JP4450610B2 - 高勾配磁界を利用した診断・治療機能を有する磁気共鳴イメージング装置。 - Google Patents

高勾配磁界を利用した診断・治療機能を有する磁気共鳴イメージング装置。 Download PDF

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本発明は、温熱治療装置に係り、特に、温熱治療機能を有する磁気共鳴イメージング装置に関する。
温熱治療(ハイパーサーミア)は、腫瘍等の局所を30〜60分間、42℃以上に加温する治療方法であり、如何にして腫瘍等の局所部分に出来るだけ限定して加温するかが問題となっている。
このため、上記温熱治療に関して、例えば、特許文献1や特許文献2に記載された技術が開発されている。
特許文献1記載の技術は、人間または動物の腫瘍等の組織に対して予め磁気応答可能粒子を付加しておき、2つの磁場発生手段の間に交流勾配磁場領域を生成し、この交流勾配磁場領域に、上記腫瘍等組織部位を配置する。そして、磁気応答可能粒子の熱又は運動エネルギーを増加させ、腫瘍等の組織を不活性あるいは破壊する技術である。
また、特許文献2記載の技術は、交流電磁場における酸化鉄粒子により発生する熱に基づき、痛みの鎮静と疾患関節における炎症プロセスの抑制を図る技術である。
特表2003−508173号公報 特表2003−507434号公報
しかしながら、上記従来の技術にあっては、診断や治療を施すために組織内に注入された強磁性体粒子に担持された液体が、被検体の組織内部で拡散するため、長時間にわたってこの液体を滞留させることが困難であり、それ以上の温熱効果を期待することができなかった。
また、磁気勾配を利用して磁性体粒子を特定の部位に集中させる試みもなされてきたが、磁気勾配力が小さく、かつ印加できる範囲も被検体の体表面に限られていた。
したがって、有効な効果が得られるに十分な時間だけ、被検体の体内部における特定部位領域に磁性粒子を滞留させることが困難であった。
本発明の目的は、有効な効果が得られるに十分な時間だけ、被検体の体内部における特定部位領域に磁性粒子を滞留させることが可能で、患部の治療又は診断経過を確認可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波送信コイルと、高周波受信コイルと、この高周波受信コイルにより受信した核磁気共鳴信号に基づき、被検体の断層画像を再構成する画像再構成手段と、上記傾斜磁場発生手段、高周波送信コイル、高周波受信コイル及び画像再構成手段の動作を制御する動作制御手段とを備える。
この磁気共鳴イメージング装置は、被検体の体内に挿入される磁性体要素と、温熱治療用の薬剤を注入する貫通孔を有するガイド機構とを備える。そして、上記動作制御手段は、上記磁性体要素が被検体に挿入され、温熱治療用の薬剤が注入された後に、上記高周波送信コイルにより高周波を被検体に送信して上記磁性体要素が挿入された部位を加熱させる手段を備える。
(2)好ましくは、上記(1)において、上記動作制御手段は、上記磁性体要素が挿入された部位の加熱前における上記部位の断層画像を撮像させるとともに、上記部位の加熱後における上記部位の断層画像を撮像させて、上記加熱処理前後の画像を比較し、上記部位のうちの所定部分の変化に対応して上記加熱手段を制御する。
(3)また、好ましくは、上記(1)において、上記被検体と上記静磁場発生手段が発生する静磁場を利用して上記被検体から上記薬剤を回収する薬剤回収手段とを交互に上記静磁場に配置して、薬剤回収と上記被検体の断層画像の撮像を交互に行う手段と、この断層画像から薬剤が回収されたか否かを判断する手段を備える。
(4)また、好ましくは、上記(1)、(2)、(3)において、上記磁性体要素は、強磁性体からなる細線である。
本発明により、有効な効果が得られるに十分な時間だけ、被検体の体内部における特定部位領域に磁性粒子を滞留させることが可能で、患部の治療又は診断経過を確認可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
また、磁性粒子は、常磁性体を用いることができ、強磁性体を用いる場合より、MRI装置による断層画像の乱れを低減することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の全体概略構成図である。
図1において、MRI装置は、静磁場発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えている。
