JP4455699B2 - Variable gain amplifier circuit and communication device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等において受信された受信信号を可変利得で増幅可能な利得可変増幅回路およびこの利得可変増幅回路を備えた携帯電話機等の通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の通信機器において、希望とする受信信号と共に、受信信号とは異なる周波数成分の妨害信号が入力されると、各信号間で相互変調問題が発生し、受信感度が低下する。そこで、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access :符号分割多元接続)方式の携帯電話機においては、受信感度が低下するのを防止するために、「IS(Interim Standard)−95」という性能基準が規定されている。このIS−95では、例えば、(1)受信信号レベルが−101dBmで1つの妨害信号−30dBm、(2)受信信号レベルが−101dBmで2つの妨害信号−43dBm、(3)受信信号レベルが−90dBmで2つの妨害信号−32dBm、(4)受信信号レベルが−79dBmで2つの妨害信号−21dBm、の各条件下で感度が通信に充分な値であること、という性能基準が規定されている。
【0003】
このようなIS−95の性能基準を実現するためには、特に、受信系回路の高周波段に、3次ひずみ特性(デバイスの性能としては入力インタセプトポイント( IIP3) といわれる性能)が優れているローノイズアンプ(LNA: 低雑音高周波増幅器)が必要とされる。まず、−101dBmの受信信号レベルにおける性能は、従来からある通常の技術を用いて、増幅用のトランジスタに10mA程度の電流を流すような回路によってローノイズアンプを構成すれば満足することができる。しかしながら、3次ひずみ特性を改善する手段として、電流を多く流すという手法を用いるだけでは、−90dBmと−79dBmの受信信号レベルにおける性能を満足することはできない。また、最近開発されたシリコンゲルマニューム(SiGe)やガリウム砒素(GaAs)のヘテロバイポーラ・トランジスタ(HBT)を適用しても、従来からある通常の利得一定の増幅動作だけでは、−90dBmと−79dBmの受信信号レベルにおける性能は満足しない。
【0004】
現在、−79dBmにおける性能を実現する方法として、例えば、図5に示すような回路を用いる場合がある。同図に示した回路は、高周波の受信信号INを増幅する高周波増幅回路101と、この高周波増幅回路101に並列接続され、受信信号INを高周波増幅回路101に対して選択的にバイパスさせるバイパススイッチ回路102とを備えている。高周波増幅回路101とバイパススイッチ回路102は、受信信号INが入力される入力端子103と、出力信号OUTを出力する出力端子104とに接続されている。高周波増幅回路101は、増幅用トランジスタを含んで構成され、利得一定で動作するものである。バイパススイッチ回路102は、スイッチング素子を含んで構成されるものである。バイパススイッチ回路102は、高周波増幅回路101に対してディスクリート部品(個別部品)で構成される。
【0005】
この回路では、例えば、受信信号INの信号レベルが−79dBm以上のときに、バイパススイッチ回路102がオンし、信号レベルが−79dBmより小さいときには、バイパススイッチ回路102がオフ状態となるように動作する。このとき、高周波増幅回路101は、受信信号INの信号レベルが−79dBm以上で増幅動作がオフ状態となり、信号レベルが−79dBmより小さいときには増幅動作がオン状態となるように動作し、利得一定で受信信号INを増幅する。この回路では、バイパススイッチ回路102がオンの状態では、利得がないため、+10dBm以上のIIP3特性を示し、−79dBmの性能を満足する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示した回路では、バイパススイッチ回路102が高周波増幅回路101に並列に接続されていると共に、特に、バイパススイッチ回路102が、高周波増幅回路101に対してディスクリート部品で構成されているので、高周波増幅回路101の増幅動作時における利得やNF(Noise Figure: 雑音指数)の性能のばらつきが大きくなるという問題がある。
【0007】
また、図5に示した回路では、−90dBmにおける性能を充分に満足できないという問題がある。すなわち、高周波増幅回路101における利得一定の動作では、動作電流をかなり大きく設定しても、現状の入手可能なデバイスでは、−90dBmにおける性能を充分に満足できない。また、信号レベルが−90dBmのときに、バイパススイッチ回路102をオン状態にした場合には、受信信号INの信号レベルが小さい状態であるため、充分な感度が達成されない。
【0008】
上述のように従来のLNA回路は、利得一定のアンプとバイパススイッチ回路で構成しているため、−90dBmにおけるひずみ特性を満足していない。また、バイパススイッチ回路102がディスクリート部品で構成されていたため、感度にバラツキが起こりやすく、バイパススイッチ回路102が正帰還素子のふるまいをして、異常発振が起こるという問題がある。
【0009】
そこで、−90dBmにおける性能を満足するために、例えば、特開平11-196015 号公報では、高周波増幅回路101として、AGC(Automatic Gain Control: 自動利得制御)機能付きの利得可変増幅回路を適用した回路が提案されている。この公報記載の発明では、受信レベルに応じて利得を可変的に制御することにより、−90dBmにおける性能を満足することができる。しかしながら、この公報では、利得可変増幅回路とバイパススイッチ回路とを具体的にどのような回路で構成するかについての言及がなく、実現性に乏しいという問題がある。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、受信信号の信号レベル全域において、ひずみ特性の優れた性能を実現することができるようにした利得可変増幅回路および通信機器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の利得可変増幅回路は、受信信号が入力される入力端子と、エミッタ端子が入力端子に接続され、入力端子を介して入力された高周波の受信信号を増幅する増幅用トランジスタと、ベース端子が増幅用トランジスタのベース端子に接続されることにより増幅用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、増幅用トランジスタの動作電流を制御するための第1の制御用トランジスタと、増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が入力端子に接続され、入力端子を介して入力された受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合を変化させる分流用トランジスタと、ベース端子が分流用トランジスタのベース端子に接続されることにより分流用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、分流用トランジスタの動作電流を制御するための第2の制御用トランジスタと、増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタのエミッタ端子と共に入力端子に接続され、入力端子を介して入力された受信信号の信号レベルに応じてオン・オフ制御され、増幅用トランジスタに対する受信信号の信号経路を切り換えるためのスイッチング素子として機能するバイパス用トランジスタとを備えたものである。
【0012】
この利得可変増幅回路では、増幅用トランジスタによって、入力された高周波の受信信号が増幅される。このとき、増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合は、受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに並列接続された分流用トランジスタによって変化させられる。また、増幅用トランジスタに並列接続されたスイッチング素子によって、受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに対する受信信号の信号経路が切り換えられる。
【0013】
請求項2記載の利得可変増幅回路は、請求項1記載の利得可変増幅回路において、更に、外部から入力された制御用信号に基づいて、受信信号の信号レベルに応じて各トランジスタおよびスイッチング素子の動作制御を行う制御回路を備え、制御回路が、スイッチング素子がオン状態のときに、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに対して受信信号が非入力状態となり、スイッチング素子がオフ状態のときに、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに対して受信信号が入力状態となるように、各トランジスタおよびスイッチング素子の動作制御を行うようにしたものである。
【0014】
この利得可変増幅回路では、制御回路によって、外部から入力された制御用信号に基づいて、受信信号の信号レベルに応じて、スイッチング素子がオン状態のときに、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに対して受信信号が非入力状態となり、スイッチング素子がオフ状態のときに、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに対して受信信号が入力状態となるように、各トランジスタおよびスイッチング素子の動作制御が行われる。
【0015】
請求項3記載の利得可変増幅回路は、請求項2記載の利得可変増幅回路において、制御回路が、受信信号の信号レベルが所定値より小さいときに、スイッチング素子がオフ状態となり、受信信号の信号レベルが所定値以上のときに、スイッチング素子がオン状態になるように、スイッチング素子の動作制御を行うようにしたものである。
【0016】
この利得可変増幅回路では、制御回路によって、受信信号の信号レベルが所定値より小さいときに、スイッチング素子がオフ状態となり、受信信号の信号レベルが所定値以上のときに、スイッチング素子がオン状態になるように、スイッチング素子の動作制御が行われる。
【0017】
請求項4記載の利得可変増幅回路は、請求項2記載の利得可変増幅回路において、制御回路が、外部から入力された第1の制御用信号に基づいて、第1の制御用トランジスタおよび第2の制御用トランジスタに流れる電流を制御することにより、増幅用トランジスタの利得制御を行う第1の制御回路と、スイッチング素子としてのバイパス用トランジスタのベース端子に接続され、外部から入力された第2の制御用信号に基づいて、バイパス用トランジスタのベース端子に入力する電流を制御することによりスイッチング素子をオン・オフ制御する第2の制御回路とを有したものである。
【0018】
この利得可変増幅回路では、第1の制御回路によって、外部から入力された第1の制御用信号に基づいて、増幅用トランジスタの利得制御が行われる。また、第2の制御回路によって、外部から入力された第2の制御用信号に基づいて、スイッチング素子がオン・オフ制御される。
【0019】
請求項5記載の利得可変増幅回路は、請求項1記載の利得可変増幅回路において、増幅用トランジスタのベース端子を、高周波的に接地するようにしたものである。
【0020】
請求項6記載の利得可変増幅回路は、請求項1記載の利得可変増幅回路において、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに流れる動作電流の和を、一定の通信環境下にある限りにおいて、受信信号の信号レベルの変化に関わらず一定に保つようにしたものである。
【0021】
この利得可変増幅回路では、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに流れる動作電流の和が、一定の通信環境下にある限りにおいて、受信信号の信号レベルの変化に関わらず一定に保たれる。
【0022】
請求項7記載の利得可変増幅回路は、請求項6記載の利得可変増幅回路において、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに流れる動作電流の和を、妨害信号の有無を含む通信環境の違いに応じて変化させるようにしたものである。
【0023】
この利得可変増幅回路では、動作電流の和が、妨害信号の有無を含む通信環境の違いに応じて変化させられる。
【0024】
