JP4464004B2 - 医療用粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、創傷被覆材、絆創膏、サージカルテープその他の医療貼付材として使用される医療用粘着シートに関する。
【0002】
医療用粘着シートは、例えば絆創膏として治療の様々な場面で広く使用されている。例えば、靴ずれその他の擦過創や、火傷などの創傷に対する治療を行う際に、医療用粘着シートが利用される。最近では、レーザー治療を行った場合に生じる熱傷に対する治療を行う際にも、医療用粘着シートが用いられるようになっている。
そして、かかる医療用粘着シートは一般に、シート状に形成の基材の皮膚に当接させる面に、粘着剤層を設けてなる。
【0003】
ところで、従来の医療用粘着シートの基材は、不透明であることが多い。従って、それを皮膚に貼り付けた状態では、皮膚の状態を視認することができない。そのため、従来の医療用粘着シートでは、それを貼り付けて治療を行っている際に、創面において細菌の増殖が生じ、創傷の状態が悪化することがある。
【0004】
このような状況の発生を防止するには、一般に、医療用粘着シートをこまめに剥がして創面の状態を確認すれば良い。しかしながら、それを行えない場合が存在する。それは、医療用粘着シートを用いて、オクルーシブドレッシング法、又はウェットドレッシング法を実施する場合に顕著である。
オクルーシブドレッシング法やウェットドレッシング法とは、患部表面を完全に被覆し、患部を乾燥させないようにしながら、体液に浸した状態で創傷を治療する方法をいう。従来の創傷の治療では、創傷にガーゼなどを当てて治療するドライドレッシング法が主流であったが、オクルーシブドレッシング法やウェットドレッシング法は、ドライドレッシング法よりも創傷治癒を促進して治癒期間を短縮できる方法として近年注目を集めている。
かかるウェットドレッシング法は、治癒期間を短縮できる可能性を秘めているものの、一端創傷に細菌が感染すると、細菌が増殖しやすい。一方、細菌の増殖が生じた場合には一刻も早くそれを察知し、洗滌、消毒と、医療用粘着シートの貼り換えを行う必要がある。これを実現するには、所定時間毎に医療用粘着シートを剥がして創傷の状態を確認すれば良いが、それでは手間である。つまり、オクルーシブドレッシング法やウェットドレッシング法では、『医療用粘着シートを剥がす』という行為をなるべく避けることで、医療用粘着シートによって患部を覆う時間を長くすることにより、創の安定を保ち、不要な創処置の回数を減らせるとより便利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膚に貼り付けて治療を行っている際に、創傷で細菌の増殖が生じた場合に、それを素早く察知できるような医療用粘着シートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、かかる課題を解決するために研究を重ねた。そして、以下の発明を完成させた。
即ち、シート状に形成の基材の皮膚に当接させる当接面の少なくとも一部に前記基材を皮膚に貼付けるための粘着剤層が設けられてなる医療用粘着シートを基本としつつ、その基材を、それを通して粘着剤層の色彩を確認できるようにされていると共に、前記当接面には、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤が配されてなるものとした医療用粘着シートがそれである。
或いは、シート状に形成の基材の皮膚に当接させる面に粘着剤層が設けられてなる医療用粘着シートを基本としつつ、その基材を、吸湿性ないし透湿性を有する素材により構成されていると共に、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤が含浸されてなるものとした医療用粘着シートがそれである。
いずれの医療用粘着シートも皮膚に貼り付けることで用いられる。
前者の医療用粘着シートは、それを皮膚に貼り付けた状態で細菌が増殖した場合、創傷と接している基材に配された薬剤の色彩が変化するようになっている。そして、この色彩の変化は、基材を通して視認可能とされている。
後者の医療用粘着シートは、それを皮膚に貼り付けた状態で細菌が増殖した場合、創傷から浸出し、基材に吸収された体液と接触した基材に含浸の薬剤の色彩が変化するようになっている。その色彩の変化は、基材の色の変化として肉眼で視認可能とされている。
