JP4454157B2 - 質量分析装置のためのイオン源 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、質量分析装置のためのイオン源に関し、より詳しくは、常圧で動作するイオン源に関する。
【0002】
(背景技術)
質量分析器は通常は低圧で動作し、有機物体などの物質を分析する。質量分析を可能にするために、調査対象の物質のイオンを発生させる必要がある。特に、生物学的物体のためには、イオン源が常圧で動作することが望ましい。
【0003】
この種の物質分析の第一段階は、物質をクロマトグラフに通すことである。適用対象に応じて、気体クロマトグラフ(GC)又は液体クロマトグラフ(LC)のいずれかを使うことができる。本発明は特にLCに関連する。
【0004】
分析の次の段階は、LC溶離剤からイオンの源を発生させることである。
【0005】
これを行うための、いくつかの常圧イオン源が知られている。電子スプレ(electro-spray)イオン化(ESI)源は典型的に、小さなチューブ又は毛管を有し、このチューブ又は毛管を通じて、LC溶離剤を含むサンプル液体が流される。サンプル液体は、サンプル化合物と分析対象分子とを溶媒に含んだものである。毛管は、隣合う表面に対して高い電位差に保持される。液体はチューブから出て、毛管の先端での高い電界の結果、細かくイオン化された小滴に分散される。次に、小滴を加熱することにより溶媒を蒸発させ、非溶媒和(desolvate)させる。最終的には、イオン化した小滴が不安定になるまで小さくなり、気化し、気体サンプルイオンを形成する。
【0006】
常圧イオン源のもう一つの形式として、常圧化学イオン化(APCI)イオン源があり、これは、加熱したネブライザを使い、イオン化の前にサンプル溶液の小滴を気体相に変換する。コロナ放電電極がネブライザ出口に隣合うように配置される。これにより、周囲の気体及びネブライザ溶媒分子をイオン化する。サンプル分子は一般的に溶媒分子よりも高い陽子親和力を有するため、これらの分子間の衝突の結果、サンプル分子の好適なイオン化が行われる。このように気体サンプルイオンが生成される。ESI及びAPCIは相補的な技法であり、ESIが電荷を帯びた又は極性の化合物に制限されるのに対して、APCIは極性の少ない化合物に使うこともできる。いずれの場合においても、常圧領域にエアゾール(aerosol)が発生される。
【0007】
質量分析器の全ての常圧イオン化(API)源に共通するものは、API領域と、源又は質量分析装置の低圧領域とのインターフェースを形成するイオン入口オリフィス(orifice)である。このオリフィスは一般的には、大きさが小さい必要があり(典型的には直径が0.5mmより小さい)、これにより、質量分析装置に取り付けられた真空システムが、有限の圧送速度で十分な真空(1mPa又はそれ以下)を保持することを可能にする。
【0008】
近年では、商用LC質量分析器のAPI源が、イオン入口オリフィスと直交するように配置される傾向がある。これは、この構成ではLC溶離剤内の不揮発性構成要素への耐性が向上されるからである。
【0009】
既知のAPI源の一つの特定の問題点は、その相対的な非効率性である。非常に高性能な既知のLC質量分析器でも、液体相内の分析物から理論的に利用可能な総合的なイオン信号を考慮し、質量分析器の検出装置で受信される最終的なイオン信号と比較すると、約10-6程度の効率しか有さない。この理由としては、分析物の不完全なイオン化、不完全な非溶媒和(イオンのいくつかが、API源によって発生されたエアゾール内に液体相で残る)、及びイオン源及び質量分析装置を通じた伝送損、などと考えられている。
【0010】
米国特許第5,756,994号は、LC源の一つの特定の実現例を示す。該特許の第1図から明らかなように、LC源は、入口側室と排出ポートとを小さな直径の抽出室で接続して備えるイオンブロックを含む。常圧領域内のイオンは、入口側錐体(cone)を通って入口側室に入り、高速粘性ジェットによって入口側室から抽出室を通じて排出ポートへと運ばれる。第二の出口側錐体がイオンブロックの錐形の孔の中に配置され、その頂点が抽出室の中心部と平坦に配置される。出口側錐体は、絶縁リングによってイオンブロックから電気的に絶縁されている。電圧が出口側錐体とイオンブロックとの間に加えられ、この結果、イオンの一部がジェットから転送レンズへと抽出される。
【0011】
