JP4459979B2 - 超音波治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は超音波治療装置に関し、特に、任意の治療対象領域に超音波と相互作用を持つ物質を導入する装置と組み合わせた治療装置に関するものである。
超音波は、人体の寸法に比べはるかに短い波長において生体深部まで伝播し、任意の場所に収束させることができるという、レーザやマイクロ波などの電磁波にはない特長を有している。この特徴を生かした超音波治療の研究開発がさかんに進められている。
治療に生かすことのできる超音波の生体作用は、加熱作用と音響化学作用に大別される。前者の加熱作用とは、組織が超音波を吸収して熱を発生することに起因している。この加熱作用を医学応用したものには、患部を40〜50℃程度に持続加温することにより腫瘍等を治療する『温熱療法』と、強力な集束超音波を用い患部の微少領域を瞬時に80〜100℃といった組織変性を招来する温度まで上げる『加熱凝固療法』に大別できる。
腫瘍に対する温熱療法は、腫瘍細胞が正常細胞に比べて、持続的な高温(43℃程度)に弱い性質を利用した治療法であるが、腫瘍の成長を鈍化させることは可能であるが直接的に腫瘍細胞を壊死させる能力は低く、また患部の温度上昇は周辺組織の血流と熱伝導に支配されるため治療に必要な温度を保つことが容易ではないこと、および温度上昇領域の限局性が十分でないため、治療効果と生体へのストレス(副作用)とのバランスが良くないといった点から満足できるレベルにはいたっておらず、実際の臨床の場では放射線療法との併用療法として使われている。
加熱凝固療法は近年再び脚光を浴びている治療法である。ミリメートル単位の微少な領域に強力超音波を集め、瞬時に組織変性を来す温度に上昇させるもので、上で述べた温熱療法とは治療対象部位における到達温度およびそれに起因する組織の変化が異なる。組織に生じた熱は、熱伝導と血流により運び去られるが、加熱凝固療法の場合は、これらの熱輸送と超音波による発熱とが平衡状態に達するに要する時間(10秒〜1分)よりはるかに短時間のうちに、大強度の超音波により焦域の温度を蛋白凝固温度以上に上げ、凝固させるものである。
超音波治療が好適な疾患のひとつに、前立腺肥大症(BPH)がある。BPHは、50歳以上の男性において非常に一般的な疾患であり、前立腺組織の肥大、膨張が、尿道を圧迫、閉塞し、排尿困難や不能を生じるものである。その初期段階においては、不快感、残尿感や不便を感じる。これまで、BPHに対する侵襲性の少ない治療法として、内科的あるいは外科的に様々な原理手法による治療の試みがなされてきた。なかでも切除鏡を尿道内に挿入して電気メスによって肥大した前立腺組織を切除する、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が近年盛んになり、今では前立腺肥大症の他に前立腺癌、膀胱腫瘍の治療にも用いられるようになった。これは優れた治療法ではあるが、合併症として、術中・術後出血、前立腺被膜穿孔、術後感染などが見られ、より安全な治療法の追求が求められている。レーザーやマイクロ波を用いた他の方法は、有効性の点でTUR-Pには及ばない。有効性が高くかつTUR-Pより副作用の少ない方法の開発が望まれている。
前立腺癌は、前立腺肥大の増加と同じく近年増えてきており、その初期段階においては、TUR-Pによって首尾良く治療することができるが、BPHに対するのと同じく、出血等の合併症を有し、かつ失禁、不能などの後遺症をもたらす危険性も高い。前立腺癌は、放射線療法によって治療することも可能であるが、良好な治療効果を得るに十分な線量では、重篤な副作用を覚悟せばならない。さらに進行した前立腺癌もTUR-Pや放射線治療により治療されうるが、症状を和らげることはできても、通常はこれを治癒するには至らない。これらの場合に達成されるものは少ないので、より非侵襲的な方法がさらに必要である。
最近登場してきた経直腸的高温凝固療法は、先に述べた加熱凝固療法の好適な適応例と考えられる。前立腺が直腸壁に隣接しているという解剖学的特徴を利用しており、強力な集束超音波を発生させることのできるアプリケータを直腸に挿入し、直腸壁を隔てて隣接する前立腺に超音波を集束させて、尿道を周囲から圧迫している肥大組織を凝固させることで治療するものである。非観血的に前立腺肥大症および前立腺癌の治療を行えるという点で優れたコンセプトの治療法である。
