JP4455848B2 - ジャンボタニシ駆除剤 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂酸のエステルを有効成分として含有する、ジャンボタニシの駆除剤に関する。
ジャンボタニシ(正式名:スクミリンゴガイ、学名;Pomacea canaliculata)は、千葉県以西の殆どの各県、特に西南暖地に広範に生息しており、特に生息密度の高い地域では、イネや、レンコン、ミズイモ、イグサ、マコモ等の水中で生育する農園芸作物に大きな食害を齎し、問題となっている。特に、イネ栽培においては、田植え直後の約1ケ月間の幼苗期には、1/3〜1/2の幼稲を食害し、また、直播水稲への被害は更に大きく、有効な駆除薬剤の出現が強く望まれてきた。
現在、このジャンボタニシの駆除又は防除に登録されている農薬としては、例えば、カルタップ [有効成分;S,S'-2-ジメチルアミノトリメチレン-ビス(チオカルバメート)]や、ベンスルタップ [有効成分;S,S'-2-ジメチルアミノトリメチレン-ジ(ベンゼンチオスルフォナート)]、キタジン-P[有効成分;S-ベンジル-O,O-ジイソプロピル-フォスフォロチオエート]、パダン+ミプシン [S,S'-2-ジメチルアミノトリメチレン-ビス(チオカルバメート)+O-キュメニルメチルカーバメート] 及びエカマート [O,O-ジエチル-S-2-エチルチオエチル ホスホロジチオエート+N,N-ジメチル-1,2,3-トリチアン-5-イルアミンオキザレート]等の各粒剤の1〜4kg/10aの水面施用や、石灰窒素の20〜40kg/10a施用が有効であるとされている。
しかしながら、これらの農薬では、本来ジャンボタニシ駆除用に開発されたものではないため、施用量が多いばかりでなく、魚毒性もかなり強いものもあり、駆除効果が不十分であったり、また変動したりして確実な効果が得られない問題がある。また、現在、メタアルデヒドや、硫酸銅、椿油絞り粕、酢酸トリフェニルスズ等が試験的に使用されているが、これらも、施用量が多かったり、魚毒性や作物への薬害が強かったり、また水質汚濁物質であったりするばかりではなく、農薬登録が無いものであり、環境に安全で確実な駆除効果を期待できるものではない。
本発明は、この様な現状に鑑み、低施用量で、確実なジャンボタニシ駆除効果を有し、環境への安全性を有するジャンボタニシ駆除剤を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するため、身近に見出される広範な天然物質の中から、木材中に含まれるテルペノイド系化合物に注目し、その多種の化合物につき注意深くジャンボタニシ駆除効果と共に、魚毒性やイネ薬害評価を繰り返した結果、天然に産する松脂やロジン等に含まれるジテルペノイドカルボン酸である樹脂酸のエステルが、魚毒性やイネ薬害のない、優れた駆除効果を有することを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、樹脂酸のエステルを有効成分として含有するジャンボタニシ駆除剤であって、前記エステルのアルコール残基が、炭素数1〜18を有しかつ分子量が700以下であることを特徴とするジャンボタニシ駆除剤に関するものである。
本発明のジャンボタニシ駆除剤は、低施用量で、確実なジャンボタニシ駆除効果を有し、環境への安全性を有する。
以下、本発明ついて、更に詳細に説明する。
本発明で使用される樹脂酸は、ジテルペノイドカルボン酸からなるものであり、具体的には、アビエチン酸や、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸、レボピマル酸、デキストロピマル酸、パラストリン酸等からなる。好ましい樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸や、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸等が挙げられる。
樹脂酸は、一般に市場において入手可能である。例えば、樹脂酸は、ロジンの精留や、吸着カラム分離、イオン交換樹脂等の精密分離工程を経て得ることができる。また、樹脂酸の一部は、試薬としても入手可能である。
樹脂酸は、樹脂酸を含有する生松脂や、ロジン等の形態で通常、容易に入手できる。
