JP4461503B2 - DIELECTRIC CERAMIC COMPOSITION, MULTILAYER CERAMIC CAPACITOR AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME - Google Patents
DIELECTRIC CERAMIC COMPOSITION, MULTILAYER CERAMIC CAPACITOR AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサ用の誘電体磁器組成物、その組成物を用いた積層セラミックコンデンサとその製造方法に関する。特に、誘電体磁器組成物の組成を改善して、コンデンサ製造時における熱効率及び量産性を向上するための技術に関するものである。
【0002】
さらに、水系のバインダーシステムを用いた時に、特に優れたスラリーの安定性、焼結特性、電気的特性(特に、優れたエージング特性と高温150℃での絶縁抵抗)を示す、環境対応型の積層セラミックコンデンサ用の誘電体磁器組成物に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
小型・高性能化の要求に伴い、積層セラミックコンデンサ(MLC)においては、近年、ますます小型化、多層化が進展しており、積層数についても200層を超えるものが現れている。このMLCの製造方法としては、これまではスクリーン印刷機を用いたウェットスタック法やグリーンシートを積層するドライスタック法が採用されてきた。これらの方法では、誘電体粉末に有機バインダーや可塑剤、有機溶剤を混合してペ―ストやスラリーを作製し、これらを乾燥して誘電体シートを作製している。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、多量の有機溶剤を使用するために、その蒸発管理が難しいのみならず、人体や環境に与える影響も無視できず、環境面で大きな社会問題となっていた。また、ドライスタック法では、ベースフィルムとしてポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PET)フィルムを使用するために、誘電体シートが5μm以下に薄層化するに従い、多量の有機物フィルムの廃棄の問題が生じていた。
【0005】
これに対して、前述のスクリーン印刷機を用いたウェットスタック法では、PETフィルムを使用しないことからフィルム廃棄の問題は生じないが、5μm以下の厚みでピンホールのない均一な誘電体シートを作製することは原理的に困難であった。
【0006】
上述したような従来の製造方法の問題点を解決するために、本発明者等は、すでに水系バインダーを使用することができる新規な製造方法(特願平9−33759号)を提案している。
【0007】
また、従来、積層コンデンサの焼成に当たっては、ジルコニアやマグネシアの磁器セッター上に未焼成のチップを整列し、300℃前後で脱脂した後に、トンネル炉やバッチ炉を用いて昇温速度50〜200℃/時間で1300℃前後まで昇温し、数時間保持後に降温速度50〜200℃/時間で降温して焼成を行っている。
【0008】
これに対して、最近では、地球温暖化の環境問題の改善のために、熱効率の良い製造プロセスが要望されている。例えば、MLC製造の熱効率の改善のために、600℃〜1500℃/時間の速度で昇温や降温を行い、短時間で焼成を達成する方法も提案されている。この急速焼成を実現するためのセッター材料として、急激な熱衝撃に耐える白金、ニクロム、モリブデン、タングステン系金属からなる金属ベースの焼成用セッター、及びこれにジルコニア、マグネシア等のセラミクスをコートした材料等、各種のセッター材料が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、MLC製造の熱効率を改善するために、通常用いられる誘電体材料(例えば、特開昭47−35751号、特願昭59−220745号、特願昭60−8999号、特開平6−342735号、特開平10−255549号等)を用いて、600℃〜1500℃/時間の速度で昇温、降温を行い、短時間で焼成した場合には、焼成後の素子にクラックが生じやすいという欠点があった。このクラック発生の問題は、特に、5.0×5.7×3.0mmサイズで、5μm以下の誘電体層を有するような大型のMLCを製造する場合には特に顕著であった。
【0010】
また、MLC製造に当たり、水系バインダーを用いて、従来のEIAのX7R特性(容量変化率が±15%以下、−55〜+125℃)及びJISのB特性(容量変化率が±10%以下、−25〜+85℃)を満足するチタン酸バリウム系材料のスラリー化を行った場合には、さらに次のような問題が生じていた。
【0011】
まず、前述の誘電体材料では、通常用いられるアクリル樹脂を用いたバインダーの場合にはスラリーの泡が立ちやすく、またピンホールが出やすいという欠点があった。また、水溶液の粘度が時間と共に大きく変化することがしばしば見られた。さらに、得られた素子の端面研磨のために湿式バレル処理を行うと、チッピングが生じ易いという欠点があった。これらの欠点は、特に水系バインダーを用いた時に顕在化し、量産上の大きな問題点であった。
【0012】
これらの欠陥以外にも、特に、5.0×5.7×3.0mmサイズで5μm以下の誘電体層を有するような大型のMLCを製造する場合には、絶縁耐圧が200V以下に低下するという問題点が存在していた。
さらに得られた卑金属MLCでは、その初期の静電容量が時間とともに減少していくエージング特性が悪く、はなはだしい場合は静電容量が1年間で10%以上も変化するという問題があった。また、高温150℃以上での絶縁抵抗が充分ではなかった。
【0013】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であり、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結可能で、バレル処理後にチッピングが生じにくく、積層セラミックコンデンサ用として好適な誘電体磁器組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、そのような組成物を用いて、大型の場合でも耐圧に優れ、EIAのX7R特性及びJISのB特性を満たすことが可能な、高性能で信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することであり、さらに、そのような優れた積層セラミックコンデンサを製造可能な、熱効率、量産性、及び環境性に優れた製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、請求項1に記載の通り、誘電体材料として、組成式がBaTiO3 からなる組成物に対して、SiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 からなる添加物を、2.0〜10wt%加えたことを特徴とする誘電体磁器組成物を用いることにより、上記課題を達成し得ることを見出した。
【0016】
なお、ベースとなるBaTiO3 からなる組成物に上記添加物を添加する場合、まず、添加物を1100℃以上の高温度で仮焼きして均一化し、これをベースとなるチタン酸バリウムに添加することが好ましい。この方法により、添加物を水系溶媒に添加しても、安定に水系スラリーを作製できるばかりでなく、焼結した後に粒界に選択的にこれらの添加物を均一に析出させることが可能となる。また、低温焼成が実現でき、水系の溶媒を用いても粘度が安定する。また、添加物の比重差が小さいために、より均一なグリーンシートを作製することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の通り、前記SiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 からなる添加物を構成する各成分は、それぞれSiO2 =10〜50mol%、Al2 O3 =1〜20mol%、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜10mol%、Ta2 O5 =1〜10mol%、Nb2 O5 =0〜10mol%、MgO=10〜40mol%,Y2 O3 =0〜20mol%であり、この添加物の平均粒径は、0.5μm以下であることが望ましい。
【0018】
なお、さらに好ましくは、ベースとなるBaTiO3 の平均粒径が0.1〜0.5μmである原料を用い、SiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 の各成分が、それぞれSiO2 =15〜40mol%、Al2 O3 =1〜10mol%、BaO=5〜30mol%、CaO=0〜5mol%、Ta2 O5 =2〜5mol%、Nb2 O5 =0〜5mol%、MgO=10〜30mol%,Y2 O3 =5〜15mol%であり、その平均粒径が0.3μm以下である添加物を、3〜6wt%添加することが望ましい。