静磁場発生磁石2は、寝台上の天板(図示省略)に載置された被検体1の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とを備え、後述するシーケンサ4からの命令に従って、X、Y、Zのそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを被検体1に印加する。傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス面を設定することができる。
シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する。また、シーケンサ4は、CPU8の制御により動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5、傾斜磁場発生系3及び受信系6に送る。
送信系5は、上記シーケンサ4から送り出される高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を照射する。そして、送信系5は、高周波発振器11と、変調器12と、高周波増幅器13と、送信側の高周波コイル14aとを備える。
高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4の命令に従って変調器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅する。そして、増幅された高周波パルスを、被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する。受信系6は、受信側の高周波コイル14bと、増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17とを備える。
送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力されてディジタル量に変換される。さらに、直交位相検波器16に供給された信号はシーケンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、CPU(動作制御演算手段)8と、磁気ディスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ20とを備え、CPU8でフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層像として表示する。
次に、本発明の原理について、説明する。
(A)図2に示すように、均一な静磁場空間領域50に配置され、予め磁気応答物質が注入された被検体1の体内に、磁性体要素を挿入することによって、被検体1の体内に急激な磁場勾配を発生させて、体内の磁気応答物質に大きな磁気吸引力を作用させる。
これは、磁場中に極細強磁性の細線21を配置すると、図3に示すように、磁力線が細線21に集中し、周囲の磁力線分布が極端に歪んで、大きな磁気勾配が発生するからである。
一般に、単位体積の物質に作用する磁気力Fは次式(1)で表される。
=p・x・H(dH/dy) −−−(1)
ここで、上記式(1)において、pは密度、xは質量磁化率、Hは磁場強度、(dH/dy)は磁場勾配である。
上記式(1)から、磁気力を大きくするには、磁気力を作用させる磁気応答物質が一定なら、磁場強度や磁場勾配を大きくすれば良いことがわかる。
さらに、人体内に大きな磁気力を作用させる場合、磁場強度を高くすると、その空間サイズより磁石が大規模になるため、磁場勾配を大きくすることが有効である。
上述のように、磁場中に極細強磁性の細線21を配置すると、磁力線が細線21に集中し、周囲の磁力線分布が極端に歪んで、大きな磁気勾配が発生する。
磁気勾配は次式(2)のように、磁性体の飽和磁化Mと、細線21の半径aとの比で与えられる。すなわち、強磁性の細い線を用いると、その周囲に大きな磁気力が作用できることがわかる。
dH/dy=M/a −−−(2)
一般に、永久磁石等で印加できる磁場勾配は、1x10A/mであるが、同様の磁場空間に、直径φ0.1mmの細線21を配置すると、その周囲には約1000倍の1x1010A/mの磁場勾配が発生するため、非常に大きな磁気力を作用させることができる。
また、細線21を用いると体積も小さいため、均一空間内部へ導入する際の磁気吸引力も小さく、細線21の導入機構等も比較的小型なものでよい。
また、磁場方向に対して、磁性体細線21の長手方向を垂直に配置することによって、細線21の半径方向の周囲に急激な磁場勾配を発生することができる。
(B)図4に示すように、急激な磁場勾配を被検体1の体内に発生させると、被検体1の体液中23の磁性粒子あるいは磁性体等の磁気応答物質22に担持された液体に大きな磁気力が作用し、この液体が体内を循環することを抑制し、滞留あるいは分離することが可能となる。
(C)磁性体22に作用する磁気力は、吸引物質の磁化率が大きいほど強くなるので、外部磁場の強度を大きくすると、常磁性体の場合は飽和せずに単純に大きくなるため、磁性体22が強磁性体の場合のみならず、銅やアルミナ等の常磁性体の物質の場合であっても、磁気的に干渉させることができる。