この構成には、いくつかの欠点が存在する。第一に、入ってくる気体が急速に膨張するため、ジェットはかなりの冷却を経験する。この問題と戦うために多量の熱入力をイオンブロックに加えて非溶媒和を促進し、溶媒クラスタイオンの形成を防止する必要がある。そしてこの加熱器が、API源アセンブリに大きな費用増加をもたらす。これは、加熱器自体のみによるものではなく、熱電対、必要な電子接続、関連する電力源、及び制御電子機器などにもよる。これに加え、イオンブロックからの伝導による余剰の熱損失を防止するため、イオンブロックを、PEEKなどの絶縁体が充填されたPTFEブロックに取り付ける必要がある。この絶縁体ブロックもまた高価であり、またそれ以上に、API源との完全な互換性を有していない。
【0012】
もう一つの直交型API源が英国特許第2,324,906号において提案されている。この特許に記載された装置は、入口側錐体、イオンブロック、及び出口側錐体が同じ電位に保持されているため、イオン抽出に静電界を必要としない。この文献の第1図に示されるように、到来する膨張中のジェットは、分断ピンを直接打ち、このピンにより流れの乱れが増やされる。これはまた、気体流の内部エネルギを増加させるよう機能し、これにより、非溶媒和を促進し溶媒クラスタ形成を防止する。よって分断ピンは、米国特許第5,756,994号に記載の装置で使用されるイオンブロック加熱器と同様の機能を、関連するハードウェアの費用無しに果たす。これに加え、英国特許第2,324,906号のイオンブロックの内部構造は、出口側錐体の頂点が、粘性気体流路の傍流に位置するよう設計される(文献の第1図を参照)。これにより、イオンが出口側錐体を通過する確率が増加する。よって、英国特許第2,423,906号に記載の構成は、米国特許第5,756,994号に記載された構成と同様の全体的なイオン配送効率を提供する。更に、英国特許第2,324,906号に記載されたプローブは、水平面において、装置の光学軸に対して直交するように方向付けできるため、より整然とし、小さな源設計が可能である。
【0013】
しかしながら、英国特許第2,324,906号に示された構成は、効率的な動作のために、イオン体積内で、源領域が比較的高い圧力、典型的には1.5kPa(15mbar)程度の圧力、で動作されることを必要とする。これは、増加された源圧力の結果、中間及び検出装置の真空領域への関連する高い気体流量を生じるため、重要な事柄である。与えられたポンプシステムでは、この結果、対応する高い圧力が上記二つの領域で発生する。高い検出装置圧力の結果、イオン信号損及び高い背景雑音レベルが生じる場合がある。よって、必要な真空を得るために、高い圧送速度を有するポンプ、したがって高価なポンプを用いる必要がある。
【0014】
(発明の開示)
本発明の目的の一つは、従来の装置に関連するこれら及び他の問題を取り扱うことである。
【0015】
本発明によれば、低圧で動作する質量分析器のためのイオン源であって、常圧で動作可能であり、望まれるサンプルイオンを含むサンプルの流れを提供する常圧サンプルイオン化装置と、入口側開口部と出口側開口部と排出ポートとを備えるインターフェース室であって、常圧サンプルイオン化装置によって提供され気体流内に浮遊して運ばれるサンプルイオンを受けるよう入口側開口部が構成され、サンプルプルイオンがインターフェース室から質量分析器に出るよう出口開口部が構成されるインターフェース室と、インターフェース室の排出ポートと連絡し、インターフェース室の排出ポートの圧力を質量分析器の動作圧力と常圧との中間の圧力に保持する真空ポンプと、を含み、インターフェース室が、入口側開口部から排出ポートへの気体及び浮遊して運ばれるサンプルイオンの流れ通路を定義し、出口側開口部が、入口側開口部と排出ポートとの間の流れ通路内に配置され、流れ通路は、入口側開口部から入る実質的に全ての気体及び浮遊して運ばれるサンプルイオンが出口側開口部から当該出口側開口部の直径の5倍よりも小さい距離“d”以内に流れる形状であって、同時に入口側開口部と出口側開口部とが互いに直接見えないような形状を有することを特徴とするイオン源が提供される。特定の好適な実施形態では、距離“d”が出口側開口部の直径の三倍よりも小さい。
【0016】
よって、本発明による源では、入口側開口部と出口側開口部とが互いに相手を直接臨めない、すなわち両者の間に直線経路が存在しない。これにより、入口側開口部から出口側開口部への、イオンの望まれない「流出」が防止される。しかしながら、英国特許第2,423,906号の装置と違い、出口側開口部は、入口側開口部と排出ポートとの間の流路に直接存在する。従来装置では、出口側開口部は、サンプルイオンの直接的な流路の外の領域に隣合うように配置されていた。
【0017】
