JP4460083B2 - Durable steel / concrete harbor structure, harbor structure concrete additive material, and harbor structure cement - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性に優れた鋼/コンクリート港湾構造物および港湾構造物コンクリート添加用材料ならびに港湾構造物用セメントに関する技術分野に属し、特には、鋼/コンクリート港湾構造物(即ち、港湾構造物であって鉄筋や鋼板等の鋼材が補強材として埋め込まれたコンクリートまたはモルタル)の補強材(補強鋼材)の防食技術、この補強鋼材の防食による鋼/コンクリート構造物の耐久性の向上技術に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート等の鋼/コンクリート構造物は、土木や建築構造物として広く使用されている。かかる鋼/コンクリート構造物においては、コンクリート表面のひび割れ発生による耐久寿命の低下が問題となる場合が極めて多い。このコンクリート表面のひび割れ発生は、コンクリート内部の補強鋼材の腐食が原因となる場合が多い。つまり、補強鋼材が腐食したときに形成される鉄錆は、それ自体の体積が元(腐食前)の約2.5 倍となるために、鋼材腐食部分に局所的な体積膨張圧が発生し、コンクリートにひび割れを生じさせるのである。
【0003】
特に、護岸やケーソン等の港湾構造物においては、鋼材の主な腐食要因であるNaClやMgCl2 等の塩化物が多いため、コンクリート内部への塩化物浸入により補強鋼材が著しく腐食し、施工後数年でコンクリート表面のひび割れ発生に至る場合がある。
【0004】
上記の如きコンクリート表面のひび割れ発生が起こると、ひび割れ部分から塩化物や酸素等の鋼材腐食促進物質がコンクリート内部へ浸入しやすくなり、そのため補強鋼材の腐食が促進されて、局所的な体積膨張がさらに顕著になり、ひいては鋼/コンクリート構造物の損傷や破壊が加速される。
【0005】
かかる鋼/コンクリート構造物の損傷及び破壊の防止、即ち、鋼/コンクリート構造物の耐久性向上のための補強鋼材の防食に関する技術として、下記(1) 〜(6) の如き技術が公知である。
【0006】
(1) コンクリートの水セメント比を小さくすることによるもの〔腐食防食協会編:防食技術便覧,日刊工業新聞社,p290(1986)参照〕。
(2) かぶり厚(即ち鋼材を覆うコンクリートの厚さ)を大きくすることによるもの〔腐食防食協会編:防食技術便覧,日刊工業新聞社,p290(1986)参照〕。
(3) 合金成分の最適化による補強鋼材の耐食性改善に係るもの〔特開平9-263886号公報、特公昭64-5099 号公報、特開昭58-77551号公報等参照〕。
(4) 表面処理による補強鋼材の耐食性改善に係るもの。
(a) 鋼材表面を規定された錆層で被覆する〔特開平8-74070 号公報参照〕。
(b) 鋼材表面に含酸素マンガン化合物皮膜を形成する〔特許第1129118 号参照〕。
(c) 鋼材表面をエポキシ樹脂によって被覆する〔腐食防食協会編:防食技術便覧,日刊工業新聞社,p290(1986)参照〕等。
(5) コンクリート中への防錆剤(防食剤)の混和によるもの。
(a) シラン化合物を添加する〔特開平6-305800号公報等参照〕。
(b) 犠牲防食作用を有する金属粉末を添加する〔特開平6-345512号参照〕。
(c) ジカルボン酸化合物を主成分とする混練物を添加する〔特開平10-95650号公報参照〕。
(d) 亜硝酸塩とポリカルボン酸塩を併せて添加する〔特開昭54-72222号公報参照〕。
(e) ニトロ基を含有する安息香酸およびその塩の添加〔特開昭58-32049号公報参照〕等。
(6) 電気防食による補強鋼材の腐食抑制によるもの。
(a) 外部電源により補強鋼材を陰極に保持する〔特開平8-319590号公報等参照〕。
(b) 流電陽極により補強鋼材を陰極に保持する〔特開平10-245280 号公報等参照〕。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の補強鋼材の防食技術によれば、ある程度は、コンクリート中の補強鋼材の腐食を防ぐことができ、鋼/コンクリート構造物のひび割れ損傷や破壊を抑制し得る。
【0008】
しかしながら、この補強鋼材の腐食の抑制及びこれによる鋼/コンクリート構造物の耐久性の向上は未だ充分ではなく、特に、海浜環境の鋼/コンクリート構造物においてはまだまだ不充分であり、前記従来の補強鋼材の防食技術には問題がある。この詳細を、以下説明する。
【0009】
前記(1) の技術の如くコンクリートの水セメント比を小さくしても、鋼材の主な腐食要因であるNaClやMgCl2 等の塩化物が鋼/コンクリート構造物のコンクリート表面から内部へ浸入することは避けられず、このため補強鋼材の防食効果は小さい。
【0010】
前記(2) のかぶり厚の増大による技術では、かぶり厚を極端に大きくすれば、コンクリート表面から浸入する塩化物の補強鋼材への到達を防ぐことができ、それにより補強鋼材の腐食抑制が可能である。しかし、現実的に許容し得る範囲内でのかぶり厚の増大ではその腐食抑制の効果は非常に小さい。
【0011】
前記(3) の合金成分の最適化による補強鋼材の耐食性改善に係る技術は、補強鋼材が鉄筋である場合に実際に適用され実用化されており、この技術が適用された鉄筋は耐塩性鉄筋といわれている。しかし、この技術にも、下記のような幾つかの問題点がある。即ち、実機において多く使用されているミルスケール(酸化皮膜)付きの鋼材では、スケール表面のピンホールや傷などの欠陥部分から露出した地鉄とスケールとの電位差に起因した腐食が発生する場合が多い。通常、このミルスケール皮膜には非常に多くのミクロ的な欠陥を有しており、耐塩性鉄筋においてもスケール欠陥の全くないケースはなく、地鉄とスケールとのミクロセル形成は避けられず、このためミルスケール付き鋼材に対してはあまり効果的でない。又、ミルスケールを除去した鉄筋(鋼材)においても、塩化物環境では生成錆の緻密化が不充分であり、耐塩性鉄筋といえども充分でないために、耐食性改善には限度がある。
【0012】
前記(4) のエポキシ樹脂被覆等の表面処理による補強鋼材の耐食性改善に係る技術は、非常に有効な防食手段であり、海浜環境等の厳しい腐食環境において実用化されている。しかしながら、エポキシ樹脂被覆皮膜等の被膜に傷が入れば、その部分から容易に腐食してしまうため、取り扱い(作業性)の容易さを最重視する(即ち、多少乱暴に扱う)鋼/コンクリート構造物、特に大型構造物に対しては、実用的ではない。又、補強鋼材に大きな引っ張り歪みを作用させるプレストレストコンクリートにおいては、エポキシ樹脂皮膜や錆層等の表面被覆層が補強鋼材の歪みに追随できずに、剥離してしまうため、適用できない場合が多い。更に、前記表面処理による技術は、表面処理コストが高く、経済性の点で問題がある。
【0013】
前記(5) のコンクリート中への防錆剤(防食剤)の混和による技術においては、防食剤の防食成分が鋼/コンクリート構造物外へ拡散したり、コンクリート内で化学反応を引き起して防食効果が消失する場合が多く、長期的に安定した防食効果が得られない場合が多い。水溶液環境のように防食剤の追加補充できないコンクリート環境では、防食剤は使い勝手が悪い。
【0014】
特に、犠牲防食作用を有するZnやAl等の金属粉末を添加する方法〔(5)-(b) 〕においては、初期には優れた防食効果が得られるのであるが、コンクリート特有のアルカリ環境ではZnやAlは耐食性に劣ることに加えて、流電陽極として加速溶解するため、比較的短期間で腐食溶失する。また、この方法は金属粉末の犠牲防食作用によるものであり、そのメカニズムから明らかであるが、補強鋼材とZnやAl等の金属粉末とが物理的に接触していなければ、犠牲防食作用は得られない。よって、補強鋼材と接触している金属粉末が腐食溶失した時点で該金属粉末の犠牲防食作用が消失するため、防食効果を長期間持続できないという問題がある。更に、この方法においては、卑なZnやAl等の金属粉末により補強鋼材の電位は卑側に移行するために補強鋼材上での水素発生反応が促進され、そのため補強鋼材の水素脆化が起こり易くなる場合が多く、これは機械的強度が非常に重要である鋼/コンクリート構造物においては致命的な問題点である。
【0015】
前記(6) の電気防食による補強鋼材の腐食抑制に係る技術においては、補強鋼材が陰極に保持され、該鋼材の電位が卑となるので、上記(5)-(b) の場合と同様に補強鋼材の水素脆化が起こり易くなるという問題点がある。
【0016】
更に、前記(6) の技術の中、(6)-(a) の外部電源による方法の場合には、電力コストの問題がある。即ち、長さが数kmに及ぶ場合も多々ある護岸等の大型港湾施設では防食のために莫大な電力が必要であり、又、適切な防食条件を保持するためのモニタリング装置やその維持管理等も必要であるため、コストが非常に高くなり、実用的ではない。
【0017】
また、(6)-(b) の流電陽極による方法は、流電陽極の表面を腐食生成物や海中微生物が覆い、犠牲陽極として作用しなくなることが多い。補強鋼材の腐食反応を引き起こすマクロセルの形成状況は経時的に変化するものであり、効果的な防食のためには、その状況変化に応じて防食条件を微妙にコントロールすることが望ましいが、本法はそのコントロールが困難である。従って、補強鋼材を長期間にわたって効果的に防食することは困難である。又、この方法においては、防食効果の維持のためには犠牲陽極として溶出し消耗する流電陽極を定期的に交換する必要があるが、構造物の幾何学的形状によっては、この交換のための作業が不可能である場合もあるので、この方法の適用可能な鋼/コンクリート構造物は限定される。
【0018】
