JP4460264B2 - 一時的なネットワークアドレスを有する無線装置との通信時における切断時間の実施 - Google Patents

一時的なネットワークアドレスを有する無線装置との通信時における切断時間の実施 Download PDF

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Description

本発明は、移動体通信技術に関し、より詳細には、一時的なネットワークアドレスを有する無線装置へメッセージを送るときに切断時間を実施する仕組みに関する。
コンピューティング技術は、人々の働き方、遊び方に大きな変革をもたらし、人類の発展に多大な貢献をしてきた。コンピュータは現在、ワードプロセッシング、コンピュータシミュレーション、先進的なゲーム、音声認識などその他さらに多くの無数のアプリケーションに役立っている。コンピューティングシステムは、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、そして携帯電話および装置も含めて、現在、多種多様の形態で提供されている。
PDAや無線電話などいくつかの移動体無線装置は、高度なメモリと汎用的な処理能力を有し、かつてはもっと大きなデスクトップコンピュータでしか行われなかった多くのタスクを移動体装置が行えるようにした。これらのタスクは、データネットワーク上での通信を要するタスクさえも含み、それによってユーザが移動中であっても彼らがインターネットにアクセスしたり、電子メールのタスクを行ったりできるようにしている。
一般的に言って、IPプロトコルで使われる主要なトランスポートレベルのプロトコルは2つある。ひとつはTCP(Transmission Control Protocol)と呼ばれている。IPプロトコルはパケットの受け渡しのみを扱うが、TCPは2つのコンピューティングシステムがコネクションを確立し、確実にデータをやりとりすることができるようにする。TCPは、データが送られたのと同じ順番でデータが配送されることを保証する。他方の主要なトランスポートレベルのプロトコルは、UDP(User Datagram Protocol)であり、これは送り側と受け側のコンピューティングシステム間でコネクションを確立しない。また、UDPはほんのわずかの誤り制御しか提供していない。UDPは2つの通信しているコンピューティングシステム間に確立されたコネクションを伴わないので、UDPはよく「コネクションレスプロトコル」と言われる。他のコネクションレスプロトコルには、例えば、イーサネット(登録商標)やIPXがある。
使われる特定のプロトコルに関わりなく、移動体無線装置はそのアドレスの変更を必要とする場合が多い。例えば、IPベースの無線通信事業者のネットワークを介して通信している場合、無線装置はこの無線ネットワークから切断されることがあり、それによって接続中にこの無線装置を同定していたIPアドレスの乖離を余儀なくされる。さらに、通信事業者のネットワークに接続中でも、無線装置はひとつのPSDN(Public Switched Data Network)から別のPSDNに移動することがあり、それによってこの無線装置に関連付けられたIPアドレスの再割当を余儀なくされる。
その結果、無線装置がメッセージを無線通信事業者のネットワークを介して受け側のコンピューティングシステムへ送ることになる場合、そのメッセージに対する応答が返される時までに、この無線装置へのネットワークアドレスの割当が取り消される可能性がいくらかあり、それによって応答の不着という結果を招く。さらに悪いことに、この古いネットワークアドレスが別の無線装置に割り当てられる可能性があり、結果的に間違った無線装置にこの応答を配送することになる。
したがって、望ましいと思われることは、ネットワークアドレスが単に一時的に無線装置に割り当てられる無線環境において、より確実に通信するための仕組みである。
先行の最新技術での前述の問題は、本発明の原理によって克服される。この原理は、メッセージを無線装置へ通信事業者のネットワークを介して送るときにこの無線装置に対して切断時間を実施する仕組みを対象にしている。この仕組みは、無線装置と以前のアドレスの乖離に起因して、メッセージ(あるいは他の無相関のメッセージ)に対する応答に起こりうる宛先間違いを防ぐ。
無線装置がメッセージを構築する。このメッセージは、受け側のコンピューティングシステムにとって入ってくる方向なので、以下「インバウンドメッセージ」と称すことにする。このインバウンドメッセージは、切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含む。例えば、この切断時間は、明示的に表記されることもあれば、場合によってはデータフィールドの内容に基づいて暗示されることもある。この切断時間は、その時間以後この切断時間に関連した一時的なネットワークアドレスを用いて、無線装置に向けていかなるアウトバウンドメッセージも発送すべきではない時間である。無線装置は、通信事業者のネットワークに対してコネクションをまだ確立していなければ、コネクションを確立し、次にインバウンドメッセージを受け側のコンピューティングシステムへ通信事業者のネットワークを介して発送する。無線装置は、切断時間が満了するまでは、このコネクションを維持する。その後、この切断時間が延長されなければ、この無線装置は接続を断つことができる。切断すると、この無線装置に割り当てられた一時的なネットワークアドレスは、破棄される。
