JP4456239B2 - Packaged food heat sterilization apparatus and method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装容器に密封された、いわゆる包装食品を加熱殺菌する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の食品がプラスチック製の袋やトレイ等の包装容器内に密封された、いわゆる密封包装食品の普及は目覚ましく、現在ではかかる包装食品が食生活における相当の部分を担っている。かかる包装食品は、所定の食品を包装容器に密封した後、最終段階で加熱殺菌処理を施すのが一般的である。なお、食品の種類によっては、この加熱によって食品の風味向上を期す加熱調理(熱熟成処理)が施される。
【0003】
従来、このような最終段階の加熱殺菌は、煮沸処理やレトルトによるものが一般的であったが、包装食品の表面と中心部とに大きな温度差が生じ、最も温度の低い中心部に対して完全に殺菌処理を施すためには、処理時間が長くなると同時に、表面部分が過加熱され、その部分の色や風味、食感が劣化したり包装容器の臭いが食品表面に移るという問題点を有していた。そこで殺菌時間の短縮化を目指して、出願人は、先に、多数の包装食品を偏平な環状容器内に装填した状態でこの容器を高周波の対向電極間に配置するように構成した高周波加熱装置を提案した(特許第2875198号)。
【0004】
このような高周波加熱装置によれば、包装食品が装填された容器内は、容器の縁部に当接した対向電極によって密閉状態になるため、包装食品を密封状態の容器内(食品収納室)で100℃以上に加熱することが可能であり、これによって短時間で確実な殺菌処理を施すことが可能になる。
【0005】
しかしながら、特許第2875198号の装置にあっては、食品収納室内に多数の包装食品が装填されることから、包装食品間で被加熱温度のばらつきが生じ易く、装填された包装食品の全てを確実に殺菌処理するために、ばらつきの下限温度が殺菌温度になるように温度管理する必要があった。しかし、このようにすると、より多くの加熱用の熱エネルギーが必要になってエネルギーコストが嵩むという問題点が提起される。
【0006】
また、煮沸やレトルトほどではないが、ばらつきの上限部分が過加熱され、色・風味・食感が劣化するという問題も生じる。
【0007】
そこで、出願人は、かかる問題点を解消する改良タイプのものとして、包装食品の1つのみを装填し得る殺菌容器を多数用意し、各殺菌容器に包装食品を一つずつ装填していき、各殺菌容器内の包装食品に対して高周波印加による誘電加熱を施すように構成した殺菌装置を提案した(特開平10−304855号公報、特開平10−304856号公報および特開平11−9243号公報)。
【0008】
この改良された殺菌装置では、包装食品を1つずつ誘電加熱するようになるため、包装食品間の加熱温度のばらつきが極めて小さいものになり、ばらつきが小さくなった分加熱温度を必要以上に上げる必要がなくなり、確実な殺菌処理を確保した上でエネルギーコストの低減化に寄与することが可能になる。
【0009】
また、包装食品の中で過加熱される部分がなくなり、その結果、包装食品全体に亘って色・風味・食感の劣化が非常に少なくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、包装食品は、通常、合成樹脂製の袋状またはトレー状の包装容器に所定の調理済みあるいは半調理済みの食品が装填されて密閉されたものであるため、内部の食品に高周波を確実に供給するには、包装容器を介して内部の食品に高周波が効率的に印加されなければならない。
【0011】
しかしながら、たとえ高周波が均一にかつ効率的に包装食品に印加されたとしても、対向電極で挟持した包装食品に高周波を印加しつつある状態では、誘電損失の大きい包装食品は確実に誘電加熱されるのに対し、導電体からなる対向電極自体は熱伝導率が良好である上に誘電加熱されないため、加熱された包装食品の熱がこれら対向電極を介して放熱され、これによって包装食品の対向電極に当接している部分の温度が中心部の温度より低くなってしまうという不都合が生じる。そして、かかる温度分布の不均一が起こると、包装食品の全体に亘って確実な殺菌処理を効率的に行い得なくなるという問題点が発生する。
【0012】
このことについては上記特開平10−304855号公報、特開平10−304856号公報および特開平11−9243号公報に記載された改良された誘電加熱方式を採用した場合でも提起される問題点である。
【0013】
また、多数の包装食品を処理する場合、同一種であっても包装食品個々の間で、その厚み寸法を厳密に一致させることは困難であり、対向電極間の距離と包装食品の厚み寸法との間に若干のばらつきが生じてしまう。個々の包装食品においても、その電極に接する面が常に正確な平面になるとは限らず、多少の凹凸や部分による厚み寸法のばらつきが生じてしまう。このような凹凸やばらつきが存在すると、電極と包装食品表面との間に空気層が存在し、その部分の高周波分布に偏りが生じて均一加熱が困難になる。
【0014】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、均一でかつ確実な殺菌処理を確保して良好な品質の殺菌済み食品を得ることが可能であり、かつ、殺菌に要するエネルギーコストの低減化を図ることができる包装食品の加熱殺菌装置および加熱殺菌方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、対向配置される電極の内面間に介設された包装食品に電極を介して高周波を印加することにより包装食品に対する加熱殺菌処理を施す包装食品の加熱殺菌装置であって、少なくとも一方の電極の内面側で、前記包装食品との全接触面に、誘電加熱が可能な材料によって形成された敷設体を備えてなることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、包装食品は、対向配置される電極間に挟まれることにより、少なくとも一方の内面側の全接触面に敷設された敷設体に当接した状態になるため、この敷設体の存在でたとえ対向電極間の距離が包装食品の厚み寸法より大きいときでも、包装食品を敷設体を介して電極に当接させることが可能になり、これによって包装食品の誘電加熱が適切に行われる。さらに、敷設体として誘電加熱が可能な材料を採用しているため、包装食品の誘電加熱時に敷設体も発熱し、電極の放熱により奪われる分の熱を補充して包装食品から電極への熱移行を防止することによって包装食品の不均一加熱が確実に防止される。
【0017】
さらに、請求項2記載の発明では、上記敷設体は、断熱性および弾性の少なくとも一方をさらに有するため、包装食品は、上記断熱性および弾性の内の少なくとも1つの作用を同時に受けることが可能になり、これらの相加作用でさらに確実に殺菌処理される。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記敷設体は、所定厚みを有する板状体によって形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、敷設体が板状体であることによって包装食品の上面および下面のいずれか一方または双方が全面的に敷設体に当接するため、全面的に当接しない場合に比較して包装食品は確実に均一加熱される。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、上記敷設体は、上記電極の内面に一体に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0021】
この発明によれば、包装食品を両電極間に装填するに際し、敷設体を包装食品と電極との間に挟み込む作業を一々行うことなく、包装食品は敷設体に挟持された状態になる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、対向配置された電極間に絶縁材料からなる容器本体が介設され、その容器本体に前記電極間を貫通するように形成された貫通孔内に前記包装食品が収納され、上記敷設体は、上記貫通孔の端部を閉塞するように上記電極の内面に一体に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0023】
この発明によれば、包装食品を筒体内に装填することにより、この筒体を両電極で挟持することによって、敷設体が包装食品と電極との間に挟み込まれた状態になるため、敷設体を挟み込む作業を一々行うことなく、包装食品は敷設体に当接する。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記貫通孔内には、複数の包装食品が直列に収納され、その直列に収納される複数の包装食品間に金属板を介設することを特徴とするものである。
【0025】
この発明によれば、例えば上下に直列に包装食品を配置した場合、上下で隣接した包装食品間には金属板が介設されているため、この金属板によって上下の包装食品間における電位が一定化されるので上下包装食品に対して等しい電界分布が確保でき、各包装食品は均一加熱される。
【0026】
従って、金属板が存在しない状態で収納室内に複数の包装食品を装填した場合、上下包装食品間での電界分布の不均一に起因して各包装食品の被加熱温度がばらつき、全ての包装食品に対して短時間に確実な殺菌処理を施すことが困難になるという従来の不都合が解消され、複数の包装食品に対する確実かつ効率的な殺菌処理が現実のものになる。
【0027】
そして、金属板を介した収納室内の複数の包装食品は、包装食品間のばらつきが非常に小さい状態で常に均一に加熱されるため、過加熱される部分の発生を防止し、確実な殺菌処理を確保した上でその分エネルギーコストの低減化に貢献する。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、上記金属板は、板面に断熱性、弾性および誘電加熱性の内の少なくとも1つの性質を有する材料によって形成されたシート体が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0029】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明を用いて包装食品に加熱殺菌処理を施す包装食品の加熱殺菌方法であって、対向配置された電極の内面間に包装食品を装填した後、両電極を介して上記包装食品に高周波を印加して加熱殺菌処理を施すことを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、包装食品は、請求項1〜7の作用を確保した上で誘電加熱により適性に加熱殺菌処理される。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明に係る加熱殺菌容器の一実施形態を示す斜視図であり、図1は、加熱殺菌容器が開放された状態、図2は、閉止された加熱殺菌容器が起立姿勢に姿勢設定された状態、図3は、閉止された加熱殺菌容器が横臥姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【0032】
これらの図に示すように、殺菌容器1は、包装食品Fを取り囲むように収納する一対の容器本体(第1および第2囲繞体)11と、これらの容器本体11間に介設される金属板12と、この金属板12を挟持した状態の一対の容器本体11における上方側の容器本体11の開口を閉止する上部電極板13と、同下方側の容器本体11の開口を閉止する下部電極板14と、各電極板13,14を備えた一対の容器本体11を挟持する挟持部材15と、この挟持部材15を介して一対の容器本体11を開閉可能に連結する連結部材16とを備えた構成を有している。上記上部電極板13および下部電極板14が本発明の対向配置される電極のことである。