その中で所謂「松脂(松ヤニ)」は、生松の樹皮から得られ、各種のテルペノイド系化合物が混在するが、主要成分はこれら樹脂酸であり、この他に若干のテレピン油、脂肪酸、不鹸化物及びその他成分を含むものである。この「松ヤニ」から蒸留等によってテレピン油や脂肪酸等その他成分を分けて得られる上記樹脂酸混合物を一般に「ガムロジン」と称される。
一方、各種の松、杉、モミ、トウヒ等をチップにし、各種溶剤を用いて加温及び抽出したものからテレピン油や脂肪酸等を分別蒸留して省いて、得られる樹脂酸混合物は、「ウッドロジン」と称される。また、各種松材のチップをアルカリ蒸解してパルプを製造する際に得られる樹脂酸混合物は、「トールロジン」と称される。
これらロジンに含まれる樹脂酸の内、主としてアビエチン酸等の隣接不飽和結合を有するものを多量に含有するものは徐々に変化して樹脂酸の組成比を変化させ易く、ロジン類を使用した各種製品の物性劣化の原因となり易いので、化学的に安定な樹脂酸組成とするために、これを白金や、白金パラジウム、パラジウム黒、ニッケル、クロム酸銅等の触媒の存在下に真空中200〜300℃に加熱して「不均化」処理することにより、化学的に安定化(不均化反応)した「不均化ロジン」も本発明に係る樹脂酸として使用することができる。また、同様に、水素添加した所謂「水添加ロジン」に含有される樹脂酸や、重合した所謂「重合ロジン」も同様に有用である。
本発明の樹脂酸のエステルにおけるエステルのアルコール残基は、炭素数1〜18を有しかつ分子量が700以下であるアルコール残基である。
アルコール残基は、対応するアルコールの残基であるが、炭素数1〜18の範囲内にある限り、アルコールの水酸基にアルキレンオキサイドが付加した形態のアルコールの残基であってもよい。炭素数は、少ない方が、樹脂酸エステル1分子当たりの樹脂酸の比率を高めることになり、好ましい。また、アルコール部分が、多価アルコールに由来するものであり、1分子中に複数の樹脂酸がエステル結合することにより、樹脂酸1モルが結合する樹脂酸エステル1モル当たり分子量を低下させることが好ましい。
例えば、アルコール残基の炭素数は、好ましくは、1〜10、特に好ましくは、1〜8が好適である。
アルコール残基としては、水酸基が1個以上のアルコール残基、例えば、水酸基が1〜5個有するアルコールの残基が好ましい。アルコール残基の炭化水素基は、飽和であっても、不飽和のものであってもよく、また、直鎖又は分岐鎖のものであってもよい。
1価のアルコール残基としては、炭素数が1〜18、好ましくは、2〜10のものが好適である。このようなアルコール残基としては、具体的には、メチルアルコールや、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ジデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、更には、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等に由来するアルコール残基が好適に挙げられる。
2価のアルコール残基としては、炭化水素基の炭素数が例えば、2〜8、好ましくは、2〜6のアルキレングリコールに由来する残基が好適に挙げられる。このようなアルキレングリコール残基としては、例えば、エチレングリコールや、プロピルグリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコールに由来する残基が好適に挙げられる。
3価のアルコールとしては、例えば、炭化水素基の炭素数が、例えば、3〜8のアルコールに由来する残基が好適に挙げられる。このようなアルコール残基としては、例えば、グリセリン等のトリオールに由来する残基が好適に挙げられる。
4価のアルコールとしては、例えば、炭化水素基の炭素数が、例えば、4〜8のアルコール残基が好適に挙げられる。このようなアルコール残基としては、例えば、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに由来する残基が好適に挙げられる。
本発明においては、アルコール残基としては、上記各種のアルコール残基に対応するアルコールに、アルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等が水酸基に付加したアルコールであってもよい。この場合、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等の各種のアルキレンオキサイドを2種以上組合せて付加したものでもよい。