通信事業者のネットワークを介して無線装置からインバウンドメッセージを受け取ると、受け側のコンピューティングシステムは、例えば、このインバウンドメッセージに含まれるデータフィールドを読み取り、解釈することによって、この無線装置の切断時間を特定する。受け側のコンピューティングシステムがアウトバウンドメッセージ(例えばこのインバウンドに対する応答など)を送り返すときに、受け側のコンピューティングシステムは、切断時間を超過したか否かを判定し、次に、この切断時間を超過していない場合に限り、この一時指定アドレスを用いて無線装置へアウトバウンドメッセージを発送する。
無線装置が接続したままでいようとし、それによって少なくとも指定切断時間までは同じ一時ネットワークアドレスを有している場合であって、受け側のコンピューティングシステムが、まだ指定切断時間の前である場合に限り、その一時ネットワークアドレスを用いてアウトバウンドメッセージを送る場合、この無線装置は、切断時間を考慮していない場合に比べて、アウトバウンドメッセージを受け取ることになる可能性がはるかに高い。
切断時間を超過した場合、受け側のコンピューティングシステムは無線装置が再接続するのを待って、その後にアウトバウンドメッセージを送る。受け側のコンピューティングシステムは、この無線装置が本来インバウンドメッセージを送るために使用したトランスポート機構とは異なる代替のトランスポート機構を使用してこの無線装置へアウトバウンドメッセージを送ることを試みることもできる。例えば、無線装置がIP上でUDPを用いてインバウンドメッセージを送った場合、この応答はSMS(Short−text Messaging Service)を用いて返送されてもよい。
本発明のさらなる特徴および利点は、次に続く説明において示され、一部はこの説明から明らかとなるであろうし、あるいは本発明の実施によって知られるところとなる場合もある。本発明の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘した装置の手段および組み合わせによって実現し、獲得することができる。本発明のこれらおよび他の特徴は、後続の説明と添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるであろうし、あるいは以下に記載の本発明の実施によって知られるところとなる場合もある。
本発明の原理には、切断時間の表示を含むメッセージを構築し、このメッセージを通信事業者のネットワークを介して受け側のコンピューティングシステムへ送信する無線装置が関係する。そのメッセージは、受け側のコンピューティングシステムの観点からは入ってくる方向なので、「インバウンド」メッセージと称することにする。切断時間とは、切断時間を越えて、インバウンドメッセージを送信した時点で無線装置に割り当てられた一時ネットワークアドレスを使って、受け側のコンピューティングシステムはいかなるアウトバウンドメッセージ(例、そのインバウンドメッセージに対する応答)も送るべきではない時間を指す。無線装置は、接続したままにしようとし、それによって切断時間が満了するまでそのアドレスを保持する。アウトバウンドメッセージを送り返す用意ができて、切断時間がまだ満了していなければ、インバウンドメッセージが送られた時点で無線装置が有していたのと同じネットワークアドレスを用いて、この無線装置にアウトバウンドメッセージを送る。それ以外の場合で、切断時間を超過していれば、受け側のコンピューティングシステムは、そのネットワークアドレスを用いて、アウトバウンドメッセージの送信を試みない。その代わりに、受け側のコンピューティングシステムは、この無線装置からの次回のコネクションを待つこともできるし、あるいは代替のトランスポート機構を使用してアウトバウンドメッセージを送ることを試みることもできる。
本発明の適用範囲内の実施形態には、その上に格納されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造を担いまたは有するためのコンピュータ可読媒体が含まれる。この種のコンピュータ可読媒体は、汎用または特定用途のコンピュータでアクセスできる任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく、例示の目的で、この種のコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または汎用もしくは特定用途のコンピュータでアクセスすることができ、コンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を格納あるいは担うために使うことのできる任意のその他の媒体のような、物理的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。