【0033】
容器本体11は、合成樹脂等の絶縁材料によって横長に形成され、包装食品Fを装填するための直列に貫設された4つの貫通孔を有している。各容器本体11は、長手方向に向けて各貫通孔を横断するように二分され、一方の容器本体11(図1に示す状態では左方の容器本体11)に上部電極板13が挟持されてねじ止めで固定されているとともに、他方の容器本体11(図1に示す状態では右方の容器本体11)に下部電極板14が挟持されている。そして、図1に示す状態における各容器本体11の各電極板13,14によって閉止された上記貫通孔の各電極板13,14より上方側に包装食品Fを収納する収納室11aが形成されている。
【0034】
図4は、横臥姿勢に設定された状態の殺菌容器1の断面図である。この図に示すように、本実施形態の収納室11aは、トレイ状の包装食品Fを収納するのに適した立体形状に設定され、内径寸法が包装食品Fの最大外径寸法に等しく寸法設定されているとともに、収納室11aの入口側の周縁部(上下で対向した収納室11aのそれぞれの周縁部)に、包装食品Fの環状耳部F1に対応した環状切欠き溝11bが設けられ、包装食品Fを収納室11a内に収納した状態で環状耳部F1が環状切欠き溝11bに嵌まり込み、金属板12が容器本体11に積層された状態で環状耳部F1が環状切欠き溝11bの底部と金属板12との間に挟持され、これによって包装食品Fの収納室11a内への装着状態が安定するとともに、包装食品Fの金属板12に対する対向面が確実に金属板12に当接するようになっている。
【0035】
また、収納室11aの奥部には、各電極板13,14に当接するように所定厚み寸法のシート状の敷設体17が積層されている。この敷設体17としては、断熱材料、弾性材料および誘電加熱が可能な材料の内のいずれかの材料、若しくはそれらの材質(断熱性、弾性、誘電加熱性)のいずれか2つずつが組み合わされた性質を有する材料、または断熱性、弾性および誘電加熱性の全てを兼ね備えた材料が採用される。
【0036】
敷設体17として、断熱材料が採用されるのは、自身は発熱しない各電極板13,14を通して誘電加熱された包装食品Fから放熱されるのを防止し、これによって包装食品Fの加熱効率が低下するのを防止するためである。断熱材料としては、材料中に気泡を多く含むもの、例えばパーライト、珪藻土、アルミナ粉末、カーボンバルン等の粉末粒子を板状に成形したものや、アスベストや裁断した紙等の繊維片状物を板状に成形したものや、ガラス繊維、シリカ・アルミナ繊維、綿等の繊維品の成形品や、各種の合成樹脂製の発泡体(ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、シリコンゴムフォーム等)などを挙げることができる。
【0037】
また、敷設体17として弾性材料が採用されるのは、敷設体17を標準的な厚み寸法より若干厚めに厚さ設定しておくことにより、各電極板13,14間の距離と包装食品Fの厚み寸法との間にばらつきが存在しても、このばらつきは敷設体17の圧縮弾性変形によって吸収され、これによって各電極板13,14と包装食品Fとの間の隙間の形成が確実に防止され、隙間の存在による誘電加熱効率の低下を確実に防止することができる。かかる弾性材料としては、粉末粒子の成形品を除いて断熱材料と重なっているが、これらの他にゴム製のものを好適品としてあげることができる。
【0038】
また、敷設体17として誘電加熱が可能な材料が採用されるのは、包装食品Fの誘電加熱時に敷設体17も発熱し、加熱された敷設体17からの包装食品Fへの熱伝導によって包装食品Fの加熱効率を向上することができるからである。かかる材料としては、シリコンゴム、ポリビニルクロライド、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0039】
そして、本実施形態においては、敷設体17は、誘電加熱が可能でかつ柔軟に圧縮弾性変形し得るとともに、断熱性にも優れたシリコンゴムによって形成されている。従って、収納室11a内の包装食品Fを各電極板13,14と金属板12との間に挟持した状態で、敷設体17は包装食品Fの底部に押圧されて圧縮弾性変形し、これによって包装食品Fの底部は、各電極板13,14との間に空気の層を介在させることなく敷設体17を介して各電極板13,14に当接することになる。
【0040】
このような状態で収納室11a内に装填された包装食品Fは、各電極板13,14から高周波が印加されると、包装食品Fの底部と各電極板13,14との間に空気層が存在しないことにより、高周波が有効に包装食品F内に供給されて誘電加熱効率が向上するとともに、敷設体17が誘電加熱されて高温になるため、各電極板13,14を介した放熱が阻止される他、この敷設体17からの伝熱によっても包装食品Fが加熱され、さらなる誘電加熱効率の向上が図られる。因みに、本実施形態においては、敷設体17の材料としてシリコンゴムが採用されている。
【0041】
また、各容器本体11の金属板12に対する対向面には、図1に示すように、各収納室11aを取り囲むようにシリコンゴム等の弾性材料からなるOリング11cが装着されている。そして、容器本体11が金属板12に積層された状態でOリング11cが、図4に示すように、弾性変形することによって収納室11aの気密性が確保されるようにしている。
【0042】
また、容器本体11は、その側面に取り付けられたワンタッチ操作が可能な流体継手18を有している。この流体継手18は、収納室11aに高圧流体(本実施形態においては高圧空気を使用)を導入するためのものであり、そのために、容器本体11内には、図4に示すように、流体継手18からの高圧空気を各収納室11a内に導くための流体通路11dが設けられている。
【0043】
従って、収納室11a内の包装食品Fが誘電加熱されつつある状態で、外部から流体継手18および流体通路11dを介して高圧空気を収納室11a内に導入することにより、包装食品Fが100℃以上に加熱されても内部の水分が沸騰することがなく、これによって包装食品Fの破袋を確実に防止するようになされている。
【0044】
さらに、各電極板13,14には、高周波発振器35aからの高周波を給電する給電フィン35bに対応した受電フィン19が設けられている。この受電フィン19は、各電極板13,14から長手方向の外方に向かって細長く延設され、細長い金属板の先端部が互いに反対方向に向かって直角に折り曲げることによって形成されている。
【0045】
一方、各給電フィン35bは、断面視でコ字状に形成されて互いに対向配置され、各受電フィン19が対応した給電フィン35bのコ字状の隙間に遊嵌されることによって高周波発振器35aからの高周波が給電フィン35bを介して受電フィン19に受電されるようになっている。
【0046】
上記連結部材16は、一対の容器本体11が開閉可能になるように一対の容器本体11を互いに連結するものであり、各容器本体11を後述する一対の挟持板150を介して連結するように長手方向一対で設けられている。かかる連結部材16は、T字形状を呈し、各挟持板150の端縁間に架設される連結部材本体16aと、この連結部材本体16aの中央部から直交方向に突設された中間電極板支持杆16bとからなっている。
【0047】
連結部材本体16aの両端部はそれぞれ各挟持板150に連結軸16c回りに相対回動自在に連結され、各電極板13,14を連結軸16c回りに正逆回動操作することにより、殺菌容器1は、各容器本体11が金属板12を介して互いに積層された、図2に示す閉止状態と、各容器本体11が離間して収納室11aが上方に向かって開放された、図1に示す開放状態との間で開閉し得るようになっている。
【0048】
上記各中間電極板支持杆16bは、互いの対向面に長手方向に向けて延びるように凹設された支持溝16dをそれぞれ有している。これらの支持溝16dに金属板12の対向縁部をそれぞれ圧入することによって金属板12が連結部材16に装着された状態になるようにしている。
【0049】
また、各中間電極板支持杆16bの先端部の外面側にはそれぞれ殺菌容器1の長手方向に向けて突設された、殺菌容器1の姿勢を変更するための姿勢変更軸16eが設けられている。これらの姿勢変更軸16eは、後述する殺菌容器1の反転操作時や起立姿勢と横臥姿勢との間の姿勢変更時に回動中心として利用されるものである。
【0050】
殺菌容器1の反転は、包装食品Fの温度分布を均一にするために行われる。すなわち、包装食品Fが誘電加熱されつつある状態では、包装食品F内で対流現象が起こり、温度の高い流動物が上方に移動して包装食品Fの上部が下部に比べて高温になるが、殺菌容器1を反転させることによる強制攪拌によって上記の温度の不均一が解消するのである。
【0051】
上記金属板12は、包装食品F内の電界密度の均一化を図るために設けられるものであり、例えばアルミニウム合金によって形成され、長手方向に向かう中心線に沿い、かつ、各包装食品Fに対応した位置に温度センサ12aが埋設されているとともに、長手方向の一方の端部に接続端子12bが設けられ、温度センサ12aが検出した金属板12内の温度がこの接続端子12bを介して図略の検出装置により検出されるようになっている。本実施形態においては、各容器本体11に設けられる収納室11aの数、すなわち4室に対応させて4つの温度センサ12aが金属板12に埋設されている。
【0052】
そして、殺菌容器1が横臥姿勢(図3)に姿勢設定されて誘電加熱されつつある状態で温度センサ12aによる温度検出を行い、これによって各包装食品Fの代表温度を知るようにしている。包装食品Fの加熱温度を知るために金属板12の温度を検出するようにしているのは以下の理由による。
【0053】
すなわち、包装食品Fの収納された各収納室11aが金属板12によって閉止された状態では、金属板12が、図3に示すように、上下の容器本体11によって挟持された状態になっており、従って、金属板12の中央部には、誘電加熱された上下の包装食品Fの熱が伝達されるとともに、この伝熱時の金属板12内での熱の拡散によって、金属板12は包装食品Fの局所的な温度のばらつきが相殺された温度になるため、包装食品Fの1点の温度を直接検出した場合より正確に包装食品Fの全体的な代表温度を検出することができるからである。
【0054】
上記挟持部材15は、殺菌容器1を構造的に丈夫にするためと、殺菌容器1の閉止状態(図2および図3)を確実にロックするためのものであり、一対の容器本体11を挟持する挟持板150と、容器本体11を挟持した状態の各挟持板150を離間しないようにロックするロックアーム15aとを備えて形成されている。
【0055】
上記挟持板150は、所定厚み寸法の金属製の板によって形成され、容器本体11より若干大きい平面寸法を有している。かかる挟持板150は、長手方向の各縁部が連結部材本体16aの端部に連結軸16c回りに回動自在に軸支されている。また、各挟持板150には、長手方向に延びる中心線に沿い、かつ、上記各収納室11aに対応するように4つの水入れ孔150aが穿設され、冷却工程でこれらの水入れ孔150aから内部に冷却水が侵入することにより、収納室11a内の包装食品Fが金属板12を介して効果的に冷却されるようになされている。
【0056】
上記ロックアーム15aは、各挟持板150における上記連結部材16に連結されている位置と反対側の縁部に一対で設けられている。かかるロックアーム15aは、上部電極板13にねじ止めで固定される雌係止アーム15bと、この雌係止アーム15bに対応して下部電極板14にねじ止めで固定される雄係止アーム15cとから構成されている。
【0057】
雌係止アーム15bは、L字状に形成され、その基端側(図3における上部)が一方の挟持板150に引っ掛けられた状態でねじ止めされている。また、雄係止アーム15cも雌係止アーム15bと同様にL字状に形成されて雌係止アーム15bに対応するように他方の挟持板150に固定されている。