好適には、インターフェース室が気体及び浮遊して運ばれるサンプルイオンが流れ通路に沿って流れる際に、その流れに乱れを導入するための曲部を有する。この構成にはいくつかの利点が存在する。第一に、方向の変更過程が、粘性流の流れに内部エネルギを導入する。第二に、非溶媒和が促進され、溶媒クラスタ形成が最小化される。これにより、典型的に溶媒クラスタイオンによって発生される背景信号が低減される。よって、検出の限界が向上され、これは商用LC質量分析器において特に望ましい特徴である。
【0018】
第三に、出口側開口部を通る流率が低減される。これにより、出口側錐体近辺でのイオン滞留時間、よって出口側開口部を通じてのイオン抽出の確率が増加する。
【0019】
よって、イオンブロックを直接的に加熱する必要無しに、従来よりも高いイオン配送が可能になる。
【0020】
もっとも好適には、インターフェース室が、入口側開口部に隣合う第一通路及び出口側開口部に隣合う第二通路を有し、これら通路は互いに連絡し、また互いに約90°の角度で交差する。
【0021】
インターフェース室内での直角の曲部により、粘性流の流れに導入される内部エネルギを最大化し、非溶媒和を促進し、溶媒クラスタ形成を防止し、この室を通じた気体の流率を遅くする、特に効果的な方法を提供する。このような構成により、既知のAPI源と比較して25倍までのイオン信号の増加が観察されている。これは、検出の限界を向上するだけでなく、数量化の限界も向上する。しかしながら、気体流の方向の変更を強いる他の構造もまた企図される。
【0022】
有利なことには、入口側開口部と出口側開口部との間のインターフェース室の一部がインターフェース室の残りの部分よりも小さな断面積を有し、入口側開口部と出口側開口部との間のサンプルイオンの正味の流れが絞られる(throttle)。もっとも好適には、入口側開口部に隣合う第一通路が、出口側開口部に隣合う第二通路よりも小さな断面積を有する。
【0023】
この流れの絞りにより、インターフェース室内で最適な圧力を得ることを可能にする。実際に、流れの絞りが用いられた場合のインターフェース室内の圧力は、従来の源と同等又は従来よりも低い。よって、質量分析器内の質量分析装置への気体流量が低減される。
【0024】
製造費用の大きな部分を占めるのが、真空システムである、真空ポンプは典型的にはターボポンプであり、その費用は、真空ポンプが配送可能な圧送速度におおよそ比例する。よって、本発明の好適な実施形態で必要とされる低い圧送速度は、低コストのポンプを用いることを可能にする。
【0025】
好適には、第一通路及び第二通路の両方が、それぞれの幅よりも実質的に長い長さを有する。
【0026】
好適には、出口側開口部が、インターフェース室を定義するブロック内に形成された切頭円錐形穴を備え、出口側開口部が更に対応する切頭円錐形挿入部材を備え、挿入部材がサンプルイオンの通過を可能にする孔を有し、ブロック内の切頭円錐形穴と同軸に整列される。この場合、挿入部材がブロックから電気的に絶縁されていてもよい。これは、挿入部材とブロックとの間に電位差を加え、質量分析器へのイオンの抽出を可能にする必要があるためである。
【0027】
(発明を実施するための最良の形態)
図に示すイオン源は、常圧下のイオン化領域10を含む。イオン化されたサンプル小滴は、高い電位に保持される毛管30及びサンプル小滴を非溶媒和するネブライザ加熱器40によってイオン化領域10に送られる。当業者には理解できるように、この構成は電子スプレ源の一部である。この代わりに、イオン化されたサンプル小滴を発生させる他の既知の構成を使ってもよい。
【0028】
イオンブロック50が、イオン源インターフェース領域を定義する。説明を簡略化するために、以下の記載では、インターフェース領域は複数の別個の相互接続された部品として説明されるが、実際には、イオンブロック50は好適には鋳造される又はそうでなければ単一のブロックとして形成されることを理解されたい。
【0029】
インターフェース領域の入口チャネル60は、入口側オリフィス錐体70と整列し、該オリフィスと連通する。好適には、入口側オリフィス錐体70がイオンブロック50に取外し可能に取り付けられる。これにより、常圧イオン化(API)源の製造と、入口側オリフィス錐体の洗浄との両方を容易にする。典型的には、入口側開口部は、0.25mmと0.4mmの間の直径を有する。特に、ここで説明する実施の形態では、0.3mmの入口側開口部直径が適している。
【0030】
インターフェース領域は更に、出口チャネル80を備える。この出口チャネルの第一の端部は、入口チャネル60の、入口側オリフィス錐体70から遠い端部と約90°の角度で交差する。