請求項8記載の通信機器は、受信信号に対する信号処理を行う受信装置と、受信装置に入力された高周波の受信信号を可変的に増幅する利得可変増幅回路とを備えた通信機器であって、利得可変増幅回路が、受信信号が入力される入力端子と、エミッタ端子が入力端子に接続され、入力端子を介して入力された高周波の受信信号を増幅する増幅用トランジスタと、ベース端子が増幅用トランジスタのベース端子に接続されることにより増幅用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、増幅用トランジスタの動作電流を制御するための第1の制御用トランジスタと、増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が入力端子に接続され、入力端子を介して入力された受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合を変化させる分流用トランジスタと、ベース端子が分流用トランジスタのベース端子に接続されることにより分流用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、分流用トランジスタの動作電流を制御するための第2の制御用トランジスタと、増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタのエミッタ端子と共に入力端子に接続され、入力端子を介して入力された受信信号の信号レベルに応じてオン・オフ制御され、増幅用トランジスタに対する受信信号の信号経路を切り換えるためのスイッチング素子として機能するバイパス用トランジスタとを備えたものである。
【0025】
この通信機器では、利得可変増幅回路における増幅用トランジスタによって、入力された高周波の受信信号が増幅される。このとき、増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合は、受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに並列接続された分流用トランジスタによって変化させられる。また、増幅用トランジスタに並列接続されたスイッチング素子によって、受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに対する受信信号の信号経路が切り換えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態に係る通信機器としての携帯電話機の構成を示すブロック図である。なお、図では、携帯電話機の一構成例として、CDMA方式とFM方式のデュアルモードを有するものについて、高周波信号を扱う部分を中心に示している。この図に示した携帯電話機は、送信信号に対する信号処理を行う送信(TX)系回路1と、受信信号に対する信号処理を行う受信(RX)系回路2と、送信系回路1に対して処理すべき送信信号を変調して出力すると共に、受信系回路2において処理された受信信号が入力されるモデム3と、送信信号および受信信号の分離を行うデュプレクサ4と、送信すべき信号電波の放射を行うと共に、図示しない基地局からの信号電波を受信する共用アンテナ5とを備えている。
【0028】
ここで、受信系回路2が、本発明における「受信装置」の一具体例に対応する。
【0029】
送信系回路1は、モデム3から出力されたベースバンド送信信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying :4相位相シフト)変調してIF(Intermediate Frequency:中間周波数)信号を出力するQPSK変調回路11と、AGC機能を有し、IF信号を送信側IF用AGC電圧(利得制御電圧)VTX-AGCに応じて可変的に増幅する送信側IF増幅回路12と、増幅されたIF信号を、局部発振器16からの局部発振信号と混合してRF(Radio Frequency :高周波)信号に変換して出力するミキサ13と、RF信号に含まれる不要信号成分を除去するためのバンドパスフィルタ14と、バンドパスフィルタ14から出力されたRF信号を増幅してデュプレクサ4に出力するパワーアンプ(PA)15とを備えている。
【0030】
受信系回路2は、AGC機能を有し、デュプレクサ4を介して入力されたRF信号をRF用AGC電圧VL-AGC に応じて可変的に増幅するローノイズアンプ(LNA)21と、RF信号に含まれる不要信号成分を除去するためのバンドパスフィルタ22と、RF信号を局部発振器16からの局部発振信号と混合してIF信号に変換するためのミキサ23と、入力されたIF信号をCDMA用の信号成分に変換するためのCDMA用バンドパスフィルタ24と、入力されたIF信号をFM用の信号成分に変換するためのFM用バンドパスフィルタ25と、選択的に入力されたCDMA用の受信信号およびFM用のIF信号を受信側IF用AGC電圧(利得制御電圧)VRX-AGCに応じて可変的に増幅する受信側IF増幅回路26と、CDMA用バンドパスフィルタ24およびCDMA用バンドパスフィルタ24を選択的に受信側IF増幅回路26に接続する切り換えスイッチ28と、受信側IF増幅回路26で増幅された受信信号をQPSK復調するためのQPSK復調回路27とを備えている。
【0031】
受信系回路2は、更に、AGC電圧VL-AGC ,VRX-AGCおよび切り換え制御信号VSWを発生し、ローノイズアンプ21と受信側IF増幅回路26とにおける利得を制御する受信用制御電圧発生回路40を備えている。
【0032】
ここで、ローノイズアンプ21が、本発明における「利得可変増幅回路」の一具体例に対応する。また、RF用AGC電圧VL-AGC および切り換え制御信号VSWが、本発明における「制御用信号」の一具体例に対応する。
【0033】
モデム3は、入力された受信信号の強度(受信強度)を検出するための受信信号強度検出回路(RSSI)33と、受信強度と強度基準データD11とを比較し、その差分を示す信号を出力する比較回路34と、IF用AGC電圧VTX-AGCを発生し、送信側IF増幅回路12の利得を制御する送信用制御電圧発生回路35とを備えている。
【0034】
比較回路34からの差分を示す信号は、受信用制御電圧発生回路40に出力されるようになっている。また、比較回路34からの差分を示す信号は、送信出力補正回路35にも出力される。送信出力補正回路35は、比較回路34から入力された差分を示す信号と、別途入力された送信出力補正データD12とに基づいて、IF用AGC電圧VTX-AGCを出力して送信側IF増幅回路26の利得を制御するようになっている。受信用制御電圧発生回路40は、比較回路34からの信号によって示される差分が「0」になるように、IF用AGC電圧VRX-AGCを出力して受信側IF増幅回路26の利得を制御するようになっている。また、受信用制御電圧発生回路40は、比較回路34からの信号に応じて、RF用AGC電圧VL-AGC および切り換え制御信号VSWを発生し、ローノイズアンプ21の利得を制御するようになっている。
【0035】
ここで、本実施の形態における携帯電話機は、実質的な通信の有無に関わらず、受信信号の信号レベルの検出を行うために常時動作状態にある。なお、ここでいう「実質的な通信」とは、通話を伴う通信のことをいう。また、本実施の形態において、「受信信号」には、着信を伴わない単なる信号レベルのチェック用の信号も含まれるものとする。
【0036】
図2は、本発明の特徴部分であるローノイズアンプ21の構成例を示す回路図である。この図に示したローノイズアンプ21は、入力信号IN(RF信号)を可変的に増幅可能な可変増幅回路41と、受信信号の信号レベル等に応じて可変増幅回路41における利得の制御を行うコントロール回路部42とを備えている。コントロール回路部42は、可変増幅回路41における利得の制御を行うためのAGCコントロール回路43と、可変増幅回路41における入力信号INの信号経路の制御を行うバイパスコントロール回路44とを有している。この図に示したローノイズアンプ21には、入力端子54を介して入力信号INが入力されるようになっている。また、ローノイズアンプ21には、コントロール回路部42の入力端子52を介して受信用制御電圧発生回路40(図1)からのRF用AGC電圧VL-AGC (第1の制御用信号)が入力され、入力端子51を介して受信用制御電圧発生回路40からの切り換え制御信号VSW(第2の制御用信号)が入力されるようになっている。更に、ローノイズアンプ21においては、出力端子56を介して可変増幅回路41によって増幅された出力信号OUTが出力されるようになっている。なお、同図に示した回路には、複数のトランジスタが含まれるが、ここでは各トランジスタをバイポーラ型のトランジスタで構成した例について説明する。
【0037】
なお、ここで、コントロール回路部42が、本発明における「制御回路」の一具体例に対応する。また、AGCコントロール回路43が、本発明における「第1の制御回路」の一具体例に対応し、バイパスコントロール回路44が、本発明における「第2の制御回路」の一具体例に対応する。
【0038】
まず、可変増幅回路41の構成について説明する。可変増幅回路41は、入力信号INを増幅する増幅用トランジスタT1と、増幅用トランジスタT1と共にカレントミラー回路63を形成し、増幅用トランジスタT1の動作電流I1を制御するための制御用トランジスタT2と、増幅用トランジスタT1に並列接続されると共に、受信信号の信号レベルに応じて増幅用トランジスタT1に入力される入力信号INの割合を変化させる分流用トランジスタT3と、分流用トランジスタT3と共にカレントミラー回路62を形成し、分流用トランジスタT3の動作電流I3を制御するための制御用トランジスタT4と、増幅用トランジスタT1に並列接続されると共に、コントロール回路部42からの制御電流ISWによって受信信号の信号レベルに応じてオン/オフ制御され、入力信号INの信号経路を切り換えるスイッチング素子としてのバイパス用トランジスタT5とを有している。可変増幅回路41は、更に、抵抗R1〜R3と、コンデンサC2,C3,C4とを有している。トランジスタT1,T2,T3,T4は、カレントミラー回路を応用しているので、IC(integrated circuit: 集積回路)技術により、同一のシリコン基板上に形成可能である。
【0039】
この可変増幅回路41において、カレントミラー回路63を形成する一対のトランジスタT1,T2のベース端子は、互いのベース端子に共通接続されている。また、トランジスタT1,T2のベース端子は、コントロール回路部42のAGCコントロール回路43に接続されている。更に、トランジスタT1,T2のベース端子は、コンデンサC2の一端側に接続されている。コンデンサC2の他端側は接地されており、トランジスタT1,T2を高周波的に接地している。コンデンサC2の容量値は、例えば2Ghzの高周波動作では、3〜5pF程度に設定される。
【0040】
制御用トランジスタT2のコレクタ端子は、自身のベース端子にダイオード接続されている。また、制御用トランジスタT2のエミッタ端子は、接地されている。一方、増幅用トランジスタT1のエミッタ端子は、分流用トランジスタT3のエミッタ端子と、バイパス用トランジスタT5のエミッタ端子とに接続されている。増幅用トランジスタT1のエミッタ端子は、また、入力信号INが入力される入力端子54と、DCバイアス用に設けられたインダクタンスL2の一端側に接続されている。インダクタンスL2の他端側は接地されている。また、増幅用トランジスタT1のコレクタ端子は、コンデンサC4,C1の一端と、インダクタンスL1の一端とに接続されている。増幅用トランジスタT1には、カレントミラー回路63を形成する制御用トランジスタT2に流れる電流I2に比例した値の電流I1が流れるようになっている。
【0041】
なお、コンデンサC1とインダクタンスL1は、増幅用トランジスタT1のインピーダンス・マッチング用に設けられたものである。インダクタンスL1の他端は、電源電圧Vccが印加される入力端子55に接続されている。コンデンサC1の他端は、SAW(Surface Acoustic Waves:表面弾性波)フィルタ44の入力側に接続されている。可変増幅回路41において、端子54から入力された入力信号INは、増幅用トランジスタT1で増幅され、インダクタンスL1およびコンデンサC1を介して、SAWフィルタ44の入力側へ伝達されるようになっている。SAWフィルタ44の出力側は、出力端子56に接続されている。
【0042】
また、可変増幅回路41において、カレントミラー回路62を形成する一対のトランジスタT3,T4のベース端子は、互いのベース端子に共通接続されている。また、トランジスタT3,T4のベース端子は、コントロール回路部42のAGCコントロール回路43に接続されている。更に、トランジスタT3,T4のベース端子は、コンデンサC3の一端側に接続されている。コンデンサC3の他端側は接地されており、トランジスタT3,T4を高周波的に接地している。コンデンサC3の容量値は、コンデンサC2と同様に、例えば2Ghzの高周波動作では、3〜5pF程度に設定される。
【0043】
制御用トランジスタT4のコレクタ端子は、自身のベース端子にダイオード接続されている。また、制御用トランジスタT4のエミッタ端子は、接地されている。分流用トランジスタT3のエミッタ端子は、増幅用トランジスタT1のエミッタ端子と、バイパス用トランジスタT5のエミッタ端子とに接続されている。分流用トランジスタT3のエミッタ端子は、また、増幅用トランジスタT1のエミッタ端子と共に、入力信号INが入力される入力端子54と、DCバイアス用に設けられたインダクタンスL2の一端側とに接続されている。また、分流用トランジスタT3のコレクタ端子は、電源電圧Vccが印加される入力端子55とインダクタンスL1の他端との間に接続されている。入力端子55とインダクタンスL1の他端との間には、また、コンデンサC5の一端側が接続されている。コンデンサC5の他端側は接地されている。