よって、このような医療用粘着シートによれば、創傷で細菌が増殖した場合には、医療についての専門的な知識がない者であっても、それを即座に認識することが可能となる。そして、上述の如き色彩の変化を認めた場合には、創傷の消毒や医療用粘着シートの貼り換えを行えば良いので、医療用粘着シートの使用時に細菌が増殖した場合における対処を素早く行えるようになる。
裏返せば、薬剤の色彩に変化がない限り、細菌感染の可能性は低いので、医療用粘着シートを可能な限り患部に長く貼り付けておけるようになる。
【0007】
前者の発明における基材は、それを通して粘着剤層の色彩を確認できるようにされていればどのようなものでも構わない。基材は、例えば、透明又は半透明(無色透明、有色透明の双方を含む。)の素材により構成することができる。また、不透明の素材により構成されていたとしても、例えばメッシュ状にこれを構成することで、粘着剤層の色彩を確認できるようにすることもできる。
【0008】
前者の発明における基材は、透湿性のものとしても良いし、不透湿性のものとしても良い。基材を不透湿性のものとした場合、その医療用粘着シートは、上述したウェットドレッシング法に向くものとなる。
【0009】
前者の発明における基材は、それを通して粘着剤層の色彩を確認できるようにされていればどのような素材で構成されていても良い。例えば、基材は樹脂製とすることができる。基材を透明又は半透明とする場合、基材を樹脂により構成することができる。また、基材を不透湿性のものとする場合にも、樹脂によりこれを構成することができる。
【0010】
後者の発明における基材は、吸湿性ないし透湿性を有する素材により構成されていればどのようなものでも構わない。もちろん、吸湿性及び透湿性の双方を有していてもよい。この基材の素材は、上述の条件を満たす限りどのようなものとしても良いが、例えば、布(織布、不織布の双方を含む。)、或いは紙によりこれを構成することができる。
【0011】
細菌の増殖を肉眼で識別可能な色彩の変化によって知らせる上述の如き薬剤は、前者の発明では、基材の皮膚に当接される面の少なくとも一部に配される。この薬剤は、粘着材層とは異なる範囲に配されていても良く、粘着材層に混入されていても良い。また、当接面には、前記薬剤を保持する保持手段を設けても良い。この場合、薬剤は、当該保持手段に含浸した状体で機材の当接面に配される。
後者の発明の場合であれば、薬剤は、基材に含浸される。この場合、薬剤は、基材の全体に含浸されても良く、基材の所定範囲のみに含浸されていても良い。
【0012】
本発明における薬剤は、一種類でも良いし、異なる条件でその色彩が変化する複数種類の薬剤を含んでいても良い。その場合には、以下に説明するpH検出剤、硫化水素検出剤、その他の薬剤を適宜に組み合わせて用いることができる。
複数種類の薬剤を含む場合であって、前者の発明のうち、薬剤が粘着材層に混入される場合、複数種類の薬剤は、前記粘着剤層の異なる部分に混入されていても良い。
複数種類の薬剤を含む場合であって、前者の発明のうち、薬剤が保持手段に含浸される場合、複数種類の薬剤は、前記保持手段の異なる部分に含浸されていても良い。
複数種類の薬剤を含む場合であって、後者の発明の場合、複数種類の薬剤は、基材の異なる部分に含浸されていても良い。
本発明における薬剤は、また、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化するものであればどのようなものでも良い。
例えば、pHが中性から酸性に変化したときに肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化するpH検出剤を、本発明の薬剤として使用できる。この薬剤は、人間の体液は、本来略中性であるが、細菌が増殖した場合にはそれが酸性に変化するという性質を利用したものである。
pH検出剤は、これには限られないが、pHが酸性のときと、pHが中性のときとで、その色彩が肉眼で識別可能な程度に変化するものであれば足りる。
