JP4462701B2 - Catalyst separation and recovery method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、N−ヒドロキシフタルイミドなどのN−置換環状イミド系触媒を用いて得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N−ヒドロキシフタルイミドなどのN−置換環状イミド系触媒は、分子状酸素による酸化、カルボキシル化、ニトロ化、スルホン化、アシル化、ラジカルカップリング反応などの諸反応を温和な条件下で円滑に進行させる触媒として注目されている。
【0003】
例えば、特開平8−38909号公報及び特開平9−327626号公報には、N−置換環状イミド系触媒の存在下、炭化水素やアルコールなどの基質を分子状酸素で酸化して、対応するアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸などを製造する方法が開示されている。特開平9−278675号公報には、前記N−置換環状イミド系触媒を用いた共役化合物の酸化方法が開示されている。特開平10−316610号公報には、前記N−置換環状イミド系触媒の存在下、エーテル類を酸化すると、エステル、酸無水物、ラクトンなどが生成することが記載されている。WO99/50204には、前記N−置換環状イミド系触媒及び共酸化剤の存在下、非芳香族性のエチレン結合を有する化合物を分子状酸素により酸化して対応するエポキシドを製造する方法、及び前記N−置換環状イミド系触媒及び共酸化剤の存在下、ケトンを分子状酸素で酸化して対応するエステル又はラクトンを製造する方法が記載されている。
【0004】
また、特開平11−239730号公報には、N−置換環状イミド系触媒の存在下、基質を窒素酸化物と反応させて対応するニトロ化合物を得る方法、及び前記触媒の存在下、基質を一酸化炭素及び酸素と反応させて対応するカルボン酸を製造する方法が開示されている。WO99/41219には、N−置換環状イミド系触媒の存在下、基質を酸素及びビアセチルなどの1,2−ジカルボニル化合物等と反応させると、温和な条件下でアシル化反応が進行することが記載されている。日本化学会1999年春季年会予稿集には、N−ヒドロキシフタルイミドを触媒とし、α,β−不飽和エステルとアルコールと酸素とを反応させると、ラジカルカップリング反応が進行して、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが良好な収率で生成することが報告されている。また、同予稿集には、N−ヒドロキシフタルイミドを触媒とし、アダマンタンなどの炭化水素類を酸素及び二酸化硫黄と反応させると、対応するスルホン酸が生成することが報告されている。
【0005】
このように、N−置換環状イミド系触媒は酸化反応を初めとする広範な有機合成反応の触媒として極めて有用であるが、反応終了後における反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒との分離方法については、従来、報告された例は少ない。例えば、特開平10−114702号公報には、N−置換環状イミド系触媒を用いて得られた酸化反応混合物から反応生成物と触媒とを分離するに際し、水性溶媒とこの水性溶媒に対して分液可能な非水溶性溶媒とを用い、酸化反応生成物を水性溶媒層に、触媒を非水溶性溶媒層にそれぞれ分配する方法が提案されている。しかし、この方法では、反応生成物がアジピン酸などの極性の著しく高い化合物の場合には極めて有効であるが、極性のさほど高くない反応生成物と前記触媒とを分離する場合には、必ずしも有用な方法とは言えない。また、触媒を固体として回収するためには、非水溶性溶媒を蒸発させる必要があり、コストがかかる。
【0006】
また、N−置換環状イミド系触媒は、反応に用いると、その反応条件等により一部分解する場合がある。この触媒の分解生成物は、反応生成物の製品中に混入すると該製品の品質を低下させる恐れがあるが、従来、このような分解生成物の分離方法は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を、簡易な手段で効率よく分離できる方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を、固体として簡易に回収できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため触媒及びその分解物の物性について検討したところ、N−置換環状イミド系触媒やその分解生成物は中程度の極性を有する溶媒には溶解しやすいが、極性の非常に低い溶媒や極性の著しく高い溶媒には溶解しにくいという知見を得た。そこで、さらに検討を重ねた結果、反応生成物とN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物を特定の溶媒を用いた特定の処理に付すと、前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を固体として効率よく分離回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られるアルコール、アルデヒド、ケトン及びカルボン酸から選択された少なくとも一種の反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を分離回収する方法であって、前記混合物を、炭化水素、鎖状エーテル及び水から選択された溶媒を用いた晶析又はリパルプ操作に付して前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を固体として回収する触媒の分離回収方法を提供する。
前記反応生成物は脂環式化合物であってもよい。
また、本発明は、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を分離回収する方法であって、前記反応生成物が水溶性化合物であり、前記混合物を、水を用いた晶析又はリパルプ操作に付して前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を固体として回収する触媒の分離回収方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明におけるN−置換環状イミド系触媒としては、下記式(1)
【化1】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1及びR2は互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す。前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい)
で表されるイミド化合物が挙げられる。
【0012】
式(1)において、置換基R1及びR2のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0013】
アリール基には、フェニル、ナフチル基などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれる。
【0014】
アルコキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度のアルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。
【0015】
アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6程度のアシル基が例示できる。
【0016】
前記置換基R1及びR2は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式(1)において、R1及びR2は互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。このような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、芳香族性環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
前記式(1)において、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示し、窒素原子NとXとの結合は単結合又は二重結合である。
【0017】