本発明はかかる事情に着目してなされたものであって、その目的は、前記従来の技術の有する問題点を解消し、鋼/コンクリート港湾構造物の大きさ等の種類にかかわらず、補強鋼材の水素脆化を招くことなく、実用的且つ経済的に補強鋼材が長期間にわたって防食され、ひいては補強鋼材の腐食によるひび割れ等の損傷が長期間にわたって起こり難くて耐久性に優れた鋼/コンクリート港湾構造物、及び、かかる鋼/コンクリート港湾構造物を得るためのコンクリート添加用材料(港湾構造物コンクリート添加用材料)ならびにセメント(港湾構造物用セメント)を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る鋼/コンクリート港湾構造物および港湾構造物コンクリート添加用材料ならびに港湾構造物用セメントは、請求項1〜2記載の鋼/コンクリート港湾構造物、及び、請求項3記載の港湾構造物コンクリート添加用材料、並びに、請求項4記載の港湾構造物用セメントとしており、それは次のような構成としたものである。
【0020】
即ち、請求項1記載の鋼/コンクリート港湾構造物は、コンクリートまたはモルタル層中に、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極基準で−0.80V以上であると共に該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0mm/y である金属片を、分散させた耐久性に優れた鋼/コンクリート港湾構造物であって、前記金属片がFe含有量:70質量%以上の鉄合金であると共に、前記金属片として平均粒径:0.01〜0.05 mm の金属片と平均粒径:0.1 〜5.0 mmの金属片とを分散させたことを特徴とする耐久性に優れた鋼/コンクリート港湾構造物である(第1発明)。
【0021】
請求項2記載の鋼/コンクリート港湾構造物は、前記金属片の量が0.1 〜5体積%である請求項1記載の鋼/コンクリート港湾構造物である(第2発明)。
【0022】
請求項3記載の港湾構造物コンクリート添加用材料は、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極基準で−0.80V以上であると共に、該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0mm/y である金属片よりなるコンクリート添加用材料であって、前記金属片がFe含有量:70質量%以上の粒状の鉄合金よりなると共に、前記金属片が平均粒径:0.01〜0.05 mm の金属片と平均粒径:0.1 〜5.0 mmの金属片とからなることを特徴とする港湾構造物コンクリート添加用材料である(第3発明)。
【0023】
【0024】
請求項4記載の港湾構造物用セメントは、請求項3記載の港湾構造物コンクリート添加用材料を0.1 〜50体積%含有することを特徴とする港湾構造物用セメントである(第4発明)。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明は例えば次のようにして実施する。
鋼/コンクリート構造物建築用の型枠内に鉄筋等の補強鋼材を配置する。
【0026】
次に、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極基準で−0.80V以上であると共に該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0 mm/yである金属片であって、Fe含有量:70質量%以上の粒状の鉄合金よりなると共に、平均粒径:0.01〜0.05 mm の金属片と平均粒径:0.1 〜5.0 mmの金属片とからなる金属片を準備する。この金属片は、本発明に係るコンクリート添加用材料の一例に相当する。
【0027】
この金属片即ちコンクリート添加用材料をセメントに添加し、混合する。このとき、コンクリート添加用材料の配合率を0.1 〜50体積%にすると、本発明に係るセメントとなる。
【0028】
上記セメントと砕石等の粗骨材及び海砂等の細骨材とを水と混合し、傾動ミキサー等の混合機を用いて練り混ぜて生コンクリートを得る。
【0029】
この生コンクリートを前記型枠内に打ち込む。しかる後、これを養生する。そうすると、本発明に係る鋼/コンクリート港湾構造物の一例に相当するものが得られる。
【0030】
以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0031】
鋼/コンクリート構造物(即ち、補強鋼材が埋め込まれたコンクリート又はモルタル)において、コンクリート又はモルタル(以下、総称してコンクリートという)中には、セメントの水和により生成した水酸化カルシウム水溶液で満たされた多数の毛細管空隙が存在し、このためコンクリート中の液性はpH12〜13程度のアルカリ性となっている。このようなアルカリ性の環境の中で、補強鋼材は下記式[1] で示される如き鉄の溶解反応(アノード反応)と下記式[2] で示される如き溶存酸素の還元反応(カソード反応)によって腐食が進行しているが、この進行速度(腐食速度)は非常に小さいと考えられる。これは、コンクリート中のアルカリ性環境においては補強鋼材が不働態域にあり、その鋼材の表面に強固で安定な不働態皮膜が形成され、鉄の溶解反応(式[1] の反応)が抑制されているためと考えられる。
【0032】
Fe→Fe2++2e- ---------------- [1]
1/2 O2+H2O +ze- →2OH- ------ [2]
M→Mz++ze- -------------------- [3]
z/4 O2 +z/2 H2O+ze- →zOH- ---- [4]
【0033】
しかし、細骨材としての海砂の使用や海塩粒子の侵入等によりNaClやMgCl2 等の塩化物がコンクリート中の補強鋼材表面に存在すると、該鋼材表面の不働態皮膜が破壊されるため、鉄の溶解反応(式[1] の反応)が加速されて、該鋼材の腐食速度が増大すると考えられる。又、大気中のCO2 ガスの作用等によるコンクリートの経時的な中性化現象も腐食速度増大の原因となり、補強鋼材の腐食速度が増大する。
【0034】
本発明者らは、かかる補強鋼材の腐食速度の増大を抑制すべく鋭意検討を行った結果、コンクリート中に塩化物が比較的多く侵入した場合においては、前記式[2] のカソード反応(溶存酸素の還元反応)が補強鋼材の腐食速度を律速しており、従ってコンクリート中の溶存酸素を除去することにより、補強鋼材の腐食を大きく抑制することができるという知見を得た。
【0035】
そして、かかるコンクリート中の溶存酸素の除去に対して、コンクリート中に金属片を分散させて該金属片の腐食作用により溶存酸素を消費することが有効であり、この溶存酸素の消費により補強鋼材の腐食を抑制し得ることがわかった。
【0036】
即ち、コンクリート中にz価の金属Mを存在させると、金属Mの表面において上記式[3] で示される如き金属Mの溶解反応(アノード反応)と上記式[4] で示される如き溶存酸素の還元反応(カソード反応)が起こって金属Mが腐食する。そうすると、この金属Mの腐食に伴って金属Mの周囲の溶存酸素が還元されて消費される。つまり、コンクリート中において金属Mが溶存酸素を消費又は除去する物質(溶存酸素除去作用物質)として働くのである。
【0037】
かかる溶存酸素除去作用を有する金属を金属片の状態でコンクリート中に分散させて存在させておくと、各金属片の周囲の溶存酸素が消費され除去される。そうすると、コンクリート中に存在する溶存酸素の補強鋼材表面への到達が阻害され、コンクリート中に侵入してきた溶存酸素の補強鋼材表面への到達も阻害される。その結果、補強鋼材の腐食速度が低下し、極めて低い水準に維持され、補強鋼材の腐食が抑制される。以上のようなことがわかった。
【0038】
そこで、本発明に係る鋼/コンクリート港湾構造物(以下、鋼/コンクリート構造物という)は、コンクリート(コンクリートまたはモルタル)層中に、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極基準で−0.80V以上であると共に該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0mm/y である金属片を、分散させている。
【0039】
ここで、コンクリート層中に分散させる金属片についての30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極(SCE)基準で−0.80V〔−0.80V(SCE) 〕以上であることとしているのは、−0.80V(SCE) 未満である場合には補強鋼材と接触した金属片が該補強鋼材の水素発生反応を促進し、このため該補強鋼材の水素脆化が起こり易くなるという支障が生じ、−0.80V(SCE) 以上である場合にはかかる水素発生反応による補強鋼材の水素脆化が起こり難くなるからである。
【0040】
コンクリート層中に分散させる金属片についての3%NaCl水溶液中での腐食速度(以下、腐食速度Aという)が0.001 〜1.0mm/y であることとしているのは、下記の理由による。
【0041】
即ち、コンクリート中の液の如きアルカリ性もしくは中性の水溶液における金属の腐食速度は、電気化学的には溶存酸素の消費速度に概ね等しいと考えられるので、コンクリート中での金属片周囲の溶存酸素の消費速度は金属片の腐食速度に比例する。この金属片の腐食速度が前記腐食速度Aで0.001 mm/y未満に相当する腐食速度である場合には、金属片周囲の溶存酸素の消費速度が低く、ひいては補強鋼材の腐食の抑制が不充分となるので、前記腐食速度Aで0.001 mm/y以上とする必要がある。この金属片の腐食速度が高くなるほど金属片周囲の溶存酸素の消費速度が高くなるが、前記腐食速度Aで1.0mm/y 超の場合には金属片の腐食による溶失までの期間が短く、補強鋼材の腐食を抑制し得る期間が短くて不充分となるので、前記腐食速度Aで1.0mm/y 以下にする必要がある。つまり、この金属片の腐食速度を腐食速度Aで0.001 〜1.0mm/y とした場合には、補強鋼材の腐食を充分に且つ長期間にわたって抑制し得る。以上の如き理由により、金属片の腐食速度が腐食速度Aで0.001 〜1.0mm/y であることとしているのである。
【0042】