このような誘電体磁器組成物は、水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であり、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結可能である。
【0019】
ここで、添加物の添加量及び各成分の範囲は、次の理由によって決定されている。
まず、SiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 からなる添加物を、ベースとなるチタン酸バリウムに対して2〜10wt%添加することとしたのは、次の理由による。すなわち、上記添加物の添加量が2.0wt%以下では、1300℃以下での焼成が困難となり、さらに、600℃/時間を超える急速な昇温、降温の焼成プロファイルを用いた時に、素子にクラックが生じやすくなるためである。また、水系バインダーを用いた場合の泡の発生が多いばかりでなく、誘電体シートにピンホールが出やすくなり、MLCを焼成した後にバレル処理を行った場合のチッピングが多くなるためである。また、高温度において、絶縁抵抗を増加させたりエージングレートを小さくする効果がほとんど見られないためである。
一方、上記添加物の添加量が10wt%以上では、誘電率が低下するばかりでなく、焼成体同士やジルコニアセッター等との融着が激しくなり、素子の変形が著しくなるためである。
【0020】
また、添加物の平均粒径を0.5μm以下としたのは、特に誘電体層を5μmレベルまで薄層化した場合に、耐圧が400V以上となる優れたMLCを得ることができるためである。
【0021】
さらに、SiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 からなる添加物を構成する各成分を、それぞれSiO2 =10〜50mol%、Al2 O3 =1〜20mol%、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜10mol%、Ta2 O5 =1〜10mol%、Nb2 O5 =0〜10mol%、MgO=10〜40mol%,Y2 O3 =0〜20mol%としたのは、以下の理由による。
【0022】
すなわち、SiO2 及びAl2 O3 の量を上記の範囲に限定したのは、この範囲外では、特に1300℃以下の低温焼成が達成できないためであり、BaOやCaOの量を上記の範囲に限定したのは、この範囲外では、誘電体層が5μm以下での耐圧が低下し、さらに絶縁抵抗が低下するためである。
Ta2 O5 の量を上記の範囲に限定したのは、1.0mol%より少ない場合は、バレル処理時のチッピングが多くなり、また耐圧も十分な値が得られないばかりでなく、急速焼成時のクラックが生じるためである。また、小さなエージングレートと高温度での大きな絶縁抵抗が得られなくなるためである。一方、10mol%より多い場合には、容量温度特性がEIAのX7R特性を満たさなくなるため、あるいは誘電率が大幅に低下するためである。
Y2 O3 の量を上記の範囲に限定したのは、20mol%以上では誘電率が2500以下となり、温度特性がEIAのX7R特性及びJISのB特性の両方を満たさなくなるためである。
【0023】
また、請求項3に記載の通り、これらの誘電体にCoOを0.1mol%以下添加した場合も同様の効果が得られるが、CoOの量を0.1mol%以下とした理由は、誘電損失を低下させるためであり、これ以上の添加量では容量のエージングレートが1%/decade以上と大きくなるためである。
さらに、着色などの目的でMnOやFe2 O3 などを少量添加することは差し支えない。これらの遷移元素の添加量は多くても0.2mol%以下、好ましくは0.05mol%以下である。
【0024】
また、上記添加物としては、通常の酸化物のみならず、炭酸塩またさらに蓚酸化物、硝酸化物、酢酸化物などの水溶性の塩を用いても良い。これらの水溶性の塩を用いることにより、ベースとなるチタン酸バリウムに低温で均一にこれらの添加物を分散させることができる。また、ベースとなるチタン酸バリウムに上記添加物を添加する方法としては、最初に特定の成分(例えば、MgOやCoO)等をBaTiO3 と高温で反応させ、その後に残りの成分を加えるような2段階プロセスを用いても良い。
【0025】
誘電体磁器組成物を上記のような組成範囲にすることにより、1120〜1300℃の還元雰囲気焼成温度で、EIAのX7R特性やJISのB特性を持つ誘電体材料を容易に得ることができる。すなわち、EIAのX7R特性やJISのB特性の基本的な性能である1012Ωcmより大きな絶縁抵抗、4%以下の小さな誘電損失、優れた高温負荷寿命特性、及び2500以上の大きな誘電率を満たしながら、X7R特性の容量温度範囲(容量変化率が±15%以内、−55〜125℃)及びJISのB特性(容量変化率が±10%以下、−25〜+85℃)の両方を満足する誘電体材料を得ることができる。
【0026】
さらに、容量の時間変化であるエージングレートが0.3〜0.8%/decadeと小さく、150℃での容量抵抗積(CR150℃)が1000ΩF以上と極めて高い誘電体材料、及びこれを用いたMLCを作製することができる。
なお、従来までは、卑金属内部電極を用いてこれらの要求の全てを満たす材料は知られていない。
【0027】
請求項4に記載の製造方法は、内部電極と誘電体を交互に積層して積層体を形成し、この積層体を焼成して積層セラミックコンデンサを製造する方法において、請求項1から請求項3に記載された誘電体磁器組成物の中から選択された組成物を誘電体として使用することを特徴としている。
この方法によれば、請求項1〜3に記載された組成物が、水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であり、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結可能であることから、これらの組成物を用いて急速焼成を行うことができるため、熱効率を改善でき、それによって環境性を向上することができる。また、この方法により得られる積層セラミックコンデンサにおいては、ピンホールやチッピングが防止され、その電気的特性が向上できる。
【0028】
請求項5に記載の製造方法は、請求項4に記載の方法において、積層体として、上記組成物からなる誘電体と、NiまたはNi合金からなる内部電極を少なくとも2層以上有する積層体を形成することを特徴としている。
この方法によれば、NiまたはNi合金(例えば、Ta,Mo,W等の合金組成物)からなる内部電極を少なくとも2層以上有することにより、コンデンサの信頼性を向上できる。Niの合金組成物の量は、Niに対してTa,Mo,W等を10%以下添加することにより、3μm以下の誘電体層を持つMLCにおいても、250V以上の耐圧を持つMLCを作製することができる。しかし、金属の電気抵抗の観点からは、これらの添加量は3%以下が望ましい。
【0029】
請求項6に記載の製造方法は、請求項4に記載の方法において、前記積層体を、1120〜1300℃で、酸素分圧10-7atmから10-13 atmの還元雰囲気で焼成し、その後に、600〜1100℃で酸素分圧2×10-1atmから1×10-7atmの雰囲気で熱処理することを特徴としている。
この方法によれば、上記組成物を1300℃以下の還元雰囲気で焼成することで、EIAのX7R特性やJISのB特性を持つ誘電体層を効率よく生成することができるため、電気的特性に優れたMLCを効率よく作製することができる。したがって、熱効率および環境性を向上できる。
【0030】
請求項7に記載の方法は、請求項4に記載の方法において、上記積層体を、上記誘電体磁器組成物の焼結粒子が0.2〜2μmとなる条件で焼成し、熱処理することを特徴としている。
この方法によれば、誘電体組成の焼結粒子を0.2〜2μmとすることにより、特に誘電体層を5μmレベルまで薄層化した場合に、耐圧の優れたMLCを実現できる。
【0031】
請求項8に記載の方法は、請求項4に記載の方法において、上記誘電体磁器組成物をスラリー化する際に、分散媒体として水系溶剤を用いることを特徴としている。
この方法によれば、誘電体磁器組成物を水系溶剤を用いて良好にスラリー化可能であり、泡の発生等を抑えてピンホールの発生を防止でき、焼成後のバレル処理時におけるチッピングの発生を防止できるため、量産性を向上できる。また、有機溶剤を使用する場合に比べて、環境性を格段に向上できる。
【0032】
請求項9に記載の方法は、請求項4に記載の方法において、上記積層体を、金属板セッター又は金属網セッター上に置き、600〜1500℃/時間の昇温速度で1120〜1300℃まで昇温させ、数時間保持し、その後に、600〜1500℃/時間の降温速度で室温まで降下させることを特徴としている。
この方法によれば、急速焼成を行うことにより、熱効率を向上でき、それによって環境性を向上できる。なお、図1は、本発明に係る積層セラミックコンデンサの焼成温度プロファイルを示す図である。
【0033】
請求項10に記載の方法は、請求項9に記載の方法において、金属板セッター及び金属網セッターが、W、Mo、Pt、Ni−Cr−Fe系、およびFe−Cr−Co−Al系のいずれか一つを含む金属からなることを特徴としている。