より具体的には、かかるpH検出剤としては、インジゴ・カーミン、ナイル・ブルー、メチル・レッド、フェノール・フタレイン、コンゴー・レッド、ブロム・クレゾール・グリーン、ブロム・フェノール・レッド、ブロム・チモール・ブルー、クレゾール・レッド、チモール・ブルー、ブロム・フェノール・ブルー、テトラ・ブロム・フェノール・レッド、ブロム・クレゾール・パープル、アリザリン・イエロー、アニリン・ブルー、リトマス、アンドレード、ニュートラルレッドのいずれかを使用できる。もちろんこれらのうちの2以上を使用しても構わない。
また、pHが3以上のときと3以下のときとで、その色彩が肉眼で識別可能な程度に変化する薬剤であれば、細菌の増殖をより正確に捉えられる。例えば、チモール・ブルー、フェノール・ブルー、フェノール・レッドなどがこれに該当する。
pH検出剤の他に、硫化水素に反応した場合に肉眼で識可能な程度にその色彩が変化する硫化水素検出剤を、上記薬剤として使用することができる。これは、細菌が増殖した場合には硫化水素が発生するという性質を利用したものである。
硫化水素検出剤としては、例えば、酢酸鉛や第2鉄イオンの少なくとも一方を使用できる。
これら以外にも、細菌を検出するためのテストは多種存在する。これらを実行するための薬剤のうち、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化するものは、本発明の薬剤に使用可能である。
本発明の薬剤には、また、薬剤に色彩の変化を起こさせるに有用な補助薬剤が混合されていても構わない。例えば、上述のテストとしてフェニルアラニンデアミナーゼテストを実行する場合には、補助薬剤として、フェニルアラニンを用いることができる。フェニルアラニンデアミナーゼテストとは、細菌が酵素反応によってフェニルアラニンを脱アミノしてフェニルピルビン酸を生産し、その結果酸性になるのを調べるものである。この場合、酸性へのpH変化によるpH検出剤の色彩変化を生じさせるための補助として働くフェニルアラニンが、上述した補助薬剤に相当することになる。
尚、上述のテストの他の例としては、ホスファターゼテスト、酸化発酵テスト、メチレンブルーミルク還元テスト、マロン酸塩テスト、リトマスミルクテストなどがある。ホスファターゼテストは、フェノールフタレイン二リン酸塩を切断するホスファスターゼの産生テストで、フェノールフタレインが遊離して橙桃色となることで、主としてブドウ球菌や大腸菌の増殖を検知するものである。酸化発酵テストは、細菌による糖の利用により酸化や発酵を起こした代謝産物の存在によってpHが酸性に変化するのをpH検出剤によって検出するものである。薬剤として、プルシアンブルーやブロムクレゾール・パープルなどを利用する。メチレンブルーミルク還元テストは、ミルクを混入した培地内でのメチレンブルーを還元する酵素活性の変化により菌を調べるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい第1及び第2の実施形態による医療用粘着シートについて以下説明する。
【0014】
≪第1実施形態≫
この実施形態における医療用粘着シートは、シート状に形成の基材の裏面(皮膚に当接される面)の所定部位に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成したものをその基本構成としている。
【0015】
この実施形態における医療用粘着シートにおける基材は、例えば、有色ないし無色の透明ないし半透明とされる。その透明性は、医療用粘着シートを皮膚に貼り付けたときに際に皮膚が見える程度であればよいが、この例では無色透明とされている。
基材の材質としては、様々なものが考えられる。種々の樹脂やゴム、例えば、シリコーン、テトロン、アクリル、セロファン、フッ素樹脂、アイオノマ、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩酸ゴム、塩化ビニル等の1種あるいは2種以上を組み合わせることで、この基材を構成することができる。また、目的に応じて、塗工処理、コロナ処理等の2次加工を施しても良い。
また、この医療用粘着シートが、オクルーシブドレッシング法やウェットドレッシング法への適用を考慮したものである場合には、その基材は不透湿性のものとされる。上述の素材を用いてオクルーシブドレッシング法やウェットドレッシング法に必要な程度の不透湿性を得ることは、基材の厚さなどを適宜に設定することにより可能である。