ネットワークまたは別の通信コネクション(結線接続、無線、または結線接続もしくは無線の組み合わせ)を介してコンピュータへ情報が転送され、あるいは提供されるときに、コンピュータは、このコネクションをコンピュータ可読媒体と適切にみなしている。したがって、そのようないかなるコネクションもコンピュータ可読媒体と正当に称される。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の適用範囲内に含まれるべきである。コンピュータ実行可能命令には、例えば、汎用コンピュータ、特定用途のコンピュータ、または特定用途の処理装置にある種の機能もしくは機能群を実行させる任意の命令およびデータが含まれる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語のような中間形式の命令、またはソースコードであってさえもよい。
図1および後続の議論は、本発明を実施することのできる適切なコンピューティング環境の簡潔で、一般的な説明を提供することを目的としている。必須ではないが、本発明は、コンピュータシステムによって実行される、プログラムモジュールのような、コンピュータ実行可能命令との一般的な関連で説明されることになる。一般に、プログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、その他同種類のものが含まれ、これらは特定のタスクを実行したり、特定の抽象データタイプを実装したりする。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示された方法の行為を実行するプログラムコード手段の例を表す。
図1を参照して、本発明の原理に適したオペレーティング環境は、コンピュータシステム100の形態の汎用コンピュータシステムを含む。コンピュータシステム100は、例えば、本明細書に開示された動作を実行するようになされたパーソナルコンピュータであってもよい。
コンピュータシステム100は、例えば、キーボード、マイクロフォン、マウス、または、移動体装置の場合、タッチパッドのような、入力装置から情報を受け取るユーザ入力インターフェイス170を含む。入力装置は、情報の入力を可能にするためにユーザ入力インターフェイス170に連結することができる。入力装置は、予めプログラムされたデータまたは入力装置のユーザ操作に応じてそのような連結を介して情報を転送することができる。
コンピュータシステム100は、ビデオ出力信号を外部のビデオ表示装置へ提供するビデオ出力インターフェイス150を含む。コンピュータシステム100は、例えば、カラーもしくはモノクロのコンピュータモニタのような、ビデオ表示装置と一体化して設置されるか、あるいはビデオ表示装置から分かれていてもよい。ビデオ表示装置は、供給されたビデオ出力信号を受信できるようにビデオ出力インターフェイス150に連結することができる。移動体装置の場合、ビデオ出力インターフェイスは、比較的小型のディスプレイとインターフェイスすることもある。
同様に、コンピュータシステム100は、オーディオ出力信号を外部のオーディオ出力装置へ提供するオーディオ出力インターフェイス130を含む。コンピュータシステム100は、オーディオシステムと一体化して設置されるか、またはオーディオシステムから分かれていてもよく、このオーディオシステムはスピーカまたは音響データを発することができるその他の装置を含んでもよい。オーディオシステムは、供給されたオーディオ出力信号を受信できるようにオーディオ出力インターフェイス130に連結することができる。
コンピュータシステム100は、処理ユニット120を含み、この処理ユニットにより複雑で柔軟性のある汎用処理能力が可能になる。処理ユニット120は、本発明の機能を含めて、コンピュータシステム100の機能を実現するように開発されたコンピュータ実行可能命令を実行する。処理ユニット120は、システムバス110に連結され、このシステムバスはまた、システムメモリ140を含めてその他の様々なシステム構成要素を相互接続する。
システムメモリ140は、多種多様の揮発性および/または不揮発性メモリを一般的に表し、先に議論したメモリの種別を含んでもよい。しかしながら、コンピュータシステム100で使われるメモリの特定の種別は、本発明にとって重要ではない。1つまたは複数のプログラムモジュールからなるプログラムコード手段は、システムメモリ140に格納することができる。1つまたは複数のプログラムモジュールには、オペレーティングシステム141、1つまたは複数のアプリケーションプログラム142、その他のプログラムモジュール143、およびプログラムデータ144が含まれることがある。