【0031】
出口チャネルの、入口チャネル60から遠い端部は、排出室90へと開く。排出室は、従来の真空ポンプ110が接続される排出ポート100を備える。例えば、28m3/時の回転ポンプを用いることができる。
【0032】
真空ポンプ110は、イオン源インターフェース領域内に部分的な真空を発生させる。実際に発生される真空は、特に、真空ポンプ110の圧送率による。このように、イオン化領域10で発生された、イオン化された小滴が、入口側オリフィス錐体70を介してインターフェース領域へと、そして、入口チャネル60及び出口チャネル80に沿って排出室90へと引き寄せられる。その後、イオン化された小滴は、排出ポート100を通じて排出される。
【0033】
図示するように、イオンブロック50は、切頭円錐形開口部をその中に有する。切頭円錐開口部の下端部は、相対的に小さな直径を有し、入口チャネル60と排出室90とのほぼ中間点で出口チャネル80に沿って位置し、出口チャネル80と連通する。イオンブロック50内の切頭円錐形開口部の上端部は、相対的に大きな直径を有し、イオンブロック50の上部表面上の座部(seat)へと開く。
【0034】
電気的に絶縁された座金120がイオンブロック50の座部上に配置される。出口側オリフィス錐体130が、電気的に絶縁された座金の上に取り付けられ、イオンブロックの切頭円錐形開口部内に開口部から距離をあけて配置される先細のスリーブを有する。したがって、電気的に絶縁された座金120は、出口側オリフィス錐体130をイオンブロック50から隔離する機能を果たす。
【0035】
出口側オリフィス錐体130は、イオン源インターフェース領域の出口チャネル80と、図面に一般的に150で示す分析器領域とを連通する機能を有する。分析器領域150は典型的に、従来の四重極方式又は磁場セクタ方式の質量分析器を符号160で点線で示すハウジング内に含む。
【0036】
出口側オリフィス錐体130は、分析器ハウジング160内でRFレンズ領域170に開き、このRFレンズ領域170は典型的にはおよそ0.6Paまで減圧される。RFレンズ領域170は、質量分析装置領域180と連絡し、この質量分析装置領域180は典型的には、8mPaまで減圧される。
【0037】
分析器領域150は、本発明の一部を成すものではなく、したがって図面に示す構成要素は大きく簡略化されていることを理解されたい。図面を明瞭にするために図面には示されていないが、イオン検出器などの他の従来の構成要素もまた分析器領域150内に存在することは、当業者には明らかであろう。
【0038】
よって、入口側オリフィス錐体70に入りイオン源インターフェース領域を排出口まで通るイオン化された小滴の一部が、出口側オリフィス錐体130と隣合う出口チャネル80の排出領域200から分析器領域150へと引き寄せられる。ここに記載する実施の形態では、出口側オリフィス錐体130の開口部の直径は1mmが好適である。より小さな開口部を使い、質量分析器を減圧するポンプの圧送速度を低減させることもできるが、これは出口側オリフィスを通って質量分析器へと通るイオンの量も低減させてしまう。
【0039】
入口及び出口チャネルの交差角度が90°であることにより、入口側オリフィス錐体70から抽出領域200までの経路(イオンブロック50内のイオン源インターフェース領域によって定義される)に直角の曲部を導入する。これにより、内部エネルギを、イオン化された小滴の粘性流の流れに導入する。直角の曲部は、非溶媒和を促進し溶媒クラスタ形成を防止するための非常に効率的な手段を提供する。更に、イオン源インターフェース領域内の直角の曲部は、抽出室を通る気体の流率を遅くする。これにより、抽出領域200におけるイオン滞留時間が増え、よって、出口側オリフィス錐体130を通じたイオン抽出の確率が増える。図示するように、出口側オリフィス錐体130の光学軸は、入口側オリフィス錐体70の光学軸とほぼ平行である。しかしながら、従来のAPI源では、イオンブロックの入口側開口部と出口側開口部との間に、直接的な視線を設定可能であり、イオン化した小滴が入口側から出口側へと「流出」することが可能であった。
【0040】
図を再度参照し、入口チャネル60が出口チャネルよりも小さな断面積を有することがわかる。例えば、入口チャネル60は、約2mmの直径を有していてもよく、出口チャネルは、これより大きい約3mmの直径を有していてもよい。このイオン化された小滴が入口側オリフィス錐体70から出口側オリフィス錐体130又は排出口へと通る間の流れの絞りにより、抽出領域200内で最適な圧力を達成することを可能にする。
【0041】
(産業上の利用可能性)