前記R1、R2、又はR1及びR2が互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい。例えば、R1又はR2が炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1及びR2が互いに結合して二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さらに、R1及びR2が互いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0018】
好ましいイミド化合物には、下記式で表される化合物が含まれる。
【化2】
(式中、R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R3〜R6は、隣接する基同士が互いに結合して芳香族性又は非芳香族性の環を形成していてもよい。式(1f)中、Aはメチレン基又は酸素原子を示す。R1、R2、Xは前記に同じ。式(1c)のベンゼン環には、式(1c)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個形成されていてもよい)
【0019】
置換基R3〜R6において、アルキル基には、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のアルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R3〜R6は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。R3〜R6が互いに結合して形成する環としては、前記R1及びR2が互いに結合して形成する環と同様であり、特に芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環が好ましい。
【0020】
好ましいイミド化合物の代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。
【0021】
式(1)で表されるイミド化合物は、慣用のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンNH2OHとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド化する方法により調製できる。
【0022】
前記酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0023】
特に好ましいイミド化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタル酸イミド等が含まれる。
【0024】
本発明において、前記N−置換環状イミド系触媒を用いて得られる反応生成物としては、前記触媒を利用した反応で生成する化合物であればよく、例えば、酸化反応生成物(例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エポキシ化合物、ラクトン、酸無水物、アセタール等)、カルボキシル化反応生成物(カルボン酸)、ニトロ化反応生成物(ニトロ化合物)、スルホン化反応生成物(スルホン酸)、アシル化反応生成物(アルデヒド、ケトン)、ラジカルカップリング反応生成物(ラクトン、その他の化合物)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記各反応生成物(アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸など)は、それぞれ、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物及び複素環式化合物の何れであってもよい。また、アルコールにはモノオール、ジオール及び多価アルコールが含まれ、カルボン酸には、モノカルボン酸、ジカルボン酸及び多価カルボン酸が含まれる。なお、反応生成物の具体的な例としては、従来技術の項に示した先行文献に記載されている反応生成物等が挙げられる。
【0025】
本発明において、前記N−置換環状イミド系触媒の分解生成物としては、上記の各反応中にN−置換環状イミド系触媒が分解又は変性して生じた化合物であれば特に限定されず、反応の種類や反応条件等により異なるが、例えば、下記式(2)で表されるN−無置換環状イミド化合物、下記式(3)で表される環状酸無水物、種々の開環化合物などが挙げられる。
【化3】
(式中、R1及びR2は前記に同じ)
【0026】
上記の式(2)で表されるN−無置換環状イミド化合物は前記N−置換環状イミド系触媒が反応系中で還元されて生成したとみられる化合物であり、その代表的な例としてフタル酸イミドなどが例示される。また、上記式(3)で表される環状酸無水物は前記N−置換環状イミド系触媒が反応系中で加水分解された化合物やその誘導体が脱水などを伴い閉環して生成したと推測される化合物であり、この代表例として無水フタル酸などが例示される。また、前記開環化合物としては、フタル酸等のジカルボン酸類、及びその誘導体などが挙げられる。
【0027】
本発明の重要な特色は、前記反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物を、炭化水素、鎖状エーテル及び水から選択された溶媒を用いた晶析又はリパルプ操作に付して前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を固体として回収する点にある。以下、N−置換環状イミド系触媒とその分解生成物とを、「N−置換環状イミド系触媒等」と総称する場合がある。また、本明細書では、「晶析」を狭義の晶析だけでなく「沈殿」をも含む広い意味に用いる。
【0028】
反応生成物が極性の低い化合物である場合には、前記溶媒として炭化水素又は鎖状エーテルを用いるのが好ましく、反応生成物が極性の高い化合物(水溶性化合物)である場合には、前記溶媒として水を用いるのが好ましい。
【0029】
晶析又はリパルプ操作に付される混合物中には、反応生成物及びN−置換環状イミド系触媒等は、それぞれ2種以上含まれていてもよい。また、該混合液には、反応生成物及びN−置換環状イミド系触媒等のほか、反応原料や反応溶媒、N−置換環状イミド系触媒と組み合わせて用いられる金属化合物等の助触媒や反応促進剤、精製工程で用いられる溶媒等が含まれていてもよい。前記混合物は、反応終了時の反応混合物であってもよく、また該反応混合物に濾過、濃縮、希釈、液性調整、抽出、洗浄、晶析、乾燥等の慣用の分離精製操作を施した後の混合液であってもよい。
【0030】
本発明において、晶析又はリパルプ操作に用いる炭化水素としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、2−エチルヘキサン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。また、鎖状エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソールなどが挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらのなかでも、特に好ましい溶媒には、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、t−ブチルメチルエーテルなどの鎖状エーテル類、及びこれらの混合溶媒などが含まれる。
【0031】
晶析又はリパルプ操作に用いられる炭化水素、鎖状エーテル又は水の使用量は、操作の種類(リパルプ又は晶析)、反応生成物の種類や含有量、触媒の種類や含有量等によって異なるが、前記混合物中に含まれるN−置換環状イミド系触媒及びその分解生成物100重量部に対して、例えば50〜100000重量部程度の範囲で適宜選択できる。
【0032】
また、晶析又はリパルプ操作中の工程液には、分離効率を損なわない範囲で前記炭化水素、鎖状エーテル及び水以外の溶媒が含まれていてもよい。例えば、反応溶媒や、本発明の晶析又はリパルプ操作の前の段階でなされた抽出、晶析等の操作に用いられた溶媒などが前記工程液中に含まれていてもよく、また、分離性を高めるため、前記炭化水素、鎖状エーテル又は水とともに他の溶媒(例えば、炭化水素や鎖状エーテルに対しては、これらと相溶する有機溶媒、水に対しては水溶性溶媒)を添加して晶析やリパルプ操作を行ってもよい。
【0033】
このような溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼン、ニトロメタンなどのニトロ化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類等が挙げられる。
