JP4455337B2 - オイルリング - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用オイルリングであって、摺動摩擦を低減させることが可能であり、オイル消費の低減に優れたオイルリングに関するものである。
従来、内燃機関においては、燃費を向上させるために、ピストン内における摩擦の低減が重要となっていた。特に、内燃機関のピストンリングにおいては、摩擦力の低減のため、圧力リングおよびオイルリングに品質の向上が求められている。また、摩擦力の低減と共にオイル消費の低減も求められている。
例えば、オイルリングは、潤滑油の掻き落とし機能と、潤滑油の消費量を制御するオイルコントロール機能を担うものであるが、オイルリングのこれらの機能を高めるため、オイルリングの軸方向幅を薄幅化する技術が開発されている。
従来の薄幅化されたオイルリングの一例について示すと、図4に示すように、オイルリング1は、二つのレール2、3を柱状のウェブ4で連結した断面略I字形を呈するものである。この例には、二つのレール2、3が対称に形成されている例を示すものである。このようなオイルリング1は、シリンダー20の内壁21と摺動する摺動面6を先端に有する摺動部突起5と、当該摺動部突起5の外側部分を形成している摺動部突起外側面7と、内側部分を形成している摺動部突起内側面8とを有する。また、レール2および3をウェブ4で連結して形成される外周溝9は、シリンダー内壁21から摺動面6によってかきとられたオイルが受容される溝であり、さらに、外周溝9に受容されたオイルは、ウェブ4に多数設けられている油孔16を通過し、オイルリング1の内周側へと移動する。
このような構成からなるオイルリングにおいては、潤滑油消費量低減の観点から、オイルリング軸方向の幅、すなわち図4に示すhの高さを薄くすることにより、オイルリングのオイルコントロール機能を高めている。hの寸法が小さい程低フリクションとできるので、潤滑油の消費量低減には有利であるが、2ピースオイルリングの摺動面は3ピースオイルリングとは異なり、常にボアにフラットに接触しようとする構造であるため、初期に形成された当たり面が長期にわたり維持されてしまう。
フラットな面には楔効果が寄与しないので摺動面の油膜の厚さは薄く、フラットな広い面で薄い油膜をせん断する場合には摩擦力が大きくなる。オイルリングといえども、工程のほとんどの領域で流体潤滑で運転されるので、薄い油膜の場合は油膜内の速度勾配が大きくなり、速度勾配が大きいほどせん断力が大きくなるので、広いフラットな面は高いせん断力の発生領域が全面にわたリフリクションが大きくなる。
これを回避させる為には、摺動面当たり幅を小さくさせることが最も重要である。
また、実公昭46−12405号公報には、ピストンリングの軸方向における幅が厚い上下レールを有するピストンリングにおいて、ピストンの上下運動に伴い、ピストンが左右に揺れる首振りといった不都合が生じた場合に、シリンダー内壁と接触するピストンリングのエッジ部分に過大な圧力がかかることを要因として発生するピストンリングの焼きつき等を防止するために、ピストンリングの摺動面の形状を樽形とした技術が開示されている。
更に、オイル消費に優れたオイルリングとしては、特開2002−71021号公報において、オイルリングの上下レールにそれぞれ、第一テーパー面及び第二テーパー面を設け、更に、下レール側摺動面とつながる第二テーパー面との角度を上レール角度より大きくすることで、リング上昇の際に油膜厚さを厚くし、リング下降の際は油膜を薄くすることによりオイル消費を低減することが開示されている。このオイルリングでは上下テーパーが異なるようにする加工やオイルリングを組み付ける際向きの判別が必要で作業が煩雑になるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ピストンの高速回転域においても摺動摩擦を低減することが可能なオイルリングでオイル消費に優れ、加工も容易なオイルリングを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、上記二つのレールに形成されている摺動部突起は、上記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、上記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、上記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、上記摺動部突起外側面のテーパー角度が10°〜60°の範囲内であり、上記摺動部突起外側面と上記摺動面とが接合する外側エッジ部は曲面状に形成されており、上記摺動面は、上記摺動部突起外側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有することを特徴とするオイルリングを提供する。
本発明においては、摺動部突起の形状を上述した形状とすることにより、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、シリンダー内壁と接触する外側エッジ部において、曲面で接触させることができるため、過度な圧力が外側エッジ部に集中することが抑制され、摺動摩擦を低減させることができる。
