JP4455848B2 - ジャンボタニシ駆除剤 - Google Patents
ジャンボタニシ駆除剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4455848B2 JP4455848B2 JP2003295451A JP2003295451A JP4455848B2 JP 4455848 B2 JP4455848 B2 JP 4455848B2 JP 2003295451 A JP2003295451 A JP 2003295451A JP 2003295451 A JP2003295451 A JP 2003295451A JP 4455848 B2 JP4455848 B2 JP 4455848B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin acid
- alcohol
- jumbo
- parts
- ester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
即ち、本発明は、樹脂酸のエステルを有効成分として含有するジャンボタニシ駆除剤であって、前記エステルのアルコール残基が、炭素数1〜18を有しかつ分子量が700以下であることを特徴とするジャンボタニシ駆除剤に関するものである。
本発明で使用される樹脂酸は、ジテルペノイドカルボン酸からなるものであり、具体的には、アビエチン酸や、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸、レボピマル酸、デキストロピマル酸、パラストリン酸等からなる。好ましい樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸や、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸等が挙げられる。
樹脂酸は、樹脂酸を含有する生松脂や、ロジン等の形態で通常、容易に入手できる。
その中で所謂「松脂(松ヤニ)」は、生松の樹皮から得られ、各種のテルペノイド系化合物が混在するが、主要成分はこれら樹脂酸であり、この他に若干のテレピン油、脂肪酸、不鹸化物及びその他成分を含むものである。この「松ヤニ」から蒸留等によってテレピン油や脂肪酸等その他成分を分けて得られる上記樹脂酸混合物を一般に「ガムロジン」と称される。
これらロジンに含まれる樹脂酸の内、主としてアビエチン酸等の隣接不飽和結合を有するものを多量に含有するものは徐々に変化して樹脂酸の組成比を変化させ易く、ロジン類を使用した各種製品の物性劣化の原因となり易いので、化学的に安定な樹脂酸組成とするために、これを白金や、白金パラジウム、パラジウム黒、ニッケル、クロム酸銅等の触媒の存在下に真空中200〜300℃に加熱して「不均化」処理することにより、化学的に安定化(不均化反応)した「不均化ロジン」も本発明に係る樹脂酸として使用することができる。また、同様に、水素添加した所謂「水添加ロジン」に含有される樹脂酸や、重合した所謂「重合ロジン」も同様に有用である。
アルコール残基は、対応するアルコールの残基であるが、炭素数1〜18の範囲内にある限り、アルコールの水酸基にアルキレンオキサイドが付加した形態のアルコールの残基であってもよい。炭素数は、少ない方が、樹脂酸エステル1分子当たりの樹脂酸の比率を高めることになり、好ましい。また、アルコール部分が、多価アルコールに由来するものであり、1分子中に複数の樹脂酸がエステル結合することにより、樹脂酸1モルが結合する樹脂酸エステル1モル当たり分子量を低下させることが好ましい。
例えば、アルコール残基の炭素数は、好ましくは、1〜10、特に好ましくは、1〜8が好適である。
アルコール残基としては、水酸基が1個以上のアルコール残基、例えば、水酸基が1〜5個有するアルコールの残基が好ましい。アルコール残基の炭化水素基は、飽和であっても、不飽和のものであってもよく、また、直鎖又は分岐鎖のものであってもよい。
3価のアルコールとしては、例えば、炭化水素基の炭素数が、例えば、3〜8のアルコールに由来する残基が好適に挙げられる。このようなアルコール残基としては、例えば、グリセリン等のトリオールに由来する残基が好適に挙げられる。
本発明においては、アルコール残基としては、上記各種のアルコール残基に対応するアルコールに、アルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等が水酸基に付加したアルコールであってもよい。この場合、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等の各種のアルキレンオキサイドを2種以上組合せて付加したものでもよい。
また、グリセリン等の3価以上の多価アルコールについては、グリセリン等が複数付加したポリグリセリン等の多価アルコールの残基も含まれる。このようなアルコール残基としては、ジグリセリン(炭素数6、分子量166)や、トリグリセリン(炭素数9、分子量240)、テトラグリセリン(炭素数12、分子量314)、ペンタグリセリン(炭素数15、分子量388)、ヘキサグリセリン(炭素数18、分子量462)等に由来するアルコール残基が好適に挙げられる。
エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加する場合、グリセリンや、ペンタエリスリトール等のアルコールに対して、これらのアルキレンオキサイドをランダム又はブロック状に付加させた後、樹脂酸とエステル化する。
また、アルコール残基としては、樹脂酸のカルボキシル基の水酸基に、アルカリ触媒下において、例えば、高圧下、150〜200℃で、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドをランダム又はブロック的に付加させたものでもよい。