銅やアルミナ等の常磁性体の物質を用いることが可能であるので、MRI装置により断層画像を撮像する場合には、画像に乱れを起こすことを回避することができる。
(D)被検体1の体内に滞留させた、これら磁気応答する物質22を、高周波加熱すると、磁気応答物質22が滞留した領域の細胞組織を間接的に加熱することができる。このため、特定の部位を選択的に加熱治療することができる。
(E)上述の機能を発揮できる装置は、一般的なMRI装置に、磁性体要素を均一空間内部に配置できるガイド誘導機構並びに被検体1の体内に滞留した磁気応答物質22を高周波加熱できるコイルを設けることで達成することができる。
(F)また、MRI機能で観察しながら、均一な静磁場空間に配置された被検体1の特定部位に非磁性体のガイドを挿入して位置決めをした後に、均一磁場空間の外部から磁性体要素を被検体1の体内に導入して、磁性体要素の周囲に急激な磁場勾配を発生させ、体内の磁気応答物質と磁気干渉を生じさせることで、特定の部位を選択的に温熱処置することができる。
(G)また、一般的なMRI装置の磁石端部では、磁場勾配が大きな領域が存在するので、磁性体要素を特別に導入する機構を設ける必要なく、被検体1の体内に磁場勾配を印加させることができる。
(H)また、被検体1に強磁性元素を含んだ造影剤を体内に注入し、造影剤を特定部位に滞留させた後に、磁性体要素を除去して、均一磁場空間にて撮影を施す撮影手法も行うことができる。
なお、被検体1の体内を循環する磁気応答物質22は、診断や治療用の医薬品あるいは被検体1の体内で自ら発生したもののいずれでも効果は発揮できる。
次に、本発明の具体的な実施形態について説明する。
図5は、本発明の一実施形態であるMRI装置の概観斜視図である。この実施形態は、がん細胞を温熱して死滅させることができるハイパーサーミアに関する装置である。
図5に示すように、本発明の一実施形態におけるMRI装置には、テーブル(ベッド)24に配置された被検体1に、磁性体細線の挿入等を行うガイド機構25が備えられている。
ガイド機構25は、図6に示すように、磁性体細線の集合体26と、ハイパーサーミア用の金属粒子を含有する薬剤を注入できる貫通孔28と、磁性体細線の集合体26を医師等が保持可能な、つかみ機構27とが備えられている。
磁性体細線からなるスポンジ状の集合体26は、ガイド機構25の先端部に保持され、被検体1の体内に挿入後、その金属細線の集合体26を体内に残留させることができる。
本発明の一実施形態における治療動作を図8に示した動作フローチャートに従って説明する。
まず、被検体1をMRI装置の撮影空間に配置した後、患者のガン患部をMR撮影してその部位を特定すると共にその情報を記録する(ステップ100、101)。
その後、付属のガイド機構25を用いて、磁性体細線の集合体26を被検体1の患部近傍に挿入する(ステップ102)。体内に挿入された磁性体細線の集合体26には、MRI装置の静磁場が印加され、その細線の周囲で磁場が急激に変化し、大きな磁場勾配が生じている。
続いて、磁性微粒子を含んだハイパーサーミア用薬剤を、ガイド機構25を用いて患部に注入する(ステップ103)。従来技術においては、注入された薬剤が時間経過と共に拡散して広がるが、本発明の一実施形態においては、磁性微粒子は磁性体細線の周囲に発生する大きな磁気力によって、患部近辺での滞留が維持される。
次に、RFコイルの周波数を変更し、励起コイルを変更する(ステップ104)。これは、磁性微粒子を高周波加熱するために、周波数等を変更するものである。
そして、被検体1の体外から高周波磁界で患部周囲に滞留している磁性体微粒子を加熱することで患部を加熱する(ステップ105)。従来技術では、高周波加熱される微粒子を含んだ薬剤が患部以外へ拡散するため、周囲の健常部まで加熱・死滅される可能性が高かったが、本発明の一実施形態においては、治療対象部位を集中的に処置できるため、周囲の健常部位に与える影響を極力抑制することができる。
また、従来技術においては、薬剤が極度に拡散する前に加熱処置を完了させることが必要であったため、時間的な制約も大きかったが、本発明により特定部位の加熱処置に十分な時間を設けることが可能となっている。
上記加熱処置に十分な時間の経過後、RFコイルの周波数等を撮影可能な周波数に戻し、加熱処置後の患部をMRIにより撮影し、画像表示する(ステップ106)。そして、治療前の患部の撮影データと治療後の患部の撮影データとを比較して、患部のガン細胞が所定以上確認できたか否かを判断する(ステップ107)。ステップ107において、ガン細胞を所定以上確認できた場合には、ステップ105に戻り、再び、高周波による患部加熱を行う。