上記の如き金属片をコンクリート層中に分散させることは、鋼/コンクリート構造物の大きさ等の種類にかかわらず実施し得、例えば護岸等の大型港湾施設としての鋼/コンクリート構造物に対しても実施し得る。又、かかる金属片の分散による本発明の手段は、補強鋼材へのエポキシ樹脂被覆等の表面処理の場合の如き取り扱い面の問題がなくて実用的であり、経済的でもある。更に、かかる本発明の手段においては、コンクリート中への防食剤の混和による場合よりも長期間優れた防食効果が得られ、補強鋼材の合金成分の最適化による場合よりも防食効果が極めて優れており、又、電気防食による場合の如きランニングコストは不要であり、経済性に優れている。
【0043】
従って、本発明に係る鋼/コンクリート構造物は、鋼/コンクリート構造物の大きさ等の種類にかかわらず、補強鋼材の水素脆化を招くことなく、実用的且つ経済的に補強鋼材が長期間にわたって防食され、ひいては補強鋼材の腐食によるひび割れ等の損傷が長期間にわたって起こり難くて耐久性に優れている。
【0044】
前記金属片の腐食速度については、金属片周囲の溶存酸素の消費速度をさらに高め、ひいては補強鋼材の腐食をより確実に抑制するために、前記腐食速度Aで0.05mm/y以上であることとすることが望ましい。一方、補強鋼材の腐食の抑制可能な期間をより長期間にするためには、前記腐食速度Aで0.5mm/y 以下であることとすることが望ましい。
【0045】
前記金属片についての3%NaCl水溶液中での自然電位に関しては、前記の如き水素発生反応による補強鋼材の水素脆化をより起こり難くするために、−0.75V(SCE) 以上であることとすることが望ましく、更に、かかる水素脆化を確実に抑制するために−0.70V(SCE) 以上であることとすることが好ましい。しかし、かかる金属片の自然電位が貴である場合、貴であるほど前記式[4] の如き溶存酸素の還元反応が起こり難く、溶存酸素の消費速度が低下して不充分となり、又、補強鋼材と接触した金属片と該補強鋼材との間に異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が形成され、これにより補強鋼材の腐食が促進される恐れがあり、これを抑制するという点からすると金属片の自然電位は−0.2 V(SCE) 以下、更には−0.4 V(SCE) 以下であることとすることが望ましい。
【0046】
上記の如き異種金属接触腐食の形成による補強鋼材の腐食を防止するという点からすると、前記金属片としては補強鋼材と同等の自然電位を有することが望ましく、更に補強鋼材と同様の化学成分を有することが望ましい。かかる点から、前記金属片としてはFe含有量:70質量%以上の鉄合金よりなるものを用いることが望ましい(第1発明)。より確実に異種金属接触腐食の形成を防止するにはFe含有量:90質量%以上、更にはFe含有量:95質量%以上の鉄合金よりなるものを用いることが望ましい。かかる金属片としては炭素鋼、低合金鋼、鋳鉄等を例示することができる。
【0047】
前記金属片の形状については特には限定されず、種々の形状のものを用いることができ、例えば粒状のもの、板状のもの、薄片状のもの、針状のもの、針金状のもの、繊維状のもの等を用いることができる。
【0048】
これらの種々の形状の金属片の中、鋼繊維(スチールファイバー)はコンクリートの機械的特性向上のために用いられることがあるが、この場合はコンクリートとの付着性向上のために異形加工により表面に凹凸が形成された鋼繊維が用いられる。かかる鋼繊維を溶存酸素の消費による補強鋼材の腐食の抑制の目的で用いた場合、鋼繊維の凸部は腐食速度が大きいので腐食溶失しやすく、鋼繊維の腐食反応による溶存酸素の消費の効果は比較的早期に失われる場合が多い。又、鋼繊維を添加したフレッシュコンクリート(生コン)中においては鋼繊維同士が絡み合い、このため流動性が極度に低下して作業性低下や打設ムラが生じる場合が多い。更に、溶存酸素の消費効率の点から、金属片はコンクリート中に均一に分散させることが好ましいが、鋼繊維の場合には鋼繊維同士が絡み合うために均一に分散させることは困難である。この他、何らかの原因でコンクリート表面に露出した鋼繊維が人間の手足や自動車のタイヤに突き刺さるという安全上の問題があり、又、鋼繊維を用いることはコストが非常に高くなる。
【0049】
粒状の場合には、上記鋼繊維の場合のような問題点がなく、溶存酸素の消費の効果は長期間持続し、フレッシュコンクリートの流動性劣化の問題がなく、コンクリート中に均一に分散させ易く、安全性に優れている。よって、金属片としては粒状金属片を用いることが望ましい。
【0050】
前記金属片の大きさについては特には限定されず、種々の大きさのものを用いることができる。しかし、コンクリート中での金属片の腐食により、酸化物や水酸化物等の腐食生成物が形成される場合には、この体積は元の金属片よりも大きくなり、体積が膨張するため、コンクリート中に応力が生じ、ひいてはコンクリートにひび割れを発生させる恐れがあり、これを防止するためには金属片が全て腐食生成物となった場合にもその体積膨張によるコンクリート中発生応力が無視できる程度に小さいことが必要であり、このためには金属片の大きさは小さい方がよく、金属片として平均粒径5.0 mm以下の粒状金属片を用いればよく、更には平均粒径3.0 mm以下のものを用いることが望ましい。但し、粒状金属片の平均粒径が0.1 mm未満の場合、その腐食速度が大きく、腐食溶失までの期間が短いため、溶存酸素の消費の効果の持続期間が短くて不充分となり、又、粉塵による作業環境の悪化が起こるようになり、かかる点から平均粒径0.1 mm以上の粒状金属片を用いることが望ましく、更には平均粒径1mm以上の粒状金属片を用いることが望ましい。
【0051】
前記金属片として小サイズ片と大サイズ片とを混合したものを用いると、溶存酸素消費速度の大きい小サイズ片がコンクリート打ち込み時等にコンクリート中に導入された初期の溶存酸素を効率よく消費し、溶存酸素消費速度が小さく腐食溶失し難い大サイズ片がコンクリートの外部から内部に侵入してくる溶存酸素を消費するため、補強鋼材を常に且つ長期間にわたって防食し得る。かかる効果を発揮するための小サイズ片としては平均粒径:0.01〜0.05 mm のもの、大サイズ片としては平均粒径:0.1 〜5.0 mmのものが好適である(第1発明)。
【0052】
前記金属片の量に関し、これが0.1 体積%に満たない場合には、溶存酸素の消費量が小さいために補強鋼材の防食効果が小さく、5体積%を超える場合には、フレッシュコンクリートの軟らかさ(流動性)を低下させる場合があるため、施工性の劣化を招くことがある。よって、前記金属片の量は0.1 〜5体積%にすることが望ましい(第2発明)。尚、金属片の体積%は、金属片を含むコンクリートの単位体積当たりの金属片の体積の割合のことである。
【0053】
本発明に係る港湾構造物コンクリート添加用材料(以下、コンクリート添加用材料という)は、前述の如く、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が−0.80V(SCE) 以上であると共に該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0mm/y である金属片よりなるコンクリート添加用材料であって、前記金属片がFe含有量:70質量%以上の粒状の鉄合金よりなると共に、前記金属片が平均粒径:0.01〜0.05 mm の金属片と平均粒径:0.1 〜5.0 mmの金属片とからなることを特徴とするものである(第3発明)。このコンクリート添加用材料をセメントに混合し、これを骨材及び水と混合し、練り混ぜて生コンクリートを得ることや、このコンクリート添加用材料を生コンクリート中に添加し混合することにより、生コンクリート中に分散させて存在させ、この生コンクリートを用いて鋼/コンクリート構造物の建造を行うと、本発明に係る鋼/コンクリート構造物を得ることができる。
【0054】
前記金属片がFe含有量:70質量%以上の粒状の鉄合金よりなるので、補強鋼材と接触した個所での異種金属接触腐食の形成による補強鋼材の腐食が起こり難くなる(第3発明)。
【0055】
本発明に係る港湾構造物用セメント(以下、セメントという)は、前述の如く、上記の本発明に係るコンクリート添加用材料を0.1 〜50体積%含有することを特徴とするものである(第4発明)。このセメントを骨材及び水と混合し、練り混ぜて生コンクリートを得、この生コンクリートを用いて鋼/コンクリート構造物の建造を行うと、本発明に係る鋼/コンクリート構造物を得ることができる。ここで、セメント中のコンクリート添加用材料の含有量を0.1 〜50体積%としているのは、50体積%超にすると、鋼/コンクリート構造物の建造の際にフレッシュコンクリート中におけるコンクリート添加用材料(金属片)の量が5体積%超となり、フレッシュコンクリートの流動性の低下による施工性の劣化を招くことがあり、一方、0.1 体積%未満にすると、コンクリート中におけるコンクリート添加用材料の量が0.1 体積%未満となり、溶存酸素の消費量が小さいために補強鋼材の防食効果が小さくなるからである。尚、コンクリート添加用材料の体積%は、該材料を含むセメントの単位体積当たりの該材料の体積の割合のことである。
【0056】
本発明において、コンクリートはコンクリート及びモルタルの総称であり、コンクリートだけではなく、モルタルも含む。鋼/コンクリート構造物でのコンクリートはコンクリート又はモルタルである。コンクリート添加用材料でのコンクリートはコンクリート又はモルタルである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】
【表13】
【0070】
【実施例】
(実施例A)
補強鋼材としてミルスケール付き異形棒鋼よりなるサイズ:D16 の鉄筋を3種類準備した。この鉄筋の組成は表1に示す通りである。
【0071】
一方、セメントとして普通ポルトランドセメント、粗骨材として砕石(大きさ10〜15mm)、細骨材として海砂を準備すると共に、コンクリート添加用材料として種々の金属片を製作し準備した。
【0072】
