JP4455118B2 - 分娩診断支援プログラム及びこれを格納した記録媒体、並びに分娩診断支援方法及び装置。 - Google Patents

分娩診断支援プログラム及びこれを格納した記録媒体、並びに分娩診断支援方法及び装置。 Download PDF

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Description

本発明は、分娩を診断するために用いる支援プログラム、記録媒体、方法、及び装置に関する。
従来、分娩難易度、つまり自然分娩が可能か、吸引分娩が必要か、帝王切開が必要か等を診断する手法として、種々の方法が臨床的に行われている。例えば、母体の骨盤内の最も狭い径線(産科的真結合線)と、児頭の横径のうち最も大きい部分(大横径)をX線写真から求め、前者が後者より1.5cm以上であれば自然分娩可能とするGuthmann法が提案されている。又、母体の骨盤入口の横断面をX線撮影し、この写真上に児頭のX線写真を切抜いて置き、骨盤入口内に入るかを確認する方法(Martius法)も知られている。
又、統計データにより、分娩難易度を予測して臨床に用いる方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。一方、本発明者らは、分娩介助教育に用いるため、分娩時に骨盤内を胎児が通過してゆく動きを3次元可視化したアプリケーションソフトウェア(商品名:3次元CG周産期診断・分娩介助教育システム(CD−ROM)、MCメディカ出版)を市販している(例えば、非特許文献2,3参照)。このソフトウェアは、看護教育において分娩を仮想的に体験できるものである。
箕裏茂樹、坂元正一、久保武士、「線形判別関数による分娩難易度の予測とその臨床応用」、医療情報学、日本医療情報学界、1980年1月19日、3−1 3次元CG周産期診断・分娩介助教育システム(CD−ROM)、[online]、MCメディカ出版、[平成16年1月27日検索]、インターネット<URL:http://www.medica.co.jp/3d-bunben/> 住本和博、交野好子、田邉美智子、石村由利子、成田伸、野村紀子、前原澄子、「平成13年度研究結果報告 「バーチャル分娩」が体験できるソフトの開発」、平成12年度〜平成14年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(1))研究報告書 母性看護学・助産婦領域における教育教材の開発、2003年3月、p15−43
しかしながら、母体の骨盤内部や児頭の形状は3次元であるため、上記した2次元画像を用いた従来の診断方法では、分娩難易度の診断の精度が不充分であった。特に、上記診断による値が閾値近傍である場合、とりあえず帝王切開の準備をした上で試験分娩を行う必要があり、その判断も医師の経験によるものであって客観的とはいえなかった。又、実際の分娩では、胎児が骨盤内を回旋しながら娩出されるが、このような回旋が考慮されておらず、その点でも診断精度が充分でなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、分娩診断の精度を高めることが可能な分娩診断支援プログラム、記録媒体、方法、及び装置を提供することを目的とする。
上記したように、本発明者らは既に分娩を3次元CG(コンピュータ・グラフィックス)でシミュレートするアプリケーションソフトウェアを開発しており、このソフトウェアを基に、分娩難易度を判定する処理を設けることで、本発明の完成に至った。又、実際に分娩する個々の患者毎に母体の骨盤や児頭の形状が異なることから、これら個別データを反映することで、精度の高い分娩診断支援データを出力できるようになった。
すなわち、本発明の分娩診断支援プログラムは、母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する過程と、胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する過程と、実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算過程と、実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算過程と、前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩過程と、前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算過程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