この方法によれば、金属板セッター及び金属網セッターの材料を限定したことにより、急速焼成時の急激な熱衝撃に対しても、金属板セッター及び金属網セッターの変形や破損等の発生を防止できるため、その上に置いた積層体を良好に保持することができ、MLCを良好に製造することができる。
【0034】
請求項11に記載の方法は、請求項9に記載の方法において、上記金属板セッター及び金属網セッターが、W、Mo、Pt、Ni−Cr−Fe系、およびFe−Cr−Co−Al系のいずれか一つを含む金属板であり、その上部がセラミクスでコートされていることを特徴としている。
この方法によれば、金属板セッター及び金属網セッターの材料を限定し、さらに、その上部をセラミクスでコートしたことにより、急速焼成時の急激な熱衝撃に対しても、金属板セッター及び金属網セッターの変形や破損等の発生を防止できるため、その上に置いた積層体を良好に保持することができ、MLCを良好に製造することができる。
【0035】
請求項12に記載の積層セラミックコンデンサは、請求項4から請求項11に記載の方法の中から選択された方法により製造されたことを特徴としている。
すなわち、請求項4〜11の各製造方法は、前述した通り、熱効率、量産性、および環境性に優れた製造方法であり、そのような優れた製造方法を用いることによって、優れた電気的特性を持つ、小型・高性能で信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。特に、本発明は、誘電体層を5μmレベルまで薄層化した小型・多層の積層セラミックコンデンサに好適である。
【0036】
以上述べたように、本発明による積層積層セラミックコンデンサの製造方法として、より望ましい範囲は以下の通りである。すなわち、ベースとなるBaTiO3 の平均粒径が0.1〜0.5μmである原料を用い、添加物であるSiO2 −Al2 O3 −BaO−CaO−Ta2 O5 −Nb2 O5 −MgO−Y2 O3 の各成分が、それぞれSiO2 =15〜40mol%、Al2 O3 =1〜10mol%、BaO=5〜30mol%、CaO=0〜5mol%、Ta2 O5 =2〜5mol%、Nb2 O5 =0〜5mol%、MgO=10〜30mol%,Y2 O3 =5〜15mol%であり、その平均粒径が0.3μm以下である酸化物成分を、ベースとなるBaTiO3 に3〜6wt%添加した誘電体を、1180〜1260℃で焼成し、焼成後の平均粒径を1.0μm以下にすることである。これらの焼成温度で焼成することにより、内部電極であるNiまたはNi系合金の厚みを1.0μm以下と薄くすることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0038】
[1.製造工程]
[1−1.誘電体スラリーの調製]
誘電体ベース材料として、平均粒径が0.4μmのBaTiO3 を用いた。なお、このBaTiO3 は水熱合成で得られたものを使用した。
また、添加物である酸化物成分の作製に当たっては、まず、MgO、Y2 O3 ,SiO2 、BaCO3 、CaCO3 、Al2 O3 、Ta2 O5 及びNb2 O5 を、それぞれ、表1に示した組成に従って所定の量を秤量した。そして、均一混合の後に、これらをアルミナるつぼに入れ、1150℃で4時間の仮焼を行った。次に、得られた仮焼粉を、ジェットミル、アトライタミルなどの微粉砕機を用いて粉砕することにより、平均粒径が0.2〜0.5μmの酸化物粉末を得た。なお、この酸化物粉末は、作製条件により一部または全部がガラス化する場合があるが、その組成が均一であれば得られる特性には大きな差はない。
【0039】
以上のようにして得られた誘電体ベース材料と酸化物粉末から、表1に示したように、各材料の混合比率の異なる複数の誘電体原料を作製した。すなわち、各誘電体原料1000gに対して、水とエチルアルコール及び分散剤を80:19:1で混合した溶剤を700g入れ、ホモジナイザーを用いて分散させた。この混合物を、通常の良く知られている分散方法であるボールミルやアトリッションミルを用いて20時間分散させた後、さらに水性エマルジョンとアクリル樹脂と可塑剤を含む溶液を入れて、複数種類の誘電体スラリーを作製した(実施例1〜16)。なお、これらのスラリーの粘性は、いずれも約200cpsに調整した。
【0040】
【表1】
【0041】
[1−2.グリーンチップの作製]
上記のようにして得られた誘電体スラリーを用いて、ドクターブレード装置により、PETフィルム上に5〜10μmの厚さを持つグリーンシートを成形し、このグリーンシート上に、内部電極用ペーストを2μmの厚みで印刷した。
なお、内部電極用ペーストとしては、平均粒径0.5μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部、及びブチルカルビトール10重量部とを、3本ロールにより混練し、ペースト化したものを使用した。
【0042】
次いで、PETフィルムからシートを剥離して積層し、80℃で1トン/cm2 の静水圧を用いて加圧接着してグリーンチップを得た。積層数は100層とした。次に、このグリーンチップを所定サイズに切断し、Fe−Cr−Co−Al金属板上にジルコニアをコートしたセッターに搭載し、脱バインダー処理、焼成及びアニールを、下記の条件で連続的に行ない、コンデンサチップ体を作製した。
なお、脱バインダー処理、焼成及びアニールの条件は、以下の通りである。また、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用いた。
【0043】
(脱バインダー処理)
昇温速度:20℃/時間
保持温度:280℃
温度保持時間:8時間
雰囲気ガス:空気中
(焼成)
昇温速度:1000℃/時間
保持温度:1200℃及び1250℃
温度保持時間:2時間
冷却速度:1000℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2 とH2 との混合ガス
酸素分圧:1×10-9atm
(アニール)
保持温度:800℃
温度保持時間:4時間
昇温、降温速度:600℃/時間
雰囲気ガス:空気
酸素分圧:2×10-1atm
【0044】
[1−3.バレル処理・外部電極の形成]
得られたコンデンサチップ体の端面をバレル処理により研磨した後、平均粒径0.5μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重量部、及びブチルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化した外部電極用ペーストを前記端面に転写し、N2 雰囲気中で850℃にて5分間焼成して外部電極を形成し、図2に示すような構成を有する積層セラミックコンデンサを得た。なお、図において、1は誘電体層、2は内部電極、3は外部電極である。
【0045】
[2.試験結果]
[2−1.誘電体組成の差異による特性比較]
上記のようにして製造した各サンプルのサイズは、3.2×1.6×1.3mm及び5.0×5.7×2.5mmであり、有効誘電体層の厚さは5μm×100層、内部電極層の厚さは約1.0μmであった。なお、各サンプルの誘電体層の組成は、上記表1に示す通りであり、各サンプルの特性は表2に示す通りである。
【0046】
なお、表1において、実施例1〜16は、本発明に係る組成であり、参考例1〜8は、本発明の範囲外の組成である。すなわち、参考例1は、酸化物成分をまったく添加していない誘電体組成からなるサンプルであり、参考例2は、実施例5と同一の組成を有する酸化物成分を1wt%だけ添加した誘電体組成からなるサンプルである。参考例3〜8は、それぞれ*を付した組成が、本発明の範囲外となる誘電体組成からなるサンプルである。
【0047】
そして、この表1に示すような誘電体組成を持つ複数のサンプルの各々について、グリーンシートのピンホールの有無、焼成後のクラック数、バレル処理後のチッピング数といった外観検査を行うと共に、誘電率、容量の温度特性、誘電損失、耐圧、絶縁抵抗等を測定したところ、下記の表2に示すような結果が得られた。なお、この場合の検査および測定の詳細は、次の通りである。
【0048】
(外観検査)
グリーンシートのピンホールは、シートを1cm2 に切断して50倍の顕微鏡で観察し、ピンホールの有無を調べた。なお、ピンホールがある場合には、その数を記載した。
焼成後のクラック数は、各組成ごとに20個のサンプルを使用し、目視によりその不良率を求めた。
バレル後のチッピング数は、各組成ごとに20個のサンプルを使用し、回転バレル装置に1mm径のジルコニアボールと800番のアルミナ研磨剤を入れ、60rpmで3時間回転させてバレル処理を行い、その後に実体顕微鏡でエッジの欠けを観察し、その不良率を求めた。
【0049】
(容量の温度特性)
容量の温度特性は、EIAのX7R特性を満足するか否かを調べた。具体的には、LCRメータにより、−55〜125℃について測定電圧1Vで容量を測定し、容量変化率が±15%以内(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。また、−25〜85℃について測定電圧1Vで容量を測定し、容量変化率が±10%以内(基準温度20℃)を満足するかどうかを調べた。両者を満足する場合を○、満足しない場合を×とした。
【0050】