上記セメント、粗骨材、細骨材、コンクリート添加用材料と、腐食促進のためにNaClを水道水に対して3質量%の量で添加してなる水道水(食塩水)とを混合し、傾動ミキサーを用いて練り混ぜて生コンクリートを得た。このとき、水セメント比(100 ×W/C)は55%とし、スランプ(ワーカビリティの一般的な指標である)は10±2cmとなるように各材料の単位量を調整した。コンクリート添加用材料(金属片)についての材質、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位(SCE 基準)、3%NaCl水溶液中での腐食速度、サイズ、及び、コンクリート中での含有量は、表2〜3に示す通りである。
【0073】
次に、かぶり厚が2cmとなるように15cm×15cm×50cmの型枠内に前記鉄筋を配置し、この型枠内に前記生コンクリートを打ち込み、しかる後、28日間の水中養生を行うことにより、鉄筋コンクリートよりなる試験材を製作した。又、比較例として、コンクリート添加用材料を添加せず、この点を除き上記と同様の方法により得た生コンクリートを用い、上記と同様の方法により試験材を製作した。
【0074】
この養生の終了後直ちに、試験材の試験面(鉄筋に対するかぶり厚が2cmとなる面)以外をシリコンシーラントで被覆し、24時間以上乾燥させた。
【0075】
上記乾燥後の試験材を岸壁(波により海水が散布される海岸付近)に2年間暴露し、この後、試験材の試験面を目視にて観察してコンクリートのひび割れ発生の有無を調べ、更に、試験材から鉄筋を取り出し、目視にて観察して鉄筋の腐食状況(発錆面積率)を調べた。
【0076】
この結果を表4〜5に示す。比較例に係る試験材(No.1〜3 :コンクリート添加用材料を添加しないコンクリートを用いて得られた試験材)の中、鉄筋として普通鉄筋を用いた場合(No.1)には、鉄筋は全面が発錆し、発錆による体積膨張に起因すると考えられるコンクリートのひび割れが発生しており、又、耐塩性鉄筋を用いた場合(No.2及び3 )は、上記No.1の場合に比べると鉄筋の発錆面積率が小さい傾向が認められるが、コンクリートのひび割れの発生が認められた。
【0077】
これらに対し、参考例(本発明の基礎部分の構成要件を有するもの、即ち、コンクリートまたはモルタル層中に、30℃の大気開放の3%NaCl水溶液中での自然電位が飽和カロメル電極基準で−0.80V以上であると共に該3%NaCl水溶液中での腐食速度が0.001 〜1.0mm/y である金属片を、分散させた鋼/コンクリート港湾構造物の例)に係る試験材(No.4〜16)においては、鉄筋の発錆面積率が極めて小さく、鉄筋が腐食していないものもあり、又、いずれの場合もコンクリートのひび割れの発生は全く認められなかった。
【0078】
(実施例B)
補強鋼材としてミルスケール付きの熱延鋼板(5mm×100mm ×500mm の0.10C-0.25Si-0.40Mn 鋼)を用いた。コンクリート添加用材料として表6〜7に示す金属片を用いた。生コンクリートを得る際の水セメント比は58%とした。これらの点を除き、前記実施例Aの場合と同様の方法により、生コンクリートを得、鋼板コンクリートよりなる試験材を製作した。尚、No.1〜4 は比較例であり、いずれもコンクリート添加用材料は添加していない。この中、No.3及び4 では、補強鋼材である熱延鋼板表面のスケールを除去した後にエポキシ樹脂を被覆し、No.4のものに対しては実機施工時のスリ傷あるいはひっかき傷を模擬するためにカッターナイフによりエポキシ樹脂被覆層に傷を形成させた。
【0079】
上記試験材の試験面以外をシリコンシーラントで被覆し、24時間以上乾燥させた後、この試験材について実施例Aの場合と同様の方法により、岸壁での2年間の暴露試験、暴露試験後の試験材の調査を行った。
【0080】
この結果を表8〜9に示す。比較例に係る試験材(No.1〜4 :コンクリート添加用材料添加なし)の中、No.1及び2 の場合には、補強鋼材の熱延鋼板は全面が発錆し、発錆による体積膨張に起因すると考えられるコンクリートのひび割れが発生していた。No.3の場合(エポキシ樹脂被覆)には、補強鋼材の発錆も、コンクリートのひび割れも認められなかった。No.4の場合(エポキシ樹脂被覆後に傷を形成)には、傷部を中心とした補強鋼材の発錆が認められ、この発錆に起因すると考えられるコンクリートのひび割れが発生していた。実際の鋼板コンクリート構造物の建造時、特に大型の鋼板コンクリート構造物の建造時に、補強鋼材としてエポキシ樹脂を被覆したものを用いた場合、エポキシ樹脂被覆層に傷を付けずに建造作業を行うことは実際には不可能であることから、エポキシ樹脂被覆による補強鋼材の防食効果は実質的には上記No.4の場合と同程度であると考えるべきである。
【0081】
本発明の実施例に係る試験材(No.16 〜18)および参考例(No.5〜15、19〜21)に係る試験材においては、補強鋼材の発錆面積率が極めて小さく、補強鋼材が腐食していないものもあり、又、いずれの場合もコンクリートのひび割れの発生は全く認められなかった。
【0082】
(実施例C)
補強鋼材としてミルスケール付き異形棒鋼(SD345 )よりなるサイズ:D13 の鉄筋を用いた。モルタル添加用材料の金属片として表10〜11に示す金属片を用いた。水セメント比は60%とした。スランプは12±2cmとなるように各材料の単位量を調整した。これらの点を除き、前記実施例Aの場合と同様の方法により、生状態のモルタルを得、鉄筋モルタルよりなる試験材を製作した。但し、骨材は添加していない。なお、No.1〜6 は比較例であり、いずれも金属片は添加していない。この中、No.4〜6 のものは表12に示す防食剤をモルタル中に混和させた。比較例の一部のものについては水セメント比は40%、50%とした。
【0083】
上記試験材の試験面以外をシリコンシーラントで被覆し、24時間以上乾燥させた後、この試験材について実施例Aの場合と同様の方法により、岸壁での2年間の暴露試験、暴露試験後の試験材の調査を行った。
【0084】
この結果を表12〜13に示す。比較例に係る試験材(No.1〜6 :金属片の添加なし)の中、No.1〜3 の場合には、鉄筋の発錆面積率が高く、モルタルのひび割れが発生していた。No.4〜6 の場合(防食剤の混和あり)には、鉄筋の発錆面積率が少し低下するが、モルタルのひび割れが発生していた。
【0085】
これらに対し、本発明の実施例に係る試験材(No.15 〜16、18)および参考例(No.7〜14、17)に係る試験材においては、鉄筋の発錆面積率が極めて小さく、鉄筋が腐食していないものもあり、又、いずれの場合もモルタルのひび割れの発生は全く認められなかった。
【0086】
以上の如く、本発明の実施例はいずれも鋼/コンクリート構造物の補強鋼材の防食およびコンクリート(或いはモルタル)のひび割れの抑制の効果が非常に大きく、鋼/コンクリート構造物の耐久性向上に極めて有効であることが確認できた。
【0087】
尚、上記本発明の実施例は、鉄筋コンクリート、鋼板コンクリート、或いは、鉄筋モルタルへの適用例であり、上記の如き効果を奏したが、本発明はプレストレストコンクリート、鋼管コンクリート、繊維強化コンクリート等の様々な鋼/コンクリート構造物に適用することができ、いずれの場合も同様に優れた耐久性向上効果を発揮する。これは、本発明の作用機構から明らかである。
【0088】
又、本発明においてコンクリートの打ち込み方式は制限されず、現場打ち、工場打ち(プレキャスト)等を採用することができるが、いずれの場合も同様の優れた耐久性向上効果が得られる。更に、セメントや細骨材等のコンクリート用材料の種類や使用量、工法、養生方法等にかかわらず、優れた耐久性向上効果が得られる。
【0089】
本発明は、その作用機構より明らかなように、卑金属による犠牲防食の場合と異なり、防食対象の補強鋼材と金属片とは接触する必要がないので、施工上の理由等によりコンクリート表層部分のみにしか金属片を混在させることができないような場合にも適用し得、この場合にも本発明の優れた耐久性向上効果が得られる。
【0090】
コンクリート表面に露出した金属片の腐食による美観の損失を避けたい場合には、コンクリート表層部に金属片を存在させず、コンクリート内部に金属片を混在させるようにすればよく、この場合にも本発明の効果が得られる。
【0091】
既存の鋼/コンクリート構造物を補修する場合においても本発明を適用することができる。即ち、補修部分に金属片を分散させた状態で混在させる。この場合にも本発明の効果が得られ、これは本発明の作用機構から明らかである。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、鋼/コンクリート港湾構造物の大きさ等の種類にかかわらず、補強鋼材の水素脆化を招くことなく、実用的且つ経済的に補強鋼材が長期間にわたって防食され、ひいては補強鋼材の腐食によるひび割れ等の損傷が長期間にわたって起こり難くて耐久性に優れた鋼/コンクリート港湾構造物を得ることができるようになる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a steel / concrete having excellent durability.HarborStructure andHarbor structureConcrete additive materials andFor harbor structuresBelongs to the technical field of cement, in particular steel / concreteHarborStructure (ie,A port structureIt belongs to the technical field regarding corrosion prevention technology of reinforcing material (reinforced steel material) of concrete or mortar) in which steel materials such as reinforcing bars and steel plates are embedded as reinforcing material, and technology for improving the durability of steel / concrete structures by corrosion prevention of this reinforcing steel .
