JP4458759B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の弾球遊技機では、従来、図柄始動手段が遊技球を検出したときに、乱数発生手段から大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報を取得すると共に図柄表示手段の1又は複数個の遊技図柄を所定時間変動させ、例えばその大当たり判定用乱数値が所定の大当たり判定値であった場合には、変動後の遊技図柄を「7・7・7」等の大当たり態様(特定態様)で停止させた後、アタッカー等の開閉式の大入賞手段を開放する等、遊技者に有利な利益状態を発生させるようにしたものが知られている。
【0003】
また、図柄始動手段が遊技球を検出した場合には、そのときに取得された変動記憶情報を所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶しておき、図柄表示手段が図柄変動表示中の場合には、その図柄変動の終了後に、記憶中の変動記憶情報の個数(変動記憶個数)分だけ図柄表示手段の図柄変動を行うようにしている。なお、その変動記憶個数は、変動記憶個数表示手段により、例えばその変動記憶個数分のランプを点灯させる等により遊技者に報知するようになっている。
【0004】
また以前は、当該図柄変動において大当たり態様となるか否かの予告演出をその図柄変動中に行うようにしたものが主流であったが、最近では、例えば大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶されたか否かに関する特定演出を、その変動記憶情報に対応する遊技図柄の変動表示までの複数回の図柄変動にわたって連続的に行わせる、いわゆる連続予告機能を備えた弾球遊技機が登場して既に一般的となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この種の連続予告機能を備えた弾球遊技機では、この連続予告による演出性を高めるため、大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合だけでなく、実際には特別変動記憶情報が記憶されていない場合にも、所定の確率でいわゆるガセの特定演出を出現させるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−85731号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の弾球遊技機において、連続予告中以外の図柄変動時にいわゆるガセの特定演出を出現させるか否かの決定は、例えば乱数抽選等に基づいて行うことが考えられる。しかしながら、このように抽選結果のみに基づいてガセの特定演出を出現させるか否かを決定すると、ガセでなければあり得ない状況で特定演出を出現させてしまう恐れがあった。
【0008】
即ち、実際に大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶されて連続予告が行われる場合には、その連続予告は次の図柄変動から開始されることとなるため、図柄変動中に新たに変動記憶情報が記憶されなかった場合には、次の図柄変動でガセではない本当の特定演出が行われることはない。従って、前回の図柄変動中に新たに変動記憶情報が記憶されていないにも拘わらず特定演出を出現させてしまうと、遊技者にそれがガセの特定演出であるということを容易に見抜かれてしまい、連続予告による演出性が大きく低下してしまう。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、いわゆるガセの特定演出が、実際に大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合にはあり得ない状況で出現することを防止して、連続特定演出による高い演出性を維持できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図柄始動手段26と、該図柄始動手段26が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段67,67aと、前記変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段35と、該図柄表示手段35の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段55と、前記情報記憶手段67に前記特定態様に対応する特別変動記憶情報が記憶されたことに基づく特定演出を、所定の確率で、その変動記憶情報に対応する前記遊技図柄の変動表示までの複数回の図柄変動にわたって連続的に行わせるように制御する特定演出処理手段54とを備えた弾球遊技機において、前記特定演出処理手段54の制御による連続特定演出中以外の図柄変動時に所定の確率で前記特定演出を行わせる個別特定演出発生手段76を備え、該個別特定演出発生手段76は、前回の図柄変動中に前記特定演出が行われ且つその時点での前記変動記憶情報の記憶個数が1以上であった場合には、その前回の図柄変動中に前記情報記憶手段67,67aに前記変動記憶情報が記憶されたか否かに拘わらず所定の確率で前記特定演出を行わせ、前回の図柄変動中に前記特定演出が行われなかった場合には、その前回の図柄変動中に前記情報記憶手段67,67aに新たに前記変動記憶情報が記憶されたことを条件に所定の確率で前記特定演出を行わせるように構成されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0012】
7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8には、スピーカー等の音声出力手段9からのサウンドを前側に出力する例えばスリット状の音声出力部8aが形成されている。
【0013】
また、10は余剰球等を貯留する下皿で、前面板5の下側で前枠3の前側に配置され、下皿カバー11により覆われている。下皿10の一側、例えば向かって右側には、発射手段12の発射ハンドル13が、前枠3の前側に突出状に設けられている。
【0014】
21は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。遊技盤21には、図2に示すように、発射手段12により発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、可変表示手段24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段(図柄始動手段)26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
【0015】
可変表示手段24は、遊技盤21に前面側から装着された表示ケース29と、この表示ケース29の略中央に配置された液晶表示手段30等を備えている。表示ケース29には、普通図柄表示手段31、普通変動記憶個数表示手段32、特別変動記憶個数表示手段(変動記憶個数表示手段)36、ランプ手段33等が設けられている。液晶表示手段30は、特別図柄表示手段(図柄表示手段)35を構成している。
【0016】
普通図柄表示手段31は、1個又は複数個、例えば1個の普通図柄を変動表示可能な例えば7セグメント式の表示手段により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にその普通図柄が所定時間変動して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には所定の当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。なお、普通図柄始動手段25は遊技球が入賞可能な入賞手段により構成してもよい。
【0017】
普通図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。
【0018】
また、普通図柄表示手段31の変動表示中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、普通変動記憶個数表示手段32がその当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通変動記憶個数という)を表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
【0019】
なお、普通変動記憶個数表示手段32は、例えば普通変動記憶個数の上限個数と同数(例えば4個)のランプを備え、普通変動記憶個数分のランプを点灯させることによりその普通変動記憶個数を報知する。
【0020】
特別図柄始動手段26は、例えば開閉可能な左右一対の開閉爪26aを備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成され、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となることに基づいて第1利益状態が発生したときに開閉爪26aが所定時間開放するようになっている。
【0021】
特別図柄表示手段35は、図3に示すように、液晶表示手段30上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(遊技図柄)を、キャラクター等の各種演出画像と共に変動表示可能に構成され、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件にそれら特別図柄を所定時間変動表示して、例えば左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0022】