ステップ107において、ガン細胞を所定以上確認できなかった場合は、ステップ108に進み、薬剤回収用バイパス手段を被検体1に設置する。このバイパス手段は、図7に示すように、血流閉止ピン30と、血管バイパス31と、この血管バイパス31の中途に配置された磁性体フィルタ29とを備えている。
そして、磁性体フィルタ29により、特定細胞、つまり、ガン細胞と結合した磁性微粒子が回収される(ステップ109)。続いて、患部形態の撮影が行われ(ステップ110)、撮影画像に基づいて、特定細胞が回収されたか否かを判断する(ステップ111)。ステップ111において、特定細胞が回収されていないと判断した場合は、ステップ110に戻る。
この磁性体フィルタ29と被検体1を、例えば同じ天板上に載置して、磁性微粒子の回収時(ステップ109)には磁性体フィルタ29を静磁場の中心に移動し、被検体患部の撮影時(ステップ110)には被検体患部を静磁場中心に移動する。あるいは、被検体患部を常時静磁場中心に配置し、磁性体フィルタ29を十分な強度の静磁場が存在しながら撮影の障害にならない箇所に配置して、回収(ステップ109)と撮影(ステップ110)を同時又は交互に行ってもよい。
ステップ111において、特定細胞が回収されたと判断した場合は、ステップ112において、被検体1に設置したバイパス手段を外し、処理を終了する。
なお、上記実施形態のステップ105〜107において、ハイパーサーミアによる処置前後のガン患部の撮影情報や患部機能情報を比較し、この比較結果に基づいて、高周波による加熱条件を変更することも可能である。
また、医師がMRで撮影した画像をコンピュータ画面で確認しながら、処置対象の腫瘍部分を選択クリックし、ロボットが針(磁性体細線)の挿入角度と深さを計算し、挿入するように構成することも可能である。
また、治療部位に挿入する磁性体細線の集合体26の形状や寸法は、対象部位の寸法によって任意に選択すれば良く、磁性体細線の直径が同じであれば、薬剤に作用する磁気力は同じであり、細線の単位長さ当たりの磁気応答物質22の滞留効果も同一である。
また、この細線を、特定部位の細胞集合組織に挿入することにより、数万から数千の単位の小さな部位の組織の治療も可能である。
本発明の一実施形態では、磁性体細線の集合体26を用いたが、磁気力を大きくするには、その線径が小さいものが好ましい。このため、細線でなく、例えば基板上の蒸着された直径が非常に小さい棒状のパターンであっても、細線と同様な効果を発揮することができる。
なお、ハイパーサーミアによる高周波加熱において、微粒子を高周波加熱する照射コイルは、MRイメージング撮影に使用するRF照射コイルと兼用とすることが、装置構造上、簡略となり好ましいが、高周波加熱用の照射コイルを別個設置することも可能である。
また、磁性細線をカテーテルに付けて、患部等の撮影部位へ挿入した後に、ガドリニウム等の造影剤を注射し、撮影部位領域に造影剤を集中させることも可能である。
以上のように、本発明の一実施形態によれば、MRI装置の均一磁場を利用しているため、大きな磁気勾配を得て、磁性体粒子を特定部位に長時間にわたって滞留させて、高周波加熱治療を行うことができるとともに、MR原理を利用して治療部位の断層画像を表示することができる。
したがって、有効な効果が得られるに十分な時間だけ、被検体の体内部における特定部位領域に磁性粒子を滞留させることが可能で、患部の治療又は診断経過を確認可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
次に、本発明によるMRI装置を用いた治療方法例について説明する。
磁気細胞分離技術は、磁性体粒子からなるビーズを分離対象の細胞と免疫反応で結合させた後に、外部からの磁気力で分離する手法である。この手法は磁性体粒子を目的とする分離細胞と選択的に結合させることができる特徴を有している。
直径1μm以下の酸化鉄微粒子の表面に白血病細胞分離するレクチンを担持させた磁性体ビーズを用意し、被検体1の体内に注入して数時間を経過させる。これにより、体内に磁性ビーズを循環させて白血病細胞と磁性体ビーズとが結合させる処置を施す。
その後、バイパス手段を患者に設ける手術を施し、血液をフィルタ内ヘバイパスさせる。なお、磁性体細線は直径φ0.01〜0.05mmの強磁性のステンレス線である。
その後に、MRI装置の内部に被検体1と磁性体フィルタとを含むバイパス回路を入れる。MRI装置の撮影空間における磁場強度は0.7Tである。スポンジ状フィルタには、MR1装置の静磁場が印加され、その内部に配置されたステンレス細線の周囲において磁場が急激に変化し、1x1010A/mの磁場勾配が生じている。
この状態で、血流閉止ピンによって、被検体1の血液をバイパス回路31に流し、フィルタ29の内部を通過させる。この結果として、被検体1の体内を血液と共に循環している白血病細胞と結合した微粒子(磁性ビーズ)が磁気力によって磁性体細線21の周囲に集中する。