【0034】
なお、N−置換環状イミド系触媒等と反応生成物とを効率よく分離するためには、前記晶析又はリパルプ操作中の工程液の炭化水素、鎖状エーテル又は水の量(総量)は、前記工程液中の溶媒(揮発成分)全体の例えば50重量%以上、特に70重量%以上(とりわけ90重量%以上)であるのが好ましい。
【0035】
処理温度は、処理の種類によっても異なるが、通常、−10℃〜+150℃程度、好ましくは0〜+100℃程度の範囲である。上記処理はバッチ式、連続式等の何れの方式で行うこともできる。処理は1回でも複数回でもよく、複数回行う場合には異なる処理を2種以上組み合わせてもよい。晶析は溶液の冷却及び/又は濃縮により行うことができる。リパルプは固体と溶媒との混合物を攪拌等することにより行うことができる。晶析又はリパルプにより得られた固体は、濾過、遠心分離などの慣用の固液分離操作を利用することにより分離できる。分離されたN−置換環状イミド系触媒等は、そのまま、或いは適宜な再生処理を施した後、触媒として再利用できる。また、N−置換環状イミド系触媒等を除去した後の濾液(又は母液)を、慣用の分離精製手段、例えば、濃縮、晶析、再結晶、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等に付すことにより、反応生成物を単離することができる。
【0036】
本発明の方法の態様には、例えば、(i)炭化水素、鎖状エーテル又は水を反応溶媒(又は過剰量の反応成分)として用い、反応中の系の組成変化等により、又は反応終了後の冷却若しくは濃縮によりN−置換環状イミド系触媒等を晶析させる態様、(ii)反応混合液に、必要に応じて、濾過、濃縮、乾固、液性調整、抽出、洗浄、晶析などの適宜な処理を施した後、炭化水素、鎖状エーテル又は水を加えて、N−置換環状イミド系触媒等を晶析又はリパルプする態様などが含まれる。
【0037】
上記(ii)の態様のより具体的な例を挙げると、例えば、酸化反応などの反応混合液から沈殿物を濾去し、濾液を濃縮した後、残渣(濃縮液)に炭化水素若しくは鎖状エーテル(生成物が非極性化合物の場合)又は水(生成物が極性化合物の場合)を加えてN−置換環状イミド系触媒等を晶析又はリパルプすることにより、該N−置換環状イミド系触媒等を固体として回収することができる。また、酸化反応などの反応混合液を濃縮した後、水を加えて、反応生成物及びN−置換環状イミド系触媒等を晶析させ、得られた結晶に炭化水素又は鎖状エーテルを加えてN−置換環状イミド系触媒等を晶析又はリパルプすることにより、該N−置換環状イミド系触媒等を固体として回収することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、N−置換環状イミド系触媒の存在下で反応して得られる反応生成物と前記N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物とを含む混合物からN−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を、簡易な手段で効率よく分離できる。また、前記混合物から、N−置換環状イミド系触媒又はその分解生成物を、簡易に固体として回収することができる。
【0039】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0040】
実施例1
冷却管、圧力調整器を備え付けた内容積1Lのチタン製オートクレーブに、シクロヘキサン50g(0.594モル)、N−ヒドロキシフタルイミド9.692g(0.059モル)、酢酸コバルト(II)四水和物0.296g(0.0012モル)及びアセトニトリル400gを入れ、窒素加圧下(33kgf/cm2;3.24MPa)、攪拌しながら加熱昇温した。75℃で安定したところで、40kgf/cm2(3.92MPa)の圧力下、空気を流通させ、4時間反応させた。系内を窒素で置換し、冷却した。
反応混合液をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、シクロヘキサンの転化率19.5%で、シクロヘキサノンが収率14.5%(選択率74.4%)、シクロヘキサノールが収率1.6%(選択率8.2%)で生成していた。また、反応混合液中には、触媒として用いたN−ヒドロキシフタルイミドが9.080g、N−ヒドロキシフタルイミドの変質物であるフタルイミドが0.109g、同じくN−ヒドロキシフタルイミドの変質物である無水フタル酸が0.138g存在していた。
この反応混合液を濾過して不溶物を取り除いた後、濾液を濃縮してシクロヘキサン及びアセトニトリルを留去した。濃縮残渣にシクロヘキサン100mlを加え、1時間攪拌した後、濾過することにより、触媒及びその分解生成物(N−ヒドロキシフタルイミド、フタルイミド及び無水フタル酸)を固体として回収した。濾液には、触媒及びその分解生成物は含まれていなかった。
【0041】
実施例2
アダマンタノール25g(164ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド5.36g(32.8ミリモル)、バナジウムアセチルアセトナト[V(acac)3]0.11g(0.328ミリモル)、酢酸150ml、及びクロロベンゼン150mlの混合液を1気圧(0.101MPa)の酸素雰囲気下、85℃で20時間攪拌した。反応終了後、反応混合液をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、アダマンタノールの転化率95.6%で、アダマンタンジオールが収率50.5%(選択率52.8%)、アダマンタントリオールが収率40.7%(選択率42.6%)で生成していた。また、反応混合液中には、触媒として用いたN−ヒドロキシフタルイミドが1.85g、フタルイミドが1.51g、無水フタル酸が0.40g含まれていた。
反応混合液を濃縮し、水1.2Lを加え、50℃で2時間攪拌し、冷却した後、不溶物を濾過することにより、触媒及びその分解生成物を固体として回収した。この濾液を酢酸エチル3Lで3回抽出した。この抽出液を170gまで濃縮し、結晶を濾過することにより11.2gのアダマンタンジオールを得た。結晶中に触媒及びその分解生成物は含まれていなかった。また、抽残液を100gまで濃縮し、アセトン200gを加え、結晶を濾過することにより9.9gのアダマンタントリオールを得た。結晶中に触媒及びその分解生成物は含まれていなかった。
【0042】
実施例3
アダマンタン27g(200ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド3.25g(20ミリモル)、V2O5 0.183g(0.1ミリモル)、アニソール240ml、及び酢酸60mlの混合液を1気圧(0.101MPa)の酸素雰囲気下、85℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合液をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、アダマンタンの転化率13.0%で、アダマンタノールが収率11.3%(選択率86.9%)、アダマンタノンが収率0.9%(選択率6.9%)で生成していた。また、反応混合液中には、触媒として用いたN−ヒドロキシフタルイミドが2.12g、フタルイミドが0.68g、無水フタル酸が0.18g含まれていた。反応混合液を濃縮し、ヘキサン400mlを加え、50℃で2時間攪拌し、冷却した後、不溶物を濾過することにより、触媒及びその分解生成物を固体として回収した。濾液には触媒及びその分解生成物は含まれていなかった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides an N-substituted cyclic imide system from a mixture containing a reaction product obtained using an N-substituted cyclic imide catalyst such as N-hydroxyphthalimide and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof. The present invention relates to a method for separating and recovering a catalyst or a decomposition product thereof.