例えば、エタノールや、エチレングリコール、グリセリン等のアルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール残基が好適に挙げられる。但し、分子量が700以下(下限は、通常、60である)、好ましくは、300以下であることが必要であるから、付加モル数は、最大で、例えば、エチレンオキサイド(分子量44)の場合には、15モル程度まで、好ましくは、8モル程度までである。また、プロピレンオキサイド(分子量58)の場合には、最大で、例えば、12モル程度、好ましくは、6モル程度である。アルキレンオキサイドの炭素数が大きくなるに従って、最大付加モル数も、少ない方向に移行する。
アルコール残基には、ポリオキシエチレングリコールや、ポリオキシプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールの残基も含まれる。この場合、繰り返し単位であるアルキレンオキサイド単位の数、即ち、付加モル数に対応する数は、上記と同様に決定される。
また、グリセリン等の3価以上の多価アルコールについては、グリセリン等が複数付加したポリグリセリン等の多価アルコールの残基も含まれる。このようなアルコール残基としては、ジグリセリン(炭素数6、分子量166)や、トリグリセリン(炭素数9、分子量240)、テトラグリセリン(炭素数12、分子量314)、ペンタグリセリン(炭素数15、分子量388)、ヘキサグリセリン(炭素数18、分子量462)等に由来するアルコール残基が好適に挙げられる。
樹脂酸と、これらアルコール残基に対応するアルコールとの反応は、一般的に行われているエステル化法等の合成方法、例えば、樹脂酸と、アルコールとを、酸触媒の存在下で、加温及び加圧条件下で、脱水反応を行うか、樹脂酸を、一旦クロライドとし、アルコールは、アルカリアルコラートとした後、これらを加温下で脱塩反応させた後、精製して得ることができる。
エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加する場合、グリセリンや、ペンタエリスリトール等のアルコールに対して、これらのアルキレンオキサイドをランダム又はブロック状に付加させた後、樹脂酸とエステル化する。
また、アルコール残基としては、樹脂酸のカルボキシル基の水酸基に、アルカリ触媒下において、例えば、高圧下、150〜200℃で、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドをランダム又はブロック的に付加させたものでもよい。
樹脂酸エステルは、剤形によって、また施用方法等によって異るが、一般的には、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、1〜95%、好ましくは、5〜80%の量で配合される。
本発明のジャンボタニシ駆除剤には、必要に応じて、製剤としての特性を最良化するために、各種の添加剤を併用することができる。このような添加剤としては、例えば、キャリヤや、界面活性剤、媒体、乳化剤、凍結防止剤、増粘・安定剤、防腐剤等を好適に挙げることができる。
キャリヤとしては、例えば、タルクや、クレー、白土、ベントナイト、セリサイト、合成珪酸、カオリン等が好適に挙げることができる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤や、アニオン界面活性剤等を好適に挙げることができる。これらの具体的な界面活性剤の例は、例えば、渡部忠一;「機能性界面活性剤、第8章 4;農薬」角田光雄監修、株式会社シーエムシー発行、2000年、東京)の173〜174頁に記載されている。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(C12〜18)等の糖エステル型やそのポリオキシエチレン(POE)付加物、POE脂肪酸エステル(C12〜18)等の脂肪酸エステル型、POEヒマシ油等の植物油型、ポリオキシアルキレン(エチレンやプロピレン)(POA)アルキルフェノールエーテル型、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー型、POEアルキルアミン等のアルキルアミン型、POEビスフェノールエーテル等のビスフェノール型、POAスチレン(又はベンジル)化フェニル(又はフェニルフェニル)エーテル等の多芳香環型等が好適に挙げることができる。その他、スルホン酸塩や、硫酸塩、りん酸塩型等のアニオン性界面活性剤を挙げることができる。
