JP4467497B2 - 搾乳器 - Google Patents

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Description

本発明は、乳房から母乳を搾乳する乳幼児による舌運動を再現するために、段階的に舌(押圧部)の高さ方向の変位位置である高まりを移動させることで搾乳を行う搾乳器に関する。
母乳を人工的に搾乳するための従来の搾乳器では、搾乳器内に陰圧を発生させて、圧力差によって搾乳を行っている。
しかしながら、乳幼児による実際の授乳においては、母乳の射乳は、乳房に対して乳幼児の舌により付与される圧力による影響が大きい。
このため、例えば、乳房を円錐状の乳房覆い内に収容し、負圧を形成する際に、該負圧を作用させるだけでなく、円錐状の乳房覆いの内側周縁部の可撓性円錐形部分を押し当てて、乳房を押圧するようにした搾乳器の提案がある(たとえば特許文献1)。
特表2003−521958号公報(第11頁ないし第12頁、図1ないし図4)
ところが、実際の授乳時における母乳の射乳は、乳幼児により、乳輪部とその近傍に対して圧力が加えられることによる影響が大きい。
このため、母乳の搾乳を行う場合において、このような実際の授乳において乳幼児が母親の乳房に与える押圧刺激と同じか、これに近似した押圧刺激を適切に行える搾乳器の出現が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、授乳時に母親の乳房等に対して乳幼児によって与えられる押圧刺激とほぼ同等程度に乳幼児の舌による押圧刺激の影響を再現して、適切に搾乳することができる搾乳器を提供することを目的としている。
上述の目的は、本発明にあっては、乳房を収容可能な搾乳開口と、前記乳房から搾乳された母乳を収容可能な収容部と、前記乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する搾乳部とを有する搾乳器であって、前記搾乳部の前記舌部を高さ方向に沿って部分的に変位させる変形手段を備え、該変形手段は、前記舌部の前記部分的変位を前記搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させる構成とされ、さらに、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力を吸収する吸収手段を備え、かつ、前記変形手段が前記搾乳開口側から奥側にかけて、複数に区画された部分を有し、該区画部分によって、それぞれ独立した動きで前記舌部の高さを変動すると共に、前記区画された部分ごとに前記押圧力の吸収手段を配置した搾乳器により、達成される。
上記構成によれば、搾乳開口は乳房を収容可能である。収容部は、乳房から搾乳された母乳を収容可能である。搾乳部は、乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する。そして、前記変形部は、前記舌部の高さを部分的に変更する。すなわち、舌部はその上面が盛り上がることで、「高まり」を作り、該変形手段は、搾乳部の舌部の高まりを形成して、該高まりを搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させるようになっている。
すなわち、上述したように、本来乳首からの母乳の射乳においては、乳輪近傍への乳幼児の舌による押圧刺激の影響が大きく、本発明では、その刺激を適切な位置で適切な高さやサイクルで与えられるように運動量を付与することができる。
特に、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力を吸収する吸収手段を該吸収手段が複数に区画されたその区画毎に備えているので、舌部が母親の乳房の刺激箇所を必要以上に刺激して、不快感や損傷を与えることがない。
かくして、本発明によれば、授乳時に母親の乳房等に対して乳幼児によって与えられる押圧刺激とほぼ同等程度に乳幼児の舌による押圧刺激の影響を再現して、適切に搾乳することができる搾乳器を提供することができる。
しかも、変形手段は、搾乳開口から奥側にかけて複数の区画されたものであり、それぞれ区画された部分は独立した動きで舌部の高さを連続的に変動する構成である。このため、この変形手段では、搾乳部の舌部の高まりが搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動可能とするのに特に適した構造となっている。
また、上述の目的は、発明にあっては、乳房を収容可能な搾乳開口と、前記乳房から搾乳された母乳を収容可能な収容部と、前記乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する搾乳部とを有する搾乳器であって、前記搾乳部の前記舌部を高さ方向に沿って部分的に変位させる変形手段を備え、該変形手段は、前記舌部の前記部分的変位を前記搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させる構成とされ、さらに、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力の検出する検出手段を有し、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記変形手段の前記舌部に対する当接圧力を変更する構成とした搾乳器により、達成される。
上記構成によれば、搾乳開口は乳房を収容可能である。収容部は、乳房から搾乳された母乳を収容可能である。搾乳部は、乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する。そして、前記変形部は、前記舌部の高さを部分的に変更する。すなわち、舌部はその上面が盛り上がることで、「高まり」を作り、該変形手段は、搾乳部の舌部の高まりを形成して、該高まりを搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させるようになっている。
すなわち、上述したように、本来乳首からの母乳の射乳においては、乳輪近傍への乳幼児の舌による押圧刺激の影響が大きく、本発明では、その刺激を適切な位置で適切な高さやサイクルで与えられるように運動量を付与することができる。
