JP4455927B2 - バックアップ処理方法及び実施装置並びに処理プログラム - Google Patents

バックアップ処理方法及び実施装置並びに処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行うバックアップ処理に関し、特にバックアップ処理時間や回復処理時間の見積もりを容易にするバックアップ処理に適用して有効な技術に関するものである。
従来、情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行う際には、バックアップ容量の削減策として差分バックアップ方法が用いられており、差分を管理する方法としては差分ビットマップを用いる方法がある。この差分ビットマップを用いたバックアップ処理方法では、差分ビットマップの更新ビット数に応じて差分バックアップまたはFULLバックアップを行っている(例えば特許文献1参照)。
特開平7−84728号公報
前記従来のバックアップ処理方法では、スケジュール管理により所定日時にバックアップ処理要求が行われるのが基本だが、バックアップ容量を考慮したスケジュールはされていない。スケジュール管理により所定日時に差分バックアップを行った場合、バックアップされるデータ量が毎回異なる為、バックアップ処理時間に差異が生じ、バックアップ処理時間を見積もるのが困難になるという問題がある。また、万が一の障害時に回復処理の対象となるバックアップデータのデータ量も毎回異なることになる為、回復処理時間の見積もりも困難になるという問題がある。
本発明の目的は上記問題を解決し、所定サイズの差分バックアップを取得することでバックアップ処理や回復処理に必要な処理時間の見積もりを容易化することが可能な技術を提供することにある。
本発明は、情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行うバックアップ処理装置において、更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の所定の基準値に達した場合に、その更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するものである。
本発明のバックアップ処理装置(計算機や情報処理装置、またはその様な処理を実施するプログラムやオブジェクトでも良い)では、記憶装置内のデータが更新されたかどうかをビットマップで管理する為の更新ビットマップ管理表をホストコンピュータ側または記憶装置サブシステム側のいずれかの記憶装置上に用意しておく。
本発明のビットマップ処理部は、データベース処理等の実行により記憶装置上のバックアップ対象領域のデータが更新されると、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を記憶装置中の更新ビットマップ管理表に格納した後、更新ビットマップ管理表から更新ビット情報を読み出してその数をカウントする。
そして、そのカウントした更新ビット情報の数と差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値とを比較し、更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合には、当該更新ビット情報に対応するデータのバックアップをバックアップ処理部に指示する。
ここで、前記差分バックアップ基準値は、差分バックアップデータを格納する記憶領域のサイズと更新ビット情報に対応するデータのサイズとから算出されるものとする。例えばバックアップ用領域へアクセスして、差分バックアップデータを格納する記憶領域のサイズを取得した後、その取得したサイズを、単一の更新ビット情報に対応するデータのサイズで除算して余りを切り捨てた結果を差分バックアップ基準値とする。
また、バックアップの取得に割り当てられている時間と単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップに必要な時間とから前記差分バックアップ基準値を算出するものとしても良い。すなわち、バックアップの取得に割り当てられている時間を、単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップ対象領域からバックアップ用領域への転送に必要な時間で除算して余りを切り捨てた結果を差分バックアップ基準値としても良い。
本発明のバックアップ処理部は、前記バックアップ指示をビットマップ処理部から受け付けて記憶装置中の更新ビットマップ管理表に格納されている更新ビット情報を読み出し、その更新ビット情報に対応するデータを記憶装置中のバックアップ対象領域から読み出してバックアップ用領域へ格納して差分バックアップの取得を行う。
前記の様に本発明では、更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に差分バックアップの取得を行うので、差分バックアップデータのサイズが、差分バックアップ基準値に対応した所定サイズになり、その差分バックアップの取得に必要な処理時間の見積もりを容易に行うことが可能となる。また障害発生時に回復処理を行う場合でも、所定サイズの差分バックアップからの回復を行うことになるので、差分バックアップからの回復に必要な処理時間の見積もりを容易に行うことができる。
本発明によれば更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の所定の基準値に達した場合に、その更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するので、所定サイズの差分バックアップを取得することでバックアップ処理や回復処理に必要な処理時間の見積もりを容易化することが可能である。
(実施形態1)
以下にデータベース処理で用いられるデータベースデータのバックアップを行う実施形態1のバックアップ処理装置について説明する。
図1は本実施形態のバックアップ処理装置の概略構成を示す図である。図1に示す様に本実施形態のホストコンピュータ100は、質問解析処理部101と、DB演算処理部102と、DBバッファ管理部103と、チェックポイント処理部104と、ビットマップ処理部105と、バックアップ処理部106と、リカバリ処理部107とを有している。
質問解析処理部101は、データベースの処理要求を受け付けて解析する処理部である。DB演算処理部102は、前記解析した処理要求の内容に応じてデータベースの演算処理を行う処理部である。DBバッファ管理部103は、ストレージ装置110から受信したDBブロックをDBバッファ108に格納して管理し、DBバッファ108を介したストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111へのアクセスを制御する処理部である。
チェックポイント処理部104は、DBバッファ108の内容をストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111へ反映させる必要が生じた場合に、DBバッファ108で更新された全DBブロックの書き込み要求をホストコンピュータ100からストレージ装置110へ送信し、更新ビットマップ管理表109の更新をビットマップ処理部105へ指示する処理部である。