特別図柄は、キャラクター画像等の演出画像の動作と共に上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンで変動して、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値(変動記憶情報の一例)が予め定められた大当たり判定値と一致した場合には例えば3つの特別図柄が全て同一となる大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には例えば特別図柄の少なくとも1つが異なる外れ態様(非特定態様)で停止する。
【0023】
特別図柄の変動パターンとしては、図6に示すように、リーチ状態を経由して大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターンと、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチ外れ変動パターンと、リーチ状態を経由することなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターンとがある。
【0024】
また、リーチ大当たり変動パターン、リーチ外れ変動パターン、リーチなし外れ変動パターンには、夫々、液晶表示手段30上に図3に示すような予告画像37を出現させる特定演出を伴う特定演出あり変動パターンと、特定演出を伴わない特定演出なし変動パターンと、特定演出の有無を限定しない(特定演出の有無はサブ制御基板側で決定)特定演出未定変動パターンとが設けられており、リーチ大当たり変動パターンA、リーチ外れ変動パターンD、リーチなし外れ変動パターンGが特定演出なし変動パターン、リーチ大当たり変動パターンB、リーチ外れ変動パターンE、リーチなし外れ変動パターンHが特定演出未定変動パターン、リーチ大当たり変動パターンC、リーチ外れ変動パターンF、リーチなし外れ変動パターンIが特定演出あり変動パターンとなっている。
【0025】
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。また、大当たり態様には特別大当たり態様とそれ以外の通常大当たり態様とがあり、本実施形態では、「7・7・7」等の奇数図柄による大当たり態様を特別大当たり態様、「6・6・6」等の偶数図柄による大当たり態様を通常大当たり態様としている。
【0026】
また、特別図柄表示手段35の変動表示中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定用乱数値等の変動記憶情報が所定の上限個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、特別変動記憶個数表示手段36がその変動記憶情報の記憶個数(以下、特別変動記憶個数という)を表示して、その時点での特別変動記憶個数を遊技者に報知するようになっている。
【0027】
なお、特別変動記憶個数表示手段36は、例えば特別変動記憶個数の上限個数と同数(例えば4個)のランプを備え、特別変動記憶個数分のランプを点灯させることによりその特別変動記憶個数を報知する。
【0028】
大入賞手段27は、例えば下部側の横軸心廻りに開閉する開閉板27aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段35の特別図柄が変動後に大当たり態様で停止することに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板27aが前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
なお、大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば30秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板27aを閉じ、遊技球が内部の特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0030】
図4は制御系のブロック図である。図4において、41は主制御基板、42は図柄制御基板(サブ制御基板)、43は音声ランプ制御基板(サブ制御基板)で、これら各制御基板41〜43は、遊技盤21に装着された可変表示手段24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0031】
本実施形態では、主制御基板41は図柄制御基板42に対して一方向通信のみ可能に接続されており、図柄制御基板42は音声ランプ制御基板43に対して双方向通信可能に接続されている。これにより、主制御基板41から音声ランプ制御基板43へのコマンドは図柄制御基板42を経由して送信される。
【0032】
主制御基板41は、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行うもので、CPU、ROM、RAM等により構成される普通抽選手段51、第1利益状態発生手段52、特別抽選手段53、特定演出処理手段54、第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)55、変動パターン選択手段56、停止図柄選択手段57、特別遊技状態発生手段58、変動記憶個数表示処理手段59、制御コマンド送信手段60等を備えている。
【0033】
普通抽選手段51は、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かを抽選するためのもので、普通乱数発生手段61、普通乱数取得手段62、普通乱数記憶手段63、普通判定手段64等を備えている。
【0034】
普通乱数発生手段61は、変動後の普通図柄が当たり態様となる確率が例えば1/10のときに0〜9までの10個の当たり判定用乱数値を発生する等、その確率に応じた所定数の当たり判定用乱数値を繰り返し発生するようになっている。
【0035】
普通乱数取得手段62は、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段61から当たり判定用乱数値を1個取得し、その取得した当たり判定用乱数値を普通乱数記憶手段63に所定個数(例えば4個)を限度として記憶するようになっている。
【0036】
普通判定手段64は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か、即ち第1利益状態を発生させるか否かを判定するもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かを判定する当たり判定処理を行い、その当たり判定処理で当たりと判定した場合に当たりの判定結果を出力する。
【0037】
第1利益状態発生手段52は、普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときに、普通図柄表示手段31の変動後の普通図柄が当たり態様となることに基づいて特別図柄始動手段26の開閉爪26aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させるものである。
【0038】
特別抽選手段53は、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄を大当たり態様とするか否かを抽選するためのもので、特別乱数発生手段65、特別乱数取得手段66、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)67、演出用記憶手段(情報記憶手段)67a、特別判定手段68等を備えている。
【0039】
特別乱数発生手段65は、変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄用乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄用乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択用乱数、演出モードの選択に用いる演出モード選択用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するようになっている。
【0040】
本実施形態では、大当たり判定用乱数は「0」〜「199」の範囲で、大当たり図柄用乱数、外れ図柄用乱数は夫々「0」〜「9」の範囲で、変動パターン選択用乱数は「0」〜「99」の範囲で、演出モード選択用乱数は「0」〜「19」の範囲で、夫々繰り返し発生されるものとする。
【0041】
特別乱数取得手段66は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値及び大当たり図柄用乱数値の2種類の乱数値を変動記憶情報として夫々1個取得し、それら変動記憶情報を特別乱数記憶手段67に夫々所定個数(例えば各4個)を限度として記憶させると共に、その特別乱数記憶手段67に記憶させた変動記憶情報のうち、大当たり判定用乱数値を演出用記憶手段67aにも一時的に記憶させるようになっている。
【0042】
また、特別乱数記憶手段67には、この特別乱数記憶手段67に記憶されている変動記憶情報の個数(組数)、即ち特別変動記憶個数が格納され、常に最新の状態に更新されるようになっている。
【0043】