これらの特徴が組み合わされた効果は、従来観察されたものよりも高いイオン配送である。特に、従来の直交型API源と比較して、25倍までのイオン信号の増加が観察された。更に、直接的なイオンブロックの加熱が必要とされない。高いイオン配送は、向上された検出の限界及びLC質量分析器の数量化の限界を提供する。
【0042】
上述の構成は更に、プローブを装置の光学軸に水平面で直交して方向付けできるという利点を有する。これにより、より整然とした、より小さな設計が可能になる。
【0043】
上述の源は、PCT/GB98/02359に記載のaQa洗浄システムと共に用いてもよい。この場合、源の丈夫さが改善される。
【図面の簡単な説明】
本発明は、いくつかの方法で実施することができ、そのうちの一つが例として図面を参照して説明される。
【図1】 本発明の実施形態による常圧イオン源を質量分析器の一部と共に示す概略図である。
Claims (8)
- 低圧で動作する質量分析器のためのイオン源であって、
常圧で動作可能であり、望まれるサンプルイオンを含むサンプルの流れを提供する常圧サンプルイオン化装置と、
入口側開口部と出口側開口部と排出ポートとを備えるインターフェース室であって、前記常圧サンプルイオン化装置によって提供され気体流内に浮遊して運ばれるサンプルイオンを受けるよう前記入口側開口部が構成され、サンプルイオンが前記インターフェース室から前記質量分析器に出るよう前記出口側開口部が構成されるインターフェース室と、
前記インターフェース室の前記排出ポートと連通し、前記インターフェース室の前記排出ポートの圧力を前記質量分析器の動作圧力と常圧との中間圧力に保持する真空ポンプと、
を含み、
前記インターフェース室は、前記入口側開口部から前記排出ポートへの気体及び浮遊して運ばれるサンプルイオンの流れ通路を規定し、
前記出口側開口部は、前記入口側開口部と前記排出ポートとの間の流れ通路内に配置され、
前記流れ通路は、前記入口側開口部から入る実質的に全ての気体及び浮遊して運ばれるサンプルイオンを前記気体およびサンプルイオンが出口開口に到達する前に方向変更して方向付けして前記方向付けされたサンプルイオンが、前記出口側開口部から当該出口側開口部の直径の5倍よりも小さい距離“d”以内に流れると共に、前記入口側開口部と前記出口側開口部とが互いに直接望めないような形状を有すること、
を特徴とするイオン源。 - 請求項1に記載のイオン源であって、
前記インターフェース室は、気体流及び浮遊して運ばれるサンプルイオンが前記流れ通路に沿って流れる際に、その流れに乱れを導入するための曲部を有し、
前記曲部は、前記入口側開口部と前記出口側開口部との間に形成されること、
を特徴とするイオン源。 - 請求項1又は請求項2に記載のイオン源であって、
前記インターフェース室は、前記入口側開口部に隣接する第一の通路及び前記出口側開口部に隣接する第二の通路であって、互いに連通し、互いに略90°の角度で交差する第一及び第二の通路を有し、
前記第一通路と前記第二通路との交差点は、前記入口側開口部と前記出口側開口部との間に存在すること
を特徴とするイオン源。 - 請求項1に記載のイオン源であって、
前記入口側開口部と前記出口側開口部との間の前記インターフェース室の一部は、前記インターフェース室の残りの部分よりも小さな断面積を有し、前記入口側開口部と前記出口側開口部との間のサンプルイオンの正味の流れが絞られることを特徴とするイオン源。 - 請求項3に記載のイオン源であって、
前記入口側開口部に隣接する前記第一通路は、前記出口側開口部に隣接する前記第二通路よりも小さな断面積を有し、前記入口側開口部と前記出口側開口部との間のサンプルイオンの正味の流れが絞られることを特徴とするイオン源。 - 請求項3又は請求項5に記載のイオン源であって、
前記第一通路及び前記第二通路の両方は、それぞれの幅よりも実質的に長い長さを有することを特徴とするイオン源。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のイオン源であって、
前記出口側開口部は、前記インターフェース室を定義するブロック内に形成された切頭円錐形穴と、対応する切頭円錐形挿入部材とを備え、
前記挿入部材は、サンプルイオンの通過を可能にするための孔を有し、前記ブロック内の前記切頭円錐形穴と同軸に整列されていること、
を特徴とするイオン源。 - 請求項7に記載のイオン源であって、
前記挿入部材は、前記ブロックから電気的に絶縁されていることを特徴とするイオン源。
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