本発明においてはまた、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、上記二つのレールに形成されている摺動部突起は、上記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、上記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、上記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、上記摺動部突起外側面は、上記摺動部突起外側面と上記摺動面とが接合する外側エッジ部から少なくともその一部分が曲面状に形成されており、上記外側エッジ部は曲面状に形成されており、上記摺動面は、上記摺動部突起外側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有することを特徴とするオイルリングを提供する。
本発明においては、上記発明と同様に摺動面に曲面摺動部を設けることにより、摺動摩擦の低減を図ることができる。さらに、摺動部突起外側面に、外側エッジ部から少なくともその一部分を曲面状とした部分が形成されており、これにより、外側エッジ部をより滑らかな曲面状に形成することができる。したがって、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、外側エッジ部に過度な圧力がかかることを抑制することができるため、これによっても摺動摩擦を低減させる効果を得ることができる。
上記発明においては、上記曲面摺動部と上記摺動部突起内側面とが接合していることが好ましい。摺動面全体を曲面摺動部とすることにより、常に摺動面はシリンダー内壁に対して曲面で接触するため、シリンダー内壁に対する追従性に優れ、摺動摩擦の低減に効果があるからである。
上記発明においては、上記曲面摺動部と上記摺動部突起外側面とが接合している部分から、上記摺動面と上記摺動部突起内側面とが接合している部分までの、オイルリング径方向の幅が、3μm〜100μmであることが好ましい。
上述した範囲内の幅を有するのであれば、オイルリングの潤滑油掻き落とし機能およびオイルコントロール機能を損なうことなく、摺動摩擦を低減させることができるからである。
上記発明においては、上記摺動部突起内側面と上記摺動面とが接合する内側エッジ部は曲面状に形成されており、上記摺動面は、上記摺動部突起内側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている内側曲面摺動部を有していてもよい。
上記発明においては、上記摺動部突起内側面のテーパー角度が0°〜30°の範囲内であることが好ましい。摺動部突起内側面におけるテーパー角度を上述した範囲内とすることにより、摺動面と摺動部突起内側面との接合部分において、摺動面と摺動部突起内側面とがなすオイルリング内の角度を大きく確保することができるため、過度な圧力の集中が回避され、摺動面の形状と併せて摺動摩擦の低減に効果を有するからである。
図1は、本発明のオイルリングの一例を示す概略断面図である。
図2は、本発明における摺動部突起の一例を示す説明図である。
図3は、本発明における摺動部突起の他の例を示す説明図である。
図4は、従来のオイルリングの一例を示す概略断面図である。
図5は、従来のオイルリングにおいて傾きが生じた場合に、外側エッジ部がシリンダー内壁に接触している状態を示した概略断面図である。
図6は、本発明のオイルリングの他の例を示す概略断面図である。
図7は、本発明のオイルリングにおいて傾きが生じてもエッジ接触とはならないことを示した概略断面図である。
図8は、本発明のオイルリングの他の例を示す概略断面図である。
図9は、本発明における摺動部突起の他の例を示す説明図である。
図10は、本発明の実施例における、エンジン回転数に対するオイルリングの機械的損失(FMEP)を示したグラフである。
図11は、本発明の実施例における、オイルリングのオイル消費量比率を示すグラフである。
以下、本発明のオイルリングについて詳細に説明する。本発明のオイルリングは、摺動部突起の外側部分を形成する摺動部突起外側面の形状の違いにより二つの実施態様に分けることができる。まず、第一実施態様について説明する。
A.第一実施態様
第一実施態様は、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、上記二つのレールに形成されている摺動部突起は、上記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、上記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、上記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、上記摺動部突起外側面のテーパー角度が10°〜60°の範囲内であり、上記摺動部突起外側面と上記摺動面とが接合する外側エッジ部は曲面状に形成されており、上記摺動面は、上記摺動部突起外側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有することを特徴とするものである。