界面活性剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、1〜30%、好ましくは、5〜15%の量で使用することが適当である。
乳化剤としては、上記界面活性剤の中から、自己乳化性及び乳化安定性の良好な界面活性剤が選択され、好適に組み会わされたものを挙げることができる。
乳化剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、1〜30%、好ましくは、5〜20%の量で使用することが適当である。
凍結防止剤としては、例えば、グリコールや、低級アルコール等を好適に挙げることができる。
凍結防止剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、約1〜10%、好ましくは、2〜5%の量で使用することが適当である。
増粘・安定剤としては、例えば、水溶性高分子物質や、ベントナイト等を好適に挙げることができる。
増粘・安定剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、0.05〜5.0%、好ましくは、0.1〜2.0%の量で使用することが適当である。
防腐剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系や、イソチアゾリン系、ベンズイミダゾール系、ニトロプロパンジオール系、チアベンダゾール系、パラオキシ安息香酸エステル等を好適に挙げることができる。
防腐剤は、本発明のジャンボタニシ駆除剤の質量に基づいて、例えば、0.1〜1.0%、好ましくは、0.2〜0.5%の量で使用することが適当である。
本発明の樹脂酸のエステルは、一般に粘凋液体のものから非晶質の樹脂状のものである。また、高分子量のポリエチレングリコールのエステルや、ポリグリセリンのエステルの場合を省いては、多くの場合不水溶性である。このため、このような非水溶性の樹脂酸エステルの場合には、ジャンボタニシに対する駆除効果を発揮できるようにするため、水に対して、予め、溶解性、可溶性又は乳化性としておくことが必要である。このような可溶化方法は、農薬一般に使用されている製剤技術の多くを利用することができ、例えば、乳剤や、液剤、粒剤、水中乳濁剤等の剤形とする方法がある。
以下において、樹脂酸エステルの可溶化方法として、実用的な主要な製剤化技術を説明する。
乳剤としてのジャンボタニシ駆除剤は、有効成分として、例えば、樹脂酸エステル1〜80%、好ましくは、5〜50%と、溶剤及び乳化剤からなる。溶剤としては、アルコールや、エステル、N-アルキルピロリドン、芳香族溶剤(キシレンや、トルエン、ナフサ、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、キシリルフェニルエタン等)、イソパラフィン系溶剤、植物油、トール油、シクロヘキサノン、ジアルキルフタレート、脂環族溶剤(例えば、アルキルシクロへキサンや、テレピン油、パインオイル、ナフテン系溶剤類)等が好適に挙げられる。
乳化剤としては、一般に自己乳化・分散性や、乳化安定性の良好なノニオン性界面活性剤や、アニオン性界面活性剤(例えば、渡部忠一;「機能性界面活性剤、第8章 4;農薬」角田光雄監修、pp171〜189、株式会社シー・エム・シー発行、2000年、東京)等が好適に挙げられる。乳化剤は、例えば、5〜30%、好ましくは、10〜20%で配合される。
これら乳剤は、更に固形化技術によって、乳化・可溶化型粒剤としたり、農薬製剤用鉱物微粉体(例えば、タルクや、クレー、白土、セリサイト、合成珪酸、カオリン等)に吸着させ、更に適当な界面活性剤を分散剤等として配合して、本発明のジャンボタニシ駆除剤としての乳化・可溶化型水和剤とすることもできる。
液剤としてのジャンボタニシ駆除剤は、例えば、水溶性の樹脂酸エステル1〜80%、好ましくは、5〜50%と、水又は水溶性溶剤(低級アルコールや、グリコール、ポリグリコール、グライム、ジグライム、PEG及びその誘導体、N-アルキルピロリドン、ケトン、エステル等)と、水中溶解・拡散性能の良い界面活性剤とから構成される。実際の施用に当たっては、乳剤同様に使用しても良い。これらは、乳剤同様に固形化技術を用いて固形化・粉状化・粒状化製技術を用いて、例えば粒剤や顆粒水溶剤等とすることも可能である。