[0002]
[Prior art]
N-substituted cyclic imide-based catalysts such as N-hydroxyphthalimide smoothly proceed with various reactions such as oxidation, carboxylation, nitration, sulfonation, acylation and radical coupling reactions with molecular oxygen under mild conditions. It is attracting attention as a catalyst to be used.
[0003]
For example, in JP-A-8-38909 and JP-A-9-327626, a substrate such as hydrocarbon or alcohol is oxidized with molecular oxygen in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst, and the corresponding alcohol is obtained. , Aldehydes, ketones, carboxylic acids and the like are disclosed. JP-A-9-278675 discloses a method for oxidizing a conjugated compound using the N-substituted cyclic imide catalyst. Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-316610 describes that when ethers are oxidized in the presence of the N-substituted cyclic imide catalyst, esters, acid anhydrides, lactones and the like are produced. WO99 / 50204 discloses a method for producing a corresponding epoxide by oxidizing a compound having a non-aromatic ethylene bond with molecular oxygen in the presence of the N-substituted cyclic imide catalyst and a co-oxidant, and A method is described in which a ketone is oxidized with molecular oxygen in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst and a co-oxidant to produce the corresponding ester or lactone.
[0004]
JP-A-11-239730 also discloses a method of obtaining a corresponding nitro compound by reacting a substrate with nitrogen oxide in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst, and a substrate in the presence of the catalyst. A process for producing the corresponding carboxylic acid by reacting with carbon oxide and oxygen is disclosed. In WO99 / 41219, when a substrate is reacted with a 1,2-dicarbonyl compound such as oxygen and biacetyl in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst, an acylation reaction proceeds under mild conditions. Are listed. According to the 1999 Annual Meeting of the Chemical Society of Japan, when N-hydroxyphthalimide is used as a catalyst and α, β-unsaturated ester, alcohol and oxygen are reacted, radical coupling reaction proceeds, and α-hydroxy It has been reported that -γ-butyrolactone is produced in good yield. In the same proceedings, it is reported that when N-hydroxyphthalimide is used as a catalyst and a hydrocarbon such as adamantane is reacted with oxygen and sulfur dioxide, a corresponding sulfonic acid is produced.
[0005]
As described above, the N-substituted cyclic imide catalyst is extremely useful as a catalyst for a wide range of organic synthesis reactions including an oxidation reaction, but the reaction product after the reaction is completed with the N-substituted cyclic imide catalyst. Regarding the separation method, there have been few examples reported so far. For example, in Japanese Patent Laid-Open No. 10-114702, when separating a reaction product and a catalyst from an oxidation reaction mixture obtained using an N-substituted cyclic imide catalyst, the aqueous solvent and the aqueous solvent are separated. There has been proposed a method of partitioning an oxidation reaction product into an aqueous solvent layer and a catalyst into a water-insoluble solvent layer using a liquid-insoluble water-insoluble solvent. However, this method is extremely effective when the reaction product is a highly polar compound such as adipic acid, but it is not always useful when separating the reaction product that is not so polar from the catalyst. It's not a good way. Further, in order to recover the catalyst as a solid, it is necessary to evaporate the water-insoluble solvent, which is expensive.
[0006]
Further, when the N-substituted cyclic imide catalyst is used for the reaction, it may be partially decomposed depending on the reaction conditions. If the decomposition product of the catalyst is mixed in the product of the reaction product, the quality of the product may be lowered. However, conventionally, a method for separating such a decomposition product is not known.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an N-substituted cyclic imide from a mixture containing a reaction product obtained by reacting in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof. An object of the present invention is to provide a method capable of efficiently separating an imide-based catalyst or a decomposition product thereof by a simple means.
[0008]
Another object of the present invention is to form an N-substituted cyclic from a mixture containing a reaction product obtained by reacting in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof. An object of the present invention is to provide a method for easily recovering an imide-based catalyst or a decomposition product thereof as a solid.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors examined the physical properties of the catalyst and its decomposition product in order to achieve the above object, but the N-substituted cyclic imide catalyst and its decomposition product are easily dissolved in a medium polarity solvent. They found that it was difficult to dissolve in a very low polarity solvent or a very high polarity solvent. Therefore, as a result of further investigation, when the mixture containing the reaction product and the N-substituted cyclic imide catalyst or its decomposition product is subjected to a specific treatment using a specific solvent, the N-substituted cyclic imide system The inventors have found that the catalyst or a decomposition product thereof can be efficiently separated and recovered as a solid, and the present invention has been completed.