特に、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力の検出する検出手段を有し、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記変形手段の前記舌部に対する当接圧力を変更する構成であるから、押圧力に基づいて、きめこまかな当接圧力の調整が可能となり、この点においても、舌部が母親の乳房の刺激箇所を必要以上に刺激して、不快感や損傷を与えることがない。
以上説明したように、本発明によれば、授乳時に母親の乳房等に対して乳幼児によって与えられる押圧刺激とほぼ同等程度に乳幼児の舌による押圧刺激の影響を再現して、適切に搾乳することができる搾乳器を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、本発明の搾乳器の好ましい実施形態を示す図である。
図1は搾乳器10の全体を示していて、この搾乳器10は、搾乳装置とも呼ぶことができる。搾乳器10の特徴は、本発明者による哺乳研究成果を反映して、乳幼児が実際に母乳を哺乳する時の乳幼児の舌運動を再現するために、舌(押圧部)の部分的な高まりを生じさせる箇所を連続的に帰ることで、該高まりを移動させるものである。
そしてこの搾乳器10は、乳幼児の哺乳時における舌の高まりの移動運動に関する観察結果に基づいて、その舌の変位する数値に対応した蠕動様運動を再現できる。
図1に示すように搾乳器10は、搾乳部20と、母乳の収容部21と、搾乳開口23と、陰圧付与手段24と、ベース25と、本体26を有している。
図1のベース25は、床Fに対してたとえば複数のローラ27とストッパ28により支持することができる。このベース25は、ローラ27を用いることにより床Fに沿って移動して、そしてストッパ28を用いて床Fに固定することができる。
ベース25の上面には、搾乳部20と本体26が支持されている。ベース25の中には母乳の収容部21が収容されている。陰圧付与手段24は、搾乳部20と収容部21の間に配置されている。搾乳開口23は、搾乳時に乳房300を収容可能な部分である。この搾乳開口23は搾乳部20に対応して設けられている。
搾乳部20は、後で詳しく説明するが、乳房300の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有していて、乳頭から母乳を搾乳するための部分である。母乳の収容部21は、搾乳部20により搾乳された母乳を吸引チューブ24Aを通じて導いて収容するためのものである。陰圧付与手段24は、搾乳部20の動きと連動して、搾乳を補助するために搾乳部20内を陰圧空間とする手段である。
図2は、図1に示す搾乳部20と本体26をA1方向から見た側面図である。図4は、搾乳部20と本体26を図1のA2方向から見た側面図である。図5は、搾乳部20と本体26を、図1のA3方向から見た平面図である。
図2においては、搾乳部20と本体26を示しているが、本体26は、ケース29を有している。このケース29の中には、後で説明する変形手段30が収容されている。本体26に隣接して搾乳部20が配置されている。
図4に示すように、本体26のケース29の中にはたとえば7つのモータM2ないしM8が中心軸CLを中心として、例えば30度ごとの角度をもって並べて配列されている。本体26のケース29は、サポート31に対して軸32Aを介して中心軸CL1を中心として角度が変更できるようになっている。サポート31は、ベース25に対して固定されており、サポート31は垂直Z方向に沿って設けられている。これにより、ケース29とともに搾乳部20の角度は、中心軸CL1を中心に変更できるので、図1示すように搾乳開口23に乳房300を収容する際の搾乳部20の角度を適切にすることができる。
図2のケース29内には、7つのローラR2ないしR8と7つのモータM2ないしM8が収容されている。これらのローラR2ないしR8は、図4のモータM2ないしM8の出力軸に対して固定されている。ここでは、各ローラR2ないしR8とモータM2ないしM8は、中心軸CLを中心として角度30度ごとに円周方向に沿って配列されている。
図5に示す平面図では、モータM5とローラR5が代表的に示されている。ケース29には搾乳部20がその位置関係を調整可能な状態とされて取り付けられている。
図6は、搾乳部20の構造モデルを示している。搾乳部20は、上顎部50と下顎部51そして舌部材60を有している。この搾乳部20はさらに変形手段30を備えている。
上顎部50と下顎部51は、乳幼児Bの上顎と下顎をそれぞれモデル化した部材である。上顎部50と下顎部51は、互いに、もしくは一方が他方に対して相対的に、支点部53を中心に回動できるようになっている。
例えば、この実施形態では、上顎モータ114が作動することにより、上顎部50は支点部53を中心としてE1方向に移動できる。同様にして下顎部51は、下顎モータ115を作動することにより支点部53を中心としてE2の方向に移動できる。
図6に示す上顎部50は、乳房300の乳輪301や乳頭400の上面側と接するための部分である。上顎部50は、開口部側50Aよりも奥側のほうが窪んだ形状部分となっている。このように窪んだ形状部分が形成されているのは、乳幼児が乳頭400先端を配置するための哺乳窩に対応しており、乳幼児の口腔内に近い形に乳房を変形させるために形成されている。また、上顎部50の哺乳窩50Bから開口部側50A(乳幼児Bにおける口唇側)にかけては比較的硬い材料の表面に弾性体層を形成した硬口蓋部50Cとされており、乳頭400等に軟らかな感触を与えつつ、確実に保持することができるよう構成されている。さらに、哺乳窩50Bよりも支点部53側(乳幼児Bにおける喉側)には弾性体による膜状とされて、陰圧付与手段24による負圧に応じて変形可能とされた軟口蓋部50Dが形成されており、圧力変動や舌部材60の動きに応じて舌部材60との位置関係を変動できるよう構成されている。