前記距離に応じて報知する過程をさらに備えたことが好ましく、前記骨盤の特徴データは、少なくとも骨盤出口部の断面形状パラメータを含み、前記頭部の特徴データは、少なくとも頭部の断面形状パラメータを含むことが好ましい。
本発明の記録媒体は、前記分娩診断支援プログラムを格納したことを特徴とする。
本発明の分娩診断支援方法は、コンピュータを用い、母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する過程と、胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する過程と、実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算過程と、実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算過程と、前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩過程と、前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算過程とを有することを特徴とする。
本発明の分娩診断支援装置は、母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する第1の取得手段と、胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する第2の取得手段と、実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算手段と、実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算手段と、前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩処理手段と、前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、母体の骨盤内部や児頭の形状を3次元化し、娩出時の胎児の回旋を反映して分娩をシミュレートし、分娩難易度をコンピュータ上で判定するので、分娩診断に有効な支援データを出力できる。又、実際に分娩を行う個々の母体の骨盤や児頭のデータを反映して分娩をシミュレートするので、より精度の高い分娩診断支援データを出力できる。
以下本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明にかかる分娩診断支援プログラムを実行する装置(分娩診断支援装置、コンピュータ)10の一実施の形態を示すブロック図であり、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)等からなる制御部(第1の取得手段、第2の取得手段、第1の計算手段、第2の計算手段、仮想分娩処理手段、距離計算手段)14、記録媒体2に格納された分娩診断支援プログラムを一時的に格納したり処理結果を格納する記憶部16、各種画面表示を行う表示部(ディスプレイ)12、入力部13、ドライブ18を備える。又、記録媒体2は、ドライブ18を介して分娩診断支援装置10に接続されている。入力部13は、後述する実特徴データを入力し、記憶部16は主記憶装置やフラッシュメモリ等が該当する。又、ドライブ18はフロッピディスク(登録商標)ドライブやCD−ROMドライブ等が該当するがこれに限らない。
次に、本発明で処理されるデータの構成等について説明する。
本発明は、3次元のデータを用いており、この分野で通常用いられる技術(例えばコンピュータグラフィックス(CG)、3次元CAD(Computer Aided Design))を適宜採用できる。又、データ処理については、通常用いられる各種のコンピュータ上の図形処理、座標処理を用いることができる。
コンピュータで処理される3次元形状の情報には、いわゆる形状分割モデル、空間分割モデル等があり、本実施形態では、例えばCADの形状分割モデルを採用できる。又、形状分割モデルのうち、3次元表面を表現するものとして、サーフェスモデルやソリッドモデルを用いることができる。このうち、サーフェスモデルは、形状の頂点座標、2つの座標を結ぶ稜線、及び複数の稜線で囲まれる(閉ループを構成する)面、の情報を含む。又、ソリッドモデルは、サーフェスモデルに加え、形状の内部情報を含む。本実施形態では、好ましくはサーフェスモデルを用いることができる。
3次元表面の表現方法としては、表面を例えば3つの稜線で囲まれる微小三角平面に分解し、その集まり(多面体(ポリゴン))で表現する方法や、所定の数式で定義する自由曲面(例えばパラメトリック曲面、ベジェ曲面)で表現する方法が挙げられる。又、上記自由曲面で面を表現し、これを上記ポリゴンで近似してもよい。本実施形態では、好ましくはポリゴンを用いることができる。