本実施態様においては、摺動部突起の形状を上述した形状とすることにより、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、シリンダー内壁と接触する外側エッジ部において、曲面で接触させることができるため、過度な圧力が外側エッジ部に集中することが抑制され、摺動摩擦を低減させることができる。
このような利点を有する本実施態様のオイルリングについて、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本実施態様のオイルリングの一例を示した概略断面図である。この例に示すオイルリング1は、二つのレール2、3を柱状のウェブ4で連結した断面略I字形を呈し、二つのレール2、3が対称に形成されている例を示すものである。
当該オイルリング1は、シリンダー20の内壁21を摺動する摺動面6が先端に形成されている摺動部突起5を有し、当該摺動部突起5は、その外側部分を形成している摺動部突起外側面7と、内側部分を形成している摺動部突起内側面8とを有する。また、レール2および3をウェブ4で連結して形成される外周溝9は、シリンダー内壁21から摺動面6によって掻きとられた潤滑油が受容される溝であり、さらに、外周溝9に受容された潤滑油は、ウェブ4に多数設けられている油孔16を通過し、オイルリング1の内周側へと移動する。
このような構成を有する本実施態様のオイルリング1においては、摺動面6と摺動部突起外側面7とが接合する部分である外側エッジ部10が曲面状に形成されており、さらに、摺動面6は、摺動部突起外側面7と接合しなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部11を有し、さらには、摺動部突起外側面7のテーパー角度が、所定の範囲内にあるように形成されていることを特徴とする。
本実施態様においては、摺動部突起5の形状をこのような形状に形成することにより、オイルリング1に傾きが生じた場合に、外側エッジ部10がシリンダー内壁21に強く接触することにより生じる摺動摩擦の増大を抑制している。
すなわち、オイルリング1がピストン22の溝内で持ち上がり不安定な状態となるフラッタリング等の不都合が生じると、オイルリング1はピストン22の構内で上下動し傾きが生じる。このようにオイルリング1に傾きが生じると、上下のレール2、3のいずれかの外側エッジ部10が強くシリンダー内壁21に押し付けられるため、摺動摩擦が増大するといった問題が生じる。さらにこのような摺動摩擦の増大は、潤滑油の消費量を多くし、オイルコントロール機能の低下といった不都合の発生にも繋がる。
図7は、本実施態様のオイルリングに傾きが生じた場合に、外側エッジ部がシリンダー内壁に接触している状態を示す概略断面図である。図7に示すように、本実施態様においてオイルリング1に傾きが生じた場合は、上下レールの外側エッジ部10がシリンダー内壁21に対して曲面で接触することにより、過度な圧力が外側エッジ部10に集中することを回避することができる。従って、本実施態様のオイルリングであれば、摺動摩擦を低減させることができるのである。
さらに、図1には、上述した構成を有するオイルリング1の内周側に接触し、オイルリング1をオイルリング1の径方向外方へ付勢して、シリンダー内壁21にオイルリングを押し付けるコイルエキスパンダ12が示されており、オイルリング1とコイルエキスパンダ12とからなる2ピースオイルリングの例を示している。
このような利点を有する本実施態様のオイルリングおよびその他エキスパンダについて以下、詳細に説明する。
1.オイルリング
一般的にオイルリングは、シリンダー内壁の余分な潤滑油を掻き落とし、潤滑油の消費量を適性水準に抑えるために設けられているものである。本実施態様のオイルリングは、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形であり、かつ二つのレールに形成されている摺動部突起が、前記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、前記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、前記摺動部突起のシリンダー内壁と摺動する摺動面とを有するものである。
このような本実施態様のオイルリングについてまず、摺動部突起の形状について説明する。
まず、摺動部突起の外側部分を形成する摺動部突起外側面において、そのテーパー角度が、10°〜60°の範囲内である必要があり、その中でも、15°〜45°の範囲内であることが好ましい。ここでいう、摺動部突起外側面のテーパー角度とは、摺動部突起の外側の傾斜面がオイルリングの径方向に対しなす角度を意味し、具体的には、図2に示すように、オイルリングの径方向と平行方向にある直線Aと摺動部突起外側面7とがなす角度αを指している。
本実施態様においては、このような摺動部突起外側面のテーパー角度を上述した範囲外とすると、シリンダー内へオイルリングを組付ける際に、摺動部突起に欠けが生じる可能性が大きく、これによりシリンダー内壁にキズが発生し、シール性能が悪化するため好ましくない。