【0044】
分流用トランジスタT3には、カレントミラー回路62を形成する制御用トランジスタT4に流れるコレクタ電流I4に比例した値のコレクタ電流I3が流れるようになっている。ここで、分流用トランジスタT3に電流I3が流れていると、入力端子54に入力された入力信号INは、増幅用トランジスタT1のみならず分流用トランジスタT3にも分流して流れ、増幅用トランジスタT1の利得を低下させるようになっている。従って、可変増幅回路41においては、増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3に流れる電流の電流比によって、増幅用トランジスタT1の利得が変わることになる。本実施の形態におけるローノイズアンプ21のAGC機能は、この増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3に流れる電流の電流比を利用している。
【0045】
なお、可変増幅回路41において、増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3は、例えば同一セルサイズで構成されている。また、トランジスタT2とトランジスタT4も、同一セルサイズで構成されている。制御用トランジスタT2,T4は、それぞれトランジスタT1,T3に対して、例えば1/10から1/100のセルサイズで構成されていることが望ましい。制御用トランジスタT2,T4のセルサイズをトランジスタT1,T3に対して小さく設定することにより、制御用トランジスタT2,T4に流す電流が少なくて済むので、少ない消費電流でトランジスタT1,T3の動作を制御することができる。
【0046】
可変増幅回路41において、バイパス用トランジスタT5のベース端子は、抵抗R1を介してコントロール回路部42のバイパスコントロール回路44に接続されており、バイパスコントロール回路44からの制御電流ISWが入力されるようになっている。バイパス用トランジスタT5のベース端子は、また、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は接地されている。バイパス用トランジスタT5のコレクタ端子は、コンデンサC4の他端に接続されている。バイパス用トランジスタT5のコレクタ端子とコンデンサC4の他端との間には、抵抗R3の一端が接続されている。抵抗R3の他端は接地されている。なお、抵抗R1,R2,R3は、バイパス用トランジスタT5のバイアス用に設けられたものである。また、バイパス用トランジスタT5のエミッタ端子は、増幅用トランジスタT1のエミッタ端子および分流用トランジスタT3のエミッタ端子と共に、入力端子52と、インダクタンスL2の一端側とに接続されている。
【0047】
ここで、バイパス用トランジスタT5のベース端子にバイパスコントロール回路44からの制御電流ISWが入力されると、バイパス用トランジスタT5がオン状態となりコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低くなって、入力端子54に入力された入力信号INは、バイパス用トランジスタT5を介して、出力端子56側に伝達されるようになる。本実施の形態においては、このバイパス用トランジスタT5がオン状態のときに、トランジスタT1,T2,T3,T4に流れる電流がゼロとなるように電流制御し、入力信号INが増幅用トランジスタT1によって増幅されることなくバイパス用トランジスタT5を介して出力されるように設定されている。
【0048】
このように、可変増幅回路41は、増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3に流れる電流の電流比を利用したAGC機能により、入力信号INを可変的に増幅して出力することが可能であると共に、バイパス用トランジスタT5のスイッチング機能により、増幅用の回路部分をバイパスするように入力信号INの信号経路を切り換え、入力信号INを増幅することなく、そのままの状態で出力することが可能となっている。
【0049】
なお、図2では、可変増幅回路41におけるトランジスタT1〜T5を、全てバイポーラトランジスタで構成した例を示しているが、トランジスタT1〜T5をBiCMOS(Bipolar CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor )) 回路を利用して構成することも可能である。BiCMOS回路を利用する場合には、バイパス用トランジスタT5をMOSトランジスタで構成しても、バイポーラトランジスタと同様な動作となる。
【0050】
次に、AGCコントロール回路43の構成について説明する。AGCコントロール回路43は、可変増幅回路41に対するAGC機能を実現するための回路である。このコントロール回路43において、RF用AGC電圧VL-AGC が入力される入力端子52は、抵抗R80の一端に接続されている。抵抗R80の他端は、抵抗R81,R82の一端に接続され、抵抗R81,R82と共に、トランジスタT11のベース端子に接続されている。従って、トランジスタT11のベース端子には、抵抗R80を介してRF用AGC電圧VL-AGC が入力される。抵抗R81の他端は接地されている。抵抗R82の他端は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に接続されている。抵抗R80,R81,R82は、トランジスタT11に入力されるRF用AGC電圧VL-AGC の範囲を調整するためのものである。
【0051】
トランジスタT11は、トランジスタT12と共に差動増幅回路を形成している。トランジスタT11.T12のエミッタ端子は、電流源となるトランジスタ53のコレクタ端子に共通接続されている。トランジスタT11のコレクタ端子は、トランジスタT21のコレクタ端子に接続されている。一方、トランジスタT12のベース端子は、抵抗R11の一端と抵抗R12の一端との間に接続されている。トランジスタT12のベース端子は、また、抵抗R11を介して自身のコレクタ端子にダイオード接続されている。抵抗R11の他端は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に接続されている。抵抗R12の他端は接地されている。
【0052】
トランジスタT21のベース端子は、トランジスタT23,T24のベース端子に共通接続されている。トランジスタT21は、トランジスタT23,T24のそれぞれと、カレントミラー回路64を形成している。トランジスタT21,T23,T24のそれぞれのエミッタ端子は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に接続されている。トランジスタT23のコレクタ端子は、可変増幅回路41の制御用トランジスタT2に接続されている。従って、トランジスタT23に流れる電流が、可変増幅回路41の制御用トランジスタT2に流れる電流I2となる。
【0053】
トランジスタT24のコレクタ端子は、トランジスタT64に接続されている。トランジスタT64は、トランジスタT63のベース端子に接続され、トランジスタT63と共にカレントミラー回路61を形成している。トランジスタT63,T64のエミッタ端子は接地されている。トランジスタT63のベース端子は、トランジスタT64のベース端子に接続されると共に、自身のコレクタ端子にダイオード接続されている。
【0054】
トランジスタT63のコレクタ端子は、トランジスタT62のコレクタ端子に接続されている。トランジスタT62,T63のコレクタ端子間には、可変増幅回路41における制御用トランジスタT4が接続される。トランジスタT62は、ベース端子がトランジスタT61のベース端子に接続され、トランジスタT61と共にカレントミラー回路を形成している。トランジスタT62のエミッタ端子は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に接続されていると共に、バイパスコントロール回路44に接続されている。トランジスタT61のエミッタ端子は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に接続されている。トランジスタT61のベース端子は、トランジスタT62のベース端子に接続されると共に、自身のコレクタ端子にダイオード接続されている。トランジスタT61のコレクタ端子は、トランジスタT60のコレクタ端子に接続されている。
【0055】
AGCコントロール回路43は、また、抵抗R57〜R60と、スイッチ部SW1とを有している。抵抗R57〜R60の一端は、スイッチ部SW1に接続されている。抵抗R57〜R60の他端は、トランジスタT52のコレクタ端子に共通接続されている。トランジスタT52のベース端子は、自身のコレクタ端子にダイオード接続されている。トランジスタT52のエミッタ端子は、トランジスタT51のコレクタ端子に接続されている。トランジスタT51のエミッタ端子は、接地されている。トランジスタT51のベース端子は、自身のコレクタ端子にダイオード接続されている。
【0056】
トランジスタT51のベース端子は、更に、トランジスタT53,T60のベース端子に共通接続されている。トランジスタT53,T60のそれぞれのエミッタ端子は接地されている。AGCコントロール回路43において、トランジスタT53,T60のそれぞれと、トランジスタT51とで、カレントミラー回路が形成されている。
【0057】
スイッチ部SW1は、複数のスイッチS1〜S4を有している。スイッチS1〜S4は、例えば、CMOS(Complementary MOS )トランジスタ等のスイッチング素子によって構成される。スイッチS1〜S4は、それぞれ並列的に配置されている。スイッチS1〜S4の一端は、電源電圧Vccが印加される入力端子53に共通接続されている。抵抗R57〜R60は、それぞれ並列的に配置されると共に、それぞれの一端が各スイッチS1〜S4に接続されている。抵抗R57〜R60の他端は、トランジスタT52のコレクタ端子に接続されている。
【0058】
AGCコントロール回路43において、スイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、トランジスタT51,T52に流れる電流I51を変更可能になっている。例えば、スイッチS1〜S4を全てオン状態にすると、電流I51の値を最も大きくすることができる。また、スイッチS1〜S4のいずれか一つでもオフ状態になると、電流I51の値は、スイッチS1〜S4が全てオン状態のときと比べて小さくなる。このように、スイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、種々の電流値を設定可能である。なお、スイッチS1〜S4は、図示しない回路設定テーブルから出力された回路設定データにより、妨害信号の有無等の通信環境に基づいて、オン/オフ制御されるようになっている。
【0059】
ここで、電流I51を変更可能にすることにより、トランジスタT51とカレントミラー回路を形成するトランジスタT53のコレクタ電流I53が変更されるので、トランジスタT11に流れる電流ItもスイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより変更可能である。
【0060】
また、AGCコントロール回路43において、トランジスタT63に流れる電流I6は、後の動作説明において詳述するが、トランジスタT21,T24,T63,T64によって決定されるようになっており、電流Itに比例した値となる。また、トランジスタT62に流れる電流I5は、トランジスタT60,T61,T62によって決定されるようになっている。可変増幅回路41における制御用トランジスタT4に流れる電流I4は、トランジスタT60,T61,T62で決る電流I5から、トランジスタT21,T24,T63,T64で決る電流I6を減じた値(I5−I6)によって決定される。
【0061】
なお、可変増幅回路41の増幅用トランジスタT1および分流用トランジスタT3には、それぞれカレントミラー回路63,62を形成する制御用トランジスタT2,T4に流れる電流I2,I4に比例した電流I1,I3が流れるので、電流I2,I4の値を制御することで、増幅用トランジスタT1に流れる電流I1および分流用トランジスタT3に流れる電流I3を制御することができる。ここで、AGCコントロール回路43は、制御用トランジスタT2,T4に流れる電流I2,I4を制御することが可能となっており、増幅用トランジスタT1に流れる電流I1および分流用トランジスタT3に流れる電流I3を制御することが可能である。また、可変増幅回路41において、電流I1,I3の電流比によって増幅用トランジスタT1の利得が決定されるので、結果的にAGCコントロール回路43は、増幅用トランジスタT1の利得の制御を行うことが可能となる。これにより、AGCコントロール回路43は、可変増幅回路41に対するAGC機能を実現することが可能となっている。
【0062】
なお、電流I1,I3と増幅用トランジスタT1の利得との関係については、後に図面を参照して詳述する。
【0063】