【0058】
また、雌係止アーム15bの先端部には、その中央部が凹設されて形成した嵌込み凹部15dが設けられている一方、雄係止アーム15cの先端部には、上記嵌込み凹部15dに嵌り込む嵌込み凸部15eが突設され、殺菌容器1が閉止された状態で、図3に示すように、嵌込み凸部15eが嵌込み凹部15dに嵌り込むように各係止突片16a,16bの形状および寸法が設定されている。
【0059】
そして、各係止突片16a,16bの先端部には、図1に示すように、互いに対応したロック孔15fが穿設され、嵌込み凹部15dに嵌込み凸部15eが嵌め込まれた状態で各ロック孔15fにロックピン15gを差し込むことによって、図2および図3に示すように、各係止突片16a,16bが互いに係止され、これによって殺菌容器1の閉止状態が維持されるようになっている。
【0060】
このような殺菌容器1の構成によれば、まず殺菌容器1を、図1に示すように開放し、この状態で開口が上方に向いた各容器本体11の収納室11aに包装食品Fを装填し、ついで、各挟持板150を下方から上方に向けて突き上げることによって連結軸16c回りに互いに反対方向に回動させた後、各係止突片16a,16bのロック孔15fにロックピン15gを差し通すことにより、殺菌容器1は、図2に示すように、起立姿勢に姿勢設定される。
【0061】
そして、一旦起立姿勢(図2)に設定された殺菌容器1は、図3に示す横臥姿勢に姿勢変更された後、後述する搬送手段の駆動によって搬送されつつ高周波発振器35aからの高周波が給電フィン35b、受電フィン19および各電極板13,14を介して収納室11a内の包装食品Fに供給され、これによる誘電加熱で包装食品Fに殺菌処理が施されることになる。
【0062】
このような殺菌容器1は、図2に示すように、後述する加熱殺菌装置3の一対のタイミングベルト31cに装着されている。タイミングベルト31cは、殺菌容器1の挟持部材15間を挟むように幅方向一対で設けられている。各タイミングベルト31cには、幅方向で対向した軸受部材310cがそれぞれ固定されている一方(図2では図示の都合上一方の軸受部材310cのみを示している)、上記各姿勢変更軸16eがこれらの軸受部材310cに軸心回りに回転自在に軸支され、これによって殺菌容器1は、姿勢変更軸16e回りに正逆共回りし得るるとともに、タイミングベルト31cの移動に同伴して移動するようになっている。
【0063】
そして、上記各姿勢変更軸16eの先端には、それぞれピニオン160eが同心で固定されている一方、殺菌容器1の搬送路の適所における機枠31a(図6)にラック311cが固定され、タイミングベルト31cの前進による殺菌容器1の移動でピニオン160eがラック311cに噛合することによりピニオン160eが姿勢変更軸16e回りに時計方向に回動し、これによって殺菌容器1の姿勢を変更することができるようになっている。
【0064】
ラック311cの歯数は、殺菌容器1の要求される姿勢変更の度合いに応じて設定されている。例えば、図2に示す起立姿勢の殺菌容器1を90°回転させて図3に示す横臥姿勢に姿勢変更するときは、ラック311cの端数は、ピニオン160eの歯数の1/4に設定され、図3に示す横臥姿勢の殺菌容器1を上下180°反転させるときには、ラック311cの歯数は、ピニオン160eの歯数の1/2に設定される。かかるピニオン160eおよびラック311cを設けることにより、搬送路の所望の位置で殺菌容器1の姿勢を必要量だけ変更することが可能になる。
【0065】
また、搬送路におけるラック311cの前後位置における一対のタイミングベルト31c間には、設定された殺菌容器1の姿勢を維持させるための一対の案内レール312cが敷設され、所定の姿勢に設定された殺菌容器1の下面部がこれらの案内レール312cに摺接することによって搬送されつつある殺菌容器1の設定姿勢が維持されるようになっている。
【0066】
図5は、本発明に係る殺菌容器1の使用を前提とした包装食品の製造工程を説明するための工程図である。この工程図に示すように、包装食品Fは、所定のトレーに包装食品Fの内容物(食品)を充填する食品充填ラインP1と、この食品充填ラインR1で得られた包装食品Fに殺菌処理を施す殺菌ラインP2と、殺菌ラインR2で殺菌処理が施された包装食品Fを梱包する梱包ラインP3とを経て製造され、引き続き梱包ラインP3を介して出荷される。
【0067】
食品充填ラインP1は、食品充填用のトレーF0を成形するトレー成形工程P11と、成形されたトレーF0に所定の食品を装填する食品充填工程P12と、食品の装填されたトレーF0に蓋を被せてシールするシール工程P13と、連なった複数の包装食品Fを型抜きしてばらばらに分離する型抜き工程P14とからなっている。
【0068】
上記トレー成形工程P11においては、原料ロール20からトレーF0の原料になる合成樹脂製のトレー用シート21が順次引き出されて所定の金型22間に供給され、金型22の底部の空気を吸引除去する、いわゆるブロー成形によって軟化状態のトレー用シート21に連続的にトレーF0を形成させるようにしている。
【0069】
上記食品充填工程P12においては、トレー用シート21の移動で連なって送られてきたトレーF0に、まず液状食品充填装置23から液状食品を供給し、引き続き固形食品充填装置24から固形食品を供給するようにしている。
【0070】
上記シール工程P13においては、蓋ロール25からトレーF0の蓋になる合成樹脂製の蓋用シート26が順次引き出され、移動しているトレー用シート21の上面に積層されることによって、食品の装填されたトレーF0の上面開口が順次閉止される。引き続き、合成樹脂シートの熱溶着に用いられる、いわゆるシーラー27の駆動で蓋用シート26をトレー用シート21に溶着することによって食品はトレーF0内に密封された状態になる。
【0071】
上記型抜き工程P14においては、連なって順次移送されてきたトレーF0内に食品が密封された状態のトレー用シート21および蓋用シート26を、プレスマシン28の駆動で順次切断して包装食品Fをばらばらに分離する、いわゆる型抜き操作が実行され、これによってばらばらになった包装食品Fが得られる。これらの包装食品Fは、整列させられた後つぎの殺菌ラインP2に送り込まれて所定の殺菌処理が施される。
【0072】
上記殺菌ラインP2は、循環搬送路に沿って搬送される、上記食品充填ラインP1から送り込まれた包装食品Fに対して殺菌処理を順次施すものであり、投入工程P21、容器閉止工程P22、容器転倒工程P23、高圧空気導入工程P24、誘電加熱工程P25、測温工程P26、冷却工程P27、容器開放工程P28、および包装食品取出し工程P29とを備えて構成されている。
【0073】
上記投入工程P21は、開放された殺菌容器1(図1)の容器本体11の収納室11aに食品充填ラインP1から送り込まれた包装食品Fを投入(装填)する工程である。
【0074】
上記容器閉止工程P22は、投入工程P21で容器本体11の収納室11aに包装食品Fが装填された状態の殺菌容器1を閉止して起立姿勢(図2)に姿勢設定するとともに、ロック孔15f(図1)にロックピン15g(図2)を挿通することにより殺菌容器1の閉止状態をロックする工程である。
【0075】
上記容器転倒工程P23は、図2に示す起立姿勢の殺菌容器1を横転して搬送路上(すなわち図2に示す案内レール312c上)に図3に示すように横臥させる工程である。このような容器転倒工程P23が必要な理由は、殺菌容器1が起立姿勢に姿勢設定されたまま(図2の状態)では、殺菌容器1を移動させながら各電極板13,14に対向配置された受電フィン19に給電フィン35b(図3)からの高周波を受電させることができないためである。
【0076】
上記高圧空気導入工程P24は、流体継手18を介して収納室11a内に高圧空気を導入する工程である。この高圧空気導入工程P24において略1.4気圧に昇圧された高圧空気が流体継手18を介して収納室11a内に導入され、これによってつぎの誘電加熱工程P25で収納室11a内の包装食品Fが130℃以上に加熱されても、包装食品F内の水分の沸騰が阻止され、これによって包装食品Fの破袋が起こらないようにしている。
【0077】
上記誘電加熱工程P25は、横臥姿勢に姿勢設定された殺菌容器1(図3)の各電極板13,14に対して高周波を印加することにより収納室11a内の包装食品Fを誘電加熱し、これによって包装食品Fに殺菌処理を施す工程である。この工程は、さらに給電工程P251と、反転工程P252とに区分され、給電工程P251において所定時間の各電極板13,14に対する高周波印加が実行されるとともに、反転工程P252において殺菌容器1が上下反転され、この反転動作による攪拌効果で包装食品F内の温度分布の不均一を解消するようになされている。かかる給電工程P251および反転工程P252は、誘電加熱工程P25において所定回数繰り返され、これによって包装食品Fの均一加熱の実現を期すようにしている。
【0078】
上記測温工程P26は、誘電加熱工程P25において殺菌処理が完了した包装食品Fの温度を検出して殺菌処理が正常に実行されたか否かをチェックする工程である。この工程で包装食品Fが予め設定された殺菌温度より高温になっているか否かがチェックされ、殺菌温度より低いものは、後の包装食品取出し工程P29において不良品として系外に排出される。
【0079】
上記冷却工程P27は、測温工程P26が実行された後の包装食品Fを殺菌容器1ごと水槽内の水中に没入させることにより強制冷却する工程である。この冷却工程P27の実行により、130℃以上であった包装食品Fは、略60℃にまで冷却されることになる。
【0080】
上記容器開放工程P28は、冷却工程P27後の殺菌容器1を開放する工程であり、殺菌容器1は、ロックアーム15aからロックピン15gが引き抜かれたのち開放され、これによって収納室11a(図1)内の包装食品Fは外部に露出した状態になる。
【0081】
上記包装食品取出し工程P29は、殺菌容器1が開放されることにより外部に露出した容器本体11の収納室11a内の包装食品Fを取り出す工程である。また、この工程では測温工程P26で不良品とされた包装食品Fを排除するようになされている。
【0082】
このような殺菌ラインP2における各工程は、加熱殺菌装置により実行されるが、この加熱殺菌装置については、後に図6を基に詳細に説明する。
【0083】
上記梱包ラインP3は、殺菌ラインP2から送り込まれた殺菌処理済みの包装食品Fを梱包して出荷するためのものであり、冷却水を散水して包装食品Fを常温にまで冷却する二次冷却工程P31と、この二次冷却工程P31での散水によって外周面に付着した水滴を取り除く乾燥工程P32と、乾燥後の包装食品Fの所定個数ずつをダンボール箱に装填して梱包する梱包工程P33とからなっている。そして、梱包工程P33でダンボール箱に梱包された包装食品Fは出荷されることになる。
【0084】
図6は、上記殺菌ラインP2を実行するために使用される加熱殺菌装置の一実施形態を示す側面視の説明図である。この図に示すように、加熱殺菌装置3は、殺菌容器1に対して垂直面に沿って周回する搬送路に直交する方向で水平方向に延びるような姿勢を維持させながら殺菌容器1を時計方向に周回搬送する搬送手段31を有している。
【0085】
そして、この搬送手段31は、垂直面内で周回駆動する後述のタイミングベルト31cを有しており、このタイミングベルト31cに沿うように、搬送されつつある殺菌容器1の収納室11aに包装食品Fを投入する食品投入手段32と、収納室11aに包装食品Fが投入された殺菌容器1を閉止する閉止手段33と、包装食品Fが投入され、かつ、起立姿勢に設定された殺菌容器1を横転させて横臥姿勢に姿勢変更する容器横転手段34と、容器横転手段34によって横臥姿勢に姿勢設定された殺菌容器1の収納室11a(図1)内に高圧空気を導入する高圧空気導入手段340とが設けられている。