次に、図6に示す下顎部51は、その内面側に柔軟性を有する弾性体より形成された舌部材60と、クッション材として機能する変形可能な中間部材61を有している。舌部材60は中間部材61の上に形成されていて、舌部材60と中間部材61は舌部70を構成している。舌部材60は、弾性変形可能なたとえばシリコーンやエラストマー、ゴム等により作られている。
この舌部材60が配置された下顎部51が、舌部材60の高まりの移動に連動して位置を変動できるようになっている。すなわち、変形手段30が、ポイントP2ないしポイントP8において、舌部材60の高まりの移動を起こす場合に、下顎部51はこの舌部材60の高まりの移動に連動してたとえばE2の方向に移動可能である。このように、哺乳中の乳幼児の顎の動きと同様に、該乳幼児の顎に相当する下顎部51が回動するのである。 図6の上顎モータ114と下顎モータ115は、駆動ユニット112に接続されている。駆動ユニット112はI/O(入出力部)111を介して制御部100に接続されている。
次に、図6に示す変形手段30の構造例について説明する。
変形手段30は、図4ないし図6に示すようにたとえば7つに分かれたそれぞれ2枚構成の要素部材32ないし38と、上述したモータM2ないしM8と、そしてローラR2ないしR8を有している。モータM2ないしM8は、たとえばステッピングモータのようなモータを用いることができる。なお、要素部材は、7枚に限定されず、複数枚であれば良いが、蠕動様運動を再現するために、5枚以上形成されていることが好ましい。
モータM2ないしM8は、駆動ユニット113に接続されている。駆動ユニット113は、I/O111を介して制御部100に接続されている。制御部100は、上顎モータ114と下顎モータ115およびモータM2ないしM8に対して制御命令を出すことによりこれらの動作を制御することができる。
7枚の要素部材32ないし38は、図6での例では間隔をおいて図示されているが、実際には相互に要素部材の間には潤滑用の部材もしくは潤滑材を挟み込むことにより互いにほぼ密接して並べてある。このように要素部材32〜38の間に潤滑材を入れておくことにより、要素部材32〜38は相互にスムーズに移動でき、舌部材60の高まり運動をなめらかに実現できる。
要素部材32ないし38は、図2に示すような形状を有している。すなわち要素部材32ないし38は、それぞれ薄い板状のふたつの部材を結合させたもので、図2において中心軸CLに沿って重ねるようにして組み合わされている。
図2において、乳幼児の舌の先端側にあたる要素部材32が一番手前に位置しており、順次要素部材33ないし38が図2の紙面奥行き方向に重ねられている。
図3はひとつの要素部材32を取り出して、その構成を図示したものである。
図において、要素部材32は、上記モータおよびローラからの駆動力を伝達する伝達部材62と、該伝達部材62と組み合わされる延長部材71とを有している。
図3(a)に示すように、この構成例では、延長部材71の基部45が、図示のような切欠きもしくはスリット45bを備えた略C字状とされたリング形態である。伝達部材62の基部63は延長部材71のリング形態の基部45の内径45aに所定の遊びをもって嵌め込まれる(遊嵌される)外径を有するリング状である。
伝達部材62は、基部63から径方向に延びるアーム部64の先に駆動力の伝達部52を有している。
延長部材71は、径方向にプレート状に延びる本体部分72と、該本体部分72から彎曲して、ほぼL字型またはJ字型に延びた先端部47を有しており、該先端部47は上顎部50に向けてやや円弧状になっている。この先端部47の円弧形状は、中心軸CLを中心とする円弧状である。そして、先端部47は舌部70に当接している。
また、図3(b)に示すように、伝達部材62は、延長部材71に嵌め込まれた状態で、伝達部材62のアーム部64と、延長部材71の基部45のスリット45bとの間に、押圧力を吸収する吸収手段の一部として、バネ特にワイヤバネ41を備えている。すなわち、ワイヤバネ41は矢印H1方向の付勢力を発揮して、上記した舌部70から受ける圧力を吸収することができる。
ここで、図6の舌部70に乳房300側から加わる押圧力は、ワイヤバネ41だけで形成してもよいが、これに代え、これに加えて、後述するように、舌部70の構造自体によっても一部吸収されるようにすることができる。
また、押圧力の吸収手段は、ワイヤバネに限らず、板バネその他の弾性手段もしくは矢印H1方向への付勢力を発揮する付勢手段が適宜用いられる。
同様にして要素部材32ないし38は、それぞれ図8に示す先端部42ないし48と、駆動力の伝達部52ないし58を有している。ただし伝達部52ないし58の延びている方向は、ローラR2ないしR8に向かう方向である。したがって各伝達部52ないし58は、ここでは30度ごとに位相がずれている。伝達部52の先端部にはそれぞれ凹凸部59が設けられている。この凹凸部59は、ローラR2ないしR8にかみ合う部分である。これによって、ローラR2ないしR8から伝達部52ないし58に対して各モータの駆動力を確実にすべることなく伝達することができる。
このようにして、変形手段30の各要素部材32ないし38は、モータとローラからなる各駆動手段により独立して位置の変位ができるので、舌部に対して微妙な動きを与えて乳幼児による哺乳の際における環境を再現できる。各駆動手段は1つのモータと1つのローラにより構成されている。
図7は、本体26と搾乳部20の一部分と、そして陰圧付与手段(負圧付与手段の一例)24を示している。
図7に示すように搾乳部20には、変形手段30の先端部分が搾乳部20の内部側に舌部材60等を介して進入できるようになっている。図7では、搾乳部20が、本体26とともに傾けて保持されており、これにより乳房300が搾乳開口23へ挿入して収容しやすくなっている。
図8(A)は、変形手段30の各要素部材32ないし38の先端部42ないし48と、上顎部50と下顎部51および舌部70を拡大して示している。乳輪部301から乳頭400にかけては、上顎部50の内面側となる硬口蓋部50Cや哺乳窩50Bと舌部材60の上面側の間に挟まれた状態である。要素部材32ないし38の先端部42ないし48は、舌部70の中間部材61に対して、ポジションP2ないしP8に対応する位置に当接している。