なお、本発明は人間だけでなく、あらゆる哺乳類に適用可能である。
次に、制御部14が行う処理の一例について説明する。制御部14は、記憶部16から分娩診断支援プログラムを読み取り、図2に示す処理を行う。
<ステップS2>
図2において、まず、制御部14は、記憶部16から骨盤モデルデータを取得する(ステップS2)。骨盤モデルデータは、分娩をシミュレートするためのモデルであり、一般的な母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとをあらかじめ用意したものである。
<骨盤モデルデータ>
骨盤の特徴データは、骨盤の内面形状を特徴付けるパラメータであり、例えば、産科医学上用いられる各種パラメータを用いることができる。具体的には、骨盤入口部及び出口部の前後径、横径、斜径の他、産科的真結合線径、闊部径、狭部径等が挙げられる。これらのパラメータは、例えば文献(坂元正一監修、「ナースのための産科学」、南山堂、1999年、p16−p18(図1−17)、池ノ上克編、「エッセンシャル産科学・婦人科学」、医歯薬出版株式会社、p395(図IIIA−79))に記載されている。なお、胎児は骨盤の入口部から骨盤内に導入され、出口部を通って娩出され、出口部が最も狭いため、通常は、少なくとも出口部の特徴データがあればよく、好ましくは入口部の特徴データを規定すると精度が向上する。さらに、上記他のパラメータを規定するとより好ましい。なお、骨盤の特徴データは、例えば上記前後径を示す稜線データとして構成される。
ところで、骨盤モデルを作成する際、通常は、少なくとも出口部の断面形状(骨盤内表面側の断面)がわかればよいが、出口部の前後径、横径、斜径のいずれかがあれば断面形状を決定できる。例えば、予め出口部の断面形状を規定する所定の曲線(楕円等)を準備しておけば、前後径を規定すれば該曲線を決定できる。但し、前後径、横径、斜径のうちデータ数が多いほど、出口部の断面形状の精度が向上する。この場合、各径を表す稜線の端点を通るスプライン関数等で断面形状を表現することができる。従って、本発明においては、断面形状パラメータとして、上記前後径、横径、斜径等の線分の他、断面形状を規定する曲線等も含む。
なお、骨盤入口部や他の位置(例えば闊部)における断面形状の決定も同様である。
骨盤軸データは、この軸を中心に胎児の頭(以下、適宜「児頭」と称する)を回転させるためのものであり、通常、胎児はこの軸回りに回転(回旋)しつつ下降して娩出される。産科医学上では、通常、骨盤軸は産科的骨盤軸として定義され、骨盤入口部の断面に垂直な線分が出口部側へ下降するにつれ、骨盤膝で出口部方向へ屈曲している(上記文献「エッセンシャル産科学・婦人科学」のp395参照)。本実施形態では、この産科的骨盤軸を適宜再現するように骨盤軸を規定する。骨盤軸データは、上記骨盤の特徴データ、又は以下の骨盤の3次元的な内表面データと関連して規定される。この骨盤軸データも、例えば稜線データとして構成される。
骨盤の3次元的な内表面データは、分娩をシミュレートする際、児頭と骨盤との干渉状態(距離)を計算するために必要である。この骨盤の3次元的な内表面データは、例えば上記ポリゴン近似されたものであり、形状の頂点座標、稜線、及び稜線で囲まれる面のデータとして構成される。なお、骨盤の外表面の形状の規定は重要ではなく、外表面を規定しなくともよく、又、例えば上記内表面データから、骨盤が一定の厚みを有するとみなして計算してもよい。
<骨盤モデルの作成>
上記骨盤モデルデータから、例えば図3に示すようにして骨盤モデルが作成される。まず、骨盤入口部の特徴データとして、前後径を示す稜線L1、横径を示す稜線L2、斜径を示す稜線L3が規定され、出口部の特徴データとして、前後径を示す稜線M1、横径を示す稜線M2、斜径を示す稜線M3が規定されているとする。
骨盤軸データは、2つの稜線T1、T2で表され、T1は点Gを通り稜線L1〜L3を含む面に直交する。点Gは、稜線L1〜L3の交点である。同様に、T2は点Hを通り稜線M1〜M3を含む面に直交する。点Hは、稜線M1〜M3の交点である。なお、点G、Hの他、例えば上記面の重心等を通るものを骨盤軸としてもよい。又、例えば、点G、Hを通る曲線(スプライン曲線等)を骨盤軸としてもよく、骨盤軸データの決定方法は特に限定されない。