(比誘電率εs及び誘電損失)
20℃における静電容量を測定し、電極面積と誘電体の厚みから比誘電率を測定した。なお、誘電率と誘電損失は1vrms、1.0kHzでの値を用いた。
【0051】
(耐圧)
MLC素子に電圧を印可して電流が10mA以上流れた電圧を耐圧とした。測定数は各組成ごとに5個であり、その平均を求めた。
【0052】
(エージングレート)
素子を180℃で1時間熱処理し、その後に25℃の恒温槽の中で、2時間後及び20時間後に静電容量を測定し、エージングレート%/decadeを求めた。
【0053】
(高温での容量抵抗積)
素子を150℃の恒温槽に放置し、10分後に容量と絶縁抵抗の1分値を測定し、その積をCR150℃とした。
【0054】
【表2】
【0055】
表2から明らかなように、本発明に係る誘電体組成を持つサンプル(実施例1〜16)の各特性は、いずれも本発明の範囲外の誘電体組成を持つサンプル(参考例1〜8)に比べて格段に優れている。
すなわち、実施例1〜16の各特性から明らかなように、本発明に係る誘電体組成を用いた場合には、1000℃/時間の昇温のような急速な焼成条件で焼成を行っても、素子にクラックが生じることはなく、バレル処理後のチッピングも生じない。また、水系バインダーを用いてシート成形を行っても、ピンホールの発生が極めて少なく、結果として、大型サイズでも耐圧に優れたMLCを製造することができる。また、得られたMLCは高温150℃でも極めて高い絶縁抵抗を示し、さらに室温における小さな容量エージング特性を示す。
【0056】
[2−2.内部電極組成の差異による特性比較]
続いて、前述した製造工程によって得られたサンプルのように内部電極にNiを用いた場合と、Ni合金を用いた場合との比較について説明する。一例として、表1に示す実施例8と同じ誘電体組成を持ち、内部電極に2%のMoを添加したNi合金を用いたサンプルを実施例17として、表2と同様の特性を調べたところ、下記の表3に示すような結果が得られた。
【0057】
すなわち、表3は、内部電極用金属の組成のみが異なる以外は全く同じ条件で作製された、本発明に係る同じ誘電体組成を持つ同サイズの2種類のサンプルとして、Ni金属のみを用いた実施例8と、2%のMoを添加したNi合金を用いた実施例17の各特性をそれぞれ示したものである。
【0058】
【表3】
【0059】
表3から明らかなように、実施例17の耐圧や絶縁抵抗は、実施例8に比べて大幅に向上している。このことから、内部電極用金属として、Ni金属のみを用いた場合よりも、Ni−Mo合金を用いることによって、耐圧を向上でき、さらに絶縁抵抗を向上できることが判明した。さらに、200℃で50vを印可する高温加速寿命試験を行ったところ、絶縁抵抗が106 Ω以下に低下するまでの時間は、実施例8では平均10時間であるのに対して、実施例17では平均30時間まで向上していた。これらの結果から、内部電極用金属として、Ni−Mo合金を用いることによって、各種の特性を向上できることが明らかとなった。
【0060】
[2−3.バインダーの差異による特性比較]
以下には、前述した製造工程によって得られたサンプルのように誘電体組成物をスラリー化する際のバインダーとして水系バインダーを用いた場合と、有機溶剤を用いた場合との比較について説明する。
一例として、表1に示す実施例8と同じ誘電体組成について、有機溶剤を用いたサンプルを実施例18として、表2と同様の特性を調べたところ、下記の表4に示すような結果が得られた。
【0061】
すなわち、表4は、バインダーが異なる以外は全く同じ条件で作製された、本発明に係る同じ誘電体組成を持つ同サイズの2種類のサンプルとして、水系バインダーを用いた実施例8と有機溶剤を用いた実施例18の各特性をそれぞれ示したものである。
【0062】
【表4】
【0063】
表4から明らかなように、有機溶剤を用いて作製した実施例18の特性は、水系バインダーを用いて作製した実施例8とほぼ同等である。このことから、本発明に係る組成物を用いることにより、バインダーの種類に関わらず、良好な特性を安定して得られることが判明した。
【0064】
[3.他の実施例]
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例を実施可能である。例えば、誘電体磁器組成物の具体的な組成は、本発明の範囲内で適宜選択可能である。同様に、電極用金属の組成やバインダーの組成等も、適宜選択可能である。さらに、具体的な製造工程や各工程の条件も適宜選択可能である。例えば、脱バインダー処理や焼成、アニールにおける温度条件や昇温・降温速度条件、雰囲気ガス条件等は、適宜選択可能である。これに関連して、前記実施例においては、還元雰囲気での焼成について説明したが、酸化雰囲気でPd/Ag電極を内部電極に用いても同等な特性が得られる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であり、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結可能で、バレル処理後にチッピングが生じにくく、積層セラミックコンデンサ用として好適な誘電体磁器組成物を提供することができる。
【0066】
また、そのような組成物を用いて、大型の場合でも耐圧に優れ、EIAのX7R特性及びJISのB特性を満たすことが可能な、高性能で信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することができる。さらに、そのような優れた積層セラミックコンデンサを製造可能な、熱効率、量産性、及び環境性に優れた製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミックコンデンサの焼成温度プロファイルを示す図
【図2】本発明に係る積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図
【符号の説明】
1…誘電体層
2…内部電極
3…外部電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dielectric ceramic composition for a multilayer ceramic capacitor, a multilayer ceramic capacitor using the composition, and a manufacturing method thereof. In particular, the present invention relates to a technique for improving the thermal efficiency and mass productivity at the time of manufacturing a capacitor by improving the composition of the dielectric ceramic composition.
[0002]
In addition, when using an aqueous binder system, it is an environmentally friendly laminate that exhibits particularly excellent slurry stability, sintering properties, and electrical properties (especially excellent aging properties and insulation resistance at high temperatures of 150 ° C.). The present invention relates to a dielectric ceramic composition for a ceramic capacitor.
[0003]
[Prior art]
In response to the demand for smaller size and higher performance, multilayer ceramic capacitors (MLC) have been increasingly miniaturized and multilayered in recent years, and the number of laminated layers exceeds 200 layers. As a manufacturing method of this MLC, a wet stack method using a screen printer or a dry stack method in which green sheets are stacked has been adopted so far. In these methods, an organic binder, a plasticizer, and an organic solvent are mixed with dielectric powder to produce a paste or slurry, and these are dried to produce a dielectric sheet.