また、超音波の生体に対する作用には、これまで述べてきたような組織での超音波吸収に起因する熱作用の他に、非熱的な作用として、キャビテーション現象が知られている。キャビテーションは狭義には気泡の生成であるが、生成後の気泡が圧壊する現象まで含むことが多い。集束超音波を生体組織に照射するとそのキャビテーション気泡が生じ、様々な生体作用を引き起こす。生じた気泡は、強力な音響反射体となり、照射した超音波を反射、散乱させる。その結果、キャビテーション気泡の存在する周辺組織での超音波吸収を増大させることになり、急激な温度上昇を引き起こす。また、キャビテーション気泡の急激な圧壊現象は、周辺組織に物理的、化学的変化を及ぼし、組織破壊、生体膜損傷等を引き起こすことが知られている。特にこの化学的作用は、音響化学作用と呼ばれ、超音波照射により発生した微小気泡であるキャビテーション気泡が、音圧により潰れる瞬間、内部の気体が断熱的に圧縮されることにより局所的に生ずる数千度の高温によって引き起こされる化学作用であり、とくに音響化学活性をもつ物質の共存により顕著となる。
これを利用するのが、音響化学治療であり、微小気泡が発生しやすく、また薬物の届きやすい血流豊富な組織において、とくに有効性が高いと考えられる。
このキャビテーション現象をコントロールするために、様々な方法が考えられてきた。音場に気泡を導入することが、まず考えられる。微小気泡を含有した超音波造影剤は、キャビテーション促進の働きがあることがしられている。また、気泡の安定化を図る物質を使うことで、気泡の寿命を伸ばし、気泡の生成および成長を促すことが考えられる。これには、ローズベンガルやエリスロシンといったキサンテン系の色素群において、顕著な効果が認められており、キャビテーションを促進することが知られている。
一方、超音波照射技術においても、基本波とその2倍の周波数を持つ第二高調波を同時に重ねあわせるように対象領域に照射することで、キャビテーションを促進することが知られている。
集束超音波の照射により不可逆的な組織の熱変性を生じる領域は、焦点付近の非常に少ない体積である。
これは、焦点以外の部位では超音波の密度が少なく、熱変性の温度に到達しないという副作用を回避する観点からは大切なポイントではあるが、一回で治療できる領域が少ないことは、広範な治療域を必要とする場合は治療の総時間が長くなる。なぜなら、次回の照射に移るに際に、前回の照射によって上昇した治療目的以外の組織の温度が血流などの冷却作用により十分下がってから照射しなくては、副作用の回避が困難となるからである。一方で、広い領域を一度に治療しようとして適用する超音波強度を上げても、一回で治療可能な領域を顕著に広げることはできず、治療希望領域以外の組織に対する副作用が顕著に生じて危険となる。従って、現状では、治療の効率が著しく悪い。
本発明の目的とするところは、治療希望領域(前立腺部尿道)での流体貯留を確実化せしめることが可能となる超音波治療装置を提供することである。
本発明の超音波治療装置は、治療対象領域に治療用超音波を照射する治療用超音波照射部と、撮像用超音波を前記治療対象領域に送受信し、前記治療対象領域の断層像を得るための超音波撮像部と、前記治療用超音波照射部による治療用超音波の照射と前記超音波撮像部によって断層像を得るための制御を行う制御部と、前記治療用超音波照射部に治療用超音波の照射を開始する設定を行う入力部と、を備えた超音波治療装置であって、流体供給孔が設けられ前記治療対象領域に挿入するカテーテルと、前記カテーテルに設けられ膨縮自在なバルーンと、前記カテーテルに接続され前記治療超音波を反射させる物質を含有する流体を前記カテーテルへ供給又は前記カテーテルから排出する液体供給部とを、前記超音波治療装置に配設され、前記制御部は、前記流体供給部によって前記カテーテルの流体供給孔より前記流体を前記治療対象領域に供給させ、前記流体供給部によって前記バルーンを膨らませることにより前記治療対象領域からの前記流体の逆流を防止させ、前記治療対象領域に前記入力部の設定により治療用超音波を照射させることを特徴とする。
本発明によれば、治療希望領域(前立腺部尿道)での流体貯留を確実化せしめることが可能となる
本発明の実施例として、前立腺肥大症の治療を行う装置および肝臓癌の治療を行う装置を図を参照しつつ説明し、超音波治療装置の構成、および流体供給装置、薬剤混合方法、使用される薬剤の性質について順次説明していく。
図1に前立腺肥大症の治療を行う装置の一実施例が示されている。この装置は、超音波と相互作用を持つ物質例えば超音波を散乱あるいは反射する物質およびそれを含有する流体を治療の直前あるいは治療中に作成し治療領域に供給排出することが可能な流体供給装置1、患部へのアプローチ形態に合わせた治療用超音波アプリケータ2および治療用アプリケータを駆動制御する以下で説明する各装置から構成される。この流体供給装置には、流体供給カテーテルおよび注射ユニットを接続でき、患部の形状に合わせた、流体供給の形態を作り出すことが可能である。
たとえば、尿道や門脈などの脈管系には、管径に応じたカテーテルを使用し、脈管にてアプローチが不可能な部位を対象とする場合には、直接カテーテル、内視鏡および注射針による刺入、注入を行うことが可能である。図1に示した前立腺肥大症に対する実施例では、尿道口から尿道に沿ってカテーテルを挿入する形態を示しているが、尿道を介さず、会陰部から直接カテーテルおよび注射針を刺入して前立腺部に到達する形態も可能となる。