特別判定手段68は、特別図柄の変動後の停止図柄を大当たり態様とするか否か、即ち第2利益状態を発生させるか否かを判定するもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合(変動記憶個数が1個以上の場合)に、特別図柄表示手段35の変動開始に際して特別乱数記憶手段67に記憶されている大当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を読み出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば17)と一致する場合に大当たりの判定結果を出力する。
【0044】
特定演出処理手段54は、特別乱数記憶手段67に大当たり態様に対応する(即ち大当たり判定値と一致する)大当たり判定用乱数値(特別変動記憶情報)が記憶されたか否かに関する特定演出についての制御を行うもので、特別乱数記憶手段67に新たに変動記憶情報が記憶されることに基づいて図8(a)に示す特定演出設定処理を、特別図柄の変動開始に際して図8(b)に示す特定演出経過処理を、第2利益状態が終了することに基づいて図8(c)に示す特定演出終了処理を、夫々実行するようになっている。
【0045】
即ち、特別乱数記憶手段67に新たに変動記憶情報が記憶されると、特定演出処理手段54は、例えば演出用記憶手段67aから大当たり判定用乱数値を読み出し、また特別乱数発生手段65から演出モード選択用乱数値を取得する。そして、その大当たり判定用乱数値が予め定められた第1演出モード判定値の何れかと一致し(図8(a)のS1:Yes)、その時点での演出モードフラグが「0」であり(S2:Yes)、且つ演出モード選択用乱数値が予め定められた第2演出モード判定値と一致した場合に(S3:Yes)、演出モードフラグを「1」に設定する(S4)と共に、演出カウンタにその時点での特別変動記憶個数をセットする(S5)。
【0046】
ここで、演出モードフラグは、特定演出を複数回の特別図柄変動にわたって連続的に行う連続特定演出中であるか否かを示すもので、連続特定演出中は「1」に、それ以外は「0」に設定される。また、演出カウンタは、連続特定演出中における特定演出の残り回数を示すものである。
【0047】
なお、本実施形態では、第1演出モード判定値として、大当たり判定値である「17」と大当たり判定値とは異なる「18」とを設定し、また第2演出モード判定値として、「0」〜「19」までの20個の演出モード選択用乱数値のうちの「0」〜「9」を設定している。第1演出モード判定値として、大当たり判定値である「17」と大当たり判定値とは異なる「18」とを設定しているため、記憶された大当たり判定用乱数値が大当たり態様に対応するものである場合だけでなく、それ以外の場合にも演出モードフラグが「1」となって連続特定演出(いわゆるガセの連続特定演出)が行われる可能性がある。また、本実施形態では、連続特定演出中でないときに単発的に行われるガセの特定演出を個別特定演出というものとする。
【0048】
特別図柄の変動開始に際しては、特定演出処理手段54は、その時点での演出カウンタ値が1以上であれば(図8(b)のS11:Yes)、その演出カウンタ値から1を減算し(S12)、演出カウンタ値が0となれば(S13:Yes)、演出モードフラグを「0」に設定する(S14)。即ち、演出モードフラグが「1」となって連続特定演出が開始された後、特別図柄の変動が行われる毎に演出カウンタ値が1ずつ減算され、演出カウンタ値が0となったときに連続特定演出が終了する。
【0049】
なお、この特定演出経過処理(図8(b))は、後述する変動パターン選択手段56による変動パターン選択処理の後で且つその特別図柄変動の終了前であればどのようなタイミングで行ってもよい。
【0050】
また第2利益状態が終了すると、特定演出処理手段54は、演出モードフラグを「0」に設定し(図8(c)のS21)、演出カウンタ値に0をセットする(S22)。即ち、連続特定演出中であっても、第2利益状態が終了した時点で強制的に連続特定演出は終了する。
【0051】
第2利益状態発生手段55は、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段35の特別図柄が変動後に大当たり態様で停止することに基づいて、遊技者に有利な第2利益状態を発生させるためのものである。
【0052】
この第2利益状態発生手段55は、特別図柄表示手段35の特別図柄が大当たり態様で停止した後に大入賞手段27の開閉板27aを開放し、また開閉板27aの開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27aを閉じ、更に入賞した遊技球が特定領域38を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作(第2利益状態)を継続させるようになっている。
【0053】
変動パターン選択手段56は、特別図柄の変動開始に際して複数の変動パターンの中から1つを択一的に選択するためのもので、テーブル選択手段69、パターン選択手段70等を備えている。
【0054】
テーブル選択手段69は、図5に示すように、特別判定手段68の判定結果と、演出モードフラグと、演出カウンタ値とに基づいて、例えば5種類の変動パターン選択テーブル1〜5の何れかを択一的に選択するようになっている。
【0055】
パターン選択手段70は、図6に示すように、テーブル選択手段69で選択された変動パターン選択テーブルと、特別乱数発生手段65から取得した変動パターン選択用乱数値とに基づいて、リーチ大当たり変動パターンA〜C,リーチ外れ変動パターンD〜F、リーチなし外れ変動パターンG〜I等の複数種類の変動パターンの中から1つを択一的に選択するようになっている。
【0056】
停止図柄選択手段57は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するためのもので、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定のときには、その判定に係る大当たり判定用乱数値と共に記憶された大当たり図柄用乱数値を特別乱数記憶手段67から読み出し、この大当たり図柄用乱数値に基づいて停止図柄(大当たり態様)を選択し、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには、特別乱数発生手段65から例えば3種類の外れ図柄用乱数値を取得して、これら外れ図柄用乱数値と変動パターン選択手段56で選択された外れ変動パターンの種類(リーチ変動か否か)とに基づいて停止図柄(外れ態様)を選択するようになっている。
【0057】
なお、特別乱数記憶手段67に記憶されている変動記憶情報(大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値)は、特別図柄の変動開始に際して特別判定手段68、停止図柄選択手段57等によって読み出された後、特別乱数記憶手段67から削除される。またそのときに特別変動記憶個数の値から1が減算される。
【0058】
特別遊技状態発生手段58は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるためのもので、停止図柄選択手段57で大当たり態様のうちの特別大当たり態様が選択され、変動後の特別図柄が特別大当たり態様となることを条件に、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、特別図柄が大当たり態様となる確率を通常確率状態(例えば1/200等の低確率)から高確率状態(例えば1/50程度)へと変化させると共に、第1利益状態発生手段52による特別図柄始動手段26の開閉爪26aの開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるようになっている。
【0059】
なお、特別遊技状態発生手段58は、高確率状態のときに、例えば特別判定手段68の大当たり判定値の数を増やして、大当たり態様の発生確率を高くするように構成すればよい。
【0060】
特別遊技状態発生手段58は、特別図柄が大当たり態様のうちの通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するか、特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、或いは特別図柄始動手段26に予め定められた所定個数の遊技球が入賞した場合等にその作動を停止し、大当たり態様の発生確率を高確率から通常確率(低確率)へと復帰させて特別遊技状態を終了させる。もちろん、特別遊技状態の終了条件はこれに限られるものではない。
【0061】
変動記憶個数表示処理手段59は、普通変動記憶個数、特別変動記憶個数の表示の更新を指示するためのもので、普通変動記憶個数、特別変動記憶個数が変化(増加又は減少)することに基づいて、その変化後の普通変動記憶個数、特別変動記憶個数に対応する普通変動記憶表示指定コマンド、特別変動記憶表示指定コマンドを制御コマンド送信手段60を介して音声ランプ制御基板43側に送信するようになっている。
【0062】
制御コマンド送信手段60は、所定の制御コマンドを図柄制御基板42、音声ランプ制御基板43等のサブ基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合に、普通判定手段64の判定結果に基づいて普通図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板42側に送信する機能、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段67に1組以上の変動記憶情報が記憶されている場合に、特別判定手段68の判定結果、変動パターン選択手段56で選択された変動パターン、停止図柄選択手段57で選択された停止図柄等に基づいて、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の特別図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板42側に送信する機能、変動記憶個数表示処理手段59の制御に基づいて、普通変動記憶表示指定コマンド、特別変動記憶表示指定コマンドを図柄制御基板42を介して音声ランプ制御基板43側に送信する機能等を備えている。