この例では、素材としてシリコーン又はポリウレタンを用い、その厚さを0.2mmとして基材を構成している。
【0016】
この実施形態における医療用粘着シートにおける粘着剤層は、上述のように、基材の裏面の所定部分に塗布されていればよい。基材裏面の全面に塗布されていても良いし、その一部、例えば創傷と当接しない部分のみに塗布されていてもよい。この実施形態における医療用粘着シートは、基材裏面の全体に塗布されている。
粘着剤層を構成する粘着剤は、基材を皮膚に長時間貼り付け状態とできるようなものであればどのようなものでも構わない。皮膚に悪影響を与えない範囲で適宜に選択すれば良い。粘着剤としては、例えば、綜研化学(株)製アクリル系粘着剤「SKダインMD−1」を用いることができる。これに加えて、架橋剤としての綜研化学(株)製アルミニウムキレート系架橋剤「M−5A」などを適宜に加えても良い。 粘着剤層を基材の裏面に形成するにあたってはどのような手法を用いても良い。例えば、転写法を用いることができる。この場合の転写法では、例えば、ポリエチレンラミネート剥離紙を用いることができる。この剥離紙としては、例えば、上質紙にポリエチレン層を15μm程度の厚さで熱融着し、該ポリエチレン層にシリコーン樹脂を主成分とする剥離剤を塗布乾燥させたものを用いることができる。
【0017】
この粘着剤には、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤が混入されている。この例の粘着剤には、pHが中性から酸性に変化したときに肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化するpH検出剤が混入されている。その量は、その色彩の変化を肉眼で識別可能な程度の量とすれば良い。その量は、pH検出剤の種類に応じて適宜に選択すればよい。pH検出剤としては、例えば、pHが酸性のときと中性のときとで、色彩が肉眼で識別可能な程度に変化するものを用いることができる。これには限られないが、例えば、ブロム・チモール・ブルーを、pH検出材として使用できる。或いは、pHが3.5の前後で、その色彩が肉眼で識別可能な程度に変化するもの、例えば、pHが2のときとpHが4のときとで、その色彩が肉眼で識別可能な程度に変化するものをpH検出剤として用いることができる。例えば、チモール・ブルーやフェノール・ブルーの少なくとも一つをこれに用いることができる。
pH検出剤を上述の粘着剤に混入させたものを、上述した転写法を用いて基材の裏面に塗布することで、基材の裏面に、pH検出剤を混入の粘着剤層を形成することができる。
pH検出剤の代わりに、硫化水素に反応した場合に肉眼で識可能な程度にその色彩が変化する硫化水素検出剤を、粘着剤に混入させても良い。例えば、酢酸鉛や第2鉄イオンの少なくとも一方を、粘着剤に混入させて、転写法を用いて基材の裏面に塗布することができる。
上述の薬剤には、補助薬剤が混合されていても良い。例えば、pH検出剤としてのチモール・ブルーに、補助薬剤としてのフェニルアラニンを混合することができる。この場合には、医療用粘着シートの使用時に、フェニルアラニンデアミナーゼテストとが実施されることになる。
また、薬剤に色彩の変化を起こさせるに有用な補助薬剤が混合されていても構わない。例えば、上述のテストとしてフェニルアラニンデアミナーゼテストを実行する場合には、補助薬剤として、フェニルアラニンを用いることができる。フェニルアラニンデアミナーゼテストとは、細菌が酵素反応によってフェニルアラニンを脱アミノしてフェニルピルビン酸を生産し、その結果酸性になるのを調べるものである。この場合、酸性へのpH変化によるpH検出剤の色彩変化を生じさせるための補助として働くフェニルアラニンが、上述した補助薬剤に相当することになる。
薬剤はまた、粘着剤の各部分に異なる種類のものが混合されるようにして、基材に塗布されていても良い。例えば、上述の転写法を繰り返し行うことで、粘着剤の各部分に異なる種類の薬剤を配することができるようになる。この場合における複数種類の薬剤は、異なる条件でその色彩が変化するものとする。例えば、ある部分には、フェノール・ブルーを、他の部分には第2鉄イオンを配するといったようにすれば良い。
【0018】
この医療用粘着シートは、通常の医療用粘着シートの場合と同様に、その裏面を、創傷が隠れるようにして皮膚に貼り付けることで使用される。