図8(B)に示すように各要素部材32ないし38の先端部42ないし48は、それぞれ先端隆起部49を有している。そして、舌部材60は少なくとも先端隆起部49よりも大きな幅の中空形状とされており、舌部材60の中空領域にスポンジ状の中間部材61が配置されている。これにより、舌部材60が乳輪部301等に接触した際には舌部材60の接触した部位は中間部材61側に変形し、舌部材60は乳輪部301等を下側から覆うように接触する。そして、要素部材の先端部42ないし48が蠕動様運動に対応して上側に移動した場合、先端隆起部49が乳輪部301等を逆側に押し上げるように舌部70を介して接触することで、乳幼児の舌による刺激と同様の刺激を与えることになる。
なお、舌部70は、中間部材61を設けずに舌部材60のみで構成してもよく、また、舌部材60を硬度10ないし25程度の非常に軟らかい中実とされた弾性素材で形成しても良い。さらに、先端隆起部49を形成せずに先端部42ないし48を細まっていく形状としても良い。
また、上記したように、舌部材60が乳輪部301等に接触した際には舌部材60の接触した部位は中間部材61側に変形することや、舌部材60自体を硬度10ないし25程度の非常に軟らかい中実とされた弾性素材で形成することによって、図3で説明した要素部材32のワイヤバネ41の作用と一体となって、恥部材300側から加わる押圧力を吸収する吸収手段を構成することができる。
なお、符号104で示すのは、先端隆起部49の上で、中間部材61内に配置された第2の圧力センサである。
すなわち、例えば図3で説明したように、押圧力の吸収手段を機械的な構成で作ることに代え、あるいはこれに加えて、例えば、圧電材料などを用いたピエゾ素子などにより、第2の圧力センサ104を配置するようにしてもよい。第2の圧力センサ104からは図示しない信号線が延びて、後述する制御部100に接続される。
次に、図9を参照すると、図9は変形手段30と搾乳開口23の付近を拡大して示している。上顎部50と下顎部51の前面側には、搾乳開口23が設けられている。搾乳開口23は、搾乳部20のケース20Kの前面側に設けられている。
ケース20Kは、搾乳開口23部に開口部20Pを有している。この開口部20Pにはラッパ状の当接部77とクッション部78を有している。このラッパ状の当接部77は、乳房300を収容して保持するための部分であり、エラストマー等の変形可能な層状態とされている。クッション部78は、当接部77に収容された乳房300に対してクッション性を与え、乳房300を開口部Pにフィットさせるための部分であり、たとえばスポンジ状のものなど、弾性を有する材料が採用できる。
ケース20Kは、ケース内の要素と搾乳状況が外から見えるようにするために、たとえば透明のプラスチックやガラスにより作られている。このケース20Kは、搾乳した母乳が外に飛散しないようにしている。
図9に示すように乳房300が搾乳開口23の当接部77内に挿入されると、乳輪301から乳頭400は上顎部50の内面と舌部材60の上面の間に位置させることができる。この時、乳輪301と乳頭400の境界が、変形手段30上に配置されている。
ケース20Kの中には、上述した上顎部50、下顎部51、舌部70が収容されている。このケース20Kの中には、陰圧付与手段24による陰圧を形成することで、吸引チューブ24Aを介して陰圧状態に保持することができる。
この陰圧付与手段24は、搾乳部20の搾乳動作の変化に対応して、脈動して陰圧を発生させることができる。これにより、たとえば舌部材60のZ方向の高まりが最も乳頭400の先端側近傍に来た時に陰圧が強くなるようになっている。
その他に、図9には、上顎部50の角度をE1方向の回転位置で調整するための調整部80が設けられている。また下顎部51の角度がE2方向に調整できる調整部89が設けられている。
図10は、図1の搾乳器10が搾乳を行うために動作する場合のブロック図を示している。
制御部100は、演算手段の一例である。制御部100は、第1の圧力センサ101、検知センサ102、画面入力部103、第2の圧力センサ104、月齢/体重スイッチSW1、調整スイッチSW2、駆動情報格納手段200、モータM2ないしM8、下顎モータ115、陰圧付与手段24を電気的に接続している。
図10に示す第1の圧力センサ101は、図9に示す搾乳部20のケース20K内の陰圧を検出して制御部100に知らせる。検知センサ102は、図9に示すように当接部77に対して乳房300が挿入されたかどうかを検知するセンサであり、乳房300が当接部77内に挿入されると、検知センサ102は制御部100に乳房が収容されたことを知らせる信号を送る。
画面入力部103は、たとえば使用者が画面をタッチすることにより、搾乳動作の設定状態や搾乳動作を行う波形を選択して入力することができる。
月齢/体重スイッチSW1は、搾乳を行う母親の子供である乳幼児の月齢や乳幼児の体重の値を選択するためのスイッチである。調整スイッチSW2は、図9に示す変形手段30による舌部材60に対する押圧力の調整をしたり、陰圧付与手段24による負圧力(陰圧力)を調整するための使用中に母親が微調整を行うためのスイッチである。
図10に示す陰圧付与手段24は、吸引手段であるポンプ24Bとポンプ開閉モータM10およびポンプ開閉部81を有している。
図7は陰圧付与手段24の例を示している。
吸引チューブ24Aの一端は搾乳部20のケース20Kの下端部に接続されていて、吸引チューブ24Aの他端部は収容部21を介してポンプ24Bに接続されている。ポンプ開閉部81は、2つのローラ82,83を有している。ローラ83は軸83Aを中心として回転する固定側のローラである。もう1つのローラ82は、モータM10の作動により、D1方向に回転して移動可能な移動側のローラである。
モータM10を作動することにより、ローラ82,83は、吸引チューブ24Aの中間部分を開いた状態から押し潰して閉じたり、その流路の大きさを変更することで、陰圧を脈動にすることができる。
なお、上顎部50、下顎部51の基端側から、吸引チューブ24Aにかけては連通チューブ24Cによって連結されており、ケース20K全体ではなく、搾乳開口23から吸引チューブ24Aがポンプ24Bによって陰圧空間とされるよう構成されている。