また、この摺動部突起外側面のテーパー角度を上述した範囲内とすることにより、外側エッジ部の角度、すなわち、図2に示すように、摺動部突起外側面7と摺動面6とがなす部材側の角度γを大きく確保することができるため、オイルリングに傾きが生じシリンダー内壁に対して外側エッジ部が強く押し付けられた場合であっても、狭い面積に高い圧力が集中することを防止することができるので、摺動摩擦の増大を回避することができる。
一方、摺動部突起の内側部分を形成する摺動部突起内側面のテーパー角度は、0°〜30°の範囲内であることが好ましい。ここでいう、摺動部突起内側面のテーパー角度とは、摺動部突起の内側の傾斜面がオイルリングの径方向に対しなす角度を意味し、具体的には、図2に示すように、オイルリングの径方向と平行方向にある直線Bと摺動部突起内側面8とがなす角度βを指している。このような摺動部突起内側面のテーパー角度を上記範囲内とすることにより、摺動面と摺動部突起内側面との接合部分の角度、すなわち、図2に示すように、摺動部突起内側面8と摺動面6とがなす部材側の角度δを大きく確保することができるため、当該接合部分でシリンダー内壁に接触した場合にその部分に圧力が集中することが防止され、摺動摩擦の低減を図ることができる。また、加工が容易であることから製造効率上有利である。
さらに、本実施態様においては、摺動部突起外側面と摺動面とが接合する部分である外側エッジ部が曲面状に形成されているものである。従来では、図4に示すように、外側エッジ部10の形状は角状に形成されていた。このように角状の外側エッジ部とすると、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に斜め当たりとなった際に、図5に示すように、外側エッジ部10はシリンダー内壁21にエッジ部分で接することとなる。これにより、外側エッジ部10には、過度の圧力が集中するため、摺動摩擦が大幅に増大する問題が生じていたのである。しかしながら、本実施態様においては、外側エッジ部の形状を曲面状としていることから、外側エッジ部への極度な圧力の集中を防止することができ、その結果、摺動摩擦の低減が可能となるのである。また、上述した摺動部突起外側面のテーパー角度との相乗効果により、より一層摺動摩擦の増大を抑制する効果を高めることができる。
また、本実施態様における摺動面は、摺動部突起外側面と接合しなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有するものである。この曲面摺動部としては、摺動部突起外側面と接合し、曲面状に形成されているものであれば特に限定はされない。また、この曲面摺動部の設け方としては、外側エッジ部から摺動面の少なくとも一部分にかけて設けられていれば特に限定はされない。例えば、図2に示すように、摺動面6全体が曲面摺動部11となっている場合でもよく、また図3に示すように、外側エッジ部10から一部分にかけて曲面摺動部11が形成されており、残りの部分は平面状に形成された平面摺動部13となっている摺動面6であってもよい。
このように摺動面に曲面摺動部を設けることにより、外側エッジ部の形状を曲面とすることができるため、上述したように摺動部突起外側面におけるテーパー角度との相乗効果により、より一層、摺動摩擦を低減させる効果を得ることができる。
このような摺動面において、中でも、曲面摺動部と摺動部突起内側面とが接合していることが好ましい。すなわち、図2に示すように、摺動面6全体が曲面摺動部11となっていることが好ましい。このように摺動面の形状を全体的に曲面状とすることにより、摺動面は常にシリンダー内壁に対して曲面で接触するため、シリンダー内壁に対する追従性に優れ、潤滑油の掻き落とし機能およびオイルコントロール機能を向上させ、かつ摺動摩擦の低減にも効果を有するからである。
さらに、本実施態様においては、上述した曲面摺動部に加えて、内側曲面摺動部を摺動面に設けてもよい。この内側曲面摺動部は、摺動部突起内側面と接合し、曲面状に形成されているものであれば特に限定はされない。また、この内側曲面摺動部の設け方としては、摺動面と摺動部突起内側面とが接合する部分である内側エッジ部から摺動面の少なくとも一部分にかけて設けられていれば特に限定はされない。例えば、図9に示すように、摺動面6を、外側エッジ部10から一部分にかけて形成されている曲面摺動部11と、この曲面摺動部11に連続し平面状に形成された部分である平面摺動部13と、上記平面摺動部13と接合し、なだらかな曲面状に形成されている内側曲面摺動部14とから形成する場合や、図9に示す平面摺動部13を設けずに、曲面摺動部11と内側曲面摺動部14とを連続して形成し、摺動面6を外側エッジ部10から内側エッジ部15にかけて全体的に曲面状とする場合等を挙げることができる。このように内側曲面摺動部14を設けることにより内側エッジ部15を曲面状に形成することができるため、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、過度な圧力が一点に集中することを抑制することができ、摺動摩擦の低減を図ることができる。