[0004]
However, in these methods, since a large amount of organic solvent is used, not only the evaporation management is difficult, but also the influence on the human body and the environment cannot be ignored, which is a serious social problem in terms of the environment. Further, in the dry stack method, since a polypropylene (PP) or polyethylene (PET) film is used as a base film, a problem of disposal of a large amount of organic film has arisen as the dielectric sheet is thinned to 5 μm or less. It was.
[0005]
On the other hand, the wet stack method using the above-described screen printer does not use a PET film because it does not use a PET film. However, a uniform dielectric sheet having a thickness of 5 μm or less and no pinhole is produced. It was difficult in principle to do.
[0006]
In order to solve the problems of the conventional manufacturing method as described above, the present inventors have already proposed a new manufacturing method (Japanese Patent Application No. 9-33759) in which an aqueous binder can be used. .
[0007]
Conventionally, in firing a multilayer capacitor, unfired chips are aligned on a zirconia or magnesia porcelain setter, degreased at around 300 ° C., and then heated at a heating rate of 50 to 200 ° C. using a tunnel furnace or batch furnace. The temperature is raised to about 1300 ° C./hour, and after holding for several hours, the temperature is lowered at a temperature-falling rate of 50 to 200 ° C./hour for firing.
[0008]
On the other hand, recently, in order to improve the environmental problem of global warming, a highly efficient manufacturing process has been demanded. For example, in order to improve the thermal efficiency of MLC production, a method has been proposed in which the temperature is raised or lowered at a rate of 600 ° C. to 1500 ° C./hour to achieve firing in a short time. As setter materials for realizing this rapid firing, metal-based firing setters made of platinum, nichrome, molybdenum, tungsten-based metals that withstand rapid thermal shock, and materials coated with ceramics such as zirconia and magnesia, etc. Various setter materials have been proposed.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to improve the thermal efficiency of MLC production, dielectric materials commonly used (for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 47-35751, Japanese Patent Application No. 59-220745, Japanese Patent Application No. 60-8999, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-342735). When the temperature is raised and lowered at a rate of 600 ° C. to 1500 ° C./hour and fired in a short time, cracked elements are likely to be cracked. There were drawbacks. This problem of crack generation was particularly noticeable when a large MLC having a dielectric layer of 5 μm or less and a size of 5.0 × 5.7 × 3.0 mm was manufactured.
[0010]
In addition, in manufacturing MLC, using an aqueous binder, the conventional EIA X7R characteristics (capacity change rate is ± 15% or less, −55 to + 125 ° C.) and JIS B characteristics (capacity change rate is ± 10% or less, − When slurrying a barium titanate-based material satisfying 25 to + 85 ° C., the following problems occurred.
[0011]
First, the above-described dielectric material has the disadvantages that a foam using a commonly used acrylic resin tends to cause foaming of a slurry and a pinhole. Moreover, it was often seen that the viscosity of the aqueous solution changed greatly with time. Furthermore, when wet barrel processing is performed to polish the end face of the obtained element, there is a drawback that chipping is likely to occur. These disadvantages became apparent particularly when an aqueous binder was used, which was a major problem in mass production.
[0012]
In addition to these defects, in particular, when manufacturing a large MLC having a dielectric layer of 5 μm or less with a size of 5.0 × 5.7 × 3.0 mm, the withstand voltage decreases to 200 V or less. There was a problem.
Further, the obtained base metal MLC has a problem that the initial electrostatic capacity decreases with time and the aging characteristic is bad. In extreme cases, the electrostatic capacity changes by 10% or more in one year. Further, the insulation resistance at a high temperature of 150 ° C. or higher was not sufficient.
[0013]
The present invention has been proposed in order to solve the problems of the prior art as described above, and the object thereof is to be able to make a good slurry using an aqueous binder and to generate cracks even in rapid firing. An object of the present invention is to provide a dielectric ceramic composition that can be satisfactorily sintered without causing chipping after barrel treatment and is suitable for a multilayer ceramic capacitor.
[0014]
Another object of the present invention is to provide a high-performance and highly reliable multilayer ceramic that uses such a composition and has an excellent breakdown voltage even in a large size and can satisfy the X7R characteristic of EIA and the B characteristic of JIS. Another object of the present invention is to provide a capacitor, and further to provide a manufacturing method excellent in thermal efficiency, mass productivity, and environmental performance capable of manufacturing such an excellent multilayer ceramic capacitor.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above-mentioned problems, the inventors of the present invention have a composition formula of BaTiO as a dielectric material as described in
[0016]
The base BaTiO Three When the above additive is added to the composition comprising the above, it is preferable to first calcine and homogenize the additive at a high temperature of 1100 ° C. or higher, and add it to the base barium titanate. By this method, even if the additives are added to the aqueous solvent, not only can the aqueous slurry be stably produced, but it is also possible to selectively precipitate these additives uniformly at the grain boundaries after sintering. . In addition, low temperature firing can be realized, and the viscosity is stable even when an aqueous solvent is used. Moreover, since the specific gravity difference of the additive is small, a more uniform green sheet can be produced.
[0017]
Further, as described in
[0018]
More preferably, the base BaTiO is used. Three Using a raw material having an average particle size of 0.1 to 0.5 μm, SiO 2 2 -Al 2 O Three -BaO-CaO-Ta 2 O Five -Nb 2 O Five -MgO-Y 2 O Three Each component of SiO 2 = 15-40 mol%, Al 2 O Three = 1 to 10 mol%, BaO = 5 to 30 mol%, CaO = 0 to 5 mol%, Ta 2 O Five = 2 to 5 mol%, Nb 2 O Five = 0 to 5 mol%, MgO = 10 to 30 mol%, Y 2 O Three It is desirable to add 3 to 6 wt% of an additive having an average particle size of 0.3 μm or less.
Such a dielectric ceramic composition can be slurried satisfactorily using an aqueous binder, and can be satisfactorily sintered without causing cracks even by rapid firing.
[0019]
Here, the addition amount of the additive and the range of each component are determined for the following reason.
First, SiO 2 -Al 2 O Three -BaO-CaO-Ta 2 O Five -Nb 2 O Five -MgO-Y 2 O Three The reason why the additive consisting of 2 to 10 wt% is added to the base barium titanate is as follows. That is, when the additive amount is 2.0 wt% or less, firing at 1300 ° C. or less becomes difficult, and when a rapid heating / falling firing profile exceeding 600 ° C./hour is used, This is because cracks are likely to occur. Moreover, not only is there much foam when using an aqueous binder, but pinholes are likely to appear in the dielectric sheet, and chipping is increased when barrel processing is performed after firing the MLC. In addition, at high temperatures, the effect of increasing the insulation resistance or reducing the aging rate is hardly seen.
On the other hand, when the amount of the additive is 10 wt% or more, not only the dielectric constant is lowered, but also the fusion between the fired bodies and the zirconia setter becomes intense, and the element is significantly deformed.
[0020]
The reason why the average particle size of the additive is 0.5 μm or less is that an excellent MLC having a withstand voltage of 400 V or more can be obtained particularly when the dielectric layer is thinned to a level of 5 μm. .