【0063】
なお、本実施形態では、特別図柄の変動制御コマンドを構成する変動パターンコマンドは、図6に示すように、9種類の変動パターンA〜Iに対して夫々「A001H」〜「A009H」が割り当てられている。この変動パターンコマンドが、特定演出の発生に関する指令を行う特定演出指令信号の一例である。更に、特定演出あり変動パターンに対応する「A003H」「A006H」「A009H」が、連続特定演出中に送信される第1特定演出指令信号の一例であり、特定演出未定変動パターンに対応する「A002H」「A005H」「A008H」が、第1特定演出指令信号とは異なる第2特定演出指令信号の一例である。
【0064】
また、特別変動記憶表示指定コマンド(変動記憶表示指定信号の一例)は、図7に示すように、変化後の特別変動記憶個数1〜4、及び0個に対応して「D001H」〜「D005H」が割り当てられている。
【0065】
図柄制御基板42は、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段35等の各表示手段の表示制御を行うためのもので、普通図柄制御手段71、特定演出制御手段72、特別図柄制御手段73等を備えている。
【0066】
普通図柄制御手段71は、普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、主制御基板41側からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段31の普通図柄を所定時間変動させて、普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときに「7」等の当たり態様で、それ以外のときに外れ態様で普通図柄を停止させるようになっている。
【0067】
特定演出制御手段72は、特定演出に関する制御を行うもので、個別特定演出抽選手段74、特定演出発生手段75等を備えている。
【0068】
個別特定演出抽選手段74は、変動パターン選択手段56で選択された変動パターンが特定演出未定変動パターン、即ちリーチ大当たり変動パターンB、リーチ外れ変動パターンE、リーチなし外れ変動パターンHの何れかの場合に個別特定演出を行うか否かを抽選するためのもので、図9に示す特別記憶個数監視処理と、図10に示す個別特定演出抽選処理とを行うようになっている。
【0069】
即ち、個別特定演出抽選手段74は、主制御基板41側から特別変動記憶表示指定コマンドを受信すると(図9のS31:Yes)、それが特別変動記憶個数の増加に対応するものであった場合には(S32:Yes)、変動保留フラグを「1」に設定する(S33)。
【0070】
また、個別特定演出抽選手段74は、主制御基板41側から変動パターンコマンドを受信すると(図10のS41:Yes)、それが特定演出未定変動パターンに対応する「A002H」「A005H」「A008H」の何れかであれば(S42:Yes)、変動保留フラグが「1」であるか否かを判定する(S43)。
【0071】
ここで、変動保留フラグが「1」であれば(S43:Yes)、個別特定演出を行うか否かの抽選を行う(S44)。また、変動保留フラグが「1」でない場合(S43:No)であっても、個別特定演出フラグが「1」であれば(S48:Yes)、個別特定演出を行うか否かの抽選を行う(S45)。
【0072】
そして、個別特定演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には(S45:Yes)、個別特定演出フラグが「1」に(S46)、個別特定演出を行わない旨の抽選結果が得られた場合には(S45:No)、個別特定演出フラグが「0」に(S47)、夫々設定される。
【0073】
なお、変動パターンコマンドを受信した場合には、その変動パターンの種類に拘わらず、最後に変動保留フラグに「0」が設定される(S49)。
【0074】
以上のように、個別特定演出抽選手段74は、変動パターン選択手段56で選択された変動パターンが特定演出未定変動パターン(リーチ大当たり変動パターンB、リーチ外れ変動パターンE、リーチなし外れ変動パターンHの何れか)であった場合には、前回の特別図柄変動中に特別乱数記憶手段67に変動記憶情報が記憶されるか、若しくは前回の特別図柄変動において個別特定演出を行った場合にのみ、個別特定演出を行うか否かの抽選を行うようになっている。
【0075】
特定演出発生手段75は、特別図柄表示手段35による特別図柄の変動表示において、予告画像37を出現させる特定演出を発生させるもので、個別特定演出発生手段76、連続特定演出発生手段77等を備えている。
【0076】
個別特定演出発生手段76は、個別特定演出を発生させるもので、主制御基板41側から受信した変動パターンコマンドが特定演出未定変動パターン(リーチ大当たり変動パターンB、リーチ外れ変動パターンE、リーチなし外れ変動パターンH)に対応する「A002H」「A005H」「A008H」の何れかであって且つ個別特定演出抽選手段74で個別特定演出を行う旨の抽選結果が得られた場合に、その変動パターンによる特別図柄の変動表示において予告画像37を出現させる個別特定演出を発生させるようになっている。
【0077】
連続特定演出発生手段77は、連続特定演出を発生させるもので、主制御基板41側から受信した変動パターンコマンドが特定演出あり変動パターン(リーチ大当たり変動パターンC、リーチ外れ変動パターンF、リーチなし外れ変動パターンI)に対応する「A003H」「A006H」「A009H」の何れかであった場合に、その変動パターンによる特別図柄の変動表示において予告画像37を出現させる連続特定演出を発生させるようになっている。
【0078】
特別図柄制御手段73は、特別図柄表示手段35の表示制御を行うもので、主制御基板41側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて、例えば変動パターンコマンドで指定された変動パターンに従って特別図柄表示手段35による特別図柄の変動を開始させ、その特別図柄の変動表示中に特定演出発生手段75の制御に基づいて予告画像37を出現させ、所定時間変動後に主制御基板41側から変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドで指定された停止図柄となるようにその変動を停止させるようになっている。
【0079】
音声ランプ制御基板43は、音声出力手段9、ランプ手段33、普通変動記憶個数表示手段32、特別変動記憶個数表示手段36等の制御を行うためのもので、音声制御手段81、ランプ制御手段82、普通変動記憶個数表示制御手段83、特別変動記憶個数表示制御手段84等を備えている。
【0080】
音声制御手段81は、音声出力手段9の制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期して音声出力手段9からその変動パターンに対応する所定の効果音等を出力させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の効果音等を音声出力手段9から出力させるようになっている。
【0081】
ランプ制御手段82は、ランプ手段33の発光制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期してその変動パターンに対応する発光パターンでランプ手段33を発光させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の発光パターンでランプ手段33を発光させるようになっている。
【0082】
普通変動記憶個数表示制御手段83は、普通変動記憶個数表示手段32の表示制御を行うもので、主制御基板41側から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、普通変動記憶個数表示手段32のランプを普通変動記憶個数分だけ点灯させるようになっている。
【0083】
特別変動記憶個数表示制御手段84は、特別変動記憶個数表示手段36の表示制御を行うもので、主制御基板41側から送信される特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、特別変動記憶個数表示手段36のランプを特別変動記憶個数分だけ点灯させるようになっている。
【0084】
次に上記パチンコ機における動作について説明する。ゲームに際して発射手段12により遊技球が発射されると、その遊技球はガイドレール22を経て遊技領域23に入った後、その遊技領域23内を落下する間に普通入賞手段28等に入賞するか、普通図柄始動手段25を通過しながら下方へと落下する。遊技球が普通図柄始動手段25を通過すると、普通乱数取得手段62が普通乱数発生手段61の当たり判定用乱数値を取得して、その当たり判定用乱数値を所定の上限個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に順次記憶させる。
【0085】
なお、普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、変動記憶個数表示処理手段59の制御により制御コマンド送信手段60から送信される普通変動記憶表示指定コマンドに基づいて、音声ランプ制御基板43側の普通変動記憶個数表示制御手段83の制御により普通変動記憶個数表示手段32がその記憶されている当たり判定用乱数値の数(普通変動記憶個数)を例えばランプの発光個数により表示してその時点での普通変動記憶個数を遊技者に報知する。