ビットマップ処理部105は、バックアップ対象DB領域111内のデータが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109に格納し、その更新ビットマップ管理表109中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、当該バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示する処理部である。本実施形態では、更新ビットマップを用いて更新箇所の管理を行っているが、更新箇所の位置情報や識別情報を用いる方法を採ることもできる。
バックアップ処理部106は、前記バックアップ指示を受け付けて主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109に格納されている更新ビット情報を読み出し、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータを差分バックアップ用ボリューム113へ複写したりバックアップ対象DB領域111内の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写する処理を行って、バックアップを取得する処理部である。
リカバリ処理部107は、障害発生時に、FULLバックアップ用ボリューム112や差分バックアップ用ボリューム113からバックアップ対象DB領域111へデータを複写してデータベースの回復処理を行う処理部である。
ホストコンピュータ100を質問解析処理部101、DB演算処理部102、DBバッファ管理部103、チェックポイント処理部104、ビットマップ処理部105、バックアップ処理部106及びリカバリ処理部107として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
またホストコンピュータ100は、DBバッファ108と、更新ビットマップ管理表109とを有している。
DBバッファ108は、ストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111の内容を一時的に保持する記憶領域である。更新ビットマップ管理表109は、ストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111のデータが更新されたかどうかをビット情報で管理する為の管理表である。
ストレージ装置110は、バックアップ対象DB領域111と、FULLバックアップ用ボリューム112と、差分バックアップ用ボリューム113と、バックアップ制御管理情報114とを有している。
バックアップ対象DB領域111は、バックアップの対象となるデータベースデータを格納する記憶領域である。FULLバックアップ用ボリューム112は、FULLバックアップの際にバックアップ対象DB領域111中の全データを格納する記憶領域である。
差分バックアップ用ボリューム113は、差分バックアップの際にバックアップ対象DB領域111中の更新ビット情報に対応するデータを格納する記憶領域である。バックアップ制御管理情報114は、バックアップ処理の行われたDB領域名、バックアップ種別、バックアップ開始及び終了時刻、バックアップ先や更新ビットマップ情報等の管理情報である。
本実施形態のホストコンピュータ100でデータベース管理システムの処理が開始されると、質問解析処理部101でデータベースの処理要求を受け付けて解析する処理を行った後、DB演算処理部102では、前記解析した処理要求の内容に応じてデータベースの演算処理を行う。その際、DBバッファ管理部103は、データベース処理に必要なデータを含むページの入力要求処理を行ってストレージ装置110から受信したDBブロックをDBバッファ108に格納し、必要に応じて更新ビットマップ管理表109の更新をビットマップ処理部105へ指示する。
図2は本実施形態のページ入力要求処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップ201でホストコンピュータ100のDBバッファ管理部103は、DBバッファ108内をサーチするサーチ処理を実行し、前記データベース処理で要求されている要求ページがDBバッファ108内に格納されているかどうかを調べる。
ステップ202では、前記サーチ処理の結果を調べ、バッファヒットではない場合、すなわち要求ページがDBバッファ108内に格納されていない場合にはステップ203へ進む。
ステップ203では、DBバッファ108中に空きバッファが有るかどうかを調べ、空きバッファが有る場合にはステップ204へ進み、空きバッファが無い場合にはステップ205へ進む。
ステップ204ではDBバッファ108中の空きバッファを獲得し、またステップ205では、図3に示す様にバッファスチール処理を行ってDBバッファ108中のバッファを取得する。
ステップ206では、前記要求ページのデータをストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111から読み出した後、ステップ204で獲得した空きバッファまたはステップ205で取得したバッファに前記要求ページのデータを格納する。
ステップ207では、ステップ206で前記要求ページのデータを格納したバッファのバッファアドレス、またはステップ202でバッファヒットとなったバッファのバッファアドレスを、ページ入力要求処理の呼び出し元へ返却して処理を終了する。
図3は本実施形態のバッファスチール処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップ301でホストコンピュータ100のDBバッファ管理部103は、DBバッファ108内のLRU(Least Recently Used)チェインより、最も以前に使用されたバッファを検索し、その検索されたバッファのバッファアドレスを取得する。
ステップ302では、当該バッファ中のデータが更新されているかどうかを示す更新情報を参照して、そのバッファ中のデータがDBバッファ108上で更新されているかどうかを調べ、当該バッファ中のデータが更新されている場合、すなわち、当該バッファ中のデータのストレージ装置110への出力要求が有る場合にはステップ303へ進む。ここで前記更新情報は、そのバッファ中のデータの更新時に当該バッファの所定領域や、その他のテーブル等に格納されているものとする。
ステップ303では、当該バッファの内容をストレージ装置110へ書き込む為のWriteコマンドを生成し、そのWriteコマンドをストレージ装置110へ送信して当該バッファのページの書き込み要求を行う。ストレージ装置110では、前記Writeコマンドを受信してページデータをストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111に書き込み、当該バッファの更新内容をストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111に反映させる。ここで、ストレージ装置110のキャッシュメモリへの書き込みにより、バックアップ対象DB領域111への書き込みが行われたものとしても良い。
ステップ304では、前記生成したWriteコマンドによりアクセスされるアクセス先アドレスをビットマップ処理部105へ渡し、更新ビットマップ管理表109中の前記バッファ中のデータに対応するビット情報の更新をビットマップ処理部105へ指示する処理を行う。
ステップ305では、ステップ301で取得したバッファアドレスをバッファスチール処理の呼び出し元へ返却して処理を終了する。