【0086】
また、高圧空気導入手段340の下流側(搬送手段31の周回方向)には、横臥姿勢に姿勢変更された殺菌容器1の各電極板13,14に対して高周波を供給する高周波供給手段35と、加熱途中の殺菌容器1を上下反転させる反転手段36、誘電加熱後の包装食品Fの温度を検出する測温手段37と、温度検出後の包装食品Fを殺菌容器1ごと冷却する冷却水槽30と、横臥姿勢に姿勢設定されている冷却後の殺菌容器1を起立姿勢に姿勢変更する起立手段38と、起立姿勢の殺菌容器1を開放して収納室11a内の包装食品Fを外部に露出する開放手段39と、および包装食品Fを殺菌容器1から取り出す食品取出し手段390とが設けられ、食品取出し手段390のつぎには最初の食品投入手段32に戻るようになっている。
【0087】
上記搬送手段31は、前後方向に延びる長尺の機枠31aと、この機枠31aの四隅部にそれぞれ軸回りに回転自在に設けられた4対のスプロケット31bと、各スプロケット31b間に張設された、例えばポリテトラフルオロエチレン製等の絶縁材料からなる幅方向一対のタイミングベルト31c(内面側にスプロケット31bに噛合する歯が形成されたベルト)と、いずれかのスプロケット31bを回転させる駆動モータ31dとからなっている。そして駆動モータ31dの駆動によるスプロケット31bの軸回りの時計方向に向かう回転によってタイミングベルト31cが時計方向に周回し、これによってタイミングベルト31cに軸受部材310cおよび姿勢変更軸16eを介して装着された殺菌容器1が周回しながら内部の包装食品Fに順次所定の処理が施されるようになっている。
【0088】
上記食品投入手段32は、タイミングベルト31cの往きベルト(上部のスプロケット31b間に張設されているベルト)の中央部より若干上流側(図6の左方)に設けられている。この食品投入手段32は例えばロボットアームを有し、このロボットアームの作動により、食品充填ラインP1から送り込まれてストックされ、かつ、整列されている包装食品Fが収納室11a(図1)内に逐一投入されるようになっている。
【0089】
上記閉止手段33は、食品投入手段32の直ぐ下流側であって、タイミングベルト31cの下方位置に1ピッチ分隔てて設けられている。この閉止手段33は、開放している殺菌容器1の一対の容器本体11を、例えば上下駆動可能の押圧ロッドの上動によって突き上げ、これによって一対の容器本体11を、金属板12を挟んで対向させることにより殺菌容器1を閉止するように構成されている。
【0090】
また、閉止手段33は、殺菌容器1の閉止状態をロックする図略のロック機構を有しており、このロック機構の駆動によってロックアーム15a(図2)のロック孔15f(図1)にロックピン15gが差し込まれ、これによって殺菌容器1の閉止状態が維持されるようになっている。
【0091】
上記容器横転手段34は、閉止手段33の直ぐ下流側に1ピッチ分離間して設けられている。かかる容器横転手段34は、図2に示すラック311cが、ピニオン160eに対応するように機枠31aに固定されて形成されている。このラック311cの歯数は、ピニオン160eの歯数の1/4に設定され、これによってタイミングベルト31cの周回で殺菌容器1がラック311cに差し掛かると、ラック311cに噛合したピニオン160eが90°だけ姿勢変更軸16e回りに時計方向に回転し、起立姿勢であった殺菌容器1が横臥姿勢に姿勢変更されるようになっている。姿勢変更した殺菌容器1は、案内レール312c(図2)上に摺接状態になるため、以後は横臥姿勢が維持された状態で前進することになる。この横転によって殺菌容器1は、各電極板13,14が上下で対向し、以後の誘電加熱に備えられることになる。
【0092】
上記高圧空気導入手段340は、圧縮ポンプと、この圧縮ポンプからの高圧空気を殺菌容器1に向けて送出する配管と、この配管の先端に設けられた接続機構とを備えて構成されている。そして、殺菌容器1が横臥姿勢に姿勢設定された状態で、接続機構の動作により配管の先端が各容器本体11に設けられている流体継手18(図3)に接続されて高圧空気が流体継手18および流体通路11d(図4)を介して収納室11a内に導入されるようになっている。この高圧空気の導入によって、包装食品Fが誘電加熱で100℃以上に昇温しても、水分の沸騰が抑制されて包装食品Fの破袋が防止されるようにしている。
【0093】
上記高周波供給手段35は、高周波発振器35aと、この高周波発振器35aからの高周波を殺菌容器1の受電フィン19に給電する給電フィン35bとを備えて構成されている。給電フィン35bは、図3および図4に示すように、端面視でコ字状に形成され、タイミングベルト31cに沿って開口を対向させた状態で上下一対が設けられている。上部の給電フィン35bは、上部電極板13の受電フィン19に対応するものであり、下部の給電フィン35bは、下部電極板14の受電フィン19に対応するものである。
【0094】
そして、各受電フィン19の先端部が対応した給電フィン35bのコ字状の隙間に非接触状態で嵌め込まれることによって、高周波発振器35aからの高周波が受電フィン19を介して各電極板13,14に供給され、収納室11a内に収納されている包装食品Fが誘電加熱されるようになっている。
【0095】
上記給電フィン35bは、下流側に向かって1ピッチ分の長さ寸法のものが、1ピッチ分離間した状態で複数組が設けられている。図6においては、図示の都合上、2対の給電フィン35bのみを示して他は省略している。
【0096】
殺菌容器1がタイミングベルト31cの周回で給電フィン35bに到達すると、上下の受電フィン19の直角に折れ曲がった先端部が上下の給電フィン35bの隙間に離間状態で嵌まり込み、受電フィン19が給電フィン35bを通り過ぎるまでの間、殺菌容器1内の包装食品Fは、高周波発振器35aからの高周波が印加された状態になり、このときの誘電加熱で殺菌処理が施されることになる。
【0097】
上記反転手段36は、給電フィン35b間に設けられ、受電フィン19が給電フィン35bから抜け出た直後の殺菌容器1を上下反転するものである。かかる反転手段36は、図2に示すラック311cが、ピニオン160eに対応するように機枠31aに固定されて形成されている点については先の容器横転手段34と同様である。そして反転手段36の場合、ラック311cの歯数は、ピニオン160eの歯数の1/2に設定され、これによってタイミングベルト31cの周回で殺菌容器1がラック311cに差し掛かると、ラック311cに噛合したピニオン160eが180°だけ姿勢変更軸16e回りに時計方向に回転して上下反転されるようになっている。この場合も、反転した殺菌容器1は案内レール312c(図2)上に摺接状態で載置され、以後は反転状態が維持されたまま前進してつぎの給電フィン35bに向かうことになる。
【0098】
上記反転動作が行われるのは、上下の包装食品Fにおける各内容物は、上部側の方が下部側より高温になる傾向にあるため、殺菌容器1を反転することによって今まで下部電極板14であったものを新たな上部電極板13とし、これによって今まで各包装食品の下部位置にあった内容物を上部に移して加熱され易くし、各包装食品Fの内容物の温度の均一化を図るためである。さらに、包装食品Fを上下反転することによる内容物の攪拌効果が温度の均一化に寄与することも期待される。
【0099】
そして、上下反転した殺菌容器1は、タイミングベルト31cの周回移動によってつぎの給電フィン35bに到達し、この給電フィン35bからの受電によって上下逆転した殺菌容器1内の包装食品Fに高周波が印加されることになる。
【0100】
測温手段37は、最下流側の給電フィン35bを通過した殺菌容器1の金属板12の温度を測定するものであり、金属板12の接続端子12bに着脱自在に接続される可動接続端子と、この可動接続端子を介して入力される温度センサ12a(図1)からの検出信号を変換して温度信号とするとともに、その温度を表示する温度計とを備えている。
【0101】
この測温手段37によって得られた金属板12の温度信号は、図略の制御装置に入力されて予め設定されている殺菌温度(例えば130℃)を越えているか否かが判別され、殺菌温度を越えていないものが存在した場合、その殺菌容器1が食品取出し手段390に到達した時点で制御装置はその殺菌容器1内の包装食品Fが不良品であることを示す信号を食品取出し手段390に出力し、食品取出し手段390はこの信号に基づいて不良品を排除するようになっている。
【0102】
上記冷却水槽30は、高周波供給手段35によって誘電加熱された包装食品Fを殺菌容器1から取り出す前に所定の温度(例えば60℃)にまで冷却するためのものであり、内部に冷却水が充填されている。かかる冷却水槽30は、タイミングベルト31cの略下半分が冷却水に浸漬されるに充分な容量を有しているとともに、底面および上流側および下流側の内壁面が所定の間隔(殺菌容器1の厚み寸法より若干大きい間隔)を保持してタイミングベルト31cに沿うように形状設定され、これによって殺菌容器1がタイミングベルト31cに誘導されつつ冷却水槽30内を通過し得るようになっている。
【0103】
また、冷却水槽30の上流側および下流側の内壁面位置には、上方に向かって延設された案内フード30aが設けられている。これらの案内フード30aは、所定の間隔(殺菌容器1の厚み寸法より若干大きな間隔)を有してタイミングベルト31cと平行になるように形状設定されている。かかる案内フード30aの存在によって殺菌容器1が安定した状態で冷却水槽30内に誘導されるとともに、安定した状態で冷却水槽30から外部に導出されるようになっている。
【0104】
上記起立手段38は、冷却水槽30から上方に抜け出て往きベルト上に戻った横臥姿勢の殺菌容器1を起立姿勢に姿勢変更するためのものであり、上下動可能に構成された図略の押圧ロッドをタイミングベルト31cの下方位置から、タイミングベルト31cの中央部に形成された隙間を通して突き上げることにより殺菌容器1を起すようにしている。
【0105】
上記開放手段39は、閉止状態の殺菌容器1を開放するためのものであり、ロックアーム15aに装着されているロックピン15gを引き抜くピン抜出機構と、ロックピン15gを引き抜いた後の一対の容器本体11を連結軸16c回りに互いに離反方向に回動させる回動機構とを有している。かかる開放手段39の駆動によって、閉止状態がロックされていた殺菌容器1は開放され、これによって収納室11a内の包装食品Fは外部に露出した状態になる。
【0106】
上記食品取出し手段390は、開放された殺菌容器1の収納室11aから殺菌処理済みの包装食品Fを取り出すためのものであり、ロボットアームの先端に吸盤を備えた図略の吸引手段を有し、この吸引手段の駆動による吸引空気流によって収納室11a内の包装食品Fを吸盤に吸い付けて取り出すように構成されている。取り出された包装食品Fは、梱包ラインP3に向けて送り出されることになる。
【0107】
なお、先にも説明したように、測温手段37による測温結果に基づいて不良品と判定された包装食品Fを有する殺菌容器1が食品取出し手段390に到達したときは、不良品は梱包ラインP3には送出されずに系外に排除されるようになっている。
【0108】
かかる加熱殺菌装置3の構成によれば、駆動モータ31dの駆動によるタイミングベルト31cの周回に同伴させて複数の殺菌容器1を周回させることにより、まず食品投入手段32が殺菌容器1の収納室11aに包装食品Fを投入し、ついで閉止手段33が開放している殺菌容器1を閉止することにより一対の容器本体11の各収納室11a内に収納されている包装食品Fが金属板12を挟持して対向した状態になり、この状態の殺菌容器1は、容器横転手段34によって横転させられて横臥姿勢に姿勢設定され、引き続き容器横転手段34によって各収納室11a内に高圧空気が導入され、ついで高周波供給手段35による高周波印加で収納室11a内の包装食品Fは誘電加熱されるとともに、誘電加熱間に反転手段36によって上下が反転されて包装食品Fの温度分布の均一化が図られ、誘電加熱が終了した時点で測温手段37によって包装食品Fの温度がチェックされ、ついで殺菌容器1は、冷却水槽30内に導入されることにより強制的に冷却され、起立手段38で起立姿勢に姿勢変更された後、開放手段39によって閉止していた殺菌容器1が開放され、最後に食品取出し手段390によって収納室11a内の包装食品Fが取り出されてつぎの梱包ラインP3に向けて送り出されることになる。