創傷で細菌の増殖が起こればpH検出剤か、硫化水素検出剤に色彩の変化が生じる。この色彩の変化は、基材を通して目視できるため、その色彩の変化に気付いたら医療用粘着シートを剥がし、その張替えや適宜の治療を行えば良い。
【0019】
尚、第1実施形態では、基材の当接面に配される粘着剤に薬剤を配合することとしたが、以下のような変形例も考えられる。
【0020】
つまり、基材の当接面に、薬剤を保持するための保持部を設けるのである。この保持部は、本発明の保持手段に相当するものであり、それに薬剤を含浸させた状体で薬剤を保持できるようなものである。例えば、紙や布により、これを構成することができる。
基材の当接面に配する保持部はどのような形状でもよく、またその配置も自由である。例えば、図1乃至図3に示したようにすることができる。図1乃至図3はいずれも、基材1をその当接面側から見たところを示す斜視図である。
図1で示した例では、矩形に形成の基材1の当接面に、ろ紙を円形に形成してなる保持部2を、矩形に配している。各保持部2には、それぞれ異なる条件でその色彩が変化する薬剤が含浸されている。
図2で示した例では、矩形に形成の基材1の当接面に、布をテープ状に形成してなる保持部2を、格子状に配している。各保持部2には、それぞれ異なる条件でその色彩が変化する薬剤が含浸されている。
図3で示した例では、矩形に形成の基材1の当接面に、円形に基材が露出するように形成された2枚のろ紙よりなる保持部2を配している。各保持部2には、それぞれ異なる条件でその色彩が変化する薬剤が含浸されている。
図示を省略するが、図1ないし図3で示された医療用粘着シートはいずれも、その当接面の周辺に設けられた、基材1が露出している部分に粘着剤が塗布されている。また、各医療用粘着シートにおける基材1の材質や、粘着剤の組成については、上述したものと同様のものを用いている。
【0021】
≪第2実施形態≫
この実施形態における医療用粘着シートも、第1実施形態の場合と同様に、シート状に形成の基材の裏面(皮膚に当接される面)の所定部位に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成したものをその基本構成としている。
【0022】
異なるのは、基材の素材である。
この医療用粘着シートの基材は、透湿性及び吸湿性を有するものとされており、布や紙により構成されているが、具体的には、織布であるガーゼにより構成されている。必ずしも必要ではないが、このガーゼの表面には、透明な樹脂による被覆がなされている。
粘着剤層を構成する粘着剤には、第1実施形態の場合と同様のものを用いることができる。またこの実施形態では、基材の周辺部のみに粘着剤層を形成することとしている。ガーゼよりも透明な樹脂の層を広く取ることにより、ガーゼの外周から透明な樹脂の層がはみ出すようにすると共に、そのはみ出した部分の樹脂の裏面にのみ粘着剤層を形成することもできる。
第2実施形態の医療用粘着シートの粘着剤には、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤を混入しておく必要はない。この例の医療用粘着シートでは、その代わりに、基材であるガーゼに、かかる薬剤が含浸されている。この薬剤は、第1実施形態と同様のものを使用できる。つまり、このの医療用粘着シートの基材には、pH検出剤ないし硫化水素検出剤が含浸されている。ガーゼの各部分に、異なる条件でその色彩が変化する薬剤をそれぞれ含浸させておくことも可能である。
【0023】
第2実施形態の医療用粘着シートも、従来の粘着シートと同様に使用する。
創傷で細菌の増殖が起こればpH検出剤ないし硫化水素検出剤に色彩の変化が生じる。この色彩の変化は、基材の色彩の変化として目視できるため、その色彩の変化に気付いたら医療用粘着シートを剥がし、その張替えや適宜の治療を行えば良い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した本発明による医療用粘着シートは、皮膚に貼り付けて治療を行っている状態で、創傷で細菌の増殖が生じた場合に、細菌の感染を察知できるようなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による医療用粘着シートの例を示す斜視図。