水中乳濁剤(EW剤)としてのジャンボタニシ駆除剤は、例えば、水不溶性の樹脂酸エステル1〜60%、好ましくは、5〜30%を、水中に乳化状態で浮遊させたものであり、通常は、乳化剤を用いて乳化し、更に増粘剤を用いて凝集・沈降等を防止する。この場合、樹脂酸エステルに予め乳化剤を配合し、攪拌型乳化機やガウリン型高圧乳化機を使用して乳化することができる。
水中乳濁剤(EW剤)も、実際の施用においては、乳剤や液剤と同様に使用される。
これら乳剤、液剤、水中乳濁剤(EW剤)、顆粒水溶剤及び水和剤等は、ジャンボタニシが生息する実際の圃場で使用する場合、直接に、又は予め高濃度に水で希釈し、水田等の田面水に散布・滴下したり、また水口で導水時にこれらを滴下する等して使用しても良く、また、土壌混和処理等を行っても良い。
粒剤としてのジャンボタニシ駆除剤は、例えば、樹脂酸エステルを1〜50%、好ましくは、5〜30%含有する。「押し出し」造粒法による「練りこみ型」粒剤の場合には、水溶性の樹脂酸エステル又は水不溶性の場合には前記乳剤や、樹脂酸エステルに乳化剤を混合したもの配合し、この他、ベントナイトや、クレー、炭カル等の鉱物微粉体、結合剤及び水中崩壊促進剤が添加されて、加水・混錬・押し出し・切断・乾燥・篩別等の工程を経て粒剤となる。この場合、予め樹脂酸エステルを練りこむ場合と、予め粒基剤(所謂「空ダマ」)を製造し、これに樹脂酸エステル、その乳剤又は乳化剤配合物や液剤等を含浸させる場合とがある。この他、粒基剤(硅砂や、海砂、川砂、炭カル粒、軽石粒、硅石粒、繊維素粒等)の表面に、樹脂酸エステル、その乳剤又は乳化剤配合物等を被覆して、「被覆型粒剤」としても良い。
これら粒剤の実際の使用に当たっては、直接に散粒機や、手散布によって、ジャンボタニシの生息する実際の圃場の水面に投与するか、又は土壌混和処理する等の方法がある。
水面浮遊粒剤としてのジャンボタニシ駆除剤は、省力施用粒剤であり、一般的には前記の「押し出し」造粒法による「練りこみ」型粒剤として、製剤化される。この場合には、樹脂酸エステルは、水溶性のものか、若しくは水不溶性の場合には、予め乳剤型又は乳化剤を混合しておき、水面浮遊担体(例えば、中空状軽質ガラス粉体や、火山性シラスバルーン等)の他、ベントナイトや、クレー等、結合剤、水中崩壊促進剤、水面拡展剤等を含有させ、「練りこみ・押し出し」造粒法によって造粒される。この粒剤は、更に水溶性フィルムに包装して所謂「投げ込み剤」として水田等の畦畔等から田面水に直接投げ込むもので、水溶性フィルムの溶解につれて、樹脂酸エステルを含有する粒剤粒子が水面に拡散して自走した後、崩壊して樹脂酸エステルを水溶性又は乳濁状に放出する。
以上、樹脂酸エステルの主要な実用的製剤型について説明したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、その他の剤型として本発明のジャンボタニシ駆除剤を製剤化することができる。更に、ジャンボタニシ駆除剤には、必要に応じて、従来より公知の各成分、例えば、殺菌剤や、殺虫剤、除草剤、ジャンボタニシ駆除剤等、更には、肥料や土壌改良資材等を配合し、ジャンボタニシ駆除剤としての用途を拡大したり、ジャンボタニシ駆除剤としての作用効果を修飾することができる。
樹脂酸エステルを含有するジャンボタニシ駆除剤は、水田や、イグサ田、作物池、小川等に施用されると、通常状態ではその水中濃度が、約5〜30ppm、好ましくは、10〜20ppmの濃度で、ジャンボタニシを駆除することが可能である。 即ち、ジャンボタニシ駆除剤に接したジャンボタニシは、蓋を直ちに硬く閉じ、逃れるように水面へ浮かび、また、器壁や作物を攀じ登って忌避行動を示すが、結局食餌の摂取不能に陥り、最後には、死に至るものと考えられる。その作用は必ずしも明確で無いが、直接的致死作用ではなく、閉蓋に起因する呼吸又は節食阻害に依ると考えられる。
ジャンボタニシは、生息する圃場では、春から夏季には水中から這い出して、1〜2週間毎に土手や、水溝壁、雑草の茎葉や、その他固形物体上に産卵を行い、適温なら、2〜3週間後に孵化して幼貝となる。しかし、樹脂酸エステルは、やや高濃度での希釈液で卵上に散布すれば、孵化阻害を生じさせる。また、土壌処理することによって、土中における生育を阻害するので、越冬時駆除にも有効である。