これによって、ポンプ24Bが作動すると、搾乳部20のケース20K内で搾乳された母乳は、連通チューブ24Cや吸引チューブ24Aを通じて収容部21内に収容することができる。そしてポンプ開閉部81は、ローラ82,83の間隔を制御することにより、ケース20K内に発生して脈動して陰圧を発生させることができる。
なお、この時、吸引ポンプ24Bに母乳が流入しないよう膜体や弁体を介して陰圧を付与するよう構成することが好ましい。
また、吸引ポンプ24Bが収容部21を介して搾乳開口23まで連通するのではなく、陰圧に伴う空気の流れが、母乳が流れる収容部21とは独立した流れとなるよう、上顎部50の基部側から吸引を行うようチューブで連結してもよい。さらに、脈動を付与するための手段としてはポンプ開閉部81の動きによるものだけでなく、吸引ポンプ24B自体が電気的にON/OFFするよう構成することや、吸引ポンプによる陰圧が外気と交互に連通するよう構成する、更にポンプをピストン状に前後するよう構成する等してもよい。
図10に戻り、図10に示す駆動情報格納手段200について説明する。
駆動情報格納手段200は、たとえば月齢別舌変動高さデータベースDB1、月齢別舌変動スピードデータベースDB2、月齢別負圧(吸啜圧)強さデータベースDB3、月齢別負圧(吸啜圧)スピードデータベースDB4、月齢別下顎変動高さデータベースDB5、そして月齢別下顎変動スピードデータベースDB6、圧力別の押圧力/負圧力データベースDB7等を格納している。
ここで、図11を参照しながら、乳幼児が哺乳運動を行っている口腔内の状態を超音波断層撮影装置を用いて撮影した連続画像の例を示す。
乳幼児が、乳首を介してミルク等を飲む際には、図11に示されているような舌部の蠕動様運動により哺乳運動を行うことになる。
図11(a)において、哺乳運動を行う乳幼児には、哺乳窩220という窪みが存在する。この哺乳窩220は、乳幼児が授乳のため哺乳運動をする期間だけ持っており、その後、成長すると無くなるものである。
母親の乳首1000は、乳幼児の口腔内でこの哺乳窩220に入り込む。この状態で口腔内では乳幼児の舌230が下から乳首1000に当たり、さらに舌230の側面がせりあがって、乳首1000を包むように密着することになる。
そして、図11(b)と図11(c)に示すように、舌230の前方が盛り上がって、乳首1000を舌230から押し、この動きは図11(d)〜図11(f)に示すように、次第に舌230の後方へ波うつように移動していくことになる。
この過程で、舌230は前方から後方にかけて波うつように蠕動様運動を行い、乳首1000は根元から先端に向けて絞られると共に、この乳首1000と舌230と上顎部との間に閉空間Eが形成されることになる。
この図11(e)で示す閉空間Eは、乳首1000等が伸びることにより、小さくなり、好ましくはその閉空間Eが消滅するまで乳首1000等が伸びることになる。これら一連の動きにより口腔内における圧力が高まり、その後舌230の蠕動様運動により、この閉空間Eが開放されると陰圧となり、母乳は勢い良く乳幼児の喉頭蓋の方向へ噴出され、乳幼児はこの噴出した母乳を飲み込む(嚥下)ことで、哺乳運動が終了することになる。
このように乳幼児は、舌230の蠕動様運動を行うことで乳輪や乳頭よりなる乳首に刺激を与えると共に、母親の乳首を伸ばすことで口腔内における陰圧を効果的に発生させるようにしている。このように陰圧を効果的に発生させることで、乳首からの母乳の噴出をより促し、乳幼児はより効果的に母乳を飲もうとするものである。
図11に示すような乳幼児の哺乳運動を参考にして、本発明者が哺乳動作における舌の運動の例を説明する。図12は、乳幼児の口腔内の超音波断層撮影をした例を示している。
舌500に対応する位置には、ポイントP2ないしポイントP8が設定されている。このポイントP2ないしポイントP8は、舌500の運動を測定するための測定ポイントであり、図8に示すポイントP2ないしポイントP8に対応している。
図12(B)に示すように、舌500の前半部の運動は、距離ポイントP21とポイントP2との変化で表すことができる。また舌500の中央部の運動は、距離ポイントP51とポイントP5との変化で表すことができる。舌500の後半部の運動は、距離ポイントP81とポイントP8との変化で表すことができる。
図12(C)は、下顎運動と喉運動の例を示している。下顎運動は、距離N−Jの変化で表すことができる。喉運動は、距離T0−Tの変化で表すことができる。ポイントN,T0は、乳幼児Bの耳の付近のEaに対してほぼ直線で結ぶことができる。
図13は、乳幼児の上述した各ポイントP2ないしP8における舌の高さ位置の経時的変化例を示している。
この経時的変化は、乳幼児が母乳を哺乳する際の実際の例である。図13の縦軸は高さ(mm)を示しており、横軸は秒数を示している。図13の例は、ある月齢の時の舌の高さ位置の変化、すなわち舌の変動高さとスピードを知ることができる。他の月齢についても同様にして得られる。
図13に示すように各ポイントP2ないしP8は、それぞれ異なる波形により時間経過とともに波形に変化していっている。
図10にもどると、月齢別舌変動高さ別データベースDB1と、月齢別舌変動スピードデータベースDB2には、乳幼児の月齢別の舌の変動に関する高さとスピードの例が各々記憶されている。舌変動の高さとスピードは、例えば図13に示す例から得られている。
月齢別負圧強さデータベースDB3と月齢別負圧スピードデータベースDB4には、乳幼児の月齢別に発生させることができる負圧の強さとスピードの例が記憶されている。この負圧強さデータベースDB3とスピードデータベースDB4は哺乳時における圧力変動を、圧力計を取り付けた人工乳首を使用して測定したものである。
月齢別下顎変動高さデータベースDB5と月齢別下顎変動スピードデータベースDB6には、乳幼児の月齢別の下顎の変動高さとスピードの例が記憶されている。これらのデータベースDB5,DB6は、図12(C)の例から得ることができる。
なお、これらの各データベースDB1ないしDB6は、体重別にデータを蓄積したデータベースとしてもよく、月齢別と体重別の両方のデータベースを備えるよう構成してもよい。
次に、図14を参照しながら、搾乳器として母乳を哺乳するための動作例について説明する。
図14に示すフロー図では、ステップST1ないしステップST12までが記載されている。