また本実施形態のホストコンピュータ100のチェックポイント処理部104は、DBバッファ108の内容をストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111へ反映させる必要が生じた場合に、DBバッファ108で更新された全DBブロックの書き込み要求をホストコンピュータ100からストレージ装置110へ送信し、更新ビットマップ管理表109の更新をビットマップ処理部105へ指示する処理を行う。
図4は本実施形態のチェックポイント処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップ401でチェックポイント処理部104は、チェックポイントの取得を開始したことを示すチェックポイント取得開始ログを生成してログバッファに格納する。
ステップ402では、DBバッファ108をロックしてDBバッファ108に対する更新処理を一時的に停止する。
ステップ403では、DBバッファ108で出力待ちとなっているページ、すなわちDBバッファ108上で更新されている全ページをストレージ装置110へ書き込む為のWriteコマンドを生成し、そのWriteコマンドをストレージ装置110へ送信してページの書き込み要求を行う。ストレージ装置110では、前記Writeコマンドを受信してページデータをストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111に書き込み、DBバッファ108の更新内容をストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111に反映させる。ここで、ストレージ装置110のキャッシュメモリへの書き込みにより、バックアップ対象DB領域111への書き込みが行われたものとしても良い。
ステップ404では、前記生成したWriteコマンドによりアクセスされるアクセス先アドレスをビットマップ処理部105へ渡し、更新ビットマップ管理表109中の前記更新の行われたページデータに対応するビット情報の更新をビットマップ処理部105へ指示する処理を行う。
ステップ405では、DBバッファ108のロックを解除してDBバッファ108に対する更新処理を再開する。
ステップ406では、チェックポイントの取得を終了したことを示すチェックポイント取得終了ログを生成してログバッファに格納する。
本実施形態のホストコンピュータ100のビットマップ処理部105は、前記の様にしてDBバッファ管理部103やチェックポイント処理部104によりストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111内のデータが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109に格納し、その更新ビットマップ管理表109中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示する処理を行う。
図5は本実施形態の更新ビットマップ管理表更新処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップ501でホストコンピュータ100のビットマップ処理部105は、Writeコマンドによりアクセスされるアクセス先アドレスをDBバッファ管理部103やチェックポイント処理部104から受け取った後、そのアクセス先アドレスから対象ビットマップ位置を計算する。
ステップ502では、主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109を読み出して、ステップ501で計算した対象ビットマップ位置のビット情報がOFFとなっているかどうかを調べ、対象ビットマップ位置のビット情報がOFFとなっている場合にはステップ503へ進む。
ステップ503では、前記対象ビットマップ位置のビット情報をONに変更することにより、バックアップ対象DB領域111内の当該対象ビットマップ位置に対応するデータが更新されたことを示す更新ビット情報を更新ビットマップ管理表109に格納する。
ステップ504では、更新ビットマップ管理表109中の各ビットマップ位置のビット情報を読み出して、そのビット情報がONである更新ビット情報の数をカウントし、更新ビット数を算出する。
ステップ505では、ステップ504で算出した更新ビット数と、差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値とを比較し、前記更新ビット数が差分バックアップ基準値に達している場合にはステップ506へ進む。
ステップ506では、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示する処理を行う。
ここで、前記差分バックアップ基準値は、差分バックアップデータを格納する差分バックアップ用ボリューム113内の記憶領域のサイズと更新ビット情報に対応するデータのサイズとから算出されるものとする。例えば差分バックアップ用ボリューム113へアクセスして、差分バックアップデータを格納する記憶領域のサイズを取得した後、以下の数1の様に除算を行って余りを切り捨てた結果を差分バックアップ基準値とする。
[数1]
差分バックアップ基準値=差分バックアップデータ記憶領域サイズ/単一の更新ビット情報に対応するデータサイズ
ここで、単一の更新ビット情報に対応するデータサイズは、バックアップ対象DB領域111や更新ビットマップ管理表109の作成時に予め設定されているものとする。
また、バックアップの取得に割り当てられている時間と単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップに必要な時間とから前記差分バックアップ基準値を算出するものとしても良い。すなわち、差分バックアップの取得に割り当て可能な時間を予め入力装置等によりユーザから受け付けた後、以下の数2の様に除算を行って余りを切り捨てた結果を差分バックアップ基準値とする。
[数2]
差分バックアップ基準値=差分バックアップ割当時間/単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップ必要時間
ここで、単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップ必要時間は、ストレージ装置110のキャッシュメモリや磁気ディスク装置等のデータ転送速度と、単一の更新ビット情報に対応するデータサイズとから予め設定されているものとする。
本実施形態のビットマップ処理部105では、ステップ506で差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示しているが、差分バックアップの指示毎に更新ビット数を累積して記録しておき、その累積数がFULLバックアップ開始基準値に達した場合に、当該更新ビットマップ管理表109中のビット情報に対応する全データのバックアップをバックアップ処理部106へ指示するものとしても良い。
この処理により、差分バックアップの累積データ量がFULLバックアップ時のデータ量を超える様になった場合に、FULLバックアップを取得しておくことにより、回復処理時の処理時間を削減することができる。
ここで前記FULLバックアップ開始基準値は、FULLバックアップを行った場合のデータサイズと、単一の更新ビット情報に対応するデータサイズとから算出されるものとする。例えばバックアップ対象DB領域111へアクセスして、FULLバックアップ時のデータサイズを取得した後、以下の数3の様に除算を行って余りを切り捨てた結果をFULLバックアップ開始基準値とする。
[数3]
FULLバックアップ開始基準値=FULLバックアップ時のデータサイズ/単一の更新ビット情報に対応するデータサイズ