コンピュータシステム100は、大容量記憶装置インターフェイス160を含むこともできるが、携帯電話またはPDAは、通常、大容量記憶装置を有しない。大容量記憶装置インターフェイス160は、例えば、磁気ディスクや光ディスクのような、大容量記憶装置からデータを読み出したり、そして/またはデータを書き込んだりすることができる。大容量記憶装置は、データの読み出しおよび書き込みを可能にするために大容量記憶装置インターフェイス160に連結することができる。大容量記憶装置を大容量記憶装置インターフェイス160に連結すると、オペレーティングシステム141、アプリケーションプログラム142、その他のプログラムモジュール143、およびプログラムデータ144を含めて1つまたは複数のプログラムモジュールを大容量記憶装置に格納することができる。
コンピュータシステム100は、例えば、オフィス全体または企業全体にわたるコンピュータネットワーク、イントラネットおよび/またはインターネットのような、ネットワークに接続可能である。コンピュータシステム100は、ネットワークインターフェイス180を含み、これを通してコンピュータシステム100は、外部のソースからデータを受信し、そして/または外部のソースへデータを送信する。コンピュータシステム100は、例えば、この種のネットワークを介して遠隔プロセッサシステムおよび/またはデータベースのような、外部のソースとデータをやりとりすることができる。
図1は、本発明の原理を実装することのできるコンピューティングシステムの一例を図示しているが、どのようなコンピューティングシステムでも、適切な設定で、本発明のこれらの機能を実装することができる。この説明および特許請求の範囲において、「コンピューティングシステム」は、ソフトウェアを用いて1つまたは複数の機能を実行することができる任意の単数または複数のハードウェア構成要素として広く定義されている。コンピューティングシステムの例には、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、電話機、または処理機能を有する任意のその他のシステムもしくは装置が含まれる。
図2は、通信事業者のネットワーク220を介して通信している無線装置210と受け側のコンピューティングシステム230を含むネットワーク環境200を図示している。無線装置210は、(その同じ無線装置210が、有線ネットワーク経由でも通信する能力のあるなしにかかわらず)無線ネットワークを介して通信する能力のある任意の装置であってよい。この無線装置210は、例えば、ラップトップコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)または電話機であってよく、そして概ねコンピュータシステム100に関して上述した構造となされてもよい。
受け側のコンピューティングシステム230は、通信事業者のネットワーク220へ接続されているか、または接続することのできる複数の無線装置に仕えるプロキシコンピューティングシステムであってもよい。受け側のコンピューティングシステム230はまた、コンピュータ100について上述した構造となされてもよい。しかしながら、通常のケースでは、無線装置210は、移動体である場合が多いので、そうである必要はないが、受け側のコンピューティングシステム230よりも小さいことがある。あるいは、受け側のコンピューティングシステム230は、いかなる特定の通信事業者とも関連付けられているとは限らない、あるいは管理されているとは限らない別の無線装置または別のコンピューティングシステムであってもよい。
図3を参照すると、無線装置と以前のアドレスの乖離に起因して、リクエストに対する応答に起こりうる宛先間違いを防ぐために無線装置に対して切断時間を実施するための方法300が示されている。この方法300は、図2のネットワーク環境200において実行することができる。したがって、図3の方法300は、図2のネットワーク環境200を頻繁に参照して説明することになろう。
方法300のステップおよびいくつかの行為は、図3の左欄で見出し「受け側のコンピューティングシステム」の下に表されているように受け側のコンピューティングシステム230によって実行される。方法300のその他の行為は、図3の右欄で見出し「無線装置」の下に表されているように無線装置210によって実行される。
無線装置210は、切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含むメッセージを構築する(行為301)。例えば、図2を参照すると、無線装置210がインバウンドメッセージ240を受け側のコンピューティングシステム230へ送る。このメッセージは、切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールド241を含んでいる。この切断時間とは、その時間以後にこの切断時間に関連した一時ネットワークアドレスを用いてこのメッセージ(または、その意味ではその他のいかなるアウトバウンドメッセージ)に対する応答をこの無線装置へ発送すべきではない時間のことである。データフィールド241は、切断時間を明示的に記載してもよいし、あるいは受け側のコンピューティングシステムが切断時間を導き出すために使うことのできる時間またはその他のデータを記載してもよい。あるいは、データフィールド241はまったく存在しなくてもよく(または空でもよく)、この場合、切断時間は既定値の切断時間であり、受け側のコンピューティングシステムによって決定することもできる。切断時間は、例えば、延長された切断時間を示すその後のメッセージを受け取ることによって、延長されてもよい。