【0086】
普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合には、普通判定手段64が、普通乱数記憶手段63に記憶されている当たり判定用乱数値のうち最も早く記憶された1個を取り出し、その当たり判定用乱数値が当たり判定値と一致すれば当たりの判定結果を出力すると共に、その判定結果に基づいて制御コマンド送信手段60を介して図柄制御基板42側に普通図柄の変動制御コマンドを送信する。
【0087】
普通判定手段64の判定結果が当たり判定のときには、図柄制御基板42側の普通図柄制御手段71の制御により、普通図柄表示手段31の普通図柄が所定時間変動した後に「7」等の当たり態様で停止する。そして、第1利益状態発生手段52の制御により、特別図柄始動手段26の開閉爪26aが所定時間開放し、この特別図柄始動手段26に遊技球が入賞し易くなる。なお、普通判定手段64の判定結果が当たり判定以外であれば、変動後の普通図柄が「7」等以外の外れ態様で停止する。
【0088】
例えば特別図柄始動手段26の開閉爪26aが開放して遊技球が入賞し、この特別図柄始動手段26が遊技球を検出すると、その時点の特別変動記憶個数が所定の上限個数(例えば4個)未満であれば、特別乱数取得手段66が、特別乱数発生手段65から大当たり判定用乱数値及び大当たり図柄用乱数値(変動記憶情報)を夫々1個取得し、それら各乱数値を特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aに夫々格納すると共に、特別変動記憶個数の値に1を加算する。
【0089】
特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aに変動記憶情報が新たに記憶されると、特定演出処理手段54が、例えば演出用記憶手段67aから大当たり判定用乱数値を読み出し、また特別乱数発生手段65から演出モード選択用乱数値を取得する。そして、その大当たり判定用乱数値が第1演出モード判定値の「17」「18」の何れかと一致し(図8(a)のS1:Yes)、その時点での演出モードフラグが「0」であり(S2:Yes)、更に演出モード選択用乱数値が第2演出モード判定値である「0」〜「9」の何れかと一致する(S3:Yes)ことを条件に、演出モードフラグを「1」に設定する(S4)と共に、演出カウンタにその時点での特別変動記憶個数をセットする(S5)。
【0090】
これにより、新たに記憶された大当たり判定用乱数値が大当たり態様に対応する場合だけでなく、外れ態様に対応する場合にも所定の確率で演出モードフラグが「1」となって連続特定演出(いわゆるガセの連続特定演出)が開始される。
【0091】
また、特別乱数記憶手段67及び演出用記憶手段67aに変動記憶情報が新たに記憶されて特別変動記憶個数が増加すると、変動記憶個数表示処理手段59の制御により制御コマンド送信手段60から増加後の特別変動記憶個数に対応する特別変動記憶表示指定コマンド、例えば「D001H」〜「D004H」の何れかが図柄制御基板42を介して音声ランプ制御基板43側に送信される。
【0092】
音声ランプ制御基板43側では、特別変動記憶個数表示制御手段84の制御により特別変動記憶個数表示手段36がその増加後の特別変動記憶個数を例えばランプの発光個数により表示してその時点での特別変動記憶個数を遊技者に報知する。
【0093】
また、図柄制御基板42側では、個別特定演出抽選手段74により図9に示す特別変動記憶個数監視処理が行われる。即ち、主制御基板41側から特別変動記憶表示指定コマンドを受信すると(図9のS31:Yes)、それが特別変動記憶個数の増加に対応するものであった場合には(S32:Yes)、変動保留フラグが「1」に設定される(S33)。
【0094】
特別図柄の変動が終了して特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ第2乱数記憶手段67に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別変動記憶個数が1個以上の場合)には、特別判定手段68が、特別乱数記憶手段67から最も早く記憶された大当たり判定用乱数値を取り出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば17)と一致すれば大当たりの判定結果を、一致しなければ外れの判定結果を出力する。
【0095】
そして、変動パターン選択手段69が、次のような手順で複数の変動パターンの中から1つを択一的に選択する。即ち、まずテーブル選択手段69が、図5に示すように、特別判定手段68の判定結果と、演出モードフラグと、演出カウンタ値とに基づいて、例えば5種類の変動パターン選択テーブル1〜5の何れかを択一的に選択する。
【0096】
例えば、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定であれば、演出モードフラグが「1」のとき(連続特定演出中のとき)には変動パターン選択テーブル1が、演出モードフラグが「0」のとき(連続特定演出中でないとき)には変動パターン選択テーブル2が選択される。
【0097】
また、特別判定手段68の判定結果が外れ判定であれば、演出モードフラグが「1」で且つ演出カウンタ値が1でないとき(連続特定演出中で且つその最後の特定演出でないとき)には変動パターン選択テーブル4が、演出モードフラグが「1」で且つ演出カウンタ値が1のとき(連続特定演出中で且つその最後の特定演出のとき)には変動パターン選択テーブル5が、演出モードフラグが「0」のとき(連続特定演出中でないとき)には変動パターン選択テーブル3が選択される。
【0098】
そして、パターン選択手段70が、図6に示すように、テーブル選択手段69で選択された変動パターン選択テーブルと、特別乱数発生手段65から取得した変動パターン選択用乱数値とに基づいて、リーチ大当たり変動パターンA〜C,リーチ外れ変動パターンD〜F、リーチなし外れ変動パターンG〜I等の複数種類の変動パターンの中から1つを択一的に選択する。
【0099】
例えば、テーブル選択手段69で変動パターン選択テーブル1が選択された場合には、変動パターン選択用乱数値が「0」〜「49」の何れかであれば特定演出なし変動パターンであるリーチ大当たり変動パターンAが、「50」〜「99」の何れかであれば特定演出未定変動パターンであるリーチ大当たり変動パターンBが選択される。また、テーブル選択手段69で変動パターン選択テーブル4が選択された場合には、変動パターン選択用乱数値が「0」〜「9」の何れかであれば特定演出あり変動パターンであるリーチ外れ変動パターンFが、「10」〜「99」の何れかであれば特定演出あり変動パターンであるリーチなし外れ変動パターンIが選択される。
【0100】
このように、演出モードフラグが「1」のとき(連続特定演出中のとき)には特定演出あり変動パターンが選択され、演出モードフラグが「0」のとき(連続特定演出中でないとき)には、特定演出なし変動パターン、特定演出未定変動パターンの何れかが選択されるようになっている。また、演出モードフラグが「1」(連続特定演出中)であり、特別判定手段68の判定結果が外れ判定となり、且つ演出カウンタ値が1のとき(その連続特定演出における最後の特定演出のとき)には、必ずリーチ外れ変動パターンFが選択され、遊技者の期待感を最後まで高揚させることができるようになっている。
【0101】
変動パターン選択手段56による変動パターン選択処理が終了すると、特定演出制御手段54により、所定のタイミングで図8(b)に示す特定演出経過処理が実行される。即ち、その時点での演出カウンタ値が1以上であれば(図8(b)のS11:Yes)、その演出カウンタ値から1が減算され(S12)、演出カウンタ値が0となれば(S13:Yes)、演出モードフラグが「0」に設定される(S14)。
【0102】
即ち、演出モードフラグが「1」となって連続特定演出が開始された後、特別図柄の変動が行われる毎に演出カウンタ値が1ずつ減算され、演出カウンタ値が0となったときに演出モードフラグが「0」に戻される。従って、この特別図柄の変動表示中に新たに変動記憶情報が記憶されて所定の確率で演出モードフラグが「1」に設定されない限り、次の特別図柄の変動時には特定演出あり変動パターンは選択されない。
【0103】
また、変動パターン選択手段56により変動パターンが選択されると、停止図柄選択手段57が特別図柄の変動後の停止図柄を選択する。即ち、停止図柄選択手段57は、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定のときには、その判定に係る大当たり判定用乱数値と共に特別乱数記憶手段67に記憶されている大当たり図柄用乱数値を読み出し、この大当たり図柄用乱数値に基づいて停止図柄(大当たり態様)を選択し、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには、特別乱数発生手段65から例えば3種類の外れ図柄用乱数値を取得して、これら外れ図柄用乱数値と変動パターン選択手段56で選択された外れ変動パターンの種類(リーチ変動か否か)とに基づいて停止図柄(外れ態様)を選択する。
【0104】
例えば、特別判定手段68の判定結果が大当たり判定のときには、大当たり図柄用乱数値が「6」であれば「6・6・6」が、「7」であれば「7・7・7」が選択される。また、特別判定手段68の判定結果が外れ判定のときには、変動パターン選択手段56で選択された外れ変動パターンがリーチ外れ変動パターンであれば「6・7・6」等のリーチ外れの停止図柄が、変動パターン選択手段56で選択された外れ変動パターンがリーチなし変動パターンであれば「6・7・8」等のリーチなし外れの停止図柄が選択される。