ここで、単一の更新ビット情報に対応するデータサイズは、前記と同様にバックアップ対象DB領域111や更新ビットマップ管理表109の作成時に予め設定されているものとする。
また、FULLバックアップに相当するデータ量を差分バックアップにて複数のWriteコマンドにより処理した場合の処理オーバーヘッドを考慮して、その処理オーバーヘッドを、単一のビット情報に対応するデータのバックアップ必要時間で除算し、その値を数3の計算結果から引くことにより、FULLバックアップ開始基準値をより低い値に設定しても良い。
一方、大量のバッチ更新処理の実行等により、短時間で更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合、差分バックアップが適切ではない場合があるので、大量の更新処理を検出する為の更新検出時間内で更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合には、その更新量が少なくなった時点で更新ビット数を調べ、その値に応じて差分バックアップまたはFULLバックアップのいずれかを行うものとしても良い。
図6は本実施形態の大量更新処理検出時の更新ビットマップ管理表更新処理の処理手順を示すフローチャートである。図6に示す様にステップ501からステップ505までは図5と同様の処理を行う。
ステップ601でビットマップ処理部105は、前回のバックアップの取得が終了した日時を示すバックアップ終了時刻情報をバックアップ制御管理情報114から読み出した後、現在の日時との差を算出して経過時間を求め、その求めた経過時間と、大量の更新処理を検出する為の所定時間である更新処理検出時間とを比較して、前記経過時間が更新処理検出時間よりも小さいかどうか、すなわち更新処理検出時間内に更新ビット数が差分バックアップ基準値に達しているかどうかを調べる。そして、前記更新処理検出時間内に更新ビット数が差分バックアップ基準値に達している場合にはステップ602へ進む。
ステップ602では、所定の時間間隔で更新ビットマップ管理表109中の更新ビット数をカウントしてその増加数を求め、所定時間内の更新ビット数の増加数が更新処理検出基準値未満となるまで、更新ビット数の増加数をモニターする処理を繰り返す。
その後、所定時間内の更新ビット数の増加数が更新処理検出基準値未満となった場合には、その時点での更新ビット数とFULLバックアップ開始基準値とを比較し、前記更新ビット数がFULLバックアップ開始基準値に達している場合には、バックアップ対象DB領域111内の該当DB領域の全データのFULLバックアップ用ボリューム112へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示し、前記更新ビット数がFULLバックアップ開始基準値に達していない場合には、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部106へ指示する。
ここで前記更新処理検出時間は、ホストコンピュータ100で実行されるバッチ処理等、大量の更新処理を伴う処理の処理時間から設定されるものとし、前記所定時間内の更新処理検出基準値は、その大量の更新処理を伴う処理の実行時の更新処理検出時間における更新ビット数の増加数から設定されるものとする。例えば、ホストコンピュータ100で実行される大量のバッチ更新処理の処理時間の平均値が60分であり、その60分における更新ビット数の平均増加数が「600」である場合には、前記更新処理検出時間を60分、前記所定時間内の更新処理検出基準値における所定時間を1分、更新処理検出基準値を更新ビット数「1」(平均増加速度の10%)とする。
本実施形態のホストコンピュータ100のバックアップ処理部106は、前記の様にしてビットマップ処理部105からバックアップ指示を受け付けると、主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109に格納されている更新ビット情報を読み出し、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータを差分バックアップ用ボリューム113へ複写したりバックアップ対象DB領域111内の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写する処理を行って、バックアップを取得する。
図7は本実施形態のバックアップ処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップ701でホストコンピュータ100のバックアップ処理部106は、ビットマップ処理部105からバックアップ指示を受け付けると、その指示内容がFULLバックアップであるかどうかを調べ、FULLバックアップではない場合にはステップ702へ進む。
ステップ702では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップを主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109から読み込む。
ステップ703では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっているデータを、バックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写し、バックアップ制御管理情報114として、前記差分バックアップ処理の行われたDB領域名、バックアップ種別、バックアップ開始及び終了時刻、バックアップ先や更新ビットマップ情報等の管理情報を記憶装置に格納する。
図8は本実施形態のホストコンピュータ側で管理するバックアップ管理テーブルの一例を示す図である。図8ではバックアップ制御管理情報114をホストコンピュータ100で管理した場合の各種管理情報の例を表しており、バックアップ処理の行われたDB領域名として「DBAREA1」、バックアップ種別として「FULL」や「差分」、更新ビットマップ情報として「111111111…」等の管理情報を格納している。
本実施形態では、更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合に、差分バックアップを取得するので、ステップ703でバックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写されるデータ量は常に所定サイズとなり、バックアップ処理に必要な処理時間の見積もりを容易に行うことができる。
またホストコンピュータ100のリカバリ処理部107が、障害発生時に、差分バックアップ用ボリューム113からバックアップ対象DB領域111へデータを複写してデータベースの回復処理を行う場合には、前記バックアップ管理テーブルに記録された内容に従って、所定サイズの差分バックアップデータを複写することになるので、回復処理に必要な処理時間の見積もりも容易に行うことができる。
ステップ704では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっている更新ビット情報の数をカウントして更新ビット数を求めた後、前回の処理で主記憶装置上に格納しておいた更新ビット数の累積値に加算した後、再び主記憶装置上に格納して、更新ビット数の累積値の記録を行う。
ステップ705では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップを格納している主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109をクリアする。