無線装置は、通信事業者のネットワークに対するコネクションを確立する(行為302)。無線装置はコネクションの確立を、インバウンドメッセージを構築する行為(行為301)の前に行っても、後に行っても、あるいは同時に行ってもよい。したがって、コネクションの確立とインバウンドメッセージの構築の間の時間依存関係がないことを表すために、行為301と行為302は、並置して図示されている。
一旦インバウンドメッセージが構築されると、通信事業者のネットワークに対するコネクションが確立された後(未確立であった場合)、無線装置は通信事業者のネットワークを介して受け側のコンピューティングシステムにインバウンドメッセージを発送する。この発送が図2において番号「1」を有する矢印242によって表されている。メッセージは、例えば、コネクションレスまたはコネクション型のプロトコルを含めて、任意の可能な機構によって発送することができる。典型的なコネクションレスプロトコルには、例えば、UDP(User Datagram Protocol)やWAP(Wireless Application Protocol)が含まれることがある。コネクション型のプロトコルには、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)が含まれることがある。コネクションレスおよびコネクション型の両プロトコルとも、通信事業者のネットワーク220へのコネクションが必要になるが、コネクションレスプロトコルでは、伝送を完結するために無線装置と受け側のコンピューティングシステム間に別個のコネクションを必要としない。
一旦メッセージが発送されると、無線装置は、少なくともメッセージが受け側のコンピューティングシステムへ発送された時点から、少なくとも切断時間まで、コネクションを維持する(行為304)。このコネクション時間の間、無線装置は、一時的な性質の割当ネットワークアドレスを有することになる。このアドレスは、無線装置が通信事業者のネットワークから切断されるか、あるいはPSDN(Public Switched Data Network)の切り換えのような、何か他の事象の発生時まで存続する。切断時間が超過したとの判定(行為305)の後、無線装置は通信事業者のネットワークに対するコネクションを廃止することができる(行為306)。
受け側のコンピューティングシステムから見れば、受け側のコンピューティングシステムは、通信事業者のネットワークを介して無線装置からのインバウンドメッセージを受け取る(行為311)。受け側のコンピューティングシステムはその後、無線装置がまだアウトバウンドメッセージを受け取る用意がある場合に限り、アウトバウンドメッセージを送るための機能的で、結果指向のステップを実行する(行為312)。この機能的で、結果指向のステップは、この目的の達成に対応する任意のステップを含む。しかしながら、図3の図示された実施形態においては、ステップ312には、対応する行為313、314、および315が含まれている。
より具体的には、アウトバウンドメッセージを送ることになっているとき、受け側のコンピューティングシステムは、その無線装置についての切断時間を特定する(行為313)。例えば、データフィールド241が切断時間の表現を含む場合、この切断時間はデータフィールド241を読み取ることによって特定することができる。他方では、データフィールド241が、一組の導出ルールを用いて切断時間を導き出せる時間またはその他のデータを含む場合、受け側のコンピューティングシステムは、このデータフィールドを読み取り、この導出ルールに従うことによって、切断時間を特定することができる。データフィールド214が空であるかまたは存在しない場合、受け側のコンピューティングシステムは、予め決められた既定値の切断時間を適用することにすると判断してもよい。切断時間はまた、延長された切断時間を直接的に読み取れるかまたは導出できる別のデータフィールドを有する後続のメッセージを受け取ることによって、延長することもできる。
アウトバウンドメッセージを送る前に、受け側のコンピューティングシステムは、切断時間が超過したか否かを判定する(行為314)。切断時間が超過していなければ(行為314においてNO)、受け側のコンピューティングシステムは、一時指定アドレスを用いて無線装置へアウトバウンドメッセージを発送し(行為315)、それによってこの機能的で、結果指向のステップ312を完結する。無線装置はその後、通信事業者のネットワークに対するコネクションがまだ維持されている間のおそらくいずれかの時点で、アウトバウンドメッセージ(例、インバウンドメッセージに対する応答)を受け取ることになるであろう(行為307)。例えば、図2を参照すると、受け側のコンピューティングシステム230は、番号「2」と付された先端部を有する矢印243によって表されるように第2のメッセージ250を無線装置210へ返送する。