さらに本実施態様では、例えば図3および図9に示すように、摺動面6の一部分に平面摺動部13を設けた場合において、この平面摺動部13のオイルリング軸方向の長さは、5μm〜100μmの範囲内、中でも50μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。ここでいう平面摺動部のオイルリング軸方向の長さとは、図3に示す場合では、平面摺動部13および曲面摺動部11が接合している部分を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Cと、摺動面6および摺動部突起内側面8の接合部分、すなわち内側エッジ部15を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Dとの間隔aを指している。一方、図9に示す場合では、内側曲面摺動部14を設けているが、平面摺動部13および曲面摺動部11が接合している部分を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Cと、摺動面6および摺動部突起内側面8の接合部分、すなわち内側エッジ部15を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Dとの間隔aを指している。
このように摺動面の一部分に平面摺動部を設けた場合、オイルリングが正常な状態で上下動している際には、この平面摺動部でシリンダー内壁に接触する。よって平面摺動部のオイルリング軸方向の長さを上述した範囲内とすることにより、オイルの掻き落とし機能およびオイルコントロール機能等の機能に支障をきたすおそれが少ないからである。
このような摺動面において、曲面摺動部と摺動部突起外側面とが接合している部分から、摺動面と摺動部突起内側面とが接合している部分までの、オイルリング径方向の幅、具体的には、図2に示すように、曲面摺動部11と摺動部突起外側面7とが接合している部分、すなわち、外側エッジ部10から、摺動面6と摺動部突起内側面8とが接合している部分までの、オイルリング径方向における幅xは、3μm〜100μmの範囲内、中でも3μm〜30μmの範囲内、特に、10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。摺動面におけるオイルリング径方向に対する幅を上述した範囲内とすることにより、オイルリングとしての機能を損なうことがなく、かつ摺動摩擦を低減させる効果を得ることができるからである。
一方、内側曲面摺動部を有する場合の曲面摺動部のオイルリング径方向の幅、すなわち、図9に示すように外側エッジ部10を通りオイルリング軸方向に平行にひいた直線Eと、曲面摺動部11のうち最もオイルリング径方向の外方に位置する部分を通りオイルリング軸方向に平行にひいた直線Fとの間隔bは、3μm〜100μmの範囲内、中でも3μm〜50μmの範囲内、特に3μm〜30μmの範囲内、さらには10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、内側曲面摺動部のオイルリング径方向の幅、すなわち、図9に示すように内側エッジ部15を通りオイルリング軸方向に平行にひいた直線Gと、内側曲面摺動部14のうち最もオイルリング径方向の外方に位置する部分を通りオイルリング軸方向に平行にひいた直線Fとの間隔cは、3μm〜100μmの範囲内、中でも3μm〜50μmの範囲内、特に3μm〜30μmの範囲内、さらには5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
さらに内側曲面摺動部を設けた場合に、上述した曲面摺動部のオイルリング径方向の幅と内側曲面摺動部のオイルリング径方向の幅との関係、すなわち図9に示す間隔bおよび間隔cの関係は、特に限定はされないが、間隔bの方が、間隔cよりも広いことが好ましい。このようにすることにより、より摺動摩擦の低減に効果があり、また、加工が容易であるからである。
次に、オイルリング軸方向における摺動面幅について説明する。ここでいうオイルリング軸方向における摺動面幅とは、外側エッジ部から、摺動面と摺動部突起内側面との接合部分までの、オイルリング軸方向における幅を意味し、具体的には、図2に示すように、外側エッジ部10を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Aと、摺動面および摺動部突起内側面の接合部分を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Bとの幅yを示し、かつ、本実施態様においては、上下二つのレールの両方の幅を足し合わせた数値とすることとする。このようなオイルリング軸方向における摺動面幅は、本実施態様においては、0.05mm〜0.3mmの範囲内、中でも、0.1mm〜0.2mmの範囲内であることが好ましい。ピストンリングの軽量化およびオイル消費の低下を実現するために、一般的にオイルリングでは、オイルリング軸方向幅を薄幅化することが好ましく、このような要求にも上述した範囲内であれば、十分に対応することが可能であるからである。さらに、オイルリングの薄幅化が進むにつれ、特にピストンの高速回転域では、オイルリングにフラッタリングが生じる可能性が大きく、摺動摩擦が増大するおそれがあるが、本実施態様においては、特にオイルリングの薄幅化によるこのような問題の発生を十分に防止することが可能である。