[0002]
[Prior art]
Steel / concrete structures such as reinforced concrete are widely used as civil engineering and building structures. In such steel / concrete structures, a decrease in the durability life due to the occurrence of cracks on the concrete surface is very often a problem. The occurrence of cracks on the concrete surface is often caused by corrosion of the reinforcing steel material inside the concrete. In other words, the iron rust formed when the reinforced steel is corroded has its own volume approximately 2.5 times that of the original (before corrosion). It will cause cracks.
[0003]
Especially in harbor structures such as seawalls and caissons, NaCl and MgCl, which are the main corrosion factors of steel materials, are used.2Because of the large amount of chloride such as, the steel penetration into the concrete can cause significant corrosion of the reinforcing steel, resulting in cracking of the concrete surface several years after construction.
[0004]
When cracks occur on the concrete surface as described above, steel corrosion-promoting substances such as chloride and oxygen easily enter the concrete from the cracked part, which promotes corrosion of the reinforced steel material and causes local volume expansion. It becomes even more pronounced, which in turn accelerates the damage and destruction of steel / concrete structures.
[0005]
As a technique for preventing damage and destruction of the steel / concrete structure, that is, for preventing corrosion of the reinforced steel material for improving the durability of the steel / concrete structure,(1)~(6)Such techniques are known.
[0006]
(1)By reducing the water-cement ratio of concrete (see Corrosion and Corrosion Protection Association: Corrosion Protection Technology Handbook, Nikkan Kogyo Shimbun, p290 (1986)).
(2)By increasing the cover thickness (that is, the thickness of the concrete covering the steel) [see Corrosion and Corrosion Protection Association: Corrosion Protection Technology Handbook, Nikkan Kogyo Shimbun, p290 (1986)].
(3)Related to improvement of corrosion resistance of reinforced steel by optimization of alloy components (see Japanese Patent Laid-Open No. 9-263886, Japanese Patent Publication No. 64-5099, Japanese Patent Laid-Open No. 58-77551, etc.).
(Four)Related to improvement of corrosion resistance of reinforced steel by surface treatment.
(a) The surface of the steel material is covered with a specified rust layer (see Japanese Patent Laid-Open No. 8-74070).
(b) An oxygen-containing manganese compound film is formed on the steel surface (see Japanese Patent No. 1129118).
(c) Covering the surface of steel with an epoxy resin [see Corrosion and Corrosion Protection Association: Corrosion Protection Technology Handbook, Nikkan Kogyo Shimbun, p290 (1986)], etc.
(Five)By mixing rust preventives (anticorrosives) into concrete.
(a) A silane compound is added (see JP-A-6-305800).
(b) A metal powder having a sacrificial anticorrosive action is added (see JP-A-6-345512).
(c) A kneaded material containing a dicarboxylic acid compound as a main component is added (see JP-A-10-95650).
(d) Nitrite and polycarboxylate are added together (see JP-A-54-72222).
(e) Addition of a nitro acid-containing benzoic acid and a salt thereof (see JP-A-58-32049) and the like.
(6)This is due to the inhibition of corrosion of the reinforced steel material by means of electric protection.
(a) A reinforcing steel material is held on the cathode by an external power source (see Japanese Patent Laid-Open No. 8-319590 etc.).
(b) The reinforcing steel material is held on the cathode by the galvanic anode (see JP-A-10-245280 etc.).
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
According to the conventional anti-corrosion technology for reinforcing steel materials, corrosion of the reinforcing steel materials in the concrete can be prevented to some extent, and cracking damage and destruction of the steel / concrete structure can be suppressed.
[0008]
However, the suppression of corrosion of the reinforced steel material and the improvement of the durability of the steel / concrete structure are not yet sufficient, and in particular, the steel / concrete structure in a beach environment is still insufficient, and the conventional reinforcement described above. There are problems with the anti-corrosion technology of steel. Details thereof will be described below.
[0009]
Above(1)Even if the water-cement ratio of concrete is reduced as in the technology of, the main corrosion factors of steel materials, such as NaCl and MgCl2It is unavoidable that chlorides such as steel penetrate into the inside of the concrete surface of the steel / concrete structure, so that the corrosion protection effect of the reinforcing steel material is small.
[0010]
Above(2)In the technology by increasing the cover thickness, if the cover thickness is made extremely large, it is possible to prevent the chloride entering from the concrete surface from reaching the reinforcing steel material, thereby suppressing the corrosion of the reinforcing steel material. However, when the cover thickness is increased within a practically acceptable range, the effect of suppressing corrosion is very small.
[0011]
Above(3)The technology related to improving the corrosion resistance of reinforced steel by optimizing the alloy composition of the steel is actually applied and put to practical use when the reinforced steel is a rebar, and the rebar to which this technology is applied is said to be a salt-resistant rebar. . However, this technique also has several problems as follows. That is,Real machineSteel materials with a mill scale (oxide film) that are often used in the field often have corrosion due to the potential difference between the scale and the exposed iron from the defective parts such as pinholes and scratches on the scale surface. Usually, this mill scale film has a great number of micro defects, and there is no case of no scale defects even in salt-resistant rebars, and micro cell formation between the steel and scale is inevitable. Therefore, it is not very effective for steel materials with a mill scale. Further, even in a reinforcing bar (steel material) from which the mill scale has been removed, the densification of the generated rust is insufficient in a chloride environment, and even a salt-resistant reinforcing bar is not sufficient, so there is a limit to improving corrosion resistance.
[0012]
Above(Four)The technology related to improving the corrosion resistance of reinforced steel materials by surface treatment such as epoxy resin coating is a very effective anticorrosion means and has been put into practical use in severe corrosive environments such as beach environments. However, if a film such as an epoxy resin coating film is scratched, it will easily corrode from that part, so the steel / concrete structure places the highest priority on ease of handling (workability) (that is, handle it somewhat roughly). It is not practical for objects, especially large structures. In addition, in prestressed concrete in which a large tensile strain is applied to a reinforced steel material, the surface coating layer such as an epoxy resin film or a rust layer cannot follow the strain of the reinforced steel material and peels off. Furthermore, the surface treatment technique has a high surface treatment cost and is problematic in terms of economy.
[0013]
Above(Five)In the technology by mixing rust preventive (anticorrosive) into concrete, the anticorrosive component of the anticorrosive diffuses out of the steel / concrete structure or causes a chemical reaction in the concrete and the anticorrosive effect disappears. In many cases, a long-term stable anticorrosion effect cannot be obtained. In a concrete environment that cannot be supplemented with an anticorrosive agent such as an aqueous solution environment, the anticorrosive agent is not convenient.
[0014]
In particular, a method of adding metal powder such as Zn or Al having sacrificial anticorrosive action [(Five)-In (b)], an excellent anticorrosion effect is obtained in the initial stage, but in an alkaline environment peculiar to concrete, Zn and Al are inferior in corrosion resistance, and are accelerated and dissolved as a galvanic anode. Corrosion and dissolution occurs in a short period of time. This method is based on the sacrificial anticorrosive action of the metal powder, and it is clear from the mechanism. However, if the reinforcing steel material and the metal powder such as Zn or Al are not in physical contact, the sacrificial anticorrosive action is not obtained. I can't. Therefore, since the sacrificial anticorrosive action of the metal powder disappears when the metal powder in contact with the reinforcing steel material is lost due to corrosion, there is a problem that the anticorrosion effect cannot be maintained for a long time. Furthermore, in this method, the base metal powder such as Zn or Al causes the potential of the reinforcing steel material to shift to the base side, so that the hydrogen generation reaction on the reinforcing steel material is promoted, so that hydrogen embrittlement of the reinforcing steel material occurs. This is often a problem, which is a fatal problem in steel / concrete structures where mechanical strength is very important.
[0015]
Above(6)In the technology relating to the corrosion inhibition of the reinforced steel material by the electric protection, the reinforced steel material is held at the cathode, and the potential of the steel material becomes low, so the above(Five)-As in the case of (b), there is a problem that hydrogen embrittlement of the reinforced steel material easily occurs.
[0016]
Furthermore, the(6)In the technology of(6)-In the case of method (a) using an external power source, there is a problem of power cost. In other words, large harbor facilities such as revetments, which can be several kilometers in length, require enormous power for corrosion prevention, and monitoring devices for maintaining appropriate anticorrosion conditions and their maintenance management, etc. Cost is very high and is not practical.