以下、本発明について、実施例及び比較例によって、更に具体的に説明する。
樹脂酸を、エタノール(炭素数2、分子量46)でエステル化して得られた樹脂酸のエチルエステル(粘凋液体)20部(質量部、以後同様)に、工業用エタノール70部を加え、加温して溶解した後、乳化剤「ツウィ−ン80」(和光純薬製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)10部を添加し、約40℃で加温し、溶解して、樹脂酸エステル20%(質量%、以下同様)を含有する乳剤を得た。
樹脂酸を、ラウリルアルコール(炭素数12、分子量187)とエステル化反応させて得られた樹脂酸のラウリルエステル(ペースト状)40部に、工業用キシレン50部及び乳化剤「ソルポール3005」(東邦化学製、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルと、そのホルマリン縮合物と、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩との混合物)10部を加え、約40℃に加温して溶解し、樹脂酸エステル40%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸1モルを、エチレングリコール(炭素数2、分子量62)1モルとエステル化反応させて得られた樹脂酸のエチレングリコールモノエステル(粘凋液体)50部に、工業用キシレン40部及び乳化剤「ニューカルゲンST」(竹本油脂製、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルと、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩との混合物)10部を加え、加温して溶解し、樹脂酸エステル50%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸2モルを、ヘキシレングリコール(炭素数6、分子量118)とエステル化反応させて得られた樹脂酸のヘキシレングリコールジエステル(ペースト状)を用い、実施例3と同様に処方して、樹脂酸エステル50%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸3モルを、グリセリン(炭素数3、分子量92)1モルとエステル化反応させて得られた樹脂酸のグリセリントリエステル(樹脂状固体)35部に、工業用キシレン55部と、乳化剤「ソルポール3005」10部とを加え、約80℃に加温して溶解し、樹脂酸エステル35%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸4モルを、ペンタエリスリトール(炭素数5、分子量136)1モルとエステル化反応させて得られた樹脂酸のペンタエリスリトールテトラエステル(樹脂状固体)35部に、工業用キシレン55部及び「ニューカルゲンST」10部を混合し、約75℃に加温し、溶解して、樹脂酸エステル35%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸4モルを、テトラグリセリン(炭素数12、分子量314)1モルとエステル化反応させて得られた樹脂酸のテトラグリセリンテトラエステル(樹脂状固体)30部に、工業用キシレン60部及び「ソルポール3005」10部を混合し、約80℃に加温し、溶解して、樹脂酸エステル30%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸1モルに、エチレンオキサイド3モル(平均モル数)(総炭素数6、分子量132)を付加させて得られた樹脂酸のポリオキシエチレンエステル(ペースト状)30部に、工業用エタノール60部及び「ツウィーン80」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸エステル30%を含有する乳剤を得た。
樹脂酸2モルを、ポリオキシプロピレングリコール(炭素数約18、平均分子量350)でエステル化して得られた樹脂酸のポリオキシプロピレンジエステル(ペースト状)50部に、工業用キシレン40部及び「ソルポール3005」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸エステル50%を含有する乳剤を得た。