また、本実施態様におけるオイルリング軸方向幅は、オイルリングの潤滑油を掻き落とす機能や、潤滑油のオイルコントロール機能に支障がないのであれば特に限定はされない。
なお、ここでいうオイルリング軸方向幅とは、オイルリングを構成する上下レールにおいて、上レールの上面から下レールの下面までのオイルリング軸方向におけるオイルリングの幅を意味し、具体的には、図1に示すように、上レール2の上面から下レール3の下面までのオイルリング軸方向における幅iを指している。本実施態様においては、このようなオイルリング軸方向幅が、具体的に、1mm〜3mmの範囲内その中でも、1.2mm〜2mmの範囲内であることが好ましい。上述したように、ピストンリングの軽量化および潤滑油の消費量の低下を実現するためには、オイルリング軸方向幅の薄幅化が好ましいからである。また、本実施態様は、上記範囲内にある薄幅化のオイルリングにおいて、ピストンの高速回転域で特に生じることが多いオイルリングの傾きを要因とする、摺動摩擦の増大に対して、摺動摩擦を低減させる効果を有するものである。
また、本実施態様のオイルリングの張力は、シリンダー内壁に良好に付勢できるのであれば特に限定はされないが、より具体的には、オイルリング張力(N)をリングボア径(mm)で割った値、オイルリング張力比率(N/mm)が0.5N/mm以下であることが好ましく、中でも、0.2N/mm以下であることが好ましい。上記範囲内の張力を有するオイルリングは一般的に低張力オイルリングと呼ばれるものであるが、このような低張力オイルリングにおいては、ピストンの低速回転域ではオイルリングにフラッタリングは生じにくいが、高速回転域では生じる可能性が高く、本実施態様の効果を十分に活かすことが可能であるからである。
次いで、本実施態様のオイルリングの全体的な形状としては、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形であり、また摺動部突起の形状が上述した形状を有していれば特に限定はされない。例えば、図6(A)に示すように、摺動部突起5の内側部分が階段状に形成されている形状や、図6(B)に示すように摺動部突起5がオイルリング1の軸方向の内方側に設けられており軸方向外方側には、一般的に肩30と呼ばれる部分がある形状等を挙げることができる。
また、本発明において摺動面及び摺動突起部に施される表面処理皮膜としては、ガス窒化皮膜、イオン窒化皮膜、イオンプレーティング皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜や金属を含む硬質炭素皮膜を形成することが望ましい。ガス窒化皮膜はマスキングをしなければ全周に形成することができるが、本発明においては外周のみに形成しても、全周に形成してもよく、形成する箇所は適宜選択することができる。
上記の表面処理のうち、イオン窒化皮膜、またはイオンプレーティング皮膜は外周面のみに形成することが望ましい。イオンプレーティング皮膜の種類の具体的な例としては、Cr−N系やCr−B−N系、更にTi−N系等が挙げられる。
上記のような硬質皮膜を形成する場合は、摺動面とその下側の摺動面突起内側面がシャープエッジになると、欠けや剥離が生じやすいので、なだらかな曲面状(R面)とすることが望ましい。
本実施態様において、オイルリングを形成する材料としては、適度な靭性を有し、また、2ピースオイルリングとする場合には、エキスパンダからの張力により変形するおそれのない材料、具体的には、従来からのオイルリングに用いられている鋼材であれば特に限定はされない。その中でも、マルテンサイトステンレス鋼(SUS440、SUS410材)、10Cr、8Cr、合金工具鋼(SKD材)、SKD61、SWOSC−V、SWRH相当材等を好適に用いることができる。
2.その他
本実施態様のオイルリングは、上述した構成を有するオイルリングのみからなる1ピースオイルリングとする場合であってもよく、さらに本実施態様のオイルリングをオイルリングの径方向外方へ付勢するエキスパンダと組み合わせる2ピースオイルリングとする場合であってもよい。
例えば、2ピースオイルリングとする場合に用いるエキスパンダとしては、オイルリングの径方向外方への拡張力を生じるように形成されているものであれば特に限定されるものではない。例えば、断面円形の線材をコイル状に巻き、コイルエキスパンダの外周面を研削処理することによりリング状としたもの等が可能である。また図1に図示したコイルエキスパンダの一例は断面円形状で表しているが、その形状は特に上記の形状に限定されるものではない。このエキスパンダは、上述のコイルエキスパンダに代わって、プレートエキスパンダとしてもよい。
B.第二実施態様
次に第二実施態様について説明する。本実施態様は、二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、前記二つのレールに形成されている摺動部突起は、前記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、前記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、前記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、前記摺動部突起外側面は、前記摺動部突起外側面と前記摺動面とが接合する外側エッジ部から少なくともその一部分が曲面状に形成されており、前記外側エッジ部は曲面状に形成されており、前記摺動面は、前記摺動部突起外側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有することを特徴とするものである。