[0017]
Also,(6)-In the method (b), which uses a galvanic anode, the surface of the galvanic anode is often covered with corrosion products and marine microorganisms so that it does not function as a sacrificial anode. The formation of macrocells that cause corrosion reactions in reinforced steel materials changes over time, and for effective anticorrosion, it is desirable to finely control the anticorrosion conditions according to the change in the situation. Is difficult to control. Therefore, it is difficult to effectively protect the reinforcing steel material over a long period of time. Also, in this method, in order to maintain the anticorrosion effect, it is necessary to periodically replace the galvanic anode that is eluted and consumed as a sacrificial anode. However, depending on the geometry of the structure, this replacement may be necessary. In some cases, the steel / concrete structure to which this method can be applied is limited.
[0018]
The present invention has been made paying attention to such circumstances, and the object thereof is to solve the problems of the prior art and to provide steel / concrete.HarborRegardless of the size of the structure, etc., the reinforcing steel material can be protected practically and economically for a long time without causing hydrogen embrittlement, and as a result, damage such as cracking due to corrosion of the reinforcing steel material is long. Steel / concrete that is hard to occur over time and has excellent durabilityHarborStructure and such steel / concreteHarborConcrete addition materials for obtaining structures(Material for harbor structure concrete addition)And cement(Cement for harbor structures)Is to provide.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, steel / concrete according to the present invention is provided.HarborStructure andHarbor structureConcrete additive materials andFor harbor structuresCement is claimed in claim 1.2Listed steel / concreteHarborStructure and claims3DescribedHarbor structureConcrete addition material and claims4DescribedFor harbor structuresIt is made of cement and has the following structure.
[0020]
That is, the steel / concrete according to claim 1.HarborThe structure has a natural potential in a concrete or mortar layer in a 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C open to the atmosphere of -0.80 V or more on a saturated calomel electrode basis, and the corrosion rate in the 3% NaCl aqueous solution is Dispersed metal pieces of 0.001 to 1.0 mm / yA steel / concrete harbor structure having excellent durability, wherein the metal piece is an iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more, and the metal piece has an average particle diameter of 0.01 to 0.05 mm. Average particle size: 0.1 to 5.0 mm metal pieces were dispersedDurable steel / concreteHarborIt is a structure (first invention).
[0021]
Claim 2Listed steel / concreteHarborIn the structure, the amount of the metal piece is 0.1 to 5% by volume.1Listed steel / concreteHarborIt is a structure (No.2invention).
[0022]
Claim3DescribedHarbor structureThe concrete additive material has a natural potential in a 3% NaCl aqueous solution open to the atmosphere at 30 ° C. of −0.80 V or more based on the saturated calomel electrode, and the corrosion rate in the 3% NaCl aqueous solution is 0.001 to 1.0 mm. consists of a piece of metal that is / yA material for adding concrete, wherein the metal piece is made of a granular iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more, and the metal piece has a metal piece having an average particle size of 0.01 to 0.05 mm and an average particle size of 0.1. With metal pieces of ~ 5.0 mmIt is characterized byHarbor structureConcrete addition material (No.3invention).
[0023]
[0024]
Claim4DescribedFor harbor structuresCement claims3DescribedHarbor structureContaining 0.1 to 50% by volume of concrete additive materialFor harbor structuresCement (No.4invention).
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is implemented, for example, as follows.
Reinforced steel such as reinforcing bars are placed in the formwork for steel / concrete structures.
[0026]
Next, the natural potential in a 3% NaCl aqueous solution open to the atmosphere at 30 ° C. is −0.80 V or higher with respect to a saturated calomel electrode, and the corrosion rate in the 3% NaCl aqueous solution is 0.001 to 1.0 mm / y. piece of metalA metal piece made of a granular iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more and comprising a metal piece having an average particle diameter of 0.01 to 0.05 mm and a metal piece having an average particle diameter of 0.1 to 5.0 mm.Prepare. This metal piece corresponds to an example of the material for adding concrete according to the present invention.
[0027]
This metal piece, ie, the material for adding concrete, is added to the cement and mixed. At this time, when the blending ratio of the material for adding concrete is 0.1 to 50% by volume, the cement according to the present invention is obtained.
[0028]
The above-mentioned cement and coarse aggregate such as crushed stone and fine aggregate such as sea sand are mixed with water and kneaded using a mixer such as a tilting mixer to obtain ready-mixed concrete.
[0029]
This ready-mixed concrete is driven into the mold. After that, this is cured. Then, the steel / concrete according to the present inventionHarborWhat corresponds to an example of a structure is obtained.
[0030]
Hereinafter, the effects of the present invention will be mainly described.
[0031]
In a steel / concrete structure (ie, concrete or mortar in which reinforcing steel is embedded), the concrete or mortar (hereinafter collectively referred to as concrete) is filled with an aqueous calcium hydroxide solution formed by cement hydration. In addition, there are many capillary voids, and the liquidity in the concrete is alkaline with a pH of about 12-13. In such an alkaline environment, the reinforced steel material is subjected to an iron dissolution reaction (anode reaction) represented by the following formula [1] and a dissolved oxygen reduction reaction (cathode reaction) represented by the following formula [2]. Although corrosion has progressed, it is considered that this progress rate (corrosion rate) is very small. This is because, in an alkaline environment in concrete, the reinforced steel is in a passive state, a strong and stable passive film is formed on the surface of the steel, and the dissolution reaction of iron (reaction of formula [1]) is suppressed. It is thought that it is because.
[0032]
Fe → Fe2++ 2e- ---------------- [1]
1/2 O2+ H2O + ze-→ 2OH- ------ [2]
M → Mz ++ Ze- -------------------- [3]
z / 4 O2+ Z / 2 H2O + ze-→ zOH- ---- [Four]
[0033]
However, due to the use of sea sand as fine aggregate and intrusion of sea salt particles, NaCl and MgCl2If chlorides such as the above are present on the surface of reinforced steel in concrete, the passive film on the surface of the steel is destroyed, so the iron dissolution reaction (reaction of formula [1]) is accelerated and the corrosion rate of the steel Will increase. CO in the atmosphere2The neutralization phenomenon of concrete over time due to the action of gas or the like also causes an increase in the corrosion rate, and the corrosion rate of the reinforcing steel material increases.
[0034]
As a result of intensive studies to suppress an increase in the corrosion rate of such reinforced steel materials, the present inventors have found that when a relatively large amount of chloride penetrates into the concrete, the cathode reaction (dissolved in the above formula [2]). It was found that the reduction reaction of oxygen) controls the corrosion rate of the reinforced steel material, and therefore, the corrosion of the reinforced steel material can be greatly suppressed by removing dissolved oxygen in the concrete.
[0035]
And, for the removal of dissolved oxygen in the concrete, it is effective to disperse the metal pieces in the concrete and consume the dissolved oxygen due to the corrosive action of the metal pieces. It has been found that corrosion can be suppressed.
[0036]
That is, when a z-valent metal M is present in the concrete, the dissolution reaction (anode reaction) of the metal M represented by the above formula [3] on the surface of the metal M and the dissolved oxygen represented by the above formula [4]. The reduction reaction (cathode reaction) occurs and the metal M corrodes. Then, along with the corrosion of the metal M, the dissolved oxygen around the metal M is reduced and consumed. That is, the metal M works as a substance (dissolved oxygen removing agent) that consumes or removes dissolved oxygen in the concrete.
[0037]
When the metal having the action of removing dissolved oxygen is dispersed in concrete in the form of metal pieces, dissolved oxygen around each metal piece is consumed and removed. If it does so, the arrival of the dissolved oxygen existing in the concrete to the surface of the reinforcing steel material is inhibited, and the arrival of the dissolved oxygen that has entered the concrete to the surface of the reinforcing steel material is also inhibited. As a result, the corrosion rate of the reinforcing steel material is reduced and maintained at an extremely low level, and corrosion of the reinforcing steel material is suppressed. I understood the above.
[0038]
Therefore, steel / concrete according to the present invention.HarborStructure(Hereafter referred to as steel / concrete structure)In the concrete (concrete or mortar) layer, the natural potential in a 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C open to the atmosphere is -0.80 V or more on the saturated calomel electrode basis, and the corrosion rate in the 3% NaCl aqueous solution is Disperse metal pieces that are 0.001 to 1.0 mm / ying.
[0039]
Here, the natural potential of the metal pieces dispersed in the concrete layer in a 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C open to the atmosphere is -0.80 V [-0.80 V (SCE)] or more on the saturated calomel electrode (SCE) standard. The reason is that when it is less than −0.80 V (SCE), the metal piece in contact with the reinforcing steel material promotes the hydrogen generation reaction of the reinforcing steel material, so that the hydrogen embrittlement of the reinforcing steel material is likely to occur. This is because when the voltage is −0.80 V (SCE) or more, hydrogen embrittlement of the reinforcing steel material due to the hydrogen generation reaction is difficult to occur.
[0040]
The reason why the corrosion rate (hereinafter referred to as the corrosion rate A) in the 3% NaCl aqueous solution of the metal pieces dispersed in the concrete layer is 0.001 to 1.0 mm / y is as follows.
[0041]
That is, the corrosion rate of a metal in an alkaline or neutral aqueous solution such as a liquid in concrete is considered to be approximately equal to the consumption rate of dissolved oxygen electrochemically. The consumption rate is proportional to the corrosion rate of the metal pieces. When the corrosion rate of this metal piece is a corrosion rate corresponding to the corrosion rate A less than 0.001 mm / y, the consumption rate of dissolved oxygen around the metal piece is low, and as a result, the corrosion of the reinforcing steel is insufficiently suppressed. Therefore, the corrosion rate A must be 0.001 mm / y or more. The higher the corrosion rate of the metal piece, the higher the consumption rate of dissolved oxygen around the metal piece. However, if the corrosion rate A exceeds 1.0 mm / y, the period until the metal piece is lost due to corrosion is short. Since the period during which corrosion of the reinforcing steel material can be suppressed is short and insufficient, the corrosion rate A must be 1.0 mm / y or less. That is, when the corrosion rate of the metal piece is 0.001 to 1.0 mm / y in terms of the corrosion rate A, the corrosion of the reinforcing steel material can be sufficiently suppressed for a long period of time. For the reasons as described above, the corrosion rate of the metal piece is 0.001 to 1.0 mm / y in terms of the corrosion rate A.