樹脂酸エステルは、剤形によって、また施用方法等によって異るが、一般的には、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、1〜95%、好ましくは、5〜80%の量で配合される。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤や、アニオン界面活性剤等を好適に挙げることができる。これらの具体的な界面活性剤の例は、例えば、渡部忠一;「機能性界面活性剤、第8章 4;農薬」角田光雄監修、株式会社シーエムシー発行、2000年、東京)の173〜174頁に記載されている。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(C12〜18)等の糖エステル型やそのポリオキシエチレン(POE)付加物、POE脂肪酸エステル(C12〜18)等の脂肪酸エステル型、POEヒマシ油等の植物油型、ポリオキシアルキレン(エチレンやプロピレン)(POA)アルキルフェノールエーテル型、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー型、POEアルキルアミン等のアルキルアミン型、POEビスフェノールエーテル等のビスフェノール型、POAスチレン(又はベンジル)化フェニル(又はフェニルフェニル)エーテル等の多芳香環型等が好適に挙げることができる。その他、スルホン酸塩や、硫酸塩、りん酸塩型等のアニオン性界面活性剤を挙げることができる。
乳化剤としては、上記界面活性剤の中から、自己乳化性及び乳化安定性の良好な界面活性剤が選択され、好適に組み会わされたものを挙げることができる。
凍結防止剤としては、例えば、グリコールや、低級アルコール等を好適に挙げることができる。
凍結防止剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、約1〜10%、好ましくは、2〜5%の量で使用することが適当である。
増粘・安定剤としては、例えば、水溶性高分子物質や、ベントナイト等を好適に挙げることができる。
増粘・安定剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、0.05〜5.0%、好ましくは、0.1〜2.0%の量で使用することが適当である。
防腐剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系や、イソチアゾリン系、ベンズイミダゾール系、ニトロプロパンジオール系、チアベンダゾール系、パラオキシ安息香酸エステル等を好適に挙げることができる。
防腐剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、0.1〜1.0%、好ましくは、0.2〜0.5%の量で使用することが適当である。
以下において、樹脂酸エステルの可溶化方法として、実用的な主要な製剤化技術を説明する。
乳化剤としては、一般に自己乳化・分散性や、乳化安定性の良好なノニオン性界面活性剤や、アニオン性界面活性剤(例えば、渡部忠一;「機能性界面活性剤、第8章 4;農薬」角田光雄監修、pp171〜189、株式会社シー・エム・シー発行、2000年、東京)等が好適に挙げられる。乳化剤は、例えば、5〜30%、好ましくは、10〜20%で配合される。
これら乳剤は、更に固形化技術によって、乳化・可溶化型粒剤としたり、農薬製剤用鉱物微粉体(例えば、タルクや、クレー、白土、セリサイト、合成珪酸、カオリン等)に吸着させ、更に適当な界面活性剤を分散剤等として配合して、本発明のジャンボタニシ駆除剤としての乳化・可溶化型水和剤とすることもできる。
水中乳濁剤(EW剤)も、実際の施用においては、乳剤や液剤と同様に使用される。
これら乳剤、液剤、水中乳濁剤(EW剤)、顆粒水溶剤及び水和剤等は、ジャンボタニシが生息する実際の圃場で使用する場合、直接に、又は予め高濃度に水で希釈し、水田等の田面水に散布・滴下したり、また水口で導水時にこれらを滴下する等して使用しても良く、また、土壌混和処理等を行っても良い。
水面浮遊粒剤としてのジャンボタニシ駆除剤は、省力施用粒剤であり、一般的には前記の「押し出し」造粒法による「練りこみ」型粒剤として、製剤化される。この場合には、樹脂酸エステルは、水溶性のものか、若しくは水不溶性の場合には、予め乳剤型又は乳化剤を混合しておき、水面浮遊担体(例えば、中空状軽質ガラス粉体や、火山性シラスバルーン等)の他、ベントナイトや、クレー等、結合剤、水中崩壊促進剤、水面拡展剤等を含有させ、「練りこみ・押し出し」造粒法によって造粒される。この粒剤は、更に水溶性フィルムに包装して所謂「投げ込み剤」として水田等の畦畔等から田面水に直接投げ込むもので、水溶性フィルムの溶解につれて、樹脂酸エステルを含有する粒剤粒子が水面に拡散して自走した後、崩壊して樹脂酸エステルを水溶性又は乳濁状に放出する。
樹脂酸エステルを含有するジャンボタニシ駆除剤は、水田や、イグサ田、作物池、小川等に施用されると、通常状態ではその水中濃度が、約5〜30ppm、好ましくは、10〜20ppmの濃度で、ジャンボタニシを駆除することが可能である。 即ち、ジャンボタニシ駆除剤に接したジャンボタニシは、蓋を直ちに硬く閉じ、逃れるように水面へ浮かび、また、器壁や作物を攀じ登って忌避行動を示すが、結局食餌の摂取不能に陥り、最後には、死に至るものと考えられる。その作用は必ずしも明確で無いが、直接的致死作用ではなく、閉蓋に起因する呼吸又は節食阻害に依ると考えられる。
〔比較例1〕
〔比較例2〕
〔比較例3〕
〔比較例4〕
〔比較例5〕
500mlガラスビーカーに一度脱気した水道水400mlを入れ、これに卵から孵化し、キャベツ葉で育てたジャンボタニシ(サイズ1.0〜1.5 cm)10匹と新鮮キャベツ葉を入れて温室内(25℃)で1昼夜馴化した。これに実施例及び比較例の製剤の所定量を、有効成分濃度が1、5、10、20、30、50及び100 ppmになるように直接水面に撒いて入れ、水を攪拌して溶解した(この時キャベツ葉は新鮮なものに取り替えた)。その後、温室内(25℃)に48時間放置して、死亡個体を計測して死貝率を算出した。各試験はn=2で行い、結果は死貝率100%近傍の濃度に於ける死貝率の平均値を表示した。
Claims (4)
- 樹脂酸のエステルを有効成分として含有するジャンボタニシ駆除剤であって、前記エステルのアルコール残基が、炭素数1〜18を有しかつ分子量が700以下であることを特徴とするジャンボタニシ駆除剤。