一方、ステップ701でビットマップ処理部105から受け付けた指示内容がFULLバックアップである場合にはステップ706へ進む。
ステップ706では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写し、バックアップ制御管理情報114として、前記FULLバックアップ処理の行われたDB領域名、バックアップ種別、バックアップ開始及び終了時刻、バックアップ先や更新ビットマップ情報等の管理情報を記憶装置に格納する。
ステップ707では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップを格納している主記憶装置中の更新ビットマップ管理表109と、主記憶装置上に格納されている更新ビット数の累積値をクリアする。
また前記ステップ703の処理では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっているデータをバックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写しているが、その際に、連続する更新ビット情報に対応する領域については単一のWriteコマンドによりまとめて複写したり、更新ビットマップ中の所定のビットマップ範囲に占める更新ビット情報の数がバックアップ対象変更基準値以上である場合には、当該ビットマップ範囲内のOFFのビット情報に対応するデータも含めた全データをバックアップの対象として、Writeコマンドの生成や送受信時の処理オーバーヘッドを減らし、入出力効率を向上させるものとしても良い。
図12は本実施形態の入出力効率の向上例を示す図である。図12に示す様に本実施形態では、連続する更新ビット情報に対応する領域をまとめてバックアップしたり、所定ビットマップ範囲内のOFF(図では0)のビット情報に対応するデータも含めた全データをバックアップの対象として、入出力効率を向上させる。
ここで前記バックアップ対象変更基準値は、前記所定ビットマップ範囲中の総ビット数と、その所定ビットマップ範囲の更新ビット情報に対応するサイズを複数のWriteコマンドにより処理した場合の処理オーバーヘッドとから算出されるものとする。例えばシリンダやトラック等の所定の単位に相当するビットマップ範囲について、その差分バックアップを複数のWriteコマンドにより処理した場合の処理オーバーヘッドを予め測定して平均値を算出しておき、以下の数4の様に計算を行った結果をバックアップ対象変更基準値とする。
[数4]
バックアップ対象変更基準値=所定ビットマップ範囲中の総ビット数−処理オーバーヘッド平均値/単一のビット情報に対応するデータのバックアップ必要時間
ここで、処理オーバーヘッド平均値は、所定ビットマップ範囲の更新ビット情報に対応するサイズを複数のWriteコマンドにより処理した場合の処理オーバーヘッドの平均値であり、単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップ必要時間は、ストレージ装置110のキャッシュメモリや磁気ディスク装置等のデータ転送速度と、単一の更新ビット情報に対応するデータサイズとから予め設定されているものとする。
以上説明した様に本実施形態のバックアップ処理装置によれば、更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の所定の基準値に達した場合に、その更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するので、常に所定サイズの差分バックアップを取得することでバックアップ処理や回復処理に必要な処理時間の見積もりを容易化することが可能である。
(実施形態2)
以下にストレージ装置側でデータベースデータのバックアップを行う実施形態2のバックアップ処理装置について説明する。
実施形態1の処理では、ホストコンピュータ100側で更新ビットマップ管理表更新処理やバックアップ処理を行うものとして説明したが、これらの処理をストレージ装置110側で制御するものとしても良い。
図9は本実施形態のバックアップ処理装置の概略構成を示す図である。図9に示す様に本実施形態のストレージ装置110は、コマンド処理部901と、ビットマップ処理部902と、バックアップ処理部903と、リカバリ処理部904とを有している。
コマンド処理部901は、データの書き込み要求をホストコンピュータ100から受信し、その受信した書き込み要求の内容に従って、バックアップ対象DB領域111やキャッシュメモリの更新を行う処理部である。
ビットマップ処理部902は、バックアップ対象DB領域111内のデータが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報をストレージ装置110のメモリ中の更新ビットマップ管理表109に格納し、その更新ビットマップ管理表109中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、当該バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部903へ指示する処理部である。
バックアップ処理部903は、前記バックアップ指示を受け付けてメモリ中の更新ビットマップ管理表109に格納されている更新ビット情報を読み出し、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータを差分バックアップ用ボリューム113へ複写したりバックアップ対象DB領域111内の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写する処理を行って、バックアップを取得する処理部である。
リカバリ処理部904は、障害発生時に、FULLバックアップ用ボリューム112や差分バックアップ用ボリューム113からバックアップ対象DB領域111へデータを複写してデータベースの回復処理を行う処理部である。
ストレージ装置110をコマンド処理部901、ビットマップ処理部902、バックアップ処理部903及びリカバリ処理部904として機能させる為のプログラムは、ROM等の記録媒体に記録されて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
本実施形態のその他の構成については実施形態1に記載したものと同様であるものとするが、本実施形態のDBバッファ管理部103やチェックポイント処理部104は、実施形態1の場合とは異なり、更新ビットマップ管理表109中のビット情報の更新をビットマップ処理部902へ指示しないものとし、ストレージ装置110は、コマンド処理部901によりWriteコマンドを受け付けて更新ビットマップ管理表109の更新をビットマップ処理部902に指示するものとする。
図10は本実施形態のWriteコマンド処理の処理手順を示すフローチャートである。図10の様にストレージ装置110のコマンド処理部901は、ホストコンピュータ100からコマンドを受信すると、受信コマンドからコマンド種類とアクセス先アドレスを解析し、Writeコマンドであることを認識する(ステップ1001)。ここで、アクセス先アドレスからは、複数のディスクサブシステムやその各磁気ディスク装置に割り当てられているアドレスを示す装置構成管理テーブルの情報との比較を行うことにより、アクセス要求先のディスク制御装置番号とドライブ番号を識別することができるものとする。