[0042]
Dispersing the above metal pieces in the concrete layer can be carried out regardless of the size of the steel / concrete structure, for example, for steel / concrete structures as large harbor facilities such as revetments. Can also be implemented. Further, the means of the present invention by dispersing the metal pieces is practical and economical because there is no problem in handling as in the case of surface treatment such as coating of epoxy resin on the reinforcing steel material. Furthermore, in the means of the present invention, an anticorrosive effect superior to that obtained by mixing an anticorrosive agent into concrete is obtained for a long period of time, and the anticorrosive effect is extremely superior to that obtained by optimizing the alloy components of the reinforcing steel material. In addition, the running cost as in the case of cathodic protection is unnecessary, and the cost is excellent.
[0043]
Therefore, the steel / concrete structure according to the present invention can be used practically and economically for a long period of time without causing hydrogen embrittlement of the reinforcing steel regardless of the size of the steel / concrete structure. Corrosion protection is achieved over time, and damage such as cracks due to corrosion of the reinforcing steel material hardly occurs over a long period of time and is excellent in durability.
[0044]
The corrosion rate of the metal piece is 0.05 mm / y or more at the corrosion rate A in order to further increase the consumption rate of dissolved oxygen around the metal piece and thereby more reliably suppress the corrosion of the reinforcing steel material. It is desirable to do. On the other hand, in order to make the period during which corrosion of the reinforcing steel material can be suppressed longer, it is desirable that the corrosion rate A is 0.5 mm / y or less.
[0045]
The natural potential of the metal piece in a 3% NaCl aqueous solution is −0.75 V (SCE) or more in order to make hydrogen embrittlement of the reinforcing steel material more difficult due to the hydrogen generation reaction as described above. Further, it is preferable to be −0.70 V (SCE) or more in order to surely suppress such hydrogen embrittlement. However, when the natural potential of the metal piece is noble, the more noble, the more difficult the reduction reaction of dissolved oxygen as in the above formula [4] occurs, and the consumption rate of the dissolved oxygen decreases and becomes insufficient. Different metal contact corrosion (galvanic corrosion) is formed between the metal piece in contact with the steel material and the reinforcing steel material, which may promote the corrosion of the reinforcing steel material. The natural potential is preferably −0.2 V (SCE) or less, more preferably −0.4 V (SCE) or less.
[0046]
From the viewpoint of preventing the corrosion of the reinforcing steel material due to the formation of the different metal contact corrosion as described above, the metal piece preferably has a natural potential equivalent to that of the reinforcing steel material, and further has the same chemical composition as the reinforcing steel material. It is desirable. In view of this, it is desirable to use a metal piece made of an iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more.(First invention).In order to prevent the formation of different metal contact corrosion more reliably, it is desirable to use an iron alloy having an Fe content of 90% by mass or more, and further Fe content: 95% by mass or more. Examples of such metal pieces include carbon steel, low alloy steel, cast iron and the like.
[0047]
The shape of the metal piece is not particularly limited, and various shapes can be used. For example, granular, plate-like, lamellar, needle-like, wire-like, fiber A shape or the like can be used.
[0048]
Among these variously shaped metal pieces, steel fibers (steel fibers) are sometimes used to improve the mechanical properties of concrete. In this case, the surface is formed by deforming to improve adhesion to concrete. Steel fibers with irregularities formed thereon are used. When such steel fibers are used for the purpose of suppressing the corrosion of reinforced steel materials due to the consumption of dissolved oxygen, the convex portions of the steel fibers are susceptible to corrosion loss due to the high corrosion rate, and the consumption of dissolved oxygen due to the corrosion reaction of the steel fibers. The effect is often lost relatively early. Further, in fresh concrete (green concrete) to which steel fibers are added, the steel fibers are entangled with each other, so that the fluidity is extremely lowered, and the workability is often lowered and uneven placement is often caused. Further, from the viewpoint of the consumption efficiency of dissolved oxygen, it is preferable to disperse the metal pieces uniformly in the concrete. However, in the case of steel fibers, it is difficult to disperse them uniformly because the steel fibers are intertwined. In addition, there is a safety problem that steel fibers exposed on the concrete surface for some reason pierce human limbs and automobile tires, and the use of steel fibers is very expensive.
[0049]
In the case of granular, there is no problem as in the case of the above steel fiber, the effect of consumption of dissolved oxygen lasts for a long time, there is no problem of fluidity deterioration of fresh concrete, and it is easy to disperse uniformly in the concrete. Excellent safety. Therefore, it is desirable to use granular metal pieces as metal pieces.Yes.
[0050]
The size of the metal piece is not particularly limited, and various sizes can be used. However, when corrosion products such as oxides and hydroxides are formed by corrosion of metal pieces in concrete, this volume becomes larger than the original metal pieces and the volume expands. In order to prevent this, even if all the metal pieces become corrosion products, the stress generated in the concrete due to the volume expansion is negligible. For this purpose, the size of the metal piece should be small, and a granular metal piece with an average particle diameter of 5.0 mm or less should be used as the metal piece.TheFurthermore, it is desirable to use one having an average particle size of 3.0 mm or less. However, when the average particle size of the granular metal pieces is less than 0.1 mm, the corrosion rate is large and the period until corrosion loss is short, so the duration of the effect of consumption of dissolved oxygen is short and insufficient, From this point, it is desirable to use granular metal pieces with an average particle size of 0.1 mm or more.TheFurthermore, it is desirable to use a granular metal piece having an average particle diameter of 1 mm or more.
[0051]
When the metal piece is a mixture of a small piece and a large piece, the small piece with a large dissolved oxygen consumption rate efficiently consumes the initial dissolved oxygen introduced into the concrete when the concrete is placed. Since the large-sized pieces that have a low dissolved oxygen consumption rate and are difficult to be lost due to corrosion consume the dissolved oxygen that enters the inside from the outside of the concrete, the reinforced steel material can be always prevented from being corroded. As the small-size pieces for exhibiting such an effect, those having an average particle diameter of 0.01 to 0.05 mm are suitable, and as the large-size pieces, those having an average particle diameter of 0.1 to 5.0 mm are suitable (No. 1).1invention).
[0052]
When the amount of the metal piece is less than 0.1% by volume, the corrosion resistance of the reinforcing steel material is small because the consumption of dissolved oxygen is small, and when it exceeds 5% by volume, the softness of fresh concrete ( Since fluidity) may be reduced, workability may be deteriorated. Therefore, the amount of the metal piece is desirably 0.1 to 5% by volume (first2invention). In addition, volume% of a metal piece is the ratio of the volume of the metal piece per unit volume of the concrete containing a metal piece.
[0053]
According to the present inventionHarbor structureConcrete additive material(Hereinafter referred to as concrete additive material)As described above, the natural potential in a 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C. open to the atmosphere is −0.80 V (SCE) or more and the corrosion rate in the 3% NaCl aqueous solution is 0.001 to 1.0 mm / y. A piece of metalA material for adding concrete, wherein the metal piece is made of a granular iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more, and the metal piece has a metal piece having an average particle size of 0.01 to 0.05 mm and an average particle size of 0.1. With metal pieces of ~ 5.0 mm(No. 1)3invention). This concrete additive material is mixed with cement, and this is mixed with aggregate and water and kneaded to obtain ready-mixed concrete, or by adding this concrete-added material to ready-mixed concrete and mixing it with ready-mixed concrete. When the steel / concrete structure is constructed by using the ready-mixed concrete while being dispersed in the steel, the steel / concrete structure according to the present invention can be obtained.
[0054]
The metal piece is made of a granular iron alloy having an Fe content of 70% by mass or more.BecauseCorrosion of the reinforced steel is less likely to occur due to the formation of dissimilar metal contact corrosion at the point of contact with the reinforced steel.3invention).
[0055]
According to the present inventionFor harbor structurescement(Hereinafter referred to as cement)Is characterized by containing 0.1 to 50% by volume of the above-described concrete additive material according to the present invention as described above (No. 1).4invention). When this cement is mixed with aggregate and water and kneaded to obtain ready-mixed concrete, and steel / concrete structure is constructed using this ready-mixed concrete, the steel / concrete structure according to the present invention is obtained.ThingsObtainable. Here, the content of the concrete additive material in the cement is 0.1 to 50% by volume. If the content exceeds 50% by volume, the concrete additive material in the fresh concrete (in the construction of the steel / concrete structure) ( The amount of the metal piece) exceeds 5% by volume, which may lead to deterioration of workability due to the decrease in fluidity of fresh concrete. This is because the corrosion protection effect of the reinforced steel is reduced because the amount of dissolved oxygen is less than the volume%. In addition, the volume% of the material for concrete addition is a ratio of the volume of the material per unit volume of the cement containing the material.
[0056]
In the present invention, concrete is a general term for concrete and mortar, and includes not only concrete but also mortar. Concrete in steel / concrete structures is concrete or mortar. Concrete in the material for adding concrete is concrete or mortar.