本実施態様においては、第一実施態様と同様に摺動面に曲面摺動部を設けることにより、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、シリンダー内壁と接触する外側エッジ部において、曲面で接触させることができることから、過度な圧力が外側エッジ部に集中することを抑制でき、摺動摩擦の低減を図ることができる。
また、本実施態様においては、摺動部突起外側面が外側エッジ部から少なくともその一部分が曲面状に形成されている。このように摺動部突起外側面において、外側エッジ部から少なくともその一部分を曲面状に形成することにより、摺動部突起外側面と曲面摺動部とが接合している部分、すなわち外側エッジ部において、より滑らかな曲面状に形成することができる。
本実施態様において、摺動部突起外側面のうち曲面状に形成されている部分は、外側エッジ部と接合している部分から、摺動部突起外側面の少なくとも一部分であれば特に限定はされなく、図8に示すように、摺動部突起外側面7の全体が曲面状に形成されている場合であってもよく、また、外側エッジ部10からその一部分が曲面状に形成されている場合であってもよい。
このような曲面状に形成された部分を有する摺動部突起外側面において、曲面状に形成されている部分のオイルリング径方向の幅、すなわち、図8に示すように、曲面状に形成されている部分の摺動部突起外側面7のうち、最もオイルリング径方向の内方に位置する部分を通り、オイルリング軸方向に平行にひいた直線Hと、外側エッジ部10を通りオイルリング軸方向に平行にひいた直線Iとの間隔dは、50μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。一方、曲面状に形成されている部分の摺動部突起外側面においてオイルリング軸方向の幅、すなわち、図8に示すように、曲面状に形成されている部分の摺動部突起外側面7のうち、最もオイルリング径方向の内方に位置する部分を通り、オイルリング径方向に平行方向にひいた直線Jと、外側エッジ部10を通りオイルリング径方向に平行にひいた直線Kとの間隔eは、10μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。曲面状に形成されている部分の摺動部突起外側面の形状を上述した範囲内とすることにより、外側エッジ部をより滑らかな曲面状に容易に加工することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
[単体試験]
まず、本発明のオイルリングに関し、単体試験機による摩擦力による機械的損失(FMEP)を求めた。その際の試験方法は、ピストンにオイルリングをセットし、なじみ運転をした後、オイル温度80℃にてエンジンスピードに相当する回転数を変化させ、摩擦力を測定した。
本実施例に用いたオイルリングには、Cr:8.0wt%、C:0.72wt%、Si:0.25wt%、Mn:0.28wt%、P:0.02wt%、S:0.01wt%、その他不可避不純物からなるピストンリング用線材を用いた。そのピストンリング用線材に対し、引き抜き加工及び公知の加工法(研削加工等)を施し、更に、表面にガス窒化処理を施してHv700以上の拡散層を100μmの厚さで形成した。バレル量の調整は、セット治具の角度と処理時間を調整することにより、外周摺動面のバレル加工を行なった。
上記方法で製造したピストンリングの仕様を以下に示す(y、α、βに関しては図2参照)。
オイルリングd1:81mm、h1:2mm、a1:2mm、
レールの幅y=0.2mm
面取り角度α:25°、面取り角度β:10°
合口隙間:0.1mm
オイルリング張力比率は0.19N/mm
また、エキスパンダは、φ0.6mmの線材を用い、エキスパンダ直径1.5mm、ピッチ0.6mmとなるよう作成した。
本実施例においては、バレル処理をしていないもの(STD)、図2における「x」の値が8μm、15μm、25μmの4種類に関してFMEPの測定を行なった。測定結果を図10に示す。
図10から、何れの回転域でもSTDと比較して、バレル面を有するオイルリングのFMEP値は低く、バレル高さに関わらず、低減している。当たり幅を小さく維持することを考慮するとバレル量は高い方が望ましい。以上のことから、摺動面をバレル形状にすることで、フリクションを小さくできることが分かる。
[実機試験]
さらに、上記のオイルリングに関し、排気量:2694cc、ボア径:φ95mmの4気筒ガソリンエンジンにてオイル消費量の確認を行った。
この際のピストンリングの組合せは、1stリングは、10Cr材からなるh1:1.2mm、a1:2.9mmのものにガス窒化処理を施したもの、2ndリングは、FC材からなるh1:1.2mm、a1:3.4mmのものである。オイルリングは単体試験で用いた外周形状の仕様(STD及びバレル仕様)のものを用い、試験は1stリング及び2ndリングの仕様は一定とし、オイルリングのみを変化させて行った。オイルリングには、「x」の値が15〜20μmの範囲内であるバレル形状オイルリングを用いた。