[0010]
That is, the present invention is obtained by reacting in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst.At least one selected from alcohols, aldehydes, ketones and carboxylic acidsA method for separating and recovering an N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof from a mixture containing a reaction product and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof, wherein the mixture is a hydrocarbon, Provided is a method for separating and recovering a catalyst, which is subjected to crystallization or repulping operation using a solvent selected from a chain ether and water to recover the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof as a solid.
The reaction product may be an alicyclic compound.
The present invention also provides an N-substituted cyclic imide system from a mixture containing a reaction product obtained by reacting in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof. A method for separating and recovering a catalyst or a decomposition product thereof, wherein the reaction product is a water-soluble compound, and the mixture is subjected to crystallization or repulping operation using water to form the N-substituted cyclic imide system Provided is a catalyst separation and recovery method for recovering a catalyst or a decomposition product thereof as a solid.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As an N-substituted cyclic imide catalyst in the present invention, the following formula (1):
[Chemical 1]
(Wherein R1And R2Are the same or different and each represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an aryl group, a cycloalkyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group, a carboxyl group, an alkoxycarbonyl group, or an acyl group, and R1And R2May be bonded to each other to form a double bond or an aromatic or non-aromatic ring. X represents an oxygen atom or a hydroxyl group. R1, R2Or R1And R2In the double bond or aromatic or non-aromatic ring formed by bonding each other, one or two N-substituted cyclic imide groups represented by the above formula may be formed)
The imide compound represented by these is mentioned.
[0012]
In the formula (1), the substituent R1And R2Among them, the halogen atom includes iodine, bromine, chlorine and fluorine. Examples of the alkyl group include straight chain having about 1 to 10 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, s-butyl, t-butyl, pentyl, hexyl, heptyl, octyl and decyl groups. Branched alkyl groups are included. Preferable alkyl groups include, for example, lower alkyl groups having about 1 to 6 carbon atoms, particularly about 1 to 4 carbon atoms.
[0013]
Aryl groups include phenyl and naphthyl groups, and cycloalkyl groups include cyclopentyl and cyclohexyl groups. The alkoxy group includes, for example, about 1 to 10 carbon atoms such as methoxy, ethoxy, propoxy, isopropoxy, butoxy, isobutoxy, t-butoxy, pentyloxy and hexyloxy groups, preferably about 1 to 6 carbon atoms, particularly carbon. A lower alkoxy group of about 1 to 4 is included.
[0014]
In the alkoxycarbonyl group, for example, the carbon number of the alkoxy moiety such as methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, propoxycarbonyl, isopropoxycarbonyl, butoxycarbonyl, isobutoxycarbonyl, t-butoxycarbonyl, pentyloxycarbonyl, hexyloxycarbonyl group and the like is 1 About 10 to 10 alkoxycarbonyl groups are included. Preferred alkoxycarbonyl groups include lower alkoxycarbonyl groups having about 1 to 6, particularly about 1 to 4 carbon atoms in the alkoxy moiety.
[0015]
Examples of the acyl group include acyl groups having about 1 to 6 carbon atoms such as formyl, acetyl, propionyl, butyryl, isobutyryl, valeryl, isovaleryl, and pivaloyl groups.
[0016]
The substituent R1And R2May be the same or different. In the formula (1), R1And R2May be bonded to each other to form a double bond or a ring with aromatic or non-aromatic attributes. A preferable aromatic or non-aromatic ring is a 5- to 12-membered ring, particularly a 6- to 10-membered ring, and may be a heterocyclic ring or a condensed heterocyclic ring, but is often a hydrocarbon ring. Such a ring includes, for example, a non-aromatic alicyclic ring (a cycloalkene ring which may have a substituent such as a cyclohexane ring and a cycloalkene ring which may have a substituent such as a cyclohexene ring). Ring), non-aromatic bridged ring (such as bridged hydrocarbon ring optionally having substituent such as 5-norbornene ring), benzene ring, naphthalene ring and the like Also included are aromatic rings (including fused rings). The ring is often composed of an aromatic ring. The ring may have a substituent such as an alkyl group, a haloalkyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group, a carboxyl group, an alkoxycarbonyl group, an acyl group, a nitro group, a cyano group, an amino group, or a halogen atom.
In the formula (1), X represents an oxygen atom or a hydroxyl group, and the bond between the nitrogen atom N and X is a single bond or a double bond.
[0017]
R1, R2Or R1And R2In the double bond or aromatic or non-aromatic ring formed by bonding each other, one or two N-substituted cyclic imide groups represented by the above formula (1) are further formed. Also good. For example, R1Or R2Is an alkyl group having 2 or more carbon atoms, the N-substituted cyclic imide group may be formed including two adjacent carbon atoms constituting the alkyl group. R1And R2Are bonded to each other to form a double bond, the N-substituted cyclic imide group may be formed including the double bond. In addition, R1And R2Are bonded to each other to form an aromatic or non-aromatic ring, the N-substituted cyclic imide group may be formed including two adjacent carbon atoms constituting the ring.
[0018]
Preferred imide compounds include compounds represented by the following formula.