[0057]
[Table 1]
[0058]
[Table 2]
[0059]
[Table 3]
[0060]
[Table 4]
[0061]
[Table 5]
[0062]
[Table 6]
[0063]
[Table 7]
[0064]
[Table 8]
[0065]
[Table 9]
[0066]
[Table 10]
[0067]
[Table 11]
[0068]
[Table 12]
[0069]
[Table 13]
[0070]
【Example】
(Example A)
Three types of reinforcing bars of size D16 made of deformed steel bar with mill scale were prepared as reinforcing steel materials. The composition of the reinforcing bars is as shown in Table 1.
[0071]
On the other hand, ordinary Portland cement was prepared as cement, crushed stone (size: 10 to 15 mm) as coarse aggregate, sea sand as fine aggregate, and various metal pieces were prepared and prepared as materials for adding concrete.
[0072]
Mixing the above cement, coarse aggregate, fine aggregate, concrete addition material and tap water (saline solution) in which NaCl is added in an amount of 3% by mass with respect to tap water to promote corrosion, Mixing was performed using a tilting mixer to obtain ready-mixed concrete. At this time, the unit amount of each material was adjusted so that the water cement ratio (100 × W / C) was 55%, and the slump (which is a general index of workability) was 10 ± 2 cm. Material for concrete additive material (metal piece), natural potential in 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C open to the atmosphere (SCE standard), corrosion rate, size, and in concrete in 3% NaCl aqueous solution The content is as shown in Tables 2-3.
[0073]
Next, by placing the rebar in a 15cm x 15cm x 50cm formwork so that the cover thickness is 2cm, placing the ready-mixed concrete in this formwork, and then performing underwater curing for 28 days A test material made of reinforced concrete was produced. In addition, as a comparative example, a test material was manufactured by the same method as described above using the ready-mixed concrete obtained by the same method as described above except that the material for adding concrete was not added.
[0074]
Immediately after completion of this curing, the test material other than the test surface (the surface having a cover thickness of 2 cm with respect to the reinforcing bar) was covered with a silicon sealant and dried for 24 hours or more.
[0075]
The test material after drying is exposed to the quay (near the coast where seawater is scattered by waves) for two years, and then the test surface of the test material is visually observed to check for cracks in the concrete. Then, the reinforcing bars were taken out from the test material and observed visually to examine the corrosion status (rusting area ratio) of the reinforcing bars.
[0076]
The results are shown in Tables 4-5. Among the test materials according to the comparative examples (No.1-3: test materials obtained using concrete without added concrete-adding material), when ordinary reinforcing bars are used as reinforcing bars (No.1), the reinforcing bars Rusted on the entire surface, and cracks in the concrete that are thought to be caused by volume expansion due to rusting occurred, and when using salt-resistant reinforcing bars (No. 2 and 3), the case of No. 1 above Compared to, the rust area ratio of the reinforcing bars tended to be small, but cracking of the concrete was observed.
[0077]
For these,Reference example (having the constituent elements of the basic part of the present invention, that is, in a concrete or mortar layer, the natural potential in a 3% NaCl aqueous solution at 30 ° C. open to the atmosphere is −0.80 V or more with respect to a saturated calomel electrode. Example of steel / concrete harbor structure in which metal pieces having a corrosion rate of 0.001 to 1.0 mm / y in 3% NaCl aqueous solution are dispersed)In the test materials (Nos. 4 to 16), the rust area ratio of the reinforcing bars is extremely small and the reinforcing bars are not corroded, and in all cases, no cracks are observed in the concrete. It was.
[0078]
(Example B)
A hot-rolled steel plate with a mill scale (5 mm x 100 mm x 500 mm 0.10C-0.25Si-0.40Mn steel) was used as the reinforcing steel material. The metal piece shown in Tables 6-7 was used as a material for concrete addition. The water cement ratio when obtaining ready-mixed concrete was 58%. Except for these points, raw concrete was obtained by the same method as in Example A, and a test material made of steel plate concrete was produced. Nos. 1 to 4 are comparative examples, and none of the materials for adding concrete is added. Of these, No. 3 and 4 were coated with an epoxy resin after removing the scale on the surface of the hot-rolled steel sheet, which is a reinforcing steel material. For No. 4, those with scratches or scratches during actual construction were simulated. In order to do so, scratches were formed on the epoxy resin coating layer with a cutter knife.
[0079]
After coating the test material other than the test surface with a silicon sealant and drying for 24 hours or more, this test material was subjected to a 2-year exposure test at the quay and after the exposure test in the same manner as in Example A. The test material was investigated.
[0080]
The results are shown in Tables 8-9. In the case of No. 1 and 2 among the test materials according to the comparative example (No. 1 to 4: No material addition for concrete), the entire surface of the reinforced steel hot-rolled steel plate is rusted and the volume due to rusting. Cracks in the concrete thought to be caused by expansion occurred. In the case of No. 3 (epoxy resin coating), neither rusting of the reinforcing steel nor cracking of the concrete was observed. In the case of No. 4 (scratches were formed after the epoxy resin coating), rusting of the reinforcing steel material centering on the scratched part was observed, and cracks in the concrete thought to be caused by this rusting occurred. When building an actual steel plate concrete structure, especially when building a large steel plate concrete structure, when using epoxy resin coated reinforcing steel, perform the construction work without damaging the epoxy resin coating layer. Therefore, it should be considered that the corrosion prevention effect of the reinforcing steel material by the epoxy resin coating is substantially the same as the case of No. 4 above.
[0081]
Test material according to an embodiment of the present invention(No.16-18) and test materials according to reference examples (No.5-15, 19-21)In some cases, the rusting area ratio of the reinforcing steel material was extremely small, and the reinforcing steel material was not corroded. In any case, no cracking of the concrete was observed.
[0082]
(Example C)
Reinforcing bar with size: D13 made of deformed steel bar with mill scale (SD345) was used as reinforcing steel. The metal piece shown in Tables 10-11 was used as a metal piece of the material for mortar addition. The water cement ratio was 60%. The unit amount of each material was adjusted so that the slump would be 12 ± 2 cm. Except for these points, a raw mortar was obtained in the same manner as in Example A, and a test material made of reinforcing bar mortar was produced. However, aggregate is not added. In addition, No. 1-6 is a comparative example, and all are not adding the metal piece. Of these, Nos. 4 to 6 were prepared by mixing the anticorrosive shown in Table 12 in the mortar. For some of the comparative examples, the water-cement ratio was 40% and 50%.
[0083]
After coating the test material other than the test surface with a silicon sealant and drying for 24 hours or more, this test material was subjected to a 2-year exposure test at the quay and after the exposure test in the same manner as in Example A. The test material was investigated.
[0084]
The results are shown in Tables 12-13. In the case of No. 1 to 3 among the test materials according to the comparative examples (No. 1 to 6: no addition of metal pieces), the rusting area ratio of the reinforcing bars was high and cracking of the mortar occurred. In the case of Nos. 4 to 6 (with anticorrosive agent mixed), the rusting area ratio of the reinforcing bars slightly decreased, but cracking of the mortar occurred.
[0085]
In contrast, the test materials according to the examples of the present invention(No.15-16, 18) and reference materials (No.7-14, 17)In some cases, the rust area ratio of the reinforcing bars was extremely small, and the reinforcing bars were not corroded. In any case, no mortar cracks were observed.
[0086]
As described above, all of the embodiments of the present invention are very effective in preventing corrosion of steel / concrete structure reinforced steel and suppressing cracks in concrete (or mortar), and are extremely effective in improving the durability of steel / concrete structures. It was confirmed that it was effective.
[0087]
The embodiment of the present invention is an application example to reinforced concrete, steel plate concrete, or reinforced mortar, and has the effects as described above. It can be applied to any steel / concrete structure, and in any case, the same excellent durability improvement effect is exhibited. This is clear from the action mechanism of the present invention.
[0088]
Further, in the present invention, the concrete placing method is not limited, and it is possible to employ on-site casting, factory casting (precast), or the like. In any case, the same excellent durability improvement effect can be obtained. Furthermore, an excellent durability improvement effect can be obtained regardless of the type and amount of the concrete material such as cement and fine aggregate, construction method, curing method and the like.
[0089]
As is clear from the mechanism of action of the present invention, unlike the case of sacrificial corrosion prevention using base metals, the reinforcing steel material to be protected against corrosion and the metal piece do not need to be in contact with each other. However, the present invention can also be applied to a case where metal pieces cannot be mixed. In this case, the excellent durability improving effect of the present invention can be obtained.
[0090]
If you want to avoid the loss of aesthetics due to the corrosion of the metal pieces exposed on the concrete surface, it is only necessary to mix the metal pieces inside the concrete without the metal pieces in the concrete surface layer. The effects of the invention can be obtained.
[0091]
The present invention can also be applied when repairing existing steel / concrete structures. That is, the metal pieces are mixed in the repaired portion in a dispersed state. In this case as well, the effect of the present invention is obtained, which is apparent from the mechanism of the present invention.
[0092]
【The invention's effect】
According to the present invention, steel / concreteHarborRegardless of the size of the structure, etc., the reinforcing steel material can be protected practically and economically for a long time without causing hydrogen embrittlement, and as a result, damage such as cracking due to corrosion of the reinforcing steel material is long. Steel / concrete that is hard to occur over time and has excellent durabilityHarborA structure can be obtained.
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