[試験方法]
WOT(全負荷)によりエンジン回転数5200rpmにて、STDオイルリングを用いたオイル消費量(g/h)の数値を1とし、バレル形状オイルリングを用いた試験結果を指数(オイル消費量比率)として求めた。その結果を図11に示す。
この結果よりオイル消費量比率は、バレル形状オイルリングを用いた試験結果が、低い値を示し良い結果が得られていることがわかる。その数値の差は約11%であった。
本発明によれば、摺動部突起外側面のテーパー角度が10°〜60°の範囲内であり、さらに上記摺動部突起外側面と摺動面とが接合する外側エッジ部が曲面状に形成されており、上記摺動面は、上記摺動部突起外側面と接合してなだらかな曲面状に形成されている曲面摺動部を有することにより、オイルリングに傾きが生じ、シリンダー内壁に対して斜め当たりとなる不都合が生じた場合に、シリンダー内壁と接触する外側エッジ部において、曲面で接触させることができるため、過度な圧力が外側エッジ部に集中することが抑制され、摺動摩擦を低減させることができ、さらに、オイル消費量を小さくできるという効果を奏する。

Claims (5)

  1. 二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、前記二つのレールに形成されている摺動部突起は、前記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、前記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、前記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、
    前記摺動部突起外側面のテーパー角度が10°〜60°の範囲内であり、
    前記摺動部突起外側面と前記摺動面とが接合する外側エッジ部は、前記摺動面の前記摺動部突起外側面側の端部における接線よりも、前記摺動部突起外側面の方がオイルリング径方向内側となるような形状に形成されており
    前記摺動面は、前記摺動部突起外側面と接合した曲面である曲面摺動部を有し、
    前記曲面摺動部と前記摺動部突起内側面とが接合しており、
    前記オイルリングの軸方向幅が、1mm〜3mmの範囲内であり、
    前記曲面摺動部と前記摺動部突起外側面とが接合している部分から、前記摺動面と前記摺動部突起内側面とが接合している部分までの、オイルリング径方向の幅が、3μm〜30μmであり、
    前記オイルリングの張力比率が0.5N/mm以下であることを特徴とするオイルリング。
  2. 二つのレールを柱部で連結した断面略I字形のオイルリングであって、前記二つのレールに形成されている摺動部突起は、前記摺動部突起の外側部分を形成している摺動部突起外側面と、前記摺動部突起の内側部分を形成している摺動部突起内側面と、シリンダー内壁と摺動し、前記摺動部突起の先端部分を形成している摺動面とを有し、
    前記摺動部突起外側面は、前記摺動部突起外側面と前記摺動面とが接合する外側エッジ部から少なくともその一部分が曲面に形成されており、
    前記外側エッジ部は、前記摺動面の前記摺動部突起外側面側の端部における接線よりも、前記摺動部突起外側面の方がオイルリング径方向内側となるような形状に形成されており
    前記摺動面は、前記摺動部突起外側面と接合した曲面である曲面摺動部を有し、
    前記曲面摺動部と前記摺動部突起内側面とが接合しており、
    前記オイルリングの軸方向幅が、1mm〜3mmの範囲内であり、
    前記曲面摺動部と前記摺動部突起外側面とが接合している部分から、前記摺動面と前記摺動部突起内側面とが接合している部分までの、オイルリング径方向の幅が、3μm〜30μmであり、
    前記オイルリングの張力比率が0.5N/mm以下であることを特徴とするオイルリング。
  3. 前記摺動部突起内側面と前記摺動面とが接合する内側エッジ部は、前記摺動面の前記摺動部突起内側面側の端部における接線よりも、前記摺動部突起内側面の方がオイルリング径方向内側となるような形状に形成されており
    前記摺動面は、前記摺動部突起内側面と接合した曲面である内側曲面摺動部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイルリング。
  4. 前記摺動部突起内側面のテーパー角度が0°〜30°の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載のオイルリング。
  5. 前記摺動面及び前記摺動部突起に、ガス窒化皮膜、イオン窒化皮膜、イオンプレーティング皮膜、ダイヤモンドライクカーボン皮膜や金属を含む硬質炭素皮膜からなる群から選択される少なくとも1種の表面処理皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のオイルリング。
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