次に、バイパスコントロール回路44の構成について説明する。バイパスコントロール回路44は、可変増幅回路41におけるバイパス用トランジスタT5の動作を制御することが可能となっている。このバイパスコントロール回路44は、トランジスタT65,T66,T67と、抵抗R61,R63,R64,R65とを有している。
【0064】
バイパスコントロール回路44において、抵抗R61の一端は、受信用制御電圧発生回路40(図1)からの切り換え制御信号VSWが入力される入力端子51に接続されている。抵抗R61の他端は、トランジスタT65,T66のベース端子に共通接続されている。抵抗R61の他端と、トランジスタT65との間には、抵抗R65の一端が接続されいる。抵抗R65の他端とトランジスタT65,T66のエミッタ端子は接地されている。トランジスタT65のコレクタ端子には、抵抗R63の一端が接続されている。トランジスタT66のコレクタ端子は、AGCコントロール回路43のトランジスタT51,T53,T60のベース端子に接続されている。
【0065】
抵抗R63の他端は、抵抗R64の一端に接続されている。抵抗R63の他端と抵抗R64の一端との間には、トランジスタT67のベースが接続されている。トランジスタT67のエミッタ端子は、抵抗R64の他端と、AGCコントロール回路43におけるトランジスタT62のエミッタ端子に接続されている。トランジスタT67のコレクタ端子は、可変増幅回路41における抵抗R1を介してバイパス用トランジスタT5のベース端子に接続されている。
【0066】
バイパスコントロール回路44においては、入力端子51に入力された切り換え制御信号VSWによって、受信信号の信号レベルに応じてトランジスタT67がオン/オフ制御され、トランジスタT67に流れる電流ISWが制御されるようになっている。ここで、電流ISWは、可変増幅回路41のバイパス用トランジスタT5のベース端子に入力されるので、結果的に、制御信号VSWによってバイパス用トランジスタT5をオン/オフ制御することが可能となる。なお、バイパスコントロール回路44によるバイパス用トランジスタT5の制御については、後の動作説明において、より詳細に説明する。また、バイパスコントロール回路44においては、トランジスタT66をオンすることにより、AGCコントロール回路43におけるトランジスタT11に流れる電流Itをゼロにし、結果的に可変増幅回路41の増幅用トランジスタT1をオフ状態にするような制御を行うようになっている。
【0067】
次に、上記のような構成の携帯電話機の動作について説明する。
【0068】
まず、送信時の動作について説明する。モデム3により変調されたベースバンド送信信号は、まず、送信系回路1のQPSK変調回路11に入力される。QPSK変調回路11は、ベースバンド送信信号をQPSK変調して、例えば、130MHzのIF信号に変換し、送信側IF増幅回路12に出力する。次に、送信側IF増幅回路12は、IF信号を増幅し、ミキサ13に出力する。ミキサ13は、増幅されたIF信号を局部発振器16からの局部発振信号と混合し、例えば、800MHzのRF信号に変換して、バンドパスフィルタ14に出力する。バンドパスフィルタ14は、RF信号に含まれる不要信号成分を除去した後、パワーアンプ15に出力する。パワーアンプ15は、不要信号成分が除去されたRF信号を増幅して、デュプレクサ4に出力する。デュプレクサ4に出力されたRF信号は、共用アンテナ5から空間中に放射される。
【0069】
次に、受信時の動作について説明する。共用アンテナ5によって捕捉された信号電波は、デュプレクサ4を介して、電気的なRF信号に変換され、受信系回路2のローノイズアンプ21に出力される。ローノイズアンプ21は、入力されたRF信号を可変的な利得で増幅し、バンドパスフィルタ22に出力する。バンドパスフィルタ22は、RF信号に含まれる不要信号成分を除去した後、ミキサ23aに出力する。ミキサ23は、RF信号を局部発振器16からの局部発振信号と混合し、例えば、85MHzのIF信号に変換して、CDMA用バンドパスフィルタ24とFM用バンドパスフィルタ25とに出力する。CDMA用バンドパスフィルタ24およびFM用バンドパスフィルタ25は、それぞれ入力されたIF信号を、CDMA用の信号成分、FM用の信号成分に変換する。CDMA用バンドパスフィルタ24およびFM用バンドパスフィルタ25によって変換されたCDMA用の受信信号およびFM用の受信信号は、切り換えスイッチ28の作用により、設定モードに応じて、いずれか一方の信号成分のみが、次段の受信側IF増幅回路26に選択的に出力される。受信側IF増幅回路26は、選択的に入力されたCDMA用の受信信号またはFM用の受信信号を増幅し、QPSK復調回路27に出力する。QPSK復調回路27は、増幅された受信信号をQPSK復調してモデム3に出力する。
【0070】
モデム3内に入力された受信信号は、受信信号強度検出回路33によってその受信強度(信号レベル)が検出される。受信信号強度検出回路33によって検出された受信強度を示す信号は、比較回路34に出力される。比較回路34は、受信強度と、別途入力された強度基準データD11とを比較し、その差分を示す信号を受信用制御電圧発生回路40および送信出力補正回路35に出力する。受信用制御電圧発生回路40は、比較回路34からの信号によって示された差分が「0」になるように、すなわち受信信号強度検出回路33の出力が強度基準データD11と一致するようにIF用AGC電圧VRX-AGCを出力して受信側IF増幅回路26の利得を制御する。また、受信用制御電圧発生回路40は、比較回路34からの信号に基づいて、ローノイズアンプ21の利得を制御するためのRF用AGC電圧VL-AGC およびローノイズアンプ21内におけるRF信号の経路を切り換えるための切り換え制御信号VSWを発生する。
【0071】
送信出力補正回路35は、比較回路34から入力された差分を示す信号と、別途入力された送信出力補正データD12とに基づいて、送信側IF増幅回路12の利得を制御する。なお、送信出力補正データD12は、携帯電話機と図示しない基地局との間の回線状況に応じたデータである。また、送信出力補正回路35による利得の制御は、被変調信号が受信信号のレベルに逆比例するように、且つ、送信出力補正データD12に応じた制御がなされるように送信側IF増幅回路12にIF用AGC電圧VTX-AGCを出力することにより行われる。
【0072】
次に、本発明の特徴部分であるローノイズアンプ21の動作について説明する。
【0073】
図2に示したローノイズアンプ21において、入力端子54から入力された入力信号IN(RF信号)は、可変増幅回路41の増幅用トランジスタT1で増幅される。増幅用トランジスタT1で増幅された信号は、インピーダンス・マッチング用に設けられたインダクタンスL1およびコンデンサC1を介して、SAW44へ伝達され、出力端子56から出力される。
【0074】
可変増幅回路41において、増幅用トランジスタT1には、カレントミラー回路63を形成する制御用トランジスタT2に流れる電流I2に比例した値の電流I1が流れる。また、可変増幅回路41において、分流用トランジスタT3には、カレントミラー回路62を形成する制御用トランジスタT4に流れる電流I4に比例した値の電流I3が流れる。ここで、分流用トランジスタT3に電流I3が流れていると、入力端子54に入力された入力信号INは、増幅用トランジスタT1のみならず分流用トランジスタT3にも分流して流れ、増幅用トランジスタT1の利得を低下させる。従って、可変増幅回路41においては、増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3に流れる電流I1,I3の電流比によって、増幅用トランジスタT1の利得が変化する。なお、制御用トランジスタT2,T4に流れる電流I2,I4の値は、後述のように、コントロール回路部42によって決定される。
【0075】
また、可変増幅回路41において、スイッチング素子としてのバイパス用トランジスタT5は、バイパスコントロール回路44からの制御電流ISWによって、オン/オフ制御される。バイパス用トランジスタT5のベース端子に、制御電流ISWが入力されると、バイパス用トランジスタT5がオン状態となりコレクタ−エミッタ間のインピーダンスが低くなって、入力端子54に入力された入力信号INが、バイパス用トランジスタT5を介して出力端子56側に伝達される。ここで、バイパス用トランジスタT5がオン状態のときには、バイパスコントロール回路44による電流制御により、制御用トランジスタT2,T4に流れる電流I2,I4がゼロとなり、トランジスタT1,T3に流れる電流がゼロとなる。これにより、バイパス用トランジスタT5がオン状態のときには、入力信号INが増幅用トランジスタT1によって増幅されることなくバイパス用トランジスタT5をバイパスして出力される。
【0076】
このように、可変増幅回路41では、増幅用トランジスタT1と分流用トランジスタT3に流れる電流の電流比を利用したAGC機能により、入力信号INを可変的に増幅して出力することが可能とされると共に、バイパス用トランジスタT5のスイッチング機能により、増幅用の回路部分をバイパスするように入力信号INの経路を切り換え、入力信号INを増幅することなく、そのままの状態で出力することが可能とされる。
【0077】
ローノイズアンプ21において、受信用制御電圧発生回路40(図1)からのRF用AGC電圧VL-AGC は、AGCコントロール回路43における入力端子52および抵抗R80を介して、トランジスタT11に入力される。トランジスタT11は、トランジスタT12と共に差動増幅回路を形成しており、RF用AGC電圧VL-AGC が入力されると、差動増幅回路の電圧/電流変換作用により、トランジスタT11に、RF用AGC電圧VL-AGC の大きさに応じた電流Itが流れる。AGCコントロール回路43では、トランジスタT11に流れる電流Itが、RF用AGC電圧VL-AGC に対して指数関数的に制御される。
【0078】
AGCコントロール回路43において、トランジスタT21とトランジスタT23は、カレントミラー回路を形成しているので、トランジスタT23から可変増幅回路41の制御用トランジスタT2に流れる電流I2は、トランジスタT21に流れる電流Itに流れる電流に比例した値となる。ここで、前述のように、増幅用トランジスタT1には、制御用トランジスタT2に流れる電流I2に比例した値の電流I1が流れるので、電流Itを制御することで、結果的に、増幅用トランジスタT1に流れる電流I1が制御される。ここで、ローノイズアンプ21では、トランジスタT11に流れる電流Itが、RF用AGC電圧VL-AGC に対して指数関数的に制御されているので、可変増幅回路41における利得は、RF用AGC電圧VL-AGC の直線的な変化に応じて直線的に変化する。
【0079】
また、AGCコントロール回路43において、トランジスタT21, T24およびトランジスタT63, T64は、それぞれカレントミラー回路を形成しているので、トランジスタT24,T64に流れる電流I24が、トランジスタT21に流れる電流Itに比例した値となり、トランジスタT63に流れる電流I6が、電流I24に比例した値となる。このように、トランジスタT63に流れる電流I6は、トランジスタT21,T24,T63,T64によって決定され、結果的に、電流Itに比例した値となる。また、トランジスタT62に流れる電流I5は、トランジスタT60,T61,T62によって決定される。可変増幅回路41における制御用トランジスタT4に流れる電流I4は、以上のように決定される電流I5から、電流I6を減じた値(I5−I6)によって決定される。
【0080】
また、AGCコントロール回路43において、スイッチ部SW1のスイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、トランジスタT51,T52に流れる電流I51が変更される。例えば、スイッチS1〜S4を全てオン状態にすると、電流I51の値が最も大きくなる。また、例えばスイッチS1〜S4のいずれか一つでもオフ状態になると、電流I51の値は、スイッチS1〜S4が全てオン状態のときと比べて小さくなる。このように、スイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、電流I51の値は種々の値に変更される。
【0081】
ここで、電流I51が変更されると、トランジスタT51と共にカレントミラー回路を形成しているトランジスタT53のコレクタ電流I53が変更されるので、トランジスタT11に流れる電流Itが変更される。このように、トランジスタT11に流れる電流Itの値は、スイッチ部SW1のスイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、受信信号のレベル等に応じて適宜変更される。なお、スイッチS1〜S4は、受信信号のレベルに応じてオン/オフ制御されると共に、図示しない回路設定テーブルから出力された回路設定データにより、周囲の温度、送信動作の有無または妨害電波の有無等の通信環境に基づいて、オン/オフ制御される。図示しない回路設定テーブルから出力される回路設定データは、スイッチS1〜S4のオン/オフ状態を指示するシリアルデータである。
【0082】