次にステップ1002では、ステップ1001で解析したアクセス先アドレスのデータが、ストレージ装置110のキャッシュメモリに保持されているかどうかを調べ、キャッシュヒットであるかどうかを判定する。
アクセス先データがキャッシュメモリに保持されていないキャッシュミスの場合にはステップ1003へ進み、前記の様にアクセス要求先のドライブ番号を識別し、ストレージ装置110のディスクアクセス制御部に対してそのドライブ番号に対応する磁気ディスク装置からキャッシュメモリヘの転送依頼を行う。
ステップ1004では、前記の転送処理が終了したかどうかを調べ、転送処理が終了した場合にはステップ1005へ進む。
ステップ1002でキャッシュヒットと判定された場合、またはステップ1004での転送処理が終了した場合には、ストレージ装置110内のキャッシュメモリに対して当該データの更新を行う(ステップ1005)。すなわち、ホストコンピュータ100から受領したデータの内容をキャッシュメモリへ書き込む。ここで、その受領した書き込み要求の内容に従って、ストレージ装置110内のバックアップ対象DB領域111の更新を行うものとしても良い。
ステップ1006では、前記書き込みを行った該当アドレスは差分管理対象のアドレスであるか、すなわちバックアップ対象DB領域111内のアドレスであるかどうかを調べ、バックアップ対象DB領域111内のアドレスである場合にはステップ1007へ進む。
ステップ1007では、前記書き込みを行ったアクセス先アドレスをビットマップ処理部902へ渡し、更新ビットマップ管理表109中の前記更新の行われたデータに対応するビット情報の更新をビットマップ処理部902へ指示する処理を行う。
そしてステップ1008では、ホストコンピュータ100に対してWriteコマンド処理の完了報告を行う。
本実施形態のストレージ装置110のビットマップ処理部902は、前記の様にしてコマンド処理部901によりストレージ装置110のキャッシュメモリやバックアップ対象DB領域111内のデータが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報をメモリ中の更新ビットマップ管理表109に格納し、その更新ビットマップ管理表109中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部903へ指示する処理を行う。
この処理は、図5に示したホストコンピュータ100での処理と同様であり、以下、ストレージ装置110での更新ビットマップ管理表更新処理を図5に従って説明する。
ステップ501でストレージ装置110のビットマップ処理部902は、Writeコマンドによりアクセスされるアクセス先アドレスをコマンド処理部901から受け取った後、そのアクセス先アドレスから対象ビットマップ位置を計算する。
ステップ502では、メモリ中の更新ビットマップ管理表109を読み出して、ステップ501で計算した対象ビットマップ位置のビット情報がOFFとなっているかどうかを調べ、対象ビットマップ位置のビット情報がOFFとなっている場合にはステップ503へ進む。
ステップ503では、前記対象ビットマップ位置のビット情報をONに変更することにより、バックアップ対象DB領域111内の当該対象ビットマップ位置に対応するデータが更新されたことを示す更新ビット情報を更新ビットマップ管理表109に格納する。
ステップ504では、更新ビットマップ管理表109中の各ビットマップ位置のビット情報を読み出して、そのビット情報がONである更新ビット情報の数をカウントし、更新ビット数を算出する。
ステップ505では、ステップ504で算出した更新ビット数と、差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値とを比較し、前記更新ビット数が差分バックアップ基準値に達している場合にはステップ506へ進む。
ステップ506では、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部903へ指示する処理を行う。
ここで、前記差分バックアップ基準値は、差分バックアップデータを格納する差分バックアップ用ボリューム113内の記憶領域のサイズと更新ビット情報に対応するデータのサイズとから前記差分バックアップ基準値を算出したり、また、バックアップの取得に割り当てられている時間と単一の更新ビット情報に対応するデータのバックアップに必要な時間とから前記差分バックアップ基準値を算出したりしても良いのは実施形態1と同様である。
また同様に、差分バックアップの累積数がFULLバックアップ開始基準値に達した場合に、当該更新ビットマップ管理表109中のビット情報に対応する全データのバックアップをバックアップ処理部903へ指示するものとしても良い。
更に図6に示したホストコンピュータ100での処理と同様に、大量の更新処理を検出する為の更新検出時間内で更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合に、その更新量が少なくなった時点で更新ビット数を調べ、その値に応じて差分バックアップまたはFULLバックアップのいずれかを行うものとしても良い。
すなわちステップ501からステップ505まで図5と同様の処理を行った後、ステップ601でビットマップ処理部902は、前回のバックアップの取得が終了した日時を示すバックアップ終了時刻情報をバックアップ制御管理情報114から読み出した後、現在の日時との差を算出して経過時間を求め、その求めた経過時間と、更新処理を検出する為の所定時間である更新処理検出時間とを比較して、前記経過時間が更新処理検出時間よりも小さいかどうか、すなわち更新処理検出時間内に更新ビット数が差分バックアップ基準値に達しているかどうかを調べる。そして、前記更新処理検出時間内に更新ビット数が差分バックアップ基準値に達している場合にはステップ602へ進む。
ステップ602では、所定の時間間隔で更新ビットマップ管理表109中の更新ビット数をカウントしてその増加数を求め、所定時間内の更新ビット数の増加数が更新処理検出基準値未満となるまで、更新ビット数の増加数をモニターする処理を繰り返す。
その後、所定時間内の更新ビット数の増加数が更新処理検出基準値未満となった場合には、その時点での更新ビット数とFULLバックアップ開始基準値とを比較し、前記更新ビット数がFULLバックアップ開始基準値に達している場合には、バックアップ対象DB領域111内の該当DB領域の全データのFULLバックアップ用ボリューム112へのバックアップをバックアップ処理部903へ指示し、前記更新ビット数がFULLバックアップ開始基準値に達していない場合には、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータの差分バックアップ用ボリューム113へのバックアップをバックアップ処理部903へ指示する。
本実施形態のストレージ装置110のバックアップ処理部903は、前記の様にしてビットマップ処理部902からバックアップ指示を受け付けると、メモリ中の更新ビットマップ管理表109に格納されている更新ビット情報を読み出し、バックアップ対象DB領域111内の更新ビット情報に対応するデータを差分バックアップ用ボリューム113へ複写したりバックアップ対象DB領域111内の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写する処理を行って、バックアップを取得する。
この処理は、図7に示したホストコンピュータ100での処理と同様であり、以下、ストレージ装置110でのバックアップ処理を図7に従って説明する。