切断時間が超過した場合は(行為314のYES)、受け側のコンピューティングシステムは、インバウンドメッセージを送った時点で無線装置が保有していた一時指定アドレスを用いて無線装置へアウトバウンドメッセージを送らないであろう。その代わりに、受け側のコンピューティングシステムは、いくつかの事柄のひとつを行うことができる。
ひとつの選択肢は、このアウトバウンドメッセージがアウトバウンドメッセージに対する応答であったのであれば、単純にアウトバウンドメッセージを断念し、インバウンドメッセージに関連するいかなる状態情報も消去する。
別の選択肢は、このアウトバウンドメッセージがインバウンドメッセージに対する応答であるならば、このインバウンドメッセージに関する状態情報を保持することであり、その後、受け側のコンピューティングシステムがこの同じ無線装置から再度通信を受けるときにこのアウトバウンドメッセージを送る(行為317)。しかし、今回のこの通信では、この無線装置が別の指定アドレスを有することが示唆される可能性がある。その指定アドレスを使って応答を送ることになるであろう(行為318)。
さらになお別の選択肢は、切断時間の満了の後であっても、受け側のコンピューティングシステムに対する無線装置からのインバウンドメッセージの通信に使われたトランスポート以外の代替のトランスポートを用いて、アウトバウンドメッセージを発送することが可能であろう(行為316)。例えば、元々のインバウンドメッセージがUDPを使って発送されたのであれば、その応答はSMS(Short−text Messaging Service)を用いて返送されてもよい。
これら選択肢のうちどれを実施するかは、メッセージに関連した優先順位によることにしてもよい。例えば、優先度の低いメッセージは、切断時間が過ぎているのであれば、そのメッセージに対する応答を完全に中止することにしてもよい。メッセージの優先度が高い場合、切断時間が超過していても、代替の通信機構を使って、時宜を得た方法で応答を返送することも可能であろう。
メッセージ240は、無線通信事業者のネットワークを介して通信することのできるどのような種別のメッセージであってもよい。さらに、データフィールド241は、メッセージ内のどこに配置されてもよく、プロトコルスタックのどのレイヤによって解釈できるものであってもよい。例えば、データフィールドは、関連したPDU(Protocol Data Unit)に対して先頭に追加されるか、あるいは後部に付加されるフィールドであってよく、その結果としてプロトコルスタックのIPレイヤによって解釈できるものになる。
あるいは、データフィールド241は、SOAP(Simple Object Access Protocol)エンベロープのヘッダまたはボディフィールド内に配置されてもよく、それによってプロトコルスタックのアプリケーションレイヤによって解釈されることになる。
したがって、本発明の原理により、通信事業者のネットワークを介して無線装置と、または無線装置を使って通信しているときに効率性の改善という効果が得られる。特に、通信事業者のネットワークを介して無線装置からインバウンドメッセージが送付されるときに、この無線装置が通信事業者のネットワークから切断されたにもかかわらず後続のアウトバウンドメッセージが送付される可能性は低減される。さらに、宛先間違いのアウトバウンドメッセージがそのインバウンドメッセージを送付していなかった無線装置に受信される可能性もまた低減される。
切断時間が満了になる前でも、無線装置はアドレスを再割当されるか、そうでなければ接続が断たれる可能性は常にある。例えば、無線装置は、そのユーザが旅行している際に単にトンネルを通過するかもしれず、それによって通信事業者のネットワークに対するコネクションが失われる可能性がある。その代わりとして、またはそれに加えて、無線装置がPSDNを変更し、それによって再割当アドレスを強いられる可能性もある。
これらの場合において、方法300では、ときに依然として、一つあるいは複数のアウトバウンドメッセージが無線装置によって受け取られないという結果になる可能性がある。しかし、アドレスの強制的な再割当がなく、切断時間が満了するまでの期間中、無線装置が通信事業者に対するコネクションをうまく維持していると仮定すれば、応答が宛てもなく送られるか、そうでなければ宛先間違いになる可能性は著しく低減される。
本発明の原理により、無線装置が通信事業者のネットワークにどれくらい長く接続されることになるかについて無線装置が管理することもできるようにする。例えば、電子メールの更新のためのリクエストを送っているとき、無線装置は30秒の比較的短い時間だけ接続したままでいたい場合がある。それに対して、無線装置がインスタントメッセージングに従事することになっていれば、無線装置は、切断時間がこれからの5分間かそこら続くより持続した通信を望む場合もある。したがって、無線装置は、どれくらい長く通信事業者のネットワークに接続したままでいたいかを決めるにあたって、ローカルに稼動しているネットワークアプリケーションの性質、ならびにその他の状況を考慮に入れることができる。