直腸33に挿入可能な超音波治療用アプリケータ2は、複数の超音波振動子より構成される集束超音波用トランスデューサ3と、前立腺およびその周辺の生体内臓器の超音波画像を得る超音波撮像用探触子4を内部に持ち、直腸内より患部である前立腺31に超音波を集束させ、尿道20を周囲から圧迫している肥大部の超音波治療を行う。
集束超音波用トランスデューサ3は、複数の圧電素子などでできた超音波振動子から構成され、トランスデューサ運転部11に接続され、トランスデューサの回転運動および前後運動が駆動制御される。トランスデューサの各素子には、図1で示すように、素子駆動回路6に接続されており、以下に記載する構成により、各素子に印加される高周波電力の振幅と位相が各振動子ごとに独立に、制御することができる構成となっている。キー入力部7からの操作により、超音波照射に関する情報が照射部主制御ユニット8に入力され、それに基づき、選択された周波数に応じた照射音場それぞれの焦点位置および音圧分布形状を規定する照射コード信号が、照射部主制御ユニット8から駆動位相生成回路9へ与えられる。
各素子毎に独立に位相を制御することで、単一周波数による照射の場合だけでなく、2種類以上の周波数の超音波を位相制御しながら同時に照射することが可能となる。生成された各素子それぞれに最適化された位相は、駆動信号生成回路10へ与えられる。各素子に与えられる駆動振幅は、照射部主制御ユニット8から駆動信号生成回路10に与えられる。各素子に最適化された駆動信号は、駆動信号生成回路10から、素子駆動回路6に与えられトランスデューサ内の素子が駆動される。駆動振幅は照射部主制御ユニット8から素子駆動回路6へ直接与えられる信号によっても制御されるよう構成されており、以上発生時に超音波照射を緊急停止する動作を確実かつ容易なものとしている。
本構成によれば、例えば、2種類の周波数の超音波を同時に照射する場合、一方に他方の超音波の周波数(基本波と呼ぶ)の2倍の周波数を持つ第二高調波に相当する超音波を選択することにより、基本波と第二高調波を互いの位相を制御しながら、重なりあうように同時に焦域へ照射することが可能となる。
超音波撮像用探触子4は、治療対象領域の観察が可能であり、照射対象の位置決めに必要な複数の超音波パルスエコー断層像を得ることのできる構成となっている。探触子の各々の素子は、送受信アンプ15を介して送信制御ユニット12と受信フォーカスユニット13に接続されている。受信フォーカス回路13は、地震の震源地を探知するように、送信周波数に対する2倍の周波数を持つ第二高調波などの高調波成分の発生および発生位置を検出が可能であり、検出された高調波成分を含む超音波の発生位置と発生強度を表わす信号が、表示部14のモニター上に、エコー断層像上に重畳されて表示ができるように構成されている。すなわち、治療対象領域に導入された超音波反射物質を含む流体の分布を観察することが可能となる。
さらに、表示部14では、モニター画像上に表示された任意の点における高調波成分の信号強度をグラフィック表示する機能を有しており、医師等の操作者の希望する任意の部位の薬剤の超音波反射強度を測定できる。また、この高調波成分の信号強度表示機能は、あらかじめ基準となる強度設定を行うことで、基準の信号強度に対して、観察中の信号が任意の強度比になった場合に、色変化を生じさせることができ、医師などの操作者に薬剤の信号強度変化を、視覚的に伝達することが可能である。
上記構成により、治療中においても、患部の超音波反射強度のモニターを続けることが可能であり、反射強度があらかじめ設定された一定範囲をはずれた場合に、アラーム機能が働き、緊急停止ボタンを押すことなどで、照射を中止することが可能である。すなわち、治療域の薬剤の超音波反射強度が、最小設定値以下になった場合に、ランプ点滅およびブザー音が発生する機能を有し、治療域の薬剤の超音波反射強度が最小設定値以下におけるランプ点滅およびブザー音発生に対応して、照射を緊急停止するスイッチ備えることで、医師等の操作者の迅速な行動を補佐する。同様に、反射強度が最大設定値以上になった場合に、ランプ点滅およびブザー音が発生する機能を有し、治療域の薬剤の超音波反射強度が最大設定値以上におけるランプ点滅およびブザー音発生に対応して、照射を緊急停止するスイッチを有する。
特に、実際の治療形態においてよく使われる超音波の頻回照射の場合において、上記警報機能は効果的に作用する。すなわち、照射と照射の間の時間に治療領域における2次高調波などの高調波成分を含んだ超音波反射強度が、メモリされることにより、次回照射後の超音波反射強度との比較が行われ、超音波強度の変化率があらかじめ設定された範囲を超えた場合の警報が容易となる。