そこで、被検体1をMRI装置から出した後に、血流閉止ピン30を外して、被検体1の血液を通常の状態とした後に、磁性ビーズが集中しているフィルタ29をバイパス回路31と共に除去する。
これにより、被検体1体内の白血病細胞が効率良く、体外へ抽出して除去することができる。実験によれば、当初注入した磁性体粒子の98%が、白血病細胞と共に被検体1の体内から回収することができる。
上述と同様な手法で血液中の赤血球を分離・抽出することも可能である。また、磁性酸化鉄微粒子の表面に環境ホルモン等が吸着しやすくなるように、直鎖アルキル基を固定して疎水化処理することにより、液体中から環境ホルモンを分離することもできる。
また、本発明により、磁気的応答を示す細菌やバクテリアを直接的に分離、抽出することも可能である。
また、上述した例では、白血病細胞分離するレクチンを担持させた磁性体ビーズを用いて、被検体体内に直接注入する構成としたが、被検体1から予め血液を取り出しておき、磁性体フィルタをMRI装置の静磁場空間に配置して、磁気勾配を利用した細胞分離を行うことも可能である。
また、上述のガイド機構25でなく、カテーテルの先端部に磁性体細線の集合体を保持できる機構を設けて、患者の血管を経由して治療対象部位にアクセスさせる方法も有効である。
本発明が適用される磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の全体概略構成図である。 本発明の原理説明図である。 本発明の原理説明図である。 本発明の原理説明図である。 本発明の一実施形態であるMRI装置の概観斜視図である。 ガイド機構の概略構成図である。 バイパス手段の概略構成図である。 本発明の動作フローチャートである。
符号の説明
1 被検体
2 静磁場発生装置
3 傾斜磁場発生系
4 シーケンサ
5 送信系
6 受信系
7 信号処理系
8 CPU
9 傾斜磁場コイル
10 傾斜磁場電源
11 高周波発信器
12 変調器
13、15 増幅器
14 高周波コイル
16 直交位相検波器
17 A/D変換器
21 磁性体細線
22 磁気応答物質
24 テーブル(ベッド)
25 ガイド機構
26 磁性体細線の集合体
27 つかみ機構
28 貫通孔
29 磁性体フィルタ
30 血流閉止ピン
31 血管バイパス

Claims (6)

  1. 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波送信コイルと、高周波受信コイルと、この高周波受信コイルにより受信した核磁気共鳴信号に基づき、被検体の断層画像を再構成する画像再構成手段と、上記傾斜磁場発生手段、高周波送信コイル、高周波受信コイル及び画像再構成手段の動作を制御する動作制御手段とを備える磁気共鳴イメージング装置において、
    上記被検体の所定の部位に高勾配磁界を発生させ、上記被検体内に注入された磁気応答物質である温熱治療用の薬剤を、上記部位に滞留させる高勾配磁界発生手段を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、被検体の体内に上記薬剤を注入する貫通孔を有するガイド機構をさらに備え、上記動作制御手段は、上記高周波送信コイルにより高周波を被検体に送信して上記部位に滞留する上記薬剤を加熱することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記動作制御手段は、上記部位の加熱前における上記部位の断層画像を撮像させるとともに、上記部位の加熱後における上記部位の断層画像を撮像させて、上記加熱処理前後の画像に基いて上記加熱手段を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記静磁場発生手段が発生する静磁場を利用して上記被検体から上記薬剤を回収する薬剤回収手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記被検体と上記薬剤回収手段とを交互に上記静磁場に配置して、薬剤回収と上記被検体の断層画像の撮像を交互に行う手段と、この断層画像から薬剤が回収されたか否かを判断する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1、2、3、4、5のうちのいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記高勾配磁界発生手段は、強磁性体からなる細線であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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