また、トランジスタT11に流れる電流Itが変更されると、最終的に、可変増幅回路41のトランジスタT1,T3に流れる電流I1,I3が変更されるので、スイッチS1〜S4を選択的にオン/オフ制御することにより、トランジスタT1の利得を制御することが可能となる。
【0083】
バイパスコントロール回路44では、入力端子51に入力された受信用制御電圧発生回路40(図1)からの切り換え制御信号VSWによって、受信信号の信号レベルに応じてトランジスタT65,T66,T67がオン/オフ制御され、トランジスタT67に流れる電流ISWが制御される。ここで、電流ISWは、可変増幅回路41における抵抗R1を介してバイパス用トランジスタT5のベース端子に入力されるので、結果的に、制御信号VSWによってバイパス用トランジスタT5がオン/オフ制御される。より具体的には、トランジスタT65,T66,T67は、制御信号VSWが“H(ハイ)”レベルのときにオンとなり、“L(ロー)”レベルのときにオフとなる。従って、制御信号VSWが“H”レベルのときに、電流ISWが流れ、バイパス用トランジスタT5がオンされる。また、制御信号VSWが“L”レベルのときには、バイパス用トランジスタT5がオフされる。
【0084】
また、バイパスコントロール回路44において、トランジスタT66のエミッタ端子が接地されていると共に、トランジスタT66のコレクタ端子がトランジスタT51,T53,T60のベース端子に接続されているので、トランジスタT66がオンすると、トランジスタT53に流れる電流I53がゼロになり、トランジスタT11に流れる電流Itがゼロになる。可変増幅回路41の制御用トランジスタT2,T4に流れる電流I2,I4は、電流Itに応じて流れる電流なので、電流Itがゼロになると、電流I2,I4もゼロとなる。電流I2,I4がゼロになると、トランジスタT1,T3に流れる電流I1,I3がゼロになり、トランジスタT1,T3がオフ状態、すなわち、トランジスタT1,T3に対して受信信号が非入力状態となる。
【0085】
従って、バイパスコントロール回路44に“H”レベルの制御信号VSWが入力され、トランジスタT66がオンすると、トランジスタT11に流れる電流Itがゼロになり、これに連動してトランジスタT1がオフされるので、可変増幅回路41における増幅動作は停止する。逆に、バイパスコントロール回路44に“L”レベルの制御信号VSWが入力され、トランジスタT66がオフすると、トランジスタT11に電流Itが流れ、これに連動してトランジスタT1,T3にも電流が流れるので、トランジスタT1,T3がオン状態、すなわち、トランジスタT1,T3に対して受信信号が入力状態となり、可変増幅回路41における増幅動作が行われる。
【0086】
このように、バイパス用トランジスタT5がオン状態のときには、トランジスタT1がオフ状態となり、入力信号INが増幅用トランジスタT1によって増幅されることなくバイパス用トランジスタT5をバイパスして出力される。
【0087】
次に、可変増幅回路41のトランジスタT1,T3に流れる電流I1,I3の具体的な設定例について説明する。
【0088】
図3は、ローノイズアンプ21に入力されるRF用AGC電圧VL-AGC と、ローノイズアンプ21の増幅用トランジスタT1および分流用トランジスタT3に流れる電流I1,I3との関係について示している。同図において、横軸はRF用AGC電圧VL-AGC の値を示し、縦軸は電流値を示している。なお、同図では、電流の最大値を1に規格化して、電流I1,I3の値とAGC電圧VL-AGC の値との関係を相対的な値で示している。本実施の形態においては、RF用AGC電圧VL-AGC に対して、電流I1と電流I3との関係が、図示したような値となるように設定されている。すなわち、本実施の形態では、後述するように妨害信号等のレベルが同じであるような一定の通信環境下にある限りにおいては、電流I1と電流I3との和「I1+I3」を、受信信号の信号レベルの変化に関わらず一定となるようにして、電流I1,I3の値を制御している。
【0089】
このとき、ローノイズアンプ21における利得可変量ΔPGは、以下の式(1)によって表される。ローノイズアンプ21では、一定の通信環境下で、受信信号の信号レベル全域においてひずみ特性が満足できるような性能となるように、AGCコントロール回路43におけるトランジスタT51,T52,抵抗57〜60の値の設定と、スイッチS1〜4のオン/オフ制御とを行い、電流I1と電流I3との和「I1+I3」の最大電流が決定される。
【0090】
ΔPG=201og(I1/(I1+I3))dB ……(1)
【0091】
以上のような設定条件を満足するならば、ローノイズアンプ21の可変増幅回路41において、「I3=0,I1+I3=I1」のとき、すなわち、受信信号が増幅用トランジスタT1に全て流れるような状態となるときには、増幅用トランジスタT1の利得が最大となる。また例えば、電流I1の値が、電流I1と電流I3との和「I1+I3」に対して1/10のときには、増幅用トランジスタT1の利得は「I3=0」の場合と比較して、約10dB低い値となる。また例えば、電流I1の値が、電流I1と電流I3との和「I1+I3」に対して1/100のときには、増幅用トランジスタT1の利得は「I3=0」の場合と比較して、約20dB低い値となる。
【0092】
次に、妨害信号の有無を含む通信環境の違いを考慮した電流I1,I3の具体的な設定例について説明する。
【0093】
図4は、ローノイズアンプ21に入力される受信信号の信号レベルに対する利得PGと3次ひずみ特性(デバイスの性能としては入力インタセプトポイント( IIP3) )との関係を示した図である。同図において、横軸は受信信号の信号レベル(dBm)を示し、縦軸はローノイズアンプ21における利得PG( dB) と3次ひずみ特性( dBm) とを示している。また、同図において、符号PG1で示した実線部分は、電流I1と電流I3との和「I1+I3」を約10mAとしたときの利得の特性を示し、符号PG2で示した波線部分は、電流I1と電流I3との和「I1+I3」を約2mAとしたときの利得の特性を示している。また、同図において、符号110で示した実線部分は、電流I1と電流I3との和 「I1+I3」を約10mAとしたときの3次ひずみ特性を示し、符号120で示した波線部分は、電流I1と電流I3との和「I1+I3」を約2mAとしたときの3次ひずみ特性を示している。
【0094】
ローノイズアンプ21は、受信信号の信号レベルが、所定値(例えば−85dBm〜−80dBm)より小さいときには、バイパス用トランジスタT5をオフにすると共に、増幅用トランジスタT1をオンにしてAGC機能による信号の増幅動作を行う。また、ローノイズアンプ21は、受信信号の信号レベルが、所定値以上であるときには、バイパス用トランジスタT5をオンにすると共に、増幅用トランジスタT1をオフにして信号の増幅動作を行わない。
【0095】
ここで、本実施の形態におけるローノイズアンプ21では、周囲の温度、送信動作の有無または妨害信号の有無等の通信環境に基づいて、AGCコントロール回路43におけるスイッチS1〜S4をオン/オフ制御することにより、電流I1と電流I3との和「I1+I3」の大きさを制御する。例えば、大きな妨害信号があり、且つ送信動作を行っているときには、最も3次ひずみ妨害を受けやすいため、電流I1と電流I3との和「I1+I3」の値が大きな値になるようにスイッチS1〜S4を設定する(例えばスイッチS1〜S4を全てオンにする)。また例えば、妨害信号がなく、送信を行っていないときには、ほとんど3次ひずみ妨害を受けないため、電流I1と電流I3との和「I1+I3」の値を非常に小さく、例えば1mA程度になるようにスイッチS1〜S4を設定する。スイッチS1〜S4の制御は、図示しない回路設定テーブルから出力された所定の回路設定データにより行う。このようにローノイズアンプ21では、AGCコントロール回路43における基準電流を通信環境に応じて制御し、回路の消費電流が小さくなるように最適化する。
【0096】
なお、以上で説明したローノイズアンプ21におけるバイパス用トランジスタT5のオン/オフ制御と、増幅用トランジスタT1を用いたAGC機能による信号の増幅動作の制御は、図4に示したように、例えば、IS−95によって規定されている性能を満足するように行う。すなわち、ローノイズアンプ21は、図4に示したように、信号レベルが大きくなるに従って利得が減少し、所定値以上のときには、利得がゼロとなるように利得の制御を行う。このとき、電流I1と電流I3との和「I1+I3」が小さい方が利得は小さくなる。また、ローノイズアンプ21は、図4に示したように、信号レベルが大きくなるに従って、3次ひずみ特性の値を増加させ、所定値以上のときには、3次ひずみ特性の値が一定となるように動作電流の制御を行う。このとき、電流I1と電流I3との和「I1+I3」が小さい方が3次ひずみ特性の値は小さくなる。
【0097】
以上説明したように、本実施の形態によれば、増幅用トランジスタT1に入力される受信信号の割合を、受信信号の信号レベルに応じて、分流用トランジスタT3によって変化させて、増幅用トランジスタT1に入力して増幅することによりAGC機能を持たせると共に、増幅用トランジスタT1に対する受信信号の信号経路を、バイパス用トランジスタT5によって、受信信号の信号レベルに応じて切り換えることによりバイパス機能を持たせるようにしたので、AGC機能と信号のバイパス機能を有する増幅回路が実現でき、IS−95によって規定されている−101dBm,−90dBm,−79dBmの各信号レベルを含む受信信号の信号レベル全域において、ひずみ特性の優れた性能を実現することができる。
【0098】
また、本実施の形態によれば、増幅用トランジスタT1および分流用トランジスタT3に流れる動作電流I1,I3の和「I1+I3」を、一定の通信環境下にある限りにおいて、受信信号の信号レベルの変化に関わらず一定に保つと共に、その動作電流の和「I1+I3」を、AGCコントロール回路43におけるスイッチS1〜S4を適宜オン/オフ制御して、妨害信号の有無を含む通信環境の違いに応じて変化させるようにしたので、優れたひずみ特性を実現しつつ、例えば、通信環境の違いに応じて、回路の消費電流を小さくなるように最適化することが可能となる。これにより、従来の携帯電話機に比べて、電力供給源である電池の消耗を少なくすることができるので、いわゆる待ち受け時間や通話時間を従来よりも長くすることが可能になると共に、電池の交換頻度を少なくすることが可能となる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、ローノイズアンプ21が、AGC機能とバイパス機能を満足するための回路素子を1つのシリコン基板上に形成することが可能な回路構成となっているため、従来のようにバイパス回路部分をディスクリート部品で構成したときに生じるNF等の性能のバラツキを小さくすることができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0100】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、CDMA方式およびFM方式のデュアルモードで動作する場合について説明したが、本発明は、CDMA方式およびFM方式のうちのいずれか一方の方式のみで動作する場合にも適用することが可能である。また、CDMA方式やFM方式に限らず、例えば、TDMA(Time Division Multiple Access :時間分割多元接続)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access :周波数分割多重)方式等の他の方式の通信機器にも適用することが可能である。更に、本発明の利得可変増幅回路は、通信機器に限らず、内部に利得を制御するための回路を必要とするその他の機器全般に適用可能である。
【0101】
また、上記実施の形態では、受信側のIF増幅回路26を、AGC機能を有した利得可変型の増幅回路であるものとして説明したが、IF増幅回路26を利得一定型の増幅回路で構成してもよい。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の利得可変増幅回路または請求項8記載の通信機器によれば、受信信号の割合を、受信信号の信号レベルに応じて、増幅用トランジスタに並列接続された分流用トランジスタによって変化させて、増幅用トランジスタに入力して増幅すると共に、増幅用トランジスタに対する受信信号の信号経路を、スイッチング素子によって、受信信号の信号レベルに応じて切り換えるようにしたので、受信信号の信号レベル全域において、ひずみ特性の優れた性能を実現することができるという効果を奏する。
【0103】
特に、請求項7記載の利得可変増幅回路によれば、請求項6記載の利得可変増幅回路において、増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに流れる動作電流の和を、一定の通信環境下にある限りにおいて、受信信号の信号レベルの変化に関わらず一定に保つと共に、その動作電流の和を、妨害信号の有無を含む通信環境の違いに応じて変化させるようにしたので、優れたひずみ特性を実現しつつ、例えば、通信環境の違いに応じて、回路の消費電流を小さくなるように最適化することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る通信機器としての携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯電話機におけるローノイズアンプの詳細な構成例を示す回路図である。