[0021]
Furthermore, SiO 2 -Al 2 O Three -BaO-CaO-Ta 2 O Five -Nb 2 O Five -MgO-Y 2 O Three Each component constituting the additive consisting of 2 = 10 to 50 mol%, Al 2 O Three = 1 to 20 mol%, BaO = 3 to 40 mol%, CaO = 0 to 10 mol%, Ta 2 O Five = 1 to 10 mol%, Nb 2 O Five = 0 to 10 mol%, MgO = 10 to 40 mol%, Y 2 O Three The reason why = 0 to 20 mol% is obtained is as follows.
[0022]
That is, SiO 2 And Al 2 O Three The reason why the amount is limited to the above range is that low temperature firing at 1300 ° C. or less cannot be achieved outside this range, and the amount of BaO or CaO is limited to the above range. This is because the withstand voltage when the dielectric layer is 5 μm or less is lowered, and the insulation resistance is further lowered.
Ta 2 O Five If the amount is less than 1.0 mol%, chipping during barrel treatment increases, and a sufficient pressure resistance cannot be obtained, as well as cracks during rapid firing. This is because it occurs. In addition, a small aging rate and a large insulation resistance at a high temperature cannot be obtained. On the other hand, when the amount is more than 10 mol%, the capacity-temperature characteristic does not satisfy the X7R characteristic of EIA, or the dielectric constant is significantly reduced.
Y 2 O Three This amount is limited to the above range because the dielectric constant becomes 2500 or less at 20 mol% or more, and the temperature characteristics do not satisfy both the X7R characteristics of EIA and the B characteristics of JIS.
[0023]
In addition, as described in
Further, for the purpose of coloring, MnO and Fe 2 O Three It is safe to add a small amount. The addition amount of these transition elements is at most 0.2 mol% or less, preferably 0.05 mol% or less.
[0024]
Moreover, as said additive, you may use not only a normal oxide but water-soluble salt, such as carbonate, and also a sulfur oxide, a nitrate, and an acetic acid oxide. By using these water-soluble salts, these additives can be uniformly dispersed at a low temperature in the base barium titanate. In addition, as a method of adding the additive to the base barium titanate, first, a specific component (for example, MgO or CoO) is added to BaTiO. Three And a high temperature reaction followed by the addition of the remaining ingredients may be used.
[0025]
By setting the dielectric ceramic composition in the above composition range, a dielectric material having X7R characteristics of EIA and B characteristics of JIS can be easily obtained at a firing temperature in a reducing atmosphere of 1120 to 1300 ° C. In other words, it is the basic performance of the X7R characteristic of EIA and the B characteristic of JIS. 12 Capacitance temperature range of X7R characteristics (capacity change rate is within ± 15%, −55% while satisfying insulation resistance greater than Ωcm, small dielectric loss of 4% or less, excellent high temperature load life characteristics, and large dielectric constant of 2500 or more ˜125 ° C.) and a JIS B characteristic (capacity change rate of ± 10% or less, −25 to + 85 ° C.) can be obtained.
[0026]
Furthermore, a dielectric material having a small aging rate, which is a change in capacitance with time, of 0.3 to 0.8% / decade, and a capacitance resistance product at 150 ° C. (CR 150 ° C.) of 1000 ΩF or more, and a dielectric material using the same MLC can be made.
Heretofore, a material that satisfies all of these requirements using a base metal internal electrode has not been known.
[0027]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a method of manufacturing a multilayer ceramic capacitor by forming a multilayer body by alternately laminating internal electrodes and dielectrics, and firing the multilayer body. The dielectric ceramic composition described in 1) is used as a dielectric.
According to this method, the composition according to any one of
[0028]
The manufacturing method according to claim 5 is the method according to claim 4, wherein as the laminate, a laminate having at least two layers of a dielectric made of the above composition and an internal electrode made of Ni or Ni alloy is formed. It is characterized by doing.
According to this method, the reliability of the capacitor can be improved by having at least two internal electrodes made of Ni or an Ni alloy (for example, an alloy composition such as Ta, Mo, and W). The amount of the alloy composition of Ni is 10% or less of Ta, Mo, W, etc. with respect to Ni, so that an MLC having a withstand voltage of 250 V or more is manufactured even in an MLC having a dielectric layer of 3 μm or less. be able to. However, from the viewpoint of the electrical resistance of the metal, the amount added is preferably 3% or less.
[0029]
A manufacturing method according to a sixth aspect is the method according to the fourth aspect, wherein the laminated body is heated at 1120 to 1300 ° C. and an oxygen partial pressure of 10 -7 atm to 10 -13 Baking in a reducing atmosphere of atm, followed by oxygen
According to this method, by firing the composition in a reducing atmosphere of 1300 ° C. or lower, a dielectric layer having EIA X7R characteristics and JIS B characteristics can be efficiently generated. Excellent MLC can be produced efficiently. Therefore, thermal efficiency and environmental performance can be improved.
[0030]
The method according to claim 7 is the method according to claim 4, wherein the laminate is fired and heat-treated under the condition that the sintered particles of the dielectric ceramic composition are 0.2 to 2 μm. It is a feature.
According to this method, by setting the sintered particles of the dielectric composition to 0.2 to 2 μm, particularly when the dielectric layer is thinned to a level of 5 μm, an MLC having an excellent withstand voltage can be realized.
[0031]
The method according to claim 8 is characterized in that, in the method according to claim 4, when the dielectric ceramic composition is slurried, an aqueous solvent is used as a dispersion medium.
According to this method, the dielectric porcelain composition can be successfully slurried using an aqueous solvent, the generation of pinholes can be prevented by suppressing the generation of bubbles, and the occurrence of chipping during barrel processing after firing. Therefore, mass productivity can be improved. In addition, the environmental performance can be greatly improved as compared with the case of using an organic solvent.
[0032]
The method according to claim 9 is the method according to claim 4, wherein the laminate is placed on a metal plate setter or a metal net setter, and the temperature is increased from 1120 to 1300 ° C at a heating rate of 600 to 1500 ° C / hour. The temperature is raised and held for several hours, and then lowered to room temperature at a temperature drop rate of 600 to 1500 ° C./hour.
According to this method, by performing rapid firing, thermal efficiency can be improved, thereby improving environmental performance. FIG. 1 is a diagram showing a firing temperature profile of the multilayer ceramic capacitor according to the present invention.
[0033]
The method according to claim 10 is the method according to claim 9, wherein the metal plate setter and the metal net setter are made of W, Mo, Pt, Ni-Cr-Fe system, and Fe-Cr-Co-Al system. It is characterized by being made of a metal containing any one of them.
According to this method, by limiting the materials of the metal plate setter and the metal net setter, the deformation and breakage of the metal plate setter and the metal net setter can be prevented even from a sudden thermal shock during rapid firing. Since it can do, the laminated body put on it can be hold | maintained favorably, and MLC can be manufactured favorably.
[0034]
The method according to claim 11 is the method according to claim 9, wherein the metal plate setter and the metal net setter are W, Mo, Pt, Ni-Cr-Fe-based, and Fe-Cr-Co-Al-based. A metal plate including any one of the above, characterized in that its upper part is coated with ceramics.
According to this method, the material of the metal plate setter and the metal net setter is limited, and further, the upper part thereof is coated with ceramics, so that the metal plate setter and the metal net are also protected against a sudden thermal shock during rapid firing. Since the setter can be prevented from being deformed or damaged, the laminate placed thereon can be held well, and the MLC can be manufactured well.
[0035]
The multilayer ceramic capacitor according to claim 12 is manufactured by a method selected from the methods according to claims 4 to 11.