ステップST1において哺乳動作をスタートさせる。使用者は、ステップST2において図10に示す月齢/体重スイッチSW1を用いて、乳幼児の月齢と体重の値を選択する。この時、使用者は乳房がはっているか等の使用時における状態に合わせて、画面入力部から他の設定を入力できるよう構成されている。
ステップST3において、使用者は、駆動情報格納手段200から対応するデータベースDB1ないしDB6を参照して、必要とする月齢に対応する月齢別の舌変動高さ、舌変動スピード、負圧強さ、負圧スピード、下顎変動高さ、下顎変動スピードを選択する。
次に、ステップST4において、図9に示すように使用者が乳房300を当接部77の中に挿入して当接する。これによって乳頭400が上顎部50と下顎部51の舌部材60の間に位置される。この場合に、クッション部78が当接部77を支えているので、乳房300が当接部77に挿入された際における密着度を確保すると共に、乳房300に当たる感触を緩和して、搾乳時における乳房300の保護を図ることができる。
次に、図14のステップST5において、乳房300が図9に示すように搾乳開口23内にセットされたかどうかを判断する。この乳房がセットされたかどうかの判断は、図10に示す検知センサ102が制御部100に検知信号を送ることにより判断する。
図14のステップST6では、搾乳動作がスタートする。この場合に、制御部100は、モータM2ないしM8の動作と、下顎モータ115の動作とポンプ開閉モータM10の動作とポンプ24Bの動作を指令する。
図14のステップST7では、使用者がたとえば痛みを感じる等によって図10の調整スイッチSW2を押した場合には、ステップST8に移る。これによって、制御部100はこの調整スイッチSW2のスイッチが押されたことによって、図9の上顎部50と下顎部51による乳頭400の押圧力の調整を行う。また、制御部100は図7の陰圧付与手段24のポンプ開閉モータM10とポンプ24Bに指令を送って、ケース20K内の負圧力(陰圧力)を調整する。この時、吸収手段41や舌部70の弾性により、押圧力は一定以上にならないよう微調整されている。
また第2の圧力センサ104によって一定圧力以上の押圧を検知した場合には、圧力別押圧力/負圧力データベースDB7のデータを参照し、圧力を弱める。
図14のステップST7において調整スイッチSW2が押されない場合には、ステップST9に移る。ステップST9では、図9のケース20K内の負圧力が一定圧以内かどうかを判断する。負圧力が一定圧を超えている場合には、陰圧力が強すぎるので、ステップST10においてケース20K内の負圧力の開放を行う。ステップST10が終わるとステップST7に再び戻る。
ステップST9においてケース20K内の負圧力が適正な一定圧以内である場合には、ステップST11に移る。ステップST11では、使用者が搾乳器の動作のオフボタンを押したかどうかを判断し、押された場合にはステップST12において動作を停止する。
このようにして動作させることにより、変形手段30の各要素部材32ないし38がたとえば図13に示すような舌の高さ(舌の高まり)の経時的変化を別々に発生させることができる。さらに陰圧付与手段によって脈動とされた陰圧空間を形成することができる。これらの動きによって、乳頭400の先端からは母乳が刺激されて図7の搾乳部20のケース20K内に射乳される。乳頭400から射乳された母乳は、吸引チューブ24Aを通り収容部21内に収容される。なお、収容部21は哺乳瓶や母乳を冷凍するための搾乳袋等とされているため、搾乳された母乳を人工乳首を使用して授乳することや、冷凍保存することができる。
ところで、本発明者はこのような哺乳動作において次のようなことを見出している。
図8と図12に示す舌500あるいは舌部材60のポイントP2ないしP8に関して、乳幼児の吸啜間隔は、すなわち舌の先端側であるポイントP2から舌の奥側であるポイントP8まで舌のふくらみが移り、さらにポイントP8でふくらみが消失してポイントP2にふくらみが現れるまでの時間は、月齢が進むにつれて速くなっていく傾向がある。
同様に舌の蠕動様運動については、月齢が進むにつれてポイントP2ないしポイントP8へ移る運動が速くなっていく傾向がある。つまり舌前半部から舌後半部までに舌の波が移動するのにかかる経過時間が月齢が進むにつれて速くなる傾向があり、その速くなる傾向は吸啜間隔よりもさらに速まる。
嚥下についてはポイントP8からポイントP2に移る時間が示しており、月齢が進むにつれてゆっくりになる傾向がある。すなわち舌後半部の隆起が起きた後に、次の波が舌前半部で始まるまでにかかる経過時間である嚥下に費やす経過時間が長くなる傾向がある。
舌運動量については、ポイントP2,ポイントP5およびポイントP8においてはそれぞれ異なってくる。たとえば月齢が2ヶ月程度までは、ポイントP8がポイントP2とポイントP5に比べて運動量が大きい傾向がある。これは月齢2ヶ月程度までは反射を優先させた動きを起こすためと考えられる。
これに対して、月齢3ヶ月以上になってくると、ポイントP2,ポイントP5およびポイントP8において舌の随意的な動きが生じて、ポイントP2,P5,P8の動きのばらつきが大きくなくなり、いわゆる遊び飲みを行う傾向がある。
また、蠕動様運動のサイクルや高まりの変動について、月齢が小さいほど規則的な動きであり、月齢が上がるほど遊び飲みといわれるような変動が見られるようになる。
これらの情報を駆動情報格納手段200に収容された各データベースDB1ないしDB6は反映しており、より、月齢や体重等の乳幼児の発達状態に応じた動きを再現可能とされている。
なお、駆動情報格納手段200に格納された各データベースDB1ないしDB6の情報が、カード等に情報が格納されていて、使用者が自らのカードを読み出させることで、他に格納されている月齢や体重等の情報によって、自ら月齢情報等を設定する必要がないよう、構成されていてもよいのは勿論である。
本発明の実施形態では、搾乳部の舌部は、駆動情報格納手段のプログラムに従って、押圧をコントロールできる。したがって、舌部の押圧を変化させることで、乳幼児の月齢や発達状況(体重)に応じたプログラムパターンを選択して、乳房から母乳を搾乳することができる。そして、適切な舌部の押圧状態を選択することで、使用者自身の乳幼児による哺乳時に近い環境として、乳房に対する適切な搾乳環境を再現することができる。