アプリケータ2はラテックスゴム製カバーがかぶせられ、かつ水漏れ防止栓5により、内部に液体状の媒体を貯留、還流のできる構造になっている。この媒体は生体と超音波振動子との整合性を良好にするため音響インピーダンスが生体に近い物質として通常は水が使用されるがこの場合、強力超音波の照射により水中で微少気泡が生成し、超音波の伝達を阻害しないように、脱気されている。さらに、直腸粘膜に対する温度上昇の影響を低減するため、アプリケーター内の媒体は、脱気機能を有した冷却媒体灌流ユニット16で冷却されて2つの冷却媒体循環口を介して還流される。
図2に流体供給カテーテルの1実施形態を示す。流体供給カテーテル17の先端には膨縮自在なバルーン18を設けている。バルーン18の手元側には小型のバルーン35が備えられている。このバルーン35よりさらに手元側の前立腺部尿道にあたる部位には微少な複数の孔36が開けられている。カテーテル17の手前部の、ちょうど前立腺部尿道よりも手前部分に小型バルーン37が備えられている。
このカテーテル17は手元で、図1に示した流体供給制御装置1に接続される。この流体供給制御装置1は、カテーテル17に様々な薬剤を混合した流体をロータリーポンプ22、23により任意に供給および排出可能であり、混合流体を温度調整ユニット24および圧力調整ユニット25により加温および加圧あるいは減圧することが可能である。流体供給制御装置1は照射部主制御ユニット8に接続され、それと接続されているキー入力部7により操作、制御が可能である。流体供給制御装置1の内部には、治療計画に合わせた薬剤を混合する機能を有しており、薬剤供給部26、27に治療に必要な薬剤や生理的食塩水や緩衝液などを例えばバイアルの様な形態でセットし、ガス供給部28には、必要なガスを充填したカセットをセット可能である。実際に混合流体を作成する際には、ガス供給部から圧縮ガスを薬剤供給部27へ注入しガスと混合させる。
混合された流体は、撹拌装置29に導かれ、そこで薬剤供給部26と撹拌装置29の間で交互に流体の出し入れが行われ、所定の混合比率を持った、薬剤ガス混合流体が作成される。その後、直ちに、混合流体は温度調整ユニット24および圧力調整ユニット25により、所望の温度および圧力になるように、加温および加圧あるいは減圧され、治療領域に供給される。
目的薬物を入れた、上記薬剤供給部26もしくは27へセットする容器の一実施例を図4に示す。ガラス製の容器がバイアル様にゴム栓により密封される構造であり、正確に必要量計量された薬物を内部に、粉末状もしくは適切な溶媒に溶解もしくは混合された流体状態で保存される。図4に示したように、複数の薬物の粉末状あるいは顆粒状の個体をフィルター41を隔てて互いが接触、化学反応しないように隔離して保存も可能である。このフィルター41は、微細な化学繊維で構成されており、平均4μmの孔を有しており、図4の39、40とした位置に配置された粉末状もしくは顆粒状の2種類の薬物の相互混入を遮断している。
治療時には、通常バイアル内に蒸留水などを注入すると同じく、注射針などにより、生理食塩水などの媒体を注入することにより図4の39の位置に配置された薬物を溶解し、かつフィルター41は分子量1万以下の薬物溶液を通す構造であるので、結果的に40の位置に配置された薬物とも混合溶解され、2種類の薬物は完全に溶解される。その後、図1に示した薬剤供給部27にセットされることにより、ガス供給部28からのガスとの混合を受けることになる。また、容器内に、溶媒を注入しない状態でも、薬剤供給部26に提供が可能であり、薬剤供給部27に溶媒が供給されていれば、ガスと混合された溶媒が、撹拌装置29により、薬剤供給部26に供給されることで、前記のような図4容器内での2種類の薬物の溶解混和が可能となる。
実際に前立腺31の治療を行う際の手順としては、バルーン18を収縮した状態で、使用する流体で内部充填した流体供給カテーテル17を外尿道口19より尿道20内に挿入する。この際、キシロカインゼリーなどの潤滑性または局所麻酔性を有した滅菌潤滑剤を先端部に塗布することが望ましい。ただし、このとき、カテーテルが有する穴を塞がないように注意をすることが必要である。カテーテル17の先端が、膀胱21内に達したのち、活栓30を操作し、純水、生理的食塩水あるいは空気を注入し、バルーン18を膨張させる。
これにより、図1のごとくに、カテーテル17は尿道20内に位置決めさせる。さらに、バルーン18基部に位置する小型バルーン35を活栓30を操作することにより純水、生理的食塩水あるいは空気を注入し膨張させる。これにより、バルーン19は膀胱と前立腺境界部尿道を内側から圧迫することにより、尿道20内でのカテーテル17の保持性を増し、かつ尿道20内と膀胱21内の流通を遮断し、尿道20内部に流体の充満貯留を容易にする。これで、前立腺部尿道には、カテーテル17の微小孔36の開いた部位が位置することになる。さらに、カテーテル17の手前部の、ちょうど前立腺部尿道よりも手前部分に備えられた小型バルーン37に活栓30の操作により純水、生理的食塩水あるいは空気などの媒体を注入させ膨張させることにより、前立腺部尿道での流体貯留を確実化せしめることが可能となる。