【図3】図2に示したローノイズアンプに入力されるRF用AGC電圧と、ローノイズアンプの増幅用トランジスタおよび分流用トランジスタに流れる電流との関係について示す説明図である。
【図4】図2に示したローノイズアンプにおける受信信号の信号レベルに対する利得と3次ひずみ特性との関係を示す説明図である。
【図5】従来の増幅回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
T1 増幅用トランジスタ
T3 分流用トランジスタ
T5 バイパス用トランジスタ
1 送信系回路
2 受信系回路
3 モデム
4 デュプレクサ
5 共用アンテナ
11 QPSK変調回路
12 送信側IF増幅回路
15 パワーアンプ(PA)
16 局部発振器
21 ローノイズアンプ(LNA)
24 CDMA用バンドパスフィルタ
25 FM用バンドパスフィルタ
26 受信側IF増幅回路
27 QPSK復調回路
33 受信信号強度検出回路(RSSI)
34 比較回路
40 受信用制御電圧発生回路
41 可変増幅回路
42 コントロール回路部
43 AGCコントロール回路
44 バイパスコントロール回路
61〜64 カレントミラー回路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a variable gain amplifier circuit capable of amplifying a reception signal received by a mobile phone or the like with a variable gain, and a communication device such as a mobile phone including the variable gain amplifier circuit.
[0002]
[Prior art]
In a communication device such as a cellular phone, when an interference signal having a frequency component different from the received signal is input together with a desired received signal, an intermodulation problem occurs between the signals, and the receiving sensitivity is lowered. Therefore, for example, in a CDMA (Code Division Multiple Access) type mobile phone, a performance standard of “IS (Interim Standard) -95” is defined in order to prevent a decrease in reception sensitivity. ing. In this IS-95, for example, (1) the received signal level is −101 dBm and one disturbing signal −30 dBm, (2) the received signal level is −101 dBm and two disturbed signals are −43 dBm, and (3) the received signal level is − A performance standard is specified that the sensitivity is sufficient for communication under the conditions of two jamming signals of -32 dBm at 90 dBm and (4) two jamming signals of -21 dBm at a reception signal level of -79 dBm. .
[0003]
In order to realize such IS-95 performance standards, the third-order distortion characteristics (performance called the input intercept point (IIP3) as device performance) are particularly excellent in the high-frequency stage of the receiving system circuit. A low noise amplifier (LNA: low noise high frequency amplifier) is required. First, the performance at a received signal level of −101 dBm can be satisfied if a low noise amplifier is constituted by a circuit that allows a current of about 10 mA to flow through an amplifying transistor using a conventional ordinary technique. However, the performance at the received signal levels of −90 dBm and −79 dBm cannot be satisfied only by using a method of flowing a large amount of current as means for improving the third-order distortion characteristics. Further, even if a recently developed hetero bipolar transistor (HBT) made of silicon germanium (SiGe) or gallium arsenide (GaAs) is applied, the conventional amplification operation with a constant gain is only −90 dBm and −79 dBm. The performance at the received signal level is not satisfactory.
[0004]
Currently, as a method for realizing the performance at −79 dBm, for example, a circuit as shown in FIG. 5 may be used. The circuit shown in the figure includes a high-
[0005]
In this circuit, for example, when the signal level of the reception signal IN is −79 dBm or higher, the
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the circuit shown in FIG. 5, the
[0007]
Further, the circuit shown in FIG. 5 has a problem that the performance at −90 dBm cannot be sufficiently satisfied. That is, in the constant gain operation in the high-
[0008]
As described above, the conventional LNA circuit is composed of an amplifier having a constant gain and a bypass switch circuit, and therefore does not satisfy the distortion characteristic at −90 dBm. Further, since the
[0009]
Therefore, in order to satisfy the performance at −90 dBm, for example, in Japanese Patent Laid-Open No. 11-196015, a circuit to which a variable gain amplifier circuit with an AGC (Automatic Gain Control) function is applied as the high
[0010]
The present invention has been made in view of such problems, and an object of the present invention is to provide a variable gain amplifier circuit and a communication device that can realize excellent performance of distortion characteristics over the entire signal level of a received signal. There is to do.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The variable gain amplifier circuit according to
[0012]
In this variable gain amplifier circuit, the input high frequency received signal is amplified by the amplifying transistor. At this time, the ratio of the received signal input to the amplifying transistor is changed by the shunting transistor connected in parallel to the amplifying transistor in accordance with the signal level of the received signal. Further, the signal path of the reception signal to the amplification transistor is switched by the switching element connected in parallel to the amplification transistor according to the signal level of the reception signal.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the variable gain amplifier circuit according to the first aspect, the transistors and the switching elements of the variable gain amplifying circuit according to the first aspect of the invention are further configured in accordance with the signal level of the received signal based on a control signal input from the outside. A control circuit that controls operation is provided. When the switching element is in an ON state, the received signal is not input to the amplifying transistor and the shunting transistor. When the switching element is in an OFF state, the control circuit amplifies. The operation of each transistor and switching element is controlled so that the received signal is in an input state with respect to the operating transistor and the shunting transistor.