【0105】
特別判定手段68及び停止図柄選択手段57によって読み出された変動記憶情報は、特別乱数記憶手段67から削除され、2番目以降の変動記憶情報が1つずつ前側にシフトされると共に、特別変動記憶個数の値が1減算される。そして、制御コマンド送信手段60から、その減少後の特別変動記憶個数に対応する特別変動記憶表示指定コマンド、例えば「D001H」〜「D003H」,「D005H」の何れかがが音声ランプ制御基板43側に送信され、特別変動記憶個数表示制御手段84の制御により特別変動記憶個数表示手段36による特別変動記憶個数の表示が更新される。
【0106】
また、制御コマンド送信手段60から、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドが図柄制御基板42及び音声ランプ制御基板43側に送信され、特別図柄の変動開始が指示される。
【0107】
図柄制御基板42側の個別特定演出抽選手段74は、主制御基板41側から変動パターンコマンドを受信すると(図10のS41:Yes)、それが特定演出未定変動パターンに対応する「A002H」「A005H」「A008H」の何れかであれば(S42:Yes)、変動保留フラグが「1」であるか否かを判定する(S43)。
【0108】
ここで、変動保留フラグが「1」であれば(S43:Yes)、個別特定演出を行うか否かの抽選を行う(S44)。また、変動保留フラグが「1」でない場合(S43:No)であっても、個別特定演出フラグが「1」であれば(S48:Yes)、個別特定演出を行うか否かの抽選を行う(S45)。
【0109】
そして、個別特定演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には(S45:Yes)、個別特定演出フラグが「1」に(S46)、個別特定演出を行わない旨の抽選結果が得られた場合には(S45:No)、個別特定演出フラグが「0」に(S47)、夫々設定される。なお、変動パターンコマンドを受信した場合には、その変動パターンの種類に拘わらず、最後に変動保留フラグに「0」が設定される(S49)。
【0110】
即ち、前回の特別図柄の変動表示中に新たに変動記憶情報が記憶された場合(変動保留フラグに「1」が設定されている場合、図9参照)、又は前回の特別図柄の変動表示において個別特定演出が行われた場合(個別特定演出フラグが「1」に設定されている場合)に、個別特定演出を行うか否かの抽選が行われる。
【0111】
また、特別図柄制御手段73の制御により、遊技制御手段50側からの変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドに基づいて特別図柄表示手段35による特別図柄の変動が開始される。そして、その変動パターンに応じた所定の変動時間が経過した時点で制御コマンド送信手段60から図柄制御基板42側に変動停止コマンドが送信され、この変動停止コマンドを受信した特別図柄制御手段73は、変動表示中の特別図柄を左、右、中の各停止図柄コマンドで指定された停止図柄で停止、確定させる。
【0112】
また、この特別図柄の変動表示中、個別特定演出発生手段76又は連続特定演出発生手段77が作動した場合には、その図柄変動において特定演出が行われ、液晶表示手段30上に所定のタイミングで予告画像37が表示される。連続特定演出発生手段77は、変動パターンコマンドが特定演出あり変動パターン(リーチ大当たり変動パターンC、リーチ外れ変動パターンF、リーチなし外れ変動パターンI)に対応する「A003H」「A006H」「A009H」の何れかであった場合に作動し、個別特定演出発生手段76は、個別特定演出抽選手段74で個別特定演出を行う旨の抽選結果が得られた場合に作動する。
【0113】
図11は、連続特定演出が行われる場合の、特別図柄変動、特別変動記憶個数、特別図柄始動手段26の遊技球の検出、演出モードフラグ、演出カウンタ値の履歴の一例を示したものである。
【0114】
演出モードフラグが「0」、即ち連続特定演出中でない状態で、特別図柄の変動表示中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出すると、その時点での特別変動記憶個数が上限値(4個等)未満、例えば1個であれば、大当たり判定用乱数値及び大当たり図柄用乱数値が記憶されて特別変動記憶個数が1増加する。その大当たり判定用乱数値が大当たり態様に対応する17であれば、所定の確率で演出モードフラグが「1」に設定され、演出カウンタに特別変動記憶個数、例えば2が設定される(図11のa1)。
【0115】
これにより、次回の特別図柄変動から2回の特別図柄変動にわたって特定演出が連続的に行われる。即ち、特別図柄が変動開始する毎に演出カウンタ値が1ずつ減算され(図11のa2)、演出カウンタ値が0になった時点、例えば2回目の特別図柄変動が開始された時点で演出モードフラグが「1」に設定され、連続特定演出が終了する(図11のa3)。
【0116】
図11の例では、大当たり態様に対応する大当たり判定用乱数値の取得に基づいて連続特定演出が開始されているため、連続特定演出の最後の特別図柄変動においては停止図柄は大当たり態様となる。なお、図11のa1で取得された大当たり判定用乱数値が外れ態様に対応する18であれば、ガセの連続特定演出が上記の例と同様に行われるが、この場合には連続特定演出の最後の特別図柄変動においてはリーチ状態を経て外れ態様となる。
【0117】
図12は、連続特定演出が行われない場合の、特別図柄変動、特別変動記憶個数、特別図柄始動手段26の遊技球の検出、演出モードフラグ、演出カウンタ値、変動保留フラグ、個別特定演出フラグの履歴の一例を示したものである。
【0118】
特別図柄の変動中に特別図柄始動手段26による遊技球の検出がないままにその図柄変動が終了した後、次の特別図柄変動の開始に際して(図12のb1)、例えば特定演出未定変動パターンであるリーチなし外れ変動パターンHが選択された場合、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されていないために変動保留フラグが「0」であり、また前回の特別図柄変動において個別特定演出が行われていないために個別特定演出フラグも「0」であるため、個別特定演出を行うか否かの抽選が行われることはなく、従って個別特定演出が行われることはない。
【0119】
もしも、図12のb1において個別特定演出を行うか否かの抽選を行い、個別特定演出を行うと、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されなかったことを知っている遊技者にとってはその特定演出がガセであることが明らかであり、興趣が低下してしまう。
【0120】
特別図柄の変動表示中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出し、新たに変動記憶情報が記憶されて特別変動記憶個数が1増加すると、変動保留フラグが「1」に設定される(図12のb2)。そして、次の特別図柄変動の開始に際して(図12のb3)、例えば特定演出未定変動パターンであるリーチ外れ変動パターンEが選択された場合、変動保留フラグが「1」となっているために個別特定演出を行うか否かの抽選が行われ、その特別図柄変動において所定の確率で個別特定演出が行われる。ここで変動保留フラグは「0」に戻されるが、個別特定演出を行う旨の抽選結果が得られたときに個別特定演出フラグが「1」に設定され、その特別図柄変動中に特定演出が行われる。
【0121】
更に次の特別図柄変動の開始に際して(図12のb4)、例えば特定演出未定変動パターンのリーチなし外れ変動パターンHが選択された場合、個別特定演出フラグが「1」となっているために個別特定演出を行うか否かの抽選が行われ、その特別図柄変動において所定の確率で個別特定演出が行われる。
【0122】
このように、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されなかった場合でも、その図柄変動において個別特定演出が行われた場合には、個別特定演出を行ったとしても遊技者は連続特定演出中であると認識するため、その時点でガセであると見抜かれることはない。
【0123】
変動後の特別図柄が大当たり態様になると、その後に第2利益状態発生手段55が作動して第2利益状態が発生し、大入賞手段27の開閉板27aが前側に開放する。大入賞手段27は、開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板27aが閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域38を通過すれば、再度開閉板27aが開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
【0124】
このため、第2利益状態が発生すれば、大入賞手段27に多数の遊技球が入賞する可能性があり、遊技者はその入賞球数に応じて賞球の払い出しを受けることができ、多大な利益を享受することができる。
【0125】
第2利益状態が終了すると、特定演出処理手段54は、演出モードフラグを「0」に設定し(図8(c)のS21)、演出カウンタ値に0をセットする(S22)。即ち、連続特定演出中に第2利益状態が発生すると、その連続特定演出は、本来の回数を消化していない場合であってもその第2利益状態が終了した時点で強制的に終了される。
【0126】