[Chemical 2]
(Wherein RThree~ R6Are the same or different and each represents a hydrogen atom, an alkyl group, a haloalkyl group, a hydroxyl group, an alkoxy group, a carboxyl group, an alkoxycarbonyl group, an acyl group, a nitro group, a cyano group, an amino group, or a halogen atom. RThree~ R6In adjacent groups, adjacent groups may be bonded to each other to form an aromatic or non-aromatic ring. In the formula (1f), A represents a methylene group or an oxygen atom. R1, R2, X is the same as above. (One or two N-substituted cyclic imide groups shown in formula (1c) may be further formed on the benzene ring of formula (1c))
[0019]
Substituent RThree~ R6In the above, the alkyl group includes the same alkyl group as the above exemplified alkyl group, particularly an alkyl group having about 1 to 6 carbon atoms, and the haloalkyl group has about 1 to 4 carbon atoms such as a trifluoromethyl group. The haloalkyl group and the alkoxy group have the same alkoxy group as described above, particularly the lower alkoxy group having about 1 to 4 carbon atoms, and the alkoxycarbonyl group has the same alkoxycarbonyl group as described above, particularly the alkoxy moiety having 1 to 1 carbon atoms. About 4 lower alkoxycarbonyl groups are included. Examples of the acyl group include the same acyl groups as described above, particularly those having about 1 to 6 carbon atoms, and examples of the halogen atom include fluorine, chlorine, and bromine atoms. Substituent RThree~ R6Is usually a hydrogen atom, a lower alkyl group having about 1 to 4 carbon atoms, a carboxyl group, a nitro group, or a halogen atom. RThree~ R6As the ring formed by bonding to each other, the above R1And R2Are the same as the ring formed by bonding to each other, and an aromatic or non-aromatic 5- to 12-membered ring is particularly preferable.
[0020]
As typical examples of preferred imide compounds, for example, N-hydroxysuccinimide, N-hydroxymaleimide, N-hydroxyhexahydrophthalimide, N, N'-dihydroxycyclohexanetetracarboxylic imide, N-hydroxy Phthalic acid imide, N-hydroxytetrabromophthalic acid imide, N-hydroxytetrachlorophthalic acid imide, N-hydroxyhetic acid imide, N-hydroxyhymic acid imide, N-hydroxytrimellitic acid imide, N, N'- Examples thereof include dihydroxypyromellitic imide and N, N′-dihydroxynaphthalene tetracarboxylic imide.
[0021]
The imide compound represented by the formula (1) is prepared by a conventional imidization reaction such as a corresponding acid anhydride and hydroxylamine NH.2It can be prepared by a method of reacting with OH and imidizing via ring opening and ring closing of an acid anhydride group.
[0022]
Examples of the acid anhydride include saturated or unsaturated aliphatic dicarboxylic acid anhydrides such as succinic anhydride and maleic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride (1,2-cyclohexanedicarboxylic acid anhydride), Saturated or unsaturated non-aromatic cyclic polyvalent carboxylic acid anhydride (alicyclic polyvalent carboxylic acid anhydride) such as 1,2,3,4-cyclohexanetetracarboxylic acid 1,2-anhydride , Bridged cyclic polycarboxylic acid anhydrides (alicyclic polycarboxylic acid anhydrides) such as hymic anhydride, phthalic anhydride, tetrabromophthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, nitrophthalic anhydride, trimetic anhydride , Methylcyclohexentricarboxylic anhydride, pyromellitic anhydride, melittic anhydride, 1,8; 4,5-naphthalenetetracarboxylic acid It includes aromatic polycarboxylic acid anhydrides such as objects.
[0023]
Particularly preferred imide compounds are cycloaliphatic polycarboxylic anhydrides or aromatic polycarboxylic anhydrides, especially N-hydroxyimide compounds derived from aromatic polycarboxylic anhydrides, such as N-hydroxy. Phthalic imide and the like are included.
[0024]
In the present invention, the reaction product obtained using the N-substituted cyclic imide catalyst may be a compound produced by a reaction utilizing the catalyst, such as an oxidation reaction product (for example, alcohol, aldehyde). , Ketone, carboxylic acid, epoxy compound, lactone, acid anhydride, acetal, etc.), carboxylation reaction product (carboxylic acid), nitration reaction product (nitro compound), sulfonation reaction product (sulfonic acid), acyl Examples include, but are not limited to, chemical reaction products (aldehydes, ketones), radical coupling reaction products (lactones, other compounds), and the like. Each of the reaction products (alcohol, aldehyde, ketone, carboxylic acid, etc.) may be any of an aliphatic compound, an alicyclic compound, an aromatic compound, and a heterocyclic compound. The alcohol includes monools, diols, and polyhydric alcohols, and the carboxylic acid includes monocarboxylic acids, dicarboxylic acids, and polyvalent carboxylic acids. In addition, as a specific example of a reaction product, the reaction product etc. which are described in the prior art document shown in the term of a prior art are mentioned.
[0025]
In the present invention, the decomposition product of the N-substituted cyclic imide catalyst is not particularly limited as long as it is a compound produced by decomposition or modification of the N-substituted cyclic imide catalyst during each reaction described above. For example, there are N-unsubstituted cyclic imide compounds represented by the following formula (2), cyclic acid anhydrides represented by the following formula (3), various ring-opening compounds, and the like. Can be mentioned.