- 前記アルコール残基が、グリセリン、ペンタエリスリトール又はポリグリセリンの残基である請求項1に記載のジャンボタニシ駆除剤。
- 前記アルコール残基が、炭素数2〜6のアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールの残基である請求項1に記載のジャンボタニシ駆除剤。
- 水田に施用される請求項1又は2に記載のジャンボタニシ駆除剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003295451A JP4455848B2 (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | ジャンボタニシ駆除剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003295451A JP4455848B2 (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | ジャンボタニシ駆除剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005060339A JP2005060339A (ja) | 2005-03-10 |
JP4455848B2 true JP4455848B2 (ja) | 2010-04-21 |
Family
ID=34371698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003295451A Expired - Fee Related JP4455848B2 (ja) | 2003-08-19 | 2003-08-19 | ジャンボタニシ駆除剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4455848B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4578943B2 (ja) * | 2004-11-15 | 2010-11-10 | 花王株式会社 | 農薬組成物 |
-
2003
- 2003-08-19 JP JP2003295451A patent/JP4455848B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005060339A (ja) | 2005-03-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2269823C (en) | Microemulsion and method | |
US20130079228A1 (en) | Agricultural spray solution compositions and methods | |
PL169830B1 (pl) | Kompozycja biobójcza lub agrochemiczna PL PL PL | |
US11980193B2 (en) | Natural oil pesticidal compositions | |
JP5567586B2 (ja) | ジメトモルフ及びジチオカルバメートを含む植物保護製剤 | |
CN106342853B (zh) | 具有增效作用的植物生长调节剂组合物 | |
EP2584894A2 (de) | Pelargonsäure-formulierung | |
JP4455848B2 (ja) | ジャンボタニシ駆除剤 | |
CN104430356A (zh) | 芸苔素内酯和丁子香酚复配剂及其应用 | |
CN112272520B (zh) | 改善的天然油杀有害生物组合物 | |
KR101915411B1 (ko) | 병충해 방제용 살균 조성물 | |
JP3041612B2 (ja) | 植物成長調整剤及び植物成長調整剤の製造方法 | |
JP4614404B2 (ja) | 害虫忌避剤及びそれを使用する害虫忌避方法 | |
CN108271804A (zh) | 一种适用于无人机喷洒的杀虫剂组合物及其应用 | |
NZ780782A (en) | Herbicide formulations | |
JP2007031320A (ja) | 殺虫効果の向上した農園芸用水性懸濁状農薬製剤 | |
WO2006121715A1 (en) | Composition and method for repelling moles, voles and gophers | |
WO2022149077A1 (en) | Azadirachtin formulations and process for preparing and use thereof | |
JP2005139125A (ja) | ジャンボタニシ駆除剤 | |
JP2002539226A (ja) | 網状ポリマーマトリックスの、抗浸出剤としての使用 | |
WO2024126767A1 (en) | Co-formulation composition | |
EP3905882A1 (en) | Emulsifier system for agricultural compositions comprising a pesticidal natural oil | |
JPH0678205B2 (ja) | 噴霧用農薬 | |
JP2003238312A (ja) | ジャンボタニシ駆除剤 | |
PL235692B1 (pl) | Środek do zwalczania szkodników roślin uprawnych |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060613 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100107 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100204 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |