes when the compounding ratio (namely, weight ratio) of the carbide compounded in the carbon composite material is changed or the average particle diameter is changed. Typically about 7.5 × 106kg / m2s (7.5 MRayl) to about 10 × 106kg / m2An acoustic impedance of s (10 MRayl) can be obtained. By utilizing this, it is possible to prepare an acoustic matching layer having an optimal acoustic impedance for efficiently transmitting ultrasonic waves.
[0027]
By the way, even in a resin formed by mixing a filler in a resin material, the acoustic impedance changes when the mixed filler is changed. However, since such a resin has a large ultrasonic attenuation rate, if an acoustic matching layer made of such a resin is used, ultrasonic waves are not efficiently transmitted. In particular, a conductive resin as disclosed in Japanese Patent Publication No. 1-61062 has a larger attenuation factor by including a filler having a unique shape in order to ensure conductivity. The drawback is more pronounced. Compared to such a resin, the carbon composite material has a relatively small ultrasonic attenuation rate, so that ultrasonic waves are transmitted relatively efficiently. As described above, when an acoustic matching layer made of a carbon composite material is used, a drive signal having a greater intensity can be guided to an object, and a received signal having a greater intensity can be incident on the piezoelectric element. Therefore, the sensitivity of the ultrasonic probe can be improved.
[0028]
In the present embodiment, SiC and B are used as carbon.4C and zirconium boride are blended to form a carbon composite material, but instead of blending these with carbon, aluminum carbide Al4C3A carbon composite material containing a carbide such as tungsten boride WB can obtain the same effects as the carbon composite material of the present embodiment. SiC, B4C, zirconium boride, Al4C3Even when at least one of WB and WB is blended, the same effect as the carbon composite material of the present embodiment can be obtained.
[0029]
In the ultrasonic probe according to the first embodiment of the present invention configured as described above in detail, SiC and B4Since the acoustic impedance of the carbon composite material can be changed by changing the compounding ratio of C, it is possible to provide an ultrasonic probe including an acoustic matching layer having an optimal acoustic impedance.
[0030]
By the way, unlike the present embodiment, in the ultrasonic probe in which the first
[0031]
In the conventional ultrasonic probe shown in FIG. 11, the
[0032]
In the conventional ultrasonic probe shown in FIG. 11, a
[0033]
In addition, in the conventional ultrasonic probe using a conductive resin for the acoustic matching layer as in Japanese Patent Publication No. 1-61062, due to the change of the resin over time, the deterioration of the resin during the disinfection process and the sterilization process, etc. Since the conductivity deteriorates, the sensitivity is lowered and poor conduction occurs. On the other hand, in the present embodiment, since a carbon composite material is used for the acoustic matching layer, this does not occur. In particular, if polyimide or the like having high chemical resistance is used for the second
[0034]
Naturally, each configuration of the present embodiment can be variously modified and changed. When 5 MHz ultrasonic waves are used, the thickness of the first
[0035]
In the present embodiment, the flexible printed
[0036]
In the present embodiment, the flexible printed
[0037]
The
[0038]
Next, a first example of the ultrasonic probe manufacturing method according to the first embodiment will be described. First, the first step will be described. A carbon composite material containing a predetermined carbide is prepared, and the carbon composite material is ground to form a substantially flat first
[0039]
The second step (second acoustic matching layer forming step) will be described. A frame is attached to cover the side surface of the first
[0040]
The third step (laminated body forming step) will be described. A
[0041]
The fourth step (signal line connecting step) will be described. A flexible printed
[0042]
The fifth step (arrangement groove forming step) will be described with reference to FIG. The
[0043]
The sixth step will be described. Similarly to the second step, the
[0044]
In the first example of the ultrasonic probe manufacturing method according to the first embodiment described in detail above, the generation of cracks is small during processing, and the first
[0045]
In the first example of the manufacturing method, the first
[0046]
Further, the content of the ceramic fine powder including the carbide in the carbon composite material used as the acoustic matching layer of the present invention is preferably 10 to 50 wt%. If mixed with 50wt% or more, conductivity deteriorates and SiC and B4The carbide mixed to suppress microcracks such as C has a high hardness, shortens the life of the polishing jig during processing, and consequently makes it difficult to reduce the cost of the probe. Moreover, if it is 10 wt% or less, the effect of suppressing microcracks will be reduced. Note that the carbon composite material is preferably fired and hardened.
[0047]
Moreover, in order to manufacture a convex array probe, the laminate may be curved into a convex shape. The second
[0048]
Next, a second example of the method for manufacturing the ultrasonic probe according to the first embodiment will be described. The first example and this example are basically the same. The difference between the first example and this example is that a step of cutting the laminate is provided between the third step (laminated body forming step) and the fourth step (signal line connecting step) of the first example. It is that. FIG. 7 shows a grid-
[0049]
In the first example, the side surface of the laminate formed before the third step (laminate formation step) is the epoxy resin leaked from the frame in the second step (second acoustic matching layer formation step), or the third It may become dirty with the adhesive used in the process (laminated body forming process). However, in this example, the portion that was in contact with the side surface of the parent laminate is removed after cutting, so the side surface of the child laminate is not soiled. Therefore, in the sixth step, the flexible printed
[0050]
Further, the time spent to form the four stacked bodies according to this example is about ¼ of the time spent to form the four stacked bodies according to the first example. If this example is followed, an ultrasonic probe can be manufactured quickly and at low cost.
[0051]
In the present embodiment, the stacked body is cut along a lattice-
[0052]
Next, a second embodiment of the ultrasonic probe will be described with reference to FIGS. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the first embodiment. Since the configuration of the ultrasonic probe of this embodiment viewed from the front is the same as that of the first embodiment, FIG. 1 is a side view of the ultrasonic probe of this embodiment, and FIG. Continuing to refer to the side view of the laminate of the embodiment. In the present embodiment, the structural members that are substantially the same as the structural members described with reference to FIGS. 1 and 3 when the first embodiment is described correspond to the first embodiment. The same reference numerals as those used for designating the constituent members to be used are attached and detailed description thereof is omitted.
[0053]
Since the configuration of the present embodiment is different from the configuration of the first embodiment in the configuration of the first acoustic matching layer and the second acoustic matching layer, the first acoustic matching layer is shown in FIGS. Is indicated by reference numeral 6 a instead of
[0054]
In the second embodiment of the ultrasonic probe configured as described in detail above, the first acoustic matching layer 6a is not divided by the
[0055]
The ultrasonic probe of the present embodiment can be basically manufactured according to the first example or the second example of the method of manufacturing the ultrasonic probe of the first embodiment. However, in the fifth step (array groove forming step), the
[0056]
Next, a third embodiment will be described with reference to FIGS. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the first embodiment. Since the configuration of the ultrasonic probe of this embodiment viewed from the front is the same as that of the first embodiment, FIG. 1 will be continuously referred to as a side view of the ultrasonic probe of this embodiment. In the present embodiment, the structural members that are substantially the same as the structural members described with reference to FIG. 1 when describing the first embodiment are the corresponding structural members of the first embodiment. The same reference numerals as those instructing are used, and detailed description thereof is omitted.
[0057]
Since the configuration of the present embodiment is different from the configuration of the first embodiment in the configuration of the first acoustic matching layer and the second acoustic matching layer, in FIG. The second acoustic matching layer is indicated by the
[0058]
In the first embodiment, it is necessary to adhere the flexible printed
[0059]
Further, since the portion of the
[0060]
In the present embodiment, the two
[0061]
The
[0062]
The ultrasonic probe of the present embodiment can be basically manufactured according to the first example or the second example of the method of manufacturing the ultrasonic probe of the first embodiment. However, in the fifth step (arrangement groove forming step), in order to form the
[0063]
Next, a fourth embodiment will be described with reference to FIGS. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the first embodiment. Since the configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment viewed from the front is the same as that of the first embodiment, FIG. 1 will be continuously referred to as a side view of the ultrasonic probe of the present embodiment. Moreover, since the structure which cut | disconnected and looked at the laminated body of this Embodiment along the C1-C1 line | wire of FIG. 1 is the same as that of 1st Embodiment, it continues FIG. 2 of the laminated body of this Embodiment. Reference as a cross-sectional view. In the present embodiment, the structural members that are substantially the same as the structural members described with reference to FIGS. 1 and 2 when the first embodiment is described correspond to the first embodiment. The same reference numerals as those used for designating the constituent members to be used are attached and detailed description thereof is omitted.