[Chemical Formula 3]
(Wherein R1And R2Is the same as above)
[0026]
The N-unsubstituted cyclic imide compound represented by the above formula (2) is a compound that appears to be produced by reducing the N-substituted cyclic imide catalyst in the reaction system, and a typical example thereof is phthalic acid. Examples include imides. The cyclic acid anhydride represented by the above formula (3) is presumed to be produced by ring closure of a compound obtained by hydrolysis of the N-substituted cyclic imide catalyst in the reaction system or a derivative thereof with dehydration. A typical example of this compound is phthalic anhydride. Examples of the ring-opening compound include dicarboxylic acids such as phthalic acid, and derivatives thereof.
[0027]
An important feature of the present invention is that a mixture containing the reaction product and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof is crystallized using a solvent selected from hydrocarbon, chain ether and water. Alternatively, the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof is recovered as a solid by repulping. Hereinafter, the N-substituted cyclic imide catalyst and the decomposition product thereof may be collectively referred to as “N-substituted cyclic imide catalyst or the like”. In this specification, “crystallization” is used in a broad sense including not only crystallization in a narrow sense but also “precipitation”.
[0028]
When the reaction product is a low polarity compound, it is preferable to use a hydrocarbon or a chain ether as the solvent. When the reaction product is a high polarity compound (water-soluble compound), the solvent It is preferable to use water.
[0029]
Two or more kinds of reaction products and N-substituted cyclic imide catalysts may be contained in the mixture subjected to crystallization or repulping operation. In addition to the reaction product, N-substituted cyclic imide catalyst, etc., the reaction mixture, reaction raw material, reaction solvent, metal compound used in combination with N-substituted cyclic imide catalyst, and reaction promotion Agents, solvents used in the purification process, and the like may be included. The mixture may be a reaction mixture at the end of the reaction, or after subjecting the reaction mixture to conventional separation and purification operations such as filtration, concentration, dilution, liquidity adjustment, extraction, washing, crystallization, and drying. It may be a mixed liquid.
[0030]
In the present invention, examples of hydrocarbons used for crystallization or repulping operations include aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, isohexane, heptane, octane, isooctane, 2-ethylhexane, and decane; cyclopentane, cyclohexane, and cyclooctane. And alicyclic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene and ethylbenzene. Examples of the chain ether include diethyl ether, diisopropyl ether, t-butyl methyl ether, dibutyl ether, and anisole. These solvents can be used alone or in combination of two or more. Among these, particularly preferable solvents include aliphatic hydrocarbons such as hexane, alicyclic hydrocarbons such as cyclohexane, chain ethers such as t-butyl methyl ether, and mixed solvents thereof.
[0031]
The amount of hydrocarbon, chain ether or water used for crystallization or repulp operation varies depending on the type of operation (repulp or crystallization), the type and content of the reaction product, the type and content of the catalyst, etc. The N-substituted cyclic imide catalyst and its decomposition product contained in the mixture can be appropriately selected within a range of, for example, about 50 to 100,000 parts by weight.
[0032]
Further, the process liquid during the crystallization or repulping operation may contain a solvent other than the hydrocarbon, chain ether, and water as long as the separation efficiency is not impaired. For example, a reaction solvent, a solvent used in an operation such as extraction or crystallization performed before the crystallization or repulping operation of the present invention may be included in the process liquid, and separation may be performed. In order to enhance the properties, other solvents (for example, for hydrocarbons and chain ethers, organic solvents compatible with these and water-soluble solvents for water) together with the hydrocarbons, chain ethers or water. It may be added to perform crystallization or repulping operation.
[0033]
Examples of such solvents include organic acids such as acetic acid and propionic acid; nitriles such as acetonitrile, propionitrile and benzonitrile; amides such as N, N-dimethylformamide; chloroform, dichloromethane, 1,2- Halogenated hydrocarbons such as dichloroethane, chlorobenzene and trifluoromethylbenzene; nitro compounds such as nitrobenzene and nitromethane; esters such as ethyl acetate, butyl acetate, methyl benzoate and ethyl benzoate; cyclic ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; Examples include alcohols such as methanol, ethanol and isopropyl alcohol; ketones such as acetone and ethyl methyl ketone.
[0034]
In order to efficiently separate the N-substituted cyclic imide catalyst and the reaction product from the reaction product, the amount (total amount) of hydrocarbon, chain ether or water in the process liquid during the crystallization or repulping operation is as follows. For example, it is preferably 50% by weight or more, particularly 70% by weight or more (particularly 90% by weight or more) of the entire solvent (volatile component) in the process liquid.
[0035]
The treatment temperature varies depending on the kind of treatment, but is usually in the range of about −10 ° C. to + 150 ° C., preferably about 0 to + 100 ° C. The treatment can be performed by any method such as a batch method or a continuous method. The process may be performed once or a plurality of times, and two or more different processes may be combined when performed a plurality of times. Crystallization can be performed by cooling and / or concentrating the solution. Repulping can be performed by stirring a mixture of a solid and a solvent. The solid obtained by crystallization or repulping can be separated by utilizing a conventional solid-liquid separation operation such as filtration or centrifugation. The separated N-substituted cyclic imide-based catalyst or the like can be reused as a catalyst as it is or after an appropriate regeneration treatment. Further, the filtrate (or mother liquor) after removing the N-substituted cyclic imide catalyst etc. is subjected to conventional separation and purification means such as concentration, crystallization, recrystallization, extraction, distillation, column chromatography and the like. The reaction product can be isolated.
[0036]
In the embodiment of the method of the present invention, for example, (i) a hydrocarbon, a chain ether or water is used as a reaction solvent (or an excessive amount of reaction components), due to a change in the composition of the system during the reaction, etc. Of crystallizing N-substituted cyclic imide catalysts by cooling or concentrating, and (ii) filtering, concentrating, drying, adjusting liquidity, extracting, washing, crystallization, etc., as required, to the reaction mixture After performing the appropriate treatment, a mode in which a hydrocarbon, a chain ether or water is added to crystallize or repulverize an N-substituted cyclic imide catalyst or the like is included.