図1に示すアプリケータ2を直腸内に挿入した後、アプリケータ内還流媒体の還流圧を上げて、ラテックスゴム性カバーが直腸壁に密着するように調整する。柔軟なゴムでできた水袋が自由に膨らむことで、直腸粘膜の形状に沿って密着が可能となり、前立腺周辺部の超音波撮像および集束超音波照射が容易となる。さらに、超音波照射により生じる直腸粘膜表面の発熱をアプリケータ内部の還流冷却媒体により抑制することが可能である。
アプリケータ内部の超音波撮像用探触子4により、前立腺周辺部の観察を十分行った後、流体供給装置1より、超音波を反射する作用を有する流体を、流体供給カテーテル17に供給し、前立腺部尿道に位置した微小孔36より、超音波を反射する作用を有する薬剤を含んだ流体を流出させ前立腺部尿道に充満させる。この際、前記のように、流体の分布は、送信波に対する第二高調波などの高調波成分の検出により、明瞭に観察が可能であり、治療領域への流体供給が視覚的に確認しながら行える。
集束超音波は、前立腺部尿道に焦点を合わせ、焦点付近のピーク音圧でおよそ100W/cm2から1kW/cm2の範囲で、一回につき1秒から10秒間連続で照射される。前立腺部尿道に沿って、この照射を繰り返すことにより前立腺を治療することができる。
ここで、治療領域に導入された流体からの第二高調波などの高調波成分の信号レベルの減少係数が設定値以上になった場合、および信号レベルの絶対値が設定値以下になった場合、先に述べたような警報機能が働き、医師等の操作者に信号強度変化を知らせる。この場合は、これまで照射していた超音波の第二高調波の同時照射の準備がなされる。このとき、第二高調波の基本波に対する位相関係は、負圧のピークを強調する位相関係に設定される。
警報機能により、信号強度の変化を知らされた医師などの操作者の判断により、この第二高調波の重畳照射が入力部より選択された場合は、直ちに、第二高調波とその基本波の重畳照射が、信号強度の減少した流体の存在する領域に照射され、超音波反射の主体となるキャビテーション気泡を含む微小気泡の生成および成長の促進、および存在寿命の延長を図ることが可能となる。その結果、超音波反射レベルは回復し、治療効果の発現が安定する。同様に、治療領域に導入された流体からの第二高調波などの高調波成分の信号レベルの増加係数が設定値以上になった場合、および信号レベルの絶対値が設定値以上になった場合、先に述べたような警報機能が働き、医師等の操作者に信号強度変化を知らせる。この場合は、これまで照射していた超音波の第二高調波の同時照射の準備がなされる。このとき、第二高調波の基本波に対する位相関係は、正圧のピークを強調する位相関係に設定される。
警報機能により、信号強度の変化を知らされた医師などの操作者の判断により、この第二高調波の重畳照射が入力部より選択された場合は、直ちに、第二高調波とその基本波の重畳照射が、信号強度の増加した流体の存在する領域に照射され、超音波反射の主体となるキャビテーション気泡を含む微小気泡の生成および成長を抑え、あるいは存在寿命がこれ以上延長することを抑制することが可能となる。その結果、超音波反射レベルはほぼ一定に保たれ、治療効果の発現が安定する。なお、この機能は前記のように医師等の操作者の指示により行われるだけでなく、あらかじめ設定しておくことにより、治療領域に導入された流体からの第二高調波などの高調波成分の信号レベルが設定値以上になった場合、自動的にこの第二高調波の重畳照射が行われるように構成することも可能である。
通常の前立腺の治療は、カテーテルを留置したまま超音波を照射するが、症例によっては、図3のような先端に流体供給孔38を備えたカテーテルを用いて、その先端を治療領域に誘導し、流体供給孔38から治療領域に薬剤混合流体を供給することも可能である。この際、カテーテルのバルーン18、35および37を適宜組み合わせて膨らませることにより、治療域からの流体の逆流を防止することが可能である。
続いて、本発明を用いた、肝臓癌の治療装置について図を用いながら説明する。図5は、肝臓46の一つの肝葉内に発生した肝臓癌47に対する超音波治療の一形態を示している。図のように、肝臓表面にトランスデューサを接触させ、患部を挟んで、このトランスデューサの発した超音波を反射できる位置に配置された音響反射板48を有している。超音波治療用トランスデューサ44は撮像用超音波探触子42と治療用超音波圧電素子43が一体型に組み込まれた構成となっている。冷却媒体供給チューブ50を会してトランスデューサ内部には冷却媒体を通すことが可能であり、図1に示したのと同様な冷却媒体灌流ユニット16に接続されることにより、トランスデューサの発熱による破損を防止するだけでなく、トランスデューサに接した組織の発熱を抑制することが可能である。