ステップ701でストレージ装置110のバックアップ処理部903は、ビットマップ処理部902からバックアップ指示を受け付けると、その指示内容がFULLバックアップであるかどうかを調べ、FULLバックアップではない場合にはステップ702へ進む。
ステップ702では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップをメモリ中の更新ビットマップ管理表109から読み込む。
ステップ703では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっているデータを、バックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写し、バックアップ制御管理情報114として、前記差分バックアップ処理の行われたDB領域名、バックアップ種別、LUN、バックアップ開始及び終了時刻、バックアップ先や更新ビットマップ情報等の管理情報を記憶装置に格納する。
図11は本実施形態のストレージ装置側で管理するバックアップ管理テーブルの一例を示す図である。図11ではバックアップ制御管理情報114をストレージ装置110で管理した場合の各種管理情報の例を表しており、バックアップ処理の行われたDB領域名として「DBAREA1」、バックアップ種別として「FULL」や「差分」、更新ビットマップ情報として「111111111…」等の管理情報を格納している。ここで図11のLUNは記憶装置のLU(Logical Unit)を識別する為の番号を表している。
本実施形態では、更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合に、差分バックアップを取得するので、ステップ703でバックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写されるデータ量は常に所定サイズとなり、バックアップ処理に必要な処理時間の見積もりを容易に行うことができる。
またストレージ装置110のリカバリ処理部904が、障害発生時に、差分バックアップ用ボリューム113からバックアップ対象DB領域111へデータを複写してデータベースの回復処理を行う場合には、前記バックアップ管理テーブルに記録された内容に従って、所定サイズの差分バックアップデータを複写することになるので、回復処理に必要な処理時間の見積もりも容易に行うことができる。
ステップ704では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっている更新ビット情報の数をカウントして更新ビット数を求めた後、前回の処理でメモリ上に格納しておいた更新ビット数の累積値に加算した後、再びメモリ上に格納して、更新ビット数の累積値の記録を行う。
ステップ705では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップを格納しているメモリ中の更新ビットマップ管理表109をクリアする。
一方、ステップ701でビットマップ処理部902から受け付けた指示内容がFULLバックアップである場合にはステップ706へ進む。
ステップ706では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の全データをFULLバックアップ用ボリューム112へ複写し、バックアップ制御管理情報114として、前記FULLバックアップ処理の行われたDB領域名、バックアップ種別、LUN、バックアップ開始及び終了時刻、バックアップ先や更新ビットマップ情報等の管理情報を記憶装置に格納する。
ステップ707では、バックアップ要求の行われたバックアップ対象DB領域111の更新ビットマップを格納しているメモリ中の更新ビットマップ管理表109と、メモリ上に格納されている更新ビット数の累積値をクリアする。
また前記ステップ703の処理では、ステップ702で読み込んだ更新ビットマップ中で、そのビット情報がONとなっているデータをバックアップ対象DB領域111から差分バックアップ用ボリューム113へ複写しているが、更新ビットマップ中の所定のビットマップ範囲に占める更新ビット情報の数がバックアップ対象変更基準値以上である場合に、当該ビットマップ範囲内のビット情報に対応するデータをバックアップの対象としても良い。
前記の様に本実施形態の処理では、ストレージ装置110側で更新ビットマップ管理表更新処理やバックアップ処理を行うものとして説明したが、ストレージ装置110側で更新ビットマップ管理表更新処理を行い、ホストコンピュータ100側でバックアップ処理を行うものとしても良い。
すなわち、データが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を記憶装置サブシステムであるストレージ装置110中の更新ビットマップ管理表109に格納し、その更新ビットマップ管理表109中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に当該更新ビット情報をホストコンピュータ100のバックアップ処理部106へ送信し、前記更新ビット情報をホストコンピュータ100のバックアップ処理部106で受け付けて当該更新ビット情報に対応するデータのバックアップをホストコンピュータ100での制御により取得する。
更新ビットマップの管理は、バックアップ対象DB領域111でのアクセス先アドレスに依存した処理であるので、ストレージ装置110側で効率的に行うことができるが、バックアップ処理に関しては、ホストコンピュータ100側で既に使用しているアプリケーション処理により行いたい場合もある為、更新ビット数が差分バックアップ基準値に達した場合にストレージ装置110からホストコンピュータ100へ更新ビットマップ情報を送信するインタフェースを設けることにより、ホストコンピュータ100とストレージ装置110とが連携したバックアップ処理を行うことができる。
以上説明した様に本実施形態のバックアップ処理装置によれば、更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の所定の基準値に達した場合に、その更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するので、常に所定サイズの差分バックアップを取得することでバックアップ処理や回復処理に必要な処理時間の見積もりを容易化することが可能である。
実施形態1のバックアップ処理装置の概略構成を示す図である。 実施形態1のページ入力要求処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1のバッファスチール処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1のチェックポイント処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1の更新ビットマップ管理表更新処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1の大量更新処理検出時の更新ビットマップ管理表更新処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1のバックアップ処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1のホストコンピュータ側で管理するバックアップ管理テーブルの一例を示す図である。 実施形態2のバックアップ処理装置の概略構成を示す図である。 実施形態2のWriteコマンド処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2のストレージ装置側で管理するバックアップ管理テーブルの一例を示す図である。 実施形態1の入出力効率の向上例を示す図である。