【0109】
このような誘電加熱による一連の殺菌処理が、タイミングベルト31cの周回に同期して自動的に次々と実行されるため、人手を介することなく極めて効率的に包装食品Fに対して殺菌処理を施すことができる。
【0110】
そして、本発明に係る殺菌容器1は、対向配置される電極板13,14の内面間に介設された包装食品Fに電極板13,14を介して高周波を印加することにより包装食品Fに対する加熱殺菌処理を施す包装食品Fの加熱殺菌装置3に用いられるものであり、各電極板13,14の内面側に敷設体17を備えてなるものであるため、包装食品Fは、対向配置される電極板13,14間に挟まれることにより、少なくとも一方の内面側に敷設された敷設体17に当接した状態になるため、この敷設体17の存在でたとえ対向電極板13,14間の距離が包装食品Fの厚み寸法より大きいときでも、包装食品Fを敷設体17を介して電極板13,14に当接させることが可能になり、これによって包装食品Fの誘電加熱が適切に行われる。
【0111】
また、包装食品Fは、銘柄によって厚み寸法が異なるもあるが、このような場合、銘柄毎に装置の仕様を変更しなくても、敷設体17をその包装食品Fに合ったものに交換するだけで対応することが可能であり、加熱殺菌装置の汎用性が向上する。
【0112】
そして、敷設体17を断熱材料によって形成することにより、電極板13,14を通して誘電加熱された包装食品Fの放熱を防止することができ、加熱効率が向上した状態で包装食品Fに誘電加熱による確実な殺菌処理が施される。
【0113】
また、敷設体17として弾性材料を採用することにより、敷設体17を標準的な厚み寸法より若干厚めに寸法設定しておくことで電極板13,14間の距離と包装食品Fの厚み寸法との間にばらつきが存在しても、このばらつきは敷設体17の圧縮弾性変形によって吸収され、これによって電極板13,14と包装食品Fとの間の空気層の形成が確実に防止され、空気層の存在による誘電加熱効率の低下が抑制される。
【0114】
また、敷設体17として誘電加熱が可能な材料を採用すれば、包装食品Fの誘電加熱時に敷設体17も発熱し、加熱された敷設体17からの包装食品Fへの伝熱によって包装食品Fの加熱効率を向上させることができる。
【0115】
さらに、敷設体17を断熱性、弾性および誘電加熱性の少なくとも2つの性質を有する材料によって形成することにより、敷設体17の有する2つの作用を同時に受けることが可能になり、これらの相加作用で包装食品Fに対してさらに確実な殺菌処理を施すことができる。
【0116】
図7は、本発明に係る敷設体17が適用された殺菌容器の他の実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、容器が開放された状態、(ロ)は、容器が閉止された状態をそれぞれ示している。この実施形態の殺菌容器1aは、一対の容器本体110が開口を対向させた状態で上下で対向配置されているとともに、これら対向配置された一対の容器本体110間に金属板120が四辺形リンク構造4を介して挟持された基本構造を有している。四辺形リンク構造4は、同一長さ寸法の4本のリンクアーム41が各端部でそれぞれ相対回動可能に連結されることによって形成されている。
【0117】
また、上部の容器本体110の上面には上部電極板13が積層固定されているとともに、下部の容器本体110の底面には下部電極板14が積層固定されている。上部電極板13の中央位置には上部ピン42が取り付けられているとともに、下部電極板14の中央位置には下部ピン43が固定され、各ピン42,43にそれぞれ2本のリンクアーム41が相対回動可能に連結されている。
【0118】
そして、上部ピン42および下部ピン43に軸支された各2本のリンクアーム41は、それぞれ対応するもの同士がそれぞれ中間ピン44を介して相対回動可能に連結されている一方、金属板120は、その端面に長手方向に延びるように穿設された一対のガイド長孔121を有しており、各中間ピン44がこれらのガイド長孔121に嵌め込まれることによって金属板120が四辺形リンク構造4に支持された状態で一対の容器本体110間に配設されることになる。
【0119】
かかる容器本体110の底部であって各電極板13,14の対向面には敷設体17がそれぞれ接着剤を介して敷設されているとともに、金属板120の表裏面にも敷設体17がそれぞれ接着剤を介して敷設されている。
【0120】
かかる殺菌容器1aの構成によれば、上部電極板13および下部電極板14を互いに離間方向に移動させることにより、四辺形リンク構造4のリンク運動によって中間ピン44がガイド長孔121内を互いに接近する方向に移動し、これによって、図7の(イ)に示すように、金属板120が水平状態を維持したままで各容器本体110が開放される。この状態で、各容器本体110の収納室11a内に包装食品Fが装填される。包装食品Fの装填は、所定の治具を用いて横方から行われる。なお、図7の(イ)では、図示の都合上、上部の容器本体110の収納室11aに逆さま状態で包装食品Fが装填された状態を描いているが、実際には金属板120上に逆さま状態で包装食品Fが載置される。
【0121】
ついで、各電極板13,14を互いに接近する方向に移動させることにより(具体的には、各電極板13,14をそれぞれ対向方向に押圧することにより)、中間ピン44がガイド長孔121内を互いに離間方向に移動し、これによって金属板120の水平状態が維持されたまま上下の容器本体110が金属板120に当接して収納室11aが閉止される。
【0122】
この実施形態の殺菌容器1aによれば、四辺形リンク構造4を採用したことにより、簡単な構造でありながら金属板120を挟んで一対の容器本体110を対向配置することが可能になり、殺菌容器1aのコスト低減を図る上で有効である。
【0123】
また、収納室11aが閉止された状態で包装食品Fは、それらの底部が各電極板13,14の対向面に積層された敷設体17を押圧した状態で同底部が敷設体17に密着しているとともに、各容器本体110の入口側は、その縁部が金属板120の表裏に積層された敷設体17を押圧して弾性変形させた状態になっているため、包装食品Fと各電極板13,14および金属板120との間に隙間ができるようなことはなく、これによって包装食品Fに対する効率的な加熱処理が実現する。
【0124】
図8は、本発明の敷設体17が適用される加熱殺菌装置の他の実施形態を示す側面視の断面図である。この実施形態の加熱殺菌装置3aは、耐圧容器5と、この耐圧容器5内で上下に対向対置される上部電極板13および下部電極板14と、各電極板13,14に高周波を印加する高周波発振器35aと、耐圧容器5内に圧縮空気を送り込む圧縮ポンプ6とを備えた基本構成を有している。各電極板13,14の対向面には敷設体17がそれぞれ敷設されている。また、この実施形態では、包装食品F間に金属板12が介設されていない。
【0125】
高周波発振器35aと各電極板13,14とを電気的に接続するリード線350aは、耐圧容器5の側壁を貫通して配線されている。上記側壁のリード線350aが貫通する部分には絶縁体50が配設され、この絶縁体50の存在で耐圧容器5とリード線350aとが電気的に絶縁状態になるようにしている。
【0126】
耐圧容器5の一方の側壁には開閉扉51が設けられ、この開閉扉51を開放した状態で耐圧容器5内の各電極板13,14間に金属板12を介して包装食品Fを装填し得るとともに、開閉扉51を閉止することにより耐圧容器5内が密封状態を維持し得るようになっている。
【0127】
また、上記上部電極板13は、押圧手段52(例えばばねや油圧等の押圧手段)を介して耐圧容器5内の天井面に固定され、包装食品Fを各電極板13,14間に挟持させることにより、押圧手段52の押圧力によって包装食品Fが各電極板13,14間に押圧挟持された状態になるように構成されている。
【0128】
かかる加熱殺菌装置3aによれば、圧縮ポンプ6の駆動で耐圧容器5内を所定の高圧に圧力設定した状態で高周波発振器35aからの高周波を各電極板13,14を介して包装食品Fに印加することにより、金属板12を挟んで上下の電極板13,14間に挟持された包装食品Fは誘電加熱され、これによって包装食品Fに殺菌処理が施される。
【0129】
そして、耐圧容器5内は、圧縮ポンプ6の駆動で常圧よりも高圧に圧力設定されているため、包装食品Fが100℃以上に加熱されても、内部の水分が沸騰することはなく、従って、包装食品Fの破袋は確実に防止される。また、一対の包装食品F間には金属板12が介設されているため、先に説明したように、上下の包装食品Fについてそれぞれ均一加熱が実現する。なお、図8では、耐圧容器5内に2つの包装食品Fが装填された図を例示しているが、耐圧容器5を大きな耐圧室とし、この耐圧室内で多くの包装食品Fを一度に加熱処理するようにしてもよい。
【0130】
さらに、各電極板13,14の対向面には敷設体17がそれぞれ接着剤を介して積層され、この敷設体17は、包装食品Fの当接面の凹凸に沿うように弾性変形するため、包装食品Fと各電極板13,14との間には全く隙間がない状態になり、包装食品Fに対して誘電加熱を効率的に行い得る状態になる。
【0131】
図9は、さらに他の殺菌容器1bの実施形態を示す一部切欠き斜視図である。この実施形態では、殺菌容器1bは合成樹脂製の円筒容器1cによって形成されている。そして、この円筒容器1cの底部には、底部開口を閉止するように円形に裁断された敷設体17が接着剤を介して敷設されている。
【0132】
かかる殺菌容器1bによれば、包装食品をこの殺菌容器1bの一対にそれぞれ装填したのち各殺菌容器1bの開口側の縁部を互いに当接させた状態で一対の殺菌容器1bを対向電極間に挟持させることによって2つの包装食品は敷設体17を介して電極に挟持された状態になる。
【0133】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0134】
(1)上記の実施形態においては、包装食品Fは、一対の容器本体11の収納室11aに収納された状態で金属板12を介して互いに対向させられているが、包装食品Fが耐圧容器に収納されている場合や、殺菌温度を100℃以下に設定する、いわゆる低温殺菌を採用する場合等では、容器本体11の存在は必須ではなく、包装食品Fで金属板12を挟持した状態で上部電極板13および下部電極板14で上下の包装食品Fを挟持するだけでよく、特に容器本体11に包装食品Fを収納しなくても誘電加熱で包装食品Fが破袋するような不都合を回避することができる。上記耐圧容器としてはプラスチックを使用したトレーや袋を挙げることができる。
【0135】
(2)上記の実施形態においては、殺菌容器1は、1つの容器本体11当り4つの収納室11aが設けられることにより合計8つの収納室11aを有しているが、本発明は、1つの容器本体11当り4つの収納室11aを設けることに限定されるものではなく、3つ以下でもよいし、5つ以上であってもよい。
【0136】
(3)上記の実施形態においては、金属板12を一対の容器本体11間に挟持するようにしているが、こうする代わりに容器本体として深めのものを1つだけ採用し、この容器本体内に包装食品Fを1つ装填した後で中間電極板を容器本体内で包装食品Fに積層し、さらにこの中間電極板の上に包装食品Fを重ねた状態で上部および下部電極板13,14で容器本体を挟持するようにしてもよい。こうすることによって、金属板12を介して容器本体11を積み重ねつつ収納室11a内に包装食品Fを装填するような面倒な作業を行うことなく、容器本体内に包装食品F、中間電極板および包装食品Fを順次積層するだけで殺菌容器内に包装食品Fを装填することが可能になり、装填作業が容易になる他、殺菌容器の構成も簡単なものになる。