[0064]
Since the configuration of the present embodiment is different from the configuration of the first embodiment in the configuration of the first acoustic matching layer and the second acoustic matching layer, the first acoustic matching layer is shown in FIGS. The second acoustic matching layer and the array groove are indicated by
[0065]
In the fourth embodiment of the ultrasonic probe configured as described above in detail, as in the second embodiment described with reference to FIG. Since the
[0066]
The ultrasonic probe of the present embodiment can be basically manufactured according to the first example or the second example of the method of manufacturing the ultrasonic probe of the first embodiment. However, in the fifth step (array groove forming step), in order to form the array groove 5c, for example, the tip of the
[0067]
Next, a fifth embodiment of the ultrasonic probe will be described with reference to FIG. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the first embodiment. In the present embodiment, the structural members that are substantially the same as the structural members described with reference to FIGS. 1 to 3 when describing the first embodiment are the corresponding configurations of the first embodiment. The same reference numerals as those used to designate the members are attached, and detailed description thereof is omitted.
[0068]
The configuration of the present embodiment is different from the configuration of the first embodiment in the configuration of the piezoelectric element, the signal line, and the ground wire. FIG. 8 is a cross-sectional view of the ultrasonic probe obtained by cutting the ultrasonic probe along a plane parallel to the front surface (the same surface as the surface facing the paper in FIG. 1). The lower surface 80 (surface facing the
[0069]
The cross section of the laminate taken along line C8-C8 is substantially the same as the cross section of the laminate of the first embodiment shown in FIG. Under the
[0070]
When using high frequency ultrasonic waves, the first
[0071]
The configuration of the laminate of this embodiment is substantially the same as the configuration of the laminate of the first embodiment shown in FIG. 2, but the present invention is not limited to this. For example, it may be substantially the same as the configuration of the second or third embodiment shown in FIG. 4 or FIG. Further, it may be substantially the same as the configuration of the fourth embodiment shown in FIGS.
[0072]
An example of a method for manufacturing the ultrasonic probe of the present embodiment will be described. The ultrasonic probe of the present embodiment can be manufactured basically according to the first example of the method of manufacturing the ultrasonic probe of the first embodiment. First, a laminated body is formed according to the 1st process thru / or the 3rd process (laminated body formation process). At this time, in the third step, a
[0073]
When using high-frequency ultrasonic waves, as described above, when the ground wire is connected to the side surface of the first
[0074]
Next, a sixth embodiment of the ultrasonic probe will be described with reference to FIG. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the fifth embodiment. In the present embodiment, substantially the same components as those described with reference to FIG. 8 when describing the fifth embodiment indicate the corresponding components of the fifth embodiment. The same reference numerals as those used are attached and detailed description is omitted.
[0075]
The configuration of the present embodiment is different from the configuration of the fifth embodiment in the configuration of the first acoustic matching layer. FIG. 9 is a cross-sectional view of the ultrasonic probe obtained by cutting the ultrasonic probe along a plane parallel to the front surface (the same surface as the surface facing the paper in FIG. 8). In the first
[0076]
An example of a method for manufacturing the ultrasonic probe of the present embodiment will be described. Basically, the ultrasonic probe can be manufactured according to the second example of the manufacturing method of the ultrasonic probe of the first embodiment. First, the parent laminate shown in FIG. 7 is formed. Next, in order to form the
[0077]
In the ultrasonic probe manufacturing method according to the fifth embodiment, when the
[0078]
In the fourth embodiment and the present embodiment, two rows of
[0079]
Next, a seventh embodiment of the ultrasonic probe will be described with reference to FIG. The configuration of the ultrasonic probe of the present embodiment is basically the same as the configuration of the ultrasonic probe of the fifth embodiment. In the present embodiment, substantially the same components as those described with reference to FIG. 8 when describing the fifth embodiment indicate the corresponding components of the fifth embodiment. The same reference numerals as those used are attached and detailed description is omitted.
[0080]
The configuration of the present embodiment is different from the configuration of the fifth embodiment in the configuration of an acoustic matching layer, a signal line, and a ground line. FIG. 10A is a cross-sectional view of the ultrasonic probe obtained by cutting the ultrasonic probe along a plane parallel to the front surface (the same surface as the surface facing the paper in FIG. 1).
[0081]
On the side surface (surface adjacent to the front surface) of the ultrasonic probe, a substantially flat
[0082]
The configurations of the
[0083]
A plurality of conducting
[0084]
When the
[0085]
In the present embodiment, the
[0086]
An example of a method for manufacturing the ultrasonic probe of the present embodiment will be described. The ultrasonic probe of the present embodiment can be manufactured basically in accordance with the example of the method of manufacturing the ultrasonic probe of the fifth embodiment. Similar to the fifth embodiment, a laminated body having small
[0087]
In the present embodiment, the ground electrode to which the
[0088]
In the present embodiment, the electrode of the
[0089]
In the above embodiment, a piezoelectric ceramic obtained by general sintering is used for the piezoelectric element, but a piezoelectric single crystal may be used instead.