時間に関する通信事業者のネットワークに対するコネクションの費用でさえも考慮に入れることができる。例えば、無線装置がピーク時の期間に接続されているのであれば、切断時間はより短い切断時間にする傾向があるかもしれない。他方で、そのユーザにとって、現在の請求期間で定額料金の下で既に支払われた固定の時間数に十分な残り時間があることが無線装置に判る場合、現在の請求期間がもうすぐ終わりに至るのであれば、無線装置はそのユーザの便宜のためにより長い切断時間にする傾向があるかもしれない。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実現することができる。ここに説明した実施形態は、あらゆる点で単に例証のためであって、限定のためではないとみなされるべきである。それゆえ、本発明の適用範囲は、前述の説明によるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の意味および均等性の範囲内に入る、あらゆる変更がそれらの適用範囲内に包含されるべきである。
本発明の原理に適したオペレーティング環境を示している。 本発明の原理が動作するのに適したネットワーク環境を示している。 本発明に従って無線装置に切断時間を実施するための方法のフローチャートを示している。
符号の説明
100 コンピュータシステム
110 システムバス
120 処理ユニット
130 オーディオ出力インターフェイス
140 システムメモリ
141 オペレーティングシステム
142 アプリケーションプログラム
143 プログラムモジュール
144 プログラムデータ
150 ビデオ出力インターフェイス
160 大容量記憶装置インターフェイス
170 ユーザ入力インターフェイス
180 ネットワークインターフェイス
200 ネットワーク環境
210 無線装置
220 通信事業者のネットワーク
230 受け側のコンピューティングシステム
240 第1のメッセージ
241 切断時間(データフィールド)
242 矢印(発送)
243 矢印(返送)
250 第2のメッセージ

Claims (18)

  1. 通信事業者のネットワークを介して無線装置からメッセージを受け取るように構成されている受け側のコンピューティングシステムにおいて、前記無線装置と以前のアドレスとの乖離に起因して前記無線装置に対する将来のメッセージに起こりうる宛先間違いを防ぐために前記無線装置に切断時間を設定するための方法であって、
    前記コンピューティングシステムが、前記通信事業者のネットワークを介して、一時的な指定アドレスを有する無線装置から第1のメッセージを受け取る行為であって、前記第1のメッセージは前記無線装置によって構成されており、前記無線装置に対して切断時間を示す情報を含むデータフィールドを含む行為と、
    前記第1のメッセージを受け取った前記コンピューティングシステムが、切断時間を示す情報を含む前記データフィールドを読み込む行為と、
    前記第1のメッセージを受け取った前記コンピューティングシステムが、前記データフィールドに含まれる情報から前記無線装置の切断時間を特定する行為であって、前記切断時間は、前記第1のメッセージを受け取った前記コンピューティングシステムが該切断時間以降に前記一時的な指定アドレスを用いて前記無線装置へ前記第1のメッセージに対する応答を発送すべきではない時間である行為と、
    前記切断時間を超過したか否かを判定する行為と、
    前記切断時間を超過していない場合に限り、前記一時的な指定アドレスを用いて前記無線装置へ前記第1のメッセージに対する応答である第2のメッセージを発送する行為と
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記通信事業者のネットワークを介して前記無線装置から第1のメッセージを受け取る前記行為は、
    コネクションレスのプロトコルを用いて前記無線装置からメッセージを受け取る行為
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記通信事業者のネットワークを介して前記無線装置から第1のメッセージを受け取る前記行為は、
    TCPを用いて前記無線装置からメッセージを受け取る行為
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記メッセージの切断時間を特定する前記行為は、
    前記第1のメッセージから時間を読み取る行為と、
    前記読み取られた時間から前記切断時間を導出する行為と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記メッセージの切断時間を特定する前記行為は、
    前記切断時間を前記第1のメッセージから直接的に読み取る行為
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記メッセージの切断時間を特定する前記行為は、
    前記第1のメッセージからデータフィールドを読み取る行為と、
    前記読み取られたデータフィールドから前記切断時間を導出する行為と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記メッセージの切断時間を特定する前記行為は、