[0014]
In this variable gain amplifier circuit, when the switching element is in the ON state according to the signal level of the received signal based on the control signal input from the outside by the control circuit, the amplifier transistor and the shunt transistor are Thus, when the received signal is in the non-input state and the switching element is in the off state, the operation control of each transistor and the switching element is performed so that the received signal is in the input state with respect to the amplifying transistor and the shunting transistor.
[0015]
The variable gain amplifying circuit according to
[0016]
In this variable gain amplifier circuit, the control circuit turns off the switching element when the signal level of the received signal is lower than the predetermined value, and turns on the switching element when the signal level of the received signal is equal to or higher than the predetermined value. Thus, the operation control of the switching element is performed.
[0017]
The variable gain amplifier circuit according to
[0018]
In this variable gain amplifier circuit, the first control circuit performs gain control of the amplifying transistor based on the first control signal input from the outside. In addition, the switching element is on / off controlled by the second control circuit based on the second control signal input from the outside.
[0019]
The variable gain amplifier circuit according to
[0020]
The variable gain amplifier circuit according to claim 6 is the variable gain amplifier circuit according to
[0021]
In this variable gain amplifier circuit, the sum of the operating currents flowing through the amplifying transistor and the shunting transistor is kept constant regardless of the change in the signal level of the received signal as long as it is in a constant communication environment.
[0022]
The variable gain amplifying circuit according to claim 7 is the variable gain amplifying circuit according to claim 6, wherein the sum of the operating currents flowing through the amplifying transistor and the shunting transistor is determined according to a difference in communication environment including presence / absence of an interfering signal. It is intended to change.
[0023]
In this variable gain amplifier circuit, the sum of the operating currents is changed according to the difference in the communication environment including the presence or absence of the interference signal.
[0024]
The communication device according to claim 8 is a communication device including a receiving device that performs signal processing on a received signal, and a variable gain amplifier circuit that variably amplifies a high-frequency received signal input to the receiving device, Variable gain amplifier circuit The input terminal to which the received signal is input and the emitter terminal are connected to the input terminal, via the input terminal An amplifying transistor that amplifies an input high frequency received signal; By connecting the base terminal to the base terminal of the amplifying transistor A current mirror circuit is formed together with the amplifying transistor, and is connected in parallel to the first controlling transistor for controlling the operating current of the amplifying transistor, and the amplifying transistor, The emitter terminal is connected to the input terminal and input via the input terminal A shunting transistor that changes the ratio of the reception signal input to the amplification transistor according to the signal level of the reception signal; By connecting the base terminal to the base terminal of the shunt transistor A current mirror circuit is formed together with the shunting transistor, and the second control transistor for controlling the operating current of the shunting transistor is connected in parallel to the amplifying transistor, and The emitter terminal is connected to the input terminal together with the emitter terminals of the amplifying transistor and the shunting transistor, and is input via the input terminal. A switching element that is on / off controlled according to the signal level of the received signal and switches the signal path of the received signal to the amplifying transistor Bypass transistor that functions as It is equipped with.
[0025]
In this communication device, the input high frequency received signal is amplified by the amplifying transistor in the variable gain amplifier circuit. At this time, the ratio of the received signal input to the amplifying transistor is changed by the shunting transistor connected in parallel to the amplifying transistor in accordance with the signal level of the received signal. Further, the signal path of the reception signal to the amplification transistor is switched by the switching element connected in parallel to the amplification transistor according to the signal level of the reception signal.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0027]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a mobile phone as a communication device according to an embodiment of the present invention. In the figure, as a configuration example of a mobile phone, a part having a dual mode of a CDMA system and an FM system mainly shows a part that handles a high frequency signal. The cellular phone shown in this figure processes a transmission (TX)
[0028]
Here, the reception system circuit 2 corresponds to a specific example of “reception device” in the present invention.
[0029]
The
[0030]
The reception system circuit 2 has an AGC function, and converts an RF signal input via the
[0031]
The reception system circuit 2 further includes an AGC voltage V L-AGC , V RX-AGC And switching control signal V SW And a reception control
[0032]
Here, the
[0033]
The
[0034]
A signal indicating the difference from the
[0035]
Here, the cellular phone according to the present embodiment is always in an operating state in order to detect the signal level of the received signal regardless of the presence or absence of substantial communication. Here, “substantial communication” refers to communication involving a telephone call. Further, in the present embodiment, it is assumed that the “reception signal” includes a signal for simply checking the signal level that is not accompanied by an incoming call.
[0036]
FIG. 2 is a circuit diagram showing a configuration example of the
[0037]
Here, the control circuit section 42 corresponds to a specific example of “control circuit” in the present invention. Further, the
[0038]
First, the configuration of the
[0039]
In the
[0040]
The collector terminal of the control transistor T2 is diode-connected to its base terminal. The emitter terminal of the control transistor T2 is grounded. On the other hand, the emitter terminal of the amplifying transistor T1 is connected to the emitter terminal of the shunting transistor T3 and the emitter terminal of the bypass transistor T5. The emitter terminal of the amplifying transistor T1 is also connected to an
[0041]
The capacitor C1 and the inductance L1 are provided for impedance matching of the amplification transistor T1. The other end of the inductance L1 is connected to the
[0042]
In the
[0043]
The collector terminal of the control transistor T4 is diode-connected to its base terminal. The emitter terminal of the control transistor T4 is grounded. The emitter terminal of the shunting transistor T3 is connected to the emitter terminal of the amplifying transistor T1 and the emitter terminal of the bypass transistor T5. The emitter terminal of the shunting transistor T3 is connected together with the emitter terminal of the amplifying transistor T1 to the
[0044]
A collector current I3 having a value proportional to the collector current I4 flowing through the control transistor T4 forming the current mirror circuit 62 flows through the shunt transistor T3. Here, when the current I3 flows through the shunting transistor T3, the input signal IN input to the
[0045]
In the
[0046]
In the
[0047]
Here, the control current I from the
[0048]
As described above, the
[0049]
FIG. 2 shows an example in which the transistors T1 to T5 in the
[0050]
Next, the configuration of the
[0051]
The transistor T11 forms a differential amplifier circuit together with the transistor T12. Transistor T11. The emitter terminal of T12 is commonly connected to the collector terminal of the
[0052]
The base terminal of the transistor T21 is commonly connected to the base terminals of the transistors T23 and T24. The transistor T21 forms a
[0053]
The collector terminal of the transistor T24 is connected to the transistor T64. The transistor T64 is connected to the base terminal of the transistor T63, and forms a
[0054]
The collector terminal of the transistor T63 is connected to the collector terminal of the transistor T62. The control transistor T4 in the
[0055]
The
[0056]
The base terminal of the transistor T51 is further commonly connected to the base terminals of the transistors T53 and T60. The emitter terminals of the transistors T53 and T60 are grounded. In the
[0057]
The switch unit SW1 has a plurality of switches S1 to S4. The switches S1 to S4 are configured by switching elements such as CMOS (Complementary MOS) transistors, for example. The switches S1 to S4 are arranged in parallel. One ends of the switches S1 to S4 are commonly connected to an
[0058]
In the
[0059]
Here, by making the current I51 changeable, the collector current I53 of the transistor T53 that forms the current mirror circuit with the transistor T51 is changed, so that the current It flowing through the transistor T11 also selectively turns on the switches S1 to S4. It can be changed by controlling off / on.
[0060]
In the
[0061]
Note that currents I1 and I3 proportional to the currents I2 and I4 flowing in the control transistors T2 and T4 forming the
[0062]
The relationship between the currents I1 and I3 and the gain of the amplifying transistor T1 will be described in detail later with reference to the drawings.
[0063]
Next, the configuration of the
[0064]
In the
[0065]
The other end of the resistor R63 is connected to one end of the resistor R64. The base of the transistor T67 is connected between the other end of the resistor R63 and one end of the resistor R64. The emitter terminal of the transistor T67 is connected to the other end of the resistor R64 and the emitter terminal of the transistor T62 in the
[0066]
In the
[0067]
Next, the operation of the mobile phone configured as described above will be described.
[0068]
First, the operation during transmission will be described. The baseband transmission signal modulated by the
[0069]
Next, the operation at the time of reception will be described. The signal radio wave captured by the shared
[0070]
The received signal (signal level) of the received signal input into the
[0071]
The transmission
[0072]
Next, the operation of the
[0073]
In the
[0074]
In the
[0075]
Further, in the
[0076]
As described above, the
[0077]
In the
[0078]
In the
[0079]
Further, in the
[0080]
In the
[0081]
Here, when the current I51 is changed, the collector current I53 of the transistor T53 that forms a current mirror circuit together with the transistor T51 is changed, so that the current It flowing through the transistor T11 is changed. As described above, the value of the current It flowing in the transistor T11 is appropriately changed according to the level of the received signal and the like by selectively turning on / off the switches S1 to S4 of the switch unit SW1. The switches S1 to S4 are ON / OFF controlled according to the level of the received signal, and the ambient temperature, the presence / absence of transmission operation, or the presence / absence of jamming waves are determined by circuit setting data output from a circuit setting table (not shown). On / off control is performed based on the communication environment. The circuit setting data output from a circuit setting table (not shown) is serial data that instructs the on / off states of the switches S1 to S4.
[0082]
When the current It flowing through the transistor T11 is changed, the currents I1 and I3 flowing through the transistors T1 and T3 of the
[0083]
In the
[0084]
In the
[0085]
Therefore, the control signal V of “H” level is sent to the
[0086]
Thus, when the bypass transistor T5 is in the on state, the transistor T1 is in the off state, and the input signal IN is bypassed by the bypass transistor T5 and output without being amplified by the amplification transistor T1.
[0087]
Next, a specific setting example of the currents I1 and I3 flowing through the transistors T1 and T3 of the
[0088]
FIG. 3 shows the RF AGC voltage V input to the
[0089]
At this time, the variable gain ΔPG in the
[0090]
ΔPG = 201 og (I1 / (I1 + I3)) dB (1)
[0091]
If the above setting conditions are satisfied, the
[0092]
Next, a specific setting example of the currents I1 and I3 in consideration of a difference in communication environment including presence / absence of an interference signal will be described.