なお、必要に応じて、患部を挟んで、上記トランスデューサの発した超音波を反射できる位置に配置された反射板内にも冷却媒体を灌流することができ、患部を挟むようにして両面から接した組織の発熱を抑えることが可能である。なお、図5に示したような、平行保持機構49を使うことにより、必要に応じて、トランスデューサと反射板の平行度を常に保つことが可能である。なお、図5に示したように、トランスデューサ表面に、シリコンゴムなどから成る軟質の樹脂性レンズ層45を有することで、組織を損傷することなく、トランスデューサの組織への密着が可能となる。
前記の前立腺治療の際に述べたように、患部に薬剤混合流体の導入を、尿道、門脈、リンパ管等の脈管系にカテーテルを導入することで実現する以外に、直接患部にカテーテルの刺入あるいは注射針による患部への直接流入も可能であり、図5はその一実施例として、肝臓癌の周囲に、流体供給装置1に接続した注射針を刺入することにより薬剤混合流体を供給貯流させる構成を示している。すなわち、図5に示したように、肝臓46の内部の肝臓癌47周辺に、流体供給装置1に接続された注射針53を刺入し、前記前立腺治療装置の構成を図1で説明したと同様に、薬剤混合流体を患部周辺に導入が可能となる。図5に示したように、流体供給装置1の治療領域に刺入させる、カテーテルおよび注射針を有したカテーテルを接続部51には、ゼラチン、寒天、コラーゲン、フィブリン等でできた、流体逆流用の微小粒子を供給できる逆流防止粒子供給部52を備え、患部からの注射針の抜去孔を塞ぐことが可能となる。
また、肝臓癌の治療の場合は、図1で解説した尿道からのカテーテル導入による患部への流体供給と同様に、門脈などの静脈系および肝動脈からの患部周囲へのアプローチが可能である。その際は、カテーテル挿入の常法に従い、使用する流体で内部を充填した流体供給カテーテル17を門脈や肝動脈などの脈管を通して治療領域付近に留置する。この際、カテーテルの位置および流体の分布は、トランスデューサに組み込まれた撮像用探触子42により観察することが可能であり、図1の前立腺治療装置で行われたと同様、送信波に対する第二高調波などの高調波成分の検出により、明瞭に観察が可能であり、治療領域への流体供給が視覚的に確認しながら行える。
なお、カテーテル挿入の際に、ガイドワイヤなどの金属製素材で構成されたカテーテル操作を補助する機具を使用すること、あるいはカテーテルにヨードなどのX線不透過製物質を含む素材を使用すること、あるいは治療領域に導入する流体にヨードなどのX線不透過性物質を含んだ薬剤を混合させることにより、X線透視化においても、前記のカテーテル挿入および流体の治療領域への導入を行うことも可能である。
図6は、図5で述べた超音波治療用トランスデューサの構造を図示したものである。治療用圧電素子54-1〜4と、一次元撮像用探触子55-1から4を図のように配置することで、治療用トランスデューサに患部の二次元撮像機能を持たせることが可能となる。また、図7は図6で示したトランスデューサの内部に冷却媒体を灌流させ配管56を示している。また、図8に示したように、異なる周波数に共振周波数を持つ圧電素子57〜60をアレイ型に配したトランスデューサ中央部に二次元撮像用の探触子61を配置することにより、患部の二次元撮像観察を可能とできる。このトランスデューサは背面に冷却配管62を有する。この二次元撮像により、治療対象領域に導入されたカテーテルおよび注射針を複数画面にて観察が可能となり、治療対象領域に、適切に薬剤を導入するための位置決めを確実化せしめることが可能となる。
次に述べる薬剤の組み合わせを例にとり肝臓癌治療の詳細を説明する。ヨード化ケシ油を主成分としたリピオドールとキサンテン誘導体であるRose Bengal水溶液、炭酸ガスを、前記の流体供給制御装置1内の所定の薬剤供給部26、27およびガス供給部28にセットして、先に説明した要領で混合流体を作成する。その際、各薬剤およびガスの混合比率を設定することが可能であり、これから述べる実施例では、リピオドール、Rose Bengal水溶液(Rose Bengal濃度として0.1mg/mlとなるように、生理食塩水もしくはPBSなどの中性緩衝液に溶解したもの)および炭酸ガスを体積比3対0.3対1の割合になるように混合させた。なお、前記の流体供給制御装置1を使用しない場合も、図9に示した手動混合キットに上記の薬剤の適応量を採取して、混合させることにより、混合流体を作成が可能であり、流体供給制御装置1に直接導入することも可能なように、構成されている。