符号の説明
100…ホストコンピュータ、110…ストレージ装置、101…質問解析処理部、102…DB演算処理部、103…DBバッファ管理部、104…チェックポイント処理部、105…ビットマップ処理部、106…バックアップ処理部、107…リカバリ処理部、108…DBバッファ、109…更新ビットマップ管理表、111…バックアップ対象DB領域、112…FULLバックアップ用ボリューム、113…差分バックアップ用ボリューム、114…バックアップ制御管理情報、901…コマンド処理部、902…ビットマップ処理部、903…バックアップ処理部、904…リカバリ処理部

Claims (9)

  1. 記憶手段を有する情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行うバックアップ処理方法において、
    データが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を前記記憶手段に格納された更新ビットマップ管理表に格納するステップと、その更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、当該更新ビット情報に対応する前記データのバックアップを指示するステップと、
    前記バックアップ指示を受け付けて記憶手段中の更新ビットマップ管理表に格納されている更新ビット情報を読み出し、更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するステップとを有し、
    更新処理を検出する為の更新検出時間内に更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に、前記バックアップ指示を一時的に停止し、所定時間あたりの更新ビット情報の増加数が更新処理検出基準値未満となった後に、前記停止していたバックアップ指示を行うことを特徴とするバックアップ処理方法。
  2. 前記バックアップデータを格納する記憶領域のサイズと前記更新ビット情報に対応するデータのサイズとから前記差分バックアップ基準値を算出することを特徴とする請求項1に記載されたバックアップ処理方法。
  3. 前記バックアップの取得に割り当てられている時間と前記更新ビット情報に対応するデータのバックアップに必要な時間とから前記差分バックアップ基準値を算出することを特徴とする請求項1に記載されたバックアップ処理方法。
  4. 前記更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の累積数がFULLバックアップ開始基準値に達した場合に、当該更新ビットマップ管理表中のビット情報に対応する全データのバックアップを指示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたバックアップ処理方法。
  5. 前記停止していたバックアップ指示を行う際に、更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数がFULLバックアップ開始基準値に達した場合に、当該更新ビットマップ管理表中のビット情報に対応する全データのバックアップを指示することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載されたバックアップ処理方法。
  6. 更新ビットマップ管理表中の所定のビットマップ範囲に占める更新ビット情報の数がバックアップ対象変更基準値以上である場合に、当該ビットマップ範囲内のビット情報に対応するデータをバックアップの対象とすることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載されたバックアップ処理方法。
  7. データが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を記憶装置サブシステム中の更新ビットマップ管理表に格納し、その更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に当該更新ビット情報をホストコンピュータへ送信し、前記更新ビット情報をホストコンピュータで受け付けて当該更新ビット情報に対応するデータのバックアップをホストコンピュータでの制御により取得することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載されたバックアップ処理方法。
  8. 記憶手段を有する情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行うバックアップ処理装置において、
    データが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を前記記憶手段に格納された更新ビットマップ管理表に格納し、その更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、当該更新ビット情報に対応する前記データのバックアップを指示するビットマップ処理部と、
    前記バックアップ指示を受け付けて記憶手段中の更新ビットマップ管理表に格納されている更新ビット情報を読み出し、更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するバックアップ処理部とを備え
    更新処理を検出する為の更新検出時間内に更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に、前記バックアップ指示を一時的に停止し、所定時間あたりの更新ビット情報の増加数が更新処理検出基準値未満となった後に、前記停止していたバックアップ指示を行うことを特徴とするバックアップ処理装置。
  9. 記憶手段を有する情報処理装置で用いられるデータのバックアップを行うバックアップ処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムにおいて、
    データが更新された場合に、当該データが更新されたことを示す更新ビット情報を前記記憶手段に格納された更新ビットマップ管理表に格納するステップと、その更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップの処理時間を見積もる為の差分バックアップ基準値に達した場合に、当該更新ビット情報に対応する前記データのバックアップを指示するステップと、
    前記バックアップ指示を受け付けて記憶手段中の更新ビットマップ管理表に格納されている更新ビット情報を読み出し、更新ビット情報に対応するデータのバックアップを取得するステップとを有し、
    更新処理を検出する為の更新検出時間内に更新ビットマップ管理表中の更新ビット情報の数が差分バックアップ基準値に達した場合に、前記バックアップ指示を一時的に停止し、所定時間あたりの更新ビット情報の増加数が更新処理検出基準値未満となった後に、前記停止していたバックアップ指示を行うバックアップ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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