骨盤の3次元的な内表面データは、例えば、各稜線L1〜L3の端点の座標A1、A2、A3・・・を基に、補間法によって各種座標を取得することで規定できる。図4の例では、まず、A1とA2の間の座標AxをA1とA2を基にした補間法によって規定する。同様に、軸T1から見て座標A1、A2より所定距離だけ下方(出口側)に位置する座標B1、B2を、A1とA2を基にした補間法によって規定する。このようにして得られた複数の座標A1、A2、Ax、B1、B2について、(A1、Ax、B1)で囲まれる微小面S1、(Ax、B1、B2)で囲まれる微小面S2、(A2、Ax、B1)で囲まれる微小面S3、・・・を規定し、多数のポリゴンを得ることで、骨盤内表面を規定することができる。補間法は上記に限られず、例えば各稜線L1〜L3の端点A1、A2、A3、・・・を通る曲線を規定し、この曲線上にある座標を取得してもよい。又、A2より下方にあるB2、・・・についても、例えばこの方向に沿う曲線(つまり、骨盤内部の縦方向のカーブを規定する曲線)を予め定め、この曲線上の座標を取得してもよい。又、A1、A2等を通る自由曲面を定義しておき、この曲面上の所定座標を取得してもよく、上記自由曲面そのものを内表面データとしてもよい。
以上のようにして、特徴データに関連付けて骨盤の内表面が規定され、特徴データ(又は骨盤の内表面)に関連付けて骨盤軸が規定される。
<ステップS4>
図2に戻り、制御部14は、記憶部16から児頭モデルデータを取得する(ステップS4)。児頭モデルデータは、分娩をシミュレートする際の胎児のモデルであり、胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを含む。
<児頭モデルデータ>
胎児の頭部の特徴データは、児頭の外形状を特徴付けるパラメータであり、例えば、産科医学上用いられる各種パラメータを用いることができる。具体的には、前後径、大横径、大斜径、小斜径等が挙げられる。これらのパラメータは、例えば上記文献(上記文献「エッセンシャル産科学・婦人科学」のp375の図IIIA−53)に記載されている。なお、胎児は頭部が最も大きく、分娩に当っては児頭が娩出されれば体幹も容易に娩出されるのが通常であるので、本発明においては、最低限、児頭の形状を考慮すれば足りる。もちろん、体幹の形状も含めれば精度は向上するが、コンピュータ処理の負担がその分大きくなる。児頭の特徴データは、例えば上記前後径を示す稜線データとして構成される。
ところで、児頭モデルを作成する際、通常は、少なくとも横側の断面形状(頭部の外表面側の断面)があればよいが、前後径、大横径のいずれかがあれば断面形状を決定できる。例えば、予め横断面形状を規定する所定の曲線(楕円等)を準備しておけば、前後径を規定することで該曲線を決定できる。但し、データ数が多いほど、横断面形状の精度が向上する。この場合、各径を表す稜線の端点を通るスプライン関数等で横断面形状を表現することができる。又、大斜径は、児頭の顎から後頭部までの径を示すが、この大斜径を用いて児頭の縦断面形状を計算することで、児頭の形状がより正確に表現される。従って、本発明においては、断面形状パラメータとして、上記前後径、大横径等の線分の他、断面形状を規定する曲線等も含む。
回転軸データは、この軸を上記骨盤軸と同一として児頭を回転させるためのものである。回転軸は、産科医学上は特に定義されないが、例えば上記前後径、大横径の交点を通り、上記横断面に直行する稜線で規定する。回転軸データは、上記児頭の特徴データ、又は以下の児頭の3次元的な外表面データと関連して規定される。この回転軸データも、例えば稜線データとして構成される。
頭部の3次元的な外表面データは、分娩をシミュレートする際、児頭と骨盤との干渉状態(距離)を計算するために必要である。このデータは、上記骨盤の3次元的な内表面データと同様にして規定することができ、例えばポリゴン近似され、形状の頂点座標、稜線、及び稜線で囲まれる面のデータとして構成される。
<児頭モデルの作成>
上記骨盤モデルの作成と同様に、上記児頭モデルデータから例えば図4に示すようにして児頭モデルが作成される。まず、児頭の特徴データとして、前後径を示す稜線P1、大横径を示す稜線P2、大斜径を示す稜線P3が規定されているとする。
回転軸データは、稜線T3で表され、T3は点Jを通り稜線P1、P2を含む面(横断面)に直交する。点Jは、稜線P1、P2の交点である。なお、Jの他、例えば上記面の重心等を通るものを回転軸としてもよく、骨盤軸データの決定方法は特に限定されない。
頭部の3次元的な外表面データは、上記骨盤の3次元的な内表面データの場合と同様にして規定することができる。例えば、各稜線P1〜L3の端点の座標を基に、補間法によって各種座標を取得し、得られた複数の座標で囲まれる微小面を規定し、多数のポリゴンを得ることで、頭部外表面を規定することができる。補間法も上記骨盤の3次元的な内表面データの場合と同様である。又、上記座標を通る自由曲面や球体を表す数式で外表面を規定してもよい。