また、第2利益状態が終了すると、第2利益状態の発生に起因する特別図柄が大当たり態様のうちの特別大当たり態様(例えば「7・7・7」)であった場合には、特別遊技状態発生手段58が作動して、大当たり態様の発生確率を通常確率から高確率へと変化させ、また特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間から延長開放時間へと変化させる。その後は、特別判定手段68が高確率状態で大当たり態様とするか否かを判定するため、変動後の特別図柄が大当たり態様となる可能性が非常に高くなり、また特別図柄始動手段26に遊技球が入賞しやすくなって特別図柄の変動回数が増加するため、遊技者は通常よりも有利な状態でゲームを行うことができる。
【0127】
特別遊技状態発生後、特別図柄が大当たり態様のうちの通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するか、それまでに特別図柄が予め定められた所定回数変動すると、特別遊技状態発生手段58の作動が停止し、大当たり態様の発生確率が高確率から通常確率(低確率)へ、特別図柄始動手段26の開放時間が延長開放時間から通常開放時間へと復帰して特別遊技状態が終了する。
【0128】
以上説明したように、本実施形態では、特定演出処理手段54の制御による連続特定演出中以外の特別図柄変動時に所定の確率で特定演出を行わせる個別特定演出発生手段76を備え、この個別特定演出発生手段76は、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたことを条件に特定演出を行わせるように構成されているため、いわゆるガセの特定演出が、実際に大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合にはあり得ない状況で出現することを防止して、連続特定演出による高い演出性を維持できる。
【0129】
また、個別特定演出発生手段76は、前回の特別図柄変動中に特定演出が行われた場合には、その特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたか否かに拘わらず所定の確率で特定演出を行わせるように構成されているため、いわゆるガセの特定演出が、実際に大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合にはあり得ない状況で出現することを防止して、連続特定演出による高い演出性を維持しつつ、ガセの特定演出をより多様化することができる。
【0130】
特定演出処理手段54を主制御基板41側に、個別特定演出発生手段76を主制御基板41とは別の図柄制御基板42側に夫々設け、特定演出処理手段54の制御に基づいて、主制御基板41側から図柄制御基板42側に図柄変動毎に特定演出の発生に関する特定演出指令信号としての変動パターンコマンドを送信するように構成され、個別特定演出発生手段76は、連続特定演出中に送信される変動パターンコマンド以外の所定の変動パターンコマンド、即ち特定演出未定変動パターンに対応する変動パターンコマンドを受信することに基づいて、所定の確率で特定演出を行わせるように構成されているため、個別特定演出を行うか否かに関する制御をサブ制御基板である図柄制御基板42側で全て行うことができ、主制御基板41側の制御負荷を軽減できる。
【0131】
特別乱数記憶手段67に記憶され且つ未だ特別図柄表示手段35の図柄変動に供されていない変動記憶情報の数である特別変動記憶個数を表示する特別変動記憶個数表示手段36と、主制御基板41とは別の音声ランプ制御基板43側に設けられ且つ主制御基板41側からの特別変動記憶表示指定コマンド(変動記憶表示指定信号)に基づいて特別変動記憶個数表示手段36を制御する特別変動記憶個数表示制御手段84とを備え、個別特定演出発生手段76は、主制御基板41側から送信される特別変動記憶表示指定コマンドに基づいて、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたか否かを判断するように構成されているため、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたか否かに関する情報を主制御基板41側で管理する必要がなく、またその情報に関する専用のコマンドを設ける必要もなく、制御体系、コマンド体系の簡略化が可能である。
【0132】
図13は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、前回の特別図柄変動中に特定演出が行われた場合であっても、特別変動記憶個数が1以下の場合には、個別特定演出を行うか否かの抽選を行わないように構成した例を示している。
【0133】
図13は、図10に示す個別特定演出抽選処理にS45aを追加したものである。このS45aは、個別特定演出を行う旨の抽選結果となった場合に(S45:Yes)、更に特別変動記憶個数が1よりも大であるか否かを判定するようになっており、特別変動記憶個数が1よりも大であれば(S45a:Yes)、個別特定演出フラグが「1」に設定され、特別変動記憶個数が1よりも大でなければ(S45a:No)、個別特定演出フラグが「0」に設定される。
【0134】
これにより、主制御基板41側からの変動パターンコマンドが特定演出未定変動パターンに対応するものであった場合(S42:Yes)に個別特定演出を行うか否かの抽選(S44)が行われるのは、変動保留フラグが「1」の場合、即ち前回の特別図柄変動中に新たに変動記憶情報が記憶された場合(S43:Yes)と、個別特定演出フラグが「1」の場合、即ち前回の特別図柄変動中に特定演出が行われ且つその時点の特別変動記憶個数が1以上であった場合(S43:No→S48:Yes)となる。
【0135】
前回の特別図柄変動中に特定演出が行われても、その時点での特別変動記憶個数が0であれば、次の特別図柄変動まで連続特定演出が続くことはあり得ず、従ってこのような状況で特定演出を出現させた場合には遊技者はガセの特定演出であることを容易に見抜くことができる。本実施形態によれば、このような実際に大当たり態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合にはあり得ない状況でのガセの特定演出の出現をより確実に防止して、連続特定演出による高い演出性を維持できる利点がある。
【0136】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこれら各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、主制御基板41側からサブ制御基板側に特定演出の発生に関する指定を行うための特定演出指令信号として変動パターンコマンドを用いたが、これ以外のコマンド、例えば停止図柄コマンド等を用いてもよいし、専用のコマンドを設けてもよい。
【0137】
実施形態では、特定演出指令信号(変動パターンコマンド)を、図柄変動毎にサブ制御基板側に送信するように構成したが、1回の特定演出指令信号の送信で複数回の図柄変動における特定演出の発生に関する指定を行うように構成してもよい。
【0138】
連続特定演出は、取得した大当たり判定用乱数値が大当たり態様に対応する例えば17と一致する場合にのみ行うようにして、いわゆるガセの連続特定演出を行わないようにしてもよい。また、個別特定演出は、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたことのみを条件として所定の確率で行わせるようにしてもよい。
【0139】
特定演出は、図柄の変動表示を特別な表示形態とするものの他、所定のランプを所定のパターンで発光させるもの、所定の音声を出力するもの、所定の可動部材を動作させるもの等、どのようなものでもよい。
【0140】
また、図柄の変動表示を特別な表示形態とすることによる特定演出としては、所定のキャラクター等が出現するものの他、通常と異なる図柄変動動作が発生するもの(通常とは異なる方向にスクロールするもの、所定の図柄がスベリ変動するもの等)、所定のタイミングで画面がフラッシュするもの、図柄の背景の一部又は全部が変化するもの、所定の図柄態様(所定のリーチ変動、所定の停止図柄)が出現するもの等、種々の態様を採用できる。
【0141】
特別図柄始動手段26による遊技球の検出タイミングと、特別図柄の変動開始のタイミングとが略一致して、見かけ上特別変動記憶個数が変化しないために特別変動記憶個数表示指定コマンドが送信されない場合には、個別特定演出抽選手段74は、特別変動記憶個数表示指定コマンドのみからは前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたことを認識することができない。このような問題を解決するため、例えば特別変動記憶個数表示指定コマンドと、特別図柄の変動制御コマンド(例えば変動パターンコマンド)とに基づいて、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、変動パターンコマンドを受信したにも拘わらず、特別変動記憶個数の減少に対応する特別変動記憶個数表示指定コマンドを受信しなかった場合には、前回の特別図柄変動中に変動記憶情報が記憶されたものと判断するようにすればよい。
【0142】
制御系の基板構成は、実施形態に示したものに限られるものではなく、例えば主制御基板41の下位に一方向通信可能に音声ランプ制御基板43を配置し、更にその下位に一方向通信又は双方向通信可能に図柄制御基板42を配置してもよい。また、主制御基板41と音声ランプ制御基板43、主制御基板41と図柄制御基板42を夫々一方向通信可能に接続してもよい。その他、図柄制御基板42と音声ランプ制御基板43とを1つのサブ制御基板として構成してもよいし、音声ランプ制御基板43を2以上のサブ制御基板で構成してもよい。