本実施例の場合、肝臓癌の領域をカバーするような門脈枝あるいは動脈枝の手前でカテーテルのバルーンを膨らませて、脈管内部に密着させカテーテル先端から薬剤混合流体を注入し、肝臓癌領域をカバーする門脈枝あるいは動脈枝に流体を充満させる。前述のプロセスにて超音波の照射を行うと、混合流体の充満した門脈枝あるいは動脈枝の周辺の超音波散乱および反射が大きくなり、超音波の持続的な照射により流体の分布域を中心とした領域の組織での超音波吸収が著しく上昇することで、組織の温度が上昇し、蛋白変性を来す温度にまで上昇する。これにより、導入された混合流体の存在する領域においてのみ領域選択的に組織変性を引き起こし、癌組織の治療が可能になる。このことを図10に示した概念図によりさらに説明する。
図10のAにように散乱体を含まない組織の場合は、超音波66が伝播する際、組織と超音波の周波数に応じた超音波吸収が見られる。ところが、図10のBのように、組織内の散乱体67が存在する場合は、超音波は散乱体により散乱される、あるいは、超音波の反射体がある場合には反射される。
このことにより、散乱体の存在しない場合より存在する場合の方が、単位組織体積あたりの超音波の通過密度が実質的に増えることになる。したがって、散乱体がない場合と同様な密度で照射された超音波によって、散乱体があることにより組織での超音波吸収量が増大し、結果的に組織の温度が上昇し、加熱凝固効果が促進される。さらに、キャビテーション現象により、この効果は著しく増大する。
本実施例では1メガヘルツの超音波照射にて行っているが、100キロヘルツから10メガヘルツまでの超音波を用いることで、上記の治療効果を発現できる。さらに、先の前立腺治療の実施例において述べたように、2種類の超音波、すなわち基本波とその2倍の周波数を持つ第二高調波を同時に照射する第二高調波重畳を行う機能を有する超音波トランスデューサを使用することで、治療領域内のキサンテン誘導体の持つ微小気泡を安定化させる作用と相乗的に働き、気泡の寿命を著しく延ばし、流体の持つ超音波散乱および反射効果を持続させることが可能となり、安定した治療効果を発現させることができる。
なおこの際、上記実施例で示した薬剤として、 ポルフィリン誘導体の一種であるATX-70水溶液(ATX-70濃度として0.2mg/mlとなるように、生理食塩水もしくはPBSなどの中性緩衝液に溶解したもの)を使用し、リピオドールおよび炭酸ガス、必要に応じてキサンテン誘導体とを、上記実施例と同じ操作により混合し、治療領域に導入することで、治療効果を改善することできる。
すなわち、前記第二高調波重畳による超音波照射により、流体に由来したキャビテーション気泡の増加もしくは成長を盛んにし、ポルフィリン誘導体の持つ音響化学作用を誘導し、流体の存在する領域においてのみ、活性酸素種や各種短寿命ラジカル種の生成を促し、癌組織を壊死にいたらしめることも可能である。
これは、超音波の組織での吸収に起因する発熱による癌組織の破壊効果だけでなく、音響化学作用による癌組織への抗癌作用という異なる作用機序による相乗的な抗癌効果が期待される。前記効果は、キサンテン誘導体やポルフィリン誘導体などは気泡の安定性に寄与することでキャビテーションを促進およびキャビテーション効果を増強するだけでなく、キャビテーション気泡の圧壊後、そこから放出されたガスを新たなキャビテーション気泡の核とすることで、連鎖反応的にキャビテーション気泡の生成および成長を来す性質を持つことから説明される。
本発明の種々の実施態様における具体的特徴を列挙すると、以下の通りとなる。
(1)患部に治療用超音波トランスデューサを接触させ、このトランスデューサの発した超音波が患部を伝搬した際に、その超音波を反射できる位置に配置されうる音響反射板を有する超音波治療装置。
(2)トランスデューサは、患部に接触する面にシリコンゴムか樹脂性のレンズ層を有する。
(3)トランスデューサは、音響反射板の平行度保持機構を有する。
(4)トランスデューサおよび音響反射板内の中に冷却媒体が灌流する。
(5)流体を内部に満たすことができるよう構成されたカテーテルおよび少なくとも一つの超音波反射係数の高い物質を含む流体を該カテーテルに満たす手段を持つ流体供給装置を含む超音波治療装置。
(6)流体を内部に満たすことができるよう構成されたカテーテルおよび少なくとも一つのキャビテーションを誘導する物質を含む流体を該カテーテルに満たす手段を持つ流体供給装置を含む超音波治療装置。
(7)上記(5)もしくは(6)における流体供給装置は流体を加圧あるいは減圧することが可能な圧力調整機構を持つ。
(8)複数の容器に入った流体を交互にカテーテルに充填する機構を有する超音波治療装置。
(9)流体注入後の挿入腔に、ゼラチン、寒天、コラーゲン、フィブリンのうち少なくとも1種類を含む流体逆流防止物質を留置する機能を備えた流体供給装置を有することを特徴とする請求項1項記載の治療装置。
(10)ガスと液体の混合流体において、微小化されたガス気泡を安定化させ、気泡の球径を保ち、気泡の存在寿命を保持するべく構成され、かつキャビテーションを促進するべく構成された、気泡の安定化物質を含むことを特徴とする体内に投与可能な微小気泡製剤。