【0137】
(4)上記の実施形態においては、上部電極板13および下部電極板14に高周波を印加する一方、金属板12には高周波を印加しないようにしているが、こうする代わりに、金属板12に高周波出力の一方のラインに接続するとともに、各電極板13,14に他方のラインを接続するようにしてもよい。例えば電極板13,14をアースしてもよい。
【0138】
(5)上記の図1〜図4に示す実施形態の殺菌容器1においては、挟持板150の収納室11aに対応した位置にそれぞれ1つずつの円形の水入れ孔150aを穿設しているが、かかる円形の水入れ孔150aに代えて、小さな孔を多数設けてもよいし、多数のスリットを設けてもよい。
【0139】
(6)上記の実施形態においては、包装食品Fとしてトレイタイプのものを例に挙げて説明したが、本発明は、包装食品Fがトレイタイプのものであることに限定されるものではなく、合成樹脂製の袋に食品が収納されたもの等、上面と下面とが平行に形成されているものであれば、どのようなものでもよい。また、誘電加熱が可能なものであれば、包装食品Fの中身は問わない。
【0140】
【実施例】
敷設体17の材質および厚み寸法が包装食品Fの温度分布にどのような影響を及ぼすかを調べるために、図10に示すように、2個の包装食品Fを上下に積層した状態で敷設体17を介して電極板13,14で挟持して包装食品Fの所定側定点の温度を測定し、温度分布を調べる試験を実施した。試験条件は以下の通りである。
(1) 敷設体の種類 シリコンゴム(3種類)
・第1シリコンゴム(赤色のもの)
・第2シリコンゴム(煉瓦色のもの)
・第3シリコンゴム(乳白色のもの)
(2) 敷設体の厚み寸法
・ケース1:上部→第1シリコンゴム 1.5mm
:下部→第1シリコンゴム 5.0mm
・ケース2:上部→第1シリコンゴム 1.5mm
:下部→第2シリコンゴム 5.0mm
→第1シリコンゴム 3.0mm
・ケース3:上部→敷設体を使用せず
:下部→第1シリコンゴム 2.0mm
・ケース4:上部→第3シリコンゴム 0.5mm
:下部→第1シリコンゴム 1.5mm
・ケース5:上部→第3シリコンゴム 0.5mm
:下部→第1シリコンゴム 1.0mm
(3) 包装食品の種類
・外観形状:ピロータイプ
・内容物:ソフトクリームミックス
・ (200ml/個)
・供試個数:2個
(4) 高周波の印加条件
・高周波出力:1.8kw〜1.0kw
・印加方法:10秒間隔の間欠印加(10秒印加して10秒休止。但し、間欠的であっても1.8kwの高周波を印加し続けると包装食品が破袋するおそれがあることから、包装食品の最高温度が140℃を越えた時点から出力を1.0kwに落とした。)
(5) 温度測定位置図10に「×」印で示すように、上部の包装食品Fが上部の敷設体17と接している位置の中央部、上下の包装食品Fが接している位置の中央部、および下部の包装食品Fが下部の敷設体17と接している位置の中央部を選び、上、中、下の縦方向の温度分布を測定した。
【0141】
測定結果を表1に示す。なお、表1においては各ケースにおける上、中、下の平均温度を示すとともに、上、中、下の温度のばらつき(標準偏差)をそれぞれ示している。
【0142】
【表1】
【0143】
表1から判るように、下部電極板14にのみ敷設体17を敷いて上部電極板13には敷設体17を用いなかった場合(ケース3)には、通常は温度の低い包装食品Fの下部の方が高温になっており、このことから敷設体17を使用することにより顕著な保温効果の得られることが確認された。
【0144】
ついで、上下において同一種類のシリコンゴムを用いた場合(ケース1)では、上部および下部の第1シリコンゴムの厚さ寸法を1.5mmおよび5.0mmにすることにより、包装食品Fの上下の温度差が非常に小さくなることが確認された。
【0145】
さらに、上下でシリコンゴムの種類を変えた場合(ケース2、ケース4およびケース5)について試験結果を見てみると、上部に0.5mm厚の第3シリコンゴムを用いるとともに、下部に1.5mm厚の第1シリコンゴムを用いたケース4の温度ばらつきが4.4℃と最も低く、この組み合わせでシリコンゴムを敷設体17として使用すれば、誘電加熱時の包装食品Fの温度分布が均一になることを見出した。
【0146】
ついで、上記ケース4のシリコンゴムの組み合わせによる均一加熱に再現性が存在するか否かを確認するために、以下の再現性確認テストを4回(ケース1′〜ケース4′)行った。
【0147】
シリコンゴムについては、上部のものとして0.5mm厚のものを採用するとともに、下部のものとして1.5mm厚のものを採用した。包装食品の種類、高周波の印加条件および温度測定位置については、先の試験と同様とした。試験結果は表に2示す通りである。
【0148】
【表2】
【0149】
表2から判る通り、包装食品Fの上、中、下の温度分布のばらつき(標準偏差)は、0.4℃〜3.1℃と極めて低い値になっており、先の試験結果が再現性のあることを確認することができた。
【0150】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、包装食品は、対向配置される電極間に挟まれることにより、少なくとも一方の内面側の全接触面に敷設された敷設体に当接した状態になるため、この敷設体の存在でたとえ対向電極間の距離が包装食品の厚み寸法より大きいときでも、包装食品を敷設体を介して電極に当接させることが可能になり、これによって包装食品を適切かつ効率的に誘電加熱することができる。
【0151】
また、包装食品は、銘柄によって厚み寸法が異なるもあるが、このような場合、銘柄毎に装置の仕様を変更しなくても、敷設体をその包装食品に合ったものに交換するだけで対応することが可能であり、加熱殺菌装置の汎用性を向上させることができる。さらに、敷設体として誘電加熱が可能な材料を採用しているため、包装食品の誘電加熱時に敷設体も発熱し、加熱された敷設体からの包装食品への伝熱による加熱効率の向上が実現した上で、包装食品に確実な殺菌処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加熱殺菌容器の一実施形態を示す斜視図であり、加熱殺菌容器が開放された状態を示している。
【図2】 本発明に係る加熱殺菌容器の一実施形態を示す斜視図であり、閉止された加熱殺菌容器が起立姿勢に姿勢設定された状態を示している。
【図3】 本発明に係る加熱殺菌容器の一実施形態を示す斜視図であり、閉止された加熱殺菌容器が横臥姿勢に姿勢設定された状態を示している。
【図4】 横臥姿勢に設定された状態の殺菌容器の断面図である。
【図5】 本発明に係る殺菌容器の使用を前提とした包装食品の製造工程を説明するための工程図である。
【図6】 殺菌ラインにおける殺菌処理を実行するための加熱殺菌装置の一実施形態を示す側面視の説明図である。
【図7】 本発明に係る敷設体が適用された殺菌容器の他の実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、容器が開放された状態、(ロ)は、容器が閉止された状態をそれぞれ示している。
【図8】 本発明の敷設体が適用される加熱殺菌装置の他の実施形態を示す側面視の断面図である。
【図9】 殺菌容器のさらに他の実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【図10】 包装食品の誘電加熱による温度分布を調べる試験を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 殺菌容器
11 容器本体
11a 収納室
12 金属板
13 上部電極板
14 下部電極板
15 挟持部材
16 連結部材
17 敷設体
18 流体継手
19 受電フィン
3,3a 加熱殺菌装置
31 搬送手段
32 食品投入手段
33 閉止手段
34 容器横転手段
340 高圧空気導入手段
35 高周波供給手段
35a 高周波発振器
35b 給電フィン
36 反転手段
37 測温手段
38 起立手段
39 開放手段
390 食品取出し手段
4 四辺形リンク構造
5 耐圧容器
F 包装食品[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for heat sterilizing so-called packaged food sealed in a packaging container.
[0002]
[Prior art]
The spread of so-called sealed packaged foods in which various kinds of foods are sealed in packaging containers such as plastic bags and trays is remarkable, and now such packaged foods play a considerable part in the diet. Such packaged food is generally subjected to heat sterilization treatment at the final stage after sealing the predetermined food in a packaging container. Depending on the type of food, heat cooking (thermal aging treatment) is performed to improve the flavor of the food by this heating.
[0003]
Conventionally, such heat sterilization at the final stage was generally performed by boiling or retort, but there was a large temperature difference between the surface and the center of the packaged food, and the center at the lowest temperature In order to completely sterilize, the processing time becomes longer and at the same time the surface part is overheated, the color, flavor and texture of that part deteriorate, and the smell of the packaging container moves to the food surface. Had. Therefore, with the aim of shortening the sterilization time, the applicant firstly configured a high-frequency heating apparatus configured such that a large number of packaged foods are loaded in a flat annular container and the container is disposed between high-frequency counter electrodes. (Patent No. 2875198).