本発明の実施形態では、負圧付与手段が搾乳部の変化に対応して、脈動して陰圧とすることから、舌部の押圧に対応して、たとえばその舌部の押圧の高まりが最も乳首先端側に移動した際の前後に陰圧が強くなるようにすることができる。
本発明の実施形態では、また、複数に区画された変形手段が用いられると、本来母乳の射乳においては、乳輪近傍への乳幼児の舌による押圧刺激の影響が大きく、その刺激を適切な位置で適切な高さとなるように運動量を付与することができる。
また、図14のステップST6では、搾乳動作がスタートした後で、制御部100が、モータM2ないしM8の動作と、下顎モータ115の動作とポンプ開閉モータM10の動作とポンプ24Bの動作を指令した後においては、図9の上顎部50と下顎部51による乳頭400の押圧力の調整が以下のようになされてもよい。
すなわち、図10の第2の圧力センサ104(図8(B)参照)が検出する検出値が制御部100に送られると、制御部100は、圧力別の押圧力/負圧力データベースDB7を参照する。これにより、該検出値と対応したテーブルデータを参照して、このデータに基づいて、制御部100は、図9の上顎部50と下顎部51による乳頭400の押圧力の調整を行う。また、制御部100は図7の陰圧付与手段24のポンプ開閉モータM10とポンプ24Bに指令を送って、ケース20K内の負圧力(陰圧力)を調整する。
これにより、乳房300に対するきめこまかな当接圧力の調整が可能となり、この点においても、舌部が母親の乳房の刺激箇所を必要以上に刺激して、不快感や損傷を与えることがない。
図15および図16は、図2および図3で説明した構成、変形手段を構成する要素部材の変形例を示している。
この変形例において、図2と同じ符号を付した箇所は共通する構成であるから重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図16は複数枚の要素部材のうち、一枚の要素部材32−1だけを示す斜視図である。
図15の要素部材32−1は、図2の要素部材32と異なり、一体の部材で形成されている。
すなわち、図3では、伝達部材62が延長部材71に嵌め込まれる構成であるのに対して、図16では、伝達部(材)と延長部(材)が一体であり、それぞれ伝達部本体62−1と延長部71−1とされている。そして、延長部71−1の本体部72−1に舌部70の変位にともなって受ける押圧力を吸収する吸収手段が形成されている。すなわち、この場合、吸収手段は図16に符号72aとして示すように、プレート状の本体部72−1の一部を彎曲させて、板バネとしたものであり、このように先端部47側に変形する弾性要素による吸収手段を配置することでも、図3で説明した構成とほぼ同等の作用を発揮することができる。
なお、板バネ部72aは、図示の形態に限らず、2重の彎曲としたり、該2重の彎曲部に締め付けナットを配置して弾性を調整することができるようにしてもよい。また、符号46aの部分は、本体部と同じ材質で板バネとするのではなく、この部分を別材料、例えばエラストマーなどにより二色成形やインサート成形等の一体成形し、その部分で押圧力を吸収するようにしてもよい。また、必要に応じて、例えば先端部47にコイルバネ等による弾性を有する吸収手段を配置してもよい。
図17は、図5により説明した部分による変形例を示しており、モータM5は取付け板15に対して回動部材16を介して回動可能に取付けられている。
このモータ付近の取付け構造は、図18に拡大して示されており、図18(a)はモータ取付け部分の概略断面図、図18(b)はモータ取付け構造の分解斜視図である。
図18において、モータM5は、取付け板15の取付け孔15aに回動部材16を介して取付けられている。すなわち、取付け孔15aにラジアル軸受けや、スラスト軸受けなどを配置して、モータM5を固定することができる。
モータM5には、上記舌部70の変位にともなって受ける押圧力を吸収する吸収手段の一例として、引っ張りバネ17が固定されている。つまり、引っ張りバネ17の一端17aがモータM5に固定され、他端17bが取付け板15に固定されている。これにより、すなわち、引っ張りバネ17は矢印H2方向の付勢力を発揮して、図8等で説明した舌部70から受ける圧力を吸収することができる。
ところで本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上述した実施形態では、変形手段は複数枚の要素部材を用いて複数に区画された形態を有している。舌部材はこれらの要素部材32ないし38のたとえば図8におけるZ方向における上下動量により舌部材60の蠕動様運動を発生させている。
しかしこれに限らず変形手段30を上側にも配置して、上下から舌部材60によって挟み込むように乳房を刺激するよう構成してもよく、円周上に変形手段30と舌部材60とを配置して、全周から刺激するよう構成してもよい。
また、変形手段30を板状部材とするのではなく、複数のワイヤーや、単数又は複数の回転運動体等を使用して、乳幼児による舌の蠕動様運動に近い動きを再現するよう構成し、概ワイヤーや回転運動体等の軸部や軸受け部に吸収手段を配置してもよい。
また、本発明の実施形態では変形手段30が複数枚の要素部材32ないし38によって構成されている。これらの要素部材32ないし38は、図2に示すように中心軸CLを中心としてG方向に回転させることにより先端部42を舌部材60の内面側に押し当てて舌部材60の位置を変位させている。つまり各要素部材32ないし38が、中心軸CLを中心としてG方向に回転動作させることで、舌部材60のポイントP2ないしポイントP8に対して任意の高さ方向(Z方向)の変位を発生させているのである。
このようにすることで、単純に直線移動により舌部材60の内面からZ(上方向)に向けて舌部材60のポイントP2ないしポイントP8を変位させるのに比べて、より精密に舌部材60を変位させることができる。つまり図2に示す伝達部52ないし58が中心軸CLを中心として半径方向に突出して形成されていて、ローラR2ないしR8により力を伝達する構造になっている。