(11)上記(10)における微小気泡安定化物質として、ポルフィリン誘導体およびキサンテン誘導体含む。
(12)上記(10)におけ微小気泡は、炭酸ガス(CO2)を主たるガスの成分とする。
(13)上記(10)におけ微小気泡は、酸素分子(O2)を含む混合気体を含む。
(14)上記(10)における微小気泡の製剤として炭酸水素ナトリウムを含む。
(15)上記(10)における微小気泡の製剤として、ケシ油あるいは脂肪酸を含む。
本発明の一実施形態である前立腺治療システムの概要を示す構成図。 治療対象領域に挿入し、薬液の供給が可能なカテーテルの一実施形態を示す図。 治療対象領域に挿入し、薬液の供給が可能なカテーテルの一実施形態を示す図。 流体供給装置に薬剤を供給する薬剤供給瓶を示す図。 本発明の一実施形態である肝臓癌治療システムの概要を示す構成図。 撮像用のアレイ探触子を組み込んだ治療用トランスデューサの一実施形態を示す図。 治療用トランスデューサ内の冷却用媒体を通す配管の一実施形態を示す図。 撮像用のアレイ探触子を組み込んだ治療用トランスデューサの一実施形態を示す図。 流体を手動混和する器具の説明図。 生体組織の超音波吸収を例示した解説図。
符号の説明
1 流体供給装置、2 治療用超音波アプリケータ、3 集束超音波用トランスデューサ、4 超音波撮像用探触子、5 水漏れ防止栓、6 素子駆動回路、7 キー入力部、8 照射部主制御ユニット、9 駆動位相生成回路、10 駆動信号生成回路、11 トランスデューサ運転部、12 送信制御ユニット、13 受信フォーカスユニット、14 表示部、15 送受信アンプ、16 冷却媒体潅流ユニット、17 流体供給カテーテル、18 バルーン、19 尿道口、20 尿道、21 膀胱、22、23 ロータリーポンプ、24 温度調整ユニット、25 圧力調整ユニット、26、27 薬剤供給部、28 ガス供給部、29 攪拌装置、30 活栓、31 前立腺、32 センサユニット、33 直腸、34 肛門、35 バルーン、36 流体供給孔、37 バルーン、38 流体供給孔、39、40 薬物、41 フィルター、42 撮像用超音波探触子、43 治療用超音波圧電素子、44 超音波治療用トランスデューサ、45 レンズ層、46 肝臓、47 肝臓癌、48 音響反射板、49 平行保持機構、50 冷却媒体供給チューブ、51 接続部、52 逆流防止粒子供給部、53 注射針、54 治療用圧電素子、55 撮像用探触子、56 冷却配管、57〜60 圧電素子、61 撮像用探触子、62 冷却配管、63 シリンジ、64 活栓、65 流体混合部、66 超音波、67 散乱体、68 散乱された超音波。

Claims (4)

  1. 治療対象領域に治療用超音波を照射する治療用超音波照射部と、
    撮像用超音波を前記治療対象領域に送受信し、前記治療対象領域の断層像を得るための超音波撮像部と、
    前記治療用超音波照射部による治療用超音波の照射と前記超音波撮像部によって断層像を得るための制御を行う制御部と、
    前記治療用超音波照射部に治療用超音波の照射を開始する設定を行う入力部と、
    を備えた超音波治療装置であって、
    流体供給孔が設けられ前記治療対象領域に挿入するカテーテルと、前記カテーテルに設けられ膨縮自在なバルーンと、前記カテーテルに接続され前記治療超音波を反射させる物質を含有する流体を前記カテーテルへ供給又は前記カテーテルから排出する液体供給部とを、前記超音波治療装置に配設され、
    前記制御部は、前記流体供給部によって前記カテーテルの流体供給孔より前記流体を前記治療対象領域に供給させ、前記流体供給部によって前記バルーンを膨らませることにより前記治療対象領域からの前記流体の逆流を防止させ、前記治療対象領域に前記入力部の設定により治療用超音波を照射させることを特徴とする超音波治療装置。
  2. 前記入力部は、前記超音波撮像部を用いて前記治療対象領域の周辺の観察を行った後に、前記治療用超音波照射部に治療用超音波の照射開始の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波治療装置。
  3. 前記治療対象領域の断層像を表示する表示部を備え、
    前記制御部は、前記流体の分布を前記治療超音波の第二高調波成分を前記超音波撮像部に検出させ、前記第二高調波を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の超音波治療装置。
  4. 前記制御部は、前記液体供給部により前記治療超音波を散乱させる物質を含有する流体を前記治療対象領域に注入させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波治療装置。
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