【0143】
なお、特別変動記憶個数表示制御手段84と、個別特定演出抽選手段74とが別個の制御基板上に設けられる場合、実施形態のように特別変動記憶個数表示制御手段84が個別特定演出抽選手段74よりも上位の基板上にある場合には問題ないが、特別変動記憶個数表示制御手段84が個別特定演出抽選手段74よりも下位の基板上にある場合や、特別変動記憶個数表示制御手段84と個別特定演出抽選手段74とが別系統の基板上にある場合には、特別変動記憶表示指定コマンドを、特別変動記憶個数表示制御手段84側だけでなく個別特定演出抽選手段74側にも個別に送信する必要がある。
【0144】
実施形態では、特別乱数記憶手段67に記憶される変動記憶情報と同じ情報を演出用記憶手段67aにも記憶させて、その演出用記憶手段67aに記憶された変動記憶情報を用いて特定演出処理手段54による制御を行うように構成したが、この演出用記憶手段67aを省略して、特別乱数記憶手段67に記憶された変動記憶情報を用いて特定演出処理手段54による制御を行うように構成してもよい。
【0145】
特別遊技状態発生手段58で発生させる特別遊技状態としては、特別図柄が大当たり態様となる確率を通常状態よりも高確率とし、特別図柄始動手段26の開放時間を通常開放時間よりも長い延長開放時間に変化させるもの以外に、例えば特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、普通図柄が当たり態様となる確率を通常状態よりも高確率とするもの、普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、大入賞手段27の開放のラウンド回数を増加(例えば通常5回を16回に増加)させるもの、大入賞手段27の1回の開放時間を増大(例えば通常10秒を30秒に増大)させるもの、大入賞手段27の規定入賞数を増加(例えば通常5個を10個に増加)させるもの、普通図柄始動手段25の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、特別図柄始動手段26の上限変動記憶個数を増加(例えば通常4個を6個に増加)させるもの、所定の役物に遊技球が入賞しやすくなる発射タイミング等を報知するもの等、種々の利益状態を用いることができる。また、それら複数種類の利益状態を同時或いは個別に発生させるようにしてもよい。
【0146】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、図柄始動手段26と、該図柄始動手段26が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段67,67aと、変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段35と、該図柄表示手段35の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段55と、情報記憶手段67に特定態様に対応する特別変動記憶情報が記憶されたことに基づく特定演出を、所定の確率で、その変動記憶情報に対応する遊技図柄の変動表示までの複数回の図柄変動にわたって連続的に行わせるように制御する特定演出処理手段54とを備えた弾球遊技機において、特定演出処理手段54の制御による連続特定演出中以外の図柄変動時に所定の確率で特定演出を行わせる個別特定演出発生手段76を備え、該個別特定演出発生手段76は、前回の図柄変動中に特定演出が行われ且つその時点での変動記憶情報の記憶個数が1以上であった場合には、その前回の図柄変動中に情報記憶手段67,67aに変動記憶情報が記憶されたか否かに拘わらず所定の確率で特定演出を行わせ、前回の図柄変動中に特定演出が行われなかった場合には、その前回の図柄変動中に情報記憶手段67,67aに変動記憶情報が記憶されたことを条件に所定の確率で特定演出を行わせるように構成されているため、いわゆるガセの特定演出が、実際に特定態様に対応する特別変動記憶情報が記憶された場合にはあり得ない状況で出現することを防止して、連続特定演出による高い演出性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す可変表示手段の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す変動パターン選択テーブルと特別判定手段の判定結果、演出モードフラグ、演出カウンタ値との対応関係の一例である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す変動パターンと変動パターン選択テーブル毎の変動パターン選択用乱数値及び変動パターンコマンドとの対応関係の一例である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示す特別変動記憶表示指定コマンドの一例である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示す特定演出設定処理、特定演出経過処理、及び特定演出終了処理手順の一例である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す特別変動記憶個数監視処理手順の一例である。
【図10】本発明の第1の実施形態を示す個別特定演出抽選処理手順の一例である。
【図11】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄変動、特別変動記憶個数、特別図柄始動手段の遊技球の検出、演出モードフラグ、演出カウンタ値の履歴の一例である。
【図12】本発明の第1の実施形態を示す特別図柄変動、特別変動記憶個数、特別図柄始動手段の遊技球の検出、演出モードフラグ、演出カウンタ値、変動保留フラグ、個別特定演出フラグの履歴の一例である。
【図13】本発明の第2の実施形態を示す個別特定演出抽選処理手順の一例である。
【符号の説明】
26 特別図柄始動手段(図柄始動手段)
35 特別図柄表示手段(図柄表示手段)
36 特別変動記憶個数表示手段(変動記憶個数表示手段)
41 主制御基板
42 図柄制御基板(サブ制御基板)
43 音声ランプ制御基板(サブ制御基板)
54 特定演出処理手段
55 第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)
67 特別乱数記憶手段(情報記憶手段)
67a 演出用記憶手段(情報記憶手段)
76 個別特定演出発生手段
84 特別変動記憶個数表示制御手段(変動記憶個数表示制御手段)

Claims (3)

  1. 図柄始動手段(26)と、該図柄始動手段(26)が遊技球を検出することに基づいて取得される変動記憶情報を記憶する情報記憶手段(67)(67a)と、前記変動記憶情報に基づいて遊技図柄を変動表示する図柄表示手段(35)と、該図柄表示手段(35)の変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段(55)と、前記情報記憶手段(67)に前記特定態様に対応する特別変動記憶情報が記憶されたことに基づく特定演出を、所定の確率で、その変動記憶情報に対応する前記遊技図柄の変動表示までの複数回の図柄変動にわたって連続的に行わせるように制御する特定演出処理手段(54)とを備えた弾球遊技機において、前記特定演出処理手段(54)の制御による連続特定演出中以外の図柄変動時に所定の確率で前記特定演出を行わせる個別特定演出発生手段(76)を備え、該個別特定演出発生手段(76)は、前回の図柄変動中に前記特定演出が行われ且つその時点での前記変動記憶情報の記憶個数が1以上であった場合には、その前回の図柄変動中に前記情報記憶手段(67)(67a)に前記変動記憶情報が記憶されたか否かに拘わらず所定の確率で前記特定演出を行わせ、前回の図柄変動中に前記特定演出が行われなかった場合には、その前回の図柄変動中に前記情報記憶手段(67)(67a)に新たに前記変動記憶情報が記憶されたことを条件に所定の確率で前記特定演出を行わせるように構成されていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記特定演出処理手段(54)を主制御基板(41)側に、前記個別特定演出発生手段(76)を前記主制御基板(41)とは別のサブ制御基板(42)側に夫々設け、前記特定演出処理手段(54)の制御に基づいて、前記主制御基板(41)側から前記サブ制御基板(42)側に前記特定演出の発生に関する特定演出指令信号を送信するように構成され、前記個別特定演出発生手段(76)は、前記特定演出指令信号のうち、前記連続特定演出中に送信される第1特定演出指令信号とは別の第2特定演出指令信号を受信することに基づいて、所定の確率で前記特定演出を行わせるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記情報記憶手段(67)に記憶され且つ未だ前記図柄表示手段(35)の図柄変動に供されていない前記変動記憶情報の数である変動記憶個数を表示する変動記憶個数表示手段(36)と、前記主制御基板(41)とは別のサブ制御基板(43)側に設けられ且つ前記主制御基板(41)側からの変動記憶表示指定信号に基づいて前記変動記憶個数表示手段(36)を制御する変動記憶個数表示制御手段(84)とを備え、前記個別特定演出発生手段(76)は、前記変動記憶表示指定信号に基づいて、前回の図柄変動中に前記情報記憶手段(67)(67a)に前記変動記憶情報が記憶されたか否かを判断するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
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