[0093]
FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the gain PG and the third-order distortion characteristic (input intercept point (IIP3) as device performance) with respect to the signal level of the received signal input to the
[0094]
When the signal level of the received signal is lower than a predetermined value (for example, −85 dBm to −80 dBm), the
[0095]
Here, in the
[0096]
Note that the on / off control of the bypass transistor T5 and the control of the signal amplification operation by the AGC function using the amplifying transistor T1 in the
[0097]
As described above, according to the present embodiment, the ratio of the reception signal input to the amplification transistor T1 is changed by the shunting transistor T3 in accordance with the signal level of the reception signal, so that the amplification transistor T1. The AGC function is provided by amplifying the signal, and the bypass signal is given to the amplification transistor T1 by switching the signal path of the reception signal according to the signal level of the reception signal by the bypass transistor T5. Therefore, an amplifier circuit having an AGC function and a signal bypass function can be realized, and distortion is achieved over the entire signal level of the received signal including the signal levels of −101 dBm, −90 dBm, and −79 dBm defined by IS-95. Performance with excellent characteristics can be realized.
[0098]
Further, according to the present embodiment, the signal level of the received signal changes as long as the sum “I1 + I3” of the operating currents I1 and I3 flowing through the amplifying transistor T1 and the shunting transistor T3 is in a certain communication environment. Regardless of whether it is kept constant, the sum of its operating currents “I1 + I3” changes according to differences in the communication environment including the presence or absence of interference signals by appropriately controlling the switches S1 to S4 in the
[0099]
In addition, according to the present embodiment, the
[0100]
In addition, this invention is not limited to the said embodiment, A various deformation | transformation implementation is possible. For example, in the above embodiment, the case of operating in the dual mode of the CDMA system and the FM system has been described, but the present invention is also applied to the case of operating in only one of the CDMA system and the FM system. Is possible. Further, the present invention is not limited to the CDMA system and the FM system, and is applied to communication apparatuses of other systems such as a TDMA (Time Division Multiple Access) system and an FDMA (Frequency Division Multiple Access) system. Is possible. Furthermore, the variable gain amplifier circuit of the present invention is applicable not only to communication devices but also to other devices that require a circuit for controlling gain inside.
[0101]
In the above embodiment, the
[0102]
【The invention's effect】
As described above, according to the variable gain amplifier circuit according to any one of
[0103]
In particular, according to the variable gain amplifier circuit according to claim 7, in the variable gain amplifier circuit according to claim 6, as long as the sum of the operating currents flowing through the amplifying transistor and the shunting transistor is in a constant communication environment. In addition to keeping the signal level constant regardless of changes in the signal level of the received signal, the sum of its operating currents is changed according to the communication environment, including the presence or absence of interfering signals. On the other hand, for example, there is an effect that it is possible to optimize the circuit so as to reduce the current consumption according to the difference in the communication environment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a schematic configuration of a mobile phone as a communication device according to an embodiment of the present invention.
2 is a circuit diagram showing a detailed configuration example of a low noise amplifier in the mobile phone shown in FIG. 1;
3 is an explanatory diagram showing a relationship between an AGC voltage for RF input to the low noise amplifier shown in FIG. 2 and a current flowing through an amplifying transistor and a shunting transistor of the low noise amplifier. FIG.
4 is an explanatory diagram illustrating a relationship between a gain and a third-order distortion characteristic with respect to a signal level of a reception signal in the low noise amplifier illustrated in FIG.
FIG. 5 is a block diagram showing an example of a conventional amplifier circuit.
[Explanation of symbols]
T1 amplification transistor
T3 Shunt transistor
T5 Bypass transistor
1 Transmission circuit
2 Receiver circuit
3 Modem
4 Duplexers
5 Common antenna
11 QPSK modulation circuit
12 Transmitter IF amplifier circuit
15 Power amplifier (PA)
16 Local oscillator
21 Low noise amplifier (LNA)
24 Bandpass filter for CDMA
25 Bandpass filter for FM
26 Reception side IF amplifier circuit
27 QPSK demodulation circuit
33 Received signal strength detection circuit (RSSI)
34 Comparison circuit
40 Reception control voltage generation circuit
41 Variable amplifier circuit
42 Control circuit section
43 AGC control circuit
44 Bypass control circuit
61-64 Current mirror circuit
Claims (8)
エミッタ端子が前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された高周波の受信信号を増幅する増幅用トランジスタと、
ベース端子が前記増幅用トランジスタのベース端子に接続されることにより前記増幅用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、前記増幅用トランジスタの動作電流を制御するための第1の制御用トランジスタと、
前記増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された前記受信信号の信号レベルに応じて、前記増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合を変化させる分流用トランジスタと、
ベース端子が前記分流用トランジスタのベース端子に接続されることにより前記分流用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、前記分流用トランジスタの動作電流を制御するための第2の制御用トランジスタと、
前記増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が前記増幅用トランジスタおよび前記分流用トランジスタのエミッタ端子と共に前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された前記受信信号の信号レベルに応じてオン・オフ制御され、前記増幅用トランジスタに対する前記受信信号の信号経路を切り換えるためのスイッチング素子として機能するバイパス用トランジスタと
を備えたことを特徴とする利得可変増幅回路。 An input terminal for receiving a received signal;
An amplifying transistor having an emitter terminal connected to the input terminal and amplifying a high-frequency received signal input via the input terminal ;
A base terminal connected to the base terminal of the amplifying transistor to form a current mirror circuit together with the amplifying transistor, and a first control transistor for controlling an operating current of the amplifying transistor;
A reception signal that is connected in parallel to the amplification transistor, has an emitter terminal connected to the input terminal, and is input to the amplification transistor according to the signal level of the reception signal input through the input terminal. A shunt transistor that changes the ratio of
A base terminal connected to the base terminal of the shunting transistor to form a current mirror circuit together with the shunting transistor, and a second control transistor for controlling the operating current of the shunting transistor;
The emitter terminal is connected in parallel to the amplification transistor, and the emitter terminal is connected to the input terminal together with the emitter terminals of the amplification transistor and the shunting transistor, and the signal level of the received signal input through the input terminal is And a bypass transistor functioning as a switching element for switching the signal path of the reception signal with respect to the amplification transistor.
前記制御回路は、前記スイッチング素子がオン状態のときに、前記増幅用トランジスタおよび前記分流用トランジスタに対して前記受信信号が非入力状態となり、前記スイッチング素子がオフ状態のときに、前記増幅用トランジスタおよび前記分流用トランジスタに対して前記受信信号が入力状態となるように、前記各トランジスタおよび前記スイッチング素子の動作制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の利得可変増幅回路。And a control circuit for controlling the operation of each of the transistors and the switching element according to the signal level of the received signal based on a control signal input from the outside.
The control circuit is configured such that when the switching element is in an ON state, the reception signal is not input to the amplification transistor and the shunting transistor, and when the switching element is in an OFF state, the amplification transistor 2. The variable gain amplifier circuit according to claim 1, wherein operation control of each of the transistors and the switching element is performed so that the received signal is input to the shunting transistor.
外部から入力された第1の制御用信号に基づいて、前記第1の制御用トランジスタおよび前記第2の制御用トランジスタに流れる電流を制御することにより、前記増幅用トランジスタの利得制御を行う第1の制御回路と、
前記スイッチング素子としてのバイパス用トランジスタのベース端子に接続され、外部から入力された第2の制御用信号に基づいて、前記バイパス用トランジスタのベース端子に入力する電流を制御することにより前記スイッチング素子をオン・オフ制御する第2の制御回路と
を有することを特徴とする請求項2記載の利得可変増幅回路。The control circuit includes:
First controlling the gain of the amplifying transistor by controlling the current flowing through the first control transistor and the second control transistor based on a first control signal input from the outside. A control circuit of
The switching element is connected to the base terminal of the bypass transistor as the switching element, and the switching element is controlled by controlling a current input to the base terminal of the bypass transistor based on a second control signal input from the outside. The variable gain amplifier circuit according to claim 2, further comprising: a second control circuit that performs on / off control.
前記利得可変増幅回路は、
受信信号が入力される入力端子と、
エミッタ端子が前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された高周波の受信信号を増幅する増幅用トランジスタと、
ベース端子が前記増幅用トランジスタのベース端子に接続されることにより前記増幅用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、前記増幅用トランジスタの動作電流を制御するための第1の制御用トランジスタと、
前記増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された前記受信信号の信号レベルに応じて、前記増幅用トランジスタに入力される受信信号の割合を変化させる分流用トランジスタと、
ベース端子が前記分流用トランジスタのベース端子に接続されることにより前記分流用トランジスタと共にカレントミラー回路を形成し、前記分流用トランジスタの動作電流を制御するための第2の制御用トランジスタと、
前記増幅用トランジスタに並列接続されると共に、エミッタ端子が前記増幅用トランジスタおよび前記分流用トランジスタのエミッタ端子と共に前記入力端子に接続され、前記入力端子を介して入力された前記受信信号の信号レベルに応じてオン・オフ制御され、前記増幅用トランジスタに対する前記受信信号の信号経路を切り換えるためのスイッチング素子として機能するバイパス用トランジスタと
を備えていることを特徴とする通信機器。A communication device comprising: a receiving device that performs signal processing on a received signal; and a variable gain amplifier circuit that variably amplifies a high-frequency received signal input to the receiving device,
The variable gain amplifier circuit includes:
An input terminal for receiving a received signal;
An amplifying transistor having an emitter terminal connected to the input terminal and amplifying a high-frequency received signal input via the input terminal ;
A base terminal connected to the base terminal of the amplifying transistor to form a current mirror circuit together with the amplifying transistor, and a first control transistor for controlling an operating current of the amplifying transistor;
A reception signal that is connected in parallel to the amplification transistor, has an emitter terminal connected to the input terminal, and is input to the amplification transistor according to the signal level of the reception signal input through the input terminal. A shunt transistor that changes the ratio of
A base terminal connected to the base terminal of the shunting transistor to form a current mirror circuit together with the shunting transistor, and a second control transistor for controlling the operating current of the shunting transistor;
The emitter terminal is connected in parallel to the amplification transistor, and the emitter terminal is connected to the input terminal together with the emitter terminals of the amplification transistor and the shunting transistor, and the signal level of the received signal input through the input terminal is And a bypass transistor functioning as a switching element for switching the signal path of the reception signal with respect to the amplification transistor.
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