[0004]
According to such a high-frequency heating device, the inside of the container loaded with the packaged food is sealed by the counter electrode in contact with the edge of the container, and therefore the packaged food is sealed in the container (food storage chamber). Thus, it is possible to heat to 100 ° C. or higher, which makes it possible to perform a reliable sterilization process in a short time.
[0005]
However, in the apparatus of Japanese Patent No. 2875198, since a large number of packaged foods are loaded in the food storage chamber, the temperature to be heated tends to vary among the packaged foods, so that all of the loaded packaged foods can be reliably ensured. In order to perform the sterilization treatment, it was necessary to control the temperature so that the lower limit temperature of the variation became the sterilization temperature. However, this raises the problem that more heat energy for heating is required and the energy cost increases.
[0006]
In addition, although not as much as boiling or retort, the upper limit of the variation is overheated, resulting in a problem of deterioration in color, flavor, and texture.
[0007]
Therefore, the applicant prepares many sterilization containers that can be loaded with only one of the packaged foods as an improved type that solves such problems, and loads each packaged food one by one, Proposals have been made for sterilizing apparatuses configured to subject dielectric food by applying high frequency to packaged food in each sterilization container (Japanese Patent Laid-Open Nos. 10-304855, 10-304856, and 11-9243). ).
[0008]
In this improved sterilization apparatus, the packaged foods are dielectrically heated one by one, so that the variation in the heating temperature between the packaged foods becomes extremely small, and the heating temperature is increased more than necessary due to the reduced variation. It becomes unnecessary, and it becomes possible to contribute to reduction of energy cost after ensuring a reliable sterilization treatment.
[0009]
In addition, there is no overheated portion in the packaged food, and as a result, the deterioration of color, flavor, and texture is greatly reduced over the entire packaged food.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, packaged foods are usually sealed with a packaged or semi-cooked food made of a synthetic resin bag or tray. In order to supply the food, high frequency must be efficiently applied to the food inside through the packaging container.
[0011]
However, even if a high frequency is uniformly and efficiently applied to the packaged food, the packaged food with a large dielectric loss is surely dielectrically heated when a high frequency is being applied to the packaged food sandwiched between the counter electrodes. On the other hand, since the counter electrode made of a conductor has good thermal conductivity and is not dielectrically heated, the heat of the heated packaged food is dissipated through these counter electrodes, thereby the counter electrode of the packaged food. Inconvenience occurs in that the temperature of the portion in contact with the temperature is lower than the temperature of the central portion. And when such non-uniform temperature distribution occurs, there arises a problem that reliable sterilization cannot be performed efficiently over the entire packaged food.
[0012]
This is a problem raised even when the improved dielectric heating method described in JP-A-10-304855, JP-A-10-304856, and JP-A-11-9243 is adopted. .
[0013]
In addition, when processing a large number of packaged foods, it is difficult to precisely match the thickness dimensions between the packaged foods even if they are the same type. Some variation will occur between the two. Even in an individual packaged food, the surface in contact with the electrode is not always an accurate flat surface, and variations in thickness dimensions due to some unevenness and portions occur. When such irregularities and variations exist, an air layer exists between the electrode and the surface of the packaged food, and the high-frequency distribution in that portion is biased, making uniform heating difficult.
[0014]
The present invention has been made in view of the above situation, and can ensure a uniform and reliable sterilization treatment to obtain a good quality sterilized food and energy required for sterilization. It aims at providing the heat sterilization apparatus and heat sterilization method of the packaged food which can aim at reduction of cost.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The invention described in
[0016]
According to the present invention, the packaged food comes into contact with the laying body laid on all the contact surfaces on at least one inner surface side by being sandwiched between the electrodes arranged opposite to each other. Even when the distance between the counter electrodes is larger than the thickness dimension of the packaged food, the packaged food can be brought into contact with the electrode through the laying body, thereby appropriately heating the packaged food. . In addition, since a material capable of dielectric heating is used as the laying body, the laying body also generates heat during the dielectric heating of the packaged food, and the heat from the packaged food to the electrode is replenished by replenishing the heat lost by the heat dissipation of the electrode. By preventing the migration, uneven heating of the packaged food is reliably prevented.
[0017]
Furthermore, in the invention according to claim 2, since the laying body further has at least one of heat insulation and elasticity, the packaged food can receive at least one of the heat insulation and elasticity at the same time. Thus, the sterilization treatment is more reliably performed by these additive actions.
[0018]
A third aspect of the invention is characterized in that, in the first or second aspect of the invention, the laying body is formed of a plate-like body having a predetermined thickness.
[0019]
According to this invention, since the laying body is a plate-like body, one or both of the upper surface and the lower surface of the packaged food are in full contact with the laying body. The packaged food is reliably heated uniformly.
[0020]
The invention described in
[0021]
According to the present invention, when the packaged food is loaded between the electrodes, the packaged food is sandwiched between the laid bodies without performing the operation of sandwiching the laid body between the packaged food and the electrodes.
[0022]
The invention according to claim 5 is the invention according to any one of
[0023]
According to the present invention, the packaged food is loaded into the cylinder, and the laying body is sandwiched between the packaged food and the electrode by sandwiching the cylinder between both electrodes. The packaged food comes into contact with the laying body without performing the work of sandwiching each one.
[0024]
The invention according to claim 6 is the claim 5 In the described invention, a plurality of packaged foods are stored in series in the through hole, and a metal plate is interposed between the packaged foods stored in series.
[0025]
According to this invention, for example, when packaged foods are arranged in series vertically, a metal plate is interposed between the packaged foods adjacent to each other in the upper and lower sides, so that the potential between the upper and lower packaged foods is constant by the metal plate. Therefore, an equal electric field distribution can be secured for the upper and lower packaged foods, and each packaged food is uniformly heated.
[0026]
Therefore, when a plurality of packaged foods are loaded in the storage room in the absence of a metal plate, the heating temperature of each packaged food varies due to uneven electric field distribution between the upper and lower packaged foods, and all packaged foods On the other hand, the conventional inconvenience that it is difficult to perform a reliable sterilization process in a short time is solved, and a reliable and efficient sterilization process for a plurality of packaged foods becomes a reality.
[0027]
And since the multiple packaged foods in the storage room via the metal plate are always heated uniformly with very little variation between the packaged foods, the occurrence of overheated parts is prevented and reliable sterilization treatment is performed. This contributes to the reduction of energy costs.
[0028]
The invention according to claim 7 is the invention according to claim 6, wherein the metal plate is attached to a sheet body formed of a material having at least one of a heat insulating property, an elastic property and a dielectric heating property on the plate surface. It is characterized by being.
[0029]
The invention according to claim 8 is a heat sterilization method for packaged food, wherein the packaged food is subjected to heat sterilization using the invention according to any one of
[0030]
According to this invention, the packaged food is appropriately heat-sterilized by dielectric heating after ensuring the effects of claims 1-7.
[0031]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 3 are perspective views showing an embodiment of a heat sterilization container according to the present invention, FIG. 1 is a state in which the heat sterilization container is opened, and FIG. 2 is a standing view of the closed heat sterilization container. FIG. 3 shows a state in which the posture is set to the posture, and FIG. 3 shows a state in which the closed heat sterilization container is set in the lying posture.
[0032]
As shown in these drawings, the
[0033]
The
[0034]
FIG. 4 is a cross-sectional view of the
[0035]
In addition, a sheet-
[0036]
A heat insulating material is used as the laying
[0037]
Further, the elastic material is adopted as the laying
[0038]
In addition, a material capable of dielectric heating is adopted as the laying
[0039]
In the present embodiment, the laying
[0040]
When the packaged food F loaded in the
[0041]
Further, as shown in FIG. 1, an O-
[0042]
Moreover, the container
[0043]
Therefore, in a state where the packaged food F in the
[0044]
Furthermore, the
[0045]
On the other hand, the
[0046]
The connecting
[0047]
Both end portions of the connecting member
[0048]
Each of the intermediate electrode
[0049]
Further, on the outer surface side of the front end portion of each intermediate electrode
[0050]
Inversion of the
[0051]
The
[0052]
And the temperature detection by the
[0053]
That is, in the state where each
[0054]
The sandwiching
[0055]
The
[0056]
The
[0057]
The
[0058]
The
[0059]
As shown in FIG. 1, lock holes 15 f corresponding to each other are formed at the distal ends of the locking
[0060]
According to such a configuration of the
[0061]
The
[0062]
As shown in FIG. 2, such a
[0063]
A
[0064]
The number of teeth of the
[0065]
Further, a pair of
[0066]
FIG. 5 is a process diagram for explaining a packaged food manufacturing process based on the use of the
[0067]
The food filling line P1 includes a tray forming step P11 for forming a tray F0 for filling food, a food filling step P12 for loading a predetermined food into the formed tray F0, and a cover on the tray F0 loaded with food. And a sealing process P13 for sealing, and a die cutting process P14 for punching out a plurality of continuous packaged foods F and separating them separately.
[0068]
In the tray forming step P11, the synthetic resin tray sheet 21 used as the raw material of the tray F0 is sequentially drawn from the raw material roll 20 and supplied between the predetermined dies 22, and the air at the bottom of the dies 22 is sucked. The tray F0 is continuously formed on the softened tray sheet 21 by so-called blow molding.
[0069]
In the food filling step P12, the liquid food is first supplied from the liquid food filling device 23 and then the solid food is supplied from the solid food filling device 24 to the tray F0 sent continuously by the movement of the tray sheet 21. I am doing so.
[0070]
In the sealing step P13, the synthetic resin lid sheet 26 which is the lid of the tray F0 is sequentially pulled out from the lid roll 25 and stacked on the upper surface of the moving tray sheet 21, thereby loading the food. The upper surface opening of the tray F0 is closed sequentially. Subsequently, the lid 26 is welded to the tray sheet 21 by driving a so-called sealer 27, which is used for the thermal welding of the synthetic resin sheet, so that the food is sealed in the tray F0.
[0071]
In the die cutting process P14, the tray sheet 21 and the lid sheet 26 in a state where the food is sealed in the tray F0 that has been successively transferred in succession are sequentially cut by driving the press machine 28, and the packaged food F A so-called die-cutting operation for separating the pieces into pieces is performed, and thereby the packaged food F is obtained in pieces. These packaged foods F are aligned and then sent to the next sterilization line P2 to be subjected to a predetermined sterilization treatment.
[0072]
The sterilization line P2 sequentially sterilizes the packaged food F fed from the food filling line P1 conveyed along the circulation conveyance path. The sterilization process P21, the container closing process P22, the container It comprises a tipping process P23, a high-pressure air introduction process P24, a dielectric heating process P25, a temperature measurement process P26, a cooling process P27, a container opening process P28, and a packaged food take-out process P29.