グリセリン1モルに、酸化エチレン6モルを付加反応(総炭素数12、分子量264)させた後、これに樹脂酸3モルをエステル化反応させて得られた樹脂酸のトリエステル(ペースト状)50部に、工業用キシレン40部及び「ソルポール3005」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸エステル50%を含有する乳剤を得た。
〔比較例1〕
樹脂酸に、ベヘニルアルコール(炭素数22、分子量326)でエステル化して得られた樹脂酸のベヘニルエステル(ワックス状)40部に、工業用キシレン50部を加え、加温して溶解した後、乳化剤(「ニューカルゲンST」)10部を添加し、約60℃で加温し、溶解して、樹脂酸のベヘニルエステル40%を含有する乳剤を得た。
〔比較例2〕
樹脂酸7モルに、デカグリセリン(炭素数30、分子量758)1モルをエステル化させて得られた樹脂酸のデカグリセリンヘプタエステル(樹脂状固体)10部に、工業用キシレン80部及び乳化剤「ニューカルゲンST」10部を加えて、90℃まで加温し、樹脂酸のデカグリセリンヘプタエステルを10部含有する乳剤を得た。
〔比較例3〕
樹脂酸1モルにエチレンオキサイド25モル(平均モル数)(炭素数50、分子量1100)を付加させることによって得られた樹脂酸のポリオキシエチレンモノエステル(ワックス状)35部に、工業用エタノール55部及び「ツウィーン80」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸のポリオキシエチレンモノエステル35%を含有する液剤を得た。
〔比較例4〕
樹脂酸1モルに、プロピレンオキサイド20モル(平均モル数)(炭素数60、分子量1160)を付加させることによって得られた樹脂酸のポリオキシプロピレンモノエステル(ワックス状)35部に、工業用キシレン55部及び「ソルポール3005」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸のポリオキシプロピレンモノエステル35%含有する乳剤を得た。
〔比較例5〕
樹脂酸2モルを、ポリエチレングリコール(炭素数約45、平均分子量1000)とエステル化反応させることによって得られた樹脂酸のポリオキシエチレンジエステル(ペースト状)35部に、工業用エタノール55部及び「ツウィーン80」10部を混合し、約40℃に加温し、溶解して、樹脂酸ポリオキシエチレンジエステル35%を含有する液剤を得た。
ジャンボタニシ駆除効果試験法
500mlガラスビーカーに一度脱気した水道水400mlを入れ、これに卵から孵化し、キャベツ葉で育てたジャンボタニシ(サイズ1.0〜1.5 cm)10匹と新鮮キャベツ葉を入れて温室内(25℃)で1昼夜馴化した。これに実施例及び比較例の製剤の所定量を、有効成分濃度が1、5、10、20、30、50及び100 ppmになるように直接水面に撒いて入れ、水を攪拌して溶解した(この時キャベツ葉は新鮮なものに取り替えた)。その後、温室内(25℃)に48時間放置して、死亡個体を計測して死貝率を算出した。各試験はn=2で行い、結果は死貝率100%近傍の濃度に於ける死貝率の平均値を表示した。








Figure 0004455848























Figure 0004455848
*):薬剤無添加)
以上の結果の通り、本発明のジャンボタニシ駆除剤は、例えば、10ppm前後の低濃度においても、ジャンボタニシに対する顕著な駆除効果を有することが明らかである。

Claims (4)

  1. 樹脂酸のエステルを有効成分として含有するジャンボタニシ駆除剤であって、前記エステルのアルコール残基が、炭素数1〜18を有しかつ分子量が700以下であることを特徴とするジャンボタニシ駆除剤。
  2. 前記アルコール残基が、グリセリン、ペンタエリスリトール又はポリグリセリンの残基である請求項1に記載のジャンボタニシ駆除剤。
  3. 前記アルコール残基が、炭素数2〜6のアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールの残基である請求項1に記載のジャンボタニシ駆除剤。
  4. 水田に施用される請求項1又は2に記載のジャンボタニシ駆除剤。
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