That is, each manufacturing method of Claims 4-11 is a manufacturing method excellent in thermal efficiency, mass-productivity, and environmental property as mentioned above, By using such an excellent manufacturing method, it was excellent in electrical characteristics. It is possible to obtain a monolithic ceramic capacitor with a small size, high performance and high reliability. In particular, the present invention is suitable for a small and multilayer monolithic ceramic capacitor having a dielectric layer thinned to a level of 5 μm.
[0036]
As described above, a more preferable range for the method of manufacturing the multilayer ceramic capacitor according to the present invention is as follows. That is, the base BaTiO Three The raw material having an average particle size of 0.1 to 0.5 μm is used, and the additive is SiO. 2 -Al 2 O Three -BaO-CaO-Ta 2 O Five -Nb 2 O Five -MgO-Y 2 O Three Each component of SiO 2 = 15-40 mol%, Al 2 O Three = 1 to 10 mol%, BaO = 5 to 30 mol%, CaO = 0 to 5 mol%, Ta 2 O Five = 2 to 5 mol%, Nb 2 O Five = 0 to 5 mol%, MgO = 10 to 30 mol%, Y 2 O Three = 5 to 15 mol%, and an oxide component having an average particle size of 0.3 μm or less is used as a base BaTiO. Three The dielectric material added with 3 to 6 wt% is fired at 1180 to 1260 ° C., and the average particle size after firing is set to 1.0 μm or less. By firing at these firing temperatures, the thickness of the internal electrode Ni or Ni-based alloy can be reduced to 1.0 μm or less.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples of the present invention.
[0038]
[1. Manufacturing process]
[1-1. Preparation of dielectric slurry]
As a dielectric base material, BaTiO having an average particle diameter of 0.4 μm Three Was used. This BaTiO Three Used was obtained by hydrothermal synthesis.
In preparing the oxide component as an additive, first, MgO, Y 2 O Three , SiO 2 , BaCO Three , CaCO Three , Al 2 O Three , Ta 2 O Five And Nb 2 O Five A predetermined amount was weighed according to the composition shown in Table 1, respectively. And after uniform mixing, these were put into the alumina crucible and calcined at 1150 degreeC for 4 hours. Next, the obtained calcined powder was pulverized using a fine pulverizer such as a jet mill or an attritor mill to obtain an oxide powder having an average particle size of 0.2 to 0.5 μm. Note that this oxide powder may be partly or wholly vitrified depending on the production conditions, but there is no significant difference in the characteristics obtained if the composition is uniform.
[0039]
As shown in Table 1, a plurality of dielectric raw materials having different mixing ratios of the respective materials were produced from the dielectric base material and the oxide powder obtained as described above. That is, 700 g of a solvent in which water, ethyl alcohol, and a dispersant were mixed at 80: 19: 1 were added to 1000 g of each dielectric material, and dispersed using a homogenizer. This mixture is dispersed for 20 hours using a ball mill or an attrition mill, which are ordinary well-known dispersion methods, and then a solution containing an aqueous emulsion, an acrylic resin, and a plasticizer is added, and a plurality of types are mixed. Dielectric slurry was prepared (Examples 1 to 16). Note that the viscosity of these slurries was adjusted to about 200 cps.
[0040]
[Table 1]
[0041]
[1-2. Green chip production]
Using the dielectric slurry obtained as described above, a green sheet having a thickness of 5 to 10 μm is formed on a PET film by a doctor blade device, and an internal electrode paste is 2 μm on the green sheet. The thickness was printed.
The internal electrode paste includes 100 parts by weight of Ni particles having an average particle diameter of 0.5 μm, 40 parts by weight of an organic vehicle (8 parts by weight of ethyl cellulose resin dissolved in 92 parts by weight of butyl carbitol), and butyl carbyl. A paste obtained by kneading 10 parts by weight of tall with three rolls was used.
[0042]
Next, the sheet was peeled off from the PET film and laminated, and pressure bonded using a hydrostatic pressure of 1 ton / cm @ 2 at 80 DEG C. to obtain a green chip. The number of layers was 100. Next, the green chip is cut into a predetermined size, and is mounted on a setter in which zirconia is coated on a Fe-Cr-Co-Al metal plate, and debinding, firing and annealing are continuously performed under the following conditions. A capacitor chip body was produced.
The conditions for debinding, firing and annealing are as follows. Moreover, a wetter was used for humidifying each atmospheric gas.
[0043]
(Binder removal)
Temperature increase rate: 20 ° C / hour
Holding temperature: 280 ° C
Temperature holding time: 8 hours
Atmospheric gas: In the air
(Baking)
Temperature increase rate: 1000 ° C / hour
Holding temperature: 1200 ° C and 1250 ° C
Temperature holding time: 2 hours
Cooling rate: 1000 ° C / hour
Atmospheric gas: humidified N 2 And H 2 Mixed gas with
Oxygen partial pressure: 1 × 10 -9 atm
(Annealing)
Holding temperature: 800 ° C
Temperature holding time: 4 hours
Temperature increase / decrease rate: 600 ° C / hour
Atmospheric gas: Air
Oxygen partial pressure: 2 × 10 -1 atm
[0044]
[1-3. Barrel treatment / formation of external electrodes]
After polishing the end face of the obtained capacitor chip body by barrel treatment, 100 parts by weight of Cu particles having an average particle size of 0.5 μm and an organic vehicle (8 parts by weight of ethyl cellulose resin dissolved in 92 parts by weight of butyl carbitol) 35 parts by weight and 7 parts by weight of butyl carbitol were kneaded, and the paste for external electrode was transferred to the end face, and N 2 An external electrode was formed by firing at 850 ° C. for 5 minutes in an atmosphere to obtain a multilayer ceramic capacitor having a configuration as shown in FIG. In the figure, 1 is a dielectric layer, 2 is an internal electrode, and 3 is an external electrode.
[0045]
[2. Test results]
[2-1. Comparison of characteristics due to differences in dielectric composition]
The size of each sample manufactured as described above is 3.2 × 1.6 × 1.3 mm and 5.0 × 5.7 × 2.5 mm, and the thickness of the effective dielectric layer is 5 μm × 100. The thickness of the layer and the internal electrode layer was about 1.0 μm. The composition of the dielectric layer of each sample is as shown in Table 1 above, and the characteristics of each sample are as shown in Table 2.
[0046]
In Table 1, Examples 1 to 16 are compositions according to the present invention, and Reference Examples 1 to 8 are compositions outside the scope of the present invention. In other words, Reference Example 1 is a sample having a dielectric composition to which no oxide component is added, and Reference Example 2 is a dielectric in which only 1 wt% of an oxide component having the same composition as Example 5 is added. It is a sample consisting of a composition. Reference Examples 3 to 8 are samples each having a dielectric composition whose composition marked with * is outside the scope of the present invention.
[0047]
Then, for each of a plurality of samples having a dielectric composition as shown in Table 1, appearance inspections such as the presence or absence of pinholes in the green sheet, the number of cracks after firing, and the number of chippings after barrel treatment were performed, and the dielectric constant When the temperature characteristics of the capacitor, dielectric loss, withstand voltage, insulation resistance, and the like were measured, the results shown in Table 2 below were obtained. The details of inspection and measurement in this case are as follows.
[0048]
(Visual inspection)
The pinhole of the green sheet is 1cm 2 And then observed with a 50 × microscope to check for the presence of pinholes. In addition, the number was described when there was a pinhole.
As for the number of cracks after firing, 20 samples were used for each composition, and the defect rate was obtained visually.
The number of chippings after the barrel is 20 samples for each composition, 1 mm diameter zirconia balls and No. 800 alumina abrasives are put into a rotating barrel device, barrel treatment is performed by rotating at 60 rpm for 3 hours, Thereafter, chipping of the edge was observed with a stereomicroscope, and the defect rate was determined.