    既定値の切断時間が前記第2のメッセージに適用されることを判定する行為と、
    前記既定値の切断時間を前記切断時間として適用する行為と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記切断時間を超過した場合に限り前記一時的な指定アドレスを用いて前記無線装置へ前記第2のメッセージを発送する前記行為は、
    前記切断時間を超過していないことを判定する行為と、
    前記切断時間を超過していないと判定された後に前記一時的な指定アドレスを用いて前記第2のメッセージを発送する行為と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記判定する行為は、前記切断時間を超過したことを判定する行為を備える請求項1に記載の方法であって、
    前記無線装置が他の指定アドレスを有することを示す前記無線装置からの情報を受ける
    行為と、
    前記他の指定アドレスを用いて前記第2のメッセージを発送する行為と
    をさらに備えることを特徴とする方法。
  10. 前記判定する行為は、前記切断時間を超過したことを判定する行為を備える請求項1に記載の方法であって、
    前記無線装置から前記受け側のコンピューティングシステムへ前記第1のメッセージを通信するために使われたトランスポート以外の代替のトランスポートを用いて前記第2のメッセージを発送する行為と
    をさらに備えることを特徴とする方法。
  11. 通信事業者のネットワークを介して受け側のコンピューティングシステムへメッセージを送るように構成された無線装置において、前記無線装置と以前のアドレスとの乖離に起因して前記無線装置に対する将来のメッセージに起こりうる宛先間違いを防ぐために前記無線装置に切断時間を設定するための方法であって、
    切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含むメッセージを構築する行為であって、前記切断時間は該切断時間以降に前記一時的な指定アドレスを用いて前記無線装置へメッセージを発送すべきではない時間である行為と、
    前記通信事業者のネットワークに対するコネクションを確立する行為と、
    前記通信事業者のネットワークを介して前記受け側のコンピューティングシステムへ前記メッセージを発送する行為と、
    少なくとも前記メッセージが前記受け側のコンピューティングシステムへ発送された時間から少なくとも前記切断時間まで前記コネクションを維持する行為と、
    前記切断時間を超過したことを判定する行為と、
    前記コネクションを維持する前記行為の期間中に応答を受け取ったかどうかにかかわらず前記切断時間を超過したと判定された後に前記コネクションを廃止する行為と
    を備えることを特徴とする方法。
  12. 前記コネクションを廃止する前記行為は、前記切断時間を超過していないと判定された後にも実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記通信事業者のネットワークを介して受け側のコンピューティングシステムへ前記メッセージを発送する前記行為は、
    コネクションレスのプロトコルを用いて前記受け側のコンピューティングシステムへ前記メッセージを発送する行為
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 前記通信事業者のネットワークを介して前記受け側のコンピューティングシステムへ前記メッセージを発送する前記行為は、
    TCPを用いて前記受け側のコンピューティングシステムへ前記メッセージを発送する行為
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含むメッセージを構築する前記行為は、
    前記切断時間を含むメッセージを構築する行為
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  16. 切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含むメッセージを構築する前記行為は、
    前記切断時間を導出することのできる時間を含むメッセージを構築する行為
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  17. 切断時間を少なくとも間接的に表すデータフィールドを含むメッセージを構築する前記行為は、
    前記切断時間を導出することのできるデータフィールドを含むメッセージを構築する行為
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  18. 前記コネクションが維持されている前記時間の間に前記メッセージに対する応答を受け取る行為をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
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