以上のようにして、特徴データに関連付けて頭部の外表面が規定され、特徴データ(又は頭部の外表面)に関連付けて回転軸が規定される。
<ステップS6>
図2に戻り、制御部14は、入力部13から実特徴データを取得する(ステップS6)。実特徴データは、実際に分娩を行う患者の母体の骨盤の実特徴データ、及び実胎児の頭部の実特徴データを含む。母体の骨盤の実特徴データは、例えばX線画像から得られ、児頭の実特徴データは、例えば超音波画像から得られる。取得された画像は、例えばデジタイザ等の座標入力装置を入力部として用いることにより、記憶部16に座標データとして格納される。もちろん、キーボード等から座標を入力してもよい。
<ステップS8>
次に、制御部14は、得られた実特徴データに基づき、実母体の骨盤モデル及び実胎児の児頭モデルを計算する(ステップS8)。このモデルは、上記ステップS2、S4で取得した骨盤モデル及び児頭モデルを、実際の患者に合うよう修正したものである。ここで、実特徴データが1つであれば、もとのモデルの特徴データとの値の差に基づいてもとのモデルと相似なモデルを計算すればよいが、通常は、診断精度を高めるため、実特徴データを2つ以上用いるので、データの補間が必要になる。この補間は、線計補間、スプライン補間、ベジェ曲線を用いた補間等、特に限定されない。又、所定の方法でもとのモデルの特徴データを変形、拡大、縮小等してもよい。
図5は、ステップS8における修正の一例を示す。この図において、線分L1,L2は既にステップS2で説明した骨盤入口部の特徴データ(前後径、横径)であり、座標A1,A2,Axは図3で説明した骨盤モデルにおける骨盤表面の座標である。これらの値は既知である。
一方、ステップS6で骨盤の実特徴データ(線分)L’1、L’2を取得すると、まず、L’1、L’2の端点の座標A’1、A’2が求められる。次に、A1、A’1を結ぶ線分V1、A2、A’2を結ぶ線分V2が求められる。そして、V1、V2の長さに応じて、所定の計算規則によりAxから外側へ向かう線分Vxの長さが計算される。Vxは、G−Axを結ぶ線分Gxから延長される。そして、Vxの端点の座標A’xが求められる。
同様にして、V1、Vxの長さに応じて、所定の計算規則によりA3(骨盤モデルの表面上の任意の点)から外側へ向かう線分V3の長さが計算される。V3は、G−A3を結ぶ線分G3から延長される。そして、V3の端点の座標A’3が求められる。
そして、これらの座標A’1、A’2、A’3、・・・を滑らかに繋ぐ面を適宜規定する(例えば、上記したポリゴン)ことにより、実母体の骨盤モデル及び実胎児の頭部モデルが計算される。なお、骨盤軸及び回転軸についても、上記方法でもとのモデルのデータから実特徴データに基づいて修正してもよい。
<ステップS10、S12>
図2に戻り、制御部14は、得られた実モデルに基づき、分娩をシミュレートする(ステップS10)。このシミュレートは、上記回転軸を上記骨盤軸に一致させ、実胎児の頭部を回転軸まわりに回転させつつ娩出させるものである。そして、制御部14は、実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する(ステップS12)。
<分娩シミュレーション>
図6は、上記S10、S12による画像処理を表示部12に表示させた状態を示す。この図において、実胎児の頭部モデル(画像上は体幹を付加している)50が、実母体の骨盤モデル60内に位置し、回転軸を骨盤軸T1に一致させて頭部50が右回りに下降している。頭部50の回転は、例えば骨盤軸T1上を所定距離下降する毎の回転角度で規定することができる。頭部50が下降するにつれ、骨盤軸はT1からT2に変化し、頭部50は骨盤軸T2上を下降し、骨盤60の出口部から娩出される。
頭部50の外表面と骨盤60の内表面との距離は次のようにして計算できる。まず、頭部50の外表面上の任意の座標Wを取得し、骨盤60の内表面上の任意の座標Vを取得する。そして、常法によってW−V間の距離dを計算する。これを、頭部50及び骨盤60上に規定されたすべての座標間について行えばよい。
<ステップS14、S16>
図2に戻り、制御部14は、ステップS12で得られた距離dのうち、最小値を取得し、この値が閾値以下か否かを判定する(ステップS14)。閾値は、適宜決めることができるが、例えば5mmに設定すればよい。ステップS14で「Yes」であれば、制御部14はその時の最小値を示す骨盤モデル上の部位を表示し(ステップS16)、処理を終了する。ステップS14で「No」であれば、制御部14はそのまま、又は、例えば自然分娩が可能な旨や最小値等を表示し、処理を終了する。なお、ステップS14で、閾値を段階的に設け、最小値が第1の閾値以下であれば「帝王切開」、第1の閾値を超え第2の閾値以下であれば「分娩難易度高」、第2の閾値を超えれば「問題なし」等の判断を行ってもよい。又、上記最小値を閾値と比較する代わりに、所定の判断アルゴリズムで判定を行ってもよく、最小値のみでなく、各距離dの分布状態に基づいて判定してもよい。