この場合に、伝達部52ないし58は、凹凸部59を介してローラの力を確実に伝達することができる。伝達部52ないし58の半径方向の長さと先端部42の半径の長さを適切に設定することにより、モータの小さな力を先端部42のG方向の変位に拡大して発生させることができる。
またモータM2ないしM8は、図2の例では30度ごとに円周方向に沿って変位させて配置することができるので、相互のモータが干渉することなくケース29内に配列することができる。複数枚の要素部材32ないし38は薄い、たとえば金属製もしくはプラスチック製の要素部材であるので、その軸方向CLに関する厚みは極めて薄くすることができる。
図2における要素部材32ないし38は、回転方向G方向の回転変位により直接的に図8に示すように舌部材60の内面側をポイントP2ないしポイントP8において独立して高さ方向の変位を調整できる。これによって、舌部材60は、直接的な高さの調整を行え、その調整は容易かつ確実にできる。各要素部材32〜38は、モータM2ないしM8とローラR2ないしR8により別々に変位調整できるので、各要素部材32ないし38のG方向の微妙な動きの再現が可能である。
しかし、要素部材32ないし38を円運動によって動かすのではなく、独立したピストン運動等によって上下に駆動するよう構成してもよいことは勿論である。
また、上述した搾乳器10は据え置き型とされて、乳房300を挿入するよう構成されていたが、モータ等を適宜選択し、独立したピストン運動を行うよう構成すること等によって、搾乳部20を手で保持できるコンパクトな大きさとして、使用者が搾乳部20を手で保持して使用することができるよう構成してもよい。
このように、本発明者の哺乳研究成果を反映して、本発明の実施形態の搾乳器は、乳幼児の実際の舌運動を再現するために、段階的に舌(押圧部とも呼んでいる)の高まりを移動させることができる。
これによって、本発明の実施形態の搾乳器は、より実際に近い母乳の哺乳時の刺激を乳房300の乳首に対して与えることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、本実施の形態では、据え付けられた搾乳器10に対して乳房を挿入して使用する構成とされているが、本体26を小型化して、搾乳部20や変形手段30等の部分を手で持って、陰圧付与手段24が据え付けられた構成としてもよい。
また、モータMやローラRを複数使用するのではなく、一つとして、その回転に応じて複数の変形手段30が操作されるよう構成してもよい。さらに、押圧力を吸収する吸収手段を設けずに、検出手段である第2の圧力センサ104や圧力別押圧力データベースDB7によって、自動的に押圧力を調整するよう構成してもよい。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
本発明の搾乳器の好ましい実施形態を示す概略正面図。 図1の搾乳器のA1方向から見た概略側面図。 図1の搾乳器の変形手段の要素部材の概略斜視図。 図1の搾乳器のA2方向から見た概略側面図。 図1の搾乳器のA3方向から見た概略平面図。 搾乳器の搾乳部の構成例を概念的に示す図。 図1の搾乳器の搾乳部および陰圧付与手段と変位手段を示す図。 上顎部、舌部材、下顎部および変形手段を示す図。 乳房を収容するための搾乳開口と、搾乳部の構造例を示す図。 搾乳器の電気的な接続例を示す図。 乳幼児が哺乳運動を行っている口腔内の状態を超音波断層撮影装置を用いて撮影した連続画像の例を示す図。 乳幼児の舌およびその付近の超音波断層撮影等を示す図。 乳幼児の舌の各ポイントP2ないしP8における舌の高さの経時的変化の例を示す図。 本発明の搾乳器の動作例を示すフロー図。 図1の搾乳器のA1方向から見た別の概略側面図。 図1の搾乳器の変形手段の要素部材の変形例を示す概略斜視図。 図1の搾乳器のA3方向から見た別の概略平面図。 図17のモータの取付け構造を説明する図。
符号の説明
10・・・搾乳器、20・・・搾乳部、21・・・母乳の収容部、24・・・陰圧付与手段(負圧付与手段)、30・・・変形手段、23・・・搾乳開口、32〜38・・・モータ(駆動手段)、R2〜R8・・・ローラ(駆動手段)、51・・・下顎部(本体の一例)、300・・・乳房、400・・・乳頭

Claims (2)

  1. 乳房を収容可能な搾乳開口と、
    前記乳房から搾乳された母乳を収容可能な収容部と、
    前記乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する搾乳部と
    を有する搾乳器であって、
    前記搾乳部の前記舌部を高さ方向に沿って部分的に変位させる変形手段を備え、
    該変形手段は、前記舌部の前記部分的変位を前記搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させる構成とされ、
    さらに、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力を吸収する吸収手段を備え、
    かつ、前記変形手段が前記搾乳開口側から奥側にかけて、複数に区画された部分を有し、該区画部分によって、それぞれ独立した動きで前記舌部の高さを変動すると共に、前記区画された部分ごとに前記押圧力の吸収手段を配置した
    ことを特徴とする搾乳器。
  2. 乳房を収容可能な搾乳開口と、
    前記乳房から搾乳された母乳を収容可能な収容部と、
    前記乳房の乳輪近傍を押圧可能な舌部を有する搾乳部と
    を有する搾乳器であって、
    前記搾乳部の前記舌部を高さ方向に沿って部分的に変位させる変形手段を備え、
    該変形手段は、前記舌部の前記部分的変位を前記搾乳開口側から離れる方向に連続的に移動させる構成とされ、
    さらに、前記変形手段は、該変形手段が前記舌部の前記変位にともなって受ける押圧力の検出する検出手段を有し、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記変形手段の前記舌部に対する当接圧力を変更する構成とした
    ことを特徴とする搾乳器。
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