[0049]
(Capacitance temperature characteristics)
Whether the temperature characteristic of the capacity satisfies the X7R characteristic of EIA was examined. Specifically, the capacity was measured with a measurement voltage of 1 V at −55 to 125 ° C. using an LCR meter, and it was examined whether or not the capacity change rate satisfied within ± 15% (reference temperature 25 ° C.). Moreover, the capacity | capacitance was measured with the measurement voltage 1V about -25-85 degreeC, and it was investigated whether the capacity | capacitance change rate satisfied within +/- 10% (reference temperature 20 degreeC). The case where both were satisfied was marked with ◯, and the case where both were not satisfied was marked with ×.
[0050]
(Relative permittivity εs and dielectric loss)
The capacitance at 20 ° C. was measured, and the relative dielectric constant was measured from the electrode area and the thickness of the dielectric. For the dielectric constant and dielectric loss, values at 1 vrms and 1.0 kHz were used.
[0051]
(Pressure resistance)
A voltage that applied a voltage to the MLC element and caused a current to flow 10 mA or more was defined as a withstand voltage. The number of measurements was 5 for each composition, and the average was obtained.
[0052]
(Aging rate)
The element was heat-treated at 180 ° C. for 1 hour, and then the capacitance was measured after 2 hours and 20 hours in a thermostatic bath at 25 ° C., and the aging rate% / decade was determined.
[0053]
(Capacitance product at high temperature)
The element was allowed to stand in a thermostatic bath at 150 ° C., and after 10 minutes, the capacity and insulation resistance were measured for 1 minute, and the product was set to CR 150 ° C.
[0054]
[Table 2]
[0055]
As is apparent from Table 2, each characteristic of the sample having the dielectric composition according to the present invention (Examples 1 to 16) is a sample having a dielectric composition outside the scope of the present invention (Reference Examples 1 to 8). ) Is much better than
That is, as is clear from the respective characteristics of Examples 1 to 16, when the dielectric composition according to the present invention is used, even if firing is performed under rapid firing conditions such as a temperature increase of 1000 ° C./hour. No cracks occur in the device, and no chipping after the barrel treatment occurs. Moreover, even if sheet molding is performed using an aqueous binder, the generation of pinholes is extremely small, and as a result, an MLC excellent in pressure resistance can be manufactured even in a large size. Further, the obtained MLC exhibits extremely high insulation resistance even at a high temperature of 150 ° C., and further exhibits a small capacity aging characteristic at room temperature.
[0056]
[2-2. Comparison of characteristics due to differences in internal electrode composition]
Next, a comparison between the case where Ni is used for the internal electrode as in the sample obtained by the manufacturing process described above and the case where Ni alloy is used will be described. As an example, a sample using a Ni alloy having the same dielectric composition as in Example 8 shown in Table 1 and having 2% Mo added to the internal electrode as Example 17 was examined for characteristics similar to those in Table 2. The results shown in Table 3 below were obtained.
[0057]
That is, Table 3 uses only Ni metal as two types of samples having the same dielectric composition according to the present invention and having the same dielectric composition, except that only the composition of the internal electrode metal is different. Each characteristic of Example 8 and Example 17 using Ni alloy which added 2% Mo is shown, respectively.
[0058]
[Table 3]
[0059]
As is apparent from Table 3, the breakdown voltage and insulation resistance of Example 17 are significantly improved as compared to Example 8. From this, it was found that the use of a Ni—Mo alloy as the internal electrode metal can improve the withstand voltage and further improve the insulation resistance, compared to the case of using only Ni metal. Furthermore, when a high-temperature accelerated life test was performed at 200 ° C. applying 50 v, the insulation resistance was 10 6 The time until the voltage decreased to Ω or less was 10 hours on average in Example 8, whereas it was improved to 30 hours on average in Example 17. From these results, it became clear that various characteristics can be improved by using a Ni-Mo alloy as a metal for internal electrodes.
[0060]
[2-3. Comparison of properties due to binder differences]
Below, the comparison with the case where an aqueous solvent is used as a binder at the time of slurrying a dielectric composition like the sample obtained by the manufacturing process mentioned above and the case where an organic solvent is used is demonstrated.
As an example, for the same dielectric composition as in Example 8 shown in Table 1, the same characteristics as in Table 2 were examined using a sample using an organic solvent as Example 18, and the results shown in Table 4 below were obtained. Obtained.
[0061]
That is, Table 4 shows Example 8 and an organic solvent using an aqueous binder as two types of samples having the same dielectric composition according to the present invention and having the same dielectric composition, except that the binder is different. Each characteristic of Example 18 used is shown respectively.
[0062]
[Table 4]
[0063]
As is clear from Table 4, the characteristics of Example 18 produced using an organic solvent are almost the same as those of Example 8 produced using an aqueous binder. From this, it was found that by using the composition according to the present invention, good characteristics can be stably obtained regardless of the kind of the binder.
[0064]
[3. Other embodiments]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various other modifications can be implemented within the scope of the present invention. For example, the specific composition of the dielectric ceramic composition can be appropriately selected within the scope of the present invention. Similarly, the composition of the electrode metal and the composition of the binder can be selected as appropriate. Furthermore, specific manufacturing processes and conditions for each process can be selected as appropriate. For example, temperature conditions, temperature rising / falling speed conditions, atmospheric gas conditions, etc. in debinding treatment, firing and annealing can be selected as appropriate. In this connection, in the above-described embodiment, the firing in a reducing atmosphere has been described. However, even if a Pd / Ag electrode is used as an internal electrode in an oxidizing atmosphere, equivalent characteristics can be obtained.
[0065]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to slurry well using an aqueous binder, it can be satisfactorily sintered without causing cracks even by rapid firing, and chipping hardly occurs after barrel treatment. A dielectric ceramic composition suitable for a multilayer ceramic capacitor can be provided.
[0066]
Moreover, by using such a composition, a high-performance and highly reliable multilayer ceramic capacitor that is excellent in breakdown voltage even in a large size and can satisfy the X7R characteristic of EIA and the B characteristic of JIS is provided. it can. Furthermore, it is possible to provide a manufacturing method excellent in thermal efficiency, mass productivity, and environmental performance that can manufacture such an excellent multilayer ceramic capacitor.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a firing temperature profile of a multilayer ceramic capacitor according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a configuration of a multilayer ceramic capacitor according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Dielectric layer
2 ... Internal electrode
3 ... External electrode
Claims (11)
前記添加物を構成する各成分が、それぞれSiO 2 =10〜50mol%、Al 2 O 3 =1〜20mol%、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜10mol%、Ta 2 O 5 =1〜10mol%、Nb 2 O 5 =0〜10mol%、MgO=10〜40mol%,Y 2 O 3 =0〜20mol%であり、前記添加物の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする誘電体磁器組成物。An additive consisting of SiO 2 —Al 2 O 3 —BaO—CaO—Ta 2 O 5 —Nb 2 O 5 —MgO—Y 2 O 3 is added to the composition whose composition formula is BaTiO 3. In a dielectric ceramic composition added with 10 wt% ,
Each component constituting the additive is SiO 2 = 10 to 50 mol%, Al 2 O 3 = 1 to 20 mol%, BaO = 3 to 40 mol%, CaO = 0 to 10 mol%, Ta 2 O 5 = 1 to 1 respectively. 10 mol%, Nb 2 O 5 = 0 to 10 mol%, MgO = 10 to 40 mol%, Y 2 O 3 = 0 to 20 mol%, and the average particle size of the additive is 0.5 μm or less. A dielectric ceramic composition.
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