【図2】本発明の他の実施形態による医療用粘着シートの例を示す斜視図。
【図3】本発明の更に他の実施形態による医療用粘着シートの例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 基材
2 保持部

Claims (18)

  1. シート状に形成の基材の皮膚に当接させる当接面の少なくとも一部に前記基材を皮膚に貼付けるための粘着剤層が設けられてなる医療用粘着シートにおいて、
    前記基材は、それを通して薬剤の色彩を確認できるようにされていると共に、前記当接面には、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤が配されてなることを特徴とする医療用粘着シート。
  2. シート状に形成の基材の皮膚に当接させる面に粘着剤層が設けられてなる医療用粘着シートにおいて、
    前記基材は、吸湿性ないし透湿性を有する素材により構成されていると共に、細菌が増えた場合に肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化する薬剤が含浸されてなることを特徴とする医療用粘着シート。
  3. 前記薬剤は、前記粘着剤層に混入されてなる、
    請求項1記載の医療用粘着シート。
  4. 前記当接面には、前記薬剤を保持する保持手段が設けられており、前記薬剤は当該保持手段に含浸されてなる、
    請求項1記載の医療用粘着シート。
  5. 前記薬剤は、異なる条件でその色彩が変化する複数種類の薬剤を含んでなる、
    請求項1又は2記載の医療用粘着シート。
  6. 前記薬剤は、異なる条件でその色彩が変化する複数種類の薬剤であり、当該複数種類の薬剤は、前記粘着剤層の異なる部分に混入されてなる、
    請求項1記載の医療用粘着シート。
  7. 前記薬剤は、異なる条件でその色彩が変化する複数種類の薬剤であり、当該複数種類の薬剤は、前記保持手段の異なる部分に含浸されてなる、
    請求項4記載の医療用粘着シート。
  8. 前記薬剤は、異なる条件でその色彩が変化する複数種類の薬剤であり、当該複数種類の薬剤は、前記基材の異なる部分に含浸されてなる、
    請求項2記載の医療用粘着シート。
  9. 前記基材は透明又は半透明の素材により構成されている、
    請求項1又は2記載の医療用粘着シート。
  10. 前記基材は、不透湿性のものである、
    請求項1記載の医療用粘着シート。
  11. 前記基材は、樹脂製である、
    請求項1記載の医療用粘着シート。
  12. 前記基材は、布製又は紙製である、
    請求項2記載の医療用粘着シート。
  13. 前記薬剤は、pHが中性から酸性に変化したときに肉眼で識別可能な程度にその色彩が変化するpH検出剤である、
    請求項1又は2記載の医療用粘着シート。
  14. 前記pH検出剤は、pHが酸性のときと、pHが中性のときとで、その色彩が肉眼で識別可能な程度に変化するものとされてなる、
    請求項13記載の医療用粘着シート。
  15. 前記pH検出剤は、インジゴ・カーミン、ナイル・ブルー、メチル・レッド、フェノール・フタレイン、コンゴー・レッド、ブロム・クレゾール・グリーン、ブロム・フェノール・レッド、ブロム・チモール・ブルー、クレゾール・レッド、チモール・ブルー、ブロム・フェノール・ブルー、テトラ・ブロム・フェノール・レッド、ブロム・クレゾール・パープル、アリザリン・イエロー、アニリン・ブルー、リトマス、アンドレード、ニュートラルレッドの少なくとも一つを含んでなる、
    請求項1又は2記載の医療用粘着シート。
  16. 前記薬剤は、硫化水素に反応した場合に肉眼で識可能な程度にその色彩が変化する硫化水素検出剤である、
    請求項1又は6記載の医療用粘着シート。
  17. 前記硫化水素検出剤は、酢酸鉛、第二鉄イオンの少なくともいずれかである、
    請求項16記載の医療用粘着シート。
  18. 前記薬剤には、薬剤に色彩の変化を起こさせるに有用な補助薬剤が混合されてなる、
    請求項1又は2記載の医療用粘着シート。
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