[0073]
The charging step P21 is a step of charging (loading) the packaged food F sent from the food filling line P1 into the
[0074]
The container closing process P22 closes the
[0075]
The container overturning step P23 is a step of causing the
[0076]
The high-pressure air introduction process P24 is a process for introducing high-pressure air into the
[0077]
In the dielectric heating step P25, the packaged food F in the
[0078]
The temperature measuring step P26 is a step of detecting whether or not the sterilization process has been normally executed by detecting the temperature of the packaged food F that has been sterilized in the dielectric heating process P25. In this step, it is checked whether or not the packaged food F is higher than a preset sterilization temperature, and those lower than the sterilization temperature are discharged out of the system as defective products in the subsequent packaged food take-out process P29.
[0079]
The cooling step P27 is a step of forcibly cooling the packaged food F after the temperature measurement step P26 is executed by immersing the sterilized
[0080]
The container opening process P28 is a process of opening the
[0081]
The packaged food take-out process P29 is a process of taking out the packaged food F in the
[0082]
Each process in such a sterilization line P2 is performed by a heat sterilizer, and this heat sterilizer will be described in detail later with reference to FIG.
[0083]
The packing line P3 is for packing and shipping the sterilized packaged food F sent from the sterilization line P2, and cooling the sprayed water F to room temperature by spraying cooling water. A process P31, a drying process P32 for removing water droplets adhering to the outer peripheral surface by watering in the secondary cooling process P31, and a packing process P33 for packing a predetermined number of packaged food F after drying in a cardboard box It is made up of. Then, the packaged food F packed in the cardboard box in the packing process P33 is shipped.
[0084]
FIG. 6 is an explanatory diagram of a side view showing an embodiment of the heat sterilization apparatus used for executing the sterilization line P2. As shown in this figure, the heat sterilizer 3 keeps the
[0085]
And this conveyance means 31 has the below-mentioned
[0086]
In addition, on the downstream side of the high-pressure air introducing means 340 (around direction of the conveying means 31), a high-
[0087]
The conveying means 31 includes a
[0088]
The food input means 32 is provided slightly upstream (leftward in FIG. 6) from the center of the forward belt of the
[0089]
The closing means 33 is provided immediately downstream of the food input means 32, and is provided at a position below the
[0090]
Further, the closing means 33 has a lock mechanism (not shown) that locks the closed state of the
[0091]
The container roll-over means 34 is provided on the immediately downstream side of the closing means 33 with one pitch separation. The container rollover means 34 is formed by fixing a
[0092]
The high-pressure air introducing means 340 includes a compression pump, a pipe for sending high-pressure air from the compression pump toward the
[0093]
The high-frequency supply means 35 includes a high-
[0094]
Then, the tip of each
[0095]
A plurality of sets of the
[0096]
When the
[0097]
The inversion means 36 is provided between the
[0098]
The above reversal operation is performed because the contents in the upper and lower packaged foods F tend to be hotter on the upper side than on the lower side. This is used as a new
[0099]
And the
[0100]
The temperature measuring means 37 measures the temperature of the
[0101]
The temperature signal of the
[0102]
The cooling
[0103]
A
[0104]
The standing means 38 is for changing the position of the
[0105]
The opening means 39 is for opening the
[0106]
The food take-out means 390 is for taking out the sterilized packaged food F from the opened
[0107]
As described above, when the
[0108]
According to the configuration of the heat sterilization apparatus 3, the food input means 32 first has the
[0109]
Since a series of such sterilization processes by dielectric heating are automatically executed one after another in synchronization with the rotation of the
[0110]
And the
[0111]
In addition, the packaged food F may vary in thickness depending on the brand. In such a case, the laying
[0112]
And by forming the laying
[0113]
Further, by adopting an elastic material as the laying
[0114]
Further, if a material capable of dielectric heating is adopted as the laying
[0115]
Furthermore, by forming the laying
[0116]
FIG. 7 is an explanatory view in a side view showing another embodiment of the sterilization container to which the laying
[0117]
The
[0118]
Each of the two
[0119]
A laying
[0120]
According to the configuration of the sterilization container 1a, the
[0121]
Next, by moving the
[0122]
According to the sterilization container 1a of this embodiment, the adoption of the
[0123]
In addition, the packaged food F is in close contact with the laying
[0124]
FIG. 8 is a cross-sectional side view showing another embodiment of the heat sterilization apparatus to which the laying
[0125]
A
[0126]
An opening / closing
[0127]
The
[0128]
According to the
[0129]
And since the pressure vessel 5 is set to a pressure higher than the normal pressure by driving the compression pump 6, even if the packaged food F is heated to 100 ° C. or higher, the water inside does not boil, Therefore, the packaged food F is prevented from being broken. Moreover, since the
[0130]
Furthermore, the laying
[0131]
FIG. 9 is a partially cutaway perspective view showing still another embodiment of the
[0132]
According to the
[0133]
The present invention is not limited to the above embodiment, and includes the following contents.
[0134]
(1) In the above embodiment, the packaged food F is opposed to each other via the
[0135]
(2) In the above embodiment, the
[0136]
(3) In the above embodiment, the
[0137]
(4) In the above embodiment, high frequency is applied to the
[0138]
(5) In the
[0139]
(6) In the above embodiment, the packaged food F has been described by taking the tray type as an example, but the present invention is not limited to the packaged food F being of the tray type, Any material may be used as long as the upper surface and the lower surface are formed in parallel, such as a food stored in a synthetic resin bag. Moreover, the content of the packaged food F will not be ask | required if dielectric heating is possible.
[0140]
【Example】
In order to examine how the material and the thickness of the laying
(1) Types of laid bodies Silicon rubber (3 types)
・ First silicone rubber (red)
・ Second silicone rubber (brick color)
・ 3rd silicone rubber (milky white)
(2) Laying body thickness dimension
・ Case 1: Upper → 1st silicon rubber 1.5mm
: Bottom → 1st silicon rubber 5.0mm
・ Case 2: Upper part → 1st silicon rubber 1.5mm
: Bottom → 2nd silicon rubber 5.0mm
→ 1st silicon rubber 3.0mm
・ Case 3: Upper part → Do not use laying body
: Bottom → 1st silicon rubber 2.0mm
・ Case 4: Top → 3rd silicon rubber 0.5mm
: Bottom → 1st silicon rubber 1.5mm
・ Case 5: Top → 3rd silicon rubber 0.5mm
: Bottom → 1st silicon rubber 1.0mm
(3) Types of packaged food
・ Appearance shape: Pillow type
・ Contents: Soft cream mix
・ (200ml / piece)
・ Number of samples: 2
(4) Application conditions of high frequency
・ High frequency output: 1.8 kW to 1.0 kW
-Application method: intermittent application at intervals of 10 seconds (apply 10 seconds and pause for 10 seconds. However, if the high frequency of 1.8 kw is continuously applied even if intermittent, the packaged food may break the bag, When the maximum temperature of the packaged food exceeded 140 ° C., the output was reduced to 1.0 kW.)
(5) Temperature measurement position As shown by “x” in FIG. 10, the center of the position where the upper packaged food F is in contact with the
[0141]
The measurement results are shown in Table 1. In Table 1, the average temperatures of the upper, middle, and lower temperatures in each case are shown, and the variation (standard deviation) of the upper, middle, and lower temperatures is shown.
[0142]
[Table 1]
[0143]
As can be seen from Table 1, when the laying
[0144]
Next, in the case where the same type of silicon rubber is used in the upper and lower sides (case 1), the thickness of the upper and lower first silicon rubbers is set to 1.5 mm and 5.0 mm, so that It was confirmed that the temperature difference was very small.
[0145]
Further, when the test results are seen for the case where the type of silicon rubber is changed up and down (case 2,
[0146]
Subsequently, the following reproducibility confirmation test was performed four times (
[0147]
About silicon rubber, the thing of 0.5 mm thickness was employ | adopted as an upper part, and a 1.5 mm thickness was employ | adopted as a lower part. The type of packaged food, high-frequency application conditions, and temperature measurement position were the same as in the previous test. The test results are as shown in Table 2.
[0148]
[Table 2]
[0149]
As can be seen from Table 2, the variation (standard deviation) in the upper, middle, and lower temperature of the packaged food F is as low as 0.4 ° C to 3.1 ° C, and the previous test results are reproduced. We were able to confirm that there is sex.
[0150]
【The invention's effect】
According to the invention described in
[0151]
In addition, the thickness of packaged food may vary depending on the brand, but in such cases, it is possible to replace the laying body with one that matches the packaged food without changing the equipment specifications for each brand. It is possible to improve the versatility of the heat sterilizer. In addition, since the material that can be heated by dielectric is used for the laying body, the laying body also generates heat during the dielectric heating of the packaged food, and the heating efficiency is improved by heat transfer from the heated laying body to the packaged food. In addition, the packaged food can be reliably sterilized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an embodiment of a heat sterilization container according to the present invention, showing a state in which the heat sterilization container is opened.
FIG. 2 is a perspective view showing an embodiment of the heat sterilization container according to the present invention, and shows a state where the closed heat sterilization container is set in a standing posture.
FIG. 3 is a perspective view showing an embodiment of the heat sterilization container according to the present invention, and shows a state where the closed heat sterilization container is set in a lying posture.
FIG. 4 is a cross-sectional view of the sterilization container in a recumbent posture.
FIG. 5 is a process diagram for explaining a packaged food manufacturing process based on the use of the sterilization container according to the present invention.
FIG. 6 is an explanatory view in a side view showing an embodiment of a heat sterilization apparatus for executing a sterilization process in a sterilization line.
FIG. 7 is a side view illustrating another embodiment of the sterilization container to which the laying body according to the present invention is applied. (A) is a state in which the container is opened, and (B) is a state in which the container is opened. Each closed state is shown.
FIG. 8 is a side sectional view showing another embodiment of the heat sterilization apparatus to which the laying body of the present invention is applied.
FIG. 9 is a partially cutaway perspective view showing still another embodiment of the sterilization container.
FIG. 10 is an explanatory diagram for explaining a test for examining a temperature distribution by dielectric heating of packaged food.
[Explanation of symbols]
1,1a, 1b Sterilization container
11 Container body
11a storage room
12 Metal plate
13 Upper electrode plate
14 Lower electrode plate
15 Clamping member
16 Connecting member
17 Laying body
18 Fluid coupling
19 Power receiving fin
3,3a Heat sterilizer
31 Conveying means
32 Food input means
33 Closing means
34 Container rollover means
340 High-pressure air introduction means
35 High frequency supply means
35a high frequency oscillator
35b Feeding fin
36 Reversing means
37 Temperature measuring means
38 Standing means
39 Opening means
390 Food removal means
4 Quadrilateral link structure
5 Pressure vessel
F Packaged food
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