[0090]
Further, in the above-described embodiment, the ultrasonic probe in which the divided piezoelectric element portions are arranged one-dimensionally in a row has been described in detail. However, the attenuation of the ultrasonic wave of the material itself is small and optimal. Carbon composites with carbides that have excellent acoustic impedance, good workability, and can be thinned are used for ultrasonic probes that use piezoelectric elements that are not divided by array grooves, or for divided piezoelectric elements. It goes without saying that the present invention can be applied to an ultrasonic probe in which the portions are two-dimensionally arranged.
[0091]
The present invention discloses the invention shown in the following items.
Item 1. An ultrasonic probe having a piezoelectric element and an acoustic matching layer, wherein at least one of the acoustic matching layers is made of a carbon composite material containing carbide.
Section 3. The ultrasonic probe according to
Item 5. The piezoelectric element has an acoustic radiation surface, and the acoustic matching layer made of the carbon composite material is opposed to the acoustic radiation surface and has a facing region larger than the acoustic radiation surface. The method according to any one of Items 1 to 4, further comprising: a bonding region bonded to an acoustic radiation surface of the piezoelectric element; and a wiring region for wiring the piezoelectric element. The described ultrasonic probe.
Item 7. The ultrasonic probe according to
Item 9. 9. The ultrasonic probe according to
Item 11. 9. The ultrasonic probe according to
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and it is needless to say that various modifications and applications can be made without departing from the spirit of the invention.
[0092]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, by using a carbon composite material containing carbide in the acoustic matching layer, it is possible to obtain a practical acoustic matching layer that can withstand machining and is machined. Since the processability is good, the processing speed at the time of cutting for forming the array groove can be improved, so that the equipment cost can be reduced and the cost of the ultrasonic probe can be suppressed.
[0093]
In addition, the optimum acoustic impedance (about 7.5 × 106kg / m2s (7.5 MRayl) to about 10 × 106kg / m2Since an acoustic matching layer having s (10 MRayl) can be prepared, a highly sensitive, reliable, and inexpensive ultrasonic probe can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view of an ultrasonic probe according to first to fourth embodiments of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the ultrasonic probe of the first and fourth embodiments cut along line C1-C1 in FIG.
FIG. 3 is a side view of a laminated body of ultrasonic probes according to the first and second embodiments of the present invention, and shows a state of processing with a precision cutter.
FIG. 4 is a cross-sectional view of an ultrasonic probe according to a second embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view of an ultrasonic probe according to a third embodiment.
FIG. 6 is a side view of a laminated body of an ultrasonic probe according to a fourth embodiment of the present invention, showing a state of processing with a precision cutter.
FIG. 7 is a perspective view of a parent laminated body according to an ultrasonic probe manufacturing method of an embodiment of the present invention, and a portion to be cut is indicated by a one-dot chain line.
FIG. 8 is a cross-sectional view taken in parallel with the front surface of an ultrasonic probe according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a cross-sectional view taken in parallel with the front surface of an ultrasonic probe according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 10A is a cross-sectional view taken in parallel with the front surface of an ultrasonic probe according to a seventh embodiment of the present invention, and FIG. 10B is a wiring diagram of the ultrasonic probe of FIG. It is the figure which expanded and showed the area | region and the groove | channel.
11A is a perspective view of an ultrasonic probe having a typical conventional configuration, and FIG. 11B is a side view of the ultrasonic probe of FIG. Part of is shown removed.
[Explanation of symbols]
2 Back load material
4 Piezoelectric elements
4a Piezoelectric element
4d piezoelectric element
4A Piezoelectric element
5 Array groove
5a Array groove
5c Array groove
6 First acoustic matching layer
6a First acoustic matching layer
6b First acoustic matching layer
6c 1st acoustic matching layer
6e First acoustic matching layer
6f 1st acoustic matching layer
6A First acoustic matching layer
8 Second acoustic matching layer
8a Second acoustic matching layer
8b Second acoustic matching layer
8c Second acoustic matching layer
8A Second acoustic matching layer
10 Acoustic lens
12 Flexible printed circuit boards (signal lines)
12d signal line
12f Lead wire (signal wire)
14 Flexible printed circuit board (ground wire)
14d wire (ground wire)
14f Conductor (ground wire)
52 Main Dice
54 Sub Dice
80 opposite area
82 Bonding area
84 Wiring area
84e Wiring area
84f Wiring area
84g Wiring area
101 groove
106 Glass epoxy board (ground wire, signal wire)
106f Glass epoxy board (ground wire, signal wire)
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