[0037]
To give a more specific example of the above embodiment (ii), for example, a precipitate is filtered off from a reaction mixture such as an oxidation reaction, and the filtrate is concentrated. Ether (when the product is a non-polar compound) or water (when the product is a polar compound) is added to crystallize or repulverize the N-substituted cyclic imide catalyst and the like, whereby the N-substituted cyclic imide catalyst Etc. can be recovered as a solid. Further, after concentrating the reaction mixture such as oxidation reaction, water is added to crystallize the reaction product and N-substituted cyclic imide catalyst, and hydrocarbon or chain ether is added to the obtained crystal. By crystallization or repulping the N-substituted cyclic imide catalyst or the like, the N-substituted cyclic imide catalyst or the like can be recovered as a solid.
[0038]
【The invention's effect】
According to the present invention, an N-substituted cyclic imide system is obtained from a mixture containing a reaction product obtained by reacting in the presence of an N-substituted cyclic imide catalyst and the N-substituted cyclic imide catalyst or a decomposition product thereof. The catalyst or its decomposition product can be separated efficiently by simple means. In addition, the N-substituted cyclic imide catalyst or the decomposition product thereof can be easily recovered as a solid from the mixture.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0040]
Example 1
In a titanium autoclave with a 1 L internal volume equipped with a condenser and a pressure regulator, cyclohexane 50 g (0.594 mol), N-hydroxyphthalimide 9.692 g (0.059 mol), cobalt acetate (II) tetrahydrate 0.296 g (0.0012 mol) and 400 g of acetonitrile were added, and under nitrogen pressure (33 kgf / cm2; 3.24 MPa), and the temperature was raised while stirring. When stabilized at 75 ° C., 40 kgf / cm2Under a pressure of (3.92 MPa), air was passed and reacted for 4 hours. The system was replaced with nitrogen and cooled.
As a result of analyzing the reaction mixture by gas chromatography and high performance liquid chromatography, the conversion of cyclohexane was 19.5%, the yield of cyclohexanone was 14.5% (selectivity 74.4%), and the yield of cyclohexanol was 1 .6% (selectivity 8.2%). In the reaction mixture, 9.080 g of N-hydroxyphthalimide used as a catalyst, 0.109 g of phthalimide which is a modified product of N-hydroxyphthalimide, and phthalic anhydride which is also a modified product of N-hydroxyphthalimide. Was present at 0.138 g.
The reaction mixture was filtered to remove insolubles, and the filtrate was concentrated to distill off cyclohexane and acetonitrile. 100 ml of cyclohexane was added to the concentrated residue, stirred for 1 hour, and then filtered to recover the catalyst and its decomposition products (N-hydroxyphthalimide, phthalimide and phthalic anhydride) as a solid. The filtrate did not contain the catalyst and its decomposition products.
[0041]
Example 2
Adamantanol 25 g (164 mmol), N-hydroxyphthalimide 5.36 g (32.8 mmol), vanadium acetylacetonate [V (acac)ThreeA mixture of 0.11 g (0.328 mmol), 150 ml of acetic acid and 150 ml of chlorobenzene was stirred at 85 ° C. for 20 hours in an oxygen atmosphere of 1 atm (0.101 MPa). After completion of the reaction, the reaction mixture was analyzed by gas chromatography and high performance liquid chromatography. As a result, the conversion of adamantanol was 95.6% and the yield of adamantanediol was 50.5% (selectivity 52.8%). Adamantanetriol was produced in a yield of 40.7% (selectivity 42.6%). Further, the reaction mixture contained 1.85 g of N-hydroxyphthalimide used as a catalyst, 1.51 g of phthalimide, and 0.40 g of phthalic anhydride.
The reaction mixture was concentrated, 1.2 L of water was added, the mixture was stirred at 50 ° C. for 2 hours, cooled, and then the insoluble matter was filtered to recover the catalyst and its decomposition product as a solid. The filtrate was extracted 3 times with 3 L of ethyl acetate. The extract was concentrated to 170 g, and the crystals were filtered to obtain 11.2 g of adamantanediol. The crystal contained no catalyst and its decomposition products. Further, the extracted residue was concentrated to 100 g, 200 g of acetone was added, and the crystals were filtered to obtain 9.9 g of adamantanetriol. The crystal contained no catalyst and its decomposition products.
[0042]
Example 3
27 g (200 mmol) adamantane, 3.25 g (20 mmol) N-hydroxyphthalimide, V2OFiveA mixed solution of 0.183 g (0.1 mmol), 240 ml of anisole and 60 ml of acetic acid was stirred at 85 ° C. for 3 hours in an oxygen atmosphere of 1 atm (0.101 MPa). After completion of the reaction, the reaction mixture was analyzed by gas chromatography and high performance liquid chromatography. The conversion of adamantane was 13.0%, the yield of adamantanol was 11.3% (selectivity 86.9%), and adamant. Tanone was produced with a yield of 0.9% (selectivity 6.9%). The reaction mixture contained 2.12 g of N-hydroxyphthalimide used as a catalyst, 0.68 g of phthalimide, and 0.18 g of phthalic anhydride. The reaction mixture was concentrated, 400 ml of hexane was added, the mixture was stirred at 50 ° C. for 2 hours, cooled, and then the insoluble matter was filtered to recover the catalyst and its decomposition product as a solid. The filtrate contained no catalyst and its decomposition products.
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