本発明の分娩診断支援装置の構成を示すブロック図である。 制御部が行う処理を示すフローである。 骨盤モデルを規定する方法を示す模式図である。 児頭モデルを規定する方法を示す模式図である。 実母体の骨盤モデル及び実胎児の児頭モデルを計算する方法を示す模式図である。 分娩をシミュレートした状態を示す模式図である。
符号の説明
50 実胎児の頭部(モデル)
60 実母体の骨盤(モデル)
T1、T2 骨盤軸
d 頭部の実外表面と骨盤の実内表面との距離

Claims (6)

  1. 母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する過程と、
    胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する過程と、
    実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算過程と、
    実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算過程と、
    前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩過程と、
    前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算過程と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする分娩診断支援プログラム。
  2. 前記距離に応じて報知する過程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の分娩診断支援プログラム。
  3. 前記骨盤の特徴データは、少なくとも骨盤出口部の断面形状パラメータを含み、前記頭部の特徴データは、少なくとも頭部の断面形状パラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載の分娩診断支援プログラム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の分娩診断支援プログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
  5. 母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する過程と、
    胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する過程と、
    実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算過程と、
    実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算過程と、
    前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩過程と、
    前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算過程と
    を有することを特徴とするコンピュータを用いた分娩診断支援方法。
  6. 母体の骨盤の特徴データと該骨盤の3次元的な内表面データと該骨盤の骨盤軸データとを骨盤モデルデータとして取得する第1の取得手段と、
    胎児の頭部の特徴データと該頭部の3次元的な外表面データと該頭部の回転軸データとを児頭モデルデータとして取得する第2の取得手段と、
    実母体の骨盤の実特徴データと前記骨盤モデルデータとに基づき、前記実母体の骨盤モデルを計算する第1の計算手段と、
    実胎児の頭部の実特徴データと前記児頭モデルデータとに基づき、前記実胎児の児頭モデルを計算する第2の計算手段と、
    前記回転軸を前記骨盤軸に一致させ、前記実胎児の頭部を前記回転軸まわりに回転させつつ娩出させる仮想分娩処理手段と、
    前記実胎児の頭部が娩出されるまで、該頭部の実外表面と前記骨盤の実内表面との距離を計算する距離計算手段と
    を有することを特